JP2010023208A - ワークの切断方法及びワイヤソー - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができ、その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができるワークの切断方法及びワイヤソーを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の溝付きローラに巻掛けされたワイヤを軸方向に往復走行させ、切断するワークに当て板を接着し、該当て板を保持するワークプレートを介して、ワーク保持部により前記ワークを保持し、ノズルから前記ワイヤにスラリを供給しつつ、前記ワーク保持部により保持された前記ワークを相対的に押し下げて、往復走行する前記ワイヤに押し当てて切り込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離を40mm以上にして前記ワークを切断することを特徴とするワークの切断方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワーク(例えばシリコンインゴット、化合物半導体のインゴット等)から多数のウェーハを切り出すワークの切断方法、及びワイヤソーに関する。
従来、シリコンインゴットや化合物半導体インゴットなどからウェーハを切り出す手段として、ワイヤソーが知られている。このワイヤソーでは、複数のローラの周囲に切断用ワイヤが多数巻掛けられることによりワイヤ列が形成されており、その切断用ワイヤが軸方向に高速駆動され、かつ、スラリが適宜供給されながら前記ワイヤ列に対してワークが切り込み送りされることにより、このワークが各ワイヤ位置で同時に切断されるようにしたものである(特許文献1参照)。
より詳しくは、前記ワークの側面の一部においてワークの軸方向の略全域にわたって当て板が接着され、この当て板を保持するワークプレートがワーク送り機構のワーク保持部によって保持された状態でワーク全体が切り込み送りされ、前記当て板の反対側から切断用ワイヤにより切り込まれる。この際、ワイヤ列にワークを押圧する方向は、該ワークをワイヤ列に上方から押圧する方法と、下方から押圧する方法が知られているが、半導体シリコンインゴットの切断においては、該ワークをワイヤ列に上方から押圧する方法が主流である。
ここで、図4に、従来の一般的なワイヤソーの一例の概要を示す。
図4に示すように、このワイヤソー101は、主に、ワークWを切断するためのワイヤ102、ワイヤ102を巻掛けた溝付きローラ103、ワイヤ102に張力を付与するための機構104、切断されるワークWを下方へと送り出す機構105、切断時にスラリを供給する機構106で構成されている。
ワイヤ102は、一方のワイヤリール107から繰り出され、トラバーサ108を介してパウダクラッチ(定トルクモータ109)やダンサローラ(デッドウェイト)(不図示)等からなる張力付与機構104を経て、溝付きローラ103に入っている。ワイヤ102はこの溝付きローラ103に300〜400回程度巻掛けられた後、もう一方の張力付与機構104’を経てワイヤリール107’に巻き取られている。
また、溝付きローラ103は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラであり、巻掛けられたワイヤ102が、駆動用モータ110によって予め定められた周期で往復方向に駆動できるようになっている。
なお、ワークWの切断時には、図5に示すようなワーク送り機構105によって、ワークWは保持されつつ押し下げられ、溝付きローラ103に巻掛けられたワイヤ102に送り出される。このワーク送り機構105は、ワークを保持するためのワーク保持部111、ワークを下方へ送るためのLMガイド112およびワーク送り本体部113を備えており、コンピュータ制御でLMガイド112に沿ってワーク送り本体部113を駆動させることにより、予めプログラムされた送り速度で、ワーク保持部111により保持されたワークWを送り出すことが可能である。
なお、ワークWは当て板114に接着されており、また、この当て板114はワークプレート115により保持されている。そして、これらの当て板114、ワークプレート115を介して、ワーク保持部111によりワークWは保持される。
図5のワーク送り機構105の例では、当て板114の横幅がワークプレート115の横幅よりも狭く形成されているが、ワークプレート115の側縁部が当て板114の側面から外方に突出しないように当て板114の横幅を大きくすることにより、ワークプレート115の側縁部の下面に衝突して跳ね返ったスラリが切断中のウェーハに当たることによってウェーハの割れが発生するという問題を解決することを目的としたワイヤソーも知られている(特許文献2参照)。
しかし、このように当て板114の横幅を大きくすると、ワークWと当て板114との接着領域が大きくなり、ワーク切断後のウェーハと当て板114との剥離が困難になるといった問題があった。
また、図4に示すように、溝付きローラ103、巻掛けられたワイヤ102の近傍にはノズル117が設けられており、切断時にスラリタンク118からワイヤ102にスラリを供給できるようになっている。また、スラリタンク118にはスラリチラー116が接続されており、供給するスラリの温度を調整できるようになっている。
このようなワイヤソー101を用い、ワイヤ102にワイヤ張力付与機構104を用いて適当な張力をかけて、駆動用モータ110により、ワイヤ102を往復方向に走行させながらワーク送り機構105でワークを切り込み送りすることでスライスする。
しかしながら、上記のような従来の一般的なワイヤソーを用いてワークをウェーハ状に切断し、切断されたウェーハの形状を調べてみると、大きなWarpが生じてしまっていた。Warpは半導体ウェーハの切断における重要品質の一つであり、製品の品質要求が高まるにつれ、一層の低減が望まれている。
特開平9−262826号公報 特開平11−235653号公報
そこで、本発明者は、切断されたウェーハの形状を詳細に調査したところ、特に切断後半部でWarpが顕著に悪化していることが分かった。
このWarpの悪化原因を調査するために、切断中のワークの状態を観察した。ワーク切断部へのスラリの供給は、ワイヤ列の上方からスラリを掛けながらワーク側方位置へワイヤを軸方向に高速で駆動させることにより行われる。この際、ワイヤに付着してワークの切断部付近まで運ばれたスラリは、そのほとんどがワークへのワイヤ進入部でワークの側面に衝突して、ワークの外側へ飛散していることが分かった。
ここで、例えばワークが半導体シリコンインゴットのような円柱形状である場合、ワーク中央以降の切断時には、スラリはワークの上方に飛散するようになる。特に切断後半部では、切断部とワーク保持部との距離が小さくなり、ワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下していることが分かった。
すなわち、切断後半部で顕著にWarpが悪化しているのは、ワーク側面に衝突して飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返り、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下することにより、ワークが切断されてウェーハ状になった部分やワイヤが揺り動かされることが原因であることが明らかになった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、切断後半部でワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができ、その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができるワークの切断方法及びワイヤソーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の溝付きローラに巻掛けされたワイヤを軸方向に往復走行させ、切断するワークに当て板を接着し、該当て板を保持するワークプレートを介して、ワーク保持部により前記ワークを保持し、ノズルから前記ワイヤにスラリを供給しつつ、前記ワーク保持部により保持された前記ワークを相対的に押し下げて、往復走行する前記ワイヤに押し当てて切り込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離を40mm以上にして前記ワークを切断することを特徴とするワークの切断方法を提供する(請求項1)。
このように、前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離を40mm以上にして前記ワークを切断すれば、特に切断後半部においてワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができる。その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができる。
このとき、前記当て板の横幅を、前記ワークの直径の1/2以下とすることが好ましい(請求項2)。
このように、前記当て板の横幅を、前記ワークの直径の1/2以下とすれば、ワークと当て板の接着領域を小さくすることができ、ワーク切断後のウェーハと当て板との剥離を、ウェーハを破損することもなく容易に行うことができる。
また、本発明によれば、少なくとも、複数の溝付きローラに巻掛けされ、軸方向に往復走行するワイヤと、該ワイヤにスラリを供給するノズルと、切断されるワークに接着されている当て板と該当て板を保持するワークプレートを介して、前記ワークを保持しつつ相対的に該ワークを押し下げて前記ワイヤへ送るワーク送り機構を具備し、前記ノズルから前記ワイヤにスラリを供給しつつ、前記ワーク送り機構により保持された前記ワークを、往復走行する前記ワイヤに押し当てて切り込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワイヤソーであって、前記ワーク送り機構はワーク保持部を有し、該ワーク保持部により、前記当て板と前記ワークプレートを介して前記ワークを保持するものであり、前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離が40mm以上であるものであることを特徴とするワイヤソーを提供する(請求項3)。
このように、前記ワーク送り機構はワーク保持部を有し、該ワーク保持部により、前記当て板と前記ワークプレートを介して前記ワークを保持するものであり、前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離が40mm以上であるものであれば、ワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができる。その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができる。
このとき、前記当て板の横幅は、前記ワークの直径の1/2以下であることが好ましい(請求項4)。
このように、前記当て板の横幅が、前記ワークの直径の1/2以下であれば、ワークと当て板の接着領域を小さくすることができ、ワーク切断後のウェーハと当て板との剥離を、ウェーハを破損することもなく容易に行うことができる。
本発明では、ワイヤソーにおいて、ワーク保持部の下端面とワークの上端との距離を40mm以上にしてワークを切断するので、ワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができる。その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来の一般的なワイヤソーを用いてワークをウェーハ状に切断し、その切断されたウェーハの形状を調べてみると、大きなWarpが生じてしまっていた。Warpは半導体ウェーハの切断における重要品質の一つであり、製品の品質要求が高まるにつれ、一層の低減が望まれている。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく、切断されたウェーハの形状を詳細に調査したところ、特にワークの切断後半部でWarpが顕著に悪化していることが分かった。さらに調査、検討を行ったところ、ワークの切断後半部で顕著にWarpが悪化しているのは、ワークの側面に衝突して飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返り、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下することにより、ワークが切断されてウェーハ状になった部分やワイヤが揺り動かされることが原因であることが明らかになった。
そして、ワーク保持部の下端面とワークの上端との距離を広くしてワークの切断を行えば、上記したような切断後半部におけるWarpの悪化を抑制できることに想到し、ワーク保持部の下端面とワークの上端との最良の距離に関して実験を行い精査して、本発明を完成させた。
図1は本発明のワイヤソーの一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明のワイヤソー1は、主に、ワークWを切断するためのワイヤ2、ワイヤ2を巻掛けした溝付きローラ3、ワイヤ2に張力を付与するためのワイヤ張力付与機構4、切断するワークWを相対的に下方へと送り出すワーク送り機構5、切断時にスラリを供給するスラリ供給機構6等で構成されている。
ワイヤ2は、一方のワイヤリール7から繰り出され、トラバーサ8を介してパウダクラッチ(定トルクモータ9)やダンサローラ(デッドウェイト)(不図示)等からなるワイヤ張力付与機構4を経て、溝付きローラ3に入っている。ワイヤ2がこの溝付きローラ3に300〜400回程度巻掛けられることによってワイヤ列が形成される。ワイヤ2はもう一方のワイヤ張力付与機構4’を経てワイヤリール7’に巻き取られている。
図2に本発明のワイヤソーで用いることができるワーク送り機構の一例を示す。図2に示すように、ワークWは当て板14に接着されており、また、この当て板14はワークプレート15により保持されている。そして、これらの当て板14、ワークプレート15を介して、ワーク保持部11によりワークWが保持される。
また、ワークプレート15の横幅は、当て板14の横幅と略同一となっている。
このように、ワークプレート15の横幅が、当て板14の横幅と略同一であれば、ワークプレート15の当て板14の保持力を保ちつつ、ワークWから飛散したスラリがワークプレート15の下端面で跳ね返ってワークW及びワイヤ2へ落下するのを防ぐことができる。
このワーク送り機構5は、ワークWを保持しつつ押し下げるためのワーク保持部11、LMガイド12、ワーク送り本体部13を備えており、コンピュータ制御でLMガイド12に沿ってワーク保持部11を駆動させることにより、予めプログラムされた送り速度で保持されたワークWを送り出すことが可能である。
そして、このようにワーク送り機構5のワーク保持部11によって保持されたワークWは、切断を行う際、ワーク送り機構5により下方に位置するワイヤ2へと送られる。また、このワーク送り機構5は、ワイヤ2が当て板14に到達するまでワークWを下方へと押し下げることによって、ワークWをワイヤ2に押し当てて切り込み送りする。そして、ワークWの切断を完了させた後、ワークWの送り出し方向を逆転させることにより、ワイヤ列から切断済みワークWを引き抜くようにする。
ここで、図2に示すようなワーク送り機構5の例では、ワークWを下方へと押し下げて切り込み送りを行っているが、本発明において、ワークの送り出しは相対的に押し下げることにより行われれば良い。すなわち、ワークWを下方に送るのではなく、ワイヤ列を上方へと押し上げることによって、ワークWの送り出しを行うような構成となっていても良い。
また、溝付きローラ3は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラであり、巻掛けられたワイヤ2が、駆動用モータ10によって往復方向に駆動できるようになっている。そして、ワーク切断時には、ワイヤ張力付与機構4によって、ワイヤ2に適当な張力が付与できるようになっている。
また、溝付きローラ3に巻掛けされ、切断時に軸方向に往復走行するワイヤ2の上方にはノズル17が配置されており、ワークWの切断を行うときには、ワイヤ2にスラリを供給することができるようになっている。
ここで、スラリ供給手段6、すなわち、溝付きローラ3(ワイヤ2)にスラリを供給する手段について述べる。このスラリ供給手段6では、スラリタンク18から、スラリチラー16を介してノズル17に接続されており、供給されるスラリはスラリチラー16により供給温度が制御されてノズル17から溝付きローラ3(ワイヤ2)に供給できるようになっている。しかし、このような構成はこれに限定されず、例えば別の熱交換器を構成することによってスラリの供給温度の調整を行っても良い。
またここで、使用するスラリの種類は特に限定されず、従来と同様のものを用いることができ、例えばGC(炭化珪素)砥粒を液体に分散させたものとすることができる。
そして、本発明のワイヤソー1では、図2に示すように、ワーク保持部11の下端面とワークWの上端との距離Hが40mm以上となるように調整されている。
ここで、ワーク保持部11の下端面とワークWの上端との距離Hの調整は、例えばワークプレート15の厚さを調整することによって行うことができる。
このように、ワイヤソー1において、ワーク保持部11の下端面とワークWの上端との距離Hが40mm以上となっていれば、特に切断後半においてワークWから飛散したスラリがワーク保持部11の下端面で跳ね返って、ワークW及びワイヤ2へ勢いよく落下するのを抑制することができる。その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができる。
このとき、当て板14の横幅は、ワークWの直径の1/2以下であることが好ましい。
ワークWの側面で飛散したスラリの影響を抑制する従来の方法として、当て板14の横幅をワークの直径の1/2以上とする方法が知られている。このような従来方法のように、当て板14の横幅をワークの直径の1/2以上とすれば、ワークプレート15やワーク保持部11から跳ね返ったスラリがワークWへ落下するのを抑制することができるものの、ワークWと当て板14の接着領域が大きくなり、ワーク切断後のウェーハと当て板14との剥離が困難になり、ウェーハを破損させてしまう可能性があった。
しかし、本発明によれば、当て板14の横幅をワークWの直径の1/2以下、望ましくは、ワークWの切断の際に、該ワークWを安全に吊り下げ保持可能な最少の横幅として、ワークWと当て板14の接着領域を小さくし、ワーク切断後のウェーハと当て板14との剥離を、ウェーハを破損することもなく容易に行うことができるようにしつつ、ワーク保持部の下端面とワーク上端との距離を40mm以上とすることでワークプレート15やワーク保持部11から跳ね返ったスラリがワークWへ勢いよく落下するのを抑制することができる。
次に、本発明に係るワークの切断方法について説明する。ここでは、図1、図2に示すようなワイヤソー1、ワーク送り機構5を用いた場合の切断方法について述べる。
まず、図2に示すように、ワークWに当て板14を接着し、該当て板14をワークプレート15により保持する。そして、これらの当て板14、ワークプレート15を介して、ワーク保持部11によりワークWを保持する。
このとき、ワーク保持部11の下端面とワークWの上端との距離Hが40mm以上となるように調整する。
このようなワーク保持部11の下端面とワークWの上端との距離Hの調整は、例えばワークプレート15の厚さを調整することによって行うことができる。或いは、当て板14の厚さを調整して行っても良い。
そして、ワイヤ2に張力を付与して軸方向へ往復走行させ、スラリ供給機構6によりワイヤ2へのスラリ供給を行った状態で、ワーク送り機構5のLMガイド12に沿ってワーク保持部11を駆動させ、ワークWを下降させて該ワークWをワイヤ列に対して切り込み送りさせてワークWを切断していく。
このように、ワーク保持部11の下端面とワークWの上端との距離が40mm以上となるようにしてワークWを切断すれば、切断後半部においてワークWから飛散したスラリがワーク保持部11の下端面で跳ね返って、ワークW及びワイヤ2へ勢いよく落下するのを抑制することができる。その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができる。
ここでは、図2に示すようなワイヤソーのワーク送り機構を用い、ワークを下方に送るようにして切り込み送りしているが、本発明に係るワークの切断方法では、これに限定されず、ワークの送り出しは相対的に押し下げることにより行われれば良い。すなわち、ワークWを下方に送るのではなく、ワイヤ列を上方へと押し上げることによって、ワークWの送り出しを行うようにしても良い。
ここで、ワイヤ2に付与する張力の大きさや、ワイヤ2の走行速度等は適宜設定することができる。例えば、ワイヤの走行速度を、400〜800m/minとすることができる。また、ワイヤ列に対して切り込み送りさせる時の切り込み送り速度を、例えば0.2〜0.4mm/minとすることができる。これらの条件は、これに限定されるわけではない。
またここで、特に限定されるわけではないが、ワーク切断時のワイヤ2を往復走行させる際のワイヤ反転サイクルを、例えば60sとすることができる。また、切断時にワイヤ2に供給されるスラリとして、例えばGC#1000とクーラントとを混ぜたものを用いることができ、その重量比を、例えば50:50の割合とすることができる。また、スラリの温度は、例えば、15℃〜30℃とすることができる。
このようにしてワークWの切断が進められ、ワイヤ列がワークWの上面の当て板14まで到った時点で、すなわちワークWの切断が完了した時、ワークWの送り出し方向を逆転させることにより、ワイヤ列から切断済みワークWを引き抜くようにする。
このとき、当て板14の横幅を、ワークWの直径の1/2以下とすることが好ましい。
このように、当て板14の横幅を、ワークWの直径の1/2以下とすれば、ワークWと当て板14の接着領域を小さくすることができ、ワークWの切断後のウェーハと当て板14との剥離を、ウェーハを破損することもなく容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明では、ワイヤソーにおいて、ワーク保持部の下端面とワークの上端との距離を40mm以上としてワークを切断するので、ワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができる。その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような本発明のワイヤソーを用い、表1に示す切断条件で、直径300mm、軸方向の長さ300mmのシリコンインゴットを本発明の切断方法によりウェーハ状に切断した。図2に示すようなワーク送り機構を用い、ワーク保持部の下端面とワークの上端との距離Hを、ワークプレートの厚さを変更することにより、40〜100mmの間で変更し、それぞれの場合の切断後のウェーハのWarpを比較した。ワークプレートの横幅は100mm、当て板の横幅は90mmとした。その結果を図3に示す。
Figure 2010023208
そして、距離Hを40mm以上とすれば、十分なWarpの改善効果が得られることが確認できた。
このように、本発明のワークの切断方法及びワイヤソーは、ワークから飛散したスラリがワーク保持部の下端面で跳ね返って、ワーク及びワイヤへ勢いよく落下するのを抑制することができ、その結果、切断するウェーハのWarpを改善することができることが確認できた。
(比較例)
図4に示すような従来のワイヤソーを用い、ワーク保持部の下端面とワークの上端との距離Hを10mm、20mm、30mmとした以外、実施例と同様な条件でシリコンインゴットをウェーハ状に切断し、切断後のウェーハのWarpを比較した。
その結果を図3に示す。
図3に示すように、ワーク保持部の下端面とワークの上端との距離Hが大きくなるほどWarpに改善が見られ、その効果は、特に距離Hが30mmから50mmの間が顕著であることが分かる。
また、距離Hが50mm以上になると、Warpの改善量が小さくなっているが、これは、ワーク側面から飛散したスラリがワーク保持部の下端面にほとんど到達せずにワーク及びワイヤへ落下するようになったためである。
一方、図3に示すように、比較例においては、実施例の結果と比較するとWarpが悪化していることが分かる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係るワイヤソーの一例を示す概略図である。 本発明に係るワイヤソーにおけるワーク送り機構の一例を示した概略図である。 実施例、比較例の結果を示す図である。 従来のワイヤソーの一例を示す概略図である。 従来のワイヤソーにおけるワーク送り機構の一例を示した概略図である。
符号の説明
1…ワイヤソー、2…ワイヤ、3…溝付きローラ、
4、4’…ワイヤ張力付与機構、5…ワーク送り機構、6…スラリ供給機構、
7、7’…ワイヤリール、8…トラバーサ、9…定トルクモータ、
10…駆動用モータ、11…ワーク保持部、12…LMガイド、
13…ワーク送り本体部、14…当て板、15…ワークプレート、
16…スラリチラー、17…ノズル、18…スラリタンク。

Claims (4)

  1. 複数の溝付きローラに巻掛けされたワイヤを軸方向に往復走行させ、切断するワークに当て板を接着し、該当て板を保持するワークプレートを介して、ワーク保持部により前記ワークを保持し、ノズルから前記ワイヤにスラリを供給しつつ、前記ワーク保持部により保持された前記ワークを相対的に押し下げて、往復走行する前記ワイヤに押し当てて切り込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、
    前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離を40mm以上にして前記ワークを切断することを特徴とするワークの切断方法。
  2. 前記当て板の横幅を、前記ワークの直径の1/2以下とすることを特徴とする請求項1に記載のワークの切断方法。
  3. 少なくとも、複数の溝付きローラに巻掛けされ、軸方向に往復走行するワイヤと、該ワイヤにスラリを供給するノズルと、切断されるワークに接着されている当て板と該当て板を保持するワークプレートを介して、前記ワークを保持しつつ相対的に該ワークを押し下げて前記ワイヤへ送るワーク送り機構を具備し、前記ノズルから前記ワイヤにスラリを供給しつつ、前記ワーク送り機構により保持された前記ワークを、往復走行する前記ワイヤに押し当てて切り込み送りし、前記ワークをウェーハ状に切断するワイヤソーであって、
    前記ワーク送り機構はワーク保持部を有し、該ワーク保持部により、前記当て板と前記ワークプレートを介して前記ワークを保持するものであり、
    前記ワーク保持部の下端面と前記ワークの上端との距離が40mm以上であるものであることを特徴とするワイヤソー。
  4. 前記当て板の横幅は、前記ワークの直径の1/2以下であることを特徴とする請求項3に記載のワイヤソー。
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