以下、本発明に係る食器洗浄機の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1に示される食器洗浄機1は、洗剤を含む洗浄水で食器Pを洗浄し、きれいなすすぎ水ですすぐ装置である。この食器洗浄機1は、ステンレス製の本体ケース2を有している。本体ケース2において仕切られた下側は、機械室3として機能している。この機械室3内には、食器洗浄機1の動作全般を制御するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)4が内蔵された電装ボックス6等が収容されている。一方、本体ケース2の上側は、洗浄室5として機能しており、この洗浄室5の開閉を行うために上下動するドア(図示せず)が設けられている。
洗浄室5内には、ラックレール(図示せず)が着脱自在に配置されており、このラックレール上に、飲食後の皿や茶碗等の食器Pが並べられた格子状の食器ラック8が載置される。洗浄室5の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル9と、2本のアームからなる上側すすぎノズル11とがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室5の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル12と、2本のアームからなる下側すすぎノズル13とがそれぞれ回転自在に配置されている。したがって、食器ラック8に並べられた食器Pには、洗浄工程において洗浄ノズル9,12によって上下から洗浄水が噴射され、すすぎ工程においてすすぎノズル11,13によって上下からすすぎ水が噴射されるため、食器Pの洗浄及びすすぎが効率良く行われる。
このように構成された洗浄室5の底面5aには、第1のフィルタ14が着脱自在に配置されており、この第1のフィルタ14の下方には、洗浄水を貯留するための洗浄タンク15が形成されている。この洗浄タンク15内には、洗浄能力及び殺菌能力を向上させるために洗浄水を加熱する洗浄水ヒータ16と、この洗浄水の温度を検知するための洗浄水温センサ17とが設置されている。
さらに、洗浄タンク15の底面15aには、第1のフィルタ14より目の細かいメッシュ状の第2のフィルタ18が着脱自在に配置されており、この第2のフィルタ18の下方には、底面15aの一部が落ち込むようにして落込部19が形成されている。この落込部19の底面19aには排水管20が接続されており、この排水管20には、第2のフィルタ18の板金で形成された筒状部18aを貫通して上端部が洗浄タンク15内に位置するオーバーフロー管21の下端部が嵌め込まれている。したがって、余剰な洗浄水は、オーバーフロー管21の上端部に形成された流入孔から管内に流れ込み、排水管20を介して外部に排出されるため、洗浄タンク15内の洗浄水が常に一定水位に保たれる。
この洗浄タンク15の落込部19には、洗浄水吸込管22を介して洗浄ポンプ23が接続されている。この洗浄ポンプ23の吐出口には洗浄水吐出管24が接続され、この洗浄水吐出管24は、第1の洗浄水吐出管25と第2の洗浄水吐出管26とに分岐して、第1の洗浄水吐出管25は上側洗浄ノズル9に接続され、第2の洗浄水吐出管26は下側洗浄ノズル12に接続されている。
また、機械室3内には、外部の給湯器(図示せず)から給湯管27を介してすすぎ水が供給される貯湯タンク28が配置されている。この貯湯タンク28内には、殺菌能力を向上させるためにすすぎ水を加熱するすすぎ水ヒータ29と、このすすぎ水の温度を検知するためのすすぎ水温センサ31とが設置されている。さらに、貯湯タンク28内には、余剰なすすぎ水を外部に排出して一定水位に保つためのオーバーフロー管32が設置されており、その上端部から管内に流入したすすぎ水は、排水管20を介して外部に排出される。
この貯湯タンク28には、すすぎ水吸込管33を介してすすぎポンプ34が接続されている。このすすぎポンプ34の吐出口にはすすぎ水吐出管36が接続され、このすすぎ水吐出管36は、第1のすすぎ水吐出管37と第2のすすぎ水吐出管38とに分岐して、第1のすすぎ水吐出管37は上側すすぎノズル11に接続され、第2のすすぎ水吐出管38は下側すすぎノズル13に接続されている。
さらに、機械室3内には、洗浄タンク15内の洗浄水に混入させるための洗剤Wを貯留した洗剤タンク39が配置されている。この洗剤タンク39には、洗剤吸込管41を介して洗剤供給ポンプ42が接続されている。この洗剤供給ポンプ42の吐出口には洗剤吐出管43の一端が接続されており、この洗剤吐出管43の他端43aは、洗浄室5内に位置して下方に向かって開口している。
食器洗浄機1は、電源スイッチがONされると、貯湯タンク28内の温水をすすぎポンプ34によって洗浄室5へ噴射することにより、洗浄タンク15内へ温水が供給される。これにより初期給湯が行われる。そして、初期給湯量に合った量の洗剤が洗浄タンク15内へ供給されて、洗浄タンク15内の洗浄水の洗剤濃度が所定濃度となる。
初期給湯後、ユーザが食器Pをラッキングして、ドア(図示せず)を閉めると、ドアスイッチ(図示せず)により、ドアが閉められたことが検知されると共に、運転開始信号がマイコン4へ入力される。運転開始信号がマイコン4へ入力されると、洗浄工程が開始される。洗浄工程とは、洗浄タンク15内の洗浄水を洗浄室5内の食器Pに向けて噴射することにより、食器Pの洗浄を行う工程である。
洗浄工程が開始されると、洗浄ポンプ23が始動し、洗浄タンク15内に貯留された洗浄水は、洗浄水吐出管24等を介して上下の洗浄ノズル9,12に圧送されて、各洗浄ノズル9,12から洗浄室5内の食器Pに向けて噴射される。このとき、各洗浄ノズル9,12は噴射力の反力によって回転し続けるため、洗浄水が食器Pに満遍なく当てられて、食器Pの汚れが効率良く洗い落とされる。
この洗浄室5内に噴射された洗浄水は、食器Pから洗い落とされた残菜などが第1のフィルタ14によって取り除かれつつ洗浄タンク15内に回収される。さらに、第2のフィルタ18によって細かい残菜が取り除かれた後、洗浄ポンプ23により再び洗浄室5内に循環供給される。
このような洗浄工程が所定時間行われると、洗浄ポンプ23が停止し、洗浄工程が終了する。その後、所定時間(5秒程度)の休止状態となる。この休止状態とは、洗浄ポンプ23とすすぎポンプ34とが停止している状態である。所定の休止時間が経過すると、すすぎ工程を開始する。すすぎ工程とは、貯湯タンク28内のすすぎ水をすすぎポンプ34によって洗浄室5内の食器Pに向けて噴射し、食器Pをすすぐ工程である。
なお、洗浄ポンプ23を停止した後、洗浄水のしずくが上側洗浄ノズル9から落下する。すすぎ工程中に汚れた洗浄水のしずくが落下すると、きれいなすすぎ水によるすすぎが無駄になる。そこで、休止状態を設けることにより、上側洗浄ノズル9から洗浄水のしずくが落下し終えた後、すすぎ工程を開始することで、すすぎの無駄を防止できる。
すすぎ工程が開始されると、すすぎポンプ34が始動し、貯湯タンク28内に貯留されたすすぎ水は、すすぎ水吐出管36等を介して上下のすすぎノズル11,13に圧送されて、各すすぎノズル11,13から食器Pに向けて噴射される。このとき、各すすぎノズル11,13もまた、噴射力の反力によって回転し続けるため、すすぎ水が食器Pに満遍なく当てられて、食器Pのすすぎが効率良く行われる。
この食器Pに噴射されたすすぎ水は、第1のフィルタ14を介して洗浄タンク15内に回収されて洗浄水と混ざり合い、次回の洗浄工程における洗浄水として使用される。洗浄室5内にすすぎ水が噴射されて洗浄タンク15内に回収されると、一定水位を超える余剰な洗浄水は、オーバーフロー管21から排水される。このため、すすぎ水を洗浄室5内に噴射することにより、洗浄タンク15内の汚れた洗浄水が排水されて、比較的きれいなすすぎ水に入れ替わる。
このようなすすぎ工程が所定時間(6秒程度)行われると、すすぎポンプ34が停止し、すすぎ工程が終了する。以上説明した所定時間の洗浄工程を1回行い、所定時間の休止状態を経た後、所定時間のすすぎ工程を1回行う運転が、通常の1サイクルの運転である。
この食器洗浄機1では、マイコン4が、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れ状況に応じて、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する。具体的には、サイクル運転を所定回数行うと、次回のサイクル運転において、すすぎ工程の回数を増やす。このマイコン4による制御について、図2を参照して説明する。
食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS1)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS2)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS3でYES)、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS4でNO)、通常のサイクル運転を行う(ステップS5)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程を1回、すすぎ工程を1回行う。
サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS4でYES)、サイクル運転におけるすすぎ工程の回数を2回に変更した運転を行う(ステップS6)。すなわち、洗浄工程の後に、1回目のすすぎ工程を行う。この1回目のすすぎ工程終了後、貯湯タンク28内への給湯が完了すると、2回目のすすぎ工程を行う。
ステップS5又はステップS6で運転を行った後、サイクル運転のカウント数に1を加算し(ステップS7)、ステップS3に戻る。このように、通常のサイクル運転を100回行うと、101回目以降は、すすぎ工程の回数を2回に増やしたサイクル運転を行う。
このような制御を行うことにより、以下の効果がある。食器洗浄機1では、サイクル運転を繰り返し行うと、洗浄タンク15内の洗浄水が初期給湯時に比べて汚れてくる。このため、所定回数のサイクル運転を行うと、以降のサイクル運転におけるすすぎ工程の回数を増やす。これにより、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れ状況に応じて、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やす。よって、通常のサイクル運転を行う場合より、洗浄タンク15内の汚れた洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量が多くなる。従って、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。
また、サイクル運転の実施が所定回数以内の場合は、すすぎ工程の回数を増やすことはしない。このため、ランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、本実施形態では、洗浄工程と1回目のすすぎ工程とを行った後に、増加分のすすぎ工程を行うので、洗浄工程と1回目のすすぎ工程とを行うためにかかる時間は、通常の1回のサイクル運転と変わりがない。このため、通常のサイクル運転に悪影響を与えない。よって、洗浄タンク15内で汚れた洗浄水を大量にきれいなすすぎ水に入れ替えたい場合に好適である。
また、本実施形態では、新たな部品を搭載する必要なく、特殊な構造も必要なく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の回数を自動的に増やすこととしたので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を自動的に増大させて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記実施形態では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の回数を増やすこととしたが、この所定回数について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。また、すすぎ工程の回数を1回から2回に増加することとしたが、この増加するすすぎ工程の回数について、被洗浄物の汚れ等に応じて使用者が自由に設定できるように構成してもよい。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、すすぎ工程の回数を毎回増やすこととしたが、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、2回のうち1回のサイクル運転時にすすぎ工程の回数を増やすようにしてもよい。また、設定回数のサイクル運転を行うたびに、すすぎ工程の回数を増加してもよい。この場合、例えば、50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の回数を増加したサイクル運転を1回行い、次に50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の回数を増加したサイクル運転を1回行う。
また、すすぎ工程の回数を変化させることに替えて、すすぎポンプの出力を変化させてもよい。例えば、所定回数のサイクル運転を行った後、サイクル運転のすすぎ工程において、すすぎポンプの出力を大きくする。すすぎポンプの出力を大きくすることにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量が増えるので、洗浄タンク15内で汚れた洗浄水から比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量が多くなる。よって、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。
本発明に係る食器洗浄機1は、その他種々の変形が可能である。以下、第1〜第11変形例について説明する。第1〜第11変形例の説明では、上記実施形態と異なる点を主に説明し、図1を参照して食器洗浄機の構成を説明した記載(段落0036〜段落0051)は省略する。
(第1変形例)
上記実施形態では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の回数を変更することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更した。これに対して、第1変形例では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間を変更することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する。
図3に示されるように、食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS11)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS12)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS13でYES)、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS14でNO)、通常のサイクル運転を行う(ステップS5)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程後、すすぎ工程を通常の6秒間行う。
サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS14でYES)、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS16)。すなわち、洗浄工程後、すすぎ工程を8秒間に延長して行う。
ステップS15又はステップS16で運転を行った後、サイクル運転のカウント数に1を加算し(ステップS17)、ステップS13に戻る。このように、通常のサイクル運転を100回行うと、101回目以降は、すすぎ工程の時間を増やしたサイクル運転を行う。
このように、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間を延長することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やす。すすぎ工程を通常の6秒間行うと、洗浄室5内に噴射されるすすぎ水の量は、2L程度である。すすぎ工程を8秒間に延長すると、洗浄室5内に噴射されるすすぎ水の量は、2.7L程度となり、約0.7L分のすすぎ水量が増加する。これにより、通常のサイクル運転を行う場合より、洗浄タンク15内の汚れた洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量が多くなる。よって、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。
また、サイクル運転の実施が所定回数以内の場合は、すすぎ工程の時間を延長することはしない。このため、ランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、本変形例では、すすぎ工程の時間について、例えば、1.2倍、1.5倍等、細やかに延長することができるので、汚れ状況に応じて、延長時間を調整し、洗浄タンク内の洗浄水の入れ替え量を調整することができる。
また、洗浄工程の後にすすぎ工程を1回行う点では、通常のサイクル運転と変わりがないので、使用者に違和感を与えることなく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
また、本変形例では、新たな部品を搭載する必要なく、特殊な構造も必要なく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間を自動的に延長することとしたので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を自動的に増大させる。このため、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間を延長することとしたが、この所定回数について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。また、すすぎ工程の時間を6秒間から8秒間に増加することとしたが、この増加するすすぎ工程の時間について、被洗浄物の汚れ等に応じて使用者が自由に設定できるように構成してもよい。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、すすぎ工程の時間を毎回延長することとしたが、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、2回のうち1回のサイクル運転時にすすぎ工程の時間を延長するようにしてもよい。また、設定回数のサイクル運転を行うたびに、すすぎ工程の時間を延長してもよい。この場合、例えば、50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の時間を延長したサイクル運転を1回行い、次に50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の時間を延長したサイクル運転を1回行う。
(第2変形例)
図4に示されるように、第2変形例に係る食器洗浄機では、オーバーフロー管21と第2のフィルタ18とに変えて、オーバーフロー管50と第2のフィルタ51とを備える。第2のフィルタ51は、メッシュ状に形成され、板金で形成され上端51bが開口した筒状部51aを有している。筒状のオーバーフロー管50は、第2のフィルタ51の筒状部51aを貫通して、開口した上端50aが洗浄タンク15内に位置し、下端部は、配水管20にはめ込まれている。このため、オーバーフロー管50と第2のフィルタ51の筒状部51aとによって二重管52が構成されている。オーバーフロー管50には、上端50a側に、排出孔50bが形成され、上端50aの位置は、第2のフィルタ51の筒状部51aの上端51bより低い。
このように二重管52を備えた食器洗浄機において、マイコン4は、図5に示す制御を行う。図5に示されるように、食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS21)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS22)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS23でYES)、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS24でNO)、通常のサイクル運転を行う(ステップS25)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程後、すすぎ工程を通常の6秒間行う。
サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS24でYES)、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS26)。すなわち、洗浄工程後、すすぎ工程を8秒間に延長して行う。このすすぎ工程において、延長時間分だけ延長しない場合の出力より低い出力ですすぎポンプ34を駆動する。
ステップS25又はステップS26で運転を行った後、サイクル運転のカウント数に1を加算し(ステップS27)、ステップS23に戻る。このように、通常のサイクル運転を100回行うと、101回目以降は、すすぎ工程の時間を増やしたサイクル運転を行う。
101回目以降のサイクル運転時(ステップS26)のすすぎ工程において、すすぎポンプ34の出力を低下させるタイミングを変えることにより、洗浄タンク15内の上部に溜まった油分を積極的に排出する場合と、下部に溜まった沈殿物を積極的に排出する場合とのいずれかを選択して、洗浄タンク15内の洗浄水を排水することができる。この点について、図6,7を参照して説明する。
まず、図6を参照して、洗浄タンク15内の上部に溜まった油分を積極的に排水するように制御する場合について説明する。図6に示すように、101回目以降のサイクル運転では、洗浄工程を通常通り行い(ステップS31)、その後、通常の6秒間、すすぎ工程を行い(ステップS32)、続けて、延長分の2秒間、低出力ですすぎを行う(ステップS33)。この制御により、洗浄タンク15内の洗浄水を次のように排水することができる。
ステップ32において、すすぎポンプ34を6秒間運転すると、洗浄タンク15内の水位が、上昇して高水位L2を超える。高水位L2は、第2のフィルタ51の筒状部51aの上端51bの高さの水位であり、オーバーフロー管50の上端50aより高い水位である。この場合、主に、洗浄タンク15内の上部の洗浄水がオーバーフロー管50の上端50aの開口からオーバーフロー管50に流入し(図4の矢印Y1)、排水される。洗浄タンク15内では、油分が上部に溜まり易いので、油分の多く含んだ洗浄水が主に排水される。
続いて、ステップS33において、すすぎポンプ34を低出力で2秒間運転すると、その間も洗浄タンク15内の水位は、高水位L2より高い状態を保持し、油分の多く含んだ洗浄水が主に排水される。そして、すすぎポンプ34の運転が終了すると、洗浄タンク15内の洗浄水の水位は、下がっていき、高水位L2より低くなる。すると、主に、洗浄タンク15の底部に位置する落ち込み部19内の洗浄水が、オーバーフロー管50の排出孔50bからオーバーフロー管50に流入し(図4の矢印Y2)、排水される。洗浄タンク15の底部には、沈殿物が溜まっているので、この沈殿物が主に排出されるようになる。
そして、洗浄タンク15内の水位が、オーバーフロー管50の排出孔50bの高さの基準水位L1に達すると、排水が終了する。このように、すすぎ工程の時間を延長し、すすぎ工程の最後に延長時間分だけすすぎポンプ34の出力を低下させると、すすぎ工程を通常の時間及び出力で行う場合より、洗浄タンク15内の油分を多く排出できる。
次に、図7を参照して、洗浄タンク15内の下部に溜まった沈殿物を積極的に排出するように制御する場合について説明する。図7に示すように、101回目以降のサイクル運転では、洗浄工程を通常通り行い(ステップS41)、その後、延長分の2秒間、低出力ですすぎ工程を行い(ステップS42)、続けて、通常の6秒間、通常の出力ですすぎ工程を行う(ステップS43)。
このように、ステップS42において、低出力ですすぎポンプ34を2秒間運転すると、この間は、洗浄タンク15内の水位は、あまり上昇せず、高水位L2より低く保たれるので、主に、洗浄タンク15の底部に位置する落ち込み部19内の洗浄水が、オーバーフロー管50の排出孔50bからオーバーフロー管50に流入し(図4の矢印Y2)、排水される。すなわち、沈殿物が主に排出されるようになる。
続いて、ステップS43において、すすぎポンプ34を通常の出力で6秒間運転すると、洗浄タンク15内の水位が、上昇して高水位L2を超える。この場合、主に、洗浄タンク15内の上部の洗浄水がオーバーフロー管50の上端50aの開口からオーバーフロー管50に流入し(図4の矢印Y1)、排水される。すなわち、油分の多く含んだ洗浄水が主に排水される。
すすぎ工程が終了して、すすぎポンプ34の駆動が停止すると、洗浄タンク15内の水位は、下がっていき、高水位L2より低くなる。すると、主に、洗浄タンク15の底部に位置する落ち込み部19内の洗浄水が、オーバーフロー管50の排出孔50bからオーバーフロー管50に流入し(図4の矢印Y2)、排水される。すなわち、再び沈殿物が主に排出されるようになる。
そして、洗浄タンク15内の水位が、オーバーフロー管50の排出孔50bの高さの基準水位L1に達すると、排水が終了する。このように、すすぎ工程の時間を延長し、延長時間だけすすぎ工程の最初にすすぎポンプ34の出力を低下させると、すすぎ工程を通常の時間及び出力で行う場合より、洗浄タンク15内の底部の沈殿物を多く排出できる。
以上説明したように、101回目以降のサイクル運転時のすすぎ工程において、すすぎポンプ34の出力を低下させるタイミングをすすぎ工程の最後にすると、洗浄タンク15内の上部に溜まった油分を積極的に排水するように制御できる。すすぎポンプ34の出力を低下させるタイミングをすすぎ工程の最初にすると、下部に溜まった沈殿物を積極的に排出することができる。すなわち、すすぎポンプ34の出力を低下させるタイミングを変更することにより、洗浄タンク15内の上部に溜まった油分を積極的に排出するか、下部に溜まった沈殿物を積極的に排出するかを制御することができる。
また、すすぎポンプ34の出力を低下させることにより、消費電力とすすぎ水量の増加を抑制した上で、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。また、すすぎポンプ34の出力を低下させている間は、洗浄タンク15内の洗浄水の攪拌が抑制されるので、油分と沈殿物とを効果的に排出することができる。
また、上記では、オーバーフロー管50に、洗浄水を排水するための孔として、上端50aの開口と上端50a側形成された排出孔50bとの2つの孔が形成されていた。これに対して、図1に示すオーバーフロー管21のように、洗浄水を排水するための孔として、上端部の流入孔のみが形成されている場合であっても、オーバーフロー管21と筒状部18aとによって2重管が構成されることによって、上記と同様に、油分と沈殿物とを選択的に排出することは可能である。
上記では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間を延長することとしたが、この所定回数について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。また、すすぎ工程の時間を6秒間から8秒間に増加することとしたが、この増加するすすぎ工程の時間について、被洗浄物の汚れ等に応じて使用者が自由に設定できるように構成してもよい。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、すすぎ工程の時間を毎回延長することとしたが、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、2回のうち1回のサイクル運転時にすすぎ工程の時間を延長するようにしてもよい。また、設定回数のサイクル運転を行うたびに、すすぎ工程の時間を延長してもよい。この場合、例えば、50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の時間を延長したサイクル運転を1回行い、同様に、次に50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の時間を延長したサイクル運転を1回行う。
(第3変形例)
第3変形例に係る食器洗浄機では、上述した二重管52を備え、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間を変更し、更に、洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長する。
図8に示されるように、マイコン4による制御が行われる。食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS51)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS52)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS53でYES)、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS54でNO)、通常のサイクル運転を行う(ステップS55〜S57)すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程を行い(ステップS55)、洗浄工程とすすぎ工程との間に通常の5秒程度の休止時間を経て(ステップS56)、すすぎ工程を通常の6秒間行う(ステップS57)。
サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS54でYES)、サイクル運転における休止時間及びすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS58〜S60)。すなわち、洗浄工程を行い(ステップS58)、洗浄工程とすすぎ工程との間に10秒程度に延長した休止時間を経て(ステップS59)、すすぎ工程を延長して8秒程度行う(ステップS60)。
サイクル運転終了後、サイクル運転のカウント数に1を加算し(ステップS61)、ステップS53に戻る。このように、通常のサイクル運転を100回行うと、101回目以降は、すすぎ工程の時間及び休止時間を延長したサイクル運転を行う。
このように、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、休止時間を延長することにより、次のような効果がある。洗浄工程においては、洗浄タンク15内の洗浄水が洗浄ポンプ23によって循環して洗浄室5内に噴射されているので、洗浄タンク15内の洗浄水は攪拌されている。すなわち、洗浄工程中は、洗浄タンク15内では、油分と沈殿物とが混ざり合っている。
洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長することにより、洗浄工程の後、洗浄タンク15内で油分は上部に溜まるようになり、沈殿物は下部に溜まるようになる。その後にすすぎ工程を行うことにより、すすぎ工程中は、洗浄タンク15内の水位が高水位L2を超えて、上部の油分が排出され易くなり、すすぎ工程終了後、洗浄タンク15内の水位が高水位L2より下がると、下部の沈殿物が排出され易くなる。
このように、休止時間を延長することで、その間に洗浄タンク15内で油分が上部に溜まり、沈殿物が底部に溜まるので、すすぎ工程においては、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出し、二重管52の効果を十分に発揮できる。よって、洗浄水の入れ替えを効率的に行い、洗浄タンク15内の洗浄水を綺麗に保ち、洗浄能力を保持することができる。
また、サイクル運転の実施が所定回数以内の場合は、休止時間を延長することはしない。このため、所定回数以内においては、1回のサイクル運転にかかる時間が増加することを防止して、1日のサイクル運転のサイクル数の減少を抑制することができる。よって、1日の食器洗浄処理数の減少を抑制することができる。
また、本変形例では、新たな部品を搭載する必要なく、特殊な構造も必要なく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間及び休止時間を自動的に延長することとしたので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を自動的に増大させることができる。また、効率的に油分又は沈殿物を排出できる。従って、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程及びの時間及び休止時間を延長することとしたが、この所定回数について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。また、休止時間を5秒間から10秒間に増加することとしたが、この増加するすすぎ工程の時間について、被洗浄物の汚れ等に応じて使用者が自由に設定できるように構成してもよい。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の時間及び休止時間を毎回延長することとしたが、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、2回のうち1回のサイクル運転時にすすぎ工程の時間及び休止時間を延長するようにしてもよい。また、設定回数のサイクル運転を行うたびに、すすぎ工程の時間及び休止時間を延長してもよい。この場合、例えば、50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の時間及び休止時間を延長したサイクル運転を1回行い、同様に、次に50回のサイクル運転を行うとすすぎ工程の時間及び休止時間を延長したサイクル運転を1回行う。
(第4変形例)
上記第3変形例においては、所定回数のサイクル運転を行うと、次回のサイクル運転では、すすぎ工程の時間と休止時間とを延長したが、休止時間のみを延長してもよい。第4変形例にかかる食器洗浄機では、マイコン4が、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れに応じて、洗浄工程とすすぎ工程との休止時間を変更する。より具体的には、所定回数のサイクル運転を行うと、次回のサイクル運転を行う際には、洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を所定回数におけるサイクル運転時より延長する。
図9に示されるように、食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS71)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS72)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS73でYES)、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS74でNO)、通常のサイクル運転を行う(ステップS75)。すなわち、休止時間は通常の5秒間程度とする。
サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS74でYES)、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS76)。すなわち、休止時間を10秒に延長する。ステップS75又はステップS76でサイクル運転を行った後、サイクル運転のカウント数に1を加算し(ステップS77)、ステップS73に戻る。このように、通常のサイクル運転を100回行うと、101回目以降は、休止時間を延長したサイクル運転を行う。
このため、洗浄工程中に攪拌された洗浄水は、休止時間を延長することで、その間に洗浄タンク15内で油分が上部に溜まり、沈殿物が底部に溜まる。その後にすすぎ工程を行うことで、上部に溜まった油分又は底部に溜まった沈殿物を排出し易い。このため、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。特に、二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができる。
また、サイクル運転の実施が所定回数以内の場合は、休止時間を延長することはしない。このため、所定回数以内においては、1回のサイクル運転にかかる時間が増加することを防止して、1日のサイクル運転のサイクル数の減少を抑制することができる。よって、1日の食器洗浄処理数の減少を抑制することができる。
また、本変形例では、新たな部品を搭載する必要なく、特殊な構造も必要なく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、休止時間を自動的に延長することとしたので、使用者が操作せずとも、効率的に油分又は沈殿物を排出するので、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、休止時間を延長することとしたが、この所定回数について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。また、休止時間を5秒間から10秒間に増加することとしたが、この増加するすすぎ工程の時間について、被洗浄物の汚れ等に応じて使用者が自由に設定でいるように構成してもよい。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、休止時間を毎回延長することとしたが、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、2回のうち1回のサイクル運転時に休止時間を延長するようにしてもよい。また、設定回数のサイクル運転を行うたびに、休止時間を延長してもよい。この場合、例えば、50回のサイクル運転を行うと休止時間を延長したサイクル運転を1回行い、同様に、次に50回のサイクル運転を行うと休止時間を延長したサイクル運転を1回行う。
(第5変形例)
上記実施形態では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の回数を変更することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更したが、第5変形例では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させることにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やす。この場合の動作について説明する。
図10に示されるように、食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS81)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS82)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS83でYES)、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS84でNO)、通常のサイクル運転を行う(ステップS85)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄ポンプ23のみを駆動して洗浄工程を行い、すすぎポンプ34のみを駆動してすすぎ工程を行う。
サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS84でYES)、サイクル運転において、洗浄ポンプ23とすすぎポンプ34との双方のポンプを駆動して洗浄工程を行い、すすぎポンプ34のみを駆動してすすぎ工程を行う。
ステップS85又はステップS86でサイクル運転を行った後、サイクル運転のカウント数に1を加算し(ステップS87)、ステップS83に戻る。このように、通常のサイクル運転を100回行うと、101回目以降は、洗浄工程中に洗浄ポンプ23だけでなくすすぎポンプ34も駆動させたサイクル運転を行う。
このように洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させることにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量は増える。このため、洗浄タンク15内で汚れた洗浄水が比較的きれいなすすぎ水に入れ替わる入れ替え量が多くなる。よって、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。
また、1回のサイクル運転にかかる時間が長くなることなく、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。また、サイクル運転の実施が所定回数以内の場合は、洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させることはしない。このため、消費電力及び消費水量にかかるランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、本変形例では、新たな部品を搭載する必要なく、特殊な構造も必要なく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。また、所定回数以降のサイクル運転における洗浄工程中にすすぎポンプ34を自動的に駆動することとしたので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を自動的に増大させて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動することしたが、この所定回数について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。また、洗浄工程中のすすぎポンプ34の駆動時間について、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。洗浄工程中のすすぎポンプ34の駆動時間を長くすることにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量を増加できる。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、洗浄工程中に毎回すすぎポンプ34を駆動することとしたが、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、2回のうち1回のサイクル運転において洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動するようにしてもよい。また、設定回数のサイクル運転を行うたびに、洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動するようにしてもよい。この場合、例えば、50回のサイクル運転を行うと洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動したサイクル運転を1回行い、同様に、次に50回のサイクル運転を行うと洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動したサイクル運転を1回行う
また、サイクル運転を所定回数以上行い、且つ、貯湯タンク28内のすすぎ水の温度が設定温度以上である場合に、洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動するように制御してもよい。これにより、1回のサイクル運転で貯湯タンク28内のすすぎ水が多く使用されることにより、貯湯タンク28内のすすぎ水の昇温が間に合わずに、設定温度以下ですすぎ工程が実施されることを防止できる。
また、洗浄工程を一定時間延長してもよい。また、貯湯タンク28内のすすぎ水が設定温度以上となるまで、洗浄工程を自動延長するようにしてもよい。これにより、貯湯タンク28内のすすぎ水の昇温が間に合わずに、設定温度以下ですすぎ工程が実施されることを防止できる。
また、上記では、洗浄工程中にすすぎポンプ34を洗浄ポンプ23と同時に駆動させることとしたが、洗浄ポンプ23を駆動する前に、すすぎポンプ34を駆動してもよい。この場合、サイクル運転の最初にすすぎポンプ34を駆動し、その後、洗浄ポンプ23を駆動して食器の洗浄を行い、その後、すすぎポンプ34を駆動して食器のすすぎを行う。サイクル運転の開始直前は、洗浄工程直後より、洗浄タンク15内において油分が上部に溜まり、沈殿物が底部に溜まっている。このため、サイクル運転の最初にすすぎポンプ34を駆動することにより、上部に溜まった油分又は底部に溜まった沈殿物を排出し易い。よって、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。特に、二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができる。
(第6変形例)
上記実施形態では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、すすぎ工程の回数を変更することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更した。これに対して第6変形例では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させることにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やす。この場合の動作について説明する。
図11に示されるように、食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS91)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS92)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS93でYES)、通常のサイクル運転を行い(ステップS94)、サイクル運転のカウント数に1を加算する(ステップS95)。
そして、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS96でNO)、ステップS93に戻り、再び運転開始信号が入力されるまで待機する。サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS96でYES)、一定時間後にすすぎポンプ34を30秒駆動させる(ステップS97)。
このように、サイクル運転とは別にすすぎポンプを駆動させることにより、洗浄室内に噴射するすすぎ水量は増える。このため、洗浄タンク15内の汚れた洗浄水が比較的きれいなすすぎ水に入れ替わる入れ替え量が多くなる。
また、すすぎ工程中では、洗浄室内へ噴射されたすすぎ水が洗浄タンク15内に回収されて、多少は洗浄タンク15内の洗浄水が攪拌されるものの、洗浄工程中ほど攪拌されない。そして、サイクル運転が終了してから時間が経つと、洗浄タンク15内で、油分が上部に浮き、沈殿物が底部に溜まる。このように、汚れが上部と下部とに溜まった状態ですすぎポンプを駆動することにより、汚れを多く含む洗浄水を排水し易い。このため、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを容易に抑制することができる。特に、二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができるので、洗浄水の入れ替えを効率的にできる。
また、サイクル運転終了後にすすぎポンプを駆動するので、サイクル運転自体の妨げになることなく、洗浄タンク内で汚れた洗浄水を比較的きれいなすすぎ水へ入れ替えることができる。
また、サイクル運転の実施が所定回数以内の場合は、サイクル運転の所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させることはしない。このため、消費電力及び消費水量にかかるランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、本変形例では、新たな部品を搭載する必要なく、特殊な構造も必要なく、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、サイクル運転の所定時間後にすすぎポンプ34を自動的に駆動することとしたので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を自動的に増大させて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
また、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、直前に行ったサイクル運転開始までのインターバルが所定時間以上空いている場合に、直前に行ったサイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。例えば、所定回数が100回であった場合、100回目のサイクル運転開始から101回目のサイクル運転開始までの時間が所定時間(10分)以上あった場合、101回目のサイクル運転が終了してから所定時間(30秒)後に自動的にすすぎポンプ34を駆動する。
100回目のサイクル運転開始から101回目のサイクル運転開始までの時間が所定時間(10分)未満であった場合、サイクル運転開始までのインターバルが所定時間(10分)以上となるまでは、洗浄タンク15内を綺麗にするためのすすぎポンプ34の駆動は行わない。サイクル運転開始までのインターバルが所定時間(10分)以上となった場合に、そのサイクル運転が終了してから所定時間(30秒)後に自動的にすすぎポンプ34を駆動する。
この場合、食器洗浄機1の使用が頻繁な時には、所定回数のサイクル運転を行った後でも、洗浄タンク15内を綺麗にするためのすすぎポンプ34の駆動は行わない。食器洗浄機1の使用が頻繁でなく、インターバルが長いときに、すすぎポンプ34を駆動することができる。よって、洗浄作業の妨げにならない。
(第7変形例)
第6変形例では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転においては、サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させることにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やした。第7変形例にかかる食器洗浄機1では、所定回数のサイクル運転を行った後のサイクル運転において、サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させる際に、すすぎ工程時より低出力ですすぎポンプ34を駆動する。この場合の動作について説明する。
図12に示されるように、食器洗浄機1の電源がONされる(ステップS101)と、初期給湯が行われ、サイクル運転のカウント数が0にセットされる(ステップS102)。そして、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS103でYES)、通常のサイクル運転を行い(ステップS104)、サイクル運転のカウント数に1を加算する(ステップS105)。
そして、サイクル運転のカウント数が100以下の場合(ステップS106でNO)、ステップS103に戻り、再び運転開始信号が入力されるまで待機する。サイクル運転のカウント数が100より大きい場合(ステップS106でYES)、一定時間後に例えば30秒程度すすぎポンプ34をすすぎ工程中より低出力で駆動させる(ステップS107)。例えば、すすぎ工程中の出力の30%〜50%の出力ですすぎポンプ34を駆動する。また、例えば、上側すすぎノズル11及び下側すすぎノズル13が回転しない程度の低出力ですすぎポンプ34を駆動する。
このように、サイクル運転とは別にすすぎポンプを低出力で駆動させることにより、上記の第6変形例にかかる制御を行った場合の効果に加えて次のような効果がある。すすぎポンプを低出力で駆動させることにより、洗浄タンク15内の洗浄水の攪拌を抑制するので、洗浄タンク15内で油分が上部に溜まり、沈殿物が底部に溜まった状態で、排水を行うことができる。このため、油分と沈殿物を効率よく排出できる。
また、例えば、上側すすぎノズル11からすすぎ水が噴射されずに、下側すすぎノズル13のみからすすぎ水が流出する程度の低出力ですすぎポンプ34を駆動する。この場合、食器Pに下側すすぎノズル13から噴射するすすぎ水が当たらないので、食器Pの乾燥を妨げることを防止できる。
(第8変形例)
図13に示されるように、第8変形例に係る食器洗浄機1Aは、洗浄水入れ替えスイッチ62が設けられた操作パネル61を備えている。この洗浄水入れ替えスイッチ62は、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する設定を受け付けるものである。食器洗浄機1Aでは、洗浄水入れ替えスイッチ62によって洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する設定が受け付けられると、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する。具体的には、サイクル運転のすすぎ工程の時間を延長することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増加させる。
図14に示されるように、食器洗浄機1Aの電源がONされる(ステップS111)と、初期給湯が行われ、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS112でYES)、洗浄水入れ替えスイッチ62がOFFである場合(ステップS113でOFF)は、通常のサイクル運転を行う(ステップS114)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程後、すすぎ工程を通常の6秒間行う。
一方、洗浄水入れ替えスイッチ62がONである場合(ステップS113でON)は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS115)。すなわち、洗浄工程後、すすぎ工程を8秒間に延長して行う。
サイクル運転終了(ステップS116)後、ステップS112に戻る。
このように制御することにより、利用者が洗浄タンク15内の洗浄水が汚れていると気づいた際に洗浄水入れ替えスイッチ62を用いて操作することにより、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量を増やすことができる。よって、確実に、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ことができる。
洗浄水入れ替えスイッチ62は、他の操作スイッチと兼用してもよいし、専用スイッチでもよい。また、洗浄水入れ替えスイッチ62とは別に、サイクル運転の開始を受け付ける開始スイッチを別に備え、利用者が洗浄水入れ替えスイッチ62をONとなるように操作すると、以降のサイクル運転は、洗浄水入れ替えスイッチ62がOFFになるまで、すすぎ工程を延長するようにしてもよい。また、以降の所定回数(例えば5回)のサイクル運転のすすぎ工程を延長するようにしてもよい。また、利用者が洗浄水入れ替えスイッチ62をONとなるように操作すると、所定時間後、又は、所定回数のサイクル運転を行った後、自動的にOFFとなるようにしてもよい。また、サイクル運転の開始を受け付ける開始スイッチと洗浄水入れ替えスイッチ62とを備え、洗浄水入れ替えスイッチ62を操作すると、すすぎ工程の時間を延長したサイクル運転を行うようにしてもよい。
上記第8変形例では、洗浄水入れ替えスイッチ62によってすすぎ水量を変更する設定が受け付けられると、洗浄工程の時間を延長することによって、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量を変更することとしたが、これに限られない。サイクル運転におけるすすぎ工程の回数を増やしても良い。サイクル運転の洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。
また、洗浄水入れ替えスイッチ62に加えて、休止時間を変更する設定を受け付けるスイッチを設けてもよい。この場合、マイコン4は、スイッチによって休止時間を変更する設定が受け付けられると、次に行うサイクル運転の休止時間を変更する。この場合、利用者が洗浄タンク15内の洗浄水が汚れていると気づいた際にスイッチを用いて操作することにより、洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長することができる。よって、より確実に、洗浄タンク内で、油分が上部に浮き、沈殿物が底部に溜まった状態で、すすぎ工程が行われる。このため、汚れを多く含む洗浄水を排水し易い。よって、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ことができる。特に、利用者が洗浄タンク15内の洗浄水が汚れていると気づいた際に、洗浄水入れ替えスイッチ62と休止時間を変更する設定を受け付けるスイッチとの双方をONにすることにより、サイクル運転の休止時間とすすぎ工程の時間とが延長される。
また、洗浄水入れ替えスイッチ62に替えて、休止時間を変更する設定を受け付けるスイッチを設けてもよい。この場合、マイコン4は、スイッチによって休止時間を変更する設定が受け付けられると、休止時間を変更する。この場合、利用者が洗浄タンク15内の洗浄水が汚れていると気づいた際にスイッチを用いて操作することにより、洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長することができる。よって、より確実に、洗浄タンク内で、油分が上部に浮き、沈殿物が底部に溜まった状態で、すすぎ工程が行われる。このため、汚れを多く含む洗浄水を排水し易い。よって、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ことができる。特に、食器洗浄機1Aが二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができる。
(第9変形例)
上記実施形態、第1〜第8変形例では、洗浄タンク15内の汚れに応じて、洗浄室5内へ噴射するすすぎ水の量を変更するために、所定回数のサイクル運転を行うと、洗浄室5内へ噴射するすすぎ水の量を増やすこととした。これに替えて、図15に示される食器洗浄機1Bでは、洗浄タンク15内の汚れに応じて、制御を行うために、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れ状況を検知する汚れ検知センサ63を備え、マイコン4は、汚れ検知センサ63によって測定された汚れが所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増加させる。
汚れ検知センサ63は、洗浄タンク15内に配置され、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れ度合いを測定する。汚れ検知センサ63として、例えば、洗浄水の透明度を測定する光学センサ、又は、洗浄水の電気伝導度を測定する電気センサ等を用いることができる。マイコン4は、汚れ検知センサ63から入力する測定値に基づいて、次のような制御を行う。
図16に示されるように、食器洗浄機1Bの電源がONされる(ステップS121)と、初期給湯が行われ、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS122でYES)、汚れ検知センサ63から入力した測定値が所定値未満である場合(ステップS123でNO)は、通常のサイクル運転を行う(ステップS124)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程後、すすぎ工程を通常の6秒間行う。
一方、汚れ検知センサ63から入力した測定値が所定値以上である場合(ステップS123でYES)は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS125)。すなわち、洗浄工程後、すすぎ工程を8秒間に延長して行う。そして、サイクル運転終了(ステップS126)後、ステップS122に戻る。
このように制御することで、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れがひどくなると、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長するので、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やすことができる。このため、洗浄タンク15内で汚れた洗浄水を比較的きれいなすすぎ水に効率よく入れ替えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを抑制することができる。
また、汚れ検知センサ63の測定値が所定値未満であった場合は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長することはしない。このため、消費電力及び消費水量にかかるランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、汚れ検知センサ63による測定値が所定値以上である場合に、すすぎ工程の時間を延長するので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れに応じて自動的に、洗浄タンク15内の洗浄水を比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を増大させて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、すすぎ工程を通常の6秒間から8秒間へ延長したが、被洗浄物の汚れ状況等に応じて、使用者が設定可能に構成してもよい。また、汚れ検知センサ63によって所定値以上の汚れが検知された後、全てのサイクル運転においてすすぎ工程の時間を延長するようにしてもよい。また、汚れ検知センサ63によって所定値以上の汚れが検知された後、所定回数毎のサイクル運転においてすすぎ工程の時間を延長するようにしてもよい。
また、汚れ検知センサ63によって所定値以上の汚れが検知された後、所定回数(例えば5回)のサイクル運転においてすすぎ工程の時間を延長するようにしてもよい。この場合、汚れ検知センサ63によって所定値以上の汚れが検知された後、例えば2回(所定回数未満)のサイクル運転が終了した時点で洗浄タンク15内の洗浄水の汚れが所定値未満に下がっていたとしても、所定回数続けてサイクル運転のすすぎ工程の時間を延長することで、十分に洗浄タンク15内の洗浄水を比較的きれいなすすぎ水に入れ替えることができる。
また、汚れ検知センサ63による測定値と比較する所定値を複数設定してもよい。例えば、第1の所定値、第1の所定値より汚れ度合いが大きいことを示す第2の所定値を設定し、汚れ検知センサ63による測定値が第1の所定値以上で第2の所定値未満である場合に、サイクル運転のすすぎ工程の時間を例えば2秒延長し、汚れ検知センサ63による測定値が第2の所定値以上である場合に、サイクル運転のすすぎ工程の時間を4秒延長するようにしてもよい。
また、汚れ検知センサ63の測定値をマイコン4が入力するタイミングは、サイクル運転終了後でもよく、その場合は、次回のサイクル運転のすすぎ工程の時間を汚れ検知センサ63の測定値に基づいて変更する。
また、上記第9変形例では、すすぎ工程の時間を延長することによって、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量を変更することとしたが、これに限られない。サイクル運転におけるすすぎ工程の回数を増やしても良い。サイクル運転の洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。
また、上記第9変形例では、汚れ検知センサ63によって測定された汚れ(測定値)が所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更することとしたが、汚れ検知センサ63によって測定された汚れ(測定値)が所定値以上である場合に、サイクル運転の洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長するようにしてもよい。
この場合、洗浄タンク内の洗浄水の汚れがひどくなると、自動的に、休止時間を延長するので、洗浄タンク15内で、油分が上部に浮き、沈殿物が底部に溜まった状態で、すすぎ工程が行われる。このため、汚れを多く含む洗浄水を排水し易い。よって、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ことができる。特に、食器洗浄機1Bが二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができる。
(第10変形例)
図17に示される第10変形例に係る食器洗浄機1Cでは、洗浄タンク15内の汚れに応じて制御を行うために、被洗浄物の重量を測定する重量センサ64を備え、マイコン4は、重量センサ64によって測定された測定値が所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する
重量センサ64は、食器ラック8にセットされた食器Pの重量を測定するセンサである。この重量センサ64は、例えば、食器ラック8の下側に取り付けられて、食器ラック8が重量センサ64を介してラックレール(図示せず)上に載置される。マイコン4は、重量センサ64から入力する測定値に基づいて、次のような制御を行う。
図18に示されるように、食器洗浄機1Cの電源がONされる(ステップS131)と、初期給湯が行われ、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS132でYES)、重量センサ64から入力した食器Pの重量の測定値が所定値未満である場合(ステップS133でNO)は、通常のサイクル運転を行う(ステップS134)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程後、すすぎ工程を通常の6秒間行う。
一方、重量センサ64から入力した食器Pの重量の測定値が所定値以上である場合(ステップS133でYES)は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS135)。すなわち、洗浄工程後、すすぎ工程を8秒間に延長して行う。そして、サイクル運転終了(ステップS136)後、ステップS132に戻る。
食器Pの重量が重い場合は、食器Pの量が多く、食器Pの量に応じて被洗浄物から洗い流される汚れも多いことが予測できる。よって、食器Pの重量が重い場合には、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れがひどくなることが予測できる。このため、重量センサ64によって測定された測定値が所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を増やすことにより、自動的に、洗浄タンク内の汚れ状況に応じて、洗浄タンク内で汚れた洗浄水を比較的きれいなすすぎ水に入れ替える量を増やすことができる。従って、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを抑制することができる。
また、重量センサ64の測定値が所定値未満であった場合は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長することはしない。このため、消費電力及び消費水量にかかるランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、重量センサ64によって測定された汚れが所定値以上である場合に、すすぎ工程の時間を延長するので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れに応じて自動的に、洗浄タンク15内の洗浄水が比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を増大させて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、すすぎ工程を通常の6秒間から8秒間へ延長したが、被洗浄物の汚れ状況等に応じて、使用者が設定可能に構成してもよい。また、すすぎ工程を延長するか否かの判定をするための所定値は、被洗浄物の種類により設定可能な値としてもよい。例えば、プラスチック製の食器Pが多い場合は、陶磁器製の食器Pが多い場合と比較して、重量に対する汚れ量が多くなる傾向がある。このため、プラスチック製の食器Pが多い場合は、すすぎ工程を延長するか否かの判定をするための所定値を、比較的低く設定することで、更に洗浄タンク15内の洗浄水の汚れ状況に応じた制御を行うことができる。
また、重量センサ64による測定値と比較する所定値を複数設定してもよい。例えば、第1の所定値、第1の所定値より汚れ度合いが大きいことを示す第2の所定値を設定し、重量センサ64による測定値が第1の所定値以上で第2の所定値未満である場合に、サイクル運転のすすぎ工程の時間を例えば2秒延長し、重量センサ64による測定値が第2の所定値以上である場合に、サイクル運転のすすぎ工程の時間を4秒延長するようにしてもよい。
また、上記第10変形例では、すすぎ工程の時間を延長することによって、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量を変更することとしたが、これに限られない。サイクル運転におけるすすぎ工程の回数を増やしても良い。サイクル運転の洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。
また、上記第10変形例では、重量センサ64によって測定された汚れ(測定値)が所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更することとしたが、重量センサ64によって測定された汚れ(測定値)が所定値以上である場合に、サイクル運転の洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長するようにしてもよい。
この場合、被洗浄物の重量が重い場合は、自動的に、休止時間を延長するので、洗浄タンク15内で、油分が上部に浮き、沈殿物が底部に溜まった状態で、すすぎ工程が行われる。このため、汚れを多く含む洗浄水を排水し易い。よって、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ことができる。特に、食器洗浄機1Cが二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができる。
(第11変形例)
第11変形例の食器洗浄機では、上記の重量センサ64を備え、サイクル運転を行う毎に食器Pの重量を測定し、その累計が所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更する。マイコン4は、重量センサ64から入力する測定値に基づいて、次のような制御を行う。
図19に示されるように、食器洗浄機の電源がONされる(ステップS141)と、初期給湯が行われ、運転開始信号が入力されるまで待機する。マイコン4に運転開始信号が入力されると(ステップS142でYES)、重量センサ64から入力した食器Pの測定重量を、今までのサイクル運転毎に測定した累計重量に加算し、その値を累計重量とする(ステップS143)。
そして、累計重量が所定値未満である場合(ステップS144でNO)は、通常のサイクル運転を行う(ステップS145)。すなわち、通常のサイクル運転として、洗浄工程後、すすぎ工程を通常の6秒間行う。
一方、累計重量が所定値以上である場合(ステップS144でYES)は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長した運転を行う(ステップS146)。すなわち、洗浄工程後、すすぎ工程を8秒間に延長して行う。そして、サイクル運転終了(ステップS147)後、ステップS142に戻る。
重量センサ64によって測定された測定値の累計が大きいと、被洗浄物に付着した多くの汚れが洗い流され、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れがひどくなると予測できる。特に、重量センサ64によって測定された測定値の累計に基づいて、洗浄タンク15内に累積される汚れ量を類推するので、洗浄タンク15内の汚れ状況をより正確に類推することができる。よって、重量センサ64によって測定された測定値の累計が所定値以上である場合に、洗浄室内に噴射するすすぎ水の量を増やすことにより、自動的に、洗浄タンク内の汚れ状況に応じて、洗浄タンク内で汚れた洗浄水を比較的きれいなすすぎ水に入れ替える量を増やすことができる。従って、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、汚れを抑制することができる。
また、重量センサ64による累計重量が所定値未満であった場合は、サイクル運転におけるすすぎ工程の時間を延長することはしない。このため、消費電力及び消費水量にかかるランニングコストの増加を最小限に抑えて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保ち、洗浄能力を保持できる。
また、重量センサ64による累計重量が所定値以上である場合に、すすぎ工程の時間を延長するので、使用者が操作せずとも、洗浄タンク15内の洗浄水の汚れに応じて自動的に、洗浄タンク15内の洗浄水を比較的きれいなすすぎ水へ入れ替わる量を増大させて、洗浄タンク15内の洗浄水をより綺麗な状態に保つことができる。
上記では、すすぎ工程を通常の6秒間から8秒間へ延長したが、被洗浄物の汚れ状況等に応じて、使用者が設定可能である。また、すすぎ工程を延長するか否かの判定をするための閾値としての所定値は、被洗浄物の種類により設定可能な値としてもよい。例えば、プラスチック製の食器Pが多い場合は、陶磁器製の食器Pが多い場合と比較して、重量に対する汚れ量が多くなる傾向がある。このため、プラスチック製の食器Pが多い場合は、すすぎ工程を延長するか否かの判定をするための所定値を、比較的低く設定してもよい。
また、食器Pの累積重量が所定値以上となった後は、継続的にサイクル運転のすすぎ工程の時間を延長してもよい。また、食器Pの累積重量が所定値以上となると、累積重量をリセットしてもよい。また、食器Pの累積重量が所定値以上となった後、所定回数(例えば5回)のサイクル運転においてすすぎ工程の時間を延長してもよい。
また、上記第11変形例では、洗浄工程の時間を延長することによって、洗浄室5内に噴射するすすぎ水量を変更することとしたが、これに限られない。サイクル運転におけるすすぎ工程の回数を増やしても良い。サイクル運転の洗浄工程中にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。サイクル運転が終了してから所定時間後にすすぎポンプ34を駆動させてもよい。
また、上記第10変形例では、重量センサ64によって測定された累積重量が所定値以上である場合に、洗浄室5内に噴射するすすぎ水の量を変更することとしたが、重量センサ64によって測定された累積重量が所定値以上である場合に、サイクル運転の洗浄工程とすすぎ工程との間の休止時間を延長するようにしてもよい。
この場合、被洗浄物の累積重量が重い場合は、自動的に、休止時間を延長するので、洗浄タンク15内で、油分が上部に浮き、沈殿物が底部に溜まった状態で、すすぎ工程が行われる。このため、汚れを多く含む洗浄水を排水し易い。よって、洗浄タンク内の洗浄水をより綺麗な状態に保ことができる。特に、食器洗浄機1Bが二重管52を備えることで、洗浄タンク15内の上部の油分又は下部の沈殿物を積極的に排出することができる。
1,1A〜1C…食器洗浄機、4…マイコン(制御手段)、5…洗浄室、28…貯湯タンク、34…すすぎポンプ、62…洗浄水入れ替えスイッチ(操作部)、63…汚れ検知センサ(汚れ検知手段)、64…重量センサ、50…オーバーフロー管、52…二重管、P…食器(被洗浄物)。