JP2010023537A - 車体構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】トーボードの後退により車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまうことを防止することが出来る車体構造を提供する。
【解決手段】フロアパネル12と、フロアパネル前縁部から斜め上方に延びるトーボード8と、ダッシュパネル6と、トーボードに接続され後方に向けてフロアパネル上を車体前後方向に延びるフロアトンネル22と、を有する車体構造であって、フロアトンネルは、このトーボードと連続するようにそのトーボードに接続され、フロアトンネルとトーボードとの接続部には側面視でくの字状に折り曲げられた屈曲部24が設けられ、屈曲部の近傍には、その一端部が屈曲部より前方でトーボードに結合され、その他端部が屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側部に結合されている補強部材30が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】フロアパネル12と、フロアパネル前縁部から斜め上方に延びるトーボード8と、ダッシュパネル6と、トーボードに接続され後方に向けてフロアパネル上を車体前後方向に延びるフロアトンネル22と、を有する車体構造であって、フロアトンネルは、このトーボードと連続するようにそのトーボードに接続され、フロアトンネルとトーボードとの接続部には側面視でくの字状に折り曲げられた屈曲部24が設けられ、屈曲部の近傍には、その一端部が屈曲部より前方でトーボードに結合され、その他端部が屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側部に結合されている補強部材30が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、車体構造に係り、特に、トーボードとフロアトンネルとの接続部の近傍にくの字状に折り曲げられた屈曲部の補強部材を有する車体構造に関する。
従来、フロアトンネルの前部下面側に凹形状をしたリインフォースメントが設けられ、その前端面がダッシュパネルより前方側に突出した車体構造が知られている(特許文献1)。
しかしながら、上述したような従来の構造では、正突時、ダッシュパネル前方に突出したリインフォースメントが、後退してきたエンジンと干渉し、そのリインフォースメントによりフロアトンネルが後方に押される。フロアトンネルが後方に押されると、フロアパネルに曲げモーメントが発生してフロアパネルがめくり上がるように変形し、その結果、キャビンが変形し、乗員の生存空間が狭まってしまう。
また、そのようなリインフォースメントを有さない場合でも、図8に示すように、正突時にエンジン100が後退するとダッシュパネル102に衝突し、その衝撃力は、フロアトンネル103とトーボード104とに伝達される。トーボード104は、通常、トランスミッションや排気系等を収容するために上方に突出した突出部104aを有し、トーボード全体は、斜め上方且つ前方に向けて延びている。フロアトンネル103は、トーボード104の突出部に接続され、その接続部が側面視で屈曲している(屈曲部108)。
従って、ダッシュパネル102に衝撃力が加えられると、図8に示すように、ダッシュパネル102及びトーボード104を介して後方に向かう力Fがフロアトンネル103及びフロアパネル106に伝わる。また、ダッシュパネル102に加えられた衝撃力がトーボード104及びフロアトンネル103に加わると、図8に示すように、その屈曲部108を中心に大きな曲げモーメントMaが生じる。
このような曲げモーメントMaにより、屈曲部108を中心にしてトーボード104が、フロアトンネル103の側に向けて近づくように変形するので、トーボード104が後方に移動し、車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまう危険性がある。なお、後方に向く力により、例えば、図8に示すように、フロアトンネル103の変形に伴ってフロアパネル106がめくり上がるように変形する。その結果、フロントシート110が前方に傾いて、乗員を前方に投げ出してしまう、というような問題もある。
従来の構造では、フロアトンネルの補強部材(レインフォースメント)は、排気系との干渉で大きな断面がとれないため、これらの力Fや曲げモーメントMaによる変形挙動を押さえることが出来なかった。よって、フロアトンネルの変形が大きくなり、それによりトーボードが後退してしまい、乗員へ傷害を与える恐れがあった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、トーボードの後退により車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまうことを防止することが出来る車体構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明によれば、車室フロアを形成するフロアパネルと、このフロアパネルの車体前後方向前端部から斜め上方に延びるように形成されたトーボードと、このトーボードの上縁部から上方に延びるダッシュパネルと、トーボードに接続され後方に向けてフロアパネル上を車体前後方向に延びるフロアトンネルと、を有する車体構造であって、トーボードの車幅方向中央部には上方に突出した突出部が形成され、フロアトンネルは、このトーボードの突出部と連続するようにその突出部に接続され、フロアトンネルとトーボードの突出部との接続部には側面視でくの字状に折り曲げられた屈曲部が設けられ、屈曲部の近傍には、その一端部が屈曲部より前方でトーボードの突出部の突出した上方部分に結合され、その他端部が屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側部に結合されている補強部材が設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネル上のフロアトンネルとトーボードの突出部との接続部に設けられた屈曲部の近傍に、一端部が屈曲部より前方でトーボードの突出部の突出した上方部分に結合され、他端部が屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側面部に結合されている補強部材が設けられているので、屈曲部の曲げ剛性を向上させることが出来る。特に、屈曲部に曲げモーメントが加わる場合、一端部が屈曲部より前方でトーボードの突出部の突出した上方部分に結合され、他端部が屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側面部に結合されると、補強部材には引張力が加わるようになり、屈曲部近傍に加わる曲げモーメントを低減させることが出来る。従って、屈曲部を中心にトーボードが後退することを抑制することが出来、車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまうことを防止することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材は、側面視でほぼ上下方向に延びる板状部材であり、且つ、一端部が正面視でトーボードの突出部の上面部に沿って延びる上縁部であり、この上縁部が突出部の上面部の内方に結合され、且つ、他端部が正面視でフロアトンネルの側面部に沿って延びる側縁部であり、この側縁部がフロアトンネルの側面部の内方に結合されている。
このように構成された本発明においては、車両の正突時に屈曲部を中心に曲げモーメントが加わった場合、板状部材に引張力が生じる。ここで、板状部材は、その板状部材に曲げ力が加わって曲げ変形するよりも、引張力が加わってその板状部材の面内でせん断変形する方が耐荷重が大きく且つ変形が小さい。従って、本発明のように板状部材に引張力が加わるようにすれば、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動を抑制することが出来る。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。
このように構成された本発明においては、車両の正突時に屈曲部を中心に曲げモーメントが加わった場合、板状部材に引張力が生じる。ここで、板状部材は、その板状部材に曲げ力が加わって曲げ変形するよりも、引張力が加わってその板状部材の面内でせん断変形する方が耐荷重が大きく且つ変形が小さい。従って、本発明のように板状部材に引張力が加わるようにすれば、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動を抑制することが出来る。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材は、その下方で車幅方向に延びる下縁部を有し、この下縁部には、下方に向けて開口した開口部が形成されている。
このように構成された本発明においては、補強部材と排気系との干渉を抑制することが出来る。
このように構成された本発明においては、補強部材と排気系との干渉を抑制することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材には補強用リブが形成されている。
このように構成された本発明においては、トーボードの突出部及びフロアトンネルの曲げ剛性及びねじり剛性をより確実に向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、トーボードの突出部及びフロアトンネルの曲げ剛性及びねじり剛性をより確実に向上させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材に上下方向に延びる長孔が形成されている。
このように構成された本発明においては、補強部材の軽量化を図りつつ、トーボードの突出部及びフロアトンネルの曲げ剛性及びねじり剛性を向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、補強部材の軽量化を図りつつ、トーボードの突出部及びフロアトンネルの曲げ剛性及びねじり剛性を向上させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材は、左右一対の板状部材であり、それらの一端部がトーボードの突出部の内方の下面部の左右両側にそれぞれ結合され、且つ、それらの他端部がフロアトンネルの内方且つ下方の側面部にそれぞれ結合されている。
このように構成された本発明においては、上述したように、板状部材が、曲げ変形するような曲げモーメントの耐荷重より、せん断変形するような引張力の耐荷重が大きく且つ変形が小さいことを利用し、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動を抑制することが出来る。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。このような作用を、トーボードの下面部内及びフロアトンネル内の左右両側に設けたそれぞれの補強部材で得ることが出来る。また、それぞれの補強部材の間に排気系等を通すことも可能となる。
このように構成された本発明においては、上述したように、板状部材が、曲げ変形するような曲げモーメントの耐荷重より、せん断変形するような引張力の耐荷重が大きく且つ変形が小さいことを利用し、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動を抑制することが出来る。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。このような作用を、トーボードの下面部内及びフロアトンネル内の左右両側に設けたそれぞれの補強部材で得ることが出来る。また、それぞれの補強部材の間に排気系等を通すことも可能となる。
上記の目的を達成するために本発明によれば、車室フロアを形成するフロアパネルと、このフロアパネルの車体前後方向前端部から斜め上方に延びるように形成されたトーボードと、このトーボードの上縁部から上方に延びるダッシュパネルと、上記トーボード及び上記フロアパネルに形成され車体前後方向に延びるトンネル部と、を有する車体構造であって、トンネル部には側面視でくの字状に折り曲げられた屈曲部が設けられ、屈曲部の近傍には、その一端部が屈曲部より前方でトンネル部の突出した上方部分に結合され、その他端部が屈曲部より後方でトンネル部の下方の側面部に結合されている補強部材が設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、トンネル部に設けられた屈曲部の近傍に、一端部が屈曲部より前方でトンネル部の突出した上方部分に結合され、他端部が屈曲部より後方でトンネルの部下方の側部に結合されている補強部材が設けられているので、屈曲部の曲げ剛性を向上させることが出来る。特に、屈曲部に曲げモーメントが加わる場合、一端部が屈曲部より前方でトンネル部の突出した上方部分に結合され、他端部が屈曲部より後方でトンネル部の下方の側部に結合されると、補強部材には引張力が加わるようになり、屈曲部近傍に加わる曲げモーメントを低減させることが出来る。従って、屈曲部を中心にトーボードが後退することを抑制することが出来、車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまうことを防止することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材は、側面視でほぼ上下方向に延びる板状部材であり、且つ、一端部が正面視でトンネル部の突出した上方部分に沿って延びる上縁部であり、この上縁部がトンネル部の上面部の内方に結合され、且つ、他端部が正面視でトンネル部の側面部に沿って延びる側縁部であり、この側縁部がトンネル部の側面部の内方に結合されている。
このように構成された本発明においては、車両の正突時に屈曲部を中心に曲げモーメントが加わった場合、板状部材に引張力が生じる。ここで、板状部材は、その板状部材に曲げ力が加わって曲げ変形するよりも、引張力が加わってその板状部材の面内でせん断変形する方が耐荷重が大きく且つ変形が小さい。従って、本発明のように板状部材に引張力が加わるようにすれば、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動を抑制することが出来る。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。
このように構成された本発明においては、車両の正突時に屈曲部を中心に曲げモーメントが加わった場合、板状部材に引張力が生じる。ここで、板状部材は、その板状部材に曲げ力が加わって曲げ変形するよりも、引張力が加わってその板状部材の面内でせん断変形する方が耐荷重が大きく且つ変形が小さい。従って、本発明のように板状部材に引張力が加わるようにすれば、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動を抑制することが出来る。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、補強部材は、左右一対の板状部材であり、それらの一端部がトンネル部の突出した上方部分の内方にそれぞれ結合され、且つ、それらの他端部がトンネル部の内方且つ下方の側面部にそれぞれ結合されている。
このように構成された本発明においては、板状部材が、曲げ変形よりせん断変形の方が耐荷重が大きく且つ変形が小さいことを利用し、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動などを抑制することが出来る。これらの作用は、板状部材が、面外変形より面内変形の方が強度が大きいことを利用したものである。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。このような作用を、トーボードの突出部内及びフロアトンネル内の左右両側に設けたそれぞれの補強部材で得ることが出来る。また、それぞれの補強部材の間に排気系等を通すことも可能となる。
このように構成された本発明においては、板状部材が、曲げ変形よりせん断変形の方が耐荷重が大きく且つ変形が小さいことを利用し、軽量な構造で曲げモーメントの発生を抑制して、トーボードの後方への移動などを抑制することが出来る。これらの作用は、板状部材が、面外変形より面内変形の方が強度が大きいことを利用したものである。また、このような板状部材により、衝突時の変形だけでなく、フロアトンネル及びトーボードのねじり剛性をも高めることが出来る。このような作用を、トーボードの突出部内及びフロアトンネル内の左右両側に設けたそれぞれの補強部材で得ることが出来る。また、それぞれの補強部材の間に排気系等を通すことも可能となる。
本発明の車体構造によれば、トーボードの後退により車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまうことを防止することが出来る。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による車体構造の斜め上方且つ後方から見た斜視図であり、図2は、本発明の実施形態による車体構造の図1のA−A矢視図であり、図3は、本発明の実施形態による車体構造の図2のIII-III線に沿って見た断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による車体構造が適用された車体1は、左右一対のフロントサイドフレーム2を有し、それらの後端部には、図1及び図2に示すように、車幅方向に延びるクロスメンバ4が連結されている。フロントサイドフレーム2間はエンジンルームであり、エンジン3が配置されている。
図1は、本発明の実施形態による車体構造の斜め上方且つ後方から見た斜視図であり、図2は、本発明の実施形態による車体構造の図1のA−A矢視図であり、図3は、本発明の実施形態による車体構造の図2のIII-III線に沿って見た断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による車体構造が適用された車体1は、左右一対のフロントサイドフレーム2を有し、それらの後端部には、図1及び図2に示すように、車幅方向に延びるクロスメンバ4が連結されている。フロントサイドフレーム2間はエンジンルームであり、エンジン3が配置されている。
クロスメンバ4から上方には、エンジンルームと車室とを区画するダッシュパネル6が設けられ、クロスメンバ4の下方には、斜め後方に向けて傾斜して延びるトーボード8が設けられている。
このトーボード8は、ペダル類が配置されたり乗員がその足を置くところであり、図3に示すように、Aピラー10より前方で延びている。図1及び図3に示すように、トーボード8の後縁部には、フロアパネル12が接続されており、このフロアパネル12はほぼ水平に延びている。トーボード8及びフロアパネル12の下面には、上述したフロントサイドフレーム2の後端部から延びるフロアサイドフレーム14が結合されている。
トーボード8には、その車幅方向中央部で上方に突出した突出部(トンネル部)20が形成されており、この突出部の後縁部には、車幅方向中央部でフロアパネル12に対して上方に突出するように形成されたフロアトンネル(トンネル部)22が接続されている。図2に示すように、突出部20は下方に向けて開口したほぼハット状の断面形状を有しており、図1及び図2に示すように、フロアトンネル22もほぼ同様の下方に向けて開口したほぼハット状の断面形状を有している。これらの形状により、トーボード8の突出部20とフロアトンネル22とが、車体前後方向に連続するように形成されている。
図3に示すように、突出部20とフロアトンネル22との接続部24は、側面視で、「く」の字状に形成された屈曲部24となっている。即ち、フロアトンネル22はフロアパネル12上でほぼ水平に延び、トーボード8の突出部20は、側面視で、そのフロアトンネル22の前端部に接続され、屈曲部24から斜め前方且つ上方に向けて延びている。
なお、トーボード8を形成する部材は、図3に示すように、フロアパネル12上まで延び、その後方側のフロアトンネル22と結合部22aで結合されているが、本実施形態では、フロアトンネル22としては、フロアパネル12上を前方に向けて屈曲部24まで延びる部分を指し、トーボード8としては、その屈曲部24から前方に向けて延びる部分を指す。つまり、部材の差異ではなく、配置によって、トーボード8とフロアトンネル22を区別している。
図1乃至図3に示すように、本発明の実施形態では、この屈曲部24の下方に、屈曲部24近傍の剛性を高める補強部材30が取り付けられている。この補強部材30は、図3において側面視で示すように、薄く斜め上下方向に延びる板状部材であり、その上縁及び左右の側縁が、それぞれ、フランジ30aにより突出部20及びフロアトンネル22に溶接されて結合されている。
また、補強部材30は、図1において斜視図で、図2において正面図で示されるように、その上縁及び左右の側縁が、突出部20及びフロアトンネル22の形状に沿って延びている。そして、補強部材30は、その上縁部(一端部)30bがトーボード8の突出部20の内方の上方部分に結合され、その下方の左右の側縁部(他端部)30cが、フロアトンネル22の内方の側方部分に結合されている。
図1及び図2に示すように、補強部材30の下縁部30dは、下方に向けて開口した円弧状の凹部となっている。このように凹部を形成することにより、排気系(図示せず)がその下方に設けられるようになっている。
なお、補強部材30の変形例として、図4に正面図で示すように縦方向に延びるリブ30eを形成しても良く、或いは、図5に正面図で示すように縦方向に延びる孔部30fを形成しても良い。リブ30eにより、後述する突出部20及びフロアトンネル22の曲げ剛性及びねじり剛性をより確実に向上させることが出来る。また、孔部30fにより、軽量化を図ることが出来る。
また、補強部材30の他の変形例として、図6に図1のA−A矢視図で示すように、補強部材30を左右一対の2つの板状部材32に分割し、各補強部材32において、それらの上縁部(一端部)がトーボード8の突出部20の内方の上方部分に結合され、その下方の左右の側縁部(他端部)が、フロアトンネル22の内方の側方部分に結合されるようにしても良い。この場合、2つの板状部材32の間に排気系を通すことがより容易になる。
本発明の実施形態による作用効果を説明する。
先ず、フロアパネル12上にフロアトンネル22が設けられ、そのフロアトンネル22と連続するように形成されたトーボード8の突出部20との接続部に屈曲部24が形成されている。そして、屈曲部24の近傍に補強部材30が設けられ、この補強部材30は、その上縁部(一端部)30bが屈曲部24より前方でトーボード8の突出部20の突出した上方部分に結合され、下方側縁部(他端部)30cが屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側面部に結合されている。この補強部材30により屈曲部の曲げ剛性を向上させることが出来る。
先ず、フロアパネル12上にフロアトンネル22が設けられ、そのフロアトンネル22と連続するように形成されたトーボード8の突出部20との接続部に屈曲部24が形成されている。そして、屈曲部24の近傍に補強部材30が設けられ、この補強部材30は、その上縁部(一端部)30bが屈曲部24より前方でトーボード8の突出部20の突出した上方部分に結合され、下方側縁部(他端部)30cが屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側面部に結合されている。この補強部材30により屈曲部の曲げ剛性を向上させることが出来る。
この剛性向上のメカニズムを図7により説明すると、車両の正突時に、エンジン3が後方に移動し、ダッシュパネル6に衝撃力Fが加わると、屈曲部24には、図7においてMで示すようなモーメントが加わる。このようなモーメントMに対して、補強部材30は、その上縁部(一端部)30bが屈曲部24より前方で突出部20の突出した上方部分に結合され、下方側縁部(他端部)30cが屈曲部より後方でフロアトンネルの下方の側面部に結合されているので、補強部材30には、図7においてTで示すような引張力が加わる。
ここで、板状部材であれば、その板を面外方向に曲げるような曲げ変形よりも、その板に引張力を加えて板内部にせん断応力が発生するような変形の方が、耐荷重が大きく且つ変形が小さい。従って、図7に示すように、板状部材である補強部材30に引張力Tが加わるようにして、屈曲部24近傍の剛性を高めることが出来る。そして、補強部材30が板状部材であるので、軽量な構造で剛性を高めることが出来る。
従って、補強部材30を設ければ、図8に示すような、トーボード8とフロアパネル12との間、或いは、突出部20とフロアトンネル22の間に発生する曲げモーメントMaを軽減することが出来る。これにより、トーボード8が変形して後方へ移動することを抑制することが出来る。また、衝突時の変形だけでなく、補強部材30により、突出部20及びフロアトンネル22のねじり剛性をも高めることが出来る。これらの結果、正突時にトーボード8が後方に変形及び移動することにより車室の乗員の足もと空間を狭めて乗員に傷害を与えてしまうことを防止することが出来る。
6 ダッシュパネル
8 トーボード
12 フロアパネル
20 トーボードの突出部(トンネル部)
22 フロアトンネル(トンネル部)
24 屈曲部
30 補強部材
30a 補強部材のフランジ部
30b 補強部材の上縁部(一端部)
30c 補強部材の側縁部(他端部)
30d 補強部材の下縁部
8 トーボード
12 フロアパネル
20 トーボードの突出部(トンネル部)
22 フロアトンネル(トンネル部)
24 屈曲部
30 補強部材
30a 補強部材のフランジ部
30b 補強部材の上縁部(一端部)
30c 補強部材の側縁部(他端部)
30d 補強部材の下縁部
Claims (9)
- 車室フロアを形成するフロアパネルと、このフロアパネルの車体前後方向前端部から斜め上方に延びるように形成されたトーボードと、このトーボードの上縁部から上方に延びるダッシュパネルと、上記トーボードに接続され後方に向けて上記フロアパネル上を車体前後方向に延びるフロアトンネルと、を有する車体構造であって、
上記トーボードの車幅方向中央部には上方に突出した突出部が形成され、
上記フロアトンネルは、このトーボードの突出部と連続するようにその突出部に接続され、
上記フロアトンネルと上記トーボードの突出部との接続部には側面視でくの字状に折り曲げられた屈曲部が設けられ、
上記屈曲部の近傍には、その一端部が上記屈曲部より前方で上記トーボードの突出部の突出した上方部分に結合され、その他端部が上記屈曲部より後方で上記フロアトンネルの下方の側部に結合されている補強部材が設けられていることを特徴とする車体構造。 - 上記補強部材は、側面視でほぼ上下方向に延びる板状部材であり、且つ、上記一端部が正面視で上記トーボードの突出部の上面部に沿って延びる上縁部であり、この上縁部が上記突出部の上面部の内方に結合され、且つ、上記他端部が正面視で上記フロアトンネルの側面部に沿って延びる側縁部であり、この側縁部が上記フロアトンネルの側面部の内方に結合されている請求項1に記載の車体構造。
- 上記補強部材は、その下方で車幅方向に延びる下縁部を有し、この下縁部には、下方に向けて開口した開口部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の車体構造。
- 上記補強部材には補強用リブが形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車体構造。
- 上記補強部材に上下方向に延びる長孔が形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車体構造。
- 上記補強部材は、左右一対の板状部材であり、それらの一端部が上記トーボードの突出部の内方の下面部の左右両側にそれぞれ結合され、且つ、それらの他端部が上記フロアトンネルの内方且つ下方の側面部にそれぞれ結合されている請求項1に記載の車体構造。
- 車室フロアを形成するフロアパネルと、このフロアパネルの車体前後方向前端部から斜め上方に延びるように形成されたトーボードと、このトーボードの上縁部から上方に延びるダッシュパネルと、上記トーボード及び上記フロアパネルに形成され車体前後方向に延びるトンネル部と、を有する車体構造であって、
上記トンネル部には側面視でくの字状に折り曲げられた屈曲部が設けられ、
上記屈曲部の近傍には、その一端部が上記屈曲部より前方で上記トンネル部の突出した上方部分に結合され、その他端部が上記屈曲部より後方で上記トンネル部の下方の側面部に結合されている補強部材が設けられていることを特徴とする車体構造。 - 上記補強部材は、側面視でほぼ上下方向に延びる板状部材であり、且つ、上記一端部が正面視で上記トンネル部の突出した上方部分に沿って延びる上縁部であり、この上縁部が上記トンネル部の上記上方部分の内方に結合され、且つ、上記他端部が正面視で上記トンネル部の側面部に沿って延びる側縁部であり、この側縁部が上記トンネル部の側面部の内方に結合されている請求項7に記載の車体構造。
- 上記補強部材は、左右一対の板状部材であり、それらの一端部がトンネル部の突出した上方部分の内方にそれぞれ結合され、且つ、それらの他端部が上記トンネル部下方の側面部の内方にそれぞれ結合されている請求項7又は請求項8に記載の車体構造。
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JP2008183579A JP2010023537A (ja) | 2008-07-15 | 2008-07-15 | 車体構造 |
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JP2008183579A JP2010023537A (ja) | 2008-07-15 | 2008-07-15 | 車体構造 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2010023537A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112955369A (zh) * | 2018-11-06 | 2021-06-11 | 日本制铁株式会社 | 地板通道 |
-
2008
- 2008-07-15 JP JP2008183579A patent/JP2010023537A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112955369A (zh) * | 2018-11-06 | 2021-06-11 | 日本制铁株式会社 | 地板通道 |
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