JP2010018669A - 低分子量エポキシ樹脂、およびそれを含む熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

低分子量エポキシ樹脂、およびそれを含む熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融粘度が低いため流動性が高いた低分子量エポキシ樹脂およびそれを使用した耐熱性および耐湿性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】オルソ位同士がメチレン結合で結合しているオルソ置換フェノール類の2核体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の面積比による含有率が50質量%以上で、かつ重量平均分子量と数平均分子量の分散度が1.5以下である低分子量ノボラック樹脂をエポキシ化してなる低分子量エポキシ樹脂、並びに、この低分子量エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低分子量エポキシ樹脂、およびそれを含む熱硬化性樹脂組成物に関し、特に、溶融粘度が低いため流動性が高い低分子量エポキシ樹脂を含み、耐熱性、耐湿性を著しく向上させることができる熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来より、エポキシ樹脂組成物は、耐熱性、密着性、電気絶縁性等に優れた硬化物が得られることから、半導体封止材、プリント配線基板、塗料、注型材料用途等に好適に用いられている。半導体封止材用としては耐熱性および難燃性に優れることからノボラック型エポキシ樹脂が用いられているが、近年、半導体の高集積化や実装方式の多様化に伴い、従来の耐熱性、難燃性と共にエポキシ樹脂組成物の高流動性が求められている。
その解決手段の一つとして充填剤の使用量増加がある。充填剤量を多くすることにより成形品の線膨張係数の低減や吸湿率の低減、難燃性の向上が可能となるが、一方で充填量が多くなることにより配合物の流動性が低下し、成形性が悪くなるという問題が生じるため、樹脂成分の低粘度化が必要となる。
このような問題を解決するため、特許文献1にはエポキシ樹脂の粘度を下げる手段として、エポキシ樹脂のエポキシ基の一部をフェノール類と反応する方法が提案されている。しかし特許文献1で示されたエポキシ樹脂は、エポキシ基の一部がフェノール類との反応によって消費されていることから、硬化物の架橋密度が低下し、結果として硬化性が劣り、耐熱性、電気特性等で充分満足できるものではない。
また、特許文献2には、ビスフェノールFをエポキシ化した樹脂が提案されている。ここで使用しているビスフェノールFの2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタンの含有率を下げることにより常温での低粘度を達成しているが、一般的にフェノールノボラック型エポキシ樹脂は耐湿性がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に比べて劣ることから、ビスフェノールFベースのエポキシも例外ではない。
特開平8−245748号公報 特開平7−179566号公報
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、溶融粘度が低いため流動性の高い低分子量エポキシ樹脂、および耐熱性、耐湿性を著しく向上させることができる熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、オルソ位同士がメチレン結合で結合しているオルソ置換フェノール類の2核体が主成分となる低分子量ノボラック樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂によって達成されることを見出し本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、
1. 下記一般式(1)で示される、オルソ位同士がメチレン結合で結合しているオルソ置換フェノール類の2核体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の面積比による含有率が50質量%以上で、かつ重量平均分子量と数平均分子量の分散度が1.5以下である低分子量ノボラック樹脂をエポキシ化してなる低分子量エポキシ樹脂、
Figure 2010018669
(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基である。)
2. 請求項1記載の低分子量エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物、及び
3. さらに充填剤を含む請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物、
を提供するものである。
本発明の低分子量エポキシ樹脂は、溶融粘度が低いため流動性が高く、それを使用した熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性、耐湿性に優れる。
本発明の低分子量エポキシ樹脂は、上記一般式(1)で表される、オルソ位同士がメチレン結合で結合しているオルソ置換フェノール類の2核体のGPCの面積比による含有率が50質量%以上で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の分散度が1.5以下である低分子量ノボラック樹脂をエポキシ化して得ることができる。
上記低分子量ノボラック樹脂においては、一般式(1)で表される2核体の含有率は55質量%以上であると好ましく、MwとMnの分散度が1.4以下であると好ましい。
一般式(1)において、Rが示すアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
Rが示すアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
前記低分子量ノボラック樹脂は、オルソ置換フェノール類とホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドとを、弱酸性触媒存在下、系中の水分を除去しつつ反応させることにより、高収率で得られる。
この方法により、オルソ位同士がメチレン結合で結合しているオルソ置換フェノール類の2核体を主成分とする前記低分子量ノボラック樹脂が高収率で得られる。
オルソ置換フェノール類としては、例えば、オルソクレゾール、オルソエチルフェノール、オルソプロピルフェノール、オルソ−s−ブチルフェノール、オルソ−t−ブチルフェノール、オルソフェニルフェノール等が挙げられ、オルソクレゾール、オルソフェニルフェノールが好ましい。これらを単独もしくは2種以上を併用して使用することができる。
前記ホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドの使用量は、オルソ置換フェノール類の合計量1モルに対して、通常0.3〜1.5モル、好ましくは0.3〜1.2モルの割合で用いる。ホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドが0.3モル以上であれば、樹脂の収率が十分であり、1.5モル以下であれば、反応に関与しないホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドの割合が多くならず経済的にも良好である。
前記低分子量ノボラック樹脂の反応に使用する触媒の種類はオルソ置換フェノール類のオルソ−オルソ結合を形成させる上で重要である。オルソ−オルソ結合を形成させるには反応系を弱酸性とすることが必要であり、弱酸性触媒であれば特に限定されず公知のものを用いれば良く、例えば二価金属(Ca、Mg、Znなど)の酢酸塩類、ホウ酸、二価金属(Ca、Mg、Znなど)ホウ酸塩などが挙げられ、具体的には、酢酸亜鉛、ホウ酸、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム等が好ましく挙げられる。
この触媒を単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
また、弱酸性触媒の配合量は、オルソ置換フェノール類100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.2〜5質量部の割合である。通常のノボラック樹脂を製造するときに使用する触媒として、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などがあるが、これらを使用すると反応系のpHが低くなり、その結果オルソ−オルソ以外の結合が生じて樹脂が高分子量化するため目的の樹脂が得られない。
オルソ置換フェノール類とホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドは弱酸性触媒の存在下、系内の水分を除去しながら反応させることが重要である。それ以外の反応条件については特に制限はなく、例えば、オルソ置換フェノール類とホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒド、並びに触媒を一括で仕込み反応させる方法、またはオルソ置換フェノール類と触媒を仕込み、所定の反応温度にてホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドを添加する方法が挙げられる。このとき反応温度は100〜180℃の範囲で行うと好ましい。100℃以上であると反応の進行速度も良好で、かつ未反応のアルデヒドやメチロール基が残存することもない。また、反応時間も特に制限はなく、ホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒド、並びに触媒の量、反応温度により調整すればよい。反応の際、有機溶媒を使用することも可能である。
反応に用いる有機溶媒としては、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。これらを単独でもしくは2種以上を併用して使用できる。
有機溶媒の量としては、オルソ置換フェノール類100質量部に対して、1000質量部以下、好ましくは10〜100質量部程度、必要に応じて使用することができる。反応後は、必要に応じて水洗して残存触媒を除去しても良い。更に減圧蒸留または水蒸気蒸留を行って未反応物であるオルソ置換フェノール類を除去しても良い。
本発明の低分子量エポキシ樹脂は、前記低分子量ノボラック樹脂をエポキシ化することで得られ、具体的には、低分子量ノボラック樹脂とエピハロヒドリンを塩基性触媒の存在下で反応することによって得られる。エピハロヒドリンとしては、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。エピハロヒドリンの配合量は、低分子量ノボラック樹脂の水酸基に対して当モル以上、好ましくは3モル以上である。塩基性触媒としては、通常のエポキシ樹脂を合成する際に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。塩基性触媒の配合量は低分子量ノボラック樹脂の水酸基に対して当モル以上である。
低分子量ノボラック樹脂とエピハロヒドリンとの反応は公知の方法で行えばよい。例えば、低分子量ノボラック樹脂とエピハロヒドリンを仕込んで塩基性触媒を徐々に添加する方法が挙げられる。このときの反応温度は25〜100℃の範囲で行うと良い。また、反応時間も特に制限はなく、エピハロヒドリンおよび触媒の量、反応温度により調整すればよい。反応後、未反応のエピハロヒドリンを蒸留によって除去し、さらに水洗を数回行って塩を除去しても良い。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の低分子量エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を含む。また性能に悪影響を及ぼさない範囲で本発明の低分子量エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を併用しても良い。
本発明の低分子量エポキシ樹脂と共に本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いることのできる他のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」と略すことがある。)としては特に限定されず、公知のエポキシ樹脂が使用できる。他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等の二価のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール変性型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等の三価以上のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、有機リン化合物で変性されたエポキシ樹脂などが挙げられる。またこれらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
前記エポキシ樹脂の硬化剤としては特に限定されず、フェノール樹脂、酸無水物、アミン類などが挙げられるが、耐熱性および耐湿性に優れる点から、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂としてはフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、カシューノボラック樹脂などが挙げられる。中でも流動性に優れることから前記一般式(1)で示される低分子量ノボラック樹脂が好ましい。
この場合の低分子量エポキシ樹脂と低分子量ノボラック樹脂との混合割合は低分子量ノボラック樹脂の水酸基1.0当量に対し、低分子量エポキシ樹脂のエポキシ当量0.8〜1.2当量の範囲が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化反応を促進する目的で、硬化促進剤を適宜使用することもできる。硬化促進剤としては、特に限定されず公知のものを使用すれば良く、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上を併用して使用することができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には必要に応じて、充填剤、改質剤として使用される熱硬化性および熱可塑性樹脂、顔料、シランカップリング剤、離型剤等の種々の配合剤を目的に応じて添加することができる。
前記充填剤としては、特に限定されず公知のものを使用すれば良く、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム等が挙げられる。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は適用用途や所望特性によって、望ましい範囲が異なるが、例えば、半導体封止材用途に使用する場合は、線膨張係数や難燃性を鑑みれば高い方が好ましく、組成物全体量に対して65質量%以上添加することが好ましく、特に好ましくは85質量%以上である。また、導電ペーストや導電フィルムなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
前記改質剤として使用される熱硬化性および熱可塑性樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用すれば良く、例えば、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の合成例に限定されるものではない。以下、部および%は質量基準である。
実施例1(低分子量エポキシ樹脂の製造)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、ノボラック樹脂(昭和高分子製、ショウノールNCR−135;ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン含有率65%、分散度1.3、水酸基当量118)100g、エピクロロヒドリン400g(4.3モル)、塩化テトラメチルアンモニウム0.1gを仕込み、内温を60℃で1時間保持した後、同一温度で48%水酸化カリウム水溶液100g(0.86モル)を3時間かけて滴下した。その際、系内は60℃で還流するよう13.3Kpa・Gの減圧とし、溜出するエピクロロヒドリンと水の混合物の内、水は系外に除去し、エピクロロヒドリンは系内に戻しながら反応を行った。滴下終了後同温度で1時間反応した後、減圧蒸留で未反応エピクロロヒドリンを回収除去した。こうして得られたエポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン400gを加え、数回水洗を行い塩を除去した。次いでメチルイソブチルケトンを減圧蒸留によって除去し、重量平均分子量390、分散度1.2、25℃粘度24,000mPa・s、150℃粘度1mPa・s以下、エポキシ当量185の低分子量液状エポキシ樹脂Aを得た。これらの結果を表1に示す。また、このエポキシ樹脂のGPCチャートを図1に、IRチャートを図2に示す。
実施例1、2および比較例1、2で得られた樹脂についての分析方法は以下の通りである。
(1)GPC
カラム構成は昭和電工社製KF−801+KF−802+KF−802+KF−803(商品名)で行い、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し流量1ml/分で測定した。分子量はポリスチレン換算、面積分率は全ピーク面積中の百分率で算出した。
(2)25℃粘度
B型回転粘度計で測定した。
(3)150℃粘度
リサーチ・イクウィップ社製ICI粘度計で測定した。
(4)エポキシ当量
JIS K 7236に準拠
実施例2(低分子量エポキシ樹脂の製造)
実施例1において、ノボラック樹脂としてNCR−195(昭和高分子製;ビス(2−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メタン含有率85%、分散度1.2、水酸基当量176)を使用した以外は同様に行い、重量平均分子量310、分散度1.2、25℃粘度21,000mPa・s、150℃粘度1mPa・s以下、エポキシ当量249の低分子量液状エポキシ樹脂Bを得た。これらの結果を表1に示す。
比較例1(エポキシ樹脂の製造)
実施例1において、ノボラック樹脂としてショウノールBRG−553(フェノールノボラック;ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン含有率6%、分散度1.3、水酸基当量118)を使用した以外は同様に行い、重量平均分子量400、分散度1.3、25℃粘度5,200mPa・s、150℃粘度23mPa・s、エポキシ当量175の液状エポキシ樹脂Cを得た。これらの結果を表1に示す。
比較例2(エポキシ樹脂の製造)
比較例1において、ノボラック樹脂としてショウノールCRG−951(オルソクレゾールノボラック;ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン含有率1%、分散度1.5、水酸基当量1)を使用した以外は同様に行い、重量平均分子量1050、分散度1.5、150℃粘度480mPa・s、エポキシ当量205の塊状エポキシ樹脂Dを得た。これらの結果を表1に示す。

Figure 2010018669
実施例3(熱硬化性樹脂組成物の調製)
実施例1で得られた低分子量エポキシ樹脂に、低分子量ノボラック樹脂ショウノールNCR-135をエポキシ基と当量になるように配合し、硬化促進剤のトリフェニルフォスフィンを低分子量エポキシ樹脂100部に対して1部、さらに充填剤として溶融シリカ粉末を配合物全質量の90%になるように配合した。これらを100℃の熱ロールにて溶融混練して熱硬化性樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性樹脂組成物を金型にて170℃、15分、圧力30kg/cm2で加圧成形した後、170℃で3.5時間アフターキュアを行って、テストピースを作製した。得られたテストピースについて、下記方法で特性を評価した結果を表2に示す。
実施例4(熱硬化性樹脂組成物の調製)
実施例1で得られた低分子量エポキシ樹脂に代えて、実施例2で得られた低分子量エポキシ樹脂を使用した以外は実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得て、テストピースを作製し、その特性を評価した。結果を表2に示す。
比較例3(樹脂組成物の調製)
実施例1で得られた低分子量エポキシ樹脂に代えて、比較例1で得られたエポキシ樹脂を使用した以外は実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得て、テストピースを作製し、その特性を評価した。結果を表2に示す。
比較例4(樹脂組成物の調製)
実施例1で得られた低分子量エポキシ樹脂に代えて、比較例2で得られたエポキシ樹脂を使用した以外は実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得て、テストピースを作製し、その特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例3、4、及び比較例3、4においては、得られたテストピースについて、吸水率、ガラス転移温度、線熱膨張係数を次の方法により評価した。
(5)吸水率
楠本化成社製プレッシャークッカーを使用して、121℃で20時間保持した後の重量増加率を測定した。
(6)ガラス転移温度と熱膨張係数の評価
実施例4〜6、比較例4〜6で得られたテストピースを用いて、耐熱性の評価としてSII社製SSC/5200(商品名)を使用してTMA法にてガラス転移温度及び線膨張係数を測定した。昇温速度は10℃/分で行った。
Figure 2010018669
本発明の低分子量エポキシ樹脂は、溶融粘度が低いため流動性が高く、それを使用した熱硬化性樹脂組成物は耐熱性、耐湿性に優れている。
本発明の低分子量エポキシ樹脂を半導体封止材用として使用した場合、充填剤量を多くすることにより成形品の線膨張係数の低減や吸湿率の低減、難燃性の向上が可能となる。また、その硬化物は、良好な耐熱性、耐湿性、機械的特性、電気絶縁性、金属との接着性などを有し、従って、高信頼性を必要とする電子材料用途に非常に有効である。具体的には電子部品の封止材用樹脂組成物、プリント基板用樹脂組成物、プリント基板および樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、レジストインキ、導電ペースト(導電性充填剤含有)、塗料、接着剤、複合材料等に利用可能である。
実施例1におけるエポキシ樹脂のGPCチャートである。 実施例1におけるエポキシ樹脂のIRチャートである。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示される、オルソ位同士がメチレン結合で結合しているオルソ置換フェノール類の2核体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の面積比による含有率が50質量%以上で、かつ重量平均分子量と数平均分子量の分散度が1.5以下である低分子量ノボラック樹脂をエポキシ化してなる低分子量エポキシ樹脂。
    Figure 2010018669
    (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基である。)
  2. 請求項1記載の低分子量エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物。
  3. さらに充填剤を含む請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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