JP2010016970A - 集中巻線式ステータの製造方法、及び集中巻線式ステータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の集中巻線部22を同一の平角導体25にて連続成形することで、コイルユニット15を複数相分形成し、所定相のコイルユニット15を、他相のコイルユニット15が有する集中巻線部22毎に一回転させ、他相のコイルユニット15の集中巻線部22間に所定相のコイルユニット15の集中巻線部22を配置する動作を繰り返し、各相のコイルユニット15の集中巻線部22を、ステータ10への配列順にしたがって整列配置させ、複数相全てのコイルユニット15を整列配置させることで、コイルユニット群50を形成し、コイルユニット群50が有する集中巻線部22にステータ10が備えるティース部13aを嵌装する。
【選択図】図4
Description
丸線を巻回したコイルの場合も同じではあるが、平角導体コイルを用いる場合は、コイルエンドでの結線が問題となる。
このため、従来から端部で接合しない固定子についても検討がなされていた。
3相星形結線される電機子コイルは、まず電機子鉄心のU相にコイル導線を切断することなく巻回していき、そして中性点に巻き付けた後、V相、W相にも同様にコイル導線を切断することなく巻回する。
コイル導体を切断することなく連続的に巻回することで、各相の電機子コイルの中性点側の端部及び秘中晴天側の端部のコイル導体をそれぞれ中性点側及び非中性点側に巻き付ける工程を行う回数を少なくすることができ、電機子コイルの巻回作業効率を向上させることを可能としている。
特許文献1の方法を、集中巻線式のステータを製造する際に適用することは困難である。集中巻線式のモータに用いるステータは、特許文献1の電動機鉄心と異なりステータの内周側に巻回しなければならない。このため、巻回するエリアが制限される上に、渡り線の交差や重複の問題がその後に絶縁対策を施す時の障害となる虞もある。
複相のモータに用いるステータを集中巻で形成する場合には、各相のコイルが渡り線部分で交差することになるため、ステータの内周側から巻回することは困難である。この事情は、ステータコアを分割式にした場合でも同じであり、渡り線部分同士が干渉しないように工夫する必要がある。
(1)複数の集中巻線部を同一の導線にて連続成形することでコイルユニットを形成し、所定相とする前記コイルユニットを、他相とする前記コイルユニットが有する前記集中巻線部毎に一回転させて、前記他相のコイルユニットの前記集中巻線部間に、前記所定相のコイルユニットの前記集中巻線部を配置する動作を繰り返すことで、各相の前記コイルユニットの前記集中巻線部を、ステータへの配置順序にしたがって整列配置させ、各相全ての前記コイルユニットを整列配置させることで形成されたコイルユニット群が有する前記集中巻線部に、前記ステータが備えるティース部を嵌装することを特徴とする。
(2)複数の集中巻線部が同一の導線にて連続形成されたコイルユニットを複数備え、所定相とする前記コイルユニットが他相とする前記コイルユニットの集中巻線部毎に一回転させられることにより、前記他相のコイルユニットの前記集中巻線部間に前記所定相のコイルユニットの前記集中巻線部が配置されたことを特徴とする。
前記コイルユニットには、隣り合う前記集中巻線部を繋ぐ渡り線部を有し、前記集中巻線部の上端から前記渡り線部の下端までの長さは、前記コイルユニットを形成する導線の幅よりも長く形成されていることを特徴とする。
まず、(1)に記載される発明は、複数の集中巻線部を同一の導線にて連続成形することでコイルユニットを形成し、所定相とするコイルユニットを、他相とするコイルユニットが有する集中巻線部毎に一回転させて、他相のコイルユニットの集中巻線部間に、所定相のコイルユニットの集中巻線部を配置する動作を繰り返すことで、各相のコイルユニットの集中巻線部を、ステータへの配置順序にしたがって整列配置させ、各相全てのコイルユニットを整列配置させることで形成されたコイルユニット群が有する集中巻線部に、ステータが備えるティース部を嵌装するものである。
そして、所定相とするコイルユニット、例えばU相とするコイルユニットを、他相とするコイルユニット、例えばV相とするコイルユニットの集中巻線部毎に一回転させて組み付けることで、U相コイルユニットの集中巻線部は、V相コイルユニットの集中巻線部間に配置することができる。W相のコイルユニットについても同様にして組み付ける。
このように同一の導線にて連続形成されるコイルユニットを用いることで、集中巻線部と集中巻線部との間の渡り線をステータに組み付けた後で接合する必要が無くなるため、接合部分を減らすことができる。コイルエンド部分での接合は接合不良の問題と共に、接合部分での抵抗値の増大などの問題がある。しかし、相毎に連続形成されるコイルユニットを用いれば、その問題は両方とも解消しうる。
このように(1)に記載の発明により、低コストでステータを形成することができる集中巻線式ステータの製造方法の提供が可能となる。
まず、(2)に記載される発明は、複数の集中巻線部が同一の導線にて連続形成されたコイルユニットを複数備え、所定相とするコイルユニットが他相とするコイルユニットの集中巻線部毎に一回転させられることにより、他相のコイルユニットの集中巻線部間に所定相のコイルユニットの集中巻線部が配置されているものである。
集中巻線部の上端から渡り線部の下端までの長さを、導線の幅より長く形成されていることで、一方のコイルユニットに対して他方のコイルユニットを集中巻線部毎に一回転させながら組み付ける際に、コイルユニット同士の干渉を防止することができる。
このため、集中巻線部の上端から渡り線部の下端までの長さを、導線の幅より長く形成することで、このような問題を解決した集中巻線式ステータを提供することが可能となる。
図1に、樹脂成形前のステータの斜視図を示す。図2に、コイルエンドを樹脂成形したステータの斜視図を示す。
ステータ10は、モータに用いられる固定子であり、アウターリング12と分割型のステータコア13と、集中巻線部22と、を有する。
ステータコア13は、プレスなどで形成した電磁鋼板を積層した積層鋼板であり、分割型であるため、略扇形の形状をしている。ステータコア13の内周側にはティース部13aを備えており、隣り合うティース部13aの間がスロット部13bを形成する。
ステータコア13は、本実施形態では図1に示すように18個用意される。そして、環状に組み立てられた後にアウターリング12が外周面に焼きバメされてステータ10を構成する。
ステータコア13のティース部13aには、まずインシュレータ11が差し込まれ、その後、集中巻線部22が差し込まれる。インシュレータ11には、図3(b)に示されるように集中巻線部22とステータコア13に挟まれる底部11aと、ティース部13aの外周に沿って形成される環状部11bと、環状部11bの2辺に設けられる位置決め用突起11cを備えている。インシュレータ11の材質は絶縁性の素材で、熱伝導率が高いものが望ましく、フィラーを混入した樹脂が用いられることが多い。
コイルユニット15は、図4に示すようにU相、V相、W相の何れも同じ形状としている。コイルユニット15は、平角導体25を巻回することで形成されている。ここで、U相に用いるコイルユニット15をU相コイルユニット20、V相に用いるコイルユニット15をV相コイルユニット30、W相に用いるコイルユニット15をW相コイルユニット40と称する。
単にコイルユニット15と証する場合は、U相コイルユニット20、V相コイルユニット30、W相コイルユニット40の何れか一つ、或いは全てを指すものとする。
U相コイルユニット20は、集中巻線部22と、渡り線部21、そして、集中巻線部22と渡り線部21とを接続する立ち上げ部23を備えるものとする。
立ち上げ部23は、集中巻線部22の上端と渡り線部21の下端までの部分であり、その長さは、平角導体25の幅よりも長く設定されている。
集中巻線部22は十数ターン分が平角導体25をエッジワイズ曲げ加工することによって形成されたコイルであり、断面が略台形形状になるように巻回されている。
集中巻線部22から引き出される渡り線部21及び立ち上げ部23は、集中巻線部22同士を接続する。立ち上げ部23は、集中巻線部22がステータコア13に組み付けられた際の外周側に1カ所と、内周側に1カ所対角に位置するように配置される。集中巻線部22の外周側の立ち上げ部23は、渡り線部21によって隣の集中巻線部22の内周側の立ち上げ部23と接続される。
隣り合う集中巻線部22の間には、2つの集中巻線部22が挿入可能な隙間が設けられている。
コイルユニット15は一続きの平角導体25で形成されているので、ステータ10として組み付けられる場合には、コイルユニット15の両端部分に設けられた立ち上げ部23部分がステータ10に設けられる端子14に接続されることとなる。
まず、図4に示すようなコイルユニット15を、平角導体25を巻回して形成する。コイルユニット15は、連続して平角導体25をエッジワイズ曲げ加工することで、集中巻線部22が渡り線部21により接続されている状態を一続きの平角導体25によって形成する。前述したように、U相コイルユニット20、V相コイルユニット30、W相コイルユニット40の何れにしても形に差異はないため、コイルユニット15を量産することで、U相コイルユニット20、V相コイルユニット30、及びW相コイルユニット40を作ることができる。
図5に、U相コイルユニット20にV相コイルユニット30を組み付けている途中のステップの斜視図を示す。これを第1ステップとする。図6は第2ステップであり、図7は第3ステップであり、図8は第4ステップであり、図9は第5ステップである。なお、U相コイルユニット20を固定側とし、V相コイルユニット30を回転側としており、表現の都合により各コイルユニット15の集中巻線部22は3つしか描かれていない。
U相コイルユニット20に対して、V相コイルユニット30を図5に示すように、前進させながら回転させる。
こうすることで、U相コイルユニット20の集中巻線部22に対してV相コイルユニット30の集中巻線部22は1ピッチ分進む。図9では、U相コイルユニット20のそれぞれの集中巻線部22に対して、V相コイルユニット30のそれぞれの集中巻線部22が隣に並んでいる様子が分かる。実際にはコイルユニット15は6つの集中巻線部22を有するので、6回転させればU相コイルユニット20とV相コイルユニット30が重なることとなる。
こうして、U相コイルユニット20、V相コイルユニット30、及びW相コイルユニット40の集中巻線部22が、順番に整列することになる。そして、U相コイルユニット20、V相コイルユニット30、及びW相コイルユニット40が1つのコイルユニット群50を形成する。
そして、円環状に曲げられたコイルユニット群50の外側となるステータコア13の外周部に加熱したアウターリング12を配置し、冷却することで焼きバメする。
こうして、ステータコア13を円環状に固定し、ステータ10のコイルエンドには端子14を接合する。そして、最終的にステータ10のコイルエンドを樹脂成形することで、図2に示すようなステータ10が形成される。
本実施形態の効果としては、まずステータの生産効率を向上させることが出来る点が挙げられる。
本実施形態は、複数の集中巻線部22を同一の平角導体25にて連続成形することで、コイルユニット15を複数相分形成し、所定相のコイルユニット15を、他相のコイルユニット15が有する集中巻線部22毎に一回転させ、他相のコイルユニット15の集中巻線部22間に所定相のコイルユニット15の集中巻線部22を配置する動作を繰り返し、各相のコイルユニット15の集中巻線部22を、ステータ10への配列順にしたがって整列配置させ、複数相全てのコイルユニット15を整列配置させることで、コイルユニット群50を形成し、コイルユニット群50が有する集中巻線部22にステータ10が備えるティース部13aを嵌装するものである。
しかし、一続きの平角導体25で形成したコイルユニット15を組み合わせて形成されたコイルユニット群50をステータ10に用いることで、6カ所接合するだけで済む。したがって接合箇所は6分の1に減らすことができ、接合不良のリスクを低減することが可能となる。
そして、U相コイルユニット20、V相コイルユニット30、及びW相コイルユニット40に同一形状のコイルユニット15を用いることができるので、部品を管理するコストの低減にも効果がある。
すなわち、ステータ10の生産効率の向上を図ることが可能となる。
コイルユニット群50の組み付けに関しては、図5乃至図9に示すように、U相コイルユニット20を固定側として、V相コイルユニット30を回転させながら組み付けることとなる。これは、コイルユニット群50として組み付けられたときに、図9に示すようにU相コイルユニット20とV相コイルユニット30の渡り線部21が平行に並ぶことになるためである。これは、W相コイルユニット40との間でも同じ関係となるが、集中巻線部22を介してU相コイルユニット20乃至W相コイルユニット40が交差する位置関係になるためである。
渡り線部21同士の干渉は、表面に施工された絶縁被覆の剥離や、渡り線部21の変形を招くなど、望ましくない結果をうむ虞がある。
このため、立ち上げ部23を長く設定し、組み付け性を向上させることは、ステータ10を自動化ラインで組み付ける為には重要なポイントとなる。
なお、立ち上げ部23を長くすることで、ステータ10のコイルエンドが長くなってしまうとも考えられるが、この点に関しては、最終的に渡り線部21をステータコア13側に倒せば良く、コイルエンド部が長くなることはない。
例えば、本実施形態ではコイルユニット15は平角導体を巻回したコイルを接続したものであるが、丸線を巻回したコイルに用いても良い。集中巻線型のコイルであればメリットはあると考えられる。
また、本実施形態中で示している材質は、あくまで例示であるため適宜変更する事を妨げない。
12 アウターリング
13 ステータコア
13a ティース部
13b スロット部
14 端子
15 コイルユニット
20 U相コイルユニット
21 渡り線部
22 集中巻線部
23 立ち上げ部
25 平角導体
30 V相コイルユニット
40 W相コイルユニット
50 コイルユニット群
Claims (3)
- 複数の集中巻線部を同一の導線にて連続成形することでコイルユニットを形成し、
所定相とする前記コイルユニットを、他相とする前記コイルユニットが有する前記集中巻線部毎に一回転させて、前記他相のコイルユニットの前記集中巻線部間に、前記所定相のコイルユニットの前記集中巻線部を配置する動作を繰り返すことで、各相の前記コイルユニットの前記集中巻線部を、ステータへの配置順序にしたがって整列配置させ、
各相全ての前記コイルユニットを整列配置させることで形成されたコイルユニット群が有する前記集中巻線部に、前記ステータが備えるティース部を嵌装することを特徴とする集中巻線式ステータの製造方法。 - 複数の集中巻線部が同一の導線にて連続形成されたコイルユニットを複数備え、
所定相とする前記コイルユニットが他相とする前記コイルユニットの集中巻線部毎に一回転させられることにより、前記他相のコイルユニットの前記集中巻線部間に前記所定相のコイルユニットの前記集中巻線部が配置されたことを特徴とする集中巻線式ステータ。 - 請求項2に記載の集中巻線式ステータにおいて、
前記コイルユニットには、隣り合う前記集中巻線部を繋ぐ渡り線部を有し、
前記集中巻線部の上端から前記渡り線部の下端までの長さは、前記コイルユニットを形成する導線の幅よりも長く形成されていることを特徴とする集中巻線式ステータ。
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