JP2010031915A - 軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピニオン軸を軸支する軸受を締め付けるねじカバーの緩み、およびこれに伴う軸受内外輪の共回りを、軸受外輪の簡単な加工のみで防止し得る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造を提供する。
【解決手段】ピニオン軸2とハウジング1との間に軸受4を嵌合し、ハウジング1に螺着されるねじカバー22によって軸受外輪20をハウジング1の段部21に押圧して軸方向に固定する軸受固定装置において、軸受外輪20の端面に溝23を形成し、この溝の外縁をねじカバー22の緩み方向に対する引掛り形状に形成してハウジング等の振動に対するねじカバー22の緩み防止を行うようにした。
【選択図】図2
【解決手段】ピニオン軸2とハウジング1との間に軸受4を嵌合し、ハウジング1に螺着されるねじカバー22によって軸受外輪20をハウジング1の段部21に押圧して軸方向に固定する軸受固定装置において、軸受外輪20の端面に溝23を形成し、この溝の外縁をねじカバー22の緩み方向に対する引掛り形状に形成してハウジング等の振動に対するねじカバー22の緩み防止を行うようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、軸部を軸収容ハウジングに対して回転可能かつ軸方向移動不能に軸支する軸受の軸方向固定装置、より具体的には、軸受の外輪をねじカバーによって前記ハウジングの段部に押圧して固定する装置における軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造に関する。
例えばギヤ付き回転軸の支持構造に見られるように、ギヤボックスのハウジングにギヤ軸を玉軸受を介して回転可能かつ軸方向移動不能に軸支する場合、前記ハウジングを蓋閉するねじ付き蓋体(ねじカバー)によって前記玉軸受の外輪をハウジング内径部の段部に押し付けて軸受を軸方向に固定したギヤ軸支持構造が知られている。
具体例としては、車両用のラックアンドピニオン式ステアリング装置のピニオン軸支持構造が挙げられるが、この構造においては、ピニオン軸に嵌合させた玉軸受の内輪を前記ピニオン軸の段差部で軸方向に拘束し、外輪をハウジングの段部と前記ハウジングの開口部に螺着したねじカバーの内端面とで締め付けて軸方向に固定することにより、前記ピニオン軸の軸方向ガタを抑制している(特許文献1、特許文献2)。
特に特許文献1の場合は、軸受内輪の一方の端面をピニオン軸の段差部で拘束し、ピニオン軸に形成した円環状の切欠部に加締めリングの片端縁を加締めるとともに、前記加締めリングの他方の端縁を軸受内輪の他方の端面に圧接させることにより、軸受内輪の軸方向固定を行っている。
また、特許文献2では、軸受の内輪はピニオン軸の段差部とピニオン軸の軸端に螺着したナットとによって軸方向に締め付け、また、軸受外輪を締め付けるねじカバーの外周部にハウジングの開口部内径より大径のテーパ部を形成し、このねじカバーを前記ハウジングの開口部にねじ込んだときに、前記ねじカバーのテーパ部がハウジングの開口部先端の内径部に圧接され、これによってこの両者の圧接面が密閉されるとともに、圧接面どうしの摩擦力により前記ねじカバーがロックされ、前記ハウジングの振動による前記ねじカバーの緩み出しを防止している。
そのほか、軸受外輪を締め付けるねじカバーの緩み止め手段としては、軸受外輪と嵌合するギヤボックス表面のポンチによる加締め、あるいは、ねじカバーの螺合部にねじ止め剤を塗布する等の方法がある。
特開2007−112272号公報
特開2007−120558号公報
上述の如く、ピニオン軸の軸支部でギヤボックスハウジングに装着されるねじカバーは、ギヤボックスの密封に加えて、前記ピニオン軸を支持する軸受、特にその外輪を軸方向に固定し、前記ピニオン軸の軸方向ガタを抑制する機能を有しているが、従来の構造では単にギヤボックスハウジングのピニオン軸挿入開口部とねじカバーにねじ部を形成し、規定の締付けトルクで前記ねじカバーを締め込むことで発生する軸力によって、軸受に対し適切な押付け荷重を負荷し、軸方向ガタの発生を抑制しているため、前記ハウジングの振動等によって前記ねじカバーが緩むおそれがある。特に、車両のステアリング装置では走行時のピニオン軸収容ハウジングの振動が激しく、前記ねじカバーの緩み防止が強く要望されている。
特許文献2に記載のねじカバーの緩み止め構造は、ねじカバーのねじ部基端側に続いて末拡り状のテーパ部を形成し、ハウジングにねじカバーをねじ込んで締め付けつつ、前記テーパ部をハウジング開口部先端の円筒部に圧入するという形をとるため、緩み防止としての効果は十分あるものの、締付けトルクが雄ねじ部と雌ねじ部の嵌め合い寸法によって変化するため、ステアリング装置のようなねじカバーの締付けトルクで軸受に与える軸方向の押付け荷重を管理する部位には不向きである。
上述したギヤボックス表面のポンチングによる加締め手段は、組み付け後に塑性変形を与えるため、再組み立てが出来ず、部品の再利用が不可能となる。また、ねじ止め剤をねじ部に塗布する方法についても、(a)組み付け時にその分の工程が加わることでコストアップとなり、(b)一般にねじ止め剤は粘性の高い液体であるため、製造現場での取り扱いが難しく、作業効率を下げる、(c)通常ねじ止め剤は揮発性油脂を含むため、作業者の健康を害するおそれがあり、さらに、(d)ねじ面に付着したねじ止め剤が組み付け時の締付けトルクを増加させるため、規定の締付けトルクで締め付けても十分な軸力が発生しないため、一度ねじ部に付着したねじ止め剤を完全に除去する必要がある、など多くの問題がある。
本発明は、上述した諸種の問題をなくし、ピニオン軸を軸支する軸受を締め付けるねじカバーの緩み、およびこれに伴う軸受内外輪の共回りを、軸受外輪の簡単な加工のみで防止し得る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造は、軸部とハウジングとの間に軸受を嵌合し、前記ハウジングに螺着されるねじカバーによって軸受外輪を前記ハウジングの段部に押圧して軸方向に固定する軸受固定装置において、前記軸受外輪の少なくとも前記ねじカバーと接する端面に溝を形成し、前記溝の外縁を前記ねじカバーの緩み方向に対する引掛り形状に形成したものである。
また、本発明の請求項2に係る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造は、請求項1の構造において、さらに、前記軸受外輪の端面溝を該軸受外輪の両端面に形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造は、請求項1または2に記載の構造において、前記軸受外輪の前記ねじカバーと接する側の端面の溝が、その溝底位置が周方向溝幅の中心位置よりも緩み回転方向側へ寄って形成され、前記軸受外輪の前記ハウジングの段部と接する側の溝は、その溝底位置が周方向溝幅の中心位置よりも前記緩み回転方向と反対側へ寄って形成されることを特徴とする。
さらに、本発明の請求項4に係る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造は、請求項1ないし3に記載の構造において、前記軸部がラックアンドピニオン式ステアリング装置のラック軸と噛合するピニオン軸であり、前記軸受は前記ピニオン軸に嵌合される深みぞ形玉軸受であることを特徴とする。
本発明によれば、ねじカバーの締め付けで軸方向に拘束される軸受外輪の端面に前記ねじカバーの緩み回転方向に対する引掛り作用を果たす溝を形成することにより、軸受嵌合部位のポンチングによる塑性変形やねじ止め剤の塗布などを施すことなく、外輪の簡単な溝加工のみで前記ねじカバーの緩み止めを行うことができる。
次に、本発明に係る軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造を、ラックアンドピニオン式ステアリング装置に適用した例について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1に示す車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置の概要を説明すれば、ラック・ピニオンのギヤボックスを構成するハウジング1内に、ピニオン軸2に交差してラック軸3が収容され、ピニオン軸2は、後述する玉軸受4およびニードル軸受5によって回転可能かつ軸方向移動不能に支承されている。ピニオン軸2は図示しないステアリングシャフトに連結され、ラック軸3は両端部がハウジング1から伸長して転舵装置(図示省略)に連結される。ピニオン軸2のピニオン歯部2aはラック軸3のラック歯部3aと噛合し、また、ラック軸3の歯部背面側には、全体として符号6で示すラックガイドがハウジング1内に配置されている。
図1に示す車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置の概要を説明すれば、ラック・ピニオンのギヤボックスを構成するハウジング1内に、ピニオン軸2に交差してラック軸3が収容され、ピニオン軸2は、後述する玉軸受4およびニードル軸受5によって回転可能かつ軸方向移動不能に支承されている。ピニオン軸2は図示しないステアリングシャフトに連結され、ラック軸3は両端部がハウジング1から伸長して転舵装置(図示省略)に連結される。ピニオン軸2のピニオン歯部2aはラック軸3のラック歯部3aと噛合し、また、ラック軸3の歯部背面側には、全体として符号6で示すラックガイドがハウジング1内に配置されている。
ラックガイド6は、略円筒状に形成されたラックガイドホルダ7、その内部空間8に形成されたピン受部9にラック軸3の軸方向に対して直交配置されたピン10、および中心部分にニードル軸受11が圧入され、外周面が鼓状に形成されたラック支持ローラ12から構成されている。
ギヤボックスハウジング1のラックガイド案内孔13にラックガイドホルダ7が挿入され、調整ねじ14と圧縮ばね15を介してラックガイドホルダ7がラック軸背面側へ押し付けられることにより、ラック軸3の外周面にラック支持ローラ12の鼓状の外周面が当接し、ラック軸3はピニオン軸2に向けて押し付けられ、これによってラック軸3のラック歯部3aとピニオン軸2のピニオン歯部2aとの噛合が維持される。
この実施形態1においては、ピニオン軸2には、加締めリング16の一方の端縁を加締めて固定する円環状の切欠部17が形成されている。玉軸受4の内輪18をピニオン軸2の段差部2bに当接するようにピニオン軸2に嵌合させ、玉軸受4の内輪18の外側の端面に加締めリング16の他方の端縁を当接させた状態で加締めリング16の前記一方の端縁を加締めて円環状の切欠部17に固定することにより、玉軸受4の内輪18はピニオン軸2の段差部2bと加締めリング16との間で軸方向に拘束、固定される。
玉軸受4の外輪20は、ギヤボックスハウジング1の内部に形成された段部21に嵌合され、前記ハウジング1の端部に装着されたねじカバー22を締め付けることにより、ハウジング段部21とねじカバー22の内端面との間で軸方向に拘束、固定される。
玉軸受4の内輪18は、上記の如くピニオン軸2の切欠部17に加締め嵌合させた加締めリング16によって固定されるため、作動中にも緩みが生じることはないが、外輪20はねじカバー22のねじ込みで外輪20の端面を押圧するだけのため、ハウジング1の振動等によってねじカバー22が緩み、玉軸受4の軸方向のガタや内外輪18,20の共回りのおそれが生じる。そこで本発明においては、玉軸受4の外輪20の両端面に、ねじカバー22の緩み方向の回転に対する引掛り形状の溝23(図1には図示省略)が形成されている。
図2(a)は図1のピニオン軸とハウジングとの間に嵌合される玉軸受の拡大斜視図であり、図2(b)は同図(a)のA−A線に沿った拡大断面図、即ち、溝の伸長方向に直交する溝中途位置で裁断した拡大縦断面図である。また、図2(c)はハウジング段部と接する側の外輪端面の溝形状を示す拡大断面図である。ねじカバー22の内端面と当接する側の外輪端面について説明すれば、この実施形態1では、玉軸受4のねじカバー22と接する外輪端面20aに半径方向に伸びる4個の溝23が周方向に等間隔に形成されている。これらの溝23は全体としてはV溝の形態を成しているが、実施形態1では、一方の溝壁25はねじカバー22の締付け回転方向(図中の矢印Gで示す方向)に大きく倒れるように傾斜しており、他方の溝壁24は外輪端面20aに対して略90°ないし若干鋭角(図2のθの角度)となるように形成され、これによってこの部分の溝縁28が引掛り形状となっている。より具体的には、溝23の開口幅Dにおける溝中心線Cよりも溝底位置(溝底の最深位置)26がねじカバー22の緩み回転方向側(図中矢印F方向)に寄った形状に形成されている。
また、軸受外輪20のハウジング段部21に当接する外輪端面20bにも同様に半径方向に伸びる複数個の溝27が形成されており、図2(c)に示すように、溝形状が図2(b)のねじカバー側の溝形状とは反対の傾斜形状となっている。具体的には、ねじカバー22の緩み回転方向F側の溝壁24が大きく倒れた形態となり、これに対向する側の溝壁25は外輪端面20bに対して急峻な立上り形状となっている。さらに具体的には、ハウジング段部側の外輪端面20bでは、溝27の開口幅Eにおける溝中心線Cよりも溝底位置(溝底の最深位置)26がねじカバーの緩み回転方向(図中矢印F方向)と反対側へ寄った位置となるように形成されている。
このような溝形態とすることにより、ねじカバー22に緩み回転方向の力が作用しても、軸受の引掛り形状の溝壁の縁部28によって緩みが防止され、また、外輪20のハウジング段部21と接する側では、外輪20がねじカバー22の緩み回転に伴って同方向に緩み回転作用がかかっても、引掛り形状の溝縁29がハウジングの段部21の面に引掛り気味となり、軸受外輪20の緩み方向への回転および内輪との共回りが防止される。
(実施形態2)
図3(a),(b)はそれぞれ本発明の実施形態2による軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造に係る軸受端面の平面図、および図3(a)のB−B線拡大断面図である。この実施形態2では、外輪20のねじカバー22と圧接する端面に平面視矩形状の12個の溝23が周方向に等間隔に形成されている。各々の溝23の片側溝壁の縁部28はねじカバー22の緩み回転方向に対する引掛り形状となっている。
図3(a),(b)はそれぞれ本発明の実施形態2による軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造に係る軸受端面の平面図、および図3(a)のB−B線拡大断面図である。この実施形態2では、外輪20のねじカバー22と圧接する端面に平面視矩形状の12個の溝23が周方向に等間隔に形成されている。各々の溝23の片側溝壁の縁部28はねじカバー22の緩み回転方向に対する引掛り形状となっている。
図3(b)を参照して任意の1個の溝形状を説明すれば、溝23の断面形状は全体としてはV溝の形態に形成されるが、ねじカバー22の締め付け方向G側の溝壁25は締め付け方向に大きく倒れるように傾斜しており、これと反対側の溝壁24は溝底26から急峻に立ち上るように若干傾斜状態に形成されている。この場合も溝底26の位置は、溝開口幅の中心Cよりもねじカバー22の緩み回転方向F側へ寄った側に位置しているが、実施形態2では溝底26位置がねじカバー22の緩み方向の溝縁28の位置よりもさらに緩み回転方向側へ寄って形成され、したがって外輪端面20aと緩み方向側の溝壁24との成す角θは鋭角となっている。
このような構成により、ねじカバー22の緩み回転方向側の溝縁28はねじカバー22に対する引掛り形状となり、ねじカバー22に緩み方向の力が作用しても、ねじカバー22の外輪接触面は溝縁28に引掛ることになって、緩み回転が防止される。
図3の実施形態2では、ねじカバー22と接触する側の外輪端面20aのみを示したが、外輪20のハウジング段部21に接する外輪端面にも溝が形成され、その溝形状は、実施形態1で説明したように、ねじカバー側の溝形状と反対の溝壁傾斜形状となり、緩み回転方向と反対側の溝壁が急峻な立ち上り形態となり、その溝縁が前記ハウジングの段部に引掛りの作用を果たすように形成される。
(実施形態3)
図4(a),(b)はそれぞれ本発明の実施形態3に係る玉軸受の外輪端面を示す平面図、および同図(a)のC−C線拡大断面図である。この実施形態3も実施形態1,2と同様に、溝23の断面形状は全体としてはV溝の形態に形成されるが、実施形態3では径方向に2個ずつ並んだ平面視矩形状の溝が形成され、この2個の溝が対となって外輪端面の周方向に複数個、図示の例では8組の緩み防止溝23が形成されている。各々の溝断面形状は、ねじカバー22の締め付け方向G側の溝壁25が締め付け方向に大きく倒れるように傾斜しており、これと反対側の溝壁24は溝底26から急峻に立ち上るように緩み回転方向へ若干傾斜状態に形成されている。この場合も、溝底26の位置は溝開口幅の中心Cよりもねじカバー22の緩み回転方向側へ寄った側に位置しているが、実施形態3では外輪端面20aと緩み回転方向の溝壁24との成す角θは鈍角となっている。
図4(a),(b)はそれぞれ本発明の実施形態3に係る玉軸受の外輪端面を示す平面図、および同図(a)のC−C線拡大断面図である。この実施形態3も実施形態1,2と同様に、溝23の断面形状は全体としてはV溝の形態に形成されるが、実施形態3では径方向に2個ずつ並んだ平面視矩形状の溝が形成され、この2個の溝が対となって外輪端面の周方向に複数個、図示の例では8組の緩み防止溝23が形成されている。各々の溝断面形状は、ねじカバー22の締め付け方向G側の溝壁25が締め付け方向に大きく倒れるように傾斜しており、これと反対側の溝壁24は溝底26から急峻に立ち上るように緩み回転方向へ若干傾斜状態に形成されている。この場合も、溝底26の位置は溝開口幅の中心Cよりもねじカバー22の緩み回転方向側へ寄った側に位置しているが、実施形態3では外輪端面20aと緩み回転方向の溝壁24との成す角θは鈍角となっている。
実施形態3においても、緩み回転方向の溝壁24は締め付け方向の溝壁25よりも急峻な傾斜状態となっており、その溝縁28はねじカバー22に対する引掛り形状となり、ねじカバー22に緩み方向の力が作用しても、ねじカバー22の外輪接触面は溝縁28に引掛る形態となり、緩み回転が防止される。
(実施形態4)
上述の実施形態ではいずれも、外輪端面の溝は平面視で矩形状あるいは外輪の径方向に伸びる形状の溝としたが、本発明はこのような形態にのみ限定されるものではなく、例えば図5に示すように、外輪20の端面に平面視で3角形の溝23を複数個周方向に形成してもよい。この場合、各々の3角形溝の1つの縁部30は軸受4の径方向に沿って伸びており、この縁部30が引掛り形状に形成され、ねじカバーの緩み回転(矢印F方向)に対する引掛り作用を果たすようにされている。
上述の実施形態ではいずれも、外輪端面の溝は平面視で矩形状あるいは外輪の径方向に伸びる形状の溝としたが、本発明はこのような形態にのみ限定されるものではなく、例えば図5に示すように、外輪20の端面に平面視で3角形の溝23を複数個周方向に形成してもよい。この場合、各々の3角形溝の1つの縁部30は軸受4の径方向に沿って伸びており、この縁部30が引掛り形状に形成され、ねじカバーの緩み回転(矢印F方向)に対する引掛り作用を果たすようにされている。
また、上述の実施形態ではいずれも軸受外輪の両端面に緩み防止用の溝を形成した例を示したが、場合によっては片側の外輪端面にのみ、例えばねじカバーと圧接する側の外輪端面にのみ溝を形成したものでもよく、この場合もこれらの溝と接触するねじカバーの緩み回転は防止される。
なお、実施形態ではラックアンドピニオン式ステアリング装置に適用した例を説明したが、本発明はこのようなステアリング装置だけでなく、ラック軸と噛合する任意のピニオン軸の軸受支持部に適用し得、これらはすべて本発明の範囲に含まれることは明らかである。
なお、実施形態ではラックアンドピニオン式ステアリング装置に適用した例を説明したが、本発明はこのようなステアリング装置だけでなく、ラック軸と噛合する任意のピニオン軸の軸受支持部に適用し得、これらはすべて本発明の範囲に含まれることは明らかである。
1 ギヤボックスハウジング
2 ピニオン軸
2b ピニオン軸の段差部
3 ラック軸
4 玉軸受
16 加締めリング
18 玉軸受内輪
20 玉軸受外輪
21 ハウジングの段部
22 ねじカバー
23 溝
24,25 溝壁
26 溝底
28,29 溝縁部
G ねじカバーの締め付け方向
F ねじカバーの緩み回転方向
2 ピニオン軸
2b ピニオン軸の段差部
3 ラック軸
4 玉軸受
16 加締めリング
18 玉軸受内輪
20 玉軸受外輪
21 ハウジングの段部
22 ねじカバー
23 溝
24,25 溝壁
26 溝底
28,29 溝縁部
G ねじカバーの締め付け方向
F ねじカバーの緩み回転方向
Claims (4)
- 軸部とハウジングとの間に軸受を嵌合し、前記ハウジングに螺着されるねじカバーによって軸受外輪を前記ハウジングの段部に押圧して軸方向に固定する軸受固定装置において、前記軸受外輪の少なくとも前記ねじカバーと接する端面に溝を形成し、前記溝の外縁を前記ねじカバーの緩み方向に対する引掛り形状に形成することを特徴とする軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造。
- 前記軸受外輪の端面溝を該軸受外輪の両端面に形成することを特徴とする請求項1に記載の軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造。
- 前記軸受外輪の前記ねじカバーと接する側の端面の溝は、その溝底位置が周方向溝幅の中心位置よりも緩み回転方向側へ寄って形成され、前記軸受外輪の前記ハウジングの段部と接する側の溝は、その溝底位置が周方向溝幅の中心位置よりも前記緩み回転方向と反対側へ寄って形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造。
- 前記軸部がラックアンドピニオン式ステアリング装置のラック軸と噛合するピニオン軸であり、前記軸受は前記ピニオン軸に嵌合される深みぞ形玉軸受であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の軸受外輪固定用ねじカバーの緩み防止構造。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20111004 |