JP2010023760A - タイヤ - Google Patents

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彰 菅沼
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Abstract

【課題】偏摩耗の抑制を図りつつ、さらに気柱管共鳴音の低減を実現してなお、優れた排水性能を確保する。
【解決手段】このタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に沿って形成され、該トレッド部を複数の陸部に区分する少なくとも1本の周溝4と、該周溝4に対して傾斜して延びてその周溝4に開口する横溝14と、少なくとも1本の周溝4の溝底部4bからタイヤ径方向外側に延び、かつ、陸部の踏面よりもタイヤ径方向内側に位置するとともにタイヤの荷重負荷転動下で路面との間で滑り接触する頂面を有する段差陸部18と、を具える。また、このタイヤは、横溝14の溝深さがそれが開口する周溝4の溝深さよりも小さく設定されるとともに、段差陸部18が配置された周溝4の溝壁4aの、横溝14が開口する位置に、該段差陸部18に向けて突出する突部20を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、耐偏摩耗性に優れたタイヤに関し、より具体的には、排水性の低下なしに、負荷転動時の騒音を低減しようとするものである。
トレッド部にタイヤ周方向に沿って連続して延びる複数本の周溝を具えるタイヤでは、タイヤの負荷転動に伴う、径差引きずりに起因して陸部の側縁に発生しやすい偏摩耗が、陸部幅の全体に亘って比較的早期に進展することになるため、その偏摩耗の改善手段として、周溝内に偏摩耗犠牲部としての段差陸部を設け、走行中に段差陸部にブレーキングフォースを発生させ、段差陸部に偏摩耗を肩代わりさせる手段が実用化されている。
このようなタイヤでは、タイヤの負荷転動に伴い、段差陸部と、この段差陸部の各側壁に対向する周溝の溝壁との間の空気により、走行時の騒音の悪化の一因である気柱管共鳴音が生じることになる。
そこで、この気柱管共鳴音を低減させることを目的として、例えば、特許文献1に開示されている技術と同様に、周溝の両溝壁の少なくとも一部に、周溝の延在方向に所定の間隔を空けて段差陸部に向かって突出する、いわゆるグルーブフェンスとしての突部を設けて、タイヤの負荷転動時における段差陸部の側壁と周溝の溝壁との間の気柱長さを経時的に変化させることが気柱管共鳴による騒音を抑制する点で必要である。
特開平11−105511号公報
しかしながら、グルーブフェンスは接地面内の気柱長さの変化をもたらすことで気柱管共鳴音を低減できる効果がある一方、周溝内を通る排水の流動を妨げることになるため、排水性能については、更なる改良が望まれていた。
それゆえ、この発明は、いわゆる偏摩耗犠牲部としての段差陸部によって偏摩耗の抑制を図りつつ、さらに気柱管共鳴音の低減を実現してなお、優れた排水性能を確保することが可能なタイヤを提供することをその目的とする。
前記の目的を達成するため、この発明は、トレッド部にタイヤ周方向に沿って形成され、該トレッド部を複数の陸部に区分する少なくとも1本の周溝と、該周溝に対して傾斜して延びてその周溝に開口する横溝と、少なくとも1本の周溝の溝底部からタイヤ径方向外側に延び、かつ、前記陸部の踏面よりもタイヤ径方向内側に位置するとともにタイヤの荷重負荷転動下で路面との間で滑り接触する頂面を有する段差陸部と、を具えるタイヤにおいて、前記横溝は、それが開口する周溝の溝深さよりも小さい溝深さを有し、前記段差陸部が配置された周溝の溝壁の、前記横溝が開口する位置に、該段差陸部に向けて突出する突部を設けたことを特徴するタイヤである。
周溝内に段差陸部を設けたタイヤでは、前述したように、周溝の溝壁に段差陸部に向かって突出するグルーブフェンスとしての突部を設けることにより気柱管共鳴音を抑制することができるが、その突部が周溝内の排水の流動を妨げることになるため、気柱管共鳴音の抑制と、排水性能の確保とは背反する関係にあった。
そこで、この発明では、段差陸部が配置された周溝に開口する横溝の溝深さを該周溝の溝深さよりも小さくし、周溝の溝壁の、横溝が開口する位置に、段差陸部に向かって突出する突部を設けたことから、ウェット時に周溝内を流れる排水の、横溝内への排水を促進することができ、よって気柱管共鳴音の低減と、排水性能の確保とを互い次元で両立させることができる。
なお、この発明のタイヤにあっては、突部は、周溝と直交する断面でみて、溝底部側の部分を切り欠いて形成した薄肉部分を有することが好ましい。
また、この発明のタイヤにあっては、突部の薄肉部分の切欠面とこの突部が設けられた周溝の溝壁とのなす角度を70度以下とすることが好ましい。
さらに、この発明のタイヤにあっては、突部の薄肉部分と周溝との接合領域におけるタイヤ径方向最内方位置を、周溝と直交する断面でみて、この突部が設けられた周溝の溝底部よりもタイヤ径方向外側とすることが好ましい。
さらに、この発明のタイヤにあっては、突部の最大突出長さを、周溝と直交する断面でみて、該突部が設けられた周溝の溝壁から段差陸部までの距離の20〜80%の範囲とすることが好ましい。なお、ここでいう「突部の最大突出長さ」とは、周溝の溝壁と、その溝壁から最も離れた突部の端までの長さを、その突部が設けられた周溝に直交する面に沿って計測した長さをいう。
さらに、この発明のタイヤにあっては、突部の薄肉部分を、それを設けた周溝の溝底部と連続する曲率で連結することが好ましい。
さらに、この発明のタイヤにあっては、突部の幅を、0.5mm以上及び該突部に隣接する横溝の溝幅の50%以下とすることが好ましい。ここでいう「突部の幅」とは、突部を、それを設けた周溝の延在方向に沿って計測した長さをいい、「横溝の溝幅」とは、横溝が周溝に開口する位置における該横溝の溝幅をいう。
さらに、この発明のタイヤにあっては、突部を、タイヤに最大負荷能力を適用した条件下でのタイヤ接地域内に少なくとも1個配置することが好ましい。
さらに、この発明のタイヤにあっては、段差陸部の幅を、周溝の溝幅の20〜80%の範囲とすることが好ましい。ここでいう「段差陸部の幅」とは、段差陸部を、それを設けた周溝に直交する面に沿って計測した長さをいう。
さらに、この発明のタイヤにあっては、横溝の配設ピッチを、20〜120mmの範囲とすることが好ましい。
さらに、この発明のタイヤにあっては、周溝を、ジグザグ状に屈曲して延びるジグザグ溝とすることが好ましい。
しかも、この発明のタイヤにあっては、段差陸部を、タイヤ幅方向最外側の周溝に設けることが好ましい。
この発明のタイヤによれば、段差陸部によって偏摩耗の抑制を図りつつ、さらに気柱管共鳴音の低減を実現してなお、優れた排水性能を確保することが可能である。
以下、この発明のタイヤを図面を参照しつつ詳細に説明する。ここに、図1は、この発明のタイヤの一実施形態を示すトレッドパターンの部分展開図であり、図2(a)は、図1中のA−A線に沿った断面を示す斜視図であり、図2(b)は、図1中のB−B線に沿った断面を示す断面図である。
図1に示すように、この実施形態のタイヤは、トレッド踏面1に、タイヤ赤道面付近にタイヤ周方向にジグザグ状に屈曲して延びる狭幅のセンター周溝2と、このセンター周溝2のそれぞれの側方に隣接して緩やかなジグザグ状の屈曲した形態でタイヤ周方向に延びる広幅の中間周溝3と、これらそれぞれの中間周溝3のタイヤ幅方向外側に隣接する、これも緩やかなジグザグ状の屈曲した形態でタイヤ周方向に延びるショルダー周溝4とを配設してなる。これにより、センター周溝2と中間周溝3との間に中央陸部5を区画形成し、各中間周溝3とショルダー周溝4との間に中間陸部6をそれぞれ区画形成し、そして、ショルダー周溝4とトレッド側縁との間にそれぞれショルダー陸部7を区画形成する。
中央陸部5には、中間周溝3及びセンター周溝2と、中間周溝3からセンター周溝2を横断して延在して、隣接する中央陸部5内で終端する、タイヤ周方向に傾斜して延在する横溝8とによって複数の中央ブロック9を区画形成する。また、これらの各中央ブロック9には、それのタイヤ周方向中央付近で、一端が中央ブロック9内で終端し、他端が中間周溝3に開口する、タイヤ幅方向に延びる横サイプ10を設ける。
中間陸部6には、中間周溝3及びショルダー周溝4と、中間周溝3から、タイヤ周方向に傾斜してショルダー周溝4まで延びる横溝11とによって複数の中間ブロック12を区画形成する。これら各中間ブロック12には、それのタイヤ周方向中央付近で、中間周溝3側に、中間周溝3からタイヤ幅方向外側に延在して、中間ブロック12内で終端する横溝13を設ける。横溝11の溝深さは、それが開口するショルダー周溝4の溝深さよりも小さくする。
さらに、ショルダー陸部7には、ショルダー周溝4及びトレッド側縁と、ショルダー周溝4から、タイヤ周方向に傾斜してトレッド側縁まで延在する横溝14とによって複数のショルダーブロック15を区画形成する。なお、横溝14の溝深さは、それが開口するショルダー周溝4の溝深さよりも小さくする。そして各ショルダーブロック15には、それのタイヤ周方向中央付近で、ショルダー周溝4側に、ショルダー周溝4からトレッド幅方向外側に延在して、ショルダーブロック15内で終端する横サイプ16を設け、またトレッド側縁からタイヤ幅方向内側に延在し、ショルダーブロック15内で終端する複数本の横サイプ17を設ける。
また、各ショルダー周溝4内に、隣接するブロック12、15の表面から高度差h(図2(b)参照。)をもって段下がりした頂面を有し、かつ、ショルダー周溝4に沿ってタイヤ周方向に延在する、偏摩耗犠牲部としての段差陸部18を設ける。ショルダー周溝4内に段差陸部18を設けることにより、負荷転動中に、段差陸部18の頂面に径差に起因する引きずりによるブレーキングフォースを優先的に発生させ、その頂面に偏摩耗を肩代わりさせることができる。
さらにこの実施形態のタイヤでは、図2(a)、(b)に詳細に示すように、各ショルダー周溝4の溝壁4sの、横溝11、14が開口する位置、すなわち、横溝11、14に対して同位相となる位置に、開口端におけるこれらの横溝11、14の溝幅W11、W14よりも小さい幅W20を有する、段差陸部18に向けて突出する突部20を設ける。突部20は、周溝4の、互いに対向するタイヤ幅方向外側及び内側の何れの溝壁4sに設けても良く、図1に示すように、両溝壁4sに設けても良い。突部20のタイヤ径方向最外方位置21は、タイヤ径方向でみて、横溝11、14の溝底部と同一位置である。なお、図示例に代えて、突部20のタイヤ径方向最外方位置21が横溝11、14の溝底部よりもタイヤ径方向外側に位置するように、突部20をタイヤ径方向外方に延出させても良いが、周溝4の溝壁4sに対して接合されていない箇所を無くして突部20の耐久性を高めるとともに溝壁4sとの接合部にクラックが発生するのを回避するという観点、さらには横溝11、14の、周溝4への開口位置にて排水の流路を十分に確保するという観点から言えば、図示のように、突部20のタイヤ径方向最外方位置21は、横溝11、14の溝底部と同一位置であるか、それよりもタイヤ径方向内方であることが好ましい。
かかる実施形態のタイヤによれば、段差陸部18が配置されたショルダー周溝4に開口する横溝11、14の溝深さを該周溝4の溝深さよりも小さくし、ショルダー周溝4の溝壁4sの、横溝11、14が開口する位置に、段差陸部18に向かって突出する突部20を設けたことから、図2(a)に矢印で示すように、ウェット時にショルダー周溝4内を流れる排水を効率良く横溝11、14内へ排水することができ、よって気柱管共鳴音の低減と排水性能の確保とを高い次元で両立させることができる。
なお、このようなタイヤにおいては、図3(a)〜(d)に示すように、突部20の形状は、ショルダー周溝4と直交する断面でみて、突部20の下部(突部20の、ショルダー周溝4の溝底部4b側の部分)を切り欠いて形成した形状をもった薄肉部分22を設けることが好ましい。このようにすれば、突部20の薄肉部分22とショルダー周溝4の溝底部4bとの接合領域におけるタイヤ径方向最内方位置24(以下、単に「薄肉部分22のタイヤ径方向最内方位置24」という)での応力集中を回避し、溝底部4bで発生しがちなクラックを有効に防止することができる。
さらには、薄肉部分22の切欠面22aと突部20が設けられた溝壁4sとのなす角度を70°以下とすることが好ましく、70°以下とすることが更に好ましい。このようにすれば、加硫成形時における突部20の破損を抑制することができる。なぜなら、薄肉部分22を設けることは、ショルダー周溝4の溝底部4bに発生するクラックを抑制する点では優れた効果を奏するものの、該薄肉部分22を有する突部20を加硫成形によって製造する場合、成形に用いる金型(図示省略)をタイヤから離型する際に、金型が薄肉部分22の切欠面22aと係合し、タイヤ径方向に離型するための応力が加わる結果、突部20が破損するおそれが招来するが、このように薄肉部分22の切欠面22aと突部20が設けられた溝壁4sとのなす角度を70°以下とすれば、金型を持ち上げる際に、タイヤ軸方向へと金型をずらすこと及び/又は段差陸部18が変形することが可能となり、突部20にかかる応力が低減される結果、加硫成形時における突部20の破損を有効に抑制することができるからである。
なお、上記薄肉部分22とは、突部20の下部をそれが設けられた周溝4の溝壁4sの方向へ切り欠いて形成した形状を有する部分をいい、薄肉部分22の切欠面22aの形状は特に限定がなく、例えば、図3(a)〜(d)に示すように、種々の形状の薄肉部分22を用いることができる。また、突部20の薄肉部分22は、それを設けた周溝4の溝底部4bと連続する曲率で連結されることが好ましい。周溝4の溝底部4bの曲率半径が小さいほど、溝底部4bへかかる応力も大きくなり、クラックの原因となることから、突部20の薄肉部分22と周溝4の溝底部4bとを連続する曲率で連結することで、溝底部4bへかかる応力を有効に低減するためである。
ここで、薄肉部分22の切欠面22aと突部20が設けられたショルダー周溝4の溝壁4sなす角度とは、切欠面22aとショルダー周溝4の溝壁4s又は溝底部4bの何れかとで形成する角度のことであり、例えば、図3(a)に示すように、薄肉部分22の切欠面22aとショルダー周溝4の溝壁4sとで形成する角度α1のことをいう。一方、周溝22と直交する断面で見たとき、図3(b)及び(d)に示すように、薄肉部分22の、周溝4の溝壁4s又は溝底部4bとの接合領域におけるタイヤ径方向最内方位置24が曲線状の溝底部4bに位置する場合には、角度αは、薄肉部分22の切欠面22aと該薄肉部分22のタイヤ径方向最内方位置24での溝底部4bの接線X4bとで形成する角度α2、α4のことをいい、さらにまた、図3(c)に示すように、切欠面22aが曲線である場合には、薄肉部分22のタイヤ径方向最内方位置24での、切欠面22aの接線X22aと溝底部4bの接線X4bとで形成される角度α3のことをいう。
また、突部20は、図3(a)に示すように、溝壁4sに設けられた薄肉部分22のタイヤ径方向最内方位置24が、ショルダー周溝4の溝底部4bよりもタイヤ径方向外側に位置することが好ましい。ここで、溝底部4bとは、溝底の最深部から前記溝壁4sに向けて曲率半径が∞になるまでの部分をいう。突部20の破損は、タイヤ走行時の路面との接地・非接地の繰り返しにより、溝底部4bに繰り返し応力が集中することに起因して発生するため、薄肉部分22のタイヤ径方向最内方位置24は、溝底部4bを避けて設けたほうがより効果的に突部20の破損抑制効果を奏するからである。薄肉部分22のタイヤ径方向最内位置24が、溝底部4bに設けられた場合、薄肉部分22の切欠面22aと突部20が設けられた溝壁4sとのなす角度αを70°以下に設定することが難しく、加硫成形時の突部20の破損を十分に抑制できないおそれがあるからである。
また、突部20の最大突出長さLは、突部20を配設しない場合の段差陸部18及びショルダー周溝4の溝壁4s間での幅Wの20〜80%の範囲であることが好ましい。最大突出長さLが、幅Wの20%未満では、隙間から音が抜けるために気柱管共鳴を低減する効果が不十分となり、一方、80%超えるとタイヤにサイドフォース等の斜めの力が加わった際に、突部20が対向する段差陸部18と衝突し、変形による溝底部4bのクラックが生じるおそれがあるためである。さらに、突部20の幅(突部20を、それが設けられた周溝4に沿って計測した距離)W20(図2(a)参照。)は、0.5mm以上であり、突部20に隣接する横溝11、14の溝幅W11、W14の50%以下であることが好ましい。突部20の幅W20が0.5mm未満では周溝4を遮って気柱管共鳴を低減する効果が小さく、突部20の幅W20が横溝11、14の溝幅W11、W14の50%を超えると踏面内の排水性が悪化するためである。
さらに、突部20は、タイヤに最大負荷能力を適用した条件下で、接地域内に少なくとも1個存在することが好ましい。これによれば、走行中、常に突部20の機能を発揮させることができるため、気柱管共鳴を連続して抑制することができる。なお、ここでいう最大負荷能力とは、例えばこの発明のタイヤが空気入りタイヤの場合には、JATMA(日本自動車タイヤ協会)において定められたJATMA YEAR BOOKに規定された最高空気圧を適用したときの「最大負荷能力」である。
また周溝2、3、4は、タイヤ周方向に沿ってジグザグ状に屈曲して延びるジグザグ溝であることが好ましい。周溝2、3、4の幅方向のエッジ成分により周溝内の排水が流動化し、ウェット性能が向上するためであり、また周溝4の延在長さを変えることができ、気柱管共鳴周波数を変化させることができるためである。
また、図1に示すように、段差陸部18は、タイヤ幅方向最外側の周溝である、ショルダー周溝4に設けることが好ましい。偏摩耗し易いショルダー陸部7を区画するショルダー周溝4内に段差陸部18を設けることで、ショルダー陸部7の偏摩耗を効果的に抑制することができるからである。そして、好ましくは、段差陸部18の幅W18(段差陸部18が設けられた周溝4に直交する断面で見たときの幅方向長さ)を、周溝4の溝幅Wの20〜80%の範囲とすることである。段差陸部18の幅W18が、周溝4の溝幅Wの20%未満では、周溝4に隣接する陸部への偏摩耗を肩代わりする機能が不十分となり、一方、80%を超えると、周溝4の排水性が悪化するおそれがあるからである。よって、このようにすれば、偏摩耗の抑制と排水性の向上とを効果的に両立させることができる。
さらに、段差陸部18は、その頂面の高さを隣接するブロックの表面から、2.5〜5mm低く(すなわち、高度差hを2.5〜5mmに)設定することが好ましい。負荷転動中に段差陸部18に効果的にブレーキングフォースを発生させ、確実に段差陸部18に偏摩耗を肩代わりさせることができるからである。
また、横溝8、11、14の配設ピッチを、20〜120mmの範囲とするのが好ましく、さらには30〜70mmの範囲とするのが好ましい。横溝8、11、14の配設ピッチが20mm未満では、横溝8、11、14によって区画されたブロック9、12、15の剛性が低下し当該ブロックの耐久性が悪化するおそれがあるからであり、120mmを超えると、排水性が低下し、ウェット性能が悪化するおそれがあるからである。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、この発明は空気入りタイヤの他にソリッドタイヤ等にも好適に適用できる。また、突起の形状も図示例のものに限らず、球状、半球状、円錐状等、種々の形状とすることができる。さらに、段差陸部の配設箇所も図示例のものに限らず、センター周溝及び中間周溝に配設することができる。
また、突部20を横溝14の相当位置に設けたことによる効果、すなわち排水性の向上と気柱管共鳴音の低減は、段差陸部18の有無に拘らず奏されるものである。よって突部20を、段差陸部18が設けられたショルダー周溝4に限らず、センター周溝2や中間周溝3の、横溝8、11の相当位置に設けることもでき、その場合、排水性の向上と気柱管共鳴音の低減の効果を得ることができることは勿論である。また、一部を切り欠いた形状の薄肉部分22を有する突部20を設けることによって、排水性の向上と気柱管共鳴音の低減の効果を図りつつ、加硫成形時の突部の破損を抑制することができるとともに、センター周溝2及び中間周溝3の溝底にクラックが発生するのを抑制することができる。
次に、この発明に従うタイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1のタイヤは、トレッド踏面に図1に示すトレッドパターンを有するタイヤサイズが11R22.5のトラック・バス用のラジアルタイヤであり、表1に示す諸元を有する。
比較のため、トレッド踏面に突部を設けないことを除いては実施例1と同じ構成である、比較例1のタイヤ、及び突部の配設位置を除いては実施例1のタイヤと同じ構成である、トレッド踏面に図4に示すトレッドパターンを有する比較例2のタイヤについても併せて試作した。比較例1及び2のタイヤは、表1に示す諸元を有する。
Figure 2010023760
(ウェット性能)
前記各供試タイヤを、サイズ7.50×22.5のリムに組み付けて、内圧900kPa(相対圧)として車両に装着し、定積状態にて、厚さ2mmの水膜を表面に有する鉄板上で車両を初速30km/hでフルブレーキしたときの制動距離をそれぞれ計測した。その測定結果を指数値をもって表2に示す。表2中の評価は、比較例1のタイヤの制動距離を100とし実施例1のタイヤ及び比較例2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が小さいほど制動距離が短く、すなわち排水性が高いことを示す。
Figure 2010023760
表2の結果から、実施例1のタイヤは、突部の配設位置の適正化を図っていない比較例2のタイヤに対し2%優位であった。
(騒音性)
前記各供試タイヤを、サイズ7.50×22.5のリムに組み付けて、内圧900kPa(相対圧)として車両に装着し、定積状態にてテストコースを走行し、時速60km/h程度(惰性走行)における騒音性を通過騒音試験により、1/3オクターブで評価し、その結果を表3に示す。評価においては、比較例2のタイヤの気柱管周波数バンド対値を100の指数として表し、数値が大きい方が騒音レベルが大きいことを示す。
Figure 2010023760
表3の結果から、実施例1のタイヤは、比較例1のタイヤに対し優れていて、比較例2のタイヤと同等であった。
表2及び表3の結果より、実施例1のタイヤは、比較例2のタイヤに比べウェット性能が向上し、かつ比較例2のタイヤと同等の騒音低減効果が得られることが確認された。
この発明により、偏摩耗の抑制を図りつつ、さらに気柱管共鳴音の低減を実現してなお、優れた排水性能を確保することが可能となった。
この発明のタイヤの一実施形態を示すトレッドパターンの部分展開図である。 (a)は、図1中のA−A線に沿った断面を示す斜視図であり、(b)は、図1中のB−B線に沿った断面を示す断面図である。 この発明に従う種々の突起を例示する、図2(b)と同様の断面を示す断面図である。 従来のタイヤのトレッドパターンの部分展開図である。
符号の説明
1 トレッド踏面
2 センター周溝
3 中間周溝
4 ショルダー周溝
5 中央陸部
6 中間陸部
7 ショルダー陸部
8、11、13、14 横溝
9 中央ブロック
10、16、17 横サイプ
12 中間ブロック
15 ショルダーブロック
18 段差陸部
20、120 突部
21 突部のタイヤ径方向最外方位置
22 薄肉部分
22a 切欠面
24 薄肉部分のタイヤ径方向最内方位置

Claims (12)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に沿って形成され、該トレッド部を複数の陸部に区分する少なくとも1本の周溝と、該周溝に対して傾斜して延びてその周溝に開口する横溝と、
    少なくとも1本の周溝の溝底部からタイヤ径方向外側に延び、かつ、前記陸部の踏面よりもタイヤ径方向内側に位置するとともにタイヤの荷重負荷転動下で路面との間で滑り接触する頂面を有する段差陸部と、を具えるタイヤにおいて、
    前記横溝は、それが開口する周溝の溝深さよりも小さい溝深さを有し、
    前記段差陸部が配置された周溝の溝壁の、前記横溝が開口する位置に、該段差陸部に向けて突出する突部を設けたことを特徴するタイヤ。
  2. 前記突部は、前記周溝と直交する断面でみて、前記溝底部側の部分を切り欠いて形成した薄肉部分を有する、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記突部の薄肉部分の切欠面とこの突部が設けられた周溝の溝壁とのなす角度を70度以下とする、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記突部の薄肉部分と前記周溝との接合領域におけるタイヤ径方向最内方位置を、前記周溝と直交する断面でみて、この突部が設けられた周溝の溝底部よりもタイヤ径方向外側とする、請求項2又は3に記載のタイヤ。
  5. 前記突部の薄肉部分を、それを設けた周溝の溝底部と連続する曲率で連結してなる、請求項2〜4の何れか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記突部の最大突出長さを、前記周溝と直交する断面でみて、該突部が設けられた周溝の溝壁から前記段差陸部までの距離の20〜80%の範囲とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記突部の幅を、0.5mm以上及び該突部に隣接する横溝の溝幅の50%以下とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記突部を、タイヤに最大負荷能力を適用した条件下でのタイヤ接地域内に少なくとも1個配置してなる、請求項1〜7の何れか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記段差陸部の幅を、周溝の溝幅の20〜80%の範囲とする、請求項1〜8の何れか一項に記載のタイヤ。
  10. 前記横溝の配設ピッチを、20〜120mmの範囲とする、請求項1〜9の何れか一項に記載のタイヤ。
  11. 前記周溝を、ジグザグ状に屈曲して延びるジグザグ溝とする、請求項1〜10の何れか一項に記載のタイヤ。
  12. 段差陸部を、タイヤ幅方向最外側の周溝に設ける、請求項1〜11の何れか一項に記載のタイヤ。
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