JP2010030018A - ダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】盤上に固定されたダイヤモンド砥粒の高さを均一にし、盤上にダイヤモンド砥粒を強固に固定できる構造のダイヤモンド・ドレッサーを提供する。
【解決手段】金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板14と16を基台12に固定し、金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料18をにして、ポーラス板14と16に含浸する。ポーラス板14と16の表面にダイヤモンド砥粒20と22を所定の密度で配置する。その後、ロー付け材料18を加熱溶融し、平坦な圧力板24をポーラス板14と16の表面に平行に支持して、ダイヤモンド砥粒20と22をポーラス板14と16の表面に向かって押しつけながら、ロー付け材料18を固化する。
【選択図】図4
【解決手段】金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板14と16を基台12に固定し、金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料18をにして、ポーラス板14と16に含浸する。ポーラス板14と16の表面にダイヤモンド砥粒20と22を所定の密度で配置する。その後、ロー付け材料18を加熱溶融し、平坦な圧力板24をポーラス板14と16の表面に平行に支持して、ダイヤモンド砥粒20と22をポーラス板14と16の表面に向かって押しつけながら、ロー付け材料18を固化する。
【選択図】図4
Description
本発明は、各種対象物の研磨に使用されるダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法に関する。
ダイヤモンド砥粒を利用したダイヤモンド・ドレッサーは、様々な材料の高精度加工に広く利用されている。例えば、ダイヤモンド・ドレッサーの一種である、CMP装置のコンディショナにおいては、その性能向上のために、例えば、円盤上の同心円上に粒度の異なるダイヤモンド砥粒を配置した構造のものが開発されている(特許文献1参照)。
特開2008−55593号公報
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
ダイヤモンド・ドレッサーでは、ダイヤモンド砥粒が盤面にロー付けされるが、ダイヤモンド砥粒の粒径にはある程度のばらつきがあるので、ドレッサーで加工された対象物にそのばらつきによる痕跡が写るという問題があった。また、ダイヤモンド砥粒のロー付けには強度と接着力の優れた金属系のロー付け材料が用いられるが、例えば、CMP装置では、金属が強酸性のスラリーにより溶け出した金属がウエハを汚染するという問題がある。この金属汚染対策としてガラス系のロー材を使用するとよいが、ガラス系のロー材は脆くて、ダイヤモンド砥粒が盤面から脱落し易いという問題があった。
上記の課題を解決するために、本発明は次のようなダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法を提供することを目的とする。
(1)盤上に固定されたダイヤモンド砥粒の高さを均一にしたダイヤモンド・ドレッサーを提供する。
(2)盤上にダイヤモンド砥粒を強固に固定する構造のダイヤモンド・ドレッサーを提供する。
ダイヤモンド・ドレッサーでは、ダイヤモンド砥粒が盤面にロー付けされるが、ダイヤモンド砥粒の粒径にはある程度のばらつきがあるので、ドレッサーで加工された対象物にそのばらつきによる痕跡が写るという問題があった。また、ダイヤモンド砥粒のロー付けには強度と接着力の優れた金属系のロー付け材料が用いられるが、例えば、CMP装置では、金属が強酸性のスラリーにより溶け出した金属がウエハを汚染するという問題がある。この金属汚染対策としてガラス系のロー材を使用するとよいが、ガラス系のロー材は脆くて、ダイヤモンド砥粒が盤面から脱落し易いという問題があった。
上記の課題を解決するために、本発明は次のようなダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法を提供することを目的とする。
(1)盤上に固定されたダイヤモンド砥粒の高さを均一にしたダイヤモンド・ドレッサーを提供する。
(2)盤上にダイヤモンド砥粒を強固に固定する構造のダイヤモンド・ドレッサーを提供する。
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
耐食性の金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板を基台に固定し、耐食性の高い金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料を上記ポーラス板に含浸し、ダイヤモンド砥粒を上記ポーラス板の表面に所定の密度で配置して、上記ロー付け材料を加熱溶融し、要求される精度の所定の押圧面を有する圧力板で、上記ダイヤモンド砥粒を上記ポーラス板の表面に向かって押しつけながら、ロー付け材料を固化してダイヤモンドを固定することを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーの製造方法。
〈構成1〉
耐食性の金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板を基台に固定し、耐食性の高い金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料を上記ポーラス板に含浸し、ダイヤモンド砥粒を上記ポーラス板の表面に所定の密度で配置して、上記ロー付け材料を加熱溶融し、要求される精度の所定の押圧面を有する圧力板で、上記ダイヤモンド砥粒を上記ポーラス板の表面に向かって押しつけながら、ロー付け材料を固化してダイヤモンドを固定することを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーの製造方法。
ポーラス板にロー付け材料を含浸して、ダイヤモンド砥粒を固定したので、ポーラス板の泡壁部分が柱となりロー付け材料がバインダーとなって、一種の複合材料を構成する。この複合材料は強度が高く、ダイヤモンド砥粒の基部を包み込むように固定するので、ダイヤモンドが基台から剥がれにくく、ダイヤモンド砥粒を強固に固定できる。また、平坦な圧力板でダイヤモンド砥粒をポーラス板の表面に押しつけて固定するので、ダイヤモンド砥粒の高さが揃い、ダイヤモンド・ドレッサーの品質が向上する。
〈構成2〉
構成1に記載のダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法において、上記ロー付け材料を溶剤と混ぜてペースト状にし、減圧法又は加圧法により、ペースト状のロー付け材料を含浸することを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーの製造方法。
構成1に記載のダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法において、上記ロー付け材料を溶剤と混ぜてペースト状にし、減圧法又は加圧法により、ペースト状のロー付け材料を含浸することを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーの製造方法。
ロー付け材料をポーラス板に加熱等の処理をすることなく十分に含浸させておくことができる。
〈構成3〉
構成1または2に記載のダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法において、ポーラス板の発泡率は5%以上98%以下であって、泡径が5μm以上500μm以下であることを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法。
構成1または2に記載のダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法において、ポーラス板の発泡率は5%以上98%以下であって、泡径が5μm以上500μm以下であることを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法。
このように調整したポーラス板は、適量のロー付け材料を含浸し、ダイヤモンド砥粒の固定に適した機械強度及びダイヤモンドとの界面結合を保持できる。なお、ポーラス板の発泡率が30%に満たないとロー付け材料を十分に含浸できない。また、ポーラス板の発泡率が98%を越えると、ポーラス板の強度が不十分になる。また、泡径が5μmに満たないとロー付け材料を十分に含浸できない。なお、含浸し易さを考慮すると、泡径が20μm以上、発泡率が20%以上が好ましい。泡径が500μmを越えると、ポーラス板の強度が不十分になる。
〈構成4〉
基台と、この基台上に固定された金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板と、上記ポーラス板の少なくとも表面近傍に含浸された、金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料と、上記ポーラス板の表面に所定の密度で配置され、上記ロー付け材料により上記ポーラス板に固定され、前記ポーラス板の表面に向かって押しつけられて高さが揃えられ、研磨対象物の表面形状に対応するように要求される精度で配列したダイヤモンド砥粒を備えたことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサー。
基台と、この基台上に固定された金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板と、上記ポーラス板の少なくとも表面近傍に含浸された、金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料と、上記ポーラス板の表面に所定の密度で配置され、上記ロー付け材料により上記ポーラス板に固定され、前記ポーラス板の表面に向かって押しつけられて高さが揃えられ、研磨対象物の表面形状に対応するように要求される精度で配列したダイヤモンド砥粒を備えたことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサー。
切削対象物の表面は必ずしも平面とは限らない。階段状であったり、曲面であったりしたときでも、切削対象物の表面形状に対応するようにドレッサーの面を設計すればよい。その面上に、要求される精度でダイヤモンド砥粒を配列するとよい。
〈構成5〉
構成4に記載のダイヤモンド・ドレッサーにおいて、上記基台上に複数のポーラス板を配置し、それらの表面にそれぞれ異なる粒度のダイヤモンド砥粒を配置したことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法。
構成4に記載のダイヤモンド・ドレッサーにおいて、上記基台上に複数のポーラス板を配置し、それらの表面にそれぞれ異なる粒度のダイヤモンド砥粒を配置したことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法。
基台上に異なる粒度のダイヤモンド砥粒を配置したものであっても、それらのダイヤモンド砥粒の高さを揃えて、ダイヤモンド・ドレッサーの品質を向上できる。
図1は、特許文献1に記載されたCMP装置の説明図である。
本発明のダイヤモンド・ドレッサーは、例えば、特許文献1に記載されたようなCMP装置のコンディショナとして使用できる。図1(a)はCMP研磨装置の主要部斜視図である。図のように、CMP研磨装置は、回転軸30により、回転軸30の上端に設けられたポリシングプレート31を回転駆動する。ポリシングプレート31上には、ポリシングクロス32が張設されている。ポリシングプレート31の上方には、回転軸30と逆方向に回転する昇降自在のスピンドル軸33が配置されている。スピンドル軸33の下端に設けられたチャック機構34には、半導体ウエハ37がチャックされている。ポリシングクロス32の上面に、アルカリ液又は強酸液等に微粒子シリカ等を混和させたスラリーを滴下させながら、半導体ウエハ37とポリシングプレート31とを回転させる。こうして、半導体ウエハ37をCMP研磨加工する。
本発明のダイヤモンド・ドレッサーは、例えば、特許文献1に記載されたようなCMP装置のコンディショナとして使用できる。図1(a)はCMP研磨装置の主要部斜視図である。図のように、CMP研磨装置は、回転軸30により、回転軸30の上端に設けられたポリシングプレート31を回転駆動する。ポリシングプレート31上には、ポリシングクロス32が張設されている。ポリシングプレート31の上方には、回転軸30と逆方向に回転する昇降自在のスピンドル軸33が配置されている。スピンドル軸33の下端に設けられたチャック機構34には、半導体ウエハ37がチャックされている。ポリシングクロス32の上面に、アルカリ液又は強酸液等に微粒子シリカ等を混和させたスラリーを滴下させながら、半導体ウエハ37とポリシングプレート31とを回転させる。こうして、半導体ウエハ37をCMP研磨加工する。
ポリシングクロス32は、長時間CMP研磨加工を続けると、ポリシング面の平坦度が低下する。さらに、目詰まりが起きる。これは、半導体ウエハ37の研磨精度や研磨効率の低下を生じさせる。その為、ポリシングプレート31の側方からポリシングクロス32の上方に突出し、進退可能なアーム35を設ける。このアーム35の先端に図示しない回転軸を設け、回転軸の下端に円盤状のコンディショナ36を固定する。そして、ポリシングプレート32の外周から中心付近までの範囲を進退させながら、コンディショナ36を回転させる。こうして、コンディショナ36でポリシングクロス32を研磨してコンディションを整えている。
図1(b)は、コンディショナ36の底面図である。この面には、同心円状の2個の帯状リング42と44とが設けられている。帯状リング42と44の間には溝56が形成されている。帯状リング42と44の表面に、ダイヤモンド砥粒が固定されている。このコンディショナ36のA−A断面図を用いて、その構造を説明する。
図2はコンディショナ36のA−A断面図である。
図に示すように、基台12に環状の溝46が形成されており、それを挟む帯状リング42にダイヤモンド砥粒20が固定され、帯状リング44にダイヤモンド砥粒22が固定されている。図2(b)には、円Aの部分の拡大図を示す。この図のように、帯状リング42と44に固定されたダイヤモンド砥粒20とダイヤモンド砥粒22とはそれぞれ平均粒径が異なる。さらに、同じ帯状リングに固定されたダイヤモンド砥粒にもばらつきがある。従って、図のように、ダイヤモンド砥粒20と22の基台12上の高さにばらつきが生じている。この高さが均一なほど、コンディショナの均一な表面状態が研磨対象物に転写され対象物の表面状態が高精度に加工出来る。
図に示すように、基台12に環状の溝46が形成されており、それを挟む帯状リング42にダイヤモンド砥粒20が固定され、帯状リング44にダイヤモンド砥粒22が固定されている。図2(b)には、円Aの部分の拡大図を示す。この図のように、帯状リング42と44に固定されたダイヤモンド砥粒20とダイヤモンド砥粒22とはそれぞれ平均粒径が異なる。さらに、同じ帯状リングに固定されたダイヤモンド砥粒にもばらつきがある。従って、図のように、ダイヤモンド砥粒20と22の基台12上の高さにばらつきが生じている。この高さが均一なほど、コンディショナの均一な表面状態が研磨対象物に転写され対象物の表面状態が高精度に加工出来る。
図3は、上記のコンディショナ36の主要部拡大縦断面図である。
図の(a)に示すように、ダイヤモンド砥粒20には予め表面にロー付け材料と反応しやすいTi系のコーティングが施されている。基台12は金属板やセラミック板である。基台12の表面にもロー付け材料18が含浸されている。そして、これらを加熱することによってロー付け材料18を溶融させ、図の(b)に示すように、ダイヤモンド砥粒20と基台12とを固定する。基台12の表面は平坦であるからダイヤモンド砥粒20のサイズのばらつきが直接その高さのばらつきになり、精度が悪くなる。しかも、基台12上に固定されたダイヤモンド砥粒の高さが違うと、研磨をしたとき高さの高いダイヤモンド砥粒に応力が集中する。これにより研磨中に基台12からダイヤモンド砥粒18が剥がれて脱落することもある。
図の(a)に示すように、ダイヤモンド砥粒20には予め表面にロー付け材料と反応しやすいTi系のコーティングが施されている。基台12は金属板やセラミック板である。基台12の表面にもロー付け材料18が含浸されている。そして、これらを加熱することによってロー付け材料18を溶融させ、図の(b)に示すように、ダイヤモンド砥粒20と基台12とを固定する。基台12の表面は平坦であるからダイヤモンド砥粒20のサイズのばらつきが直接その高さのばらつきになり、精度が悪くなる。しかも、基台12上に固定されたダイヤモンド砥粒の高さが違うと、研磨をしたとき高さの高いダイヤモンド砥粒に応力が集中する。これにより研磨中に基台12からダイヤモンド砥粒18が剥がれて脱落することもある。
図4(a)と(b)は、それぞれ本発明のダイヤモンド・ドレッサーの製造中と製造後の一部縦断面図である。
このダイヤモンド・ドレッサー10は、円盤状の基台12の外周部分と内周部分とにそれぞれ研磨面を備える。図4(a)と(b)は、図1のA−A断面に相当する図面である。図の右側に回転軸がある。外周部分の環状の研磨面にはポーラス板14を配置した。内周部分の環状の研磨面にはポーラス板16を配置した。ポーラス板14と16とは、基台12に強固に固定されている。ポーラス板14の表面にはダイヤモンド砥粒20を固定した。ポーラス板16の表面にはダイヤモンド砥粒22を固定した。
このダイヤモンド・ドレッサー10は、円盤状の基台12の外周部分と内周部分とにそれぞれ研磨面を備える。図4(a)と(b)は、図1のA−A断面に相当する図面である。図の右側に回転軸がある。外周部分の環状の研磨面にはポーラス板14を配置した。内周部分の環状の研磨面にはポーラス板16を配置した。ポーラス板14と16とは、基台12に強固に固定されている。ポーラス板14の表面にはダイヤモンド砥粒20を固定した。ポーラス板16の表面にはダイヤモンド砥粒22を固定した。
ポーラス板は、金属、黒鉛もしくはセラミックス製のものが適する。強酸性のスラリーを使用するような場合には、黒鉛もしくはセラミックス製のものが適する。発泡率は30%〜98%が好ましい。ポーラス板の泡径は20μm〜500μmが好ましい。発泡率が高く泡径が大きすぎると強度が不十分になる。また、発泡率が低く泡径が小さすぎるとダイヤモンド砥粒を保持する十分な量のロー付け材料を含浸できない。なお、含浸処理の生産性が落ちるが、発泡率が5%以上で、泡径が5μm以上のものも、完成後は実用上許容できる特性のものが得られる。また、ダイヤモンド砥粒をポーラス板の表面に押しつけたときにその高さが揃う程度に部分的に変形をすることが好ましい。従って、この変形を可能にする程度の発泡度が必要である。
ロー付け材料は、溶媒を用いてペースト状にする。溶媒には、ワックス等の有機溶媒を使用することができる。基盤12は、円板で、ポーラス板14と16はいずれも、発泡率が60%程度のセラミック板である。ポーラス板14と16をペースト状のロー付け材料18を浸透させる為に、真空ポンプで減圧処理する。これにより、ポーラス板14と16の泡中にロー付け材料18が含浸される。ポーラス板14と16の表面にもロー付け材料18が浮き出た状態になる。また、遠心分離装置等を使用して、加圧処理によって、泡中にロー付け材料18を含浸することもできる。
次に、ポーラス板14と16の表面に、ダイヤモンド砥粒20、22を所定の密度で配置する。市販されている所定の粒度のダイヤモンド砥粒をそのまま使用してよい。外径のある程度のばらつきは十分に許容される。ロー付け材料18が固化する前に、平坦な面を持つ圧力板24をポーラス板14と16の表面に平行に支持して、ダイヤモンド砥粒20、22をポーラス板14と16の表面に向かって押しつける。なお、ロー付け前に、ダイヤモンド砥粒の全面に、例えば、Tiの金属被覆を施しておくと、強固に固定できる。
ダイヤモンド砥粒20とダイヤモンド砥粒22とは、この実施例ではその平均粒径が異なる。ダイヤモンド砥粒20よりもダイヤモンド砥粒22の方が平均粒径が大きい。ダイヤモンド砥粒20とダイヤモンド砥粒22を平坦な圧力板24で矢印26方向に押し付けて固定する。すなわち、圧力板24をポーラス板14やポーラス板16の表面に平行に支持してダイヤモンド砥粒20をポーラス板14の表面に向かって押し付け、ダイヤモンド砥粒22をポーラス板16の表面に向かって押し付ける。
ダイヤモンド砥粒20とダイヤモンド砥粒22の高さをそろえるように圧力を加える。この状態でロー付け材料18を加熱溶融し、その後放冷する。押圧力はポーラス板14やポーラス板16の強度に応じて選定し、加熱条件はロー付け材料18の種類に応じて選定するとよい。図4(b)は完成後の状態を示す。図に示すようにダイヤモンド砥粒20とダイヤモンド砥粒22の上端が、基準面28に一致するように、高さが揃う。
図5は本発明の方法を説明するダイヤモンド・ドレッサーの主要部拡大断面図である。
図の(a)に示すように、ポーラス板14は多数の気泡52を有する。気泡52は互いに微細な孔で繋がった連続気泡である。これらの気泡52に、図5(b)に示すようにロー付け材料18を含浸する。ペースト状にされたロー付け材料18は、真空含浸によりポーラス板14の気泡52中に吸収される。また、ポーラス板14の表面54に一定量のロー付け材料18の膜が残る。
図の(a)に示すように、ポーラス板14は多数の気泡52を有する。気泡52は互いに微細な孔で繋がった連続気泡である。これらの気泡52に、図5(b)に示すようにロー付け材料18を含浸する。ペースト状にされたロー付け材料18は、真空含浸によりポーラス板14の気泡52中に吸収される。また、ポーラス板14の表面54に一定量のロー付け材料18の膜が残る。
図5(c)に示すように、この状態でダイヤモンド砥粒20をロー付け材料18の表面に配置する。その後ペースト状のロー付け材料18が溶融するまで加熱すると、表面張力によってダイヤモンド砥粒20の下部をロー付け材料18が取り囲む。ポーラス板14,15の気泡54の中までロー付け材料18が浸透しているから、ポーラス板14,15の表面からロー付け材料が剥離し難い。また、ポーラス板上のロー付け材料にダイヤモンド砥粒を押しつけながらロー付け材料18を固化させるので、図のようにダイヤモンド砥粒20の下部を十分な量のロー付け材料18が取り囲む状態になり、強力にダイヤモンド砥粒を固定できる。ポーラス板14をセラミック材料としロー付け材料18もセラミック材料とすればコンディショナ全体をセラミックのみで構成できる。このときも、従来のものより十分に強度を高めることができる。また、金属汚染が問題となる対象物に対して使用するのに最適な構造になる。
図1と図4で説明したとおりの構造のものを試作した。基盤12は半径20cmである。基盤12のポーラス板14と16を固定した部分の厚さは5mm、ステンレス製の円板である。ポーラス板14は、厚さが2mm、内径17cm、幅2cmである。ポーラス板16は、厚さが2mm、内径10cm、幅6.5cmである。ポーラス板14と16はいずれも、発泡率が60%のセラミック板である。気泡の泡径は平均で50μmであった。ロー付け材料18には、ガラスを使用した。ガラスは粉末状のアルミナ(Al2O3)、シリコン(SiO2)、ホウ素(B2O3)の酸化物を主成分としたものである。これを10gあたり 2g程度のエーテル系溶剤で溶いてペースト状にした。ポーラス板14と16をペースト状のロー付け材料18中に沈めて、真空ポンプで減圧処理した。ポーラス板14と16のほぼ全ての泡中にロー付け材料18が含浸され、ポーラス板14と16の表面にもロー付け材料18が浮き出た状態になった。ロー付け材料18を含浸したポーラス板14の表面に、平均粒径90μmのダイヤモンド砥粒を1平方センチメートルあたり100個の密度で配置した。また、ポーラス板16の表面に、平均粒径200μmのダイヤモンド砥粒を1平方センチメートルあたり4個の密度で配置した。圧力板24には、1平方センチートルあたり10kg程度の圧力を加えた。この状態で摂氏800度で60分加熱し、その後放冷した。
Ni製のポーラス板1枚を使用した。厚さは5mm、半径15cmの円板状のものである。ポーラス板の発泡率は50%、気泡の泡径は平均で100μmであった。ロー付け材料には、メタルボンドを使用した。メタルボンドを10gあたり2g程度のエーテル系溶剤でペースト状にした。ポーラス板にロー付け材料を含浸させる為に、真空ポンプで減圧処理した。ポーラス板の表面に平均粒径200μmのダイヤモンド砥粒を1平方センチメートルあたり4個の密度で配列した。圧力板24には、1平方センチートルあたり10kg程度の圧力を加えた。この状態で摂氏1000度で60分間加熱し、その後放冷した。
三菱マテリアル社製桶川製作所の発泡ポーラスメタル(MA23、呼び孔径50μm)1枚を使用した。厚さは2mm、半径10cmの円板状のものである。ポーラス板の発泡率は90%、気泡の泡径は平均で50μmであった。ロー付け材料18にはNi-Ti-B系ロー材を使用した。ロー付け材料18を10gあたり2g程度のエーテル系溶剤でペースト状にした。ポーラス板14の表面にペースト状のロー付け材料18を置いて、真空ポンプで減圧処理した。ロー付け材料18を含浸したポーラス板14の表面に平均粒径200μmのダイヤモンド砥粒を1平方センチメートルあたり約4個の密度で配列した。圧力板24には、1平方センチートルあたり10kg程度の圧力を加えた。この状態で摂氏1000度で60分間加熱し、その後放冷した。
セラミック製のポーラス板1枚を使用した。厚さは2mm、半径15cmの円板状のものである。ポーラス板の発泡率は60%、気泡の泡径は平均で50μmであった。ロー付け材料には、ガラスを使用した。ガラスを10gあたり2g程度のエーテル系溶剤でペースト状にした。ポーラス板の表面にペースト状のロー付け材料18を置いて、真空ポンプで減圧処理した。ロー付け材料18を含浸したポーラス板の表面に平均粒径90μmのダイヤモンド砥粒を1平方センチメートルあたり100個の密度で配列した。圧力板24には、1平方センチートルあたり10kg程度の圧力を加えた。この状態で摂氏1000度で60分加熱し、その後放冷した。
[比較検証]
図6は、実施例1の構成で、圧力板で加圧した場合(a)と、従来のように加圧無しの場合(b)とを比較した説明図である。
図の縦軸は、ポーラス板表面からダイヤモンド砥粒の上端までの高さを示す。横軸は、ポーラス板表面上のダイヤモンド砥粒の位置座標である。図のように、加圧した場合には、ダイヤモンド砥粒がロー付け材料に埋め込まれるので、高さが全体に低くなる。平均高さも同様に低くなる。しかし、その標準偏差を見てわかるように、加圧すると高さのばらつきが十分に少なくなっている。
図6は、実施例1の構成で、圧力板で加圧した場合(a)と、従来のように加圧無しの場合(b)とを比較した説明図である。
図の縦軸は、ポーラス板表面からダイヤモンド砥粒の上端までの高さを示す。横軸は、ポーラス板表面上のダイヤモンド砥粒の位置座標である。図のように、加圧した場合には、ダイヤモンド砥粒がロー付け材料に埋め込まれるので、高さが全体に低くなる。平均高さも同様に低くなる。しかし、その標準偏差を見てわかるように、加圧すると高さのばらつきが十分に少なくなっている。
図7は、研磨量を比較した説明図である。
図の縦軸は研磨量(ポリシングレート)、横軸は研磨時間(ポリシンクタイム)である。コンディショナでCMP装置のポリシングクロス表面を研磨したとき、その研磨量は、圧力板でダイヤモンド砥粒を加圧して製造したもののほうが、多いことが分かった。即ち、本発明による製品のほうが、効率よく短時間で研磨ができる。
図の縦軸は研磨量(ポリシングレート)、横軸は研磨時間(ポリシンクタイム)である。コンディショナでCMP装置のポリシングクロス表面を研磨したとき、その研磨量は、圧力板でダイヤモンド砥粒を加圧して製造したもののほうが、多いことが分かった。即ち、本発明による製品のほうが、効率よく短時間で研磨ができる。
図8は、研磨面の面粗さを比較した説明図である。また、図9は1時間研磨後、10時間研磨後、20時間研磨後のポリシングクロス断面顕微鏡写真である。
図の縦軸は研磨面の面粗さ、横軸は研磨時間(ポリシンクタイム)である。コンディショナでCMP装置のポリシングクロス表面を研磨したとき、研磨面の面粗さは、圧力板で加圧して製造したものも従来のものも変わりがないことがわかった。
図の縦軸は研磨面の面粗さ、横軸は研磨時間(ポリシンクタイム)である。コンディショナでCMP装置のポリシングクロス表面を研磨したとき、研磨面の面粗さは、圧力板で加圧して製造したものも従来のものも変わりがないことがわかった。
図10は、ポリシングクロス表面の気孔を撮影した顕微鏡写真である。
図の(a)は、圧力板でダイヤモンド砥粒を加圧して製造したものを使用した場合、(b)は加圧しないで製造したものを使用した場合である。両者の写真で見難い気孔の形状を下方に図示した。(a)のほうが気孔がクリアであり、崩れていないから、ポリシングクロス表面をきわめて良好に研磨できることがわかった。
図の(a)は、圧力板でダイヤモンド砥粒を加圧して製造したものを使用した場合、(b)は加圧しないで製造したものを使用した場合である。両者の写真で見難い気孔の形状を下方に図示した。(a)のほうが気孔がクリアであり、崩れていないから、ポリシングクロス表面をきわめて良好に研磨できることがわかった。
10 ダイヤモンド・ドレッサー
12 基台
14 ポーラス板
16 ポーラス板
18 ロー付け材料
20 ダイヤモンド砥粒
22 ダイヤモンド砥粒
24 圧力板
26 矢印
28 基準面
52 気泡
54 表面
12 基台
14 ポーラス板
16 ポーラス板
18 ロー付け材料
20 ダイヤモンド砥粒
22 ダイヤモンド砥粒
24 圧力板
26 矢印
28 基準面
52 気泡
54 表面
Claims (5)
- 金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板を基台に固定し、ロー付け材料として金属系もしくはセラミックス系の粉末を前記ポーラス板に含浸し、ダイヤモンド砥粒を前記ポーラス板の表面に所定の密度で配置して、
前記ロー付け材料を加熱溶融し、要求される精度の所定の押圧面を有する圧力板で、前記ダイヤモンド砥粒を前記ポーラス板の表面に向かって押しつけながら、前記ロー付け材料を固化することを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーの製造方法。 - 請求項1に記載のダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法において、
前記ロー付け材料を溶媒と混ぜてペースト状にし、減圧法又は加圧法により、前記ペースト状のロー付け材料を前記ポーラス板に含浸することを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーの製造方法。 - 請求項1または2に記載のダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法において、
ポーラス板の発泡率は5%以上98%以下であって、泡径が20μm以上500μm以下であることを特徴とするダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法。 - 基台と、
この基台上に固定された金属、黒鉛もしくはセラミックス製のポーラス板と、
前記ポーラス板の少なくとも表面近傍に含浸された、金属系もしくはセラミックス系のロー付け材料と、
前記ポーラス板の表面に所定の密度で配置され、前記ロー付け材料により前記ポーラス板に固定され、前記ポーラス板の表面に向かって押しつけられて、研磨対象物の表面形状に対応するように要求される精度で配列したダイヤモンド砥粒を備えたことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサー。 - 請求項4に記載のダイヤモンド・ドレッサーにおいて、
前記基台上に複数のポーラス板を配置し、それらの表面にそれぞれ異なる粒度のダイヤモンド砥粒を配置したことを特徴とするダイヤモンド・ドレッサー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008197435A JP2010030018A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | ダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008197435A JP2010030018A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | ダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法 |
Publications (1)
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JP2010030018A true JP2010030018A (ja) | 2010-02-12 |
Family
ID=41735135
Family Applications (1)
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JP2008197435A Pending JP2010030018A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | ダイヤモンド・ドレッサーとその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010030018A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104117933A (zh) * | 2014-06-20 | 2014-10-29 | 广东工业大学 | 平顶化金刚石钎焊制品及其制备方法和应用 |
US11583975B2 (en) | 2019-03-08 | 2023-02-21 | Kioxia Corporation | Dresser, polishing device, and method of dressing polishing pad |
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2008
- 2008-07-31 JP JP2008197435A patent/JP2010030018A/ja active Pending
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