JP2010026042A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱部材の長寿命化を図ることができると共に、記録材の分離性にも優れた定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】分離爪60a〜60dは定着ニップ部Nの長手方向に配置され、先端部64が加熱ローラ58の表面に圧接している。分離爪60a〜60dは、両端部分に配置されている分離爪60a,60dの先端部64の先端Rが、中央部分に配置されている分離爪60b,60cの先端部64の先端Rに比べて大きく設計されている。具体的には、分離爪60b,60cの先端部64の先端Rが0.005〜0.02mm(代表値:0.01mm)であり、分離爪60a,60dの先端部64の先端Rが0.03〜0.07mm(代表値:0.05mm)である。分離爪60a〜60dの基材の表面は、PTFEやPTAなどのコーティング膜にて被覆されている。コーティング膜は厚さが1〜5μm程度である。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの定着装置および画像形成装置に関する。
従来より、定着装置において、記録材である用紙の分離性などを改善するために、特許文献1や特許文献2に記載するように、加熱部材と加圧部材との間に形成されたニップの長手方向において、複数の分離爪を加熱部材の回転方向にずらして配置した構成が提案されてきた。
特開2005−24700号公報 特開平5−281872号公報
ところで、定着装置において、分離爪は加熱部材である加熱ローラに圧接している。そして、加熱ローラと分離爪はともに、用紙の分離性とトナーの分離性を上げるために、樹脂などによってコーティングがなされている。
また、加熱ローラはその長手方向において、中央部が両端部に比べて温度が高い。そのため、複数の分離爪をニップの長手方向において横一列に配置した場合、中央部に配置された分離爪の先端部と加熱ローラとの摺動性は、両端部に配置された分離爪の先端部と加熱ローラとの摺動性に比べて高くなる。従って、両端部に配置された分離爪の先端部の方が、加熱ローラ表面上を滑りにくく、両端部に配置された分離爪の先端部のコーティング膜の方が、中央部に配置された分離爪の先端部のコーティング膜より、加熱ローラとの摺動によって削られる量は多くなる傾向にある。
この結果、両端部に配置された分離爪の先端部のコーティング膜が相対的に早く削られ、分離爪の基材が剥き出しになり、剥き出しになった分離爪の基材が加熱ローラ表面のコーティング膜を削り取るため、加熱ローラの寿命が短くなるという問題があった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、加熱部材の長寿命化を図ることができると共に、記録材の分離性にも優れた定着装置および画像形成装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、加熱部材と、加熱部材に圧接して加熱部材との間にニップを形成した加圧部材と、加熱部材の表面に先端部が圧接した状態でニップの長手方向に複数配置された分離爪とを備え、画像を担持した記録材をニップで挟持搬送させて加熱する定着装置であって、複数の分離爪は、ニップの長手方向において端部分に配置された分離爪の先端Rが、中央部分に配置された分離爪の先端Rと比較して大きいことを特徴とする、定着装置である。
請求項1の発明では、端部分に配置された分離爪の先端Rを、中央部分に配置された分離爪の先端Rと比較して大きくしているため、端部分に配置された分離爪の先端部のコーティング膜厚が、中央部分に配置された分離爪の先端部のコーティング膜厚より厚くなる。そのため、中央部分に配置された分離爪の先端部のコーティング膜のほうが削られる量は多くても、分離爪の基材が剥き出しにならず、分離爪の基材が加熱部材表面のコーティング膜を削り取る心配がなくなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、複数の分離爪は、複数の分離爪のうちでニップの長手方向において中央部分に配置された分離爪から記録材に先に接触するように配置されていることを特徴とする、定着装置である。
一般に、分離爪の先端Rを大きくすると、用紙の分離性が低下する傾向にある。そのため、請求項2の発明では、中央部分に配置された分離爪から記録材に先に接触するように複数の分離爪を配置することにより、用紙の分離性の低下を防止することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、複数の分離爪は、ニップの長手方向において中央部分に配置された分離爪から端部分に配置された分離爪に向かって、順次加熱部材の回転方向下流にずらして配置されていることを特徴とする、定着装置である。
請求項3の発明では、中央部分に配置された分離爪から端部分に配置された分離爪に向かって、順次加熱部材の回転方向下流にずらして配置することにより、簡素な構成で容易に中央部分に配置された分離爪から記録材に先に接触させて、用紙の分離性を向上させることができる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明に従属する発明であって、複数の分離爪は、ニップの長手方向において端部分に配置された分離爪の先端部と加熱部材との接触量が、中央部分に配置された分離爪の先端部と加熱部材との接触量と比較して大きいことを特徴とする、定着装置である。
請求項4の発明では、端部分に配置された分離爪の先端部と加熱部材との接触量を、中央部分に配置された分離爪の先端部と加熱部材との接触量と比較して大きくしているため、端部分に配置された分離爪の先端部と加熱部材との接触部分の圧力が分散し、両端部に配置された分離爪の先端部のコーティング膜の削減量が少なくなり、より一層加熱部材の長寿命化を図ることができる。
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置である。
請求項5の発明では、端部分に配置された分離爪の先端Rを、中央部分に配置された分離爪の先端Rに比べて大きくして、端部分に配置された分離爪の先端部のコーティング膜厚を、中央部分に配置された分離爪の先端部のコーティング膜厚より厚くしているため、加熱部材の長寿命化を図ることができると共に、記録材の分離性にも優れた画像形成装置が得られる。
本発明によれば、中央部に配置された分離爪の先端Rを、両端部に配置された分離爪の先端Rと比較して大きくしたので、加熱部材の長寿命化を図ることができると共に、記録材の分離性にも優れた定着装置や画像形成装置が得られる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
図1は本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置1を示す概略構成図である。
感光体ドラム24は駆動手段によって図示矢印の時計回り方向に所定速度で駆動される。感光体ドラム24の外周近傍には、帯電器32、現像器22、転写ローラ23、摺擦部材30が設けられている。感光体ドラム24は帯電器32にて表面が帯電される。感光体ドラム24の回転方向における帯電器32の下流側には、レーザースキャニングユニット26が配置されている。レーザースキャニングユニット26から放射されたレーザ光Lは、反射ミラー28を介して感光体ドラム24上に照射され、静電潜像が形成される。
レーザースキャニングユニット26の下流側には、現像器22が配置されている。現像器22は、ブラックのトナーを感光体ドラム24に付与するためのものである。現像器22に対して、トナーカートリッジ20が配設されている。
現像器22の下流側には、転写ローラ23が配置されている。さらに、転写ローラ23の下流側には、感光体ドラム24に残ったトナーを除去するための摺擦部材30が配置されている。
一方、ピックアップローラ42はブラックトナー像と同期して給紙カセット2から被記録材としての用紙Pを引き出し、分離ローラ18と給紙ローラ44とを介して給紙する。用紙Pには感光体ドラム24上に形成されたトナー像が転写され、定着装置46に搬入される。トナー画像を転写された用紙Pは、定着装置46で定着され、印刷物として機外に排出されて排紙トレイ50上に積載される。
次に、定着装置46について説明する。定着装置46は加熱部材(加熱ローラ)58と加圧部材(加圧ローラ)59を備え、両者の圧接により定着ニップ部Nを形成させる。そして、加熱ローラ58と加圧ローラ59の圧接で形成される定着ニップ部Nで、トナー画像を転写された用紙Pを挟持搬送させて加熱する。
図2は定着装置46の上側ユニット(加熱ローラ58)を下側から見た斜視図である。加熱ローラ58は、電磁誘導コイルなどのヒータを内蔵し、金属製のパイプの外周面をシリコーンゴムなどでコーティングしたものである。
分離爪60a〜60dは定着ニップ部Nの長手方向に配置され、それぞれスプリング62のばね力によって先端部64が加熱ローラ58の表面に圧接している。そして、図3(A),(B)に示すように、分離爪60a〜60dは、定着ニップ部Nの長手方向において両端部分に配置されている分離爪60a,60dの先端部64の先端Rが、中央部分に配置されている分離爪60b,60cの先端部64の先端Rに比べて大きく設計されている。具体的には、中央部分に配置されている分離爪60b,60cの先端部64の先端Rが0.005〜0.02mm(代表値:0.01mm)であり、両端部分に配置されている分離爪60a,60dの先端部64の先端Rが0.03〜0.07mm(代表値:0.05mm)である。
分離爪60a〜60dの基材68の表面は、PTFEやPTAなどのコーティング膜66にて被覆されている。コーティング膜66は厚さが1〜5μm程度であり、液状のコーティング剤を分離爪60a〜60dに塗布した後、焼成して固着させることによって形成されている。
ここに、分離爪60a〜60dの先端部64は表面張力の関係で、他の部分よりコーティング剤が載りにくく、コーティング膜66の厚さは薄くなる傾向にある。特に、中央部分に配置されている分離爪60b,60cの先端部64のように尖った形状の場合、コーティング膜66の厚さは極めて薄い。一方、両端部分に配置されている分離爪60a,60dの先端部64のように円弧形状の場合、コーティング膜66は厚くなる。なお、分離爪60a,60dの先端Rの大きい方が、先端部64におけるコーティング膜66の厚さを厚くできるが、用紙Pの分離性は低下し、爪ジャムが発生する心配がある。従って、用紙Pの分離性とコーティング膜66の厚さのバランスを考慮して先端Rの大きさを設定している。
さらに、図4に示すように、分離爪60a〜60dは、定着ニップ部Nの長手方向において中央部分に配置された分離爪60b、60cから両端部分に配置された分離爪60a,60dに向かって、順次加熱ローラ58の回転方向下流にずらして配置されている。これは、前述したように、分離爪60a,60dの先端Rを大きくすると、一般に用紙Pの分離性が低下する傾向にあるため、先端Rの大きい分離爪60a,60dから用紙Pに先に接触するように配置することにより、用紙Pの分離性を向上させたものである。
以上の構成からなる定着装置46において、分離爪60a〜60dは加熱ローラ58の表面上を摺動しているため、分離爪60a〜60dの先端部64のコーティング膜66は摩擦により削られる。ここに、加熱ローラ58はその長手方向において、中央部が両端部に比べて温度が高い。そのため、中央部に配置された分離爪60b,60cの先端部64と加熱ローラ58との摺動性は、両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64と加熱ローラ58との摺動性に比べて高くなる。従って、両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64の方が、加熱ローラ58表面上を滑りにくく、両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64のコーティング膜66の方が、中央部に配置された分離爪60b,60cの先端部64のコーティング膜66より、加熱ローラ58との摺動によって削られる量は多くなる。
しかし、本定着装置46は、定着ニップ部Nの長手方向において両端部に配置された分離爪60a,60dの先端Rを、中央部に配置された分離爪60b,60cの先端Rと比較して大きくしているため、分離爪60a,60dの先端部64のコーティング膜66の厚さが、分離爪60b,60cの先端部64のコーティング膜66の厚さより厚くなっている。つまり、分離爪60a,60dは加熱ローラ58の長寿命化機能を重視したものであり、分離爪60b,60cは用紙Pの分離性機能を重視したものであるということができる。
そのため、両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64のコーティング膜66の方が加熱ローラ58との摺動によって削られる量は多くても、分離爪60a,60dの基材68が剥き出しにならず、分離爪60a,60dの基材68が加熱ローラ58の表面に形成されているコーティング膜を削り取る心配がなくなる。そして、中央部に配置された分離爪60b,60cは、先端Rが小さいため、用紙Pの分離性に優れている。この結果、加熱ローラ58の長寿命化を図ることができると共に、用紙Pの分離性にも優れた画像形成装置1が得られる。
また、図5に示すように、分離爪60a〜60dのうち、定着ニップ部Nの長手方向において両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64の幅を広げて加熱ローラ58との線接触を長くするようにしてもよい。これにより、両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64と加熱ローラ58との接触量が、中央部に配置された分離爪60b,60cの先端部64と加熱ローラ58との接触量と比べて大きくなる。この結果、両端部に配置された分離爪60a,60dの先端部64と加熱ローラ58との接触部分の圧力が分散し、分離爪60a,60dの先端部64のコーティング膜66の削減量が少なくなり、より一層加熱ローラ58の長寿命化を図ることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
本発明に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本発明に係る定着装置の上側ユニットを下側から見た斜視図である。 (A)は中央部分に配置されている分離爪の先端部の拡大断面図であり、(B)は両端部分に配置されている分離爪の先端部の拡大断面図である。 加熱ローラと分離爪の位置関係を示す概略図である。 本発明に係る定着装置の他の実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1 画像形成装置
46 定着装置
58 加熱ローラ
59 加圧ローラ
60a〜60d 分離爪
64 先端部
66 コーティング膜
N 定着ニップ部

Claims (5)

  1. 加熱部材と、前記加熱部材に圧接して前記加熱部材との間にニップを形成した加圧部材と、前記加熱部材の表面に先端部が圧接した状態で前記ニップの長手方向に複数配置された分離爪とを備え、画像を担持した記録材を前記ニップで挟持搬送させて加熱する定着装置であって、
    複数の前記分離爪は、前記ニップの長手方向において端部分に配置された前記分離爪の先端Rが、中央部分に配置された前記分離爪の先端Rと比較して大きいことを特徴とする、定着装置。
  2. 複数の前記分離爪は、前記複数の分離爪のうちで前記ニップの長手方向において中央部分に配置された前記分離爪から前記記録材に先に接触するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 複数の前記分離爪は、前記ニップの長手方向において中央部分に配置された前記分離爪から端部分に配置された前記分離爪に向かって、順次前記加熱部材の回転方向下流にずらして配置されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 複数の前記分離爪は、前記ニップの長手方向において端部分に配置された前記分離爪の先端部と前記加熱部材との接触量が、中央部分に配置された前記分離爪の先端部と前記加熱部材との接触量と比較して大きいことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置。
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