JP2010017354A - 車いす - Google Patents
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Abstract
【課題】フットレストを容易に退避させることが可能であり、しかも、搭乗者がフットレストに手で触れて作業を行う必要もない、車いすを得る。
【解決手段】車いす1は、搭乗者が着座可能なシート9と、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能なフットレスト16R,16Lと、フットレスト16R,16Lを、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能な第1のフットレストポジション、及び、第1のフットレストポジションよりも後方の第2のフットレストポジションの一方に駆動する、フットレスト駆動手段と、着座姿勢の搭乗者の脚の一部を持ち上げることにより、着座姿勢の搭乗者がフットレスト16R,16Lから足を浮かせる動作を支援する、足上げ支援手段とを備える。
【選択図】図12
【解決手段】車いす1は、搭乗者が着座可能なシート9と、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能なフットレスト16R,16Lと、フットレスト16R,16Lを、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能な第1のフットレストポジション、及び、第1のフットレストポジションよりも後方の第2のフットレストポジションの一方に駆動する、フットレスト駆動手段と、着座姿勢の搭乗者の脚の一部を持ち上げることにより、着座姿勢の搭乗者がフットレスト16R,16Lから足を浮かせる動作を支援する、足上げ支援手段とを備える。
【選択図】図12
Description
本発明は、車いすに関し、特に、フットレストを有する車いすに関する。
一般的に、車いすには、搭乗者が着座姿勢において足を載置可能なフットレストが設けられていることが多い(例えば下記特許文献1,2参照)。
フットレストは車体の下部前方に突き出ているため、車いすへの乗降の際にフットレストが邪魔となる。特に、乗降の際に腰を浮かせた状態でフットレストに体重を掛けてしまうと、車いす全体が瞬間的に前方に傾き、搭乗者が転倒するおそれがある。
そこで、乗降の際にフットレストを退避させることが可能な車いすが実用化されており、例えば、フットレストの足置き部を左右に跳ね上げることが可能なフットレストが存在する。足置き部を跳ね上げることで左右のフットレスト間にスペースが作られるため、そのスペースから足を着地させて車いすへの乗降を行うことができる。また、足置き部を跳ね上げるのではなく、フットレスト全体を車体フレームから取り外すことが可能な車いすも存在する。乗降時にフットレスト全体を取り外すことにより、より大きなスペースを作ることができる。
足置き部を跳ね上げることが可能な車いすにおいては、搭乗者は前屈みの姿勢となって跳ね上げ作業を行わなければならず、その作業はユーザにとっては容易ではない。また、下半身が不自由なユーザは、足置き部に手で触れて作業を行う必要があるため、衛生面からも好ましくない。また、たとえ足置き部を跳ね上げたとしても、フットレストは依然として車体の前方に突き出ているため、室内や狭い路上などにおいては、フットレストが邪魔となって車いすの小回りがきかない。
フットレスト全体を取り外すことが可能な車いすにおいては、フットレストを取り外すことによって、車いすの回転半径を小さくすることはできる。しかしながら上記と同様に、搭乗者は前屈みの姿勢となって取り外し作業を行わなければならず、その作業はユーザにとっては容易ではない。また、下半身が不自由なユーザは、フットレストに手で触れて作業を行う必要があるため、衛生面からも好ましくない。
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、フットレストを容易に退避させることが可能であり、しかも、搭乗者がフットレストに手で触れて作業を行う必要もない、車いすを得ることを目的とする。
本発明の第1の態様に係る車いすは、搭乗者が着座可能なシートと、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能なフットレストと、前記フットレストを、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能な第1のフットレストポジション、及び、前記第1のフットレストポジションよりも後方の第2のフットレストポジションの一方に駆動する、フットレスト駆動手段と、着座姿勢の搭乗者の脚の一部を持ち上げることにより、着座姿勢の搭乗者が前記フットレストから足を浮かせる動作を支援する、足上げ支援手段とを備えることを特徴とするものである。
第1の態様に係る車いすによれば、フットレスト駆動手段によって、フットレストを第1のフットレストポジションから第2のフットレストポジションに変位させることができる。従って、搭乗者が前屈みの姿勢となって足置き部の跳ね上げ作業やフットレストの取り外し作業を行う場合と比較すると、フットレストを容易に退避させることができる。また、搭乗者がフットレストに手で触れて作業を行う必要もないため、衛生面からも好ましい。さらに、足上げ支援手段によって搭乗者の足をフットレストから浮かせた後に、フットレスト駆動手段によってフットレストの駆動を行うことができる。これにより、第1のフットレストポジションから第2のフットレストポジションへの駆動の際には、フットレストの移動に伴って搭乗者の足がシートの下方に巻き込まれる事態を回避することができる。また、搭乗者の足からフットレストへの荷重がないため、フットレストの駆動をスムーズに実行することができる。一方、第2のフットレストポジションから第1のフットレストポジションへの駆動の際には、フットレストが搭乗者の足首又はふくらはぎに後方から衝突する事態を回避することができる。
本発明の第2の態様に係る車いすは、第1の態様に係る車いすにおいて特に、前記車いすからの降車要求信号を受けて、前記足上げ支援手段に搭乗者の脚の一部を持ち上げさせ、次に、前記フットレスト駆動手段に前記フットレストを前記第2のフットレストポジションに駆動させ、次に、前記足上げ支援手段に脚の持ち上げ状態を解除させる、制御部をさらに備えることを特徴とするものである。
第2の態様に係る車いすによれば、搭乗者の脚の一部を持ち上げ、フットレストを第2のフットレストポジションに駆動し、脚の持ち上げ状態を解除する、という一連の動作を、制御部による足上げ支援手段及びフットレスト駆動手段の制御によって自動的に実行できるため、車いすからの降車時における搭乗者の作業負担を軽減することが可能となる。また、フットレストの移動に伴って搭乗者の足がシートの下方に巻き込まれる事態を回避できるため、安全な降車動作を実現することができる。
本発明の第3の態様に係る車いすは、第1又は第2の態様に係る車いすにおいて特に、前記車いすへの乗車要求信号を受けて、前記足上げ支援手段に搭乗者の脚の一部を持ち上げさせ、次に、前記フットレスト駆動手段に前記フットレストを前記第1のフットレストポジションに駆動させ、次に、前記足上げ支援手段に脚の持ち上げ状態を解除させる、制御部をさらに備えることを特徴とするものである。
第3の態様に係る車いすによれば、搭乗者の脚の一部を持ち上げ、フットレストを第1のフットレストポジションに駆動し、脚の持ち上げ状態を解除する、という一連の動作を、制御部による足上げ支援手段及びフットレスト駆動手段の制御によって自動的に実行できるため、車いすへの乗車時における搭乗者の作業負担を軽減することが可能となる。また、フットレストが搭乗者の足首又はふくらはぎに後方から衝突する事態を回避できるため、安全な乗車動作を実現することができる。
本発明の第4の態様に係る車いすは、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る車いすにおいて特に、前記足上げ支援手段は、着座姿勢の搭乗者がふくらはぎを載置可能なレッグレストと、前記レッグレストを、着座姿勢の搭乗者が前記フットレストに足を載置可能な第1のレッグレストポジション、及び、ふくらはぎが持ち上げられることにより着座姿勢の搭乗者の足が前記フットレストから浮いた状態となる第2のレッグレストポジションの一方に駆動する、レッグレスト駆動部とを有することを特徴とするものである。
第4の態様に係る車いすによれば、レッグレストを駆動して搭乗者のふくらはぎを持ち上げるという簡易な手法によって、着座姿勢の搭乗者の足をフットレストから浮かせることができる。
本発明の第5の態様に係る車いすは、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る車いすにおいて特に、前記足上げ支援手段は、前記シートの前部に埋設された袋体と、前記袋体の膨張又は収縮を制御する袋体制御部とを有し、前記袋体制御部によって前記袋体が膨張されることにより、着座姿勢の搭乗者の脚の一部が持ち上げられて、搭乗者の足が前記フットレストから浮いた状態となり、前記袋体制御部によって前記袋体が収縮されることにより、着座姿勢の搭乗者が前記フットレストに足を載置可能な状態となることを特徴とするものである。
第5の態様に係る車いすによれば、シート前部に埋設された袋体を膨張させるという簡易な手法によって、着座姿勢の搭乗者の足をフットレストから浮かせることができる。
本発明の第6の態様に係る車いすは、第1〜第5のいずれか一つの態様に係る車いすにおいて特に、前記フットレスト駆動手段は、前記フットレストの上端部が嵌め込まれ、車体の前後方向に沿って延在するガイドレールと、前記ガイドレールに沿って前記フットレストをスライド移動可能な駆動部とを有し、前記駆動部が前記フットレストを前方にスライド移動することにより、前記フットレストが前記第1のフットレストポジションに位置決めされ、前記駆動部が前記フットレストを後方にスライド移動することにより、前記フットレストが前記第2のフットレストポジションに位置決めされることを特徴とするものである。
第6の態様に係る車いすによれば、駆動部によってフットレストを後方にスライド移動することにより、フットレストを第1のフットレストポジションから第2のフットレストポジションに変位させることができる。従って、フットレストを容易に退避させることができる。また、駆動部によってフットレストを前方にスライド移動することにより、フットレストを第2のフットレストポジションから第1のフットレストポジションに変位させることができる。従って、退避されたフットレストを容易に元の位置に戻すことができる。
本発明の第7の態様に係る車いすは、第1〜第5のいずれか一つの態様に係る車いすにおいて特に、前記フットレストは、車体フレームに回動可能に取り付けられており、前記フットレスト駆動手段は、前記フットレストに固定された一端部と、前記車体フレームに固定された他端部とを有する弾性部材と、前記フットレストに固定されたワイヤと、前記ワイヤに接続された駆動部とを有し、前記駆動部が前記ワイヤを引っ張ることにより、前記フットレストが、前記第1のフットレストポジションから前記第2のフットレストポジションに変位し、前記駆動部による前記ワイヤの引っ張りを解除することにより、前記弾性部材の復元力によって、前記フットレストが前記第2のフットレストポジションから前記第1のフットレストポジションに変位することを特徴とするものである。
第7の態様に係る車いすによれば、フットレストに固定されたワイヤを駆動部が引っ張ることによって、フットレストを第1のフットレストポジションから第2のフットレストポジションに変位させることができる。従って、フットレストを容易に退避させることができる。また、フットレストは弾性部材の復元力によって第2のフットレストポジションから第1のフットレストポジションに変位するため、退避されたフットレストを容易に元の位置に戻すことができる。
本発明の第8の態様に係る車いすは、第7の態様に係る車いすにおいて特に、前記ワイヤは、前記フットレストに固定された一端と、前記車体フレームに固定された他端とを有し、前記駆動部は、前記一端と前記他端との間で前記ワイヤに摺動自在に接続された接続部材と、前記接続部材が固定されたシャフトとを含む操作レバーを有することを特徴とするものである。
第8の態様に係る車いすによれば、接続部材が後方に変位するように搭乗者が操作レバーを操作することにより、接続部材によってワイヤが引っ張られ、フットレストを後方に退避させることができる。メカニカルな機構のみによってフットレストの退避を実現できるため、電動アクチュエータを搭載する場合と比較すると、車いすの軽量化及びコストの低減を図ることができる。
本発明の第9の態様に係る車いすは、第7の態様に係る車いすにおいて特に、前記ワイヤは、前記フットレストに固定された一端と、前記車体フレームに固定された他端とを有し、前記駆動部は、ねじ軸と、前記一端と前記他端との間で前記ワイヤに摺動自在に接続されたナット部とを含むボールねじと、前記ねじ軸を回動させるモータとを有することを特徴とするものである。
第9の態様に係る車いすによれば、モータによってねじ軸を回動させてナット部を後方に変位させることにより、ナット部によってワイヤが引っ張られ、フットレストを後方に退避させることができる。搭乗者はモータを駆動させるスイッチを押すだけで良いため、フットレストの退避作業がさらに容易となる。
本発明の第10の態様に係る車いすは、第7の態様に係る車いすにおいて特に、前記ワイヤは、前記フットレストに固定された一端を有し、前記駆動部は、前記ワイヤの他端を巻き取り可能な巻き取りモータを有することを特徴とするものである。
第10の態様に係る車いすによれば、巻き取りモータによってワイヤを巻き取ることにより、ワイヤが引っ張られ、フットレストを後方に退避させることができる。搭乗者は巻き取りモータを駆動させるスイッチを押すだけで良いため、フットレストの退避作業がさらに容易となる。
本発明の第11の態様に係る車いすは、第6〜第10のいずれか一つの態様に係る車いすにおいて特に、前記フットレストは左右一対であり、左右一対の前記フットレストに対して単一の前記駆動部が設けられていることを特徴とするものである。
第11の態様に係る車いすによれば、左右一対のフットレストの各々に駆動部が個別に設けられている場合と比較すると、車いすの軽量化及びコストの低減を図ることができる。
本発明に係る車いすによれば、フットレストを容易に退避させることが可能であり、しかも、搭乗者がフットレストに手で触れて作業を行う必要もない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
図1、図2、及び図3はそれぞれ、本発明の実施の形態に係る車いす1の全体構成を模式的に示す右側面図、正面図、及び背面図である。なお、本明細書においては、車いす1に着座している搭乗者の視点を基準として、上下左右及び前後の各方向を規定するものとする。
車体右側の車体フレーム5Rには、車体前部に前輪13Rが、車体後部に後輪12Rが、それぞれ取り付けられている。同様に、車体左側の車体フレーム5Lには、車体前部に前輪13Lが、車体後部に後輪12Lが、それぞれ取り付けられている。
車体フレーム5R上には、車体右側の車体フレーム4Rが連結されている。同様に、車体フレーム5L上には、車体左側の車体フレーム4Lが連結されている。車体フレーム4R,4Lは、車体前部の車体フレーム4H1と、車体後部の車体フレーム4H2とによって、互いに連結されている。車体フレーム4R,4Lには、図示しない止め具によって、シート9が取り付けられている。
また、車体フレーム4R,4Lには、車体フレーム15が固定されている。車体フレーム15には、フットレスト16R,16L及びレッグレスト70が取り付けられている。フットレスト16Rは、着座姿勢の搭乗者が右足を載置するためのプレート部11Rと、プレート部11Rを支持するためのフレーム部10Rとを有している。同様に、フットレスト16Lは、着座姿勢の搭乗者が左足を載置するためのプレート部11Lと、プレート部11Lを支持するためのフレーム部10Lとを有している。レッグレスト70は、着座姿勢の搭乗者がふくらはぎを載置可能な布地部72と、布地部72を支持するフレーム部71R,71Lとを有している。
車体フレーム4R上には、車体右側の車体フレーム3Rが連結されている。同様に、車体フレーム4L上には、車体左側の車体フレーム3Lが連結されている。車体フレーム3R,3Lは、車体後部の車体フレーム3Hによって、互いに連結されている。車体フレーム3R上にはアームレスト7Rが取り付けられており、車体フレーム3L上にはアームレスト7Lが取り付けられている。アームレスト7R(又は車体フレーム3R)には、操作スイッチを有する制御部8が取り付けられている。
また、車体フレーム4R上には、車体右側の車体フレーム2Rが連結されている。同様に、車体フレーム4L上には、車体左側の車体フレーム2Lが連結されている。車体フレーム2Rにはグリップ14Rが取り付けられており、車体フレーム2Lにはグリップ14Lが取り付けられている。また、車体フレーム2R,2Lには、図示しない止め具によって、バックレスト6が取り付けられている。
図4及び図5はそれぞれ、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す正面図及び左側面図である。図示は省略するが、フットレスト16Lもフットレスト16Rと同様の構造を有している。車体フレーム15の底面には、車体の前後方向に沿って延在するガイドレール62Rが固定されている。ガイドレール62R内には、フレーム部10Rの上端部に形成されたフランジ構造61Rが嵌め込まれている。
車体フレーム15の前面には、車体の左右方向に沿って延在する回転支持部73が取り付けられている。フレーム部71R,71Lの各上端は、回転支持部73に固定されている。回転支持部73は、モータ74によって、軸75を中心として回動可能である。
図6は、搭乗者が車いす1から降車する際の、フットレスト16R,16L及びレッグレスト70の駆動を説明するためのフローチャートである。
シート9に着座している搭乗者は、車いす1から降車する際に、制御部8(図1参照)に取り付けられている降車スイッチを押下する。すると、降車要求信号が制御部8に入力され、制御部8は以下の制御を実行する。
まずステップSP11において、制御部8は、モータ74を駆動して回転支持部73を回転させることにより、レッグレスト70を上昇させる。図7は、上昇された状態のレッグレスト70を、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。レッグレスト70が上昇されることにより、着座姿勢の搭乗者のふくらはぎがレッグレスト70によって持ち上げられ、搭乗者の足がプレート部11R,11Lから浮いた状態となる。つまり、制御部80は、レッグレスト70を、着座姿勢の搭乗者がプレート部11R,11Lに足を載置可能な第1のレッグレストポジション(図5参照)から、着座姿勢の搭乗者の足がプレート部11R,11Lから浮いた状態となる第2のレッグレストポジション(図7参照)に変位させる。このように、レッグレスト70、回転支持部73、及びモータ74は、着座姿勢の搭乗者の脚の一部を持ち上げることにより、着座姿勢の搭乗者がフットレスト16R,16L(具体的にはプレート部11R,11L)から足を浮かせる動作を支援するための、足上げ支援手段として機能する。
このように、レッグレスト70を駆動して搭乗者のふくらはぎを持ち上げるという簡易な手法によって、着座姿勢の搭乗者の足をフットレスト16R,16Lから浮かせることが可能となる。
次にステップSP12において、制御部8は、後述のフットレスト駆動手段にフットレスト16R,16Lを後方移動させる。つまり、フットレスト16R,16Lを、着座姿勢の搭乗者がプレート部11R,11Lに足を載置可能な第1のフットレストポジション(以下「載置ポジション」と称す)から、載置ポジションよりも後方の第2のフットレストポジション(以下「退避ポジション」と称す)にそれぞれ変位させる。これにより、フットレスト16R,16Lがシート9の下方に格納され、車体の前方に搭乗者が足を着地するためのスペースが生じる。
次にステップSP13において、制御部8は、モータ74を逆方向に駆動して回転支持部73を逆回転させることにより、レッグレスト70を元の位置まで下降させる。これにより、搭乗者は、フットレスト16R,16Lの格納によって生じたスペースから地面に足を着地させて、降車動作を行うことができる。
以上のように、レッグレスト70の上昇によって搭乗者の脚の一部を持ち上げ、フットレスト16R,16Lを退避ポジションに駆動し、レッグレスト70の下降によって脚の持ち上げ状態を解除する、という一連の動作を、制御部8による足上げ支援手段及びフットレスト駆動手段の制御によって自動的に実行できるため、車いす1からの降車時における搭乗者の作業負担を軽減することが可能となる。また、フットレスト16R,16Lの駆動前に搭乗者の足を持ち上げることにより、フットレスト16R,16Lの退避動作に伴って搭乗者の足がシート9の下方に巻き込まれる事態を回避できるため、安全な降車動作を実現することができる。
なお、搭乗者は、車いす1から降車する場合のみならず、室内や狭い路上などにおいてフットレスト16R,16Lが邪魔となる場合にも、上記のフットレスト16R,16Lの格納動作を行うことができる。
図8は、搭乗者が車いす1に乗車する際の、フットレスト16R,16L及びレッグレスト70の駆動を説明するためのフローチャートである。なお、乗車時の初期状態において、フットレスト16R,16Lは退避ポジションに位置している。
搭乗者は、シート9に着座した後、制御部8(図1参照)に取り付けられている乗車スイッチを押下する。すると、乗車要求信号が制御部8に入力され、制御部8は以下の制御を実行する。
まずステップSP21において、制御部8は、モータ74を駆動して回転支持部73を回転させることにより、レッグレスト70を、第1のレッグレストポジション(図5参照)から第2のレッグレストポジション(図7参照)に駆動する。これにより、着座姿勢の搭乗者のふくらはぎがレッグレスト70によって持ち上げられ、搭乗者の足がプレート部11R,11Lから浮いた状態となる。
次にステップSP22において、制御部8は、後述のフットレスト駆動手段にフットレスト16R,16Lを前方移動させる。つまり、フットレスト16R,16Lを、退避ポジションから載置ポジションに変位させる。フットレスト16R,16Lが載置ポジションに復帰することにより、搭乗者の足の裏の下方にプレート部11R,11Lが位置決めされる。
次にステップSP23において、制御部8は、モータ74を逆方向に駆動して回転支持部73を逆回転させることにより、レッグレスト70を元の位置まで下降させる。これにより、搭乗者の足の裏が、プレート部11R,11L上に載置される。
以上のように、レッグレスト70の上昇によって搭乗者の脚の一部を持ち上げ、フットレスト16R,16Lを載置ポジションに駆動し、レッグレスト70の下降によって脚の持ち上げ状態を解除する、という一連の動作を、制御部8による足上げ支援手段及びフットレスト駆動手段の制御によって自動的に実行できるため、車いす1への乗車時における搭乗者の作業負担を軽減することが可能となる。また、フットレスト16R,16Lの駆動前に搭乗者の足を持ち上げることにより、フットレスト16R,16Lが搭乗者の足首又はふくらはぎに後方から衝突する事態を回避できるため、安全な乗車動作を実現することができる。
なお、搭乗者は、車いす1に乗車する場合のみならず、室内や狭い路上などで格納したフットレスト16R,16Lをその後に復帰させる場合にも、上記のフットレスト16R,16Lの復帰動作を行うことができる。
以上の説明では、レッグレスト70の駆動をモータ74による自動制御によって実行する例について説明したが、手動によって実行することもできる。
図9,10は、レッグレスト70を、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図9には、レッグレスト70が第1のレッグレストポジションにある状態を示しており、図10には、レッグレスト70が第2のレッグレストポジションにある状態を示している。フレーム部71Rの上端部が、回転支持部80Rによってフレーム部81Rに取り付けられている。フレーム部81Rは、車体フレーム15に固定されている。これにより、フレーム部71Rは、回転支持部80Rの中心軸を回転中心として回動自在である。
また、フレーム部71Rの背面には、板ばね等の弾性部材82Rが固定されている。具体的に、弾性部材82Rの一端部はフレーム部71Rの背面に、他端部はフレーム部81Rの底面に、それぞれ固定されている。図10に示した形状、つまり一端部が他端部より下方に突き出るようにわずかに湾曲した形状が、弾性部材82Rの基本形状である。これにより、レッグレスト70の基本姿勢が規定される。基本姿勢において、レッグレスト70は第2のレッグレストポジションに位置している。
アームレスト7Rには、搭乗者が操作可能な操作レバー90Rが取り付けられている。操作レバー90Rは、シャフト85Rと、シャフト85Rの上端に固定されたグリップ86Rとを有している。シャフト85Rがピン88Rによってアームレスト7Rに取り付けられることにより、シャフト85Rはピン88Rの中心軸を回転中心として回転自在である。
フレーム部71Rの背面下部には、ワイヤ89Rの下端が固定されている。シャフト85Rの下端部には、ワイヤ89Rの上端が固定されている。ワイヤ89Rは、フレーム部71Rの背面下部から、フレーム部81Rの後端部に取り付けられたガイド部材83Rと、アームレスト7Rの先端部に取り付けられたガイド部材84Rとを介して、シャフト85Rの下端部に到達している。
図10に示した状態から、搭乗者がグリップ86Rを掴んで前方に押し出す。すると、シャフト85Rの下端部が後方に変位し、ワイヤ89Rを後方に引っ張る。これにより、ワイヤ89Rの下端によってフレーム部71Rの背面下部が後方に引っ張られ、その結果、図9に示すように、レッグレスト70が第1のレッグレストポジションに変位する。
レッグレスト70が第1のレッグレストポジションに変位すると、図示しないストッパによってピン88Rにロックが掛かり、シャフト85Rの位置が固定される。これとともに、グリップ86Rからボタン87Rが突出する。また、フレーム部71Rの回動に伴って弾性部材82Rが変形することにより、弾性部材82Rに弾性エネルギが蓄積される。
図9に示した状態において、搭乗者がボタン87Rを押すと、ピン88Rのロックが解除される。すると、シャフト85Rの下端部によるワイヤ89Rの引っ張りが解除され、弾性部材82Rの復元力によってフレーム部71Rが逆方向に回動される。その結果、図10に示すように、レッグレスト70が第2のレッグレストポジションに変位する。
図9,10に示した例によれば、メカニカルな機構のみによってレッグレスト70の駆動を実現できるため、電動アクチュエータを搭載する場合と比較すると、車いす1の軽量化及びコストの低減を図ることができる。
なお、図9,10ではフレーム部71Rの駆動について説明したが、フレーム部71Lの駆動も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
<フットレストの駆動の第1の例>
図11,12は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図11には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図12には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。なお、図11,12において、レッグレスト70は第2のレッグレストポジションに位置している。
図11,12は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図11には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図12には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。なお、図11,12において、レッグレスト70は第2のレッグレストポジションに位置している。
車体フレーム15には、取付部材67Rによって、モータ66Rが取り付けられている。モータ66Rの出力軸には、ボールねじのねじ軸68Rが固定されている。ボールねじのナット部69Rは、フレーム部10Rに固定されている。
図11に示した状態から、制御部8からの駆動信号に基づいてモータ66Rが駆動されると、ねじ軸68Rの回転に伴ってナット部69Rが後方に移動する。これにより、ナット部69Rに固定されているフレーム部10Rが、ガイドレール62Rに沿って後方にスライド移動する。その結果、図12に示すように、フットレスト16Rが退避ポジションに変位する。
図12に示した状態から、制御部8からの駆動信号に基づいてモータ66Rが逆方向に駆動されると、ねじ軸68Rの逆回転に伴ってナット部69Rが前方に移動する。これにより、ナット部69Rに固定されているフレーム部10Rが、ガイドレール62Rに沿って前方にスライド移動する。その結果、図11に示すように、フットレスト16Rが載置ポジションに変位する。
フットレストの駆動の第1の例によれば、モータ66Rによってフットレスト16Rを後方にスライド移動することにより、フットレスト16Rを載置ポジションから退避ポジションに変位させることができる。搭乗者は、制御部8の操作スイッチを押すだけで良いため、フットレスト16Rの退避作業において搭乗者に負担をかけることなく、フットレスト16Rを容易に退避させることができる。また、モータ66Rによってフットレスト16Rを前方にスライド移動することにより、フットレスト16Rを退避ポジションから載置ポジションに変位させることができる。搭乗者は、制御部8の操作スイッチを押すだけで良いため、フットレスト16Rの復帰作業において搭乗者に負担をかけることなく、退避されたフットレスト16Rを容易に元の位置に戻すことができる。
なお、図11,12ではフットレスト16Rの駆動について説明したが、フットレスト16Lの駆動も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
<フットレストの駆動の第2の例>
図13,14は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図13には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図14には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。フレーム部10Rの上端部が、ピン20Rによって車体フレーム4Rに取り付けられている。ピン20Rは、フレーム部10Rの両側面間を貫通して、その先端が車体フレーム4R内に挿通されている。これにより、フレーム部10Rは、ピン20Rの中心軸を回転中心として回動自在である。
図13,14は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図13には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図14には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。フレーム部10Rの上端部が、ピン20Rによって車体フレーム4Rに取り付けられている。ピン20Rは、フレーム部10Rの両側面間を貫通して、その先端が車体フレーム4R内に挿通されている。これにより、フレーム部10Rは、ピン20Rの中心軸を回転中心として回動自在である。
また、フレーム部10Rの前面には、板ばね等の弾性部材22Rが固定されている。具体的に、弾性部材22Rの上端部は車体フレーム4H1に、下端部はフレーム部10Rに、それぞれ固定されている。図13に示した形状、つまり下端部が上端部より前方に突き出るようにわずかに湾曲した形状が、弾性部材22Rの基本形状である。これにより、フットレスト16Rの基本姿勢が規定される。基本姿勢において、プレート部11Rの上面は水平面に対してほぼ平行となっている。また、弾性部材22Rは、着座姿勢の搭乗者がプレート部11R上に足を載置した場合に、載置された足から受ける通常の荷重によってはほとんど変形しない程度のばね定数を有している。
図13,14に示すように、プレート部11Rの背面にはワイヤ25Rの下端が固定されており、車体フレーム4Rの背面にはワイヤ25Rの上端が固定されている。
車体フレーム4Rには、搭乗者が操作可能な操作レバー35Rが取り付けられている。操作レバー35Rは、シャフト26Rと、シャフト26Rの上端に固定されたグリップ28Rと、シャフト26Rの下端に固定された接続部材30Rとを有している。シャフト26Rがピン27Rによって車体フレーム4Rに取り付けられることにより、シャフト26Rはピン27Rの中心軸を回転中心として回転自在である。
接続部材30Rには、ワイヤ25Rの上端と下端との間で、ワイヤ25Rが引っ掛けられている。これにより、ワイヤ25Rは、接続部材30Rに摺動自在に接続されている。
図13に示した状態から、搭乗者がグリップ28Rを掴んで前方に押し出す。すると、接続部材30Rが後方に変位し、接続部材30Rがワイヤ25Rを引っ張ることにより、ワイヤ25Rの下端によってプレート部11Rが後方に引っ張られる。その結果、図14に示すように、フットレスト16Rが退避ポジションに変位する。
フットレスト16Rが退避ポジションに変位すると、図示しないストッパによってピン27Rにロックが掛かり、シャフト26Rの位置が固定される。これとともに、グリップ28Rからボタン29Rが突出する。また、フレーム部10Rの回動に伴って弾性部材22Rが変形することにより、弾性部材22Rに弾性エネルギが蓄積される。
図14に示した状態において、搭乗者がボタン29Rを押すと、ピン27Rのロックが解除される。すると、接続部材30Rによるワイヤ25Rの引っ張りが解除され、弾性部材22Rの復元力によってフレーム部10Rが逆方向に回動される。その結果、図13に示すように、フットレスト16Rが載置ポジションに変位する。
フットレストの駆動の第2の例によれば、接続部材30Rが後方に変位するように搭乗者が操作レバー35Rを操作することにより、接続部材30Rによってワイヤ25Rが引っ張られ、フットレスト16Rを後方に退避させることができる。メカニカルな機構のみによってフットレスト16Rの退避を実現できるため、電動アクチュエータを搭載する場合と比較すると、車いす1の軽量化及びコストの低減を図ることができる。
なお、図13,14ではフットレスト16Rの駆動について説明したが、フットレスト16Lの駆動も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
<フットレストの駆動の第3の例>
図15,16は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図15には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図16には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。
図15,16は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図15には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図16には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。
図15,16に示すように、プレート部11Rの背面にはワイヤ25Rの下端が固定されており、車体フレーム4Rの背面にはワイヤ25Rの上端が固定されている。
車体フレーム4Rには、取付部材41Rによって、モータ40Rが取り付けられている。モータ40Rの出力軸には、ボールねじのねじ軸42Rが固定されている。ボールねじのナット部43Rには、ワイヤ25Rの上端と下端との間で、ワイヤ25Rが引っ掛けられている。これにより、ワイヤ25Rは、ナット部43Rに摺動自在に接続されている。
図15に示した状態から、搭乗者が制御部8(図1参照)の操作スイッチを押下することによって、制御部8によってモータ40Rが駆動される。すると、ねじ軸42Rの回転に伴ってナット部43Rが後方に変位し、ナット部43Rがワイヤ25Rを引っ張ることにより、ワイヤ25Rの下端によってプレート部11Rが後方に引っ張られる。その結果、図16に示すように、フットレスト16Rが退避ポジションに変位する。また、フレーム部10Rの回動に伴って弾性部材22Rが変形することにより、弾性部材22Rに弾性エネルギが蓄積される。
図16に示した状態から、搭乗者が制御部8の操作スイッチを押下することによって、制御部8によってモータ40Rが逆方向に駆動される。すると、ねじ軸42Rの逆回転に伴ってナット部43Rが前方に変位する。これにより、ナット部43Rによるワイヤ25Rの引っ張りが解除され、弾性部材22Rの復元力によってフレーム部10Rが逆方向に回動される。その結果、図15に示すように、フットレスト16Rが載置ポジションに変位する。
フットレストの駆動の第3の例によれば、モータ40Rによってねじ軸42Rを回動させてナット部43Rを後方に変位させることにより、ナット部43Rによってワイヤ25Rが引っ張られ、フットレスト16Rを後方に退避させることができる。搭乗者は、制御部8の操作スイッチを押下するだけで良いため、フットレスト16Rの退避作業がさらに容易となる。退避ポジションから載置ポジションへのフットレスト16Rの復帰作業についても同様である。
なお、図15,16ではフットレスト16Rの駆動について説明したが、フットレスト16Lの駆動も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
<フットレストの駆動の第4の例>
図17,18は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図17には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図18には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。
図17,18は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。図17には、フットレスト16Rが載置ポジションにある状態を示しており、図18には、フットレスト16Rが退避ポジションにある状態を示している。
図17,18に示すように、プレート部11Rの背面にはワイヤ53Rの下端が固定されている。車体フレーム5Rには、取付部材51Rによって、巻き取りモータ50Rが取り付けられている。巻き取りモータ50Rの回転軸には、ワイヤ53Rの上端が固定されている。
図17に示した状態から、搭乗者が制御部8(図1参照)の操作スイッチを押下することによって、制御部8によって巻き取りモータ50Rが駆動される。すると、巻き取りモータ50Rによってワイヤ53Rがその上端側から順に巻き取られることにより、ワイヤ53Rの下端によってプレート部11Rが後方に引っ張られる。その結果、図18に示すように、フットレスト16Rが退避ポジションに変位する。また、フレーム部10Rの回動に伴って弾性部材22Rが変形することにより、弾性部材22Rに弾性エネルギが蓄積される。
図18に示した状態から、搭乗者が制御部8の操作スイッチを押下することによって、制御部8によって巻き取りモータ50Rが逆方向に駆動される。すると、回転軸の逆回転に伴って、巻き取りモータ50Rからワイヤ53Rが送り出される。これにより、巻き取りモータ50Rによるワイヤ53Rの引っ張りが解除され、弾性部材22Rの復元力によってフレーム部10Rが逆方向に回動される。その結果、図17に示すように、フットレスト16Rが載置ポジションに変位する。
フットレストの駆動の第4の例によれば、巻き取りモータ50Rによってワイヤ53Rを巻き取ることにより、ワイヤ53Rが引っ張られ、フットレスト16Rを後方に退避させることができる。搭乗者は、制御部8の操作スイッチを押下するだけで良いため、フットレスト16Rの退避作業がさらに容易となる。退避ポジションから載置ポジションへのフットレスト16Rの復帰作業についても同様である。
なお、図17,18ではフットレスト16Rの駆動について説明したが、フットレスト16Lの駆動も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
<フットレストの駆動の第5の例>
図19は、車いす1の全体構成を模式的に示す背面図である。左右方向に関する車体の中央に、モータ66Cが配置されている。
図19は、車いす1の全体構成を模式的に示す背面図である。左右方向に関する車体の中央に、モータ66Cが配置されている。
図20,21は、フットレスト16R,16Lを、その周囲の構造とともに拡大して示す上面図である。図20には、フットレスト16R,16Lが載置ポジションにある状態を示しており、図21には、フットレスト16R,16Lが退避ポジションにある状態を示している。
フットレストの駆動の第5の例は、フットレストの駆動の第1の例においてフットレスト16R,16L毎に個別に設けられていた駆動部を、単一の駆動部として共通化したものである。
車体フレーム15には、取付部材67Cによって、モータ66Cが取り付けられている。モータ66Cの出力軸には、ボールねじのねじ軸68Cが固定されている。ボールねじのナット部68Aには、シャフト68R,68Lが固定されている。シャフト68R,68Lには、フレーム部10R,10Lがそれぞれ固定されている。
図20に示した状態から、搭乗者が制御部8(図1参照)の操作スイッチを押下することによって、制御部8によってモータ66Cが駆動される。すると、ねじ軸68Cの回転に伴ってナット部68Aが後方に変位し、ナット部68Aの変位に伴ってシャフト68R,68Lも後方に変位する。また、シャフト68R,68Lの後方変位に伴って、フレーム部10R,10Lがガイドレール62R,62L(図20,21には示さない)に沿って後方にスライド移動される。その結果、図21に示すように、フットレスト16R,16Lが退避ポジションに変位する。
図21に示した状態から、搭乗者が制御部8の操作スイッチを押下することによって、制御部8によってモータ66Cが逆方向に駆動される。すると、ねじ軸68Cの逆回転に伴ってナット部68Aが前方に変位し、ナット部68Aの変位に伴ってシャフト68R,68Lも前方に変位する。また、シャフト68R,68Lの前方変位に伴って、フレーム部10R,10Lがガイドレール62R,62Lに沿って前方にスライド移動される。その結果、図20に示すように、フットレスト16R,16Lが載置ポジションに変位する。
フットレストの駆動の第5の例によれば、左右一対のフットレスト16R,16Lの各々に駆動部が個別に設けられている第1の例と比較すると、車いす1の軽量化及びコストの低減を図ることができる。
なお、上記と同様に、フットレストの駆動の第2〜第4の例においても、左右の駆動部を単一の駆動部として共通化することができ、同様の効果を得ることができる。
<まとめ>
本実施の形態に係る車いす1によれば、フットレスト駆動手段によって、フットレスト16R,16Lを載置ポジションから退避ポジションに変位させることができる。従って、搭乗者が前屈みの姿勢となって足置き部の跳ね上げ作業やフットレストの取り外し作業を行う場合と比較すると、フットレスト16R,16Lを容易に退避させることができる。また、搭乗者がフットレスト16R,16Lに手で触れて作業を行う必要もないため、衛生面からも好ましい。さらに、足上げ支援手段によって搭乗者の足をフットレスト16R,16Lから浮かせた後に、フットレスト駆動手段によってフットレスト16R,16Lの駆動を行うことができる。これにより、載置ポジションから退避ポジションへの駆動の際には、フットレスト16R,16Lの移動に伴って搭乗者の足がシート9の下方に巻き込まれる事態を回避することができる。また、搭乗者の足からフットレスト16R,16Lへの荷重がないため、フットレスト16R,16Lの駆動(前後方向への駆動のみならず、フレーム部10R,10Lを中心としたプレート部11R,11Lの旋回駆動も含む)をスムーズに実行することができる。一方、退避ポジションから載置ポジションへの駆動の際には、フットレスト16R,16Lが搭乗者の足首又はふくらはぎに後方から衝突する事態を回避することができる。
本実施の形態に係る車いす1によれば、フットレスト駆動手段によって、フットレスト16R,16Lを載置ポジションから退避ポジションに変位させることができる。従って、搭乗者が前屈みの姿勢となって足置き部の跳ね上げ作業やフットレストの取り外し作業を行う場合と比較すると、フットレスト16R,16Lを容易に退避させることができる。また、搭乗者がフットレスト16R,16Lに手で触れて作業を行う必要もないため、衛生面からも好ましい。さらに、足上げ支援手段によって搭乗者の足をフットレスト16R,16Lから浮かせた後に、フットレスト駆動手段によってフットレスト16R,16Lの駆動を行うことができる。これにより、載置ポジションから退避ポジションへの駆動の際には、フットレスト16R,16Lの移動に伴って搭乗者の足がシート9の下方に巻き込まれる事態を回避することができる。また、搭乗者の足からフットレスト16R,16Lへの荷重がないため、フットレスト16R,16Lの駆動(前後方向への駆動のみならず、フレーム部10R,10Lを中心としたプレート部11R,11Lの旋回駆動も含む)をスムーズに実行することができる。一方、退避ポジションから載置ポジションへの駆動の際には、フットレスト16R,16Lが搭乗者の足首又はふくらはぎに後方から衝突する事態を回避することができる。
<変形例>
以下では、足上げ支援手段の他の例について説明する。
以下では、足上げ支援手段の他の例について説明する。
図22,23は、フットレスト16Rを、その周囲の構造とともに拡大して示す左側面図である。フレーム部71Rは、車体フレーム15の前面に固定されている。
シート9の前部には、袋体95が埋設されている。図示は省略するが、袋体95には袋体制御部が接続されている。袋体制御部は、電磁弁と、圧縮空気が封入されたタンクとを有している。袋体制御部は、電磁弁の開閉によって、袋体95内への圧縮空気の供給と、袋体95内からの圧縮空気の排出とを制御する。これにより、袋体95の膨張又は収縮が制御される。図22は、袋体95が収縮した状態を示しており、図23は、袋体95が膨張した状態を示している。
図22に示すように、袋体制御部によって袋体95が収縮されることにより、着座姿勢の搭乗者はプレート部11R,11Lに足を載置可能な状態となる。一方、図23に示すように、袋体制御部によって袋体95が膨張されることにより、着座姿勢の搭乗者の太股又は膝が持ち上げられて、搭乗者の足がプレート部11R,11Lから浮いた状態となる。このように、袋体95及び袋体制御部は、着座姿勢の搭乗者の脚の一部を持ち上げることにより、着座姿勢の搭乗者がフットレスト16R,16L(具体的にはプレート部11R,11L)から足を浮かせる動作を支援するための、足上げ支援手段として機能する。
このように、シート9の前部に埋設された袋体95を膨張させるという簡易な手法によって、着座姿勢の搭乗者の足をフットレスト16R,16Lから浮かせることが可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 車いす
8 制御部
9 シート
15 車体フレーム
16R,16L フットレスト
22R,82R 弾性部材
25R,89R ワイヤ
26R,85R シャフト
30R 接続部材
35R,90R 操作レバー
40R,66R,66C,74 モータ
42R,68R ねじ軸
43R,69R ナット部
50R 巻き取りモータ
62R ガイドレール
70 レッグレスト
8 制御部
9 シート
15 車体フレーム
16R,16L フットレスト
22R,82R 弾性部材
25R,89R ワイヤ
26R,85R シャフト
30R 接続部材
35R,90R 操作レバー
40R,66R,66C,74 モータ
42R,68R ねじ軸
43R,69R ナット部
50R 巻き取りモータ
62R ガイドレール
70 レッグレスト
Claims (11)
- 搭乗者が着座可能なシートと、
着座姿勢の搭乗者が足を載置可能なフットレストと、
前記フットレストを、着座姿勢の搭乗者が足を載置可能な第1のフットレストポジション、及び、前記第1のフットレストポジションよりも後方の第2のフットレストポジションの一方に駆動する、フットレスト駆動手段と、
着座姿勢の搭乗者の脚の一部を持ち上げることにより、着座姿勢の搭乗者が前記フットレストから足を浮かせる動作を支援する、足上げ支援手段と
を備える、車いす。 - 前記車いすからの降車要求信号を受けて、前記足上げ支援手段に搭乗者の脚の一部を持ち上げさせ、次に、前記フットレスト駆動手段に前記フットレストを前記第2のフットレストポジションに駆動させ、次に、前記足上げ支援手段に脚の持ち上げ状態を解除させる、制御部をさらに備える、請求項1に記載の車いす。
- 前記車いすへの乗車要求信号を受けて、前記足上げ支援手段に搭乗者の脚の一部を持ち上げさせ、次に、前記フットレスト駆動手段に前記フットレストを前記第1のフットレストポジションに駆動させ、次に、前記足上げ支援手段に脚の持ち上げ状態を解除させる、制御部をさらに備える、請求項1又は2に記載の車いす。
- 前記足上げ支援手段は、
着座姿勢の搭乗者がふくらはぎを載置可能なレッグレストと、
前記レッグレストを、着座姿勢の搭乗者が前記フットレストに足を載置可能な第1のレッグレストポジション、及び、ふくらはぎが持ち上げられることにより着座姿勢の搭乗者の足が前記フットレストから浮いた状態となる第2のレッグレストポジションの一方に駆動する、レッグレスト駆動部と
を有する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の車いす。 - 前記足上げ支援手段は、
前記シートの前部に埋設された袋体と、
前記袋体の膨張又は収縮を制御する袋体制御部と
を有し、
前記袋体制御部によって前記袋体が膨張されることにより、着座姿勢の搭乗者の脚の一部が持ち上げられて、搭乗者の足が前記フットレストから浮いた状態となり、
前記袋体制御部によって前記袋体が収縮されることにより、着座姿勢の搭乗者が前記フットレストに足を載置可能な状態となる、請求項1〜3のいずれか一つに記載の車いす。 - 前記フットレスト駆動手段は、
前記フットレストの上端部が嵌め込まれ、車体の前後方向に沿って延在するガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って前記フットレストをスライド移動可能な駆動部と
を有し、
前記駆動部が前記フットレストを前方にスライド移動することにより、前記フットレストが前記第1のフットレストポジションに位置決めされ、
前記駆動部が前記フットレストを後方にスライド移動することにより、前記フットレストが前記第2のフットレストポジションに位置決めされる、請求項1〜5のいずれか一つに記載の車いす。 - 前記フットレストは、車体フレームに回動可能に取り付けられており、
前記フットレスト駆動手段は、
前記フットレストに固定された一端部と、前記車体フレームに固定された他端部とを有する弾性部材と、
前記フットレストに固定されたワイヤと、
前記ワイヤに接続された駆動部と
を有し、
前記駆動部が前記ワイヤを引っ張ることにより、前記フットレストが、前記第1のフットレストポジションから前記第2のフットレストポジションに変位し、
前記駆動部による前記ワイヤの引っ張りを解除することにより、前記弾性部材の復元力によって、前記フットレストが前記第2のフットレストポジションから前記第1のフットレストポジションに変位する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の車いす。 - 前記ワイヤは、前記フットレストに固定された一端と、前記車体フレームに固定された他端とを有し、
前記駆動部は、前記一端と前記他端との間で前記ワイヤに摺動自在に接続された接続部材と、前記接続部材が固定されたシャフトとを含む操作レバーを有する、請求項7に記載の車いす。 - 前記ワイヤは、前記フットレストに固定された一端と、前記車体フレームに固定された他端とを有し、
前記駆動部は、
ねじ軸と、前記一端と前記他端との間で前記ワイヤに摺動自在に接続されたナット部とを含むボールねじと、
前記ねじ軸を回動させるモータと
を有する、請求項7に記載の車いす。 - 前記ワイヤは、前記フットレストに固定された一端を有し、
前記駆動部は、前記ワイヤの他端を巻き取り可能な巻き取りモータを有する、請求項7に記載の車いす。 - 前記フットレストは左右一対であり、
左右一対の前記フットレストに対して単一の前記駆動部が設けられている、請求項6〜10のいずれか一つに記載の車いす。
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-
2008
- 2008-07-10 JP JP2008180643A patent/JP2010017354A/ja active Pending
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