図11は、特許文献1記載のような、ジャケット画像を表示するデータ再生装置であって、従来のデータ再生装置の例を示すものである。このデータ再生装置は、表示部に表示されるジャケット画像(索引用画像)を指定する操作によって楽曲データ(コンテンツデータ)が選択されるようにされたものである。このデータ再生装置50は、図示されていないデータ格納部に、複数の楽曲データおよびこの楽曲データに関連付けられた複数のジャケット画像51のデータを格納している。このジャケット画像51は、縦横に並ぶ不可視のグリッド52によって等分に区分された「ます目」内に配置されている。ジャケット画像のサイズはこのグリッド52で形成される「ます目」によって決定される。
ジャケット画像による楽曲データの選択を行う場合、データ再生装置50の表示部53には、マトリクス状に配列された複数のジャケット画像51が表示される。データ再生装置50のユーザは、表示部53に表示される選曲画面54を見ながら、操作部55の4方向キー(上キー55U、下キー55D、左キー55L、および、右キー55R)を操作することによって複数のジャケット画像51のいずれか1つを指定し、決定キー55eによって指定状態を確定する。このとき、指定された状態にあるジャケット画像51のみが、表示色を変更したり枠囲みを施すなどの方法よって、ハイライト表示される。
図12は、表示部53に表示される選曲画面54の中からジャケット画像51のいずれか一つを指定する際の、操作部55の操作例を示している。ここで、初期状態ではジャケット画像51Aが指定されている。また、以下では、参照符号に表示されている画像「A」、「B」、・・・を付加して、51A、51B、・・・などとして説明する。
図12(A)に示す初期状態において、操作部55の右キー55Rが1回操作されると、指定された状態にあるジャケット画像51がジャケット画像51Aから右隣のジャケット画像51Bに変更され、図12(B)に示すように選曲画面54の第1行第2列のジャケット画像51Bのみがハイライト表示される。そして、右キー55Rがもう1回操作されると、指定された状態にあるジャケット画像51がジャケット画像51Bから右隣のジャケット画像51Cに変更され、図12(C)に示すように選曲画面54の第1行第3列のジャケット画像51Cのみがハイライト表示される。このように、右キー55Rを操作し続けると、ハイライト表示されるジャケット画像51は、第1行を左から右に、次に第2行を左から右に、さらに第3行を左から右に、ジグザグ状に順次下の行に移行していく。一方、左キー55Lを操作し続けると、右キー55Rの操作による場合とは逆の向きに順次移行していく。
ここで、右キー55Rがさらにもう1回操作されると、選曲画面54の列数が3列に固定されているため、指定された状態にあるジャケット画像51は、第1行目のジャケット画像51Cから第2行目のジャケット画像51Dに変更され、図12(D)に示すように選曲画面54の第2行第1列のジャケット画像51Dのみがハイライト表示される。
次に、下キー55Dの操作による動作について説明する。図12(D)に示される状態で、下キー55Dが1回操作されると、指定された状態にあるジャケット画像51が、第2行目のジャケット画像51Dから第3行目のジャケット画像51Gに変更され、図12(E)に示すように選曲画面54の第3行第1列のジャケット画像51Gのみがハイライト表示される。そして、下キー55Dがもう1回操作されると、指定された状態にあるジャケット画像51が第3行のジャケット画像51Gから第4行のジャケット画像51Jに変更され、図12(F)に示すように選曲画面54の第4行第1列のジャケット画像51Jのみがハイライト表示される。
ここで、下キー55Dがさらにもう1回操作されると、第4行目のジャケット画像51Jから第5行目のジャケット画像51Mに変更され、図12(G)に示すように選曲画面54の第5行第1列のジャケット画像51Mのみがハイライト表示される。このとき、表示部53に同時に表示できるジャケット画像51は4行×3列に限られているために、選曲画面54は表示部53上で自動的に上方にスクロールされる。そして、選曲画面54の第1行目に表示されていたジャケット画像51A、ジャケット画像51Bおよびジャケット画像51Cが表示されなくなると共に、初期状態では表示されていなかった第5行目のジャケット画像51M、ジャケット画像51Nおよびジャケット画像51Oが表示部53に新たに表示されると共に、選曲画面54にも表示される。なお、上キー55Uの操作による動作は、下キー55Dの動作による場合と逆向きになる。
そして、データ再生装置50のユーザが指定しようとしているジャケット画像51がジャケット画像51Mであるとき、ジャケット画像51Mがハイライト表示されている状態で決定キー55eが操作されることによって、ジャケット画像51Mの指定状態が確定的になる。この確定操作により、ジャケット画像51Mに関連付けられた楽曲データが、データ再生装置50のデータ格納部から読み出されて再生され、出力されることによって、ユーザが当該楽曲を聴取できるようになる。
上述したデータ再生装置50においては、表示部53に表示される複数のジャケット画像51の配列が、表示すべきジャケット画像51の数やデータ量に応じて自動的に決定される。具体的には、表示部53の横方向の長さ(幅)をn等分するように不可視のグリッド52によって形成された「ます目」がマトリクス状に設けられ、各「ます目」にジャケット画像51が所定の順序で配列される。図11および図12は、データ再生装置50の表示部53に、その幅を3等分するように3列のグリッド52(破線で示されている)が設けられ、その各グリッド52にジャケット画像51が配列されている場合を示している。
ここで、ジャケット画像51が配列されるグリッド52による「ます目」のサイズを小さくすると、表示部53に同時に表示されるジャケット画像51の数が多くなるためジャケット画像51を一覧しやすくなり、目的とするジャケット画像51を見つけ易くなる。その一方で、各ジャケット画像51の表示サイズも小さくなるために、ジャケット画像51を視認しながら目的のジャケット画像51を指定する操作が難しくなる場合もある。これとは逆に、図13に示すように、ジャケット画像51が配列されるグリッド52による「ます目」のサイズを大きくする(ジャケット画像51を拡大表示する)と、ジャケット画像51を視認しながら目的のジャケット画像51を指定する操作が容易になるものの、表示部53に同時に表示されるジャケット画像51の数が極端に少なくなるため、全てのジャケット画像51を見るために操作部55の各キーを何度も操作してジャケット画像51を順次スクロールさせる必要が生じる。
このように、選曲画面54に含まれるジャケット画像51の表示サイズは、ジャケット画像51を視認しやすく、かつ、指定操作を行いやすい範囲でなければならない。このため、データ再生装置50においては、表示部53に同時に表示できるジャケット画像51の列数が2列〜3列程度に制限されてしまい、ジャケット画像51の数が増えるにしたがって選曲画面54の行数が急激に増えてしまうことがある。このような場合、データ再生装置50ユーザは、目的のジャケット画像51を指定するために操作部55の各キーを何度も操作して選曲画面54を順次スクロールさせなければならないことになる。
さらに、データ再生装置50においては、表示部53の各「ます目」に配されるジャケット画像51が、個別のジャケット画像データに基づいて独立に描画される。このため、表示部53上で選曲画面54をスクロールする際などに、各ジャケット画像51が順次描画される過程が表示されてしまい、滑らかなスクロールができないことがある。
本発明は、このような状況に鑑みて提案されたものであり、楽曲データなどのコンテンツデータと関連付けられた複数のジャケット画像等の索引用画像の指定操作を容易かつ迅速に行うことができ、しかも、画面の表示品位を低下させることがない、データ再生装置、データ再生方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のデータ再生装置は、コンテンツデータに関連付けられている索引用画像を指定することによって、複数の索引用画像を一面に配列すると共に索引用画像の表示サイズを各策引用画像に付された重みに応じて異なるものとして配置し、一枚のメニュー画像として表示する制御部と、メニュー画像を表示部上で移動させることによって索引用画像のいずれかを指定する操作部と、指定された索引用画像に関連付けられているコンテンツデータを再生して出力する再生出力部とを備えるようにされている。
また、上記の課題を解決するため、本発明の他のデータ再生装置は、上述のデータ再生装置において、索引用画像の重みを前記索引用画像が指定された回数に応じて決定するようにされていることが好ましい。
また、上記の課題を解決するため、本発明の他のデータ再生装置は、上述のデータ再生装置において、上記索引用画像の重みを前記索引用画像に関連付けられているコンテンツデータが指定された回数に応じて決定するようにされていることが好ましい。
さらに、上記の課題を解決するため、本発明の他のデータ再生装置は、上述のデータ再生装置において、上記重み付けされた索引用画像が他の前記策引用画像と重なる場合に、重みが大きい索引用画像を前面に配置することにより、前記メニュー画像として表示するようにされていることが好ましい。
また、上記の課題を解決するため、本発明のデータ再生方法は、索引用画像に重みを付ける重み付けステップと、複数の索引用画像をそれぞれの重みに応じた表示サイズで一面に配列して一枚のメニュー画像として生成するステップと、生成された上記メニュー画像を表示するメニュー画像表示ステップと、表示部上でメニュー画像を移動させることによって索引用画像のいずれかを指定する指定ステップと、指定された索引用画像に関連付けられているコンテンツデータを再生する再生ステップと、を含むようにされている。
また、上記の課題を解決するため、本発明のコンピュータプログラムは、コンテンツデータに関連付けられている索引用画像を指定することによって、索引用画像に関連付けられているコンテンツデータを再生するためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに対して、索引用画像に重みを付ける重み付けステップと、複数の索引用画像をそれぞれの重みに応じた表示サイズで一面に配列して一枚のメニュー画像として生成するステップと、生成されたメニュー画像を表示するメニュー画像表示ステップと、表示部上でメニュー画像を移動させることによって索引用画像のいずれかを指定する指定ステップと、指定された索引用画像に関連付けられているコンテンツデータを再生する再生ステップと、を実行させるようにされている。
本発明によれば、楽曲データなどのコンテンツデータと関連付けられた複数のジャケット画像の指定操作を容易かつ迅速に行うことができる。
以下に、本発明に係るデータ再生装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、データ再生方法およびコンピュータプログラムについても、データ再生装置の説明と併せて行うこととする。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るデータ再生装置の主要部の構成を示すブロック図である。このデータ再生装置10は、データ格納部11に格納されている複数の楽曲データ(コンテンツデータ)の中から任意の楽曲データを選択して聴取できるようにされたものであり、制御部12、操作部13、表示部14、および再生出力部15を備えている。
データ格納部11は、複数の楽曲データおよびこの楽曲データの索引用情報としてのジャケット画像データを格納する手段である。データ格納部11は、半導体メモリやディスク状記録媒体などを用いて構成される。なお、データ格納部11は、データ再生装置10と一体に構成されている必要はなく、有線または無線によってデータ再生装置10と接続されるように構成されていても良い。
制御部12は、データ再生装置10の各部間のデータの流れを制御する手段であり、マイクロコントローラ21、メニュー画像生成部22、および表示制御部23を含んでいる。マイクロコントローラ21は、操作部13からの操作入力に基づいてデータ再生装置10の各部を動作させたり、データ再生装置10のユーザが選択した楽曲データをデータ格納部11から読み出して再生出力部15に送出する処理を行う。また、表示制御部23は、マイクロコントローラ21から送られる情報を表示部14に表示させるための処理を行う。なお、制御部12は、マイクロコントローラで構成されているが、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や他の回路部材で形成してもよい。
メニュー画像生成部22は、データに格納されている複数の楽曲データのそれぞれに関連付けられた、索引用画像としての複数のジャケット画像picを、一枚のメニュー画像Mとして表示部14に表示させるための処理を行う。ここでは、複数のジャケット画像picのデータを、実際に一枚のメニュー画像Mとして合成してもよく、仮想的に一枚のメニュー画像Mとして表示部14に表示されるように処理してもよい。なお、メニュー画像Mの詳細については後述する。
操作部13は、図2に示すように、データ再生装置10の本体部表面の操作パネルに設けられ、上キー13U、下キー13D、左キー13L、および右キー13Rからなる4方向キー、ならびに、4方向キーの中央に配置される決定キー13eによって構成される。データ再生装置10のユーザは、4方向キーの各キーを操作することによって、所望の楽曲データに関連付けられた目的とするジャケット画像picを指定し、さらに決定キー13eを操作することによってジャケット画像picの指定状態を確定的にする。この一連の指定操作によって、指定されたジャケット画像picに関連付けられている楽曲データが、データ格納部11から読み出され、再生出力部15によって再生出力される。
なお、操作部13の各キーを1回操作することによって表示部14上でメニュー画像Mが移動する量は、表示部14の単位画素(1ドット)に相当する量でも、1つのジャケット画像pic分(1列分または1行分)でもよく、データ再生装置10のユーザが設定できるようにされていてもよい。また、操作部13の各キーを所定時間にわたって操作し続ける(いわゆる「長押し」をする)とメニュー画像Mが表示部14上で連続的に移動するように構成することもできる。
表示部14は、データ再生装置10の操作パネルに操作部13と共に設けられ、データ再生装置10のユーザが選曲を行う際に参照するメニュー画像Mや、再生出力されている楽曲に関する情報、などを表示する手段である。表示部14を選曲画面として使用するとき、表示部14の中央部には、十字状に交差する2本の短線によって構成されたポインタPが表示される。このポインタPの中心(交点)に置かれたジャケット画像picが指定された状態にされる。指定された状態にあるジャケット画像picがハイライト表示されることは、図11に示した、従来のデータ再生装置50と同様である。この表示部14は、液晶素子や有機EL素子などを用いて構成される。
また、データ再生装置10が指定された楽曲を再生出力しているときは、表示部14に、当該楽曲に関する情報(アルバム名、アーチスト名、曲名、など)が表示されるようにしても良い。図3は、メニュー画像Mの中から特定のジャケット画像picが指定され、これに関連付けられている楽曲が再生されている間に、表示部14に表示される、楽曲に関する情報の一例を示している。この例では、ジャケット画像picが拡大表示されると共に、その拡大画像の下に、アルバムタイトル、アーチスト名、曲名が表示されている。
再生出力部15は、データ格納部11から読み出された楽曲データを再生し、再生信号として出力する手段である。この再生信号を用いてスピーカやヘッドフォンを駆動することによって、データ格納部11から読み出された楽曲データが聴取可能な状態にされる。なお、データ格納部11がディスク状記録媒体である場合には、データ格納部11および再生出力部15が一体のディスク再生手段として構成されてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係るデータ再生方法について、上述したデータ再生装置10の表示部14に表示されるメニュー画像Mの中から特定のジャケット画像picを指定することによって楽曲データを選択する場合を例として、図1〜図4と共に、図5および図6に示すフロー図をも参照しながら説明する。
まず、図5のフロー図を参照しながらジャケット画像picの格納処理について説明する。制御部12のマイクロコントローラ21は、データ再生装置10に対して何らかの操作が行われたか否かを常に監視しており、その監視と共に、マイクロコントローラ21がデータ格納部11に楽曲データおよびこの楽曲データに関連付けられたジャケット画像データ(索引用画像)が新たに格納されたか否かを監視している(ステップS1)。そして、索引用画像が新たに格納されたことを検出すると(ステップS1の「Y」)、そのジャケット画像データをデータ格納部11から読み出して取得し(ステップS2)、これをメニュー画像生成部22に送ると共に、新たなジャケット画像picと楽曲データとの対応関係を記憶部(図示省略)に記憶する。
次に、図6を参照しながら、選曲モードにおけるコンテンツデータの再生・出力処理について説明する。制御部12のマイクロコントローラ21は、データ再生装置10が動作状態にあるときに選曲モードが選択されたか否かを常に監視し(ステップS21)、選曲モードが選択されたことを検出すると(ステップS21の「Y」)、表示部 の中央部にポインタPを表示する(ステップS22)。データ再生装置 は、このステップS22の後(もしくは同時)に、または、このステップS22の前に、次のステップS23の処理を行う。すなわち、メニュー画像生成部22は、マイクロコントローラ21を介して取得した複数のジャケット画像picデータを、マトリクス状に配列して1枚のメニュー画像Mとして表示できるようにするメニュー画像生成処理を行い(ステップS23)、この処理結果をメニュー画像データとして表示制御部23に送る。このとき、メニュー画像生成部22は、ジャケット画像picの数やデータ量に応じてメニュー画像Mのマトリクスの行数および列数を決定したり、またはユーザの操作によって任意の値に設定したりする処理を行う。また、メニュー画像生成部 は、ジャケット画像pic25の配列を決定する処理を行う。例えば、メニュー画像生成部22は、予め定められている所定の条件に従ってジャケット画像picの配列順序を決定する、などの処理を行う。なお、メニュー画像Mにおける各ジャケット画像picの配列順序は、楽曲のタイトル順やアーチスト名順、ユーザが決定した順序、ランダムなど、任意であり、ユーザが設定できるようにしてもよい。
そして、表示制御部23は、メニュー画像生成部22から受け取ったメニュー画像データを表示部14に表示させるための処理を行った後に、処理結果を表示部14に送る。これにより、複数のジャケット画像picを含むメニュー画像Mがデータ再生装置10の表示部14に表示される(ステップS24)。その後、マイクロコントローラ21は、データ再生装置10のユーザによってメニュー画像Mの中からいずれかのジャケット画像picが指定されるか否かを監視し(ステップS25)、特定のジャケット画像picが指定される(ステップS25の「Y」)と、ステップS26に移行する。そして、マイクロコントローラ21は、決定キー13eが操作されるか否かを監視する(ステップS26)。操作部13の決定キー13eが操作されてジャケット画像picの指定状態が確定的にされると(ステップS26の「Y」)、マイクロコントローラ21がこのジャケット画像picに関連付けられている楽曲データをデータ格納部11から再生出力部15に送出する。そして、再生出力部15は、当該楽曲データを再生して、聴取可能な再生信号として出力する(ステップS27)。そして、マイクロコントローラ21が、選曲モードの終了操作がされたか否かを監視し(ステップS28)、終了操作がされると、選曲モードを終了する。
次に、データ再生装置10の表示部14に表示される、メニュー画像Mについて説明する。メニュー画像Mは、図2、図7等に示すように、ジャケット画像picを縦横に隙間無くタイル状(マトリクス状)に並べたものである。選曲モードに切り換えられたとき、メニュー画像Mを生成しているか、ステップS2の後にメニュー画像Mを生成し、そのメニュー画像Mをデータ再生装置10に保存するようにしてもよい。
メニュー画像生成部22によって生成されるメニュー画像Mは、図2、図7に示すように、その縦方向および横方向の長さがいずれも表示部14の縦方向および横方向の長さよりも大きくなる場合がある。このような場合であっても、データ再生装置10においては、メニュー画像Mの列数が表示部14の横方向の長さ(幅)によって制限されず、メニュー画像Mに含まれるジャケット画像picの数が表示部14に同時に表示できるジャケット画像picの数を超える場合にはメニュー画像Mの行数および列数が、いずれも必要に応じて増やされる。図2は、このような場合の一例として、5行×5列に配列された25枚のジャケット画像picしか表示できない表示部14に、7行×7列のマトリクス状に配列された49枚のジャケット画像picを含むメニュー画像Mの一部が表示されている状態を示している。また、図7は、4行×3列の計12枚のジャケット画像picしか表示できない表示部14に、49枚のジャケット画像picを含むメニュー画像Mの一部が表示されている状態を示している。
このように、表示部14にメニュー画像Mの一部しか表示されない場合でも、データ再生装置10のユーザは、操作部13の各キーを操作して、表示部14上でメニュー画像Mを上下方向および左右方向に移動させることによって、全てのジャケット画像picを見ることができる。なお、前述したように、データ再生装置10の操作部13の各キーを1回操作することによって表示部14上でメニュー画像Mが移動する量は、ジャケット画像picの1行分(または1列分)に限られず、任意に決めることができる。
図2に示す状態では、表示部14に表示される選曲画面には、第1列と第7列のジャケット画像picが表示されない。この状態で左キー13Lが操作されると、図4に示すように、表示部14には、第1列に配列されたジャケット画像picが新たに表示されると共に、第6列に配列されたジャケット画像picが表示されなくなり、表示部14には第1列から第5列までの各列に配列されたジャケット画像picのみが表示されるようになる。また、この操作によって表示部14の中央部に設けられたポインタPに重ね合わせられて指定状態にされるジャケット画像picが、図2における「25」のジャケット画像picから、左隣の「24」のジャケット画像picに、変更される。
そして、「24」のジャケット画像picが選択されている状態で決定キー13eが操作されると、「24」のジャケット画像picの指定状態が確定的になり、これに関連付けられている楽曲データが選択される。そして、当該楽曲データが、再生出力部15によって再生され、聴取可能な再生信号として出力される。
以上説明した、本発明の第1実施形態によれば、データ再生装置10の操作部13の各キーを操作することによって、表示部14上でメニュー画像Mの全体を上下方向のみならず左右方向、さらには上下キーのいずれかと左右キーのいずれかを同時に操作することにより斜め方向にも移動させることができる。このため、目的とするジャケット画像picを探す際に、その周囲にあるジャケット画像picを同時に見ることができるため、目的とするジャケット画像picを視覚的に把握することが容易になる。また、目的とするジャケット画像picを表示部14の中央部に設けられているポインタPに重ね合わせるだけで指定された状態にすることができ、メニュー画像Mを表示部14上で大きく移動させる必要もなくなる。このような構成は、表示部を大きくすることができない可搬型の楽曲データ再生装置などに特に有利である。また、複数のジャケット画像picを1枚のメニュー画像Mとして表示するので、表示部14上でメニュー画像Mを移動させる際にも、各ジャケット画像picが滑らかに表示される。
次に、上述した図6に示すデータ再生方法を改良したデータ再生方法について、図8および図9を参照しながら説明する。なお、図6における処理と同一の処理を行うステップについては、同一の番号を付し、説明を適宜省略する。
図6のステップS27において、指定されたメニュー画像picに関連付けられているコンテンツデータが再生出力部15により再生・出力されると、制御部12のマイクロコントローラ21は、再生・出力の回数情報を更新する(ステップS31)と共に記憶する。そして、マイクロコントローラ21は更新された回数情報をメニュー画像生成部22に送り、メニュー画像生成部22はこの更新された回数情報に基づいて、再生・出力されたコンテンツデータに関連付けられている特定のジャケット画像picの重み付け処理(または、重み付けを変更する処理)を行う(ステップS32)。
図8に示すメニュー画像Mは、上記の重み付け処理が施された後のものである。すなわち、メニュー画像M上では、指定された回数が最も多い「10」というジャケット画像picの表示サイズが最大にされ、「25」というジャケット画像picおよび「19」というジャケット画像picの表示サイズも指定された回数に応じて通常の表示サイズから変更されている。なお、通常の表示サイズよりも拡大されて表示されるジャケット画像picは、隣接するジャケット画像picの一部を覆い隠すことになる。この処理は、重み付けされた索引用画像が他の策引用画像と重なる場合に、
重みが大きい索引用画像を前面に配置することにより、前記メニュー画像として表示することによって行なわれる。
ジャケット画像picの表示サイズを変更するための処理は、例えば、次のように行われる。いま、再生回数が0回〜10回の範囲にあるジャケット画像picの表示サイズが60×60ピクセル(通常の表示サイズ)であるとする。この場合に、再生回数が11回〜30回の範囲にあるジャケット画像picの表示サイズを70×70ピクセルに、再生回数が31回〜60回の範囲にあるジャケット画像picの表示サイズを80×80ピクセルに、そして、再生回数が61回以上であるジャケット画像picの表示サイズを90×90ピクセルに、それぞれ変更する。なお、ここにいう「指定回数」とは、楽曲データおよびジャケット画像picがデータ再生装置のデータ格納部に格納された後における指定回数の累積でもよいし、ある時点から一定の期間内(例えば、直近の1ヶ月間)に指定された回数(すなわち頻度)でも良い。
次に、メニュー画像生成部22は、マイクロコントローラ21を介して取得した、重み付け処理(または、重み付けの変更処理)が施された各ジャケット画像データを、マトリクス状に配列して1枚のメニュー画像Mとして表示できるようにする処理を行い(ステップS23)、処理結果をメニュー画像データとして表示制御部23に送る。このとき、メニュー画像生成部22は、ジャケット画像picの数やデータ量に応じてメニュー画像Mのマトリクスの行数および列数を決定したり、所定の条件に従ってジャケット画像picの配列順序を決定する、などの処理を行う。なお、メニュー画像Mに各ジャケット画像picを配列する順序は、楽曲のタイトル順やアーチスト名順、ユーザが決定した順序、ランダムなど、任意である。
そして、表示制御部23は、メニュー画像生成部22から受け取ったメニュー画像Mのデータを、表示部14に表示させるための処理を施したうえで、表示部14に送る。これにより、複数のジャケット画像picを含むメニュー画像Mがデータ再生装置10の表示部14に表示され(ステップS24)、データ再生装置10のユーザがメニュー画像Mを参照しながらジャケット画像picを指定することができるようになる(ステップS25)。そして、操作部13の決定キー13eが操作されてジャケット画像picの指定状態が確定的にされると(ステップS26)、マイクロコントローラ21がこのジャケット画像picに関連付けられている楽曲データをデータ格納部11から再生出力部15に送出する処理を行う。そして、再生出力部15は、当該楽曲データを再生して、聴取可能な再生信号として出力する(ステップS27)。
そして、当該楽曲の再生が終了した後に、ステップS28においてユーザが選曲モードの終了操作を行うと、データ再生装置10は楽曲の再生・出力動作を終了する。一方、ステップS8においてユーザが選曲モードの終了処理を行わなければ、データ再生装置10は、ステップS25に戻り、メニュー画像Mの中のいずれかのジャケット画像picが指定操作されるのを待つ。なお、以上の処理と並行して、ステップS26で索引用画像としてのジャケット画像picの選択状態が確定されると、指定回数をカウントして記憶しているマイクロコントローラ21が指定回数情報を更新し、メニュー画像生成部22に送る。そして、メニュー画像生成部22は、新たな指定回数情報に基づいて、各ジャケット画像picに対する重み付けをやり直し、更新された重みに応じた表示サイズでメニュー画像を生成する処理を繰り返す。
以上説明した、本発明の第1実施形態によれば、データ再生装置10の操作部13の各キーを操作することによって、表示部14上でメニュー画像Mの全体を上下方向のみならず左右方向にも移動させることができる。このため、目的とするジャケット画像picを探す際に、その周囲にあるジャケット画像picを同時に見ることができるようになり、目的とするジャケット画像picを視覚的に把握することが容易になる。しかも、メニュー画像Mの中のジャケット画像picの表示サイズが、各ジャケット画像picに付される重みに応じて変更されるため、指定される回数に基づいて重み付けを行うことにより、頻繁に指定されるジャケット画像picの表示サイズを大きくすることができる。これにより、データ再生装置10のユーザによる選曲時に、指定された回数が多いジャケット画像picを容易に見つることができるようになる。
<第2実施形態>
次に、上述した本発明の第1実施形態として説明したデータ再生装置の変形例について、第2実施形態として説明する。以下の説明においても、第1実施形態と共通する構成部分については、同一の参照符号を付し、説明を適宜省略する。
図10は、本発明の実施形態に係るデータ再生装置30の操作面を示す。このデータ再生装置30は、メニュー画像Mの中からジャケット画像picを指定することによって、ジャケット画像picに関連付けられている楽曲データを選択できるようにされたものであり、操作パネルには操作部31および表示部32を備えている。
データ再生装置30の表示部32は、前述したデータ再生装置10における表示部14と同様に構成されており、重み付け処理が施されたメニュー画像Mを表示できるようにされている。一方、データ再生装置30の操作部31は、4方向キーによって構成されたデータ再生装置10の操作部13とは異なり、トラックボール33によって構成されている。この操作部31によれば、トラックボール33を回転させる操作のみによって、表示部32上でメニュー画像Mを任意の向きに任意の距離だけ連続的に移動させることができる。したがって、このトラックボール33を用いてメニュー画像Mを移動させる場合には、4方向キーを用いる場合のように複数のキー(上キー13U、下キー13D、左キー13L、および、右キー13R)を何度も操作してメニュー画像Mを表示部上で順次移動させる操作が不要であるため、目的とするジャケット画像picを指定するための操作を簡単かつ迅速に行うことができる。
なお、表示部32上でメニュー画像Mが移動する向き、速さ、移動量は、トラックボール33の回転状態によって決定される。例えば、トラックボール33を上方に向けて回転させるとメニュー画像Mが表示部32上を上方に移動し、トラックボール33を下方に向けて回転させるとメニュー画像Mが表示部32上を下方に移動する。このとき、表示部32上におけるメニュー画像Mの移動量は、トラックボール33の回転量に対応する。また、表示部32上におけるメニュー画像Mの移動の速さは、トラックボール33の回転の速さに対応する。すなわち、トラックボール33を速く回転させることによって表示部32上におけるメニュー画像Mの移動が速くなり、トラックボール33をゆっくり回転させることによって表示部32上におけるメニュー画像Mの移動もゆっくりになる。また、トラックボール33が回転していないときは、メニュー画像Mは表示部32上で静止している。以上のことは、メニュー画像Mを表示部32上でどの向きに移動させる場合でも同様である。
前述のデータ再生装置10においては、メニュー画像Mを表示部14上で斜めに移動させようとするとき、上下キー(13U、13D)および左右キー(13L、13R)を交互に操作しなければならなかった。これに対して、データ再生装置30においては、メニュー画像Mが、トラックボール33の回転向きに従って表示部32上をあらゆる向きに連続的に移動する。このため、データ再生装置30においては、トラックボール33を斜め方向に回転させるだけで、表示部32上でメニュー画像Mを斜め方向に連続的に移動させることができる。
また、操作部31にトラックボール33を備えるデータ再生装置30によれば、メニュー画像Mに多数のジャケット画像picが含まれ、しかも、目的とするジャケット画像picがメニュー画像Mの端部に配列されている場合でも、多数回のキー操作を行うことなく指定することができる。すなわち、目的とするジャケット画像picがメニュー画像Mの隅部に配列されたジャケット画像picであっても、トラックボール33を回転させるだけで、メニュー画像Mを連続的に移動させてそのジャケット画像picをポインタPに重ね合わせて指定することができる。
また、操作部31のトラックボール33は、押下操作できるようにされており、データ再生装置10の決定キー13eの機能を兼備することができる。したがって、あるジャケット画像picが選択されている状態で、トラックボール33が押下操作されると、当該ジャケット画像picが確定的に選択され、そのジャケット画像picに関連付けられている楽曲データの再生が開始されて出力される。このような構成によれば、操作部31をトラックボール33のみによって構成することができ、データ再生装置30の操作性がきわめて良好なものとなる。
以上、本発明の実施形態に係る、データ再生装置10、30、およびデータ再生方法、について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更実施可能である。たとえば、上記の各実施形態においては、索引用情報としてのジャケット画像データが、コンテンツデータである楽曲データと共にデータ格納部11に格納されている場合を想定しているが、楽曲データとは別に取得されたジャケット画像picを用いてメニュー画像Mを生成することもできる。すなわち、メニュー画像Mとして表示部14、32、41に表示されるジャケット画像データは、データ格納部11に格納されている楽曲データに予め関連付けられていれば足り、データ格納部に楽曲データと共に格納されていなくても構わない。
また、上記の各実施形態においては、画像picの表示サイズを変更する重み付けが再生回数に基づいて決められる場合を例として説明したが、この再生回数は画像picを選択することにより画像picに対応付けられたコンテンツデータの再生回数の累積回数であっても、単に画像picの選択回数であってもよく、さらには画像picまたはそれに関連付けられたコンテンツデータに対するお気に入り登録回数であってもよい。ここで、お気に入り登録とは、ユーザが聴取して気に入ったコンテンツデータまたは画像picとして表示されるアルバムをリストに登録することによって、その後に当該コンテンツを指定する操作を簡単にして、迅速に再生できるようにするものである。
また、上記の各実施形態においては、4方向キーによって構成される操作部13が押下操作されるキーによって構成される場合を想定しているが、各キーをタッチ式センサによって構成してもよい。この場合には、さらに、各キーを表示部14、32の表示面に配置したり、いわゆるタッチパッドとして構成することもできる。
また、上記の各実施形態において、ポインタP、Qなどの点状、短線状または面状のいずれかとされるポインタは、どのような形状であっても良く、また表示部14、32のどこに設けられても構わない。例えば、円形の面状ポイント領域を有するポインタであってもよく、表示部14、32の中央からいずれかの向きにややずれた位置であっても構わない。また、ポインタは、表示部の表示面に可視状態にされていても不可視状態にされていても良く、可視/不可視が切り換えられるようにされても良い。なお、選曲モードでは可視とされ、その他の動作モードでは不可視とするのが好ましい。
また、上記の各実施形態において、決定キー13eが操作部13に配置されているが、メニュー画像Mを表示部上で移動させるための操作キーとは別に配置されても良い。また、あるジャケット画像picが所定時間にわたって指定状態にされたときに当該ジャケット画像picが確定的に指定されるようにしてもよい。この場合には、決定キーを省略することもできる。
上述したデータ再生方法の各ステップをコンピュータ用プログラムとして作成し、そのプログラムをコンピュータにインストールし、上述した各ステップをコンピュータに実行させるようにしても良い。ここで、コンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)を有するパーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置、携帯電話機など各種の機器を挙げることができる。また、プログラムは、CD(Compact Disc)などの記録媒体に格納されたものや、ネットワークを介してコンピュータにインストールされる。
さらに、コンテンツデータは楽曲データに限られず、索引用画像もジャケット画像に限られない。例えば、コンテンツデータとして、映画やテレビ放送番組などの動画像データ、写真などの静止画像データなどとすることができる。また、索引用画像としては、映画やテレビ放送番組などの一場面としたり、その場面や写真の縮小画像としたりすることができる。また、上記の各実施形態においては、データ再生装置が可搬型のデータ再生装置として構成される場合を想定したが、例えば携帯電話機の一部分として構成される場合でもよく、車載固定用のデータ再生装置として構成されても良い。