JP2010027681A - 有機el素子および有機elディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率、膜安定性に優れた有機EL素子。
【解決手段】発光層4に、下記一般式(1)で表される低分子材料が含まれている有機EL素子を用いる。
Figure 2010027681

【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL素子および有機ELディスプレイに関するものである。
有機電界発光素子(以下、有機EL素子)は、低電圧で高輝度・高効率の発光が得られるため、次世代表示素子としての応用が期待されている。
有機EL素子は、電界発光現象(Electroluminesence:EL)を用いた自発光型の発光デバイスであり、原理的にはLED(Light Emitting Diode)と似ているが、発光材料として有機材料を用いているところが異なる。
有機EL素子は、現在、実用化への観点から、一層の低電圧化と発光効率の更なる向上が求められている。
有機EL素子の発光効率を向上させる手法の一つとして、三重項励起子の利用を挙げることができる。有機EL素子では、その発光層内で正孔と電子が再結合して一重項励起子と三重項励起子を1:3の割合で生成した後、それらのエネルギー失活過程で放射失活することにより発光すると考えられている。なお、一重項励起子からの放射失活は蛍光であり、三重項励起子からの放射失活は燐光である。
従来の有機EL素子では、三重項励起子のエネルギー失活過程においては、三重項励起子の励起寿命が長いため、放射失活よりも無輻射の熱失活が優先的に起こっていた。従って、一重項励起子からの放射失活のみを発光として利用し、三重項励起子からの放射を発光に利用していなかった。
これに対し、非特許文献1に示すように、Princeton大の研究グループは、燐光材料を発光層に用いた有機EL素子について調べ、燐光材料を発光層に用いた有機EL素子が蛍光材料を発光層に用いた有機EL素子に比較して高い発光効率を示すことを報告した。従来利用しなかった三重項励起子を利用することによると考えられ、原理的には、このように三重項励起子を利用することにより、生成した励起子を全て発光に用いることができる。
そこで、近年、燐光材料を発光層に用いた有機EL素子の研究が活発に行われている。有機EL素子に適した燐光材料としては、白金やイリジウムなどの重金属を中心に有する錯体を挙げることができ、典型的な緑色の燐光材料としてtris(2−phenylpyridine)iridiumなどが報告されている。
しかし、燐光材料を発光層に用いた有機EL素子は、その研究がまた端緒についたばかりであり、発光効率の向上、駆動電圧の低減、色純度の向上および素子構造の最適化など未解決の課題が多く残っている。特に、高電流・高輝度領域において、安定的に高い発光効率が得られていない。
特に、次世代表示素子として有機EL素子の実用化を考える際には、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって、安定的に高い発光効率を示す有機EL素子が求められる。それを実現するために、低電圧駆動が可能な高発光効率・長寿命の燐光材料が求められているとともに、燐光材料を発光層に用いた有機EL素子の材料と素子構造の最適化などが検討されている。
また、大画面ディスプレイまたは/および高精細ディスプレイとして有機EL素子からなる有機ELディスプレイを利用する場合を考えると、スピンコート法、インクジェット法、印刷法などの溶液を用いたウェットプロセスにより有機層、特に発光層を成膜することできると製造工程などの点で好適となる。
ウェットプロセスに適用できる発光材料としては、各種の低分子材料および高分子材料が広く研究されている。
一般に、高分子材料よりも低分子材料のほうが合成や精製が容易であるため、有機EL素子の発光材料として優れた材料として多くの低分子材料が発表されており、いくつかの低分子材料を用いた有機EL素子は優れた発光効率や寿命特性を示している。しかし、低分子材料はウェットプロセスで成膜すると結晶化しやすいという問題点がある。そのため、ウェットプロセスで成膜することができる結晶化しない低分子材料の開発も重要な課題である。
国際公開第01/072927号パンフレット M.A.バルドーら(M.A.Baldo et al),アプライド.フィジックス.レターズ(Appl.Phys.Lett.),75,4(1999)
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
有機EL素子の発光層がホスト材料に燐光性のゲスト材料を添加させた混合体により構成される場合は、有機EL素子に電圧を印加すると、以下の過程でゲスト材料の三重項励起子からの放射失活(燐光発光)が生じると考えられる。
(1) 発光層への正孔・電子の注入。
(2) 正孔・電子の再結合によるホスト励起子生成(ホスト材料の一重項励起子および三重項励起子生成)。
(3) ホスト材料からゲスト材料への励起エネルギーの移動(ゲスト材料への一重項励起子および三重項励起子移動)。
(4) ゲスト材料の三重項励起子生成。
(5) ゲスト材料の三重項励起子の放射失活(燐光発光)。
上記以外のエネルギー失活過程として、ゲスト材料で正孔あるいは電子のトラップと再結合が起こる過程も考えられる。各段階のエネルギー移動および発光は、三重項励起子からの無輻射の熱失活などのように、上記のエネルギー失活過程を阻害する様々な他のエネルギー失活過程との間の競争状態でなされる。
有機EL素子の発光効率を高めるためには、三重項励起子からの無輻射の熱失活などのような他のエネルギー失活過程を取り除くことが良い。
その方法としては、たとえば、発光量子収率の高い発光材料をゲスト材料に用いることにより、励起子の放射失活をすばやく行うことにより、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。また、有機EL素子の発光層でゲスト材料の周りを取り巻くホスト材料を最適なものとすることにより、ホスト材料からゲスト材料への励起エネルギーの移動効率を高めて、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。さらにまた、ホスト材料のキャリア輸送性を高めることにより、発光層への正孔・電子の注入効率および正孔・電子の再結合によるホスト励起子生成効率を高めることができ、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
このように、有機EL素子の発光効率向上のためには、有機EL素子の発光層のホスト材料およびゲスト材料の選択は極めて重要である。
また、有機EL素子の耐久性の観点からは、高い膜安定性を有するホスト材料が求められる。さらに、ウェットプロセスによる有機EL素子の形成の観点からは、有機溶媒に対して高い溶解性を有し、この溶液を塗布することにより均一な膜を形成することができる成膜性の高いホスト材料が求められる。
燐光材料をゲストに用いる有機EL素子におけるホスト材料としては、非特許文献1に記載のN,N’−ジカルバゾリルビフェニル(CBP)や、特許文献1に記載のカルバゾール骨格を有する低分子材料などが知られている。
しかし、これらの材料を用いた有機EL素子では、高輝度・高電流領域において発光効率が低下する問題があった。さらに、ウェットプロセスで一般的な低分子材料を溶解させた溶液を用いて成膜した場合には、形成した膜が結晶化する問題があった。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、スピロビフルオレンに2つのカルバゾール誘導体を連結させた化合物を発光層の材料に用いることにより、上記目的を達成できることを明らかにした。
スピロビフルオレンに2つのカルバゾール誘導体を連結させた化合物は、剛直でねじれ構造を有するスピロビフルオレンを有するために耐熱性や膜の安定性が高い。
また、この化合物は、スピロビフルオレンとカルバゾールという2つのキャリア輸送性に優れた分子構造を有するので、有機EL素子の駆動に不可欠なキャリア輸送性を向上させることができる。
この化合物をホスト材料として用い、蛍光材料または燐光材料をゲスト材料としてこれに添加(ドープ)することにより、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できることを明らかにした。
また、この化合物をホスト材料として用い、蛍光材料または燐光材料をゲスト材料として混合して溶媒に溶解させた溶液を用いることにより、溶液塗布法により均一で安定性に優れる薄膜を形成することができた。その結果、この溶液を用いて溶液塗布法により作成した有機EL素子においても、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できることを明らかにした。
以上の結果をもとに、本発明を完成するに至った。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明の有機EL素子は、一対の対向する電極と、前記電極間に配置される単層または多層の有機薄膜層と、を有し、前記有機薄膜層のうち少なくとも一層が発光層である有機EL素子であって、前記発光層に、スピロビフルオレンの任意の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している下記一般式(1)で表される低分子材料が含まれていることを特徴とする。
Figure 2010027681
上記一般式(1)中、R〜R16は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基のいずれかである。
本発明の有機EL素子は、前記発光層に、上記一般式(1)で表される低分子材料であって、スピロビフルオレンの所定の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している下記一般式(2)で表される低分子材料が含まれていることを特徴とする。
Figure 2010027681
上記一般式(2)中、R〜R16は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基のいずれかである。
本発明の有機EL素子は、前記発光層が、上記一般式(1)または(2)で表される低分子化合物からなるホスト材料に、蛍光または燐光を発する発光材料からなるゲスト材料を添加してなることを特徴とする。
本発明の有機EL素子は、前記ゲスト材料が、白金またはイリジウム原子と芳香族炭化水素を含む配位子とからなる燐光性金属錯体であることを特徴とする。
本発明の有機EL素子は、前記燐光性金属錯体が、イリジウムと配位子フェニルピリジンとからなる下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体であることを特徴とする。
Figure 2010027681
上記一般式(3)中、R17〜R24は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基、フェニルピリジンのベンゼン環またはピリジン環に縮合した芳香環のいずれかである。Lは、フェニルピリジン以外の配位子である。nは1〜3の整数、mは0〜4の整数である。
本発明の有機EL素子は、前記一対の電極および前記有機薄膜層が可撓性基板上に形成されてなることを特徴とする。
本発明の有機EL素子は、前記有機薄膜層が溶液塗布法により形成されてなることを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイは、複数の赤色、緑色および青色発光を呈する有機EL素子が格子状に配列されて複数の画素とされてなる有機ELディスプレイであって、前記複数の赤色、緑色および青色発光を呈する有機EL素子の少なくともいずれか1つが、先に記載の有機EL素子であることを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイは、前記複数の画素がそれぞれ2個の有機薄膜トランジスタを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を提供することができる。
本発明の有機EL素子は、一対の対向する電極と、電極間に配置される単層または多層の有機薄膜層と、を有し、有機薄膜層のうち少なくとも一層が発光層である有機EL素子であって、発光層に、スピロビフルオレンの任意の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している上記一般式(1)で表される低分子材料が含まれている構成なので、剛直でねじれ構造を有するスピロビフルオレンを有するために耐熱性や膜の安定性が高く、スピロビフルオレンとカルバゾールという2つのキャリア輸送性に優れた分子構造を有するためにキャリア輸送性が向上された有機EL素子とすることができ、この材料をホスト材料として用い、蛍光材料または燐光材料をゲスト材料としてこれに添加(ドープ)することにより、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の有機EL素子は、発光層が、上記一般式(1)または(2)で表される低分子化合物からなるホスト材料に、蛍光または燐光を発する発光材料からなるゲスト材料を添加してなる構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の有機EL素子は、燐光性金属錯体が、イリジウムと配位子フェニルピリジンとからなる上記一般式(3)で表されるイリジウム錯体である構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態である有機EL素子について説明する。
図1は、本発明の実施形態である有機EL素子の一例を示す概略図である。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、基板1の上に、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、正孔阻止層5、電子輸送層6、陰極7がこの順序で積層されている。正孔輸送層3、発光層4、正孔阻止層5、電子輸送層6は、有機薄膜層であり、一対の対向する電極2、7に挟持される構造とされている。さらに、これらを覆うように封止用ガラス9が配置され、封止用ガラス9の周縁部と陽極2を配した基板1の周縁部は互いに紫外線硬化樹脂8により接着封止されている。
なお、図では示していないが、陽極2は平面視したときに複数のライン状に形成されているとともに、陰極7が陽極2と直交する複数のライン状に形成されている。これにより、陽極2と陰極7とに電圧を印加することにより、陽極2と陰極7の交差部分で、陽極2から正孔が正孔輸送層3に注入される。前記正孔は、前記正孔輸送層3中を移動した後、発光層4に注入される。一方、陰極7からは、電子輸送層6、正孔阻止層5を経て、電子が発光層4に注入される。発光層4中で前記正孔と前記電子とが再結合し、電界発光する構成となっている。
<基板>
基板1は、透明な材料が好ましい。ガラス、石英、その他プラスチックフィルムなどを例示することができる。
基板1として、たとえば、プラスチックフィルムなどの可撓性基板を用い、その上に一対の電極2,7および有機薄膜層3、4、5、6を形成した場合には、画像表示部を容易に変形することのできるフレキシブル有機EL素子とすることができる。
<陽極>
陽極2は、透明で導電性の高い材料が好ましい。たとえば、インジウム−錫−酸化物(以下、ITO)あるいはインジウム−亜鉛−酸化物(以下、IZO)などの導電性透明酸化物を用いることができる。
陽極2を複数のライン状に形成する。ラインの形成は、陽極2の形成の際、マスクを用いて形成するか、もしくは、全面に陽極2を形成した後、レジストを塗布し、ガラスマスクにより露光処理してラインパターンを形成する。
<正孔輸送層>
正孔輸送層3の材料としては、正孔輸送性の低分子材料または高分子材料からなる有機材料を用いることができる。
低分子材料としては、α−NPDなどのベンジジン誘導体などを挙げることができ、真空蒸着法などのドライプロセスにより成膜することができる。
たとえば、真空蒸着法により成膜する場合は、正孔輸送層用材料をるつぼにいれて真空蒸着装置内部に基板と対向するようにセットし、前記真空蒸着装置の内部を減圧した後、るつぼを加熱することにより基板上に正孔輸送層用材料を成膜して、これを正孔輸送層とする。
ウェットプロセスによって素子作製を行う場合には、正孔輸送層3の代わりに正孔注入層を用いてもよい。正孔注入性の高分子材料として、たとえば、PEDOT:PSSを挙げることができる。
<発光層>
発光層4は、蛍光または燐光の発光性の低分子材料または高分子材料(ホスト材料)に、蛍光または燐光の発光性の低分子材料(ゲスト材料)などを分散させたホスト−ゲスト構造とすることが好ましい。これにより、発光効率を向上させることができる。また、発光波長を変えることもできる。
<ホスト材料>
ホスト材料としては、スピロビフルオレンの任意の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している上記一般式(1)で表される低分子材料が好ましい。
上記一般式(1)中、R〜R16は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基のいずれかである。
スピロビフルオレンに2つのカルバゾール誘導体を連結させた化合物は、剛直でねじれ構造を有するスピロビフルオレンを有するために耐熱性や膜の安定性が高い。
また、この化合物は、スピロビフルオレンとカルバゾールという2つのキャリア輸送性に優れた分子構造を有するので、有機EL素子の駆動に不可欠なキャリア輸送性を向上させることができる。
そのため、この化合物をホスト材料として用い、蛍光材料または燐光材料をゲスト材料としてこれに添加(ドープ)することにより、高輝度・高電流領域において高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
上記一般式(1)で表される低分子材料は、具体的には、下記化学構造式(1)−1〜(1)−12で表される低分子材料である。
Figure 2010027681
また、ホスト材料としては、上記一般式(1)で表される低分子材料であって、スピロビフルオレンの所定の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している下記一般式(2)で表される低分子材料が好ましい。
上記一般式(2)中、R〜R16は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基のいずれかである。
一般式(2)に示したような位置にカルバゾールが結合していることにより、膜の安定性の向上と電荷輸送特性の向上がより効果的に実現される。
上記一般式(2)で表される低分子材料は、具体的には、下記化学構造式(2)−1〜(2)−14で表される低分子材料である。
Figure 2010027681
Figure 2010027681
<ゲスト材料>
ゲスト材料としては、白金またはイリジウム原子と芳香族炭化水素を含む配位子とからなる燐光性金属錯体が好ましい。
白金またはイリジウム原子と芳香族炭化水素を含む配位子とからなる錯体は量子収率の高い燐光発光を示すためである。
前記燐光性金属錯体が、イリジウムと配位子フェニルピリジンとからなる下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体であることが好ましい。
上記一般式(3)中、R17〜R24は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基、フェニルピリジンのベンゼン環またはピリジン環に縮合した芳香環のいずれかである。Lは、フェニルピリジン以外の配位子である。nは1〜3の整数、mは0〜4の整数である。
イリジウム錯体の中でも、一般式(3)で表されるイリジウム錯体は極めて量子効率の高い燐光を示す。
上記一般式(3)で表される低分子材料は、具体的には、下記化学構造式(3)−1〜(3)−36で表される低分子材料である。特に、下記化学構造式(3)−2で表されるIr(ppy)が好ましい。
Figure 2010027681
Figure 2010027681
<ドライプロセスによる発光層形成方法>
たとえば、真空蒸着法により成膜する場合は、化学構造式(2)−1からなるホスト材料を入れたるつぼと、化学構造式(3)−2のIr(ppy)からなるゲスト材料を入れたるつぼと、を真空蒸着装置内部に基板と対向するようにセットし、前記真空蒸着装置の内部を減圧した後、2つのるつぼを加熱させることにより、基板上に化学構造式(2)−1からなるホスト材料と化学構造式(3)−2のIr(ppy)からなるゲスト材料を質量比94:6となるように共蒸着して、ホスト−ゲスト構造の発光層4を形成する。
<ウェットプロセスによる発光層形成方法>
たとえば、スピンコート法により成膜する場合は、正孔輸送層3を成膜した基板をスピンコーターの所定の位置に配置した後、化学構造式(2)−1で示されるホスト材料と、化学構造式(3)−2で示されるIr(ppy)からなるゲスト材料とを質量比94:6となるように調整して混合したトルエン溶液を前記基板上に塗布して、所定の回転速度で回転させる。これを乾燥させることにより、膜厚40nmの発光層とする。
発光層4の膜厚は、1nm〜5μmが好ましく、10nm〜1μmがより好ましく、20〜200nmが更に好ましい。発光層4の膜厚を上記範囲とすることにより、発光層4に最適な電圧を印加することができ、高輝度・高電流領域において高い発光効率を示させることができる。膜厚が厚すぎる場合には、電圧を十分印加することができず、高輝度の発光得ることができない。また、逆に、膜厚が薄すぎる場合には、容易に膜が破壊する。
<正孔阻止層>
正孔阻止層5としては、電子は容易に移動させるが、正孔の移動を阻止できる有機材料が好ましく、たとえば、下記化学構造式(4)で示されるBCPなどを挙げることができる。
このような正孔阻止層5を設けることにより、発光層の電子と正孔の密度を向上させることができ、有機EL素子の発光特性を向上させることができる。
Figure 2010027681
<電子輸送層>
電子輸送層6としては、電子輸送性の有機材料が好ましく、たとえば、下記化学構造式(5)で示されるAlqなどを挙げることができる。
このような電子輸送層6を設けることにより、発光層の電子と正孔の密度を向上させることができ、有機EL素子の発光特性を向上させることができる。
Figure 2010027681
<陰極>
陰極7の材料としては、仕事関数の低い金属が好ましい。仕事関数の低い金属を用いることにより、陰極7から有機層への電子注入障壁を低くすることができ、陰極7から電子を注入させやすくすることができるためである。仕事関数の低い金属としては、たとえば、Li、Csなどのアルカリ金属、Ca、Ba、Mgなどのアルカリ土類金属を例示することができる。
しかしながら、前記仕事関数の低い金属は、空気中の酸素や水分などと反応しやすいので、MgAgなどの前記金属を含む合金、あるいはLiF、LiO、CsFなどの前記金属を含む化合物などとして形成することが好ましい。あるいは、前記アルカリ金属、アルカリ土類金属の上に、AlもしくはAuなどの仕事関数の高い金属を積層して形成することが望ましい。
各有機薄膜層を形成した基板を真空蒸着器のチャンバー内の所定の位置に取り付け、前記基板の表面に複数のライン状の開口部が設けられた金属マスクを配置して前記チャンバー内を減圧状態にした後、金属材料を真空蒸着することによって、複数のライン状の前記金属材料からなる陰極7を前記基板上に形成する。
(実施形態2)
正孔輸送層3の代わりに、正孔注入層を用いた素子構造としてもよい。正孔注入層の材料としては、正孔注入性の低分子材料または高分子材料からなる有機材料を用いることができる。
正孔注入性の高分子材料としては、PEDOT:PSSなどを挙げることができ、スピンコーティング法、インクジェット法などのウェットプロセスなどにより成膜することができる。なお、PEDOTはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を示し、PSSはポリスルホスチレンを示す。
たとえば、インクジェット法により成膜する場合は、PEDOT:PSS、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性高分子材料などの正孔注入層用材料を、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの溶媒に混合して正孔注入層用溶液を調整し、それを基板上に吐出した後、これを乾燥して正孔注入層とする。
さらに、有機薄膜層の各層を任意に選択して、素子を形成しても良い。たとえば、有機薄膜層が発光層のみの素子構造としてもよい。
また、有機薄膜層の形成方法は、特に限定されるものではなく、真空蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング、分子積層法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法などの方法を用いることができる。素子特性および製造の観点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。特に、将来の大画面、高精細ディスプレイへの有機EL素子の応用を考慮すると、スピンコート法、インクジェット法、印刷法などの溶液を用いたウェットプロセスが好ましい。
(実施形態3)
まず、矩形状のガラス基板の一面を格子状に区画して、信号線などのための金属配線を形成するとともに、有機EL素子のための透明電極を配した複数の画素領域を格子状に形成する。また、公知の方法により、各画素領域に2個配置されるように有機薄膜トランジスタを形成する。
図2は、アクティブ駆動の有機ELディスプレイにおける1画素セルの構成例を示す図であって、図2(a)は1つの有機EL素子を用いたディスプレイの1つの画素セルの回路を示す概念図であり、図2(b)は図2(a)の回路の平面視におけるレイアウト図である。
図2に示すように、複数の走査線と複数の信号線との各々の交差する点に、マトリクス状に画素として配置された有機EL素子を駆動するため、有機EL素子に対して発光に必要な電流を、電源線から流すドライブTFT(Dr)スイッチと、このドライブスイッチをオンする電圧を保持する保持容量に対し、電荷の蓄積及び放電を行うスイッチTFTとに、それぞれ有機薄膜トランジスタを用いる。
次に、真空蒸着法を用いて、各画素領域に赤色発光、緑色発光および青色発光の有機EL素子を形成して、これらを画素とした。具体的には、赤色発光の画素のホスト材料として化学構造式(2)−1で表される化合物を用い、そのゲスト材料として化学構造式(3)−14で表されるイリジウム錯体を用い、緑色発光の画素のホスト材料として化学構造式(2)−1で表されるホスト材料を用い、そのゲスト材料として化学構造式(3)−2で表されるIr(ppy)からなるゲスト材料を用い、青色発光の画素のホスト材料として化学構造式(2)−1で表される化合物を用い、そのゲスト材料として化学構造式(3)−36で表されるイリジウム錯体を用い、前記複数の画素が格子状に配列するように基板上に有機EL素子を形成して、フルカラー有機ELディスプレイを作製する。ここで、緑色発光を呈する有機EL素子が、実施形態1の有機EL素子である。
この有機ELディスプレイに所定の映像信号を送ることにより、フルカラー動画の映像を確認することができる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、一対の対向する電極2、7と、電極間2、7に配置される単層または多層の有機薄膜層3、4、5、6と、を有し、有機薄膜層3、4、5、6のうち少なくとも一層が発光層4である有機EL素子であって、発光層4に、スピロビフルオレンの任意の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している上記一般式(1)で表される低分子材料が含まれている構成なので、剛直でねじれ構造を有するスピロビフルオレンを有するために耐熱性や膜の安定性が高く、スピロビフルオレンとカルバゾールという2つのキャリア輸送性に優れた分子構造を有するためにキャリア輸送性が向上された有機EL素子とすることができ、この材料をホスト材料として用い、蛍光材料または燐光材料をゲスト材料としてこれに添加(ドープ)することにより、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、発光層4に、上記一般式(1)で表される低分子材料であって、スピロビフルオレンの所定の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している上記一般式(2)で表される低分子材料が含まれている構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、発光層4が、上記一般式(1)または(2)で表される低分子化合物からなるホスト材料に、蛍光または燐光を発する発光材料からなるゲスト材料を添加してなる構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、ゲスト材料が、白金またはイリジウム原子と芳香族炭化水素を含む配位子とからなる燐光性金属錯体である構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、燐光性金属錯体が、イリジウムと配位子フェニルピリジンとからなる上記一般式(3)で表されるイリジウム錯体である構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を実現できる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、一対の電極2,7および有機薄膜層が可撓性基板上に形成されてなる構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れたフレキシブル有機EL素子を実現できる。
本発明の実施形態である有機EL素子10は、有機薄膜層3、4、5、6が溶液塗布法により形成されてなる構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を備えた大画面のディスプレイを容易に実現できる。
本発明の実施形態である有機ELディスプレイは、複数の赤色、緑色および青色発光を呈する有機EL素子が格子状に配列されて複数の画素とされてなる有機ELディスプレイであって、前記複数の赤色、緑色および青色発光を呈する有機EL素子の少なくともいずれか1つが、先に記載の有機EL素子である構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を備えた有機ELディスプレイに実現できる。
本発明の実施形態である有機ELディスプレイは、前記複数の画素がそれぞれ2個の有機薄膜トランジスタを有する構成なので、低電流・低輝度領域から高電流・高輝度領域にわたって高い発光効率を示し、膜安定性に優れた有機EL素子を備えた有機ELディスプレイに実現できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(有機EL素子の作製)
図1に示す構造の本発明の有機EL素子を次のようにして作製した。まず、25×35mm角のガラス基板にITOからなる陽極を形成し、これを複数のライン状にパターニングした。次に、前記陽極の上に、α−NPDからなる正孔輸送材料を真空蒸着法により成膜して、正孔輸送層を形成した。
次に、前記正孔輸送層上に、化学構造式(2)−1で表されるホスト材料と化学構造式(3)−2で表されるIr(ppy)からなるゲスト材料を質量比94:6となるように共蒸着して、ホスト−ゲスト構造の発光層を形成した。次に、前記発光層の上に、BCPからなる正孔阻止材料を真空蒸着法により成膜して、膜厚10nmの正孔阻止層を形成した。
次に、前記正孔阻止層の上に、Alqからなる電子輸送材料を真空蒸着法により成膜して、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。次に、前記電子輸送層上に、メタルマスクを用いて、LiFを0.5nm成膜した後、Alを100nm成膜して、複数のライン状の陰極を形成した。
最後に、窒素ガスで満たされたグローブボックス中で、封止用ガラスの周縁部に紫外線硬化樹脂を塗布した後、有機層を成膜した前記基板の周縁部に貼り合せて、封止を行った。
<有機EL素子の素子特性の評価>
有機EL素子のITO陽極側に正、アルミニウム陰極側に負となるように電圧を印加して、電流−電圧−輝度特性を測定し、発光スペクトルを観測した。発光スペクトルから、発光ピークが516nmとなるゲスト化合物からの緑色の発光が得られた。輝度が100cd/mのときの電圧が5.2V、外部量子効率が7.4%、電力効率が16lm/Wであった。輝度が10000cd/mのときの電圧が9.9V、外部量子効率が7.6%、電力効率が8.8lm/Wであった。
(実施例2)
(有機EL素子の作製)
正孔輸送層の代わりに以下の正孔注入層を用いたこと及び発光層を以下のようにウェットプロセスで形成したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2の有機EL素子を作製した。
正孔注入層は、PEDOT:PSS(H.C.スタルク社製(H.C.Starck)、Baytron P CH8000、固形分3%、以下、PEDOT/PSS混合水溶液)をスピンコート法で成膜し、180℃で乾燥して、膜厚35nmとして形成した。次に、発光層は、化学構造式(2)−1で表されるホスト材料と、化学構造式(3)−2で表されるIr(ppy)からなるゲスト材料とを質量比94:6となるように調整し、混合したトルエン溶液を用いて、スピンコート法により膜厚40nmとして形成した。
<有機EL素子の素子特性の評価>
有機EL素子のITO陽極側に正、アルミニウム陰極側に負となるように電圧を印加して、電流−電圧−輝度特性を測定し、発光スペクトルを観測した。発光スペクトルから、発光ピークが516nmとなるゲスト材料からの緑色の発光が得られた。輝度が100cd/mのときの電圧が6.5V、外部量子効率が4.2%、電力効率が7.5lm/Wであった。輝度が10000cd/mのときの電圧が12.0V、外部量子効率が4.9%、電力効率が4.6lm/Wであった。
(比較例1)
(有機EL素子の作製)
発光層のホスト材料として、下記化学構造式(6)で表されるN,N’−ジカルバゾリルビフェニル(CBP)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例1の有機EL素子を作製した。
Figure 2010027681
<有機EL素子の素子特性の評価>
有機EL素子のITO陽極側に正、アルミニウム陰極側に負となるように電圧を印加して、電流−電圧−輝度特性を測定し、発光スペクトルを観測した。発光スペクトルから、発光ピークが516nmとなるゲスト化合物からの緑色の発光が得られた。輝度が100cd/mのときの電圧が4.6V、外部量子効率が11%、電力効率が28lm/Wであった。輝度が10000cd/mのときの電圧が9.1V、外部量子効率が6.5%、電力効率が7.9lm/Wであった。
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の素子は100cd/mの輝度では比較例の素子よりやや効率が低いが、10000cd/mという高輝度の状態で、比較例1の素子よりも外部発光量子効率と電力効率が向上した。これは、実施例1で用いたホスト材料の高い安定性によるものと考えられる。
また、実施例2の結果から、実施例2で用いたホスト材料は、溶液からの塗布法によっても、高効率発光が得られることが分かった。
(実施例3)
(有機EL素子の作製)
正孔輸送層の成膜の前に、正孔注入層を成膜したこと、ならびに、Ir(ppy)のかわりに化学構造式(3)−14で表されるIr(piq)をゲスト材料として用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例3の有機EL素子を作製した。
<有機EL素子特性の評価>
有機EL素子のITO陽極側に正、アルミニウム陰極側に負となるように電圧を印加して、電流−電圧−輝度特性を測定し、発光スペクトルを観測した。発光スペクトルから、発光ピークが627nmとなるゲスト材料からの赤色の発光が得られた。輝度が100cd/mのときの電圧が6.4V、外部量子効率が11%、電力効率が4.0lm/Wであった。輝度が10000cd/mのときの電圧が12.5V、外部量子効率が6.8%、電力効率が1.3lm/Wであった。
(比較例2)
発光層のホスト材料として、CBPを用いた他は実施例3と同様にして、比較例2の有機EL素子を作製した。
<有機EL素子特性の評価>
有機EL素子のITO陽極側に正、アルミニウム陰極側に負となるように電圧を印加して、電流−電圧−輝度特性を測定し、発光スペクトルを観測した。発光スペクトルから、発光ピークが627nmとなるゲスト材料からの赤色の発光が得られた。輝度が100cd/mのときの電圧が5.9V、外部量子効率が8.1%、電力効率が3.1lm/Wであった。輝度が10000cd/mのときの電圧が13.8V、外部量子効率が5.2%、電力効率が0.88lm/Wであった。
実施例3と比較例2を比較すると、実施例3の素子は、100cd/m、10000cd/m、いずれの輝度においても、比較例2の素子よりも外部量子効率と電力効率が向上した。これは、実施例3で用いたホスト材料が、赤色材料に対して三重項励起エネルギーの閉じ込め効果が大きくかつ高い安定性を有しているためであると考えられる。
以上の条件および結果について表1と表2にまとめた。
Figure 2010027681
Figure 2010027681
本発明は、有機EL素子に関するものであり、有機EL素子を利用した発光素子、照明機器、ディスプレイ産業において利用可能性がある。この有機EL素子は、高輝度・高効率の発光を必要とする様々なデバイス、製品に応用することが可能であり、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、露出光源、標識、看板、インテリアなどの分野で好適に使用できる。特に省エネルギーで視認性の高いフラットパネルディスプレイに好適に使用することができる。
本発明の実施形態である有機EL素子の一例を説明する図である。 アクティブ駆動の有機ELディスプレイにおける1画素セルの構成例を示す図である。
符号の説明
1…基板、2…陽極、3…正孔輸送層、4…発光層、5…正孔阻止層、6…電子輸送層、7…陰極、8…紫外線硬化樹脂、9…封止ガラス基板、10…有機EL素子。

Claims (9)

  1. 一対の対向する電極と、前記電極間に配置される単層または多層の有機薄膜層と、を有し、前記有機薄膜層のうち少なくとも一層が発光層である有機EL素子であって、
    前記発光層に、スピロビフルオレンの任意の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している下記一般式(1)で表される低分子材料が含まれていることを特徴とする有機EL素子。
    Figure 2010027681
    上記一般式(1)中、R〜R16は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基のいずれかである。
  2. 前記発光層に、上記一般式(1)で表される低分子材料であって、スピロビフルオレンの所定の位置に置換または無置換カルバゾールが2つ結合している下記一般式(2)で表される低分子材料が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
    Figure 2010027681
    上記一般式(2)中、R〜R16は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基のいずれかである。
  3. 前記発光層が、上記一般式(1)または(2)で表される低分子材料からなるホスト材料に、蛍光または燐光を発する発光材料からなるゲスト材料を添加してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記ゲスト材料が、白金またはイリジウム原子と芳香族炭化水素を含む配位子とからなる燐光性金属錯体であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記燐光性金属錯体が、イリジウムと配位子フェニルピリジンとからなる下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体であることを特徴とする請求項4に記載の有機EL素子。
    Figure 2010027681
    上記一般式(3)中、R17〜R24は同一であっても独立していてもよい置換基であって、水素原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、アリール基、フェニルピリジンのベンゼン環またはピリジン環に縮合した芳香環のいずれかである。Lは、フェニルピリジン以外の配位子である。nは1〜3の整数、mは0〜4の整数である。
  6. 前記一対の電極および前記有機薄膜層が可撓性基板上に形成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  7. 前記有機薄膜層が溶液塗布法により形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 複数の赤色、緑色および青色発光を呈する有機EL素子が格子状に配列されて複数の画素とされてなる有機ELディスプレイであって、
    前記複数の赤色、緑色および青色発光を呈する有機EL素子の少なくともいずれか1つが、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL素子であることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  9. 前記複数の画素がそれぞれ2個の有機薄膜トランジスタを有することを特徴とする請求項8に記載の有機ELディスプレイ。
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