JP2010017032A - 回転電機用ステータおよび電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転電機のステータが磁極の極性が揃った複数の回転磁界を発生させる場合に、ステータコアやコイルのコストを削減する。
【解決手段】 アウターロータ13に軸線L方向に所定の間隙を存して並置された第1、第2誘導磁極38L,38Rを、ステータ12に軸線L方向にスペーサ22を介して並置された第1、第2ステータコア18L,18Rを対向させたので、第1、第2ステータコア18L,18Rをスペーサ22を介さずに一体化して軸線L方向の寸法が同一のステー12を構成する場合に比べて、前記スペーサ22の分だけステータ12の材料を削減し、重量の軽減やコストダウンに寄与することができる。また第1、第2ステータコア18L,18Rに共通のコイル39を巻回したので、構造を簡素化して巻線コストを削減できるだけでなく、第1、第2ステータコア18L,18Rの軸線L方向に対向する磁極の極性を同一にし、磁極間の磁束の短絡を回避することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 アウターロータ13に軸線L方向に所定の間隙を存して並置された第1、第2誘導磁極38L,38Rを、ステータ12に軸線L方向にスペーサ22を介して並置された第1、第2ステータコア18L,18Rを対向させたので、第1、第2ステータコア18L,18Rをスペーサ22を介さずに一体化して軸線L方向の寸法が同一のステー12を構成する場合に比べて、前記スペーサ22の分だけステータ12の材料を削減し、重量の軽減やコストダウンに寄与することができる。また第1、第2ステータコア18L,18Rに共通のコイル39を巻回したので、構造を簡素化して巻線コストを削減できるだけでなく、第1、第2ステータコア18L,18Rの軸線L方向に対向する磁極の極性を同一にし、磁極間の磁束の短絡を回避することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、軸線方向に所定の間隙を存して並置された複数の磁性体列を備えるロータに対向して回転磁界を発生するステータが、前記複数の磁性体列にそれぞれ対向する複数のステータコアを備える回転電機用ステータと、その回転電機用ステータを備える電動機とに関する。
軸線を囲むように配置された環状のステータと、軸線まわりに回転可能なインナーロータと、ステータおよびインナーロータ間に配置されて軸線まわりに回転可能なアウターロータとを備え、そのステータは、複数の第1電機子で構成されて円周方向に沿って回転する第1回転磁界を発生させる第1電機子列と、複数の第2電機子で構成されて円周方向に沿って回転する第2回転磁界を発生させる第2電機子列とを並置して成り、そのインナーロータは、複数の第1永久磁石で構成された第1永久磁石列と、複数の第2永久磁石で構成された第2永久磁石列とを並置して成り、そのアウターロータは、軟磁性体製の複数の第1誘導磁極で構成された第1誘導磁極列と、軟磁性体製の複数の第2誘導磁極で構成された第2誘導磁極列とを軸線方向に並置して成り、第1誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ第1電機子列および第1永久磁石列を対向させ、第2誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ第2電機子列および第2永久磁石列を対向させた電動機が、本出願人により、特願2007−333899号で提案されている。
この電動機は、ステータの第1、第2電機子列の相互に対向する磁極が同じ極性であり、第1の実施の形態では第1、第2電機子列の相互に対向する磁極が各々独立したコアおよびコイルを備え、第2の実施の形態では第1、第2電機子列の相互に対向する磁極が共通のコアおよびコイルを備えている。
ところで、上記第1の実施の形態の電動機は、相互に対向する磁極が同じ極性であるにも関わらず、各々独立したコアおよびコイルを備えているので、部品点数が増加してコストアップの要因となる問題があった。また上記第2の実施の形態の電動機は、第1、第2電機子列の相互に対向する磁極が共通のコアおよびコイルを備えることで部品点数を削減しているが、共通のコアの軸線方向中央部は第1回転磁界の発生にも第2回転磁界の発生にも寄与しておらず、コアの軸線方向中央部が無駄になるという問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、回転電機のステータが磁極の極性が揃った複数の回転磁界を発生させる場合に、ステータコアやコイルのコストを削減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、軸線方向に所定の間隙を存して並置された複数の磁性体列を備えるロータに対向して回転磁界を発生するステータが、前記複数の磁性体列にそれぞれ対向する複数のステータコアを備え、前記複数のステータコアは、軸線方向に所定の間隙を存して並置されて共通のコイルが巻回されることを特徴とする回転電機用ステータが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記複数のステータコア間には、該ステータコアと異なる材質のスペーサが配置されることを特徴とする回転電機用ステータが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記スペーサは非導電性部材で構成されることを特徴とする回転電機用ステータが提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2または請求項3の構成に加えて、前記スペーサは、軸線方向に見て前記ステータコアと同一形状であることを特徴とする回転電機用ステータが提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載された回転電機用ステータを備えた電動機であって、前記回転電機用ステータは、それぞれ同一位相で回転する回転磁界を発生させる第1、第2ステータコアを軸線方向に並置して成り、軸線まわりに回転可能に配置された第1ロータおよび第2ロータを備え、前記第1ロータは、円周方向に所定ピッチで交互に異なる極性の磁極を有するように複数の第1永久磁石を配置して構成された第1永久磁石列と、円周方向に前記所定ピッチで交互に異なる極性の磁極を有するように複数の第2永久磁石を配置して構成された第2永久磁石列とを軸線方向に並置して成り、
前記第2ロータは、円周方向に前記所定ピッチで配置された軟磁性体製の複数の第1誘導磁極で構成された第1誘導磁極列と、円周方向に前記所定ピッチで配置された軟磁性体製の複数の第2誘導磁極で構成された第2誘導磁極列とを軸線方向に並置して成り、前記第1誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ前記第1ステータコアおよび前記第1永久磁石列が対向し、前記第2誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ前記第2ステータステータコアおよび前記第2永久磁石列が対向し、前記第2ロータの前記第1誘導磁極の位相および第2誘導磁極の位相を相互に円周方向に前記所定ピッチの半分だけずらし、前記第1ロータの第1永久磁石列の磁極の位相および第2永久磁石列の磁極の位相を円周方向に前記所定ピッチだけずらしたことを特徴とする電動機が提案される。
前記第2ロータは、円周方向に前記所定ピッチで配置された軟磁性体製の複数の第1誘導磁極で構成された第1誘導磁極列と、円周方向に前記所定ピッチで配置された軟磁性体製の複数の第2誘導磁極で構成された第2誘導磁極列とを軸線方向に並置して成り、前記第1誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ前記第1ステータコアおよび前記第1永久磁石列が対向し、前記第2誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ前記第2ステータステータコアおよび前記第2永久磁石列が対向し、前記第2ロータの前記第1誘導磁極の位相および第2誘導磁極の位相を相互に円周方向に前記所定ピッチの半分だけずらし、前記第1ロータの第1永久磁石列の磁極の位相および第2永久磁石列の磁極の位相を円周方向に前記所定ピッチだけずらしたことを特徴とする電動機が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記第1ロータの第1、第2永久磁石列間にスペーサを備えるとともに、前記第2ロータの第1、第2誘導磁極列間にスペーサを備えることを特徴とする電動機が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項5または請求項6の構成に加えて、前記第1ロータのスペーサの幅および前記第2ロータのスペーサの幅は、前記ステータのスペーサの幅と略同一であることを特徴とする電動機が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項5〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、前記第1ロータのスペーサおよび前記第2ロータのスペーサは弱磁性体で構成されることを特徴とする電動機が提案される。
尚、実施の形態のアウターロータ13は本発明の第2ロータあるいはロータに対応し、実施の形態のインナーロータ14は本発明のロータに対応し、実施の形態の第1、第2ステータコア18L,18Rは本発明のステータコアに対応し、実施の形態のセンターリング31は本発明のスペーサに対応する。
請求項1の構成によれば、ロータに軸線方向に所定の間隙を存して並置された複数の磁性体列を、ステータに軸線方向に所定の間隙を存して並置された複数のステータコアを対向させたので、複数のステータコアを間隙を空けずに一体化して軸線方向の寸法が同一のステータを構成する場合に比べて、前記間隙の分だけステータの材料を削減し、重量の軽減やコストダウンに寄与することができる。また複数のステータコアに共通のコイルを巻回したので、構造を簡素化して巻線コストを削減できるだけでなく、複数のステータコアの軸線方向に対向する磁極の極性を同一にし、磁極間の磁束の短絡を回避することができる。
また請求項2の構成によれば、複数のステータコア間に、そのステータコアと異なる材質のスペーサを配置したので、複数のステータコアをスペーサを介して一体化することでステータの剛性の向上やコイルの巻線コストの削減を図ることができる。このとき、スペーサを挟んで両側に位置するステータコアの相互に対向する磁極の極性が同一であるため、スペーサを磁気短絡が発生し難い弱磁性体で構成する必要がなくなり、材料選択の自由度が向上する。
また請求項3の構成によれば、スペーサを非導電性部材で構成したので、スペーサに渦電流が発生するのを防止して損失を低減することができる。
また請求項4の構成によれば、軸線方向に見てスペーサおよびステータコアを同一形状としたので、それらの製造が容易であるだけでなく、コイルの巻回も容易になる。
また請求項5の構成によれば、電動機は、軸線を囲むように配置された第1、第2ステータコアにより第1、第2回転磁界を発生する環状のステータと、第1、第2永久磁石で構成された第1、第2永久磁石列を有して軸線まわりに回転可能な第1ロータと、ステータおよび第1ロータ間に配置され、第1、第2誘導磁極で構成された第1、第2誘導磁極列を有して軸線まわりに回転可能な第2ロータとを備えており、第1誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ第1ステータコアおよび第1永久磁石列を対向させ、第2誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ第2ステータコアおよび第2永久磁石列を対向させたので、第1、第2ステータコアに対する通電を制御して第1、第2回転磁界を回転させることで、第1、第2ステータコア、第1、第2永久磁石および第1、第2誘導磁極を通過する磁路を形成し、第1ロータおよび第2ロータの一方あるいは両方を回転させることができる。
このとき、第2ロータの第1、第2誘導磁極の位相を相互に所定ピッチの半分だけずらし、第1ロータの第1、第2永久磁石列の磁極の位相を相互に所定ピッチだけずらしたことにより、ステータの第1、第2回転磁界の極性の位相を一致させることができ、これにより第1、第2ステータコアの磁極を同一位相で配置することが可能になってステータの構造を簡素化することができる。
また請求項6の構成によれば、第1ロータの第1、第2永久磁石列間にスペーサを設け、かつ第2ロータの第1、第2誘導磁極列間にスペーサを設けたので、複数のステータコア間の軸線方向の間隙に前記スペーサを対応させ、第1ロータおよび第2ロータの材料を節減することができる。
また請求項7の構成によれば、第1ロータのスペーサの幅、第2ロータのスペーサの幅およびステータのスペーサの幅を略同一としたので、第1ロータの第1、第2永久磁石列、第2ロータの第1、第2誘導磁極列およびステータの第1、第2ステータコアを軸線方向にずれないように径方向に整列させ、それらの間の磁束の受け渡しを効率よく行うことができる。
また請求項8の構成によれば、第1ロータのスペーサを弱磁性体で構成したので、軸線方向に並置された第1、第2永久磁石列の相互に対向する第1、第2永久磁石の極性が異なっていても、それらの間に配置された磁気抵抗が大きい弱磁性体のスペーサにより磁気短絡の発生を防止することができる。同様に、第2ロータのスペーサを弱磁性体で構成したので、軸線方向に並置された第1、第2誘導磁極列の相互に近接する第1、第2誘導磁極の極性が異なっていても、それらの間に配置された磁気抵抗が大きい弱磁性体のスペーサにより磁気短絡の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図21は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は電動機を軸線方向に見た正面図(図2の1−1線断面図)、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は電動機の分解斜視図、図6はインナーロータの分解斜視図、図7は図2の7部拡大図、図8は図7の8−8線断面図、図9は図7の9−9線断面図、図10は図7の10−10線断面図、図11は図7の11−11線断面図、図12はアウターロータの部分分解斜視図、図13は図8の13部拡大図、図14は図13に対応する作用説明図、図15は電動機を円周方向に展開した模式図、図16はインナーロータを固定した場合の作動説明図の(その1)、図17はインナーロータを固定した場合の作動説明図の(その2)、図18はインナーロータを固定した場合の作動説明図の(その3)、図19はアウターロータを固定した場合の作動説明図の(その1)、図20はアウターロータを固定した場合の作動説明図の(その2)、図21はアウターロータに発生する渦電流を示す図である。
図5に示すように、本実施の形態の電動機Mは、軸線L方向に短い八角筒形状を成すケーシング11と、ケーシング11の内周に固定された円環状のステータ12と、ステータ12の内部に収納されて軸線Lまわりに回転する円筒状のアウターロータ13と、アウターロータ13の内部に収納されて軸線Lまわりに回転する円筒状のインナーロータ14とで構成されるもので、アウターロータ13およびインナーロータ14は固定されたステータ12に対して相対回転可能であり、かつアウターロータ13およびインナーロータ14は相互に相対回転可能である。
図1および図2から明らかなように、ケーシング11は有底八角筒状の本体部15と、本体部15の開口に複数本のボルト16…で固定される八角板状の蓋部17とで構成されており、本体部15および蓋部17には通気のための複数の開口15a…,17a…が形成される。
図1〜図5から明らかなように、ステータ12は電磁鋼板を積層したステータコア18を備えており、ステータコア18の内周面には複数(実施の形態では96個)のティース18a…および複数(実施の形態では96個)のスロット18b…が円周方向に交互に形成される。ステータコア18のスロット18b…にはU相、V相、W相のコイル19が分布巻きされており、その渡り部分がステータコア18の軸線L方向両側面に環状をなして露出する。ステータ12は、ステータコア18を軸線L方向に貫通する複数本のボルト20…でケーシング11の本体部15の内面に固定される。ケーシング11の本体部15に設けた3個の端子23,24,25(図1参照)からU相、V相、W相のコイル19に3相交流電流を供給することで、ステータ12に回転磁界を発生させることができる。
図2に明瞭に示されるように、ステータ12の電磁鋼板よりなるステータコア18は軸線L方向に二分割された第1ステータコア18Lおよび第2ステータコア18Rを備えており、その第1、第2ステータコア18L,18Rの間に非導電性部材で構成されたスペーサ22が挟持される。第1ステータコア18L、第2ステータコア18Rおよびスペーサ22を軸線L方向に見た形状は同一であり、従ってそれらの製造が容易になる。
ステータ12の第1、第2ステータコア18L,18Rとスペーサ22とには共通のコイル19が巻回されているため、第1、第2ステータコア18L,18Rには同位相の回転磁界が発生する。
図2および図5から明らかなように、アウターロータ13は、弱磁性体で環状に形成されたセンターリング31と、弱磁性体で円板状に形成されてセンターリング31の軸線L方向両側に配置される第1、第2ロータフランジ32L,32Rと、弱磁性体で柱状に形成されて円周方向に所定間隔で配置され、センターリング31と第1、第2ロータフランジ32L,32Rとを接続する複数(実施の形態では左右それぞれ18個)の連結部材33…とを備えた円筒状の部材であり、連結部材33…はボルト39…およびナット40…でセンターリング31および第1、第2ロータフランジ32L,32Rに固定される。第1ロータフランジ32Lの中心から軸線L方向の一側に突出する第1アウターロータシャフト34がボールベアリング35でケーシング11の本体部15に回転自在に支持されるとともに、第2ロータフランジ32Rの中心から軸線L方向の他側に突出する第2アウターロータシャフト36がボールベアリング37でケーシング11の蓋部17に回転自在に支持される。
尚、弱磁性体とは、磁石に吸着しない材質で、例えばアルミニウム等の他に樹脂、木等を含み、非磁性体と呼ばれることもある。
センターリング31、第1ロータフランジ32Lおよび連結部材33…で囲まれた空間に、それぞれ軟磁性体製の第1誘導磁極38L…が支持されるとともに、センターリング31、第2ロータフランジ32Rおよび連結部材33…で囲まれた空間に、それぞれ軟磁性体製の第2誘導磁極38R…が支持される。第1、第2誘導磁極38L…,38R…は、鉄損を低減すべく相互に接触する面が絶縁コーティングされた多数枚の軟磁性体の薄板を軸線L方向に積層して構成されており、その個数は本実施の形態では左右それぞれ16個である。
尚、軟磁性体とは磁性体の一種で、磁力を加えると磁極が発生し、磁力を取り去ると磁極が消滅するものをいう。
図12から明らかなように、弱磁性体で構成されたセンターリング31は軸線L方向両側に交互に突出する突出部31a…と、突出部31a…の径方向内側であって該突出部31a…の突出方向と反対側の側面に形成された略四角形のボルト頭部嵌合凹部31b…と、そのボルト頭部嵌合凹部31b…の中央を貫通するボルト孔31c…とを備える。
弱磁性体で構成された連結部材33は、曲率半径が大きい円弧面よりなる外周面33aと、曲率半径が小さい円弧面よりなる一対の凸部33b,33bと、円周方向中間部が径方向内側に膨出する内周面33cとを有しており、その中心をボルト孔33dが軸線L方向に貫通する。連結部材33の内周面は、ボルト孔33dが設けられた部分だけが径方向内側に膨出して径方向に厚くなっており、その他の部分は径方向に薄くなっている。
弱磁性体で構成されたボルト39の頭部39aは、前記ボルト頭部嵌合凹部31bに隙間なく嵌合する略四角形に形成される。第1、第2誘導磁極38L,38Rの横断面は曲率半径が大きい円弧面よりなる外周面38aと、平面状の一対の側面38b,38bと、曲率半径が大きい円弧面よりなる内周面38cと、前記一対の側面38b,38bにそれぞれ形成された曲率半径が小さい円弧面よりなる凹部38d,38dとを備える。
図7〜図12から明らかなように、センターリング31の一端側からボルト孔31c…に挿入されたボルト39…は、その頭部39a…がセンターリング31のボルト頭部嵌合凹部31b…に嵌合して回り止めされ、センターリング31の他端側に突出したボルト39…は、連結部材33…のボルト孔33d…と第1ロータフランジ32Lあるいは第2ロータフランジ32Rに形成されたボルト孔32a…とを貫通し、ナット40…により締結される。このとき、連結部材33の外周面33a…の一端側はセンターリング31の突出部31a…の内周面に密着し(図7参照)、かつ連結部材33の外周面33a…の他端側は第1ロータフランジ32Lあるいは第2ロータフランジ32Rの突出部32b…の内周面に密着することで(図7参照)、連結部材33…がセンターリング31および第1、第2ロータフランジ32L,32Rに対して精度よく位置決めされる。
各連結部材33の凸部33b,33bが、円周方向に隣接する第1誘導磁極38Lあるいは第2誘導磁極38Rの側面38b,38bの凹部38d,38dに嵌合することで、第1、第2軟磁性体38L,38Rが一対の連結部材33,33間に保持される。
図7および図11から明らかなように、第1、第2ロータフランジ32L,32Rの内面には円形のスプリング支持孔32c…が形成されており、それらのスプリング支持孔32c…にサークリップ状の係止部41a…を支持された弾発部材41…の板ばね状の押圧部41b…が、第1、第2誘導磁極38L…,38R…の一端部を軸線L方向に押圧し、他端部をセンターリング31に圧接する。弾発部材41は係止部41aがスプリング支持孔32cに安定的に保持されるため、組付時に弾発部材41が落下するのを防止して組付性が向上する。
図13に示すように、連結部材33の表面には絶縁コーティング33eが施されており、この絶縁コーティング33eにより、連結部材33の凸部33b,33bが第1、第2誘導磁極38L,38Rの凹部38d,38dに嵌合する接触部の電気的導通が遮断される。これにより、連結部材33および第1、第2誘導磁極38L,,38R間に生成する小ループの渦電流を遮断して損失を低減することができる(図21の矢印A参照)。
特に、相互に接触する面が絶縁された軟磁性体の薄板を軸線L方向に積層して第1、第2誘導磁極38L,38Rを構成したので、渦電流は第1、第2誘導磁極38L,38Rを軸線L方向に流れることができずに連結部材33との間で円周方向に流れようとするが、連結部材33と第1、第2誘導磁極38L,38Rとの間に発生する渦電流ループを前記絶縁コーティング33eで遮断することができる。
また連結部材33に加えてボルト39にも渦電流を遮断する絶縁コーティング39bが施されており、この絶縁コーティング39bによって、連結部材33およびボルト39とセンターリング31との間、あるいは連結部材33およびボルト39と第1、第2ロータフランジ32L,32Rとの間の導通を遮断し、渦電流による損失を低減することができる(図21の矢印B参照)。
図7に示すように、センターリング31の少なくとも連結部材33に接触する部分には絶縁コーティング31dが施されており、この絶縁コーティング31dで渦電流ループを遮断して損失を低減することができる(図21の矢印C参照)。また第1、第2ロータフランジ32L,32Rの少なくとも連結部材33に接触する部分には絶縁コーティング32dが施されており、この絶縁コーティング32dで渦電流ループを遮断して損失を低減することができる(図21の矢印D参照)。
図14において、実線は第1、第2誘導磁極38L,38Rの側面38b,38bの凹部38d,38dの形状を示し、鎖線は連結部材33の凸部33b,33bの形状を示している。前記凹部38dおよび前記凸部33bは共に円弧状であるが、両者の形状を僅かに異ならせることで締め代γが設定されている。前記締め代γは、連結部材33の凸部33bの嵌合によって第1、第2誘導磁極38L,38Rの凹部38dを径方向内外に広げる方向に設定される。そして連結部材33の凸部33bおよび第1、第2誘導磁極38L,38Rの凹部38dの嵌合状態では、前記凸部33bの頂部および前記凹部38dの底部間に隙間δが確保される。
図2〜図7から明らかなように、インナーロータ14は、円筒状に形成されたロータボディ45と、ロータボディ45のハブ45aにスプライン結合46されたインナーロータシャフト47と、積層された電磁鋼板で構成されてロータボディ45の外周に嵌合する円環状の第1、第2ロータコア48L,48Rと、弱磁性体で構成されてロータボディ45の外周に嵌合する円環状のスペーサ49とを備える。インナーロータシャフト47の一端は軸線L上で第1アウターロータシャフト34の内部にボールベアリング50で回転自在に支持され、またインナーロータシャフト47の他端は第2アウターロータシャフト36の内部にボールベアリング51で回転自在に支持される。
ロータボディ45の外周に圧入された第1、第2ロータコア48L,48Rは同一構造を有するもので、その外周面に沿って複数個(実施の形態では16個)の永久磁石支持孔48a…(図3および図4参照)を備えており、そこに第1、第2永久磁石52L…,52R…が軸線L方向に挿入されて接着により固定される。第1ロータコア48Lの隣接する第1永久磁石52L…の極性は交互に反転しており、第2ロータコア48Rの隣接する第2永久磁石52R…の極性は交互に反転しており、かつ第1ロータコア48Lの第1永久磁石52L…の円周方向の位相および極性と、第2ロータコア48Rの第2永久磁石52R…の円周方向の位相および極性とは、電気角で180°ずれるように相互に一致している(図3および図4参照)。
そしてロータボディ45の外周の軸線L方向中央に、つまり第1、第2ロータコア48L,48Rに挟まれる位置に弱磁性体で円環状に形成されたスペーサ49が嵌合し、ロータボディ45の外周の軸線L方向両側に第1、第2永久磁石52L…,52R…を抜け止めする一対の永久磁石支持板53,53がそれぞれ嵌合し、一方の永久磁石支持板53がロータボディ45の軸線L方向一端側の外周に突設したフランジ45bによって保持され、他方の永久磁石支持板53がロータボディ45の軸線L方向他端側の外周に圧入したストッパリング54に支持される。
しかして、図8に拡大して示すように、アウターロータ13の外周面に露出する第1誘導磁極38L…の外周面に、僅かなエアギャップαを介してステータコア18のティース18a…の内周面が対向し、アウターロータ13の内周面に露出する第1誘導磁極38L…の内周面に、僅かなエアギャップβを介してインナーロータ14の第1ロータコア48Lの外周面が対向する。同様に、図9に拡大して示すように、アウターロータ13の外周面に露出する第2誘導磁極38R…の外周面に、僅かなエアギャップαを介してステータコア18のティース18a…の内周面が対向し、アウターロータ13の内周面に露出する第2誘導磁極38R…の内周面に、僅かなエアギャップβを介してインナーロータ14の第2ロータコア48Rの外周面が対向する。
ステータ12のスペーサ22の軸線L方向厚さと、アウターロータ13のセンターリング31の突出部31a…を除く軸線L方向厚さと、インナーロータ14のスペーサ49の軸線L方向の厚さとは略等しく設定される(図7参照)。
図7から明らかなように、第1、第2誘導磁極38L,38Rの外周面38aの径方向位置は、センターリング31および第1、第2ロータフランジ32L,32Rの外周面の径方向位置に等しくなっており、これにより第1、第2誘導磁極38L,38Rとステータコア18の内周面とのエアギャップαを小さく設定することができる。尚、第1、第2誘導磁極38L,38Rの外周面38aの径方向位置は、センターリング31および第1、第2ロータフランジ32L,32Rの外周面の径方向位置よりも径方向外側に突出させても良い。
次に、上記構成を備えた第1の実施の形態の電動機Mの作動原理を説明する。
図15は電動機Mを円周方向に展開した状態を模式的に示すものである。図15の左右両側には、インナーロータ14の第1、第2永久磁石52L…,52R…がそれぞれ示される。第1、第2永久磁石52L…,52R…は、円周方向(図15の上下方向)に所定ピッチPでN極およびS極が交互に配置されるとともに、軸線L方向(図15の左右方向)に対向する第1永久磁石52L…の極性および第2永久磁石52R…の極性は逆になるように配置される。
図15の中央部にはステータ12の第1、第2ステータコア18L,18Rのティース18a…に対応する仮想永久磁石21…が円周方向に所定ピッチPで配置される。実際には、第1、第2ステータコア18L,18Rのティース18a…の数は各96個であり、インナーロータ14の第1、第2永久磁石52L…,52R…の数は各16個であるため、ティース18a…のピッチはインナーロータ14の第1、第2永久磁石52L…,52R…のピッチPと一致していない。
しかしながら、第1、第2ステータコア18L,18Rのティース18a…はそれぞれ回転磁界を形成するため、それら第1、第2ステータコア18L,18Rを、ピッチPで配置されて円周方向に回転する16個の仮想永久磁石21…で置き換えることができる。以下、第1、第2ステータコア18L,18Rを、仮想永久磁石21…の第1、第2仮想磁極18L…,18R…と呼ぶ。円周方向に隣接する仮想永久磁石21…の第1、第2仮想磁極18L…,18R…の極性は交互に反転しており、かつ各仮想永久磁石21…の第1仮想磁極18L…と第2仮想磁極18R…とは、同一の極性を有して軸線L方向に整列している。その理由は、第1、第2ステータコア18L,18Rが、実質的に単一のステータコア18であるからである。
第1、第2永久磁石52L…,52R…と仮想永久磁石21…との間に、アウターロータ13の第1、第2誘導磁極38L…,38R…が配置される。第1、第2誘導磁極38L…,38R…は円周方向にピッチPで配置されるとともに、第1誘導磁極38L…と第2誘導磁極38R…とは円周方向にピッチPの半分だけずれている(図5参照)。
図15に示すように、仮想永久磁石21の第1仮想磁極18Lの極性が、それに対向する(最も近い)第1永久磁石52Lの極性と異なるときには、仮想永久磁石21の第2仮想磁極18Rの極性が、それに対向する(最も近い)第2永久磁石52Rの極性と同じになる。また仮想永久磁石21の第2仮想磁極18Rの極性が、それに対向する(最も近い)第2永久磁石52Rの極性と異なるときには、仮想永久磁石21の第1仮想磁極18Lの極性が、それに対向する(最も近い)第1永久磁石52Lの極性と同じになる(図17(G)参照)。
先ず、インナーロータ14(第1、第2永久磁石52L…,52R…)を回転不能に固定した状態で、第1、第2ステータコア18L,18R(第1、第2仮想磁極18L…,18R…)に回転磁界を発生させることで、アウターロータ13(第1、第2誘導磁極38L…,38R…)を回転駆動する場合の作用を説明する。この場合、図16(A)→図16(B)→図16(C)→図16(D)→図17(E)→図17(F)→図17(G)の順番で、固定された第1、第2永久磁石52L…,52R…に対して仮想永久磁石21…が図中下向きに回転することで、第1、第2誘導磁極38L…,38R…が図中下向きに回転する。
図16(A)に示すように、相対向する第1永久磁石52L…および仮想永久磁石21…の第1仮想磁極18L…に対して第1誘導磁極38L…が整列し、かつ相対向する第2仮想磁極18R…および第2永久磁石52R…に対して第2誘導磁極38R…が半ピッチP/2ずれた状態から、仮想永久磁石21…を同図の下方に回転させる。その回転の開始時においては、仮想永久磁石21…の第1仮想磁極18L…の極性は、それに対向する第1永久磁石52L…の極性と異なるとともに、仮想永久磁石21…の第2仮想磁極18R…の極性は、それに対向する第2永久磁石52R…の極性と同じになる。
第1誘導磁極38L…が第1永久磁石52L…および仮想永久磁石21…の第1仮想磁極18L…間に配置されているので、第1誘導磁極38L…が第1永久磁石52L…および第1仮想磁極18L…によって磁化され、第1永久磁石52L…、第1誘導磁極38L…および第1仮想磁極18L…間に第1磁力線G1が発生する。同様に、第2誘導磁極38R…が第2仮想磁極18R…および第2永久磁石52R…間に配置されているので、第2誘導磁極38R…が第2仮想磁極18R…および第2永久磁石52R…によって磁化され、第2仮想磁極18R…、第2誘導磁極38R…および第2永久磁石52R…間に第2磁力線G2が発生する。
図16(A)に示す状態では、第1磁力線G1は、第1永久磁石52L…、第1誘導磁極38L…および第1仮想磁極18L…を結ぶように発生し、第2磁力線G2は、円周方向に隣り合う各2つの第2仮想磁極18R…と両者の間に位置する第2誘導磁極38R…とを結ぶように、また円周方向に隣り合う各2つの第2永久磁石52R…と両者の間に位置する第2誘導磁極38R…とを結ぶように発生する。その結果、図18(A)に示すような磁気回路が構成される。この状態では、第1磁力線G1が直線状であることにより、第1誘導磁極38L…には、円周方向に回転させるような磁力は作用しない。また円周方向に隣り合う各2つの第2仮想磁極18R…と第2誘導磁極38R…との間の2つの第2磁力線G2の曲がり度合いおよび総磁束量が互いに等しく、同様に円周方向に隣り合う各2つの第2永久磁石52R…と第2誘導磁極38R…との間の2つの第2磁力線G2の曲がり度合いおよび総磁束量も、互いに等しくなってバランスしている。このため、第2誘導磁極38R…にも、円周方向に回転させるような磁力は作用しない。
そして、仮想永久磁石21…が図16(A)に示す位置から図16(B)に示す位置に回転すると、第2仮想磁極18R…、第2誘導磁極38R…および第2永久磁石52R…を結ぶような第2磁力線G2が発生するとともに、第1誘導磁極38L…と第1仮想磁極18L…との間の第1磁力線G1が曲がった状態になる。これに伴い、第1、第2の磁力線G1,G2によって、図18(B)に示すような磁気回路が構成される。
この状態では、第1磁力線G1の曲がり度合いは小さいものの、その総磁束量が多いため、比較的強い磁力が第1誘導磁極38L…に作用する。これにより、第1誘導磁極38L…は、仮想永久磁石21…の回転方向、つまり磁界回転方向に比較的大きな駆動力で駆動され、その結果アウターロータ13が磁界回転方向に回転する。また第2磁力線G2の曲がり度合いは大きいものの、その総磁束量が少ないため、比較的弱い磁力が第2誘導磁極38R…に作用し、それにより第2誘導磁極38R…は磁界回転方向に比較的小さな駆動力で駆動され、その結果アウターロータ13は磁界回転方向に回転する。
次いで、仮想永久磁石21が、図16(B)に示す位置から、図16(C),(D)および図17(E),(F)に示す位置に順に回転すると、第1誘導磁極38L…および第2誘導磁極38R…は、それぞれ第1、第2の磁力線G1,G2に起因する磁力によって磁界回転方向に駆動され、その結果アウターロータ13が磁界回転方向に回転する。その間、第1誘導磁極38L…に作用する磁力は、第1磁力線G1の曲がり度合いが大きくなるものの、その総磁束量が少なくなることによって、徐々に弱くなり、第1誘導磁極38L…を磁界回転方向に駆動する駆動力が徐々に小さくなる。また第2誘導磁極38R…に作用する磁力は、第2磁力線G2の曲がり度合いが小さくなるものの、その総磁束量が多くなることによって徐々に強くなり、第2誘導磁極38R…を磁界回転方向に駆動する駆動力が徐々に大きくなる。
そして、仮想永久磁石21が図17(E)に示す位置から図17(F)に示す位置に回転する間、第2磁力線G2が曲がった状態になるとともに、その総磁束量が最多に近い状態になり、その結果、最強の磁力が第2誘導磁極38R…に作用し、第2誘導磁極38R…に作用する駆動力が最大になる。その後、図17(G)に示すように、仮想永久磁石21が当初の図16(A)の位置からピッチP分回転することにより、仮想永久磁石21の第1、第2仮想磁極18L…,18R…がそれぞれ第1、第2永久磁石52L…,52R…に対向する位置に回転すると、図16(A)の状態と左右が反転した状態となり、その瞬間だけアウターロータ13を円周方向に回転させる磁力は作用しなくなる。
この状態から、仮想永久磁石21が更に回転すると、第1、第2の磁力線G1,G2に起因する磁力によって、第1、第2誘導磁極38L…,38R…が磁界回転方向に駆動され、アウターロータ13が磁界回転方向に回転する。その際、仮想永久磁石21が再び図16(A)に示す位置まで回転する間、以上とは逆に、第1誘導磁極38L…に作用する磁力は、第1磁力線G1の曲がり度合が小さくなるものの、その総磁束量が多くなることによって強くなり、第1誘導磁極38L…に作用する駆動力が大きくなる。逆に、第2誘導磁極38R…に作用する磁力は、第2磁力線G2の曲がり度合が大きくなるものの、その総磁束量が少なくなることによって弱くなり、第2誘導磁極38R…に作用する駆動力が小さくなる。
また図16(A)と図17(G)とを比較すると明らかなように、仮想永久磁石21がピッチP分回転するのに伴って、第1、第2誘導磁極38L…,38R…が半ピッチP/2分しか回転しないので、アウターロータ13は、第1、第2仮想磁極18L、18Rの回転磁界の回転速度の1/2の速度で回転する。これは、第1、第2磁力線G1,G2に起因する磁力の作用によって、第1、第2誘導磁極38L…,38R…が、第1磁力線G1で結ばれた第1永久磁石52L…と第1仮想磁極18L…との中間、および第2磁力線G2で結ばれた第2永久磁石52R…と第2仮想磁極18R…トの中間に、それぞれ位置した状態を保ちながら、回転するためである。
次に、図19および図20を参照しながら、アウターロータ13を固定した状態で、インナーロータ14を回転させる場合の電動機Mの作動について説明する。
先ず、図19(A)に示すように、各第1誘導磁極38L…が各第1永久磁石52L…に対向するとともに、各第2誘導磁極38R…が隣り合う各2つの第2永久磁石52R…の間に位置した状態から、第1、第2回転磁界を同図の下方に回転させる。その回転の開始時において、各第1仮想磁極18L…の極性を、それに対向する各第1永久磁石52L…の極性と異ならせるとともに、各第2仮想磁極18R…の極性をそれに対向する各第2永久磁石52R…の極性と同じにする。
この状態から、仮想永久磁石21…が図19(B)に示す位置に回転すると、第1誘導磁極38L…と第1仮想磁極18L…の間の第1磁力線G1が曲がった状態になり、かつ第2仮想磁極18R…が第2誘導磁極38R…に近づくことによって、第2仮想磁極18R…、第2誘導磁極38R…および第2永久磁石52R…を結ぶような第2磁力線G2が発生する。その結果、第1、第2永久磁石52L…,52R…、仮想永久磁石21…および第1、第2誘導磁極38L…,38R…において、前述した図18(B)に示すような磁気回路が構成される。
この状態では、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の第1磁力線G1の総磁束量は高いものの、この第1磁力線G1がまっすぐであるため、第1誘導磁極38L…に対して第1永久磁石52L…を回転させるような磁力が発生しない。また第2永久磁石52R…およびこれと異なる極性の第2仮想磁極18R…の間の距離が比較的長いことにより、第2誘導磁極38R…と第2永久磁石52R…との間の第2磁力線G2の総磁束量は比較的少ないものの、その曲がり度合いが大きいことによって、第2永久磁石52R…に、これを第2誘導磁極38R…に近づけるような磁力が作用する。これにより、第2永久磁石52R…は、第1永久磁石52L…と共に、仮想永久磁石21…の回転方向、即ち磁界回転方向と逆方向(図19の上方)に駆動され、図19(C)に示す位置に向かって回転する。また、これに伴い、インナーロータ14が磁界回転方向と逆方向に回転する。
そして第1、第2永久磁石52L…,52R…が図19(B)に示す位置から図19(C)に示す位置に向かって回転する間、仮想永久磁石21…は、図19(D)に示す位置に向かって回転する。以上のように、第2永久磁石52R…が第2誘導磁極38R…に近づくことにより、第2誘導磁極38R…と第2永久磁石52R…との間の第2磁力線G2の曲がり度合いは小さくなるものの、仮想永久磁石21…が第2誘導磁極38R…に更に近づくのに伴い、第2磁力線G2の総磁束量は多くなる。その結果、この場合にも、第2永久磁石52R…に、これを第2誘導磁極38R…側に近づけるような磁力が作用し、それにより、第2永久磁石52R…が、第1永久磁石52L…と共に、磁界回転方向と逆方向に駆動される。
また第1永久磁石52L…が磁界回転方向と逆方向に回転するのに伴い、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の第1磁力線G1が曲がることによって、第1永久磁石52L…に、これを第1誘導磁極38L…に近づけるような磁力が作用する。しかし、この状態では、第1磁力線G1に起因する磁力は、第1磁力線G1の曲がり度合いが第2磁力線G2よりも小さいことによって、上述した第2磁力線G2に起因する磁力よりも弱い。その結果、両磁力の差分に相当する磁力によって、第2永久磁石52R…が第1永久磁石52L…と共に、磁界回転方向と逆方向に駆動される。
そして、図19(D)に示すように、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の距離と、第2誘導磁極38R…と第2永久磁石52R…との間の距離が互いにほぼ等しくなったときには、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の第1磁力線G1の総磁束量および曲がり度合いが、第2誘導磁極38R…と第2永久磁石52R…との間の第2磁力線G2の総磁束量および曲がり度合いとそれぞれほぼ等しくなる。
その結果、これらの第1、第2磁力線G1,G2に起因する磁力が互いにほぼ釣り合うことによって、第1、第2永久磁石52L…,52R…が一時的に駆動されない状態になる。
この状態から、仮想永久磁石21…が図20(E)に示す位置まで回転すると、第1磁力線G1の発生状態が変化し、図20(F)に示すような磁気回路が構成される。それにより、第1磁力線G1に起因する磁力が、第1永久磁石52L…を第1誘導磁極38L…に近づけるようにほとんど作用しなくなるので、第2磁力線G2に起因する磁力によって、第2永久磁石52R…は、第1永久磁石52L…とともに、図20(G)に示す位置まで、磁界回転方向と逆方向に駆動される。
そして、図20(G)に示す位置から、仮想永久磁石21…が若干回転すると、以上とは逆に、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の第1磁力線G1に起因する磁力が、第1永久磁石52L…に、これを第1誘導磁極38L…に近づけるように作用し、それにより、第1永久磁石52L…が第2永久磁石52R…と共に、磁界回転方向と逆方向に駆動され、インナーロータ14が磁界回転方向と逆方向に回転する。そして仮想永久磁石21…が更に回転すると、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の第1磁力線G1に起因する磁力と第2誘導磁極38R…と第2永久磁石52R…との間の第2磁力線G2に起因する磁力の差分に相当する磁力によって、第1永久磁石52L…が第2永久磁石52R…と共に、磁界回転方向と逆方向に駆動される。その後、第2磁力線G2に起因する磁力が、第2永久磁石52R…を第2誘導磁極38R…に近づけるようにほとんど作用しなくなると、第1磁力線G1に起因する磁力によって、第1永久磁石52L…が第2永久磁石52R…と共に駆動される。
以上のように、第1、第2回転磁界の回転に伴い、第1永久磁石52L…と第1誘導磁極38L…との間の第1磁力線G1に起因する磁力と、第2誘導磁極38R…と第2永久磁石52R…との間の第2磁力線G2に起因する磁力と、これらの磁力の差分に相当する磁力とが、第1、第2永久磁石52L…,52R…に、即ちインナーロータ14に交互に作用し、それによりインナーロータ14が磁界回転方向と逆方向に回転する。また、そのように磁力、即ち駆動力がインナーロータ14に交互に作用することによって、インナーロータ14のトルクはほぼ一定になる。
この場合、インナーロータ14は、第1、第2回転磁界と同じ速度で逆回転する。これは、第1、第2磁力線G1,G2に起因する磁力の作用によって、第1、第2誘導磁極38L…,38R…が、第1永久磁石52L…と第1仮想磁極18L…との中間、および第2永久磁石52R…と第2仮想磁極18R…との中間にそれぞれ位置した状態を保ちながら、第1、第2永久磁石52L…,52R…が回転するためである。
以上、インナーロータ14を固定してアウターロータ13を磁界回転方向に回転させる場合と、アウターロータ13を固定してインナーロータ14を磁界回転方向と逆方向に回転させる場合とを別個に説明したが、勿論インナーロータ14およびアウターロータ13の両方を相互に逆方向に回転させることも可能である。
以上のように、インナーロータ14およびアウターロータ13のいずれか一方、あるいはインナーロータ14およびアウターロータ13の両方を回転させる場合に、インナーロータ14およびアウターロータ13の相対的な回転位置に応じて、第1、第2誘導磁極38L…,38R…の磁化の状態が変わり、滑りを生じることなく回転させることが可能であり、同期機として機能するので、効率を高めることができる。また第1仮想磁極18L…、第1永久磁石52L…および第1誘導磁極38L…の数が互いに同じに設定されるとともに、第2仮想磁極18R…、第2永久磁石52R…および第2誘導磁極38R…の数が互いに同じに設定されているので、インナーロータ14およびアウターロータ13のいずれを駆動する場合にも、電動機Mのトルクを十分に得ることができる。
次に、上述したアウターロータ13の構造による作用効果を説明する。
連結部材33の凸部33b,33bおよび第1、第2誘導磁極38L,38Rの凹部38d,38dを圧入により結合したので、アウターロータ13の回転に伴って第1、第2誘導磁極38L,38Rに作用する径方向外向きの遠心力を凸部33b,33bおよび凹部38d,38dを介して連結部材33に伝達し、第1、第2誘導磁極38L,38Rをガタつかないように確実に支持することができる。このとき、凸部33b,33bおよび凹部38d,38dを圧入する締め代γを径方向に設定したので(図14参照)、連結部材33および第1、第2誘導磁極38L,38Rは径方にのみ変形して円周方向に変形することが防止され、前記円周方向の変形が積み重なってアウターロータ13の形状が歪むのを防止することができる。
しかも凸部33b,33bおよび凹部38d,38dの結合状態において、凸部33b,33bの頂部および凹部38d,38dの底部間に隙間δが形成されるので(図13参照)、第1、第2誘導磁極38L,38Rに圧入荷重に起因する大きな応力が作用するのを防止することができる。これにより、第1、第2誘導磁極38L,38Rに、脆弱であるが磁束の強い材料を選択し、材料選択の自由度を高めることができる。
また軸線Lに直交する方向の第1、第2誘導磁極38L,38Rの断面形状を、外周面38aの周方向長さが内周面38cの周方向長さよりも小さい台形状としたので、アウターロータ13の回転に伴って第1、第2誘導磁極38L,38Rに作用する径方向外向きの遠心力を連結部材33に伝達し、第1、第2誘導磁極38L,38Rを脱落しないように確実に支持することができる。
また連結部材33の外周面33aの軸線L方向両端部を、センターリング31に設けた突出部31aと、第1、第2ロータフランジ32L,32Rに設けた突出部32b,32bとに当接させたので、アウターロータ13の回転に伴って連結部材33に作用する径方向外向きの遠心力をセンターリング31および第1、第2ロータフランジ32L,32Rに伝達して支持するとともに、連結部材33を径方向に精度良く位置決めしてアウターロータ13の形状の精度を高めることができる。
また第1、第2誘導磁極38L,38Rを第1、第2ロータフランジ32L,32Rとの間に配置した弾発部材41,41によって軸線L方向に付勢してセンターリング31に圧接したので、軟磁性体の薄板を多数枚積層したことによる第1、第2誘導磁極38L,38Rの軸線L方向の寸法のばらつきを吸収し、ガタの発生を防止することができる。
またセンターリング31と、その軸線L方向両側の第1、第2ロータフランジ32L,32Rとを、円周方向に所定間隔で配置された複数の連結部材33…およびボルト39…で連結し、隣接する二つの連結部材33,33間に第1、第2誘導磁極38L,38Rを支持したので、連結部材33によってアウターロータ13の剛性を高めることができ、これにより第1、第2誘導磁極38L…,38R…に作用する遠心力によるアウターロータ13の変形を防止することができる。
また連結部材33を、それを貫通するボルト39によりセンターリング31と第1、第2ロータフランジ32L,32Rとに固定する際に、連結部材33の内周面33cのボルト孔33dの近傍を径方向内側に膨出させたので、ボルト39の挿通を可能にしながら連結部材33の断面積を最小限に抑え、連結部材33を介して流れる渦電流を最小限に抑えて損失を低減することができる。
また連結部材33の径方向の厚さをボルト孔33dの近傍で他の部分よりも大きくしたので、連結部材33の強度をボルト39の締結荷重を受けるのに充分な大きさに維持しながら、連結部材33の体積を最小限に抑えて渦電流の発生量を低減し、渦電流による損失を低減することができる。
次に、上述したステータ12の構造による作用効果を説明する。
アウターロータ13にセンターリング31を介して軸線L方向に並置した第1、第2誘導磁極38L…38R…を、ステータ12にスペーサ22を介して軸線L方向に並置した第1、第2ステータコア18L,18Rを対向させたので、第1、第2ステータコア18L,18Rをスペーサ22を介さずに一体化して軸線L方向の寸法が同一のステータ12を構成する場合に比べて、高価な電磁鋼板よりなる第1、第2ステータコア18L,18Rの材料を前記スペーサ22の分だけ削減し、重量の軽減やコストダウンに寄与することができる。
しかも第1、第2ステータコア18L,18Rをスペーサ22を介して一体化することでステータ12の剛性の向上やコイル19の巻線コストの削減を図ることができる。このとき、スペーサ22を挟んで両側に位置する第1、第2ステータコア18L,18Rの相互に対向する磁極の極性が同一であるため、スペーサ22を磁気短絡が発生し難い弱磁性体で構成する必要がなくなり、材料選択の自由度が向上する。
また第1、第2ステータコア18L,18Rに共通のコイル19を巻回したので、構造を簡素化して巻線コストを削減できるだけでなく、第1、第2ステータコア18L,18Rの軸線L方向に対向する磁極の極性を同一にし、磁極間の磁束の短絡を回避することができる。更に、スペーサ22を非導電性部材で構成することで、スペーサ22に渦電流が発生するのを防止して損失を低減することができる。
またアウターロータ13の第1、第2誘導磁極38L…,38R…間にセンターリング31を配置し、かつインナーロータ14の第1、第2永久磁石52L…,52R…間にスペーサ49を配置したので、第1、第2ステータコア38L,38R間のスペーサ22に前記センターリング31および前記スペーサ49を対応させ、アウターロータ13の第1、第2誘導磁極38L…,38R…およびインナーロータ14の第1、第2ロータコア48L,48Rの材料を節減することができる。
またアウターロータ13のセンターリング31の幅、インナーロータ14のスペーサ49の幅およびステータ12のスペーサ22の幅を略同一としたのでアウターロータ13の第1、第2誘導磁極38L…,38R…、インナーロータ14の第1、第2永久磁石52L…,52R…およびステータ12の第1、第2ステータコア18L,18Rを軸線L方向にずれないように径方向に整列させ、それらの間の磁束の受け渡しを効率よく行うことができる。
またアウターロータ13のセンターリング31を弱磁性体で構成したので、軸線L方向に並置されて相互に近接する第1、第2誘導磁極38L…,38R…の極性が異なっていても、それらの間に配置された磁気抵抗が大きい弱磁性体のセンターリング31により磁気短絡の発生を防止することができる。同様に、インナーロータ14のスペーサ49を弱磁性体で構成したので、軸線L方向に並置されて相互に対向する第1、第2永久磁石52L…,52R…の極性が異なっていても、それらの間に配置された磁気抵抗が大きい弱磁性体のスペーサ49により磁気短絡の発生を防止することができる。
次に、図22に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態の弾発部材41は、サークリップ状の係止部41aに板ばね状の押圧部41bを一体に設けているが、第2の実施の形態の弾発部材41は、サークリップ状の係止部41aにコイルばね状の押圧部41bをカシメ等で固定したものである。この第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同じ作用効果を達成することができる。
次に、図23に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、連結部材33と第1、第2誘導磁極38L,38Rとを結合する場合に、連結部材33側に凸部33b,33bを設け、第1、第2誘導磁極38L,38R側に凹部38d,38dを設けていたが、第3の実施の形態では凹凸の関係を逆転し、連結部材33側に凹部33f,33fを設け、第1、第2誘導磁極38L,38R側に凸部38e,38eを設けたものである。
凹部33fおよび凸部38eを圧入する場合の締め代γおよび隙間δの関係は第1の実施の形態(図13および図14参照)と同じであり、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
次に、図24に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態は、連結部材33の円周方向両端側に、軸線L方向に貫通する2個の肉抜き部33g,33gを形成したものである。この肉抜き部33g,33gを形成することで連結部材33の体積が減少するため、その分だけ発生する渦電流を低減して損失の低減に寄与することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の回転電機は実施の形態の電動機Mに限定されず、発電機等の任意の回転電機であっても良い。
また実施の形態では第1、第2ステータコア18L,18R間にスペーサ21を配置し、第1、第2ロータコア48L,48R間にスペーサ49を配置しているが、それらスペーサ21,49を廃止して空隙のままとしても良い。
また実施の形態のステータ12のコイル19は分布巻きであるが、それを集中巻きとしても良い。
12 ステータ
13 アウターロータ(第2ロータ、ロータ)
14 インナーロータ(第1ロータ)
18L 第1ステータコア(ステータコア)
18R 第2ステータコア(ステータコア)
19 コイル
22 スペーサ
31 センターリング(スペーサ)
38L 第1誘導磁極
38R 第2誘導磁極
49 スペーサ
52L 第1永久磁石
52R 第2永久磁石
L 軸線
P 所定ピッチ
13 アウターロータ(第2ロータ、ロータ)
14 インナーロータ(第1ロータ)
18L 第1ステータコア(ステータコア)
18R 第2ステータコア(ステータコア)
19 コイル
22 スペーサ
31 センターリング(スペーサ)
38L 第1誘導磁極
38R 第2誘導磁極
49 スペーサ
52L 第1永久磁石
52R 第2永久磁石
L 軸線
P 所定ピッチ
Claims (8)
- 軸線(L)方向に所定の間隙を存して並置された複数の磁性体列を備えるロータ(13)に対向して回転磁界を発生するステータ(12)が、前記複数の磁性体列にそれぞれ対向する複数のステータコア(18L,18R)を備え、
前記複数のステータコア(18L,18R)は、軸線(L)方向に所定の間隙を存して並置されて共通のコイル(19)が巻回されることを特徴とする回転電機用ステータ。 - 前記複数のステータコア(18L,18R)間には、該ステータコア(18L,18R)と異なる材質のスペーサ(22)が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の回転電機用ステータ。
- 前記スペーサ(22)は非導電性部材で構成されることを特徴とする、請求項2に記載の回転電機用ステータ。
- 前記スペーサ(22)は、軸線(L)方向に見て前記ステータコア(18L,18R)と同一形状であることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の回転電機用ステータ。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載された回転電機用ステータ(12)を備えた電動機であって、
前記回転電機用ステータ(12)は、それぞれ同一位相で回転する回転磁界を発生させる第1、第2ステータコア(18L,18R)を軸線(L)方向に並置して成り、
軸線(L)まわりに回転可能に配置された第1ロータ(14)および第2ロータ(13)を備え、
前記第1ロータ(14)は、円周方向に所定ピッチ(P)で交互に異なる極性の磁極を有するように複数の第1永久磁石(52L)を配置して構成された第1永久磁石列と、円周方向に前記所定ピッチ(P)で交互に異なる極性の磁極を有するように複数の第2永久磁石(52R)を配置して構成された第2永久磁石列とを軸線(L)方向に並置して成り、
前記第2ロータ(13)は、円周方向に前記所定ピッチ(P)で配置された軟磁性体製の複数の第1誘導磁極(38L)で構成された第1誘導磁極列と、円周方向に前記所定ピッチ(P)で配置された軟磁性体製の複数の第2誘導磁極(38R)で構成された第2誘導磁極列とを軸線(L)方向に並置して成り、
前記第1誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ前記第1ステータコア(18L)および前記第1永久磁石列が対向し、前記第2誘導磁極列の径方向両側にそれぞれ前記第2ステータステータコア(18R)および前記第2永久磁石列が対向し、
前記第2ロータ(13)の前記第1誘導磁極(38L)の位相および第2誘導磁極(38R)の位相を相互に円周方向に前記所定ピッチ(P)の半分だけずらし、前記第1ロータ(14)の第1永久磁石列の磁極の位相および第2永久磁石列の磁極の位相を円周方向に前記所定ピッチ(P)だけずらしたことを特徴とする電動機。 - 前記第1ロータ(14)の第1、第2永久磁石列間にスペーサ(49)を備えるとともに、前記第2ロータ(13)の第1、第2誘導磁極列間にスペーサ(31)を備えることを特徴とする、請求項5に記載の電動機。
- 前記第1ロータ(14)のスペーサ(49)の幅および前記第2ロータ(13)のスペーサ(31)の幅は、前記ステータ(12)のスペーサ(22)の幅と略同一であることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の電動機。
- 前記第1ロータ(14)のスペーサ(49)および前記第2ロータ(13)のスペーサ(31)は弱磁性体で構成されることを特徴とする、請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の電動機。
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- 2008-07-04 JP JP2008176200A patent/JP2010017032A/ja active Pending
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