JP2010029194A - 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド - Google Patents
新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010029194A JP2010029194A JP2009210191A JP2009210191A JP2010029194A JP 2010029194 A JP2010029194 A JP 2010029194A JP 2009210191 A JP2009210191 A JP 2009210191A JP 2009210191 A JP2009210191 A JP 2009210191A JP 2010029194 A JP2010029194 A JP 2010029194A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tumor antigen
- amino acid
- seq
- peptide
- hla
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/46—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
- C07K14/47—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
- C07K14/4701—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
- C07K14/4748—Tumour specific antigens; Tumour rejection antigen precursors [TRAP], e.g. MAGE
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Zoology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Immunology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
【解決手段】特定の塩基配列からなるDNA。該DNAを有する発現プラスミド。該発現プラスミドによって形質転換された形質転換体。該DNAを発現させることを含む、組換えタンパク質の生産方法。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明の要旨は、
(1) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質、又はそのアミノ酸配列のうち1もしくは複数のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる変異タンパク質、をコードするDNA(ただし、該タンパク質および変異タンパク質は、HLA抗原と結合して細胞傷害性T細胞により認識され得る腫瘍抗原ペプチドを生じるものである)、
(2) 配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA、又はそのDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする変異DNA(ただし、該DNAおよび変異DNAが発現して生産されるタンパク質は、HLA抗原と結合して細胞傷害性T細胞により認識され得る腫瘍抗原ペプチドを生じるものである)、
(3) 前記(1)または(2)記載のDNAを有する発現プラスミド、
(4) 前記(3)記載の発現プラスミドによって形質転換された形質転換体、
(5) 前記(4)記載の形質転換体を培養し、発現される組換えタンパク質を回収することからなる、組換えタンパク質の生産方法、
(6) 前記(1)または(2)記載のDNAによりコードされるか、または前記(5)記載の生産方法により生産される、腫瘍抗原タンパク質、
(7) 前記(1)または(2)記載のDNA、あるいは前記(6)記載のタンパク質を有効成分として含有する医薬、
(8) 前記(1)または(2)記載のDNA、あるいは前記(6)記載のタンパク質を有効成分として含有する、腫瘍の治療剤または予防剤、
(9) 前記(6)記載のタンパク質の一部よりなる部分ペプチドであって、かつHLA抗原と結合して細胞傷害性T細胞により認識され得る腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体、
(10) HLA抗原がHLA−A24またはHLA−A2である前記(9)記載の腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体、
(11) 配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(10)記載の腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体、
(12) 配列番号:3〜配列番号:9、または配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(11)記載の腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体、
(13) 配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位および/またはC末端のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(11)記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体、
(14) 配列番号:3〜配列番号:9、または配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位および/またはC末端のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(13)記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体、
(15) 配列番号:3〜配列番号:24のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位がチロシン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファンに置換され、および/またはC末端のアミノ酸残基がフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンに置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(13)記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体、
(16) 配列番号:25〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位がロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンに置換され、および/またはC末端のアミノ酸残基がバリンまたはロイシンに置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(13)記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体、
(17) 配列番号:53〜配列番号:64のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、前記(14)記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体、
(18) 前記(9)〜(17)いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドおよびその誘導体から選択される少なくとも1種を有効成分として含有してなる、腫瘍の治療剤または予防剤、
(19) 前記(9)〜(17)いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体をコードするDNAの少なくとも1種を含有する組換えDNA、
(20) 前記(19)記載の組換えDNAを発現させて得られうる組換えポリペプチド、
(21) 前記(19)記載の組換えDNAまたは前記(20)記載の組換えポリペプチドを有効成分として含有してなる、腫瘍の治療剤または予防剤、
(22) 前記(6)記載のタンパク質、前記(9)〜(17)いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体、のいずれかに特異的に結合する抗体、
(23) 腫瘍患者由来の単離された抗原提示能を有する細胞の表面に、HLA抗原と前記(9)〜(17)いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を提示させてなる抗原提示細胞、
(24) 前記(1)または(2)記載のDNA、前記(6)記載の腫瘍抗原タンパク質、前記(19)記載の組換えDNA、あるいは前記(20)記載の組換えポリペプチドを、腫瘍患者由来の単離された抗原提示能を有する細胞に取り込ませて得られうる、HLA抗原と腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体の提示された抗原提示細胞、
(25) 前記(23)または(24)記載の抗原提示細胞を有効成分として含有してなる腫瘍の治療剤、
(26) HLA抗原と前記(9)〜(17)いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を特異的に認識する細胞傷害性T細胞、
(27) 前記(23)または(24)記載の抗原提示細胞に提示されたHLA抗原と腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を特異的に認識する細胞傷害性T細胞、
(28) 前記(26)または(27)記載の細胞傷害性T細胞を有効成分として含有してなる腫瘍の治療剤、
(29) 前記(9)〜(17)いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体、前記(6)記載のタンパク質、あるいは前記(20)記載の組換えポリペプチドを含有してなる腫瘍の診断薬、
(30) 受託番号がFERM BP−6818である、細胞傷害性T細胞OK−CTL、ならびに
(31) 前記(30)記載のOK−CTLを用いることを特徴とする、腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原ペプチドの同定法、に関する。
前記DNAのうち、「配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA」、「配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA」とは、本発明の腫瘍抗原タンパク質SART−3をコードするDNAである。該DNAは、後述の実施例に記載の方法によりクローニングすることができる。また、GenBank Accession No. D63879において開示されている塩基配列、あるいは本明細書の配列表の配列番号:2に開示されている塩基配列の適当な部分をハイブリダイゼーションのプローブあるいはPCRのプライマーに用いて、例えば食道癌細胞株KE-4(FERM BP-5955)由来のcDNAライブラリーをスクリーニングすることなどによっても、クローニングすることができる。該クローニングは、例えばMolecular Cloning 2nd Edt. Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)等に従い、当業者ならば容易に行うことができる。
前記DNAのうち、「SART−3のアミノ酸配列のうち1もしくは複数のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる変異タンパク質をコードするDNA」とは、人為的に作製したいわゆる改変タンパク質や、生体内に存在するアレル変異体等のタンパク質をコードするDNAを意味し、この変異タンパク質をコードするDNAは、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻, Cold Spring Harber Labolatory Press(1989)に記載の種々の方法、例えば部位特異的変異誘発やPCR法等によって製造することができる。なお、ここで置換、欠失及び/又は付加されるアミノ酸残基の数は、上記部位特異的変異誘発等の周知の方法により置換、欠失及び/又は付加できる程度の数を指す。
前記DNAのうち、「SART−3のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする変異DNA」とは、例えばラット、マウス等の脊椎動物全てのSART−3のDNA、またはSART−3の部分タンパク質をコードするDNAのような、配列番号:2に記載の塩基配列からなるヒトSART−3のcDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを指す。
HLA-A1, -A0201, -A0204, -A0205, -A0206, -A0207, -A11, -A24, -A31, -A6801, -B7, -B8, -B2705, -B37, -Cw0401, -Cw0602などのHLAの型については、該HLAに結合して提示される抗原ペプチドの配列の規則性(モチーフ)が判明している(例えばImmunogenetics,41:p178,1995などを参照のこと)。例えばHLA-A24のモチーフとしては、8〜11アミノ酸よりなるペプチドのうちの第2位のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファンであり、C末端のアミノ酸がフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンとなることが知られている(J.Immunol.,152,p3913, 1994、Immunogenetics,41:p178,1995、J.Immunol.,155:p4307,1994)。またHLA-A2のモチーフについては、以下の表1に示したモチーフが知られている(Immunogenetics,41,p178,1995、 J.Immunol.,155:p4749,1995)。
1)配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列よりなるペプチド、
2)配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の全長または連続した一部分を含み、該アミノ酸配列よりN末端方向及び/又はC末端方向に長いペプチド、または配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の連続した一部分よりなるペプチド、
であって、かつ各HLA抗原と結合してCTLにより認識され得るような腫瘍抗原ペプチドが挙げられる。ここで、前記2)のペプチドの長さとしては、各HLA抗原に結合して提示されるという観点から、8〜11アミノ酸程度のものが挙げられる。
1)配列番号:3〜配列番号:9のいずれかに記載のアミノ酸配列よりなるペプチド、
2)配列番号:3〜配列番号:9のいずれかに記載のアミノ酸配列の全長または連続した一部分を含み、該アミノ酸配列よりN末端方向及び/又はC末端方向に長いペプチド、または配列番号:3〜配列番号:9のいずれかに記載のアミノ酸配列の連続した一部分よりなるペプチド、であって、かつHLA-A24抗原と結合してCTLにより認識され得るような腫瘍抗原ペプチド、
が挙げられる。ここで、前記2)のペプチドの長さとしては、HLA-A24抗原に結合して提示されるという観点から、8〜11アミノ酸程度のものが挙げられる。
1)配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列よりなるペプチド、
2)配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列の全長または連続した一部分を含み、該アミノ酸配列よりN末端方向及び/又はC末端方向に長いペプチド、または配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列の連続した一部分よりなるペプチド、であって、かつHLA-A2抗原と結合してCTLにより認識され得るような腫瘍抗原ペプチド、
が挙げられる。ここで、前記2)のペプチドの長さとしては、HLA-A2抗原に結合して提示されるという観点から、8〜11アミノ酸程度のものが挙げられる。
bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/ )。従って、該モチーフ等に基づき、本発明の腫瘍抗原ペプチドのアミノ酸を改変した腫瘍抗原ペプチド誘導体を作製することが可能である。
食道癌細胞株に対する細胞傷害性T細胞(CTL)株の樹立
中尾ら著, Cancer Res., 55:4248-4252(1995)の記載に従い、組織型が扁平上皮癌に分類される食道癌細胞株KE-4に対するCTLを患者の末梢血単核球細胞から樹立し、KE-4CTLと命名して以下の実験に使用した。食道癌細胞株KE-4およびKE-4CTLは、茨城県つくば市東1丁目1番3号、工業技術院生命工学工業技術研究所に、それぞれ受託番号FERM BP−5955およびFERM BP−5954で寄託されている(寄託日:いずれも平成9年5月23日)。また、前述の中尾らの報告に従い、KE-4のHLAクラスI分子のタイピングを行い、HLA-A2402、-A2601、-B54、-B60、-Cw1、-Cw3であることを確認した。
HLA-A2402 cDNAの調製
KE-4から、中尾ら著, Cancer Res., 55:4248-4252(1995)の記載に従い、HLA-A2402 のcDNA(Genbank Accession No.M64740)を発現ベクターpCR3 (INVITROGEN社製)に組み込んだ組換えプラスミドを作製した。
KE-4由来cDNAライブラリーの作製
KE-4からmRNA精製システム(ファルマシアバイオテク社製)を用い添付のプロトコールに従い、全RNA画分の分離および oligo(dT)カラムによる poly(A)+mRNAの調製を行った。mRNAよりスーパースクリプトプラスミドシステム(GIBCO BRL社製)を用い添付のプロトコールに従い、両端にNotIアダプターとSalIアダプターを連結したcDNAを作製した後、このcDNAを発現ベクターのプラスミドpSV-SPORT1(GIBCO BRL 社製)の制限酵素NotIおよびSalIの切断部位にライゲーションにより連結して組換えプラスミドを得た。この組換えプラスミドをジーンパルサー(Bio-Rad社製)を用いて25μF, 2.5kVの条件で、電気パルスにより大腸菌のエレクトロマックス DH10BTMセル(GIBCO BRL社製)に導入し、アンピシリン(50μg/ml)を含むLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%イーストエキス、0.5%NaCl、pH7.3)で組換プラスミドが導入されている形質転換体を選択した。
新規な腫瘍抗原タンパク質遺伝子のスクリーニング
参考例3に示した形質転換体の約100個のプールからの組換えプラスミドDNAの回収は以下のように行った。すなわち、アンピシリン(50μg/ml)を含むLB培地の入った96ウェルU底マイクロプレートに、ウェルあたり 100個の形質転換体を加え培養後、その一部をウェル当たり0.25mlのTYGPN培地(F.M.Ausubelら編、CURRENT PROTCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, Inc.)の入った別の96ウェルU底マイクロプレートに移して37℃で48時間培養し、残りのLB培地のマイクロプレートは凍結保存した。TYGPN培地で培養した形質転換体の組換えプラスミドDNAは、マイクロプレートでアルカリ溶解法(F.M. Ausubelら編、CURRENT PROTCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, Inc.)により調製した。イソプロパノール沈澱で回収した組換えプラスミドDNAは、50μlの20ng/ml RNaseを含む10mM Tris, 1mM EDTA, pH7.4溶液で懸濁した。
腫瘍抗原タンパク質をコードする全長のcDNAクローンのクローニング
実施例1で得られたクローン13に組込まれたcDNAの遺伝子の全長の長さを調べるために、以下のノーザンハイブリダイゼーションを行った。
腫瘍抗原タンパク質遺伝子の塩基配列の決定
実施例2で得られた腫瘍抗原タンパク質SART-3をコードするDNAついて、DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencingキット(パーキンエルマー社製)を使用して、その塩基配列を決定した。決定されたSART-3の塩基配列を、配列表の配列番号:2に示す。該cDNAの全長は3798塩基対であった。配列番号:2によってコードされるSART-3のアミノ酸配列(963アミノ酸)を、配列番号:1に示す。配列番号:2に記載した塩基配列を、GenBankデータベースを使用して既知の配列と比較した結果、腫瘍抗原タンパク質SART-3の塩基配列は、GenBank Accession No. D63879として登録されている機能不明の遺伝子KIAA0156と、1塩基(KIAA0156の第108位)相違する新規な塩基配列を有していた。
候補ペプチドの選択
HLA分子に結合して提示される抗原ペプチドの配列には規則性(モチーフ)があり、HLA-A24の場合、8〜11アミノ酸よりなるペプチドの第2位がチロシン、フェニルアラニン、メチオニンあるいはトリプトファン、またC末端がフェニルアラニン、トリプトファン、ロイシン、イソロイシンあるいはメチオニンがモチーフとなることが知られている(Immunogenetics,41:178,1995、J.Immunol.,152:3913,1994、J.Immunol.,155:4307,1994)。このようなモチーフに従い、配列番号:1に記載の腫瘍抗原タンパク質SART-3のアミノ酸配列から、上記モチーフを有する8〜11アミノ酸よりなるペプチド部分を選択した。当該ペプチドの例を配列番号:3〜配列番号:24に示す。これらのペプチドを(株)バイオロジカに依頼し、Fmoc法にて合成を行った。
腫瘍抗原ペプチドの合成
前記7種のペプチドについて、以下のように固相法により合成を行った。
(1)SART−3「109-118」Val−Tyr−Asp−Tyr−Asn−Cys−His−Val−Asp−Leu(配列番号:3)の合成
樹脂はFmoc−Leu−Alko Resin(0.55mmol/g、100−200mesh)を用いた。この樹脂100mgを用いて、後記スケジュール1に従って合成を開始し、Fmoc−Asp(OtBu)−OH,Fmoc−Val−OH,Fmoc−His(Boc)−OH,Fmoc−Cys(Trt)−OH,Fmoc−Asn−OH,Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Asp(OtBu)−OH,Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Val−OHを順次カップリングさせた。カップリングの後スケジュール1の工程3まで行い、その結果、ペプチド樹脂が得られた。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、8時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Asx:2.77 (3)
Val:1.70 (2)
*Leu:1.00 (1)
Tyr:1.98 (2)
His:0.91 (1)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1241
前記(1)と同様にして、Fmoc−Ile−Alko Resin(0.41mmol/g、100−200mesh)100mgを用いて、Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Asp(OtBu)−OH,Fmoc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−Val−OH,Fmoc−Ala−OH,Fmoc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−Glu(OtBu)−OH,Fmoc−Phe−OH,Fmoc−Leu−OHを順次カップリングさせ、その後脱保護を行った。得られた粗ペプチドを酢酸水に溶解し、予め0.1%TFA水で平衡化させた逆相系充填剤YMC−PACK ODS−Aカラム(30φ×250mm)に注入し、カラムを0.1%TFA水で洗浄後、アセトニトリル濃度を300分で30%まで増加させ、流速7ml/min.で溶出した。溶出液をA220nmでモニターし、目的物を含む画分を集め、凍結乾燥し、Leu−Phe−Glu−Lys−Ala−Val−Lys−Asp−Tyr−Ile 66.3mgを得た。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、12時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Asx:0.94 (1)
Glx:1.03 (1)
Ala:1.00 (1)
Val:0.88 (1)
Ile:0.92 (1)
*Leu:1.00 (1)
Tyr:0.96 (1)
Phe:0.97 (1)
Lys:1.45 (2)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1225
前記(1)と同様にして、Fmoc−Leu−Alko Resin 100mgを用いて、Fmoc−Gln−OH,Fmoc−Gln−OH,Fmoc−Leu−OH,Fmoc−Ala−OH,Fmoc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−Asn−OH,Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Asn−OHを順次カップリングさせ、その後脱保護を行った。得られた粗ペプチドを酢酸水に溶解し、予め0.1%TFA水で平衡化させた逆相系充填剤YMC−PACK ODS−Aカラム(30φ×250mm)に注入し、カラムを0.1%TFA水で洗浄後、アセトニトリル濃度を300分で30%まで増加させ、流速7ml/min.で溶出した。溶出液をA220nmでモニターし、目的物を含む画分を集め、凍結乾燥し、Asn−Tyr−Asn−Lys−Ala−Leu−Gln−Gln−Leu 25.0mgを得た。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、12時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Asx:1.87 (2)
Glx:2.03 (2)
Ala:0.98 (1)
*Leu:2.00 (2)
Tyr:0.99 (1)
Lys:0.97 (1)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1091
前記(1)と同様にして、Fmoc−Ile−Alko Resin(0.62mmol/g、100−200mesh)100mgを用いて、Fmoc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−Met−OH,Fmoc−Glu(OtBu)−OH,Fmoc−Phe−OH,Fmoc−Asp(OtBu)−OH,Fmoc−Ile−OH,Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Ala−OHを順次カップリングさせ、その後脱保護を行った。得られた粗ペプチドを酢酸水に溶解し、予め0.1%TFA水で平衡化させた逆相系充填剤YMC−PACK ODS−Aカラム(30φ×250mm)に注入し、カラムを0.1%TFA水で洗浄後、アセトニトリル濃度を180分で40%まで増加させ、流速7ml/min.で溶出した。溶出液をA220nmでモニターし、目的物を含む画分を集め、凍結乾燥し、Ala−Tyr−Ile−Asp−Phe−Glu−Met−Lys−Ile 15.4mgを得た。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、8時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Asx:0.91 (1)
Glx:1.06 (1)
Ala:1.06 (1)
Ile:1.69 (2)
Tyr:0.81 (1)
*Phe:1.00 (1)
Lys:0.87 (1)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1130
前記(1)と同様にして、Fmoc−Leu−Alko Resin 100mgを用いて、Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Ala−OH,Fmoc−Gln−OH,Fmoc−Trp(Boc)−OH,Fmoc−Ile−OH,Fmoc−Glu(OtBu)−OH,Fmoc−Val−OH,Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Asp(OtBu)−OHを順次カップリングさせ、その後脱保護を行った。得られた粗ペプチドを酢酸水に溶解し、予め0.1%TFA水で平衡化させた逆相系充填剤YMC−PACK ODS−Aカラム(30φ×250mm)に注入し、カラムを0.1%TFA水で洗浄後、アセトニトリル濃度を180分で35%まで増加させ、流速7ml/min.で溶出した。溶出液をA220nmでモニターし、目的物を含む画分を集め、凍結乾燥し、Asp−Tyr−Val−Glu−Ile−Trp−Gln−Ala−Tyr−Leu 18.9mgを得た。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、10時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Asx:1.00 (1)
Glx:2.09 (2)
Ala:1.04 (1)
Val:0.89 (1)
Ile:0.86 (1)
*Leu:1.00 (1)
Tyr:1.95 (2)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1300
前記(1)と同様にして、Fmoc−Phe−Alko Resin(0.72mmol/g、100−200mesh)100mgを用いて、Fmoc−Asp(OtBu)−OH,Fmoc−Val−OH,Fmoc−Arg(Pmc)−OH,Fmoc−Arg(Pmc)−OH,Fmoc−Arg(Pmc)−OH,Fmoc−Leu−OH,Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Asp(OtBu)−OHを順次カップリングさせ、その後脱保護を行った。得られた粗ペプチドを酢酸水に溶解し、予め0.1%TFA水で平衡化させた逆相系充填剤YMC−PACK ODS−Aカラム(30φ×250mm)に注入し、カラムを0.1%TFA水で洗浄後、アセトニトリル濃度を240分で25%まで増加させ、流速7ml/min.で溶出した。溶出液をA220nmでモニターし、目的物を含む画分を集め、凍結乾燥し、Asp−Tyr−Leu−Arg−Arg−Arg−Val−Asp−Phe 34.0mgを得た。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、12時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Asx:1.90 (2)
Val:0.95 (1)
*Leu:1.00 (1)
Tyr:1.00 (1)
Phe:0.99 (1)
Arg:2.93 (3)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1239
前記(1)と同様にして、Fmoc−Leu−Alko Resin 100mgを用いて、Fmoc−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−Glu(OtBu)−OH,Fmoc−Leu−OH,Fmoc−Ala−OH,Fmoc−Arg(Pmc)−OH,Fmoc−Thr(tBu)−OH,Fmoc−Phe−OH,Fmoc−Ala−OHを順次カップリングさせ、その後脱保護を行った。得られた粗ペプチドを酢酸水に溶解し、予め0.1%TFA水で平衡化させた逆相系充填剤YMC−PACK ODS−Aカラム(30φ×250mm)に注入し、カラムを0.1%TFA水で洗浄後、アセトニトリル濃度を240分で30%まで増加させ、流速7ml/min.で溶出した。溶出液をA220nmでモニターし、目的物を含む画分を集め、凍結乾燥し、Ala−Phe−Thr−Arg−Ala−Leu−Glu−Tyr−Leu 22.8mgを得た。
アミノ酸分析
加水分解:1%フェノール/6N塩酸水溶液、110℃、12時間
分析法:ニンヒドリン法
*基準アミノ酸 ( )内理論値
Thr:0.91 (1)
Glx:1.03 (1)
Ala:1.91 (2)
*Leu:2.00 (2)
Tyr:1.00 (1)
Phe:0.97 (1)
Arg:0.97 (1)
質量分析(FAB)
[M+H]+:1083
腫瘍抗原ペプチド及びその誘導体による末梢血リンパ球からのCTL誘導
実施例5で合成した「109-118」(配列番号:3)及び「315-323」(配列番号:6)のペプチドを用いて、末梢血リンパ球から抗原特異的なCTLが誘導できるか検討した。
大腸癌由来の腫瘍内浸潤リンパ球(TIL)からの細胞傷害性T細胞(CTL)株の樹立
S状結腸癌患者手術検体(HLA-A0207陽性)のTILを24穴プレートを用い、45%RPMI、45%AIM-V(GIBCO BRL社製)、10%FCSに、100U/mlインターロイキン-2、0.1mM NEAA(GIBCO BRL社製)を添加した培養液(以下、リンパ球培養液と呼ぶ)で培養した。培養開始から2日間は、培養液中に抗CD3抗体のNU-T3(ニチレイ社製)を1μg/ml添加した。30日以上培養を続け、HLA-A2拘束性のCTL株を樹立し、これをOK-CTLと命名した。OK-CTLは、茨城県つくば市東一丁目1番3号、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている(微生物の表示:OK−CTL;受領日:平成11年8月3日;受託番号:FERM BP−6818)。
HLA-A2拘束性の腫瘍抗原ペプチドの同定
配列番号:1に記載の腫瘍抗原タンパク質SART-3のアミノ酸配列からHLA-A0201に結合可能と予想される9または10アミノ酸よりなるペプチドを、インターネットによりNIHのBIMASのソフト(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_
bind/ )を用いて検索した。検索されたペプチドの例を配列番号:25〜配列番号:52に示す。これらのペプチドを(株)バイオロジカに依頼し、Fmoc法にて合成を行った。
配列番号:54に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンまたはトリプトファンであり、第10番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンである。
配列番号:55に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンまたはトリプトファンであり、第9番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンである。
配列番号:56に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンまたはトリプトファンであり、第9番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンである。
配列番号:57に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンまたはトリプトファンであり、第10番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンである。
配列番号:58に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンまたはトリプトファンであり、第9番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンである。
配列番号:59に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンまたはトリプトファンであり、第9番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンである。
配列番号:60に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、ロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンであり、第9番目のアミノ酸は、バリンまたはロイシンである。
配列番号:61に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、ロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンであり、第9番目のアミノ酸は、バリンまたはロイシンである。
配列番号:62に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、ロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンであり、第9番目のアミノ酸は、バリンまたはロイシンである。
配列番号:63に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、ロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンであり、第9番目のアミノ酸は、バリンまたはロイシンである。
配列番号:64に記載のアミノ酸配列の第2番目のアミノ酸は、ロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンであり、第9番目のアミノ酸は、バリンまたはロイシンである。
Claims (31)
- 配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質、又はそのアミノ酸配列のうち1もしくは複数のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる変異タンパク質、をコードするDNA(ただし、該タンパク質および変異タンパク質は、HLA抗原と結合して細胞傷害性T細胞により認識され得る腫瘍抗原ペプチドを生じるものである)。
- 配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA、又はそのDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする変異DNA(ただし、該DNAおよび変異DNAが発現して生産されるタンパク質は、HLA抗原と結合して細胞傷害性T細胞により認識され得る腫瘍抗原ペプチドを生じるものである)。
- 請求項1または2記載のDNAを有する発現プラスミド。
- 請求項3記載の発現プラスミドによって形質転換された形質転換体。
- 請求項4記載の形質転換体を培養し、発現される組換えタンパク質を回収することからなる、組換えタンパク質の生産方法。
- 請求項1または2記載のDNAによりコードされるか、または請求項5記載の生産方法により生産される、腫瘍抗原タンパク質。
- 請求項1または2記載のDNA、あるいは請求項6記載のタンパク質を有効成分として含有する医薬。
- 請求項1または2記載のDNA、あるいは請求項6記載のタンパク質を有効成分として含有する、腫瘍の治療剤または予防剤。
- 請求項6記載のタンパク質の一部よりなる部分ペプチドであって、かつHLA抗原と結合して細胞傷害性T細胞により認識され得る腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体。
- HLA抗原がHLA−A24またはHLA−A2である請求項9記載の腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体。
- 配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項10記載の腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体。
- 配列番号:3〜配列番号:9、または配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項11記載の腫瘍抗原ペプチド、または機能的に同等の特性を有するその誘導体。
- 配列番号:3〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位および/またはC末端のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項11記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体。
- 配列番号:3〜配列番号:9、または配列番号:25〜配列番号:29のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位および/またはC末端のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項13記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体。
- 配列番号:3〜配列番号:24のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位がチロシン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファンに置換され、および/またはC末端のアミノ酸残基がフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンに置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項13記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体。
- 配列番号:25〜配列番号:52のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位がロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンまたはグルタミンに置換され、および/またはC末端のアミノ酸残基がバリンまたはロイシンに置換されたアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項13記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体。
- 配列番号:53〜配列番号:64のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部または一部を含む配列より選択される、請求項14記載の腫瘍抗原ペプチド誘導体。
- 請求項9〜17いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドおよびその誘導体から選択される少なくとも1種を有効成分として含有してなる、腫瘍の治療剤または予防剤。
- 請求項9〜17いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体をコードするDNAの少なくとも1種を含有する組換えDNA。
- 請求項19記載の組換えDNAを発現させて得られうる組換えポリペプチド。
- 請求項19記載の組換えDNAまたは請求項20記載の組換えポリペプチドを有効成分として含有してなる、腫瘍の治療剤または予防剤。
- 請求項6記載のタンパク質、請求項9〜17いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体、のいずれかに特異的に結合する抗体。
- 腫瘍患者由来の単離された抗原提示能を有する細胞の表面に、HLA抗原と請求項9〜17いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を提示させてなる抗原提示細胞。
- 請求項1または2記載のDNA、請求項6記載の腫瘍抗原タンパク質、請求項19記載の組換えDNA、あるいは請求項20記載の組換えポリペプチドを、腫瘍患者由来の単離された抗原提示能を有する細胞に取り込ませて得られうる、HLA抗原と腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体の提示された抗原提示細胞。
- 請求項23または24記載の抗原提示細胞を有効成分として含有してなる腫瘍の治療剤。
- HLA抗原と請求項9〜17いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を特異的に認識する細胞傷害性T細胞。
- 請求項23または24記載の抗原提示細胞に提示されたHLA抗原と腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を特異的に認識する細胞傷害性T細胞。
- 請求項26または27記載の細胞傷害性T細胞を有効成分として含有してなる腫瘍の治療剤。
- 請求項9〜17いずれか記載の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体、請求項6記載のタンパク質、あるいは請求項20記載の組換えポリペプチドを含有してなる腫瘍の診断薬。
- 受託番号がFERM BP−6818である、細胞傷害性T細胞OK−CTL。
- 請求項30記載のOK−CTLを用いることを特徴とする、腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原ペプチドの同定法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009210191A JP4904384B2 (ja) | 1998-08-28 | 2009-09-11 | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1998242660 | 1998-08-28 | ||
JP24266098 | 1998-08-28 | ||
JP2009210191A JP4904384B2 (ja) | 1998-08-28 | 2009-09-11 | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000567688A Division JP4436977B2 (ja) | 1998-08-28 | 1999-08-27 | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010029194A true JP2010029194A (ja) | 2010-02-12 |
JP4904384B2 JP4904384B2 (ja) | 2012-03-28 |
Family
ID=17092354
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000567688A Expired - Lifetime JP4436977B2 (ja) | 1998-08-28 | 1999-08-27 | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
JP2009210191A Expired - Lifetime JP4904384B2 (ja) | 1998-08-28 | 2009-09-11 | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000567688A Expired - Lifetime JP4436977B2 (ja) | 1998-08-28 | 1999-08-27 | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Country Status (14)
Country | Link |
---|---|
US (4) | US7541428B2 (ja) |
EP (1) | EP1116791B1 (ja) |
JP (2) | JP4436977B2 (ja) |
KR (1) | KR100660367B1 (ja) |
CN (1) | CN1264980C (ja) |
AT (1) | ATE412747T1 (ja) |
AU (1) | AU762516B2 (ja) |
CA (1) | CA2340888C (ja) |
DE (1) | DE69939833D1 (ja) |
ES (1) | ES2316191T3 (ja) |
HK (1) | HK1041290B (ja) |
ID (1) | ID29405A (ja) |
NZ (1) | NZ510154A (ja) |
WO (1) | WO2000012701A1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4436977B2 (ja) * | 1998-08-28 | 2010-03-24 | 株式会社グリーンペプタイド | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
JP2002365286A (ja) * | 2000-11-13 | 2002-12-18 | Kyogo Ito | 細胞性免疫検出法およびその医薬への応用 |
US20060035291A1 (en) * | 2001-09-18 | 2006-02-16 | Kyogo Itoh | Method of detecting cellular immunity and application thereof to drugs |
WO2005011723A1 (ja) * | 2003-08-05 | 2005-02-10 | Green Peptide Co., Ltd. | 造血器腫瘍の予防および/または治療剤 |
WO2005029083A1 (en) * | 2003-09-22 | 2005-03-31 | Green Peptide Co., Ltd. | Prognosis in cancer patients vaccinated with a cancer antigen peptide-associated agent |
JP5114403B2 (ja) * | 2006-07-11 | 2013-01-09 | 株式会社グリーンペプタイド | Hla−a3スーパータイプアレル陽性前立腺癌患者に対する癌ワクチン療法に有用なsart3由来ペプチド |
CN101854945B (zh) | 2007-09-18 | 2015-07-01 | 株式会社绿多肽 | Ctl诱导剂组合物 |
CA2804127A1 (en) | 2010-07-07 | 2012-01-12 | Green Peptide Co., Ltd. | Cancer peptide vaccine |
WO2014136814A1 (ja) | 2013-03-08 | 2014-09-12 | 大鵬薬品工業株式会社 | 新規ctlエピトープ5連結ペプチド |
ES2796301T3 (es) * | 2013-10-21 | 2020-11-26 | Taiho Pharmaceutical Co Ltd | Nuevo péptido con cuatro epítopos CTL unidos |
JP6716801B2 (ja) | 2018-06-29 | 2020-07-01 | 大鵬薬品工業株式会社 | 抗腫瘍剤及びその評価方法 |
EP4082563A4 (en) | 2019-12-26 | 2024-02-28 | Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. | POST-OPERATIVE ADJUVANT THERAPY AGENT |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4436977B2 (ja) * | 1998-08-28 | 2010-03-24 | 株式会社グリーンペプタイド | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09502086A (ja) | 1993-08-06 | 1997-03-04 | サイテル コーポレイション | 完全mage1遺伝子のクローニング及び特性決定 |
WO1997046676A1 (fr) | 1996-06-07 | 1997-12-11 | Kyogo Itoh | Proteines d'antigenes tumoraux, genes derives de ces proteines, et peptides d'antigenes tumoraux |
CA2296792A1 (en) * | 1999-02-26 | 2000-08-26 | Genset S.A. | Expressed sequence tags and encoded human proteins |
AU3395900A (en) * | 1999-03-12 | 2000-10-04 | Human Genome Sciences, Inc. | Human lung cancer associated gene sequences and polypeptides |
WO2006028565A2 (en) | 2004-06-30 | 2006-03-16 | Whitehead Institute For Biomedical Research | Novel methods for high-throughput genome-wide location analysis |
-
1999
- 1999-08-27 JP JP2000567688A patent/JP4436977B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-27 AT AT99940508T patent/ATE412747T1/de not_active IP Right Cessation
- 1999-08-27 WO PCT/JP1999/004622 patent/WO2000012701A1/ja active IP Right Grant
- 1999-08-27 EP EP99940508A patent/EP1116791B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-27 AU AU54441/99A patent/AU762516B2/en not_active Ceased
- 1999-08-27 NZ NZ510154A patent/NZ510154A/xx unknown
- 1999-08-27 DE DE69939833T patent/DE69939833D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-27 KR KR1020017002677A patent/KR100660367B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1999-08-27 CN CNB998125962A patent/CN1264980C/zh not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-27 ES ES99940508T patent/ES2316191T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-27 CA CA002340888A patent/CA2340888C/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-27 ID IDW20010447A patent/ID29405A/id unknown
-
2002
- 2002-04-15 HK HK02102831.7A patent/HK1041290B/zh not_active IP Right Cessation
-
2004
- 2004-02-20 US US10/781,659 patent/US7541428B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2009
- 2009-04-29 US US12/432,700 patent/US7968676B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2009-09-11 JP JP2009210191A patent/JP4904384B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2011
- 2011-05-17 US US13/109,976 patent/US8097697B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2011-12-14 US US13/326,304 patent/US8563684B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4436977B2 (ja) * | 1998-08-28 | 2010-03-24 | 株式会社グリーンペプタイド | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1116791A4 (en) | 2002-01-09 |
JP4436977B2 (ja) | 2010-03-24 |
CA2340888C (en) | 2008-08-05 |
HK1041290B (zh) | 2007-03-09 |
ES2316191T3 (es) | 2009-04-01 |
US8563684B2 (en) | 2013-10-22 |
KR100660367B1 (ko) | 2006-12-21 |
US20120123090A1 (en) | 2012-05-17 |
US7968676B2 (en) | 2011-06-28 |
CN1264980C (zh) | 2006-07-19 |
EP1116791B1 (en) | 2008-10-29 |
KR20010074895A (ko) | 2001-08-09 |
AU762516B2 (en) | 2003-06-26 |
JP4904384B2 (ja) | 2012-03-28 |
CA2340888A1 (en) | 2000-03-09 |
AU5444199A (en) | 2000-03-21 |
ID29405A (id) | 2001-08-30 |
WO2000012701A1 (fr) | 2000-03-09 |
US8097697B2 (en) | 2012-01-17 |
US20060140968A1 (en) | 2006-06-29 |
EP1116791A1 (en) | 2001-07-18 |
NZ510154A (en) | 2002-11-26 |
HK1041290A1 (en) | 2002-07-05 |
CN1324404A (zh) | 2001-11-28 |
US20110243974A1 (en) | 2011-10-06 |
US7541428B2 (en) | 2009-06-02 |
DE69939833D1 (de) | 2008-12-11 |
ATE412747T1 (de) | 2008-11-15 |
US20090297544A1 (en) | 2009-12-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4413429B2 (ja) | サイクロフィリンb由来の腫瘍抗原ペプチド | |
JP4904384B2 (ja) | 新規な腫瘍抗原タンパク質sart−3、およびその腫瘍抗原ペプチド | |
US6555652B1 (en) | Tumor antigen peptide derivatives | |
AU757726B2 (en) | Novel tumor antigen protein art-1 and tumor antigen peptide thereof | |
US6664232B1 (en) | HLA-A2 restraint tumor antigen peptide originating in SART-1 | |
WO2000002907A1 (fr) | Peptide antigene tumoral produit dans le sart-1 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20111004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111213 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120106 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4904384 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |