JP2010018040A - ボールペン - Google Patents
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Abstract
【課題】チップ先端に設けられたインク溶剤の蒸発を防止する保護被膜が、筆記することで取り外されるボールペンを提供する。
【解決手段】直径が1.0mm以下のボールと、前記ボールを保持するホルダと、前記ボールの先端から前記ホルダの先端の一部までを被覆する保護被膜とを備えたチップを有するボールペンであって、前記ボールの直径をx(mm)及び前記ホルダの先端から前記保護被膜の後端までの距離をy(mm)としたときに、y≦0.82−0.51xなる関係式を満たす。
【選択図】図2
【解決手段】直径が1.0mm以下のボールと、前記ボールを保持するホルダと、前記ボールの先端から前記ホルダの先端の一部までを被覆する保護被膜とを備えたチップを有するボールペンであって、前記ボールの直径をx(mm)及び前記ホルダの先端から前記保護被膜の後端までの距離をy(mm)としたときに、y≦0.82−0.51xなる関係式を満たす。
【選択図】図2
Description
本発明は、チップ先端にインク溶剤の蒸発を防止する保護被膜を備えたボールペンに関する。
従来から、いわゆるゲルインクボールペンと呼ばれる剪断減粘性を有する水性インクを充填してなるボールペンが知られている。このボールペンはインクが水性であり、先端が乾燥しやすいという問題があった。
この問題を解決したボールペンとして、チップ内部にスプリングを入れてチップに弁機能を持たせ、先端からのインク溶剤である水の蒸発を抑制したゲルインクボールペンが一般に発売されるようになった。
しかしこのようなボールペンであっても、チップ先端部からのインク溶剤である水の蒸発を完全に抑制できないことから、ユーザが使用を開始するまでの商品の品質を保証するために、チップ先端にインク溶剤の蒸発を防止する保護被膜が取り付けられていることが多い。
この問題を解決したボールペンとして、チップ内部にスプリングを入れてチップに弁機能を持たせ、先端からのインク溶剤である水の蒸発を抑制したゲルインクボールペンが一般に発売されるようになった。
しかしこのようなボールペンであっても、チップ先端部からのインク溶剤である水の蒸発を完全に抑制できないことから、ユーザが使用を開始するまでの商品の品質を保証するために、チップ先端にインク溶剤の蒸発を防止する保護被膜が取り付けられていることが多い。
この保護被膜は、通常、樹脂製でチップ先端にほぼ球状を呈するように形成されていることが多い。この保護被膜は、一般的にその外形が小さく、視認性があまり高いとは言えない。そのため、ユーザは保護被膜を付けたまま筆記を試みることがある。この場合、この保護被膜によって筆記先端は筆記面に接触できず筆記はできないため、ユーザはボールペン自体を不良品と誤解してしまうことがあった。
かかるユーザの誤解を防止する対策として、例えば下記の特許文献1において、保護被膜の視認性を高めたボールペンが提案されている。このボールペンにあっては樹脂製の保護被膜を有色とすることにより、使用開始の際に、ユーザにチップ先端部の保護被膜に気付く可能性を高め、ボールペンが不良品であると誤解させることを防止しようとするものである。
実用新案登録第3076019号公報
かかるユーザの誤解を防止する対策として、例えば下記の特許文献1において、保護被膜の視認性を高めたボールペンが提案されている。このボールペンにあっては樹脂製の保護被膜を有色とすることにより、使用開始の際に、ユーザにチップ先端部の保護被膜に気付く可能性を高め、ボールペンが不良品であると誤解させることを防止しようとするものである。
上記のような保護被膜が先端に取り付けられているボールペンにおいては、その組立工程や輸送段階で起こり得る衝撃などによって、保護被膜がチップから外れる可能性があるため、そうならないように、先端からの保護被膜の付着距離を長くするなどして、チップに対する保護被膜の付着強度を強くしている。そのため、ボールペン使用開始時に手指によってチップから保護被膜を取り除く作業を必要とし、ボールペン使用開始時の取り扱いが面倒であるという問題点があった。
また、保護被膜の付着強度が強くなっていることにより、保護被膜の一部が取り残される可能性もある。そして、使用開始後も保護被膜がチップに付着していると、異物として認識される可能性もあり、外観が悪くなり商品価値が低下するという問題点もあった。
また、保護被膜の付着強度が強くなっていることにより、保護被膜の一部が取り残される可能性もある。そして、使用開始後も保護被膜がチップに付着していると、異物として認識される可能性もあり、外観が悪くなり商品価値が低下するという問題点もあった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、チップ先端に設けられたインク溶剤の蒸発を防止する保護被膜が、ユーザの特別な作業を必要とすることなく、筆記の開始により容易に除去可能なボールペンを提供することを目的とする。
前記した目的を達成するためになされた本発明に係るボールペン1は、直径が1.0mm以下のボール3cと、前記ボール3cを保持するホルダ3dと、前記ボール3cの先端から前記ホルダ3dの先端の一部までを被覆する保護被膜9とを備えたチップ3bを有するボールペン1であって、前記ボール3cの直径をx(mm)及び前記ホルダ3dの先端から前記保護被膜9の後端までの距離をy(mm)としたときに、
y≦0.82−0.51x
であることを特徴とする。
すなわち、保護被膜9がホルダ3dに付着する部位の軸方向距離(以下、「付着距離」と称する。)が上記関係式を満たす場合には、保護被膜9は筆記の開始により容易に除去されることとなっている。
y≦0.82−0.51x
であることを特徴とする。
すなわち、保護被膜9がホルダ3dに付着する部位の軸方向距離(以下、「付着距離」と称する。)が上記関係式を満たす場合には、保護被膜9は筆記の開始により容易に除去されることとなっている。
この保護被膜9は、たとえば、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のような合成樹脂で形成することが可能である。
なお、本発明が適用可能なボール径の下限については今のところ不明であるが、少なくとも0.55mmまでは適用可能であることは実験により確認済みである。
また、前記yで定義される付着距離の下限についても今のところ不明であるが、少なくとも0.04mmとなるようなボールペン1は製造可能であり、このようなボールペン1においては保護被膜9は筆記の開始により容易に除去可能であることは実験により確認済みである。
なお、本発明が適用可能なボール径の下限については今のところ不明であるが、少なくとも0.55mmまでは適用可能であることは実験により確認済みである。
また、前記yで定義される付着距離の下限についても今のところ不明であるが、少なくとも0.04mmとなるようなボールペン1は製造可能であり、このようなボールペン1においては保護被膜9は筆記の開始により容易に除去可能であることは実験により確認済みである。
以上の説明で明らかなとおり、本発明に係るボールペンによると、チップ先端に設けられたインク溶剤の蒸発を防止する保護被膜が、ユーザの特別な作業を必要とすることなく、筆記の開始により容易に除去可能なボールペンを得ることができる。
具体的には、前記保護被膜は筆記の開始によって容易に除去されるため、ボールペン使用開始時に手指によってチップから保護被膜を取り除く作業を行う必要がなく、ボールペン使用上の取り扱いを便利なものにすることができる。
また、前記保護被膜は筆記の開始によって容易に除去されるため、この保護被膜について認知していないユーザが、この保護被膜をチップに付着した異物として認識する可能性を低減せしめ、誤解による商品価値の低下を防止できる。
具体的には、前記保護被膜は筆記の開始によって容易に除去されるため、ボールペン使用開始時に手指によってチップから保護被膜を取り除く作業を行う必要がなく、ボールペン使用上の取り扱いを便利なものにすることができる。
また、前記保護被膜は筆記の開始によって容易に除去されるため、この保護被膜について認知していないユーザが、この保護被膜をチップに付着した異物として認識する可能性を低減せしめ、誤解による商品価値の低下を防止できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。ここで、図1は、本発明の1の実施の形態に係るボールペン1の全体を、一部断面で示した側面図である。図2は、同実施の形態に係るボールペン1の要部の正面図を拡大して示したものである。なお、以下の説明において「前方」という場合には、ボールペン1の筆記先端の方向を指し、「後方」とは、その反対方向を指すものとする。
図1に示すように、本実施の形態に係るボールペン1は、ノック式のボールペン1であり、ペン本体2及びボールペンリフィール3などを備えている。
前記ペン本体2は、軸筒4及び先口5を有している。前記軸筒4の前方端部(図1では下方端部)には雄ねじ4aが形成される。
図1に示すように、本実施の形態に係るボールペン1は、ノック式のボールペン1であり、ペン本体2及びボールペンリフィール3などを備えている。
前記ペン本体2は、軸筒4及び先口5を有している。前記軸筒4の前方端部(図1では下方端部)には雄ねじ4aが形成される。
また、前記先口5の後方端部(図1では上方端部)には雌ねじ部5aが形成され、前記雄ねじ部4aと螺合し、一体化するように形成されている。
一方、前記軸筒4の後方から、内筒6が挿入されている。すなわち、内筒6の外面に形成された突起6aが、軸筒4に形成された嵌入孔4bに係止することで、内筒6は軸筒4に固定される。また、この内筒6の内周面には、軸方向に走る突条として形成されるリブ状突起6bが放射状に等配されている。このリブ状突起6bの間の間隙は、カム溝6cとなっている。
前記ペン本体2の内部には、ボールペンリフィール3と、前記ボールペンリフィール3を後方(ノック体7側)に常時付勢するスプリング8と、前記ボールペンリフィール3の後端部に接する回転子10とが収容されている。また、前記内筒6の後方端部にはノック体7が連結されて、該ノック体7の一部は前記ペン本体2外に露出され、使用者によって押圧可能に構成されている。このノック体7の押圧により、回転子10が前方に押圧される。
一方、前記軸筒4の後方から、内筒6が挿入されている。すなわち、内筒6の外面に形成された突起6aが、軸筒4に形成された嵌入孔4bに係止することで、内筒6は軸筒4に固定される。また、この内筒6の内周面には、軸方向に走る突条として形成されるリブ状突起6bが放射状に等配されている。このリブ状突起6bの間の間隙は、カム溝6cとなっている。
前記ペン本体2の内部には、ボールペンリフィール3と、前記ボールペンリフィール3を後方(ノック体7側)に常時付勢するスプリング8と、前記ボールペンリフィール3の後端部に接する回転子10とが収容されている。また、前記内筒6の後方端部にはノック体7が連結されて、該ノック体7の一部は前記ペン本体2外に露出され、使用者によって押圧可能に構成されている。このノック体7の押圧により、回転子10が前方に押圧される。
前記回転子10は、前方側に位置する比較的大径の前半部10aと、後方側に位置し、前記ノック体7内部に挿入可能な比較的小径の後半部10bとで構成される。前半部10aの外周面には、前記カム溝6cを前後方向に摺動可能な突条として形成されるカム突起10cが設けられ、前記カム溝6cと共にカム機構を形成している。
一方、前記ボールペンリフィール3は、中芯3a及びチップ3b(回転可能なボール3c及びこのボール3cを指示するホルダ3dから成る)を有し、スプリング8によって後方(ノック体7側)に常時付勢されている。前記中芯3aは、インクを充填してなる管体によって形成されている。このチップ3bの先端部には、図2に示すように、チップ3bの開口部を封止する保護被膜9が取り付けられている。
一方、前記ボールペンリフィール3は、中芯3a及びチップ3b(回転可能なボール3c及びこのボール3cを指示するホルダ3dから成る)を有し、スプリング8によって後方(ノック体7側)に常時付勢されている。前記中芯3aは、インクを充填してなる管体によって形成されている。このチップ3bの先端部には、図2に示すように、チップ3bの開口部を封止する保護被膜9が取り付けられている。
そして、このように構成されたボールペン1にあっては、非筆記状態においてペン本体2内にチップ3bを収容し、筆記状態においては使用者がノック体7を押圧することにより、ペン本体2外にチップ3bの先端を露出させる。
このとき、ノック体7により押圧された回転子10の前半部10aの後縁が内筒6のリブ状突起6bの前縁に係止されることにより、チップ3bの先端部の露出状態が維持される。また、この状態から同様に使用者がノック体7を押圧することにより、回転子10の前半部10aの後縁と内筒6のリブ状突起6bの前縁との係合が解除され、スプリング8の反発力により、ペン本体2内にチップ3bが収容される。
このとき、ノック体7により押圧された回転子10の前半部10aの後縁が内筒6のリブ状突起6bの前縁に係止されることにより、チップ3bの先端部の露出状態が維持される。また、この状態から同様に使用者がノック体7を押圧することにより、回転子10の前半部10aの後縁と内筒6のリブ状突起6bの前縁との係合が解除され、スプリング8の反発力により、ペン本体2内にチップ3bが収容される。
また、前記保護被膜9はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂によって形成される。すなわち、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂原料を150℃から200℃程度の温度に熱して溶融状態とする。この樹脂原料に、チップ3bの先端を浸したのち直ちに引き出す。そして、引き出して数秒後には先端の樹脂は硬化し、保護被膜9が形成されることとなる。
この保護被膜のチップ3bへの付着距離、すなわち、ホルダ3d先端縁から保護被膜後端までの距離(図2中のy、単位mm)は、ボール3cの径をx(mm)とすると、
y≦0.82−0.51x
なる関係式を満たすように設定されている。
この保護被膜のチップ3bへの付着距離、すなわち、ホルダ3d先端縁から保護被膜後端までの距離(図2中のy、単位mm)は、ボール3cの径をx(mm)とすると、
y≦0.82−0.51x
なる関係式を満たすように設定されている。
以上のように構成されたボールペン1において、ユーザがノック体7を押圧操作することによってチップ3bの先端をペン本体2外に露出させて筆記を試みると、この筆記動作によって保護被膜9が筆記荷重を受ける。この筆記荷重によって保護被膜9がチップ3bから離脱し、ボールペン1は筆記可能な状態となる。
このように保護被膜9の付着距離yを上記の通りとすることで、筆記の開始によって容易に除去可能となるため、ユーザにとって使い勝手が良く、ボールペン1自体が不良品として認識されることもない。また、手筆記動作で、チップから保護被膜を離脱させることができるため、ボールペン1使用時に手指によってチップから保護被膜を取り除く作業が不要となり、ボールペン1使用上の取り扱いを便利なものとすることができる。
このように保護被膜9の付着距離yを上記の通りとすることで、筆記の開始によって容易に除去可能となるため、ユーザにとって使い勝手が良く、ボールペン1自体が不良品として認識されることもない。また、手筆記動作で、チップから保護被膜を離脱させることができるため、ボールペン1使用時に手指によってチップから保護被膜を取り除く作業が不要となり、ボールペン1使用上の取り扱いを便利なものとすることができる。
なお、本実施の形態においては、ノック機構を備えたノック式ボールペン1に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の形式のノック式ボールペン1にも適用可能であり、さらにノック式ボールペン1以外のボールペンに適用しても何ら差し支えない。
また、本実施の形態においては保護被膜9がエチレン酢酸ビニル共重合体である場合について説明したが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、他の材質であっても良い。また、その製造方法についても同様である。
また、本実施の形態においては保護被膜9がエチレン酢酸ビニル共重合体である場合について説明したが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、他の材質であっても良い。また、その製造方法についても同様である。
次に、下記実験を行い、本発明の効果について検証を行った。
[実験方法]
付着距離yを各種設定した保護被膜付きのボールペン1(チップのボール径0.55mm、0.7mm、1.0mm)を用い、温度25℃、60%の環境下において2cmの直線を手筆記(手動作による筆記)し、筆記荷重を加えて筆記が終了するまでに前記保護被膜9が除去できたか否かを確認した。その結果を下記の表1に示す。なお、表中の「○」は保護被膜9が除去できたこと、また、「×」は除去できなかったことを意味する。ちなみに、表中の「z」は、図2に示すように、ホルダ3dの先端縁から保護被膜9先端までの軸方向距離(以下、「先端距離」と称する。)を示す。
[実験方法]
付着距離yを各種設定した保護被膜付きのボールペン1(チップのボール径0.55mm、0.7mm、1.0mm)を用い、温度25℃、60%の環境下において2cmの直線を手筆記(手動作による筆記)し、筆記荷重を加えて筆記が終了するまでに前記保護被膜9が除去できたか否かを確認した。その結果を下記の表1に示す。なお、表中の「○」は保護被膜9が除去できたこと、また、「×」は除去できなかったことを意味する。ちなみに、表中の「z」は、図2に示すように、ホルダ3dの先端縁から保護被膜9先端までの軸方向距離(以下、「先端距離」と称する。)を示す。
まず、比較例1から4まで、及び、実施例1から4までの、ボール径0.55mmの場合について検討する。この場合、前記関係式、すなわち、
y≦0.82−0.51x
から導かれる付着距離yの上限は、0.54mmとなる。
この付着距離yの上限を超えている比較例1から4までにおいては、保護被膜9は除去できなかった。これに対し、この付着距離yの上限以下の実施例1から4までにおいては、いずれも保護被膜9は除去できた。したがって、ボール径0.55mmの場合については、上記関係式から導かれる付着距離yの上限は、保護被膜9の除去についての臨界的意義が認められた。
y≦0.82−0.51x
から導かれる付着距離yの上限は、0.54mmとなる。
この付着距離yの上限を超えている比較例1から4までにおいては、保護被膜9は除去できなかった。これに対し、この付着距離yの上限以下の実施例1から4までにおいては、いずれも保護被膜9は除去できた。したがって、ボール径0.55mmの場合については、上記関係式から導かれる付着距離yの上限は、保護被膜9の除去についての臨界的意義が認められた。
次に、比較例5から8まで、及び、実施例5から12までの、ボール径0.7mmの場合について検討する。この場合、前記関係式から導かれる付着距離yの上限は、0.46mmとなる。
この付着距離yの上限を超えている比較例5から8までにおいては、保護被膜9は除去できなかった。これに対し、この付着距離yの上限以下の実施例5から12までにおいては、いずれも保護被膜9は除去できた。したがって、ボール径0.7mmの場合については、上記関係式から導かれる付着距離yの上限は、保護被膜9の除去についての臨界的意義が認められた。
この付着距離yの上限を超えている比較例5から8までにおいては、保護被膜9は除去できなかった。これに対し、この付着距離yの上限以下の実施例5から12までにおいては、いずれも保護被膜9は除去できた。したがって、ボール径0.7mmの場合については、上記関係式から導かれる付着距離yの上限は、保護被膜9の除去についての臨界的意義が認められた。
そして、比較例9から12まで、及び、実施例13から21までの、ボール径1.0mmの場合について検討する。この場合、前記関係式から導かれる付着距離yの上限は、0.31mmとなる。
この付着距離yの上限を超えている比較例9から12までにおいては、保護被膜9は除去できなかった。これに対し、この付着距離yの上限以下の実施例13から21までにおいては、いずれも保護被膜9は除去できた。したがって、ボール径1.0mmの場合については、上記関係式から導かれる付着距離yの上限は、保護被膜9の除去についての臨界的意義が認められた。
この付着距離yの上限を超えている比較例9から12までにおいては、保護被膜9は除去できなかった。これに対し、この付着距離yの上限以下の実施例13から21までにおいては、いずれも保護被膜9は除去できた。したがって、ボール径1.0mmの場合については、上記関係式から導かれる付着距離yの上限は、保護被膜9の除去についての臨界的意義が認められた。
なお、0.55mm以下のボール径、たとえば0.38mmのボール径を有するボールについても同様に実験を行ったが、ボール径xと付着距離yとの間に、上述のような、
y≦0.82−0.51x
なる関係が成立することが認められた。
ちなみに、先端距離z、すなわち、保護被膜9のうち、ホルダ先端に直接付着している部分以外の部分の距離については、表1に示すとおり、いずれのボール径においても、保護被膜9の除去の可否との間には何らの関連も見いだせないため、保護被膜9の除去については意義のあるパラメータとは考えられない。
y≦0.82−0.51x
なる関係が成立することが認められた。
ちなみに、先端距離z、すなわち、保護被膜9のうち、ホルダ先端に直接付着している部分以外の部分の距離については、表1に示すとおり、いずれのボール径においても、保護被膜9の除去の可否との間には何らの関連も見いだせないため、保護被膜9の除去については意義のあるパラメータとは考えられない。
1 ボールペン 2 ペン本体
3 ボールペンリフィール
3a 中芯 3b チップ
3c ボール 3d ホルダ
4 軸筒
4a 雄ねじ 4b 嵌入孔
5 先口 5a 雌ねじ
6 内筒 6a 突起
6b リブ状突起 6c カム溝
7 ノック体 8 スプリング
9 保護被膜
10 回転子 10a 前半部
10b 後半部 10c カム突起
3 ボールペンリフィール
3a 中芯 3b チップ
3c ボール 3d ホルダ
4 軸筒
4a 雄ねじ 4b 嵌入孔
5 先口 5a 雌ねじ
6 内筒 6a 突起
6b リブ状突起 6c カム溝
7 ノック体 8 スプリング
9 保護被膜
10 回転子 10a 前半部
10b 後半部 10c カム突起
Claims (1)
- 直径が0.55mm以上かつ1.0mm以下のボールと、
前記ボールを保持するホルダと、
前記ボールの先端から前記ホルダの先端の一部までを使用が開始されるまでの間被覆するとともに使用の開始によって除去されるほぼ球状の保護被膜と
を備えたチップを有するボールペンであって、
前記ボールの直径をx(mm)及び前記ホルダの先端から前記保護被膜の後端までの距離をy(mm)としたときに、
0.04≦y≦0.82−0.51x
であることを特徴とするボールペン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009248359A JP2010018040A (ja) | 2009-10-29 | 2009-10-29 | ボールペン |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009248359A JP2010018040A (ja) | 2009-10-29 | 2009-10-29 | ボールペン |
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---|---|---|---|
JP2003302846A Division JP2005067128A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | ボールペン |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010018040A true JP2010018040A (ja) | 2010-01-28 |
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ID=41703383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009248359A Pending JP2010018040A (ja) | 2009-10-29 | 2009-10-29 | ボールペン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010018040A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07222948A (ja) * | 1994-02-10 | 1995-08-22 | Sailor Pen Co Ltd:The | 塗布具 |
-
2009
- 2009-10-29 JP JP2009248359A patent/JP2010018040A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07222948A (ja) * | 1994-02-10 | 1995-08-22 | Sailor Pen Co Ltd:The | 塗布具 |
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