JP2010025578A - 品質計測用の粉粒体収納容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上方が開口されかつ底壁53b及び側周壁53cを備える収納部53を有する容器本体51と、収納部53における開口53aを開閉自在でかつ閉じ姿勢にて容器本体51に固定装着自在な蓋体52とが設けられ、容器本体51が、収納部53に測定対象としての粉粒体を収納しかつ蓋体52を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置における装填箇所に着脱されるように構成された品質計測用の粉粒体収納容器であって、収納部53の側周壁53cにおける周方向の少なくとも一部が、後退弾性変位自在な後退変位壁部53Fに構成されている。
【選択図】図9
Description
前記容器本体が、前記収納部に測定対象としての粉粒体を収納しかつ前記蓋体を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置における装填箇所に着脱されるように構成された品質計測用の粉粒体収納容器に関する。
ちなみに、粉粒体としては、例えば、籾、玄米、精米、玄麦、玄蕎麦等の粒状のもの、小麦粉、蕎麦粉等の粉状のものが含まれる。
具体的には、収納部の剛体からなる底板上にスポンジが設けられて、収納部の底壁が底板とその上部のスポンジにて構成され、そのスポンジの収縮により、収納部の底壁が後退弾性変位自在なように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、このような粉粒体収納容器は、収納部に粉粒体を山盛り状に入れて、蓋体を閉じるときにその山盛り状の粉粒体を押圧することにより、山盛り状の粉粒体の内部に空隙部が存在すれば、その空隙部を押し潰すことにより、結果的に、粉粒体を空隙部が存在しない状態で収納部に収納させることができるようにしたものであり、そして、山盛り状の粉粒体を収納部内に押し込めるときに、底部のスポンジが弾性後退変位して、収納部内の容積を増加させことにより、粉粒体に過度の力が作用して変形損傷することを回避させるようにしたものである。
ちなみに、この特許文献1においては、品質計測装置は、精米、精麦、小麦粉、蕎麦粉等の粉粒体の白度を計測するように構成されている。
前記容器本体が、前記収納部に測定対象としての粉粒体を収納しかつ前記蓋体を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置における装填箇所に着脱されるように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記収納部の前記側周壁における周方向の少なくとも一部が、後退弾性変位自在な後退変位壁部に構成されている点にある。
そして、蓋体により収納部の底壁に向けて粉粒体に対して付与される押圧力を収納部の底壁にて受け止めて横方向に放射状に作用させることにより、粉粒体に対して下向き及び横向き放射状に大きな押圧力を異なる方向から作用させることができる、つまり、蓋体により付与される押圧力の反発力を収納部の底壁及び側周壁の周方向全域から満遍なく作用させることができるようになって、収納部に収納されている粉粒体をその周囲全域にわたって包み込む状態で満遍なく押圧するようにすることができるので、粉粒体の内部に存在する空隙部を的確に押し潰すことができるのである。
従って、粉粒体を空隙部が存在しない状態で収納部に収納し得る品質計測用の粉粒体収納容器を提供することができるようになった。
前記後退変位壁部が、前記側周壁の周方向に沿って伸びる長尺状の板バネを、その長手方向の一部を固定状態に支持して構成されている点にある。
そして、後退変位壁部を上述のように板バネにて構成して、後退変位壁部の厚さを薄くできることにより、後退変位壁部がスポンジにて構成される場合に比べて、後退変位壁部が後退弾性変位しない状態での収納部の内部空間の面積を所望通りに確保し、しかも、後退変位壁部の後端弾性変位量も所望通りに確保しながらも、容器本体における、後退変位壁部の内面と容器本体の外側面との間の寸法を短くすることが可能となり、粉粒体収納容器の上面視での形状を小型化することができる。
従って、粉粒体収納容器の小型化を図りながら、粉粒体を空隙部が存在しない状態で収納部に収納することができるようになった。
前記後退変位壁部が、一対の前記板バネを、その長手方向の一端側部分が重複する状態で前記側周壁の周方向に並べ、且つ、前記重複される一端側部分とは反対側の他端側部分を固定状態に支持して構成されている点にある。
ちなみに、後退変位壁部が1枚の板バネにて構成される場合、板バネが後退弾性変位しても収納部から粉粒体が漏れない状態を維持するには、板バネが後退弾性変位しても、その遊端部が収納部の側周壁における固定状の壁部分に接当する状態を維持する必要があるので、板バネが後退弾性変位し難いものとなり、収納部に収納されている粉粒体が横方向により一層広がり易いようにして空隙部をより一層的確に押し潰すようにする上で多少不利となる。
従って、後退変位壁部が後退弾性変位しても収納部から粉粒体が漏れない状態を維持しながら、後退変位壁部がより一層後退弾性変位し易いようにすることができるので、粉粒体を収納部に収納するときに空隙部をより一層的確に存在させないようにすることができるようになった。
前記容器本体に、前記収納部から溢れる粉粒体を収納する余剰粉粒体収納部が、前記収納部に隣接する状態で形成されている点にある。
又、余剰粉粒体収納部に収納された粉粒体は、粉粒体の品質を計測した後に、収納部に収納された粉粒体を回収するときに同時に回収することができる。
従って、品質計測用に使用した粉粒体を回収する手間を軽減することができるようになった。
前記収納部の前記側周壁が、上面視で矩形状に構成され、
前記蓋体が、前記収納部の前記側周壁における4辺に対応する4つの壁部分における対向する一対の壁部分の長手方向に沿い、且つ、上面視にて前記収納部の内部空間よりも外方に位置する揺動軸心周りで開閉自在に前記容器本体に支持されるように構成され、
前記収納部の前記側周壁の4つの壁部分における長手方向が前記蓋体の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、前記蓋体の揺動軸心とは離れる側の壁部分が、前記後退変位壁部に構成されている点にある。
又、収納部に山盛り状に粉粒体を入れた状態で、蓋体を閉じ姿勢にすべく揺動軸心を支点にして容器本体側に揺動させると、その蓋体により、収納部に山盛り状に入れられた粉粒体が蓋体の揺動軸心とは離れる側に向かう斜め下向きに押圧されることになるが、収納部の側周壁の4つの壁部分における長手方向が蓋体の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、蓋体の揺動軸心とは離れる側の壁部分を後退変位壁部に構成して、その後退変位壁部を後退弾性変位させることにより、前述した壁部分以外の壁部分を後退変位壁部に構成しなくても、あるいは、前述した壁部分以外の壁部分の一部を後退変位壁部に構成するだけでも、粉粒体が横方向に容易に広がるようにすることができて、粉粒体の内部に存在する空隙部を的確に押し潰すことができるのである。
従って、収納部の側周壁の周方向における後退変位壁部に構成する部分の範囲を狭くして低廉化を図りながら、粉粒体の内部に存在する空隙部を的確に押し潰すことができるようになった。
前記容器本体における前記収納部の底壁に相当する箇所及び前記蓋体の夫々が、光を透過可能に構成され、
前記品質計測装置が、前記装填箇所に装着された前記容器本体に対して計測用光を透過状態で投光し、且つ、前記容器本体に収納された粉粒体を透過した後の計測用光を分光分析して品質を計測するように構成されている点にある。
そして、収納部の側周壁における周方向の少なくとも一部が後退変位壁部に構成されることにより、粉粒体を空隙部が存在しない状態で収納部に収納することができるようにするという目的を達成しながらも、容器本体における収納部の底壁に相当する箇所と蓋体との間隔を狭くして、容器本体に収納された粉粒体を透過する計測用光の光量を多くすることができるものとなり、粉粒体の品質を適正に計測することができる。
従って、粉粒体を空隙部が存在しない状態で収納部に収納することができ、しかも、容器本体に収納された粉粒体を透過した後の計測用光を分光分析して品質を計測するのに好適な粉粒体収納容器を提供することができるようになった。
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態を説明する。
品質計測用の粉粒体収納容器(以下、単に粉粒体収納容器と称する場合がある)50は、図9及び図10に示すように、上方が開口されかつ底壁53b及び側周壁53cを備える収納部53を有する容器本体51と、前記収納部53における前記開口53aを開閉自在でかつ閉じ姿勢にて前記容器本体51に固定装着自在な蓋体52とが設けられ、前記容器本体51が、前記収納部53に測定対象としての粉粒体を収納しかつ前記蓋体52を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置としての農産物の内部品質計測装置(以下、単に内部品質計測装置と記載する場合がある)における計測箇所P(装填箇所に相当する)に着脱されるように構成されている。
又、図1に示すように、内部品質計測装置は、計測箇所Pに装着された前記容器本体51に対して計測用光(以下、単に光と記載する場合がある)を透過状態で投光し、且つ、前記容器本体51に収納された粉粒体を透過した後の光を分光分析して品質を計測するように構成されている。
図1及び図2に示すように、内部品質計測装置は、計測箇所Pに位置する粉粒体収納容器50に収納されている粉粒体に光を投射する投光手段1及びその投光手段1から光が投射された前記粉粒体からの光を受光する受光手段2を備えた投受光部Lと、前記受光手段2にて受光されて光案内手段3にて導かれる光を分光する分光手段30及びその分光手段30にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段としての受光センサ4を備えた分光計測部Mと、受光センサ4の検出情報に基づいて前記粉粒体の内部品質情報を求める制御部5と、その制御部5に各種制御情報を指令する操作部6と、その制御部5にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部7と、装置冷却用の空気を送風する冷却用送風機8と、装置駆動用の電池9等を備えて構成されている。
説明を加えると、前記ケーシング40は吊り下げ支持用の把手10を上部に備えて構成され、投受光部L及び分光計測部Mが、そのケーシング40内に、分光計測部Mを投受光部Lの下方に位置させた形態で設けられ、制御部5及び電池9が、ケーシング40内における投受光部Lの下方に設けられている。
図2に示すように、ケーシング40が、左右の両横側部及び背部にわたって開口する開口部41aを備えたケーシング本体41と、そのケーシング本体41の開口部41aを開閉自在なカバー部42とを備えて構成されている。
更に、図6にも示すように、ケーシング40の背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部43が設けられている。
具体的には、図2及び図4に示すように、各腕部10aは、ケーシング40の側面視において、ケーシング40の背部から離れる方向に突出し且つ上端部がケーシング40の上方におけるケーシング前後方向の中央よりもやや後方側に相当する箇所に位置する形態の概ね円弧状に、ケーシング40の上面部における後端から上面部の上方に延びるように設けられている。
又、ケーシング本体41のケーシング底板部分41bの後端側に、その端縁に沿って、両端部夫々にネジ孔が形成された長尺状の蓋体当て付け部44が設けられ、ケーシング本体41のケーシング上板部分41dの上部側にその縁部に沿って、両端部夫々にネジ孔が形成された長尺状の蓋体当て付け部45が設けられている。
この粉粒体収納容器50には、計測対象の分粒体として生籾、玄米等の米粒が収納されて、生籾、玄米等の内部品質が計測されることになる。
前記容器保持フレーム11の背部には、押し操作を繰り返すことにより磁石が出退するように構成されて、容器保持フレーム11内に挿入された粉粒体収納容器50を保持するためのマグネットラッチ12が取り付けられている。
そのように粉粒体収納容器50が計測箇所Pに保持された状態で、粉粒体収納容器50を押し操作すると、マグネットラッチ12の磁石が引退して粉粒体収納容器50が磁石から離間することになって、粉粒体収納容器50を容器挿入用開口部41eを通して容器保持フレーム11から取り出すことが可能となる。
つまり、粉粒体を収納した粉粒体収納容器50が、前記ケーシング40の前面に設けられた容器挿入用開口部41eを通して前記計測箇所Pに挿入自在で且つ前記計測箇所Pから取り出し自在なように構成されていることになる。
又、図1、図2及び図4に示すように、容器保持フレーム11内の上部の奥部には、粉粒体収納容器50が容器保持フレーム11に挿入されるに伴って押圧されるように、計測指令用スイッチ17が設けられていて、この計測指令用スイッチ17が粉粒体収納容器50により押圧されることにより、前記制御部5に計測開始指令が指令されるように構成されている。
又、そのカバー部42のケーシング左側板部分42cにおける上方側には、前記端子取付板16を露出するための切り欠きが形成され、カバー部42のケーシング右側板部分42bの内面側には、前記冷却用送風機8が、カバー部42がケーシング本体41に装着された状態で前記投光手段1に対向する状態となるように取り付けられている。
又、カバー部42のケーシング背板部分42aには、前記冷却用送風機8の通風作用によりケーシング40内に冷却用空気を吸い込むための吸気口42dが形成され、その吸気口には除塵用フィルタ19が介装されている。
そして、前記ケーシング40が、図5に示すように前記把手10を上方側に位置させた通常姿勢と、図6に示すように、把手10の腕部10a及び前記脚用突起部43を脚とする仰向け姿勢とに設置可能なように構成されている。
ちなみに、図6の(a)は、前記ケーシング40が仰向け姿勢で置かれた状態での側面視での図を示し、(b)は、前記ケーシング40が仰向け姿勢で置かれた状態での正面視での図を示す。
つまり、表示部7が、前記ケーシング40が前記把手10を上方側に位置させた通常姿勢にて設置される状態において、表示画面が前記ケーシング40の背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシング10の上面部に設けられていることになる。
表示部7は、内部品質の計測結果等を表示する画面の他に、制御情報を入力するためのボタンの種類が異なる複数種の操作ボタン画面に切り換え自在なように構成されている。
例えば、図5に示すように、計測対象の農産物を選択する計測農産物選択用の操作ボタン画面が表示される。
この計測農産物選択用の操作ボタン画面には、生籾、生玄米、乾玄米、精米のうちのいずれかを計測対象として選択する計測対象選択ボタン6aが生籾、生玄米、乾玄米、精米の夫々に対応して表示される。
又、表示部7には、どのような画面を表示しているかに拘わらず、常時、画面反転ボタン6bが表示される。
つまり、制御部5が、表示情報を表示させるように表示部7の表示作動を制御し、且つ、画面反転ボタン6bによる表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシング40が前記通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部7にて表示する通常表示状態(図5参照)とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部7にて表示する上下反転表示状態(図6参照)とに切り換えるように構成されている。
更に、前記投光手段1と前記容器保持フレーム11との間には、投光手段1から投射される光のうちの遠赤外線波長範囲の光をカットする熱カットフィルタ22も設けられている。
図1〜図3に示すように、前記光案内手段3は、粉粒体を透過した光を導く計測光用光ファイバ3aと、参照光を導く参照光用光ファイバ3bとを備えて構成されている。
計測光用光ファイバ3a及び参照光用光ファイバ3b夫々は多数の素線から構成され、図1及び図7に示すように、計測光用光ファイバ3aは、その入射側の端部が環状になり、その他の部分は円柱状になるように多数の素線を束ねて構成され、参照光用光ファイバ3bは全長にわたって円柱状になるように多数の素線を束ねて構成されている
そして、前記受光手段2は、計測光用光ファイバ3aにおける環状の入射側端部及び参照光用光ファイバ3bにおける円状の入射側端部を、計測光用光ファイバ3aにおける環状の入射側端部の内部に参照光用光ファイバ3bにおける円状の入射側端部が位置する形態でファイバ保持体2aに保持して構成されている。
図1に示すように、分光計測部Mの前記分光手段30は、前記計測光用光ファイバ3a又は参照光用光ファイバ3bにより導かれる光を入射させる入射スリット31sを備えた分光部用暗箱31内に、前記入射スリット31sから入射した光を複数の波長の光に分光する凹面回折格子32が収納されて構成されている。
そして、前記受光センサ4が、前記凹面回折格子32にて分光反射された光を同時に波長毎に受光するように、前記暗箱31内に設けられている。この受光センサ4は、1024画素の電荷蓄積型のCCDラインセンサにて構成されている。
この入射光切換部60について説明を加える。
前記分光部用暗箱31における入射スリット31sが形成された側壁に、入射光切換部用暗箱61が連設され、その入射光切換部用暗箱61における分光部用暗箱31の入射スリット31sに対向する側壁部に、前記計測光用光ファイバ3a及び参照光用光ファイバ3bが貫通状態に支持されている。
ちなみに、64は、ファイバ支持体62を前記通常計測位置と前記基準データ計測位置とに移動駆動されるように前記入射光切換用モータ63に伝動連結するギア機構である。
そして、図示を省略するが、フィルタ装備用円板25には、前記入射光路と交差する円周に沿って並ぶ状態で、所定の透過率を有するリファレンスフィルタ、成分分析用の波長範囲において少なくとも2つのピーク部を備えた校正用光が得られる波長校正用フィルタ(V10フィルタ等)、及び、光を通過させる光通過用開口が備えられている。
以下、図8に基づいて、上述のように3電源での駆動を可能にする電源回路70について説明を加える。
AC100VをDC12Vに変換する変換器23cを備えて、AC100Vのコンセントに接続するAC電源用ケーブル23、及び、自動車やコンバイン等のDC12Vが出力されるソケット(シガレットライタ用のソケット等)に接続するDC電源用ケーブル24が備えられている。
これらAC電源用ケーブル23やDC電源用ケーブル24は、前記電源用ケーブル接続部14に接続されて、駆動用電力が給電されることになる。
本発明では、前記収納部53の前記側周壁53cにおける周方向の少なくとも一部が、後退弾性変位自在な後退変位壁部53Fに構成されている。
更に、前記後退変位壁部53Fが、一対の前記板バネ54を、その長手方向の一端側部分が重複する状態で前記側周壁53cの周方向に並べ、且つ、前記重複される一端側部分とは反対側の他端側部分を固定状態に支持して構成されている。
前記収納部53の側周壁53cが、上面視で矩形状に構成され、前記容器本体51は、前記収納部53の矩形状の側周壁53cを備えるように、上面が全面にわたって開口され且つ低壁51bを備えて、外周部が上面視で矩形状となる有底状に構成されている。
前記蓋体52が、前記収納部53の前記側周壁53cにおける4辺に対応する4つの壁部分における対向する一対の壁部分の長手方向に沿い、且つ、上面視にて前記収納部53の内部空間よりも外方に位置する揺動軸心周りで開閉自在に蝶番56にて前記容器本体51に支持されるように構成されている。
尚、以下の説明では、前記容器本体51の側周壁における4辺に対応する4つの側周壁部分のうち、蓋体52が揺動自在に支持される側の側周壁を前方側周壁部分51mと称し、その前方側周壁部分51mの左側端部に連なる側周壁部分を左側周壁部分51xと称し、前方側周壁部分51mの右側端部に連なる側周壁部分を右側周壁部分51yと称し、前方側周壁部分51mに対向する側周壁部分を後方側周壁部分51nと称する場合がある。
そして、前記容器本体51の前方側周壁部分51m、左側周壁部分51x及び右側周壁部分51y、並びに、前記一対の板バネ54にて、前記収納部53の前記側周壁53cが構成され、前記容器本体51の底壁51bにて、前記収納部53の前記底壁53bが構成されている。ちなみに、各板バネ54が、上面視で容器本体51の後方側周壁部分51n側に膨出するように屈曲形成され、それら一対の板バネ54にて形成される収納部53の側周壁53cにおける壁部分が容器本体51の後方側周壁部分51n側に膨出する形状に形成されているが、このような壁部分を含む形状も、矩形状に含まれるものとする。
つまり、前記収納部53の前記側周壁53cの4つの壁部分における長手方向が前記蓋体52の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、前記蓋体52の揺動軸心とは離れる側の壁部分が、前記後退変位壁部53Fに構成されていることになる。
説明を加えると、容器本体51の後方側周壁部分51nと前記2枚の板バネ54との間の空間が、前記余剰粉粒体収納部57として機能させるように構成されている。
説明を加えると、容器本体51の底壁51bにおける前記収納部53の底壁53bに相当する部分に円形の開口が形成されて、その開口に光透過用ガラス58が嵌め込まれ、前記蓋体52には、それが前記閉じ姿勢に操作された状態で、容器本体51の底部の光透過用ガラス57に対向するように円形の開口が形成されて、その開口に光透過用ガラス59が嵌め込まれている。
又、容器本体51の後方側周壁部分51nには、蓋体52が閉じ姿勢に操作された状態で、係止用切片52aの係止用突起部52bが嵌まり込んで蓋体52を閉じ姿勢に保持する係止用凹部51eが形成されている。
つまり、蓋体52を容器本体側に揺動させて、係止用切片52aの係止用突起部52bを容器本体51の係止用凹部51eに嵌め込むことにより、蓋体52が容器本体51に固定装着されることになる。
又、蓋体52を閉じ操作するときに収納部53からこぼれる粉粒体のうち、余剰粉粒体収納部57の側にこぼれる粉粒体はその余剰粉粒体収納部57に回収されることになる。
以下、制御部5による演算処理について説明する。
制御部5は、粉粒体を透過した光のスペクトルデータ(以下、計測用スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する通常計測モード、前記リファレンスフィルタを透過した光のスペクトルデータ(以下、基準スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する基準データ計測モード、光が遮断された状態での受光センサ4の出力値(以下、暗電流データと記載する場合がある)を得る暗電流データ計測モード、前記波長校正用フィルタを通過した光のスペクトルデータ(以下、波長校正スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する波長校正データ計測モードを択一的に実行可能なように校正されている。
この計測用スペクトルデータでは、粉粒体収納容器50に充填されている粉粒体を透過した光が計測光用光ファイバ3aの環状の入射端面にて受光され、その受光された光が計測光用光ファイバ3a及びファイバ支持体62の計測光用中継ファイバ62aにて導かれて、入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射して凹面回折格子32により分光され、その分光された光が受光センサ4にて受光されてその受光センサ4から波長毎のデータが出力されることになる。
そして、粉粒体収納容器50に充填されている粉粒体を透過した光を計測光用光ファイバ3aの環状の入射端面で受光するので、広範囲の粉粒体のデータを得ることができるものとなり、内部品質情報の計測精度を向上することができる。
この基準データ計測モードでは、空の粉粒体収納容器50を透過した光が参照光用光ファイバ3bの入射端面にて受光され、その受光された光が参照光用光ファイバ3b及びファイバ支持体62の参照光用中継ファイバ62bにて導かれて、入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射して凹面回折格子32により分光され、その分光された光が受光センサ4にて受光されてその受光センサ4から波長毎のデータが出力されることになる。
又、制御部5は、波長校正データ計測モードでは、粉粒体が充填されていない空の粉粒体収納容器50が容器保持フレーム11に装填されている状態で、前記シャッタ20を開くように前記シャッタ用ソレノイド21を制御し、前記ファイバ支持体62を基準データ計測位置に位置させるように前記入射光切換用モータ63を制御し、前記フィルタ装備用円板25の波長校正用フィルタを前記入射光路を横断する位置に位置させるように前記フィルタ切換用モータ26を制御して、受光センサ4の出力値を波長校正用スペクトルデータとして得るように構成されている。
ちなみに、制御部5は、この波長校正用スペクトルデータ用いて、受光センサ4の複数の受光素子と受光波長との対応関係を求めて、各受光素子の受光波長の校正を行うように構成されている。
つまり、前記通常計測モードにて得た計測用スペクトルデータを、前記基準データ計測モードにて得た基準スペクトルデータ及び前記暗電流データ計測モードにて得た暗電流データを用いて正規化して、分光された光の各波長毎の吸光度スペクトルデータを得るとともに、その吸光度スペクトルデータの二次微分値を求める。そして、その二次微分値及び予め設定されている検量式により、粉粒体に含まれる水分、たんぱく質、アミロース等の含有率や食味を内部品質情報として得るように構成されている。
d=log[(Rd−Da)/(Sd−Da)]
Y=K0+K1・A(λ1)+K2・A(λ2)……
Y ;内部品質情報
K0,K1,K2……;係数
A(λ1 ),A(λ2 )……;特定波長λにおける吸光度スペクトルの二次微分値
つまり、粉粒体夫々について、計測する内部品質情報の項目毎に、特定波長λ1、λ2……、係数K0,K1,K2……が設定されて、検量式が設定されている。
尚、予め、受光センサ4の出力値(電圧値)について、容器保持フレーム11に装填されている粉粒体収納容器50が粉粒体が充填されていない空の状態か否かを判別するための空容器判別用設定値、及び、内部品質情報を適切に計測するための計測用設定値が予め設定されて、制御部5に記憶されている。
そして、制御部5は、予備計測データが空容器判別用設定値以上の場合は、容器保持フレーム11に空の粉粒体収納容器50が装填されていると判別して、前記基準データ計測モード、暗電流データ計測モード及び波長校正データ計測モードを実行して、基準スペクトルデータ、暗電流データ及び波長校正用スペクトルデータを計測する。
尚、通常計測モードを設定回数(例えば3回)実行して、各モードで計測したデータの平均値を計測用スペクトルデータとするように構成されている。
次に、第2実施形態を説明する。
この第2実施形態は、粉粒体収納容器50の別実施形態を説明するものであり、内部品質計測装置は上記の第1実施形態と同様であるので、その内部品質計測装置の説明を省略して、粉粒体収納容器50について説明する。
そして、この第2実施形態の粉粒体収納容器50は、特に、後退変位壁部53Fの別実施形態を説明するものであるので、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
そして、前記収納部53の側周壁53cの4辺に対応する4つの壁部分における一方の対向する一対の壁部分が固定状壁部53Sに構成され、他方の対向する一対の壁部分が前記後退変位壁部53Fに構成されている。
そして、前記蓋体52が、前記収納部53の前記側周壁53cにおける対向する一対の後退変位壁部53Fの長手方向に沿い、且つ、上面視にて前記収納部53の内部空間よりも外方に位置する揺動軸心周りで開閉自在に蝶番56にて前記容器本体51に支持されるように構成されている。
尚、以下の説明でも、上記の第1実施形態と同様に、前記容器本体51の側周壁における4辺に対応する4つの側周壁部分のうち、蓋体52が揺動自在に支持される側の側周壁を前方側周壁部分51mと称し、その前方側周壁部分51mの左側端部に連なる側周壁部分を左側周壁部分51xと称し、前方側周壁部分51mの右側端部に連なる側周壁部分を右側周壁部分51yと称し、前方側周壁部分51mに対向する側周壁部分を後方側周壁部分51nと称する場合がある。
又、容器本体51の左側周壁部分51xにおける後方側周壁部分51nの側に偏った箇所に、左側周壁部分51xと右側周壁部分51yとの間隔よりも長い前記板バネ(以下、後方板バネと称する場合がある)55nが、後方側周壁部分51nと間隔を隔ててその後方側周壁部分51nの長手方向に沿って伸びる状態で、収納部外方側に膨出するように湾曲して遊端部が右側周壁部分51yに接当する状態で片持ち状に支持されている。
つまり、前記容器本体51の左側周壁部分51x及び右側周壁部分51yが、前記一対の固定状壁部53Sに相当し、前記前方側板バネ55m及び前記後方側板バネ55nにて、前記一対の後退変位壁部53Fが構成される。
そして、前記収納部53の前記側周壁53cの4つの壁部分における長手方向が前記蓋体52の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、前記蓋体52の揺動軸心とは離れる側の壁部分が、前記後退変位壁部53Fに構成されていることになる。
ちなみに、前方板バネ55mや後方板バネ55nは収納部外方側に膨出するように湾曲しているが、このような前方板バネ55mや後方板バネ55nにて構成される壁部分を含む形状も、矩形状に含まれるものとする。
つまり、前記容器本体51に、前記余剰粉粒体収納部57が、前記収納部53に隣接する状態で形成されていることになる。
又、蓋体52を閉じ操作するときに収納部53からこぼれる粉粒体のうち、各余剰粉粒体収納部57の側にこぼれる粉粒体は各余剰粉粒体収納部57に回収されることになる。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 後退変位壁部53Fの具体構成は、上記の第1及び第2の各実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、収納部53の周方向に伸びる長尺状の板バネにて構成する場合、上記の第1及び第2の各実施形態のように、長手方向の一端部を固定状に支持する場合に限定されるものではなく、長手方向の中間部の一部を固定状に支持するように構成しても良い。
又、後退変位壁部53Fを、収納部53の周方向に伸びる剛体の長尺状の板状体を収納部53の内外方向に平行移動自在に支持し且つ収納部53の外部に位置する圧縮バネにて受ける形態で設けて、圧縮バネの付勢力に抗して後退弾性変位自在なように構成しても良い。
又、後退変位壁部53Fを、収納部53の周方向に伸びる剛体の長尺状の板状体をその下端縁に沿う軸心周りの揺動にて後退弾性変位自在に設けて構成しても良い。
又、後退変位壁部53Fを、スポンジを容器本体53の側周壁の内部に設けて構成しても良い。
又、容器本体51の側周壁にて収納部53の側周壁53cを構成するようにして、容器本体51の側周壁そのものを後退弾性変位自在なように構成しても良い。
ちなみに、容器本体51の側周壁をゴム、樹脂等からなる弾性体にて構成することにより、容器本体51の側周壁を後退弾性変位自在に構成することになる。
又、収納部53の矩形状の側周壁53cにおける4つの壁部分のうちの2つの壁部分を後退変位壁部53Fに構成する場合、対向する一対の壁部分を後退変位壁部53Fに構成する場合に限定されるものではなく、隣接する2つの壁部分を後退変位壁部53Fに構成しても良い。
ちなみに、嵌め込み式の係合部は、凹部及びそれに嵌め込まれる凸部からなり、それら凹部及び凸部が容器本体51及び蓋体52に振り分けて設けられることになる。
例えば、品質計測装置を分光分析にて粉粒体の内部品質を計測するように構成する場合、投光手段1と受光手段2の配置形態は、上記の第1及び第2の各実施形態のように粉粒体を透過した光を受光する形態にて配置する場合に限定されるものではなく、粉粒体を反射した光を受光する形態にて配置してもよい。
この場合、容器本体51における収納部53の底壁53bに相当する箇所、又は、蓋体52のいずれか一方を光を透過可能に構成することになる。
又、容器本体51に収納されている粉粒体に対して光を投射して、粉粒体からの反射光を計測することにより、粉粒体の白度を計測するように構成してもよい。
この場合も、容器本体51における収納部53の底壁53bに相当する箇所、又は、蓋体52のいずれか一方を光を透過可能に構成することになる。
又、装填箇所Pに装着された容器本体51に収納されている粉粒体に対して高周波電圧を印加した状態で静電容量を検出して、その検出静電容量に基づいて粉粒体の水分含有率を求めるように構成してもよい。
52 蓋体
53 収納部
53a 開口
53b 底壁
53c 側周壁
53F 後退変位壁部
54 板バネ
55m 板バネ
55n 板バネ
57 余剰粉粒体収納部
P 装填箇所
Claims (6)
- 上方が開口されかつ底壁及び側周壁を備える収納部を有する容器本体と、前記収納部における前記開口を開閉自在でかつ閉じ姿勢にて前記容器本体に固定装着自在な蓋体とが設けられ、
前記容器本体が、前記収納部に測定対象としての粉粒体を収納しかつ前記蓋体を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置における装填箇所に着脱されるように構成された品質計測用の粉粒体収納容器であって、
前記収納部の前記側周壁における周方向の少なくとも一部が、後退弾性変位自在な後退変位壁部に構成されている品質計測用の粉粒体収納容器。 - 前記後退変位壁部が、前記側周壁の周方向に沿って伸びる長尺状の板バネを、その長手方向の一部を固定状態に支持して構成されている請求項1記載の品質計測用の粉粒体収納容器。
- 前記後退変位壁部が、一対の前記板バネを、その長手方向の一端側部分が重複する状態で前記側周壁の周方向に並べ、且つ、前記重複される一端側部分とは反対側の他端側部分を固定状態に支持して構成されている請求項2記載の品質計測用の粉粒体収納容器。
- 前記容器本体に、前記収納部から溢れる粉粒体を収納する余剰粉粒体収納部が、前記収納部に隣接する状態で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質計測用の粉粒体収納容器。
- 前記収納部の前記側周壁が、上面視で矩形状に構成され、
前記蓋体が、前記収納部の前記側周壁における4辺に対応する4つの壁部分における対向する一対の壁部分の長手方向に沿い、且つ、上面視にて前記収納部の内部空間よりも外方に位置する揺動軸心周りで開閉自在に前記容器本体に支持されるように構成され、
前記収納部の前記側周壁の4つの壁部分における長手方向が前記蓋体の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、前記蓋体の揺動軸心とは離れる側の壁部分が、前記後退変位壁部に構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の品質計測用の粉粒体収納容器。 - 前記容器本体における前記収納部の底壁に相当する箇所及び前記蓋体の夫々が、光を透過可能に構成され、
前記品質計測装置が、前記装填箇所に装着された前記容器本体に対して計測用光を透過状態で投光し、且つ、前記容器本体に収納された粉粒体を透過した後の計測用光を分光分析して品質を計測するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の品質計測用の粉粒体収納容器。
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