JP2010017762A - プレス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、低背かつ水平方向の応力負担が少ない機械プレス装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明によるプレス装置では、プレス装置を駆動する偏心回転軸と、該回転軸に接続され回動自在に該回転軸を支承するよう配置された円弧状外周面を有する支持駆動体と、該駆動体の外周面に接して回動自在に配置された円弧状支承空洞を有する支承体と、該支承体に連結されフレーム内で上下に摺動自在に保持されたスライダとからなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械プレス装置に関する。
従来の機械プレス装置においては、例えば特許文献1に示されるように、クランクシャフトとスライドとはコンロッド、プランジャとを介して連結される。これが最も単純な構成であるが、コンロッドの存在によりその長さ分だけプレス装置の高さが高くなってしまうという問題点がある。また、コンロッドとプランジャとが連結ピンの部分のみで連結されるため、プレス応力の負荷がこの部分に集中し、ガタが発生しやすいという問題点もある。ガタが発生するとプレスのブレークスルー時に大きな騒音が発生する原因の一つとなる。また、使用する金型にも悪影響を与える。
上記のようなコンロッドによる不具合を改善し機械プレス装置の背丈を低く抑える試みとして特許文献2が提案されている。この技術ではコンロッドを用いず、水平方向に摺動する滑り案内機構を用いてクランク軸の偏心部の回転運動を直接往復直線運動に変換する機構を提案している。これにより機械プレス装置の背丈を低く抑えることができ、またスライド位置調整用のアジャストスクリューも設けることができる。しかし、この機構の場合、滑り案内機構が水平方向に摺動するため、回転運動−直線運動変換部の左右の壁部に過度の応力がかかることになり、プレス力の損失を招き、また磨耗を早める原因ともなる。
また、特許文献3においては、ラム内に上記特許文献2のような滑り案内機構を設けた機械プレス装置が提案されている。この技術によっても、コンロッドがないためプレス装置の背丈を低く抑えることが可能となるが、回転運動−直線運動変換部がラムと一体化しているため位置調整用のアジャストスクリューを設けることができないという問題点がある。この文献においては、滑り案内機構の摺動面を曲面とした実施例も示されているが、基本的に滑り案内機構が左右に摺動することに変わりはないので、ラムの左右壁面にはやはり過度の応力がかかることになる。
特公平7−59360号公報 特開2003−311486号公報 特開昭55−48500号公報
上述の問題点に鑑みて本発明は、低背かつ水平方向の応力負担が少ない機械プレス装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明によるプレス装置では、プレス装置を駆動する偏心回転軸と、該回転軸に接続され回動自在に該回転軸を支承するよう配置された円弧状外周面を有する支持駆動体と、該駆動体の外周面に接して回動自在に配置された円弧状支承空洞を有する支承体と、該支承体に連結されフレーム内で上下に摺動自在に保持されたスライダとからなることを特徴とする。
前記支持駆動体の前記円弧状外周面が円筒状であり、該外周面と接する前記支承空洞内表面も前記支持駆動体とほぼ同じ曲率を有する円筒状に形成することが望ましい。
また前記支持駆動体の前記円弧状外周面を部分球面状とし、該外周面と接する前記支承空洞内表面も前記支持駆動体とほぼ同じ曲率を有する部分球面状に形成することも好適である。
さらに、前記偏心回転軸の中心を、前記支持駆動体の中心に対して水平方向にずらして配置することにより、スライダの下降動作と上昇動作を非対称とすることもできる。
本発明に使用する偏心軸は、クランク軸だけでなく、エキセン軸でも良い。
本発明によるプレス装置では、コンロッドを用いず支持ロッドと変換部との組み合わせにより偏心回転軸の回転運動を往復曲線運動に変換してスライダに伝達するので、プレス装置の低背化が可能となる。
また、支持駆動体と支承体とが円周面または部分球状面により接触摺動するため、応力集中を分散して軽減することが可能となり、これによりプレス装置の長寿命化及び高精度化を実現できる。
以下、好適な実施例の図面に基づいて本発明を説明する。本発明によるプレス装置の第1の実施例の正面断面図を図1に示した。また、この実施例のプレス装置の要部構造を示す斜視断面図を図2に示した。プレス装置のフレーム1内にスライダ2が摺動自在に内接している。スライダ2は、連結部8を介して支承体3に連結されている。支承体3は内部に円筒状支承空洞4を備え、この支承空洞4内に支持駆動体5が収納される。支持駆動体5の外周面6は、支承空洞4とほぼ同じ曲率を有する円筒状とし、支承体3に対して回動自在に接している。この接触方法については、両面による摺動接触が利用できるが、これに限定されるものではない。また、支承空洞4及び支持駆動体外周面6は部分球面状とすることも可能である。支持駆動体5はさらに、外周面6の近傍において、偏心軸7に回動自在に接続されている。この例において使用した偏心軸7はクランク軸であり、その構造を図3に示した。駆動軸11の間に、連結板13を挟んで伝達軸12が設けられ、この伝達軸12の中心は駆動軸11の中心からずらして配置されている。この偏心軸7はさらに、回転動力源に連結されている。
上記実施例においては、スライダ2は支承体3を介して支持駆動体5により支承され、支持駆動体5は偏心軸7により支承されて、結果として偏心軸7の回転によりスライダが駆動される構成となっている。連結部8に調節スクリューを設けて連結部の長さを調整すれば、支承体3とスライダ2との相対的距離を変えることができ、それによりスライダ2の高さが調整できることになる。
次に、本実施例の動作について説明する。支持駆動体5は偏心軸7に接続されているため、偏心軸7の回転に伴って動力を受ける。しかし、支承体3内に収納されて位置規制されているために水平方向及び垂直方向に移動することはできない。一方、支持駆動体5は偏心軸7に対しては回動自在に接続され、支承体3に対しても外周面6において回動可能に接しているので、偏心軸7の回転力により回動する。例えば、図1において偏心軸7が時計回りに回転すると、支持駆動体5は反時計回りに回動する。しかし、支持駆動体5の半径は偏心軸7の回転半径よりも大きく設定されているため、偏心軸7のクランクが水平になったところで支持駆動体5の回動は一旦停止する。偏心軸7がさらに回転を続けると、今度は支持駆動体5は時計回りに回動を始める。同様の動作が反対側端部においても繰り返される。これによって、偏心軸7の回転により支持駆動体5は左右への回動往復動作を繰り返すことになる。
偏心軸7の回転軸は固定されているため、偏心軸7の回転に従って支持駆動体5との接続部位置が上下に移動することになり、これによって支持駆動体5を回動自在に支持している支承体3を介してスライダ2が上下に駆動されてプレス動作が行われることになる。
コンロッドタイプではない特許文献2及び特許文献3の従来型プレス装置では、滑り子の上下に滑り部が形成されているため、水平方向の応力がそのまま滑り案内機構の左右壁面に印加され多大な負担が強いられていた。しかし、本発明によるプレス装置では、支承体3と支持駆動体5とが曲面で接触しているため、水平方向及び垂直方向の応力を面全体で受け止めることができ、局部的な負担が軽減される。またこの構成により、コンロッドタイプのプレス装置のようなコンロッドとスライダとの連結部のガタが生ずる恐れがない。
図4には、本発明によるプレス装置の第2の実施例を示す。この実施例では、支持駆動体5と偏心軸7との接続部を支持駆動体5の下側に配置したものである。動作としては、第1の実施例とほぼ同じである。
図5は、本発明によるプレス装置の第3の実施例を示す正面断面図である。この実施例においては、支持駆動体5と偏心軸7との接続は上記第1の実施例とほぼ同じであるが、ただ、支持駆動体5の中心線(A−A’)に対して、偏心軸7の接続位置(B−B’)を水平方向にずらして配置してある。この構成によって、プレス時のスライダ2の下降と上昇動作を非対称にすることができ、下死点のコントロールが可能となる。その他の動作は上記第1の実施例の場合と同じである。
図6は、本発明によるプレス装置の第4の実施例を示す正面断面図である。この実施例においては、上記第1の実施例におけるクランク軸をエキセン軸に換えたものであり、要部の構造を示す斜視断面図を図7に、エキセン軸の構造を図8にそれぞれ示した。動作としては、第1の実施例とほぼ同じである。
図9は、本発明によるプレス装置の第5の実施例を示す正面断面図である。この実施例においては、上記第3の実施例におけるクランク軸をエキセン軸に換えたものである。動作としては、第1の実施例とほぼ同じである。
上述の実施例においては、支承体3及び支持駆動体5として円筒状または部分球面状のように断面円形状に形成した例を説明したが、必ずしも断面が完全円形状である必要はなく、主たる応力負担箇所以外の形状を省略して、部分的な曲面(例えば、支持駆動体5の左右両側に平坦部を設けるなど)としても同様の効果を得ることができる。また、上述の実施例はすべて1ポイントプレス装置として説明したが、1台のプレス装置内に複数の偏心回転軸を設け、それぞれの軸に対して支持ロッドや変換部を接続するマルチポイントプレス装置に本発明を応用することも可能である。
本発明によるプレス装置では、コンロッドを用いず支持駆動体5と支承体3との組み合わせによりクランク軸の回転運動を往復直線運動に変換してスライダに伝達するので、プレス装置の低背化が可能となり、スライダの位置調整にも対応できる。また、支持駆動体5と支承体3とが曲面で接触するので、応力集中を分散して軽減することが可能となり、これによりプレス装置の長寿命化及び高精度化を実現できる。このように、本発明により、プレス装置の小型化、長寿命化及び高精度化に大いに貢献できるものである。
本発明によるプレス装置の第1の実施例を示す正面断面図である。 図1に示した第1の実施例の要部を示す斜視断面図である。 図1に示した第1の実施例に使用したクランク軸の構造を示す斜視図である。 本発明によるプレス装置の第2の実施例を示す正面断面図である。 本発明によるプレス装置の第3の実施例を示す正面断面図である。 本発明によるプレス装置の第4の実施例を示す正面断面図である。 図6に示した第4の実施例の要部を示す斜視断面図である。 図6に示した第4の実施例に使用したエキセン軸の構造を示す斜視図である。 本発明によるプレス装置の第5の実施例を示す正面断面図である。
符号の説明
1 フレーム
2 スライダ
3 支承体
4 支承空洞
5 支持駆動体
6 円弧状外周面
7 偏心軸
8 連結部
11 駆動軸
12 伝達軸
13 連結板

Claims (5)

  1. プレス装置を駆動する偏心回転軸と、該回転軸に接続され回動自在に該回転軸を支承するよう配置された円弧状外周面を有する支持駆動体と、該駆動体の外周面に接して回動自在に配置された円弧状支承空洞を有する支承体と、該支承体に連結されフレーム内で上下に摺動自在に保持されたスライダとからなることを特徴とするプレス装置。
  2. 前記支持駆動体の前記円弧状外周面が円筒状であり、該外周面と接する前記支承空洞内表面も前記支持駆動体とほぼ同じ曲率を有する円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のプレス装置。
  3. 前記支持駆動体の前記円弧状外周面が部分球面状であり、該外周面と接する前記支承空洞内表面も前記支持駆動体とほぼ同じ曲率を有する部分球面状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のプレス装置。
  4. 前記偏心回転軸の中心が、前記支持駆動体の中心に対して水平方向にずれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス装置。
  5. 前記偏心回転軸が、クランク軸またはエキセン軸であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプレス装置。
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