JP2010015878A - スライド入力装置 - Google Patents

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文洋 早川
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Abstract

【課題】スライダのスライド操作に応じて外力を付与し、より操作性の高いスライド入力装置を提供することにある。
【解決手段】スライド操作されるとともに、その下面に第1及び第2ラック歯13、14が形成されているスライダ10と、前記ラック歯13、14とそれぞれ噛み合う第1及び第2歯車機構21、22と、第1及び第2歯車機構21、22に回転力の伝達を行いまたは伝達がされる第1及び第2モータ30A、30Bと、前記モータ30A、30Bの回転方向及び角度を検出するロータリエンコーダ40A、40Bと、同エンコーダ40A、40Bから検出された信号からスライダ10の移動量を演算する制御装置とからなり、制御装置はスライダ10の位置及び移動量によりスライダ10に所定の外力が加えられるようにモータ30A、30Bの駆動制御を行うスライド入力装置。
【選択図】図4

Description

この発明は、操作感を明瞭にすることで、操作性をより向上させたスライド入力装置に関する。
近年、センタークラスタパネル等の視認し易い場所に配設されたディスプレイを操作する手段として運転中もステアリングから手を離さずに操作可能であるという利便性からステアリングスイッチが採用されている。このステアリングスイッチの操作は運転中ステアリングを把持しつつ操作するということから鑑みると、出来るだけ少ない手指、望ましくは手指1本で操作できるとよい。そこで手指1本で操作可能で所望の画面を表示させたり車両の制御対象を動作させたりできるスライド入力装置を前記ステアリングスイッチとして採用することが検討されている。このようなスライド入力装置として、例えば特許文献1に示される構成のものが知られている。
すなわち、当該スライド入力装置は、ケース内においてX方向にスライド移動可能とされた第1移動体と、同じくY方向にスライド移動可能とされた第2移動体とを備えるとともに、それらが重ね合わされてなる。第1移動体及び第2移動体の各両端には樹脂スライダが被せられるとともに、同樹脂スライダの上面に形成されたリブ状突起とケースの上底面に形成された摺動方向へ延びる案内溝とは摺動可能に嵌合されている。また、当該入力装置は、第1移動体及び第2移動体の交差部位においてそれらを直角に貫通して、ケースに対しスライド移動可能とされたシャフトと、当該シャフトをスライド操作するためにケース外において連結された操作部とを備えてなる。
操作部は第1移動体及び第2移動体に装着されたスプリングにより原点位置に保持されている。この保持力に抗して操作部をX方向へスライド操作すると、第1移動体のみがX方向へスライドする。そして、第1移動体に設けられた接触子がこれに対向して配設された基板の抵抗回路上を摺接することにより、当該基板から第1移動体の移動量に対応する電気信号が出力される。同様に、操作部をY方向へスライド操作すると、第2移動体のみがY方向へスライドする。そして、第2移動体に設けられた接触子がこれに対向して配設された基板の抵抗回路上を摺接することにより、当該基板から第2移動体の移動量に対応する電気信号が出力される。これら電気信号の組み合わせ、すなわち操作部の移動方向及び移動量に応じて、画面上のカーソル等が移動する。これにより運転者は画面に表示されるカーソルやその他の指標を見ながら、操作部を操作して上下左右の4方向又は斜め方向も含めた8方向などの多方向の入力が可能となる。
ところが、前述した特許文献1に示される構成においては操作部を操作してディスプレイ上のカーソルを移動させて所望の機能項目上で停止させるに際して、行き過ぎ等によりカーソルを目標位置に停止させにくいという問題があった。そこで例えば特許文献2に示されるような入力装置が従来提案されている。すなわち図10に示すように、中空箱形状に形成されたスイッチケース110の内底面に配設された節度部材102の上面には摺動部材103が摺動可能に設けられている。摺動部材103の上面には連結部材113を介して、操作部101が連結されている。操作部101は、スイッチケース110の開口部111から露出しており、外部から操作可能とされている。また、スイッチケース110の内部には当該連結部材113が貫通されこれと一体で変位するスライド部材112が支持されている。すなわち、このスライド部材112は操作部101及び摺動部材103と一体的にスライド変位する。当該摺動部材103が摺接する節度部材102の上面には多数の凹部104a〜104eが形成されている。また摺動部材103には、節度部材102の凹部104a〜104eに係合可能な球状の係合部材106がコイルばね105を介して設けられているとともに、当該コイルばね105は当該係合部材106を摺動部材103の摺接面側へ常時付勢している。操作部101のスライド操作を通じて、摺動部材103が節度部材102の上面を摺動する際には、係合部材106がコイルばね105の弾性力により摺接面に押し付けられた状態で各凹部104a〜104eに対して、順次係合と離脱とを繰り返す。これにより操作部101のスライド操作に伴い連結的な節度が得られ、ディスプレイのカーソルを目標位置に止め易くなる。
特開2006−216457号公報 特開2008−117710号公報
しかしながら、前述した特許文献2に示されるような機械式の節度機構では、操作部101のスライド操作に伴う節度発生間隔は、節度部材102における凹部104a〜104eの数及びそれらの配設間隔により決定されるため、1つのスライド入力装置において操作部に具備させうる節度感は1パターンである。このため例えば、ディスプレイの表示画面(アイコンの数、配置、大きさなど)が切り替わった場合には、要求される節度感も異なったものとなるところ、前述したように節度感は変更できないのでその時々で切り替えられる表示画面に適当な節度感を得られないおそれがあった。その画面表示毎に異なるスライド入力装置を設けることも考えられるが、表示画面毎に異なるスライド入力装置を操作することは面倒である。さらに複数のスライド入力装置を設置するための配置空間を確保する必要があり好ましくない。そこで1つのスライド入力装置で例えば複数の表示画面に応じた節度感を得られるスライド入力装置が要望されていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、スライダのスライド操作に応じて外力を付与し、より操作性の高いスライド入力装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、所定の平面形状を有するスライダの原点位置を基準とする所定の方向へのスライド操作を通じてその時々でその操作態様の異なる入力操作対象に対する入力操作を行うスライド入力装置であって、前記スライダのスライド運動を回転運動に変換して出力する一方で、入力される回転運動を前記スライダのスライド運動に変換して出力する運動変換機構と、前記運動変換機構に作動連結されて当該運動変換機構から出力される回転運動が入力される一方で、自身が回転する際にはこの回転運動を前記運動変換機構に対する入力として出力する駆動軸を有するモータと、前記モータに設けられてその駆動軸の回転変位量を前記スライダの変位量として検出してその検出信号を前記スライダの操作位置情報として出力するセンサと、前記センサを通じて取得されるスライダの操作位置情報及びその時々の入力操作対象に対応するスライダの操作態様に応じて当該スライダにその操作方向又はそれと反対方向への外力を付与するべく前記モータを駆動制御する制御装置とを備えることをその要旨としている。
同構成によれば、スライダがスライド操作されると、このスライダのスライド運動が運動変換機構により回転運動に変換されてモータの駆動軸に伝達される。この駆動軸の回転変位量は、モータに設けられたセンサを通じてスライダの変位量として検出され、この検出信号がスライダの操作位置情報として出力される。制御装置はセンサを通じて取得されるスライダの操作位置情報及びその時々の入力操作対象に対応するスライダの操作態様に応じて当該スライダにその操作方向又はそれと反対方向への外力を付与するべくモータを制御する。モータの駆動軸の回転運動は運動変換機構を通じてスライダの操作方向又はこれと反対方向へのスライド運動に変換されて伝達される。これにより、スライダには、その時々のスライダの操作位置及びそのときの入力操作対象に対応する操作態様に応じて、その操作方向又はそれと反対方向への外力が付与される。例えば、局所的にスライダの操作方向と反対方向への外力、すなわち操作反力をスライダに付与することにより節度感を出したり、一定の操作反力を加え続けることによりスライド操作に重量感を出したりすることができる。また、スライダの操作方向への外力をスライダに加えることにより、スライダのスライド操作を促すことができる。このように、その時々の入力操作対象に求められるスライダの操作態様に応じて異なる操作感触が単一のスライド入力装置を通じて得られる。したがって、スライド入力装置の操作性はより高められる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスライド入力装置において、前記スライダの上面は当該スライダをスライド操作するべく所定の操作力が付与される操作面とし、また前記スライダの操作面と反対側の下面には当該スライド操作方向に対して交わる方向へ延びる複数のラック歯を設け、前記運動変換機構は、前記ラック歯との噛み合いを通じて前記スライダのスライド運動を回転運動に変換してモータの駆動軸に伝達する一方で、当該モータの駆動によりその駆動軸が回転した際にはその回転運動を直線運動に変換して前記スライダに伝達する歯車機構としたことをその要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスライド入力装置において、前記スライダは、XY座標系におけるX方向及びY方向へ変位可能に設け、前記スライダの下面は、当該スライダの変位方向であるX方向又はY方向において隣接する第1及び第2のラック領域に区画して、当該第1のラック領域にはY方向へ延びる複数のラック歯をX方向において並設し、当該第2のラック領域にはX方向へ延びる複数のラック歯をY方向に並設し、前記歯車機構及びモータ及びセンサはこれらを1組とする2組が、前記第1及び第2のラック領域に対応して配設されていることをその要旨としている。
同構成によれば、スライダがX方向へスライド操作されると、このスライダのX方向への変位は第1のラック領域に対応する歯車機構を通じて回転運動に変換されて同じくモータに伝達される。このとき、第2のラック領域に対応する歯車機構は当該領域のラック歯に噛み合った状態を保ちつつ当該ラック歯に案内されるかたちでスライダに対して相対的にX方向へ変位する。これにより、スライダのX方向へのスライド操作が許容される。また、スライダがY方向へスライド操作された場合も同様に、第1のラック領域に対応する歯車機構が当該領域のラック歯に噛み合った状態を保ちつつ当該ラック歯に案内されるかたちでスライダに対して相対的にY方向へ変位することにより、当該Y方向へのスライド操作が許容される。さらに、この構成によればスライダの斜め方向、すなわちX方向とY方向との間を示す方向への変位も可能となる。この斜め方向へのスライド変位は、X方向及びY方向への変位に分解して考えることができるからである。したがって、スライダは、XY平面上において自由にスライド操作することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のスライド入力装置において、前記スライダは、平板状に形成されてなることをその要旨としている。
同構成によれば、スライダが平板状に形成されることにより、手指を接触させてスライダをスライドさせる際も手指が上下運動することなくスライドさせることが可能となり、ユーザのスムーズな操作に寄与できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載のスライド入力装置において、前記制御装置は、前記センサを通じて取得されるスライダの操作位置情報の変化がなくなったことをもってスライダのスライド操作が完了した旨判断する判断部と、前記判断部によりスライダのスライド操作が完了した旨判断された場合に、このとき前記センサを通じて取得されるスライダの操作位置情報と定められた原点位置情報との差分を演算する演算部と、前記演算部による演算結果に基づき前記スライダを前記原点位置に復帰させるべく前記モータを駆動制御するモータ制御部と、を備えたことをその要旨としている。
製品仕様によってはスライダを常にその原点位置から操作する必要がある。この点、同構成によれば、スライド操作の完了後には、スライダはモータの駆動を通じて原点位置に自動的に復帰する。このため、スライダを常にその原点位置から操作することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のスライド入力装置において、前記制御装置の記憶装置には、前記スライダに加える外力の当該スライダの変位量に対する規則性を示す複数種類の外力付与パターンを記憶し、前記制御装置は、前記スライダに外力を付与する際には、前記記憶装置に記憶された複数種類の外力付与パターンの中から、その時々の入力操作対象に適した外力付与パターンを選択して読み出し、この読み出した外力付与パターンに従って所定の外力が前記スライダに付与されるように、前記モータを駆動制御することをその要旨としている。
同構成によれば、スライダにはその時々の入力操作対象に適した規則性をもって所定の外力を付与することができる。
本発明によれば、スライダに対し、その操作態様に応じて外力を付与することで、スライド入力装置の操作性を向上させることができる。
以下、本発明を、車両のステアリングホイールに設けられて、これを握った状態を維持しつつ、対応する車載器機の各種操作を行うステアリングスイッチに具体化した一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示されるように、ステアリングホイール72は、運転席側のダッシュボードに配設されるとともに、ステアリングシャフト(図示せず)に接続され、車両の車輪を転舵させるために操作される。この例では、ステアリングホイール72は、前記ステアリングシャフトに連結されるホーンパッド75、及びホーンパッド75の左右の側部に突設された2つを1組とする2組のスポーク部74を介して当該ホーンパッド75を囲むように連結された円環状のホイール部73を備えてなる。このホイール部73は運転者により把持され回転操作される。
ステアリングホイール72において、車両の前方へ向かって右側のスポーク部74には、スライド入力装置1が設けられている。このスライド入力装置1は、運転者がステアリングホイール72を把持した状態で右親指を伸縮させることにより、定められたスライド操作範囲においてスライド操作することができる位置に配設されている。運転者は、スライド入力装置1の操作を通じて、車室内の運転席と助手席との間のセンタークラスタパネル76に設けられたディスプレイ71に表示される矢印形状のカーソルを、同じくディスプレイ71に表示される機能項目に重ね合わせる。この状態で所定の決定操作を行うことにより、当該機能項目に対応する他の表示画面を表示させたり、当該機能項目に対応する車載機器に所望の動作を実行させたりすることができる。
図2(a)に示すように、スライド入力装置1は、スポーク部74の内部にスライド移動可能に設けられてその一部分が当該スポーク部74に形成された矩形状の開口部16から露出する矩形状で形成され、上面が操作面であるスライダ10を備えてなる。このスライダ10において開口部16から露出する部分の中央にはプッシュスイッチ60が設けられている。このプッシュスイッチ60に対しそのプッシュ方向と交わる方向から外力が付与されることにより、図2(a)に破線で示される矢印方向、ここでは8方向へスライダ10はスライド移動する。なお、このスライド入力装置1の構成については、後に詳述する。
一方、図2(b)に示されるように、ディスプレイ71の画面には、例えば、4つの機能項目として、カーナビゲーション80a、オーディオ80b、エアコンディショナ80c及び車内電話80dを示すアイコン80(80a〜80d)が表示される。また、ディスプレイ71の画面には、スライド入力装置1のスライド操作、すなわちスライダ10のスライド移動に連動して当該スライド操作方向と同方向へ移動する矢印形状のカーソル81が表示される。
運転者は、スライド入力装置1のスライド操作を通じて、所望の制御内容、ここではカーナビゲーション、オーディオ、エアコンディショナ及び電話を示すアイコン80のうちいずれか一にカーソル81を移動させる。すると、カーソル81が重ね合わせられたアイコン80が点灯もしくは点滅する等して選択されたことが強調される。運転者はその選択状態を保持したまま、前記所定の決定操作としてプッシュスイッチ60を押下する。これにより、選択されたアイコン80に対応する制御内容が実行される。この制御内容として、例えばエアコンディショナに対応するアイコン80が選択された場合には、エアコンディショナが作動するとともに、その作動状況及び温度設定のための機能項目等がディスプレイ71の画面に表示される。また、ナビゲーションシステムに対応するアイコン80aが選択された場合には、案内地図又は目的地設定等の機能項目がディスプレイ71の画面に表示される。
次に、スライド入力装置1の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、スライド入力装置1は、前述したスライダ10及びプッシュスイッチ60に加え、2つのモータ30A、30B及びこれらモータ30A、30Bの駆動力(回転力)をスライダ10に伝達する第1歯車機構21及び第2歯車機構22を備えてなる。
スライダ10は矩形平板状に形成されるとともに、その外周縁がスポーク部74における開口部16の内周面の全周にわたって開口する案内穴65に挿入されることにより支持されている。スライダ10は開口部16を内側から覆った状態で、案内穴65の上下の内面に対して摺動可能に設けられている。スライダ10は、案内穴65の上下内面に案内されることにより、がたつくことなく安定して水平方向へスライド移動する。
スライダ10の上面において、開口部16から露出する部位の中央には、前述したプッシュスイッチ60が設けられている。このプッシュスイッチ60は、スライダ10の上面に固定されたケース62及び当該ケース62の上部に設けられたボタン61を備え、当該ボタン61を押圧している間だけ動作状態、すなわちケース62の内部に設けられる図示しない常開接点が閉じた状態が維持される自動復帰型のプッシュスイッチである。プッシュスイッチ60は、そのボタン61が押圧操作された際にはその旨示すオン信号を出力する。
ケース62及びボタン61はそれぞれ合成樹脂材料により円柱状に形成されている。また、ボタン61の外径はケース62の外径よりも大きく設定されており、ボタン61はケース62の上部を覆うように設けられている。運転者は、スライド入力装置1をスライド操作する際には、手指をボタン61に掛けた状態でその押圧方向に交わる方向、すなわち所望のスライド操作方向へ力を加える。
このように、プッシュスイッチ60は、選択されたアイコン80a〜80dに対応する制御内容を実行させるだけでなく、スライド入力装置1のスライド操作を行うに際して直接的に操作される部分である操作ノブとしても機能する。なお、図3に二点鎖線で示されるように、スライダ10の上面には、プッシュスイッチ60を囲む環状の保護壁63を設けるようにしてもよい。この保護壁63を通じてスライド入力装置1のスライド操作を行うようにすれば、プッシュスイッチ60には、本来想定されている押圧方向以外の方向からの外力が付与されることがないので、当該プッシュスイッチ60の取り付け状態等が長期にわたって良好に維持される。
一方、図4に示されるように、矩形状のスライダ10の下面は、その長手方向における中央を境として第1及び第2ラック領域11、12の2つの領域に区画されている。第1及び第2ラック領域11,12はほぼ同一面積とされている。第1ラック領域11は図中の右側に、第2ラック領域12は図中の左側に設定されている。
第1ラック領域11には、スライダ10の長手方向に直交する方向(図4中の矢印Y方向)において所定の長さを有する複数の第1ラック歯13が設けられている。各第1ラック歯13は、スライダ10の長手方向(図4中の矢印X方向)において一定間隔をおいて並設されている。第2ラック領域12には、スライダ10の長手方向(図4中の矢印X方向)において所定の長さを有する複数の第2ラック歯14が設けられている。各第2ラック歯14は、スライダ10の長手方向に直交する方向(図4中の矢印Y方向)において一定間隔をおいて並設されている。
また、ステアリングホイール72(正確にはスポーク部74)の内部には、スライダ10の矢印Y方向と反対側の部位に対応する第1モータ30A及びスライダ10の矢印X方向と反対側の部位に対応する第2モータ30Bが配設されている。第1モータ30A及び第2モータ30Bは、スポーク部74の内面において案内穴65に対応する部位に固定されている。第1モータ30Aの駆動軸31Aは第1ラック歯13と、また第2モータ30Bの駆動軸31Bは第2ラック歯14と平行をなすとともに、これら駆動軸31A、31Bには駆動歯車21C、22Cが連結されている。
駆動歯車21C、22Cには、スポーク部74の内部に設けられる図示しない軸受構造を介して回転可能に支持された従動歯車23、24が噛合されている。正確には、これら従動歯車23、24は、駆動歯車21C、22Cよりもピッチ円直径が大きく設定された中間歯車21B、22B、及びこれら中間歯車21B、22Bよりもピッチ円直径がさらに大きく設定された最終歯車21A、22Aが同一の回転中心軸を有して一体とされた、いわゆる二段歯車として構成されている。また、前述した駆動歯車21C、22Cはこれら中間歯車21B、22Bに噛合されている。図6に併せ示されるように最終歯車21A、22Aは、第1ラック歯13及び第2ラック歯14に噛合されている。なお、駆動歯車21C、22C、従動歯車23、24(中間歯車21B、22B及び最終歯車21A、22A)から前述の第1歯車機構21及び第2歯車機構22が構成されている。
したがって、第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動力は、第1歯車機構21及び第2歯車機構22を介して、スライダ10に伝達され、これによりスライダ10は矢印X方向あるいは矢印Y方向へスライド移動する。すなわち、第1モータ30A及び第2モータ30Bの回転運動は、スライダ10のスライド運動に変換される。このときスライダ10がXまたはY方向へ移動する際には、第2最終歯車22Aが第2ラック歯14に、第1最終歯車21Aが第1ラック歯13に案内されてXまたはY方向への変位が許容される。
また、スライダ10が矢印X方向及び矢印Y方向へスライド操作された際には、当該スライダ10のスライド運動は、第1及び第2歯車機構21,22を介して、駆動軸31A、31Bの回転運動に変換される。つまりスライダ10の第1ラック歯13及び第2ラック歯14と第1歯車機構21及び第2歯車機構22でスライドと回転との運動変換機構となっている。
詳述すると、スライダ10が矢印X方向へスライド操作された際には、第1モータ30Aに対応する従動歯車23(正確には、その最終歯車21A)の歯が第1ラック歯13に噛合するため、スライダ10の矢印X方向への変位に伴い第1モータ30Aは回転する。このとき、第2モータ30Bに対応する従動歯車24(正確には、その最終歯車22A)は、その歯が第2ラック領域12の第2ラック歯14に案内されるかたちで矢印X方向へ相対変位する。このため、スライダ10の矢印X方向への変位が許容される。
スライダ10が矢印Y方向へスライド操作された際には、第2モータ30Bに対応する従動歯車24(正確には、その最終歯車22A)の歯が第2ラック歯14に噛合するため、スライダ10の矢印Y方向への変位に伴い第2モータ30Bは回転する。このとき、第1モータ30Aに対応する従動歯車23(正確には、その最終歯車21A)は、その歯が第1ラック領域11のラック歯13に案内されるかたちで矢印Y方向へ相対変位する。このため、スライダ10の矢印Y方向への変位が許容される。
スライダの斜め方向、すなわちX方向とY方向との間を示す方向へスライド操作された際には、第1従動歯車23及び第2従動歯車24(正確にはそれらの最終歯車21A、22A)はそれぞれ対応する第1ラック歯13及び第2ラック歯14に噛み合うと同時に、第1ラック歯13もしくは第2ラック歯14に案内されるかたちでX方向もしくはY方向へ変位するため、スライダ10の斜め方向へのスライド変位が許容される。
スライダ10は図2(a)、図3に示されるようにプッシュスイッチ60が開口部16の中央に位置するときの位置を原点位置とされている。このとき、図4に示されるように第1最終歯車21A及び第2最終歯車22Aはスライダ10に対しそれぞれ第1ラック領域11及び第2ラック領域12の中央に位置している。そして、前述したように、スライダ10は、この原点位置を基準として、定められた操作範囲において操作可能とされている。
本例ではスライダ10は図4に2点鎖線で示される矩形状の可動範囲90において、スライド変位し、この可動範囲90すなわちスライダ10のXY方向のスライド移動量の最大値は第1ラック歯13および第2ラック歯14の並列方向の長さによって決まる。すなわち、スライダ10のX方向の可動距離は第1ラック領域11のX方向距離、同様にY方向の可動距離は第2ラック領域12のY方向距離である。第1ラック領域11のX方向の距離を大きくするほど、スライダ10のX方向における可動距離は大きくなる。また、第2ラック領域12のY方向長さを大きくするほどスライダ10のY方向における可動距離は大きくなる。
さらに、上記の可動範囲90はステアリングホイール72の内周面に形成された案内穴65のXもしくはY方向への深さによっても決まる。すなわち所望の可動範囲90内におけるスライダ10の変位が許容される程度に、案内穴のXもしくはY方向への深さが設定されている。さらに、可動範囲90はスポーク部74に形成された開口部16の開口面積、及びスライダ10の上面に設けられたプッシュスイッチ60の配置によっても決まる。すなわち保護壁63が開口部16の内周面に接触しスライダ10のスライド移動が規制されることが考えられるところ所望の可動範囲90内におけるスライダ10の変位が許容されるように、開口部16の開口面積及びプッシュスイッチ60の配置が設定されている。なお、図5に、スライダ10が最も矢印X方向かつ矢印Y方向に変位したときの可動範囲90に対するスライダ10の位置を示す。
図4に示すように、第1モータ30A及び第2モータ30Bには、これらの駆動軸31A、31Bの回転方向及び回転角度に応じた電気信号(パルス信号)を生成して出力する第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bが設けられている。すなわち、第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bは、スライダ10の矢印X方向及び矢印Y方向への変位量の検出信号である前記電気信号を、スライダ10の操作位置情報として出力する。なお、第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bは、光学式のものでもよいし、磁気式のものでもよい。
第1モータ30Aは、スライダ10にX方向への外力を付加してスライダ10を矢印X方向へ変位させる際に駆動される一方で、スライダ10が矢印X方向へスライド操作された際に回転する。すなわち、この第1モータ30Aに取り付けられた第1のロータリエンコーダ40Aは、スライダ10の矢印X方向及びこれと反対方向への変位を検出してその検出信号を出力する。
また、第2モータ30Bは、スライダ10に外力を付加してスライダ10を矢印Y方向へ変位させる際に駆動される一方で、スライダ10が矢印Y方向へスライド操作された際に回転する。すなわち、この第2モータ30Bに取り付けられた第2のロータリエンコーダ40Bは、スライダ10の矢印Y方向及びこれと反対方向への変位を検出してその検出信号を出力する。
次に、スライド入力装置1の電気的な構成について説明する。なお図7中の破線には要素間の機械的接続を示す。
図7に示すように、マイクロコンピュータからなる制御装置50は、記憶装置であるメモリ51に記憶された表示制御プログラムに従ってディスプレイ71の表示を制御する。例えば、制御装置50は、定められた制御対象である車載機器の操作内容を示す複数の機能項目をディスプレイ71に表示させる。また、制御装置50は、第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bからの検出信号に基づきスライダ10の操作位置を絶対座標値として算出するとともに、この算出した絶対座標値に基づきディスプレイ71の画面に表示されるカーソル81の画面上の目標位置(座標)を算出し、この算出した目標位置にカーソル81を移動させる。そして、制御装置50は、プッシュスイッチ60からのオン信号が入力されると、この時点でカーソル81により選択されているディスプレイ71の画面上の機能項目(アイコン等)に対応する制御内容を実行する。例えば、選択された機能項目に対応する制御内容に応じた他の画面にディスプレイ71の表示を切り替えたり、当該機能項目に対応する制御対象としてカーナビゲーション等の車載機器を制御したりする。
また、制御装置50は、そのメモリ51に記憶されたモータ制御プログラムに従って第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動制御を行う。すなわち、制御装置50は、第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動制御を通じて、ディスプレイ71の画面、正確には当該画面上の機能項目数及びそれらの配置間隔、又はスライダ10の移動量及び移動方向に応じた外力を発生させる。
具体的には、制御装置50は、そのメモリ51に記憶されている複数種類の外力パターンの中から、画面上のアイコンの数、配置間隔、大きさに適したパターンを選択し、この選択した外力付与パターンに従って所定の外力がスライダ10に付与されるように第1モータ30A及び第2モータ30Bを駆動制御する。また、スライダ10に加える外力の大きさ及び方向は、スライダ10の移動量及び移動方向により決まる。このため、制御装置50は、第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bからの検出信号に基づきスライダ10の原点位置に対する移動量及び移動方向を算出し、この算出結果に応じた大きさ及び方向の外力がスライダ10に付与されるように第1モータ30A及び第2モータ30Bを駆動制御する。
反力付与パターンは、スライダ10の操作性を確保するためにこれに加える外力のスライダ10の移動量に対する規則性を示すものであって、例えば図8(a)〜図8(f)のグラフに示されるようなパターンがある。各グラフにおいて、横軸はスライダ10のX方向又はY方向(図4参照)における移動量Sを、縦軸はスライダ10に付与される外力Fの大きさを示す。
なお、各グラフでは、スライダ10の図4に矢印で示されるX方向及びY方向への移動量をプラス、これらと反対方向への変位量をマイナスとする。また、各グラフでは、スライダ10の移動方向と反対方向への外力をプラス、スライダ10の移動方向と同じ方向への外力をマイナスとする。各グラフの原点Oは、図2(a)あるいは図3に示されるスライダ10の原点位置に対応する。
図8(a)のパターンでは、スライダ10の移動量Sにかかわらず一定のプラスの外力が操作反力としてスライダ10に付与される。したがって、このパターンが選択された場合には、スライダ10には常に一定の操作反力が加えられるので、運転者は重量感のある操作感を得ることができるとともに、スライダ10の操作ストロークが小さく微妙な場合であってもその位置決定が容易となる。
図8(b)のパターンでは、スライダ10の移動量Sにかかわらず一定のプラスの外力が操作反力としてスライダ10に付与されつつ、当該一定の外力よりも大きなプラスの外力が周期的に付与される。したがって、このパターンが選択された場合には、スライダ10の操作に伴い一定間隔で節度感が得られる。この節度の発生間隔が例えばディスプレイ71の画面上の各アイコン80a〜80dの配置間隔に対応する場合には、当該画面上のカーソル81がアイコン80上に重ね合わされたときに毎に所定の節度感が得られる。このため、運転者は、スライダ10の操作量、換言すれば画面上のカーソル81の変位量を感覚的に把握することができる。
図8(c)のパターンでは、スライダ10が図4に矢印で示されるX方向及びこれと反対方向への移動量が増大するにつれて、スライダ10に操作反力として付与されるプラスの外力が徐々に大きくなる。すなわち、スライダ10に付与されるプラス方向の外力は、原点Oで最小となる。したがって、このパターンが選択された場合には、スライダ10の原点位置への復帰操作が容易となる。
図8(d)のパターンでは、スライダ10の移動量が所定量だけ増大する毎に、プラスの外力とマイナスの外力とが交互に与えられる。すなわち、スライダ10の操作に伴い操作反力と推進力とが交互に得られる。
したがって、このパターンが選択されたときには例えば矢印形状のカーソル81がアイコン80上にあるときには反力が、それ以外のときには推進力が与えられることにより、カーソルの行き過ぎが抑制され、所望のアイコン上にカーソルを停止させやすくなる。
図8(e)のパターンでは、スライダ10の移動量Sにかかわらず一定のプラスの外力が操作反力としてスライダ10に付与されつつ、スライダ10の移動量が所定量だけ増大する毎に、プラスの外力とマイナスの外力とが振動的に付与される。したがって、このパターンが選択された場合には、前述した図8(b)のパターンが選択された場合と同様に、運転者は、例えばスライダ10の操作量、換言すれば画面上のカーソル81の変位量を感覚的に把握することができる。
図8(f)のパターンでは、スライダ10の移動量が所定量に達するまでは一定のプラスの外力が操作反力としてスライダ10に付与され、当該移動量が所定量に達した際には当該プラスの外力が急激に増大されることにより、それ以上スライダ10を移動させることが困難となる。したがって、このパターンが選択された場合には、運転者は、スライダ10の操作範囲の限界を感覚的に把握することができる。
なお、図8(a)〜図8(f)の外力付与パターンは例示であって、スライダ10に付与する外力の発生間隔、及び外力の大きさ等は、適宜変更可能である。
次に、前述のように構成したスライド入力装置の動作について説明する。
運転者は、所望の制御内容を実行させる際には、スライダ10のスライド操作を通じてディスプレイ71の画面に表示されたカーソル81を所望の制御内容に対応するアイコン80a〜80dに重ね合わせ、この状態でプッシュスイッチ60を押圧操作する。これにより、選択したアイコン80a〜80dに対応する制御内容が実行される。
ここで、所望の制御内容に対応するアイコン80a〜80dを選択する際に、スライダ10がX方向へスライド操作されたときには、このX方向への変位量は第1モータ30Aの駆動軸31Aの回転量として第1のロータリエンコーダ40Aにより検出される。制御装置50は、第1のロータリエンコーダ40Aからの検出信号に基づきスライダ10の操作位置、さらにはカーソル81の画面上の表示位置(座標)を算出し、この算出した表示位置にカーソル81を移動させる。
また、スライダ10がY方向へスライド操作されたときには、このY方向への変位量は第2モータ30Bの駆動軸31Bの回転量として第2のロータリエンコーダ40Bにより検出される。制御装置50は、第2のロータリエンコーダ40Bからの検出信号に基づきスライダ10の操作位置、さらにはカーソル81の画面上の表示位置(座標)を算出し、この算出した表示位置にカーソル81を移動させる。
さらに、スライダ10が斜め方向へスライド操作されたときには、当該スライダ10の変位量は、X方向への変位量とY方向への変位量とに分解されて検出される。これら分解されたX方向及びY方向への変位量は、第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動軸31A、31Bの回転量として第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bにより検出される。制御装置50は、第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bからの検出信号に基づきスライダ10の操作位置、さらにはカーソル81の画面上の表示位置(座標)を算出し、この算出した表示位置にカーソル81を移動させる。
そして制御装置50は、前述のようにカーソル81を所定の表示位置へ移動させる際には、そのときの表示画面に適した外力付与パターンに従って所定の外力がスライダ10に付与されるように第1モータ30A及び第2モータ30Bの少なくとも一方を駆動制御する。これにより、スライダ10には、そのときの移動量及び移動方向に応じた大きさ及び方向の外力が付与される。そして運転者は、操作ノブとしても機能するプッシュスイッチ60を通じて所定の操作感触を得ることができる。したがって、スライダ10の良好な操作性及び操作感が確保される。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)所望の制御内容に対応するアイコン80a〜80dを選択する際に、ユーザによりスライダ10が所定方向へスライド操作されると、当該スライダ10に作動連結された第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動を通じて、所定の外力がスライダ10に付与される。この外力は、その時々の表示画面に対応する外力付与パターンに従ってスライダ10に与えられる。運転者は、このスライダ10に付与される外力を、操作ノブとしても機能するプッシュスイッチ60を通じて所定の操作感触として得ることができる。すなわち、アイコン80a〜80dの数及びこれらの配置間隔等の異なる複数種類の画面に応じて異なる操作感触が運転者に付与されることにより、スライダ10の良好な操作性及び操作感が確保される。また、このように複数種類の画面に対する入力操作を単一のスライド入力装置1を通じて行うことができることから、ステアリングホイール等のように設置スペースが制限されるものへの搭載に好適である。
(2)矩形状の平面形状を有するスライダ10の下面は、その長手方向において2つの領域、すなわちY方向において所定の長さを有する複数のラック歯13がX方向に並設されてなる第1ラック領域11と、X方向において所定の長さを有する複数のラック歯14がY方向に並設されてなる第2ラック領域12とに区画した。そしてこれら第1及び第2ラック領域11、12の第1ラック歯13及び第2ラック歯14には、第1モータ30A及び第2モータ30Bに作動連結された従動歯車23,24の最終歯車21A、22Aを噛合させた。
このため、スライダ10に対して例えばX方向への力を加えると第1ラック領域11のラック歯13に噛合する従動歯車21A、21Bは回転する一方で、第2ラック領域12の第2ラック歯14に噛合する従動歯車22A、22Bは、その歯が第2ラック領域12の第2ラック歯14に案内されるかたちでX方向へ相対変位する。このため、スライダ10の矢印X方向への変位が許容される。これと同様に、スライダ10のY方向への変位、ひいては斜め方向への変位も許容される。したがって、スライダ10をXY方向及び斜め方向へ自由にスライド操作することができる。また、第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動を通じて、スライダ10に対してXY方向、ひいては斜め方向の外力を付与することもできる。
(3)スライダ10は平板状に形成されているので、スライダ10をスライド操作する際に手指が上下運動することはない。このため、スライダ10をスムーズに操作することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施の形態では、特に言及していないがスライダ10を所定の方向へスライド操作した後に当該スライダ10に対する操作力を解除したとき、その操作位置が保持されるようにしてもよいし、その原点位置に自動的に復帰させるようにしてもよい。原点位置に復帰させる場合には、例えば第1モータ30A及び第2モータ30Bの駆動を通じて、所定方向へスライド操作されたスライダ10を原点位置へ復帰させる。すなわち、制御装置50は図7(b)に示すように判断部50aと演算部50bとモータ制御部50cとからなっており、判断部50aはロータリエンコーダ40A、40Bを通じて取得されるスライダ10の位置情報の変化がなくなってことをもって、スライダ10のスライダ操作が完了したと判断し、その旨の信号を出力する。前記信号を入力した演算部50bは第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bを通じて取得されるスライダ10の操作位置情報に基づきスライダ10の原点位置に対する操作位置(XY座標値)正確には、そのときのスライダ10の操作位置と原点位置の差分を演算する。当該演算結果に基づきスライダ10を原点位置へ復帰させるためにすなわち前記差分をゼロとするために必要とされる第1モータ30A及び第2モータ30Bの回転量及び回転方向を算出する。そしてモータ制御部50cは、前記算出結果に基づいて所定の回転方向に所定の回転量だけ第1モータ30A及び第2モータ30Bを駆動させる。これにより、スライダ10はその原点位置に自動的に復帰する。このようにすれば、運転者は、スライダ10を常にその原点位置から操作することができる。
また、スライド操作されたスライダ10を次のようにして原点位置に復帰させることも可能である。例えば、図3の2点鎖線で示されるように、矩形の平面形状を有するスライダ10の4つの側面(図3上では2つの側面)に対応して弾性部材である複数の圧縮コイルばね91を配設し、通常はこれら圧縮コイルばね91の弾性力によりスライダ10をその原点位置に弾性保持する。すなわち、スライダ10は、X方向において互いに反対側に配設される複数の圧縮コイルばね91の弾性力の釣り合いによりX方向における中立位置に、またY方向において互いに反対側に配設される複数の圧縮コイルばね91の弾性力の釣り合いによりY方向における中立位置に保持される。この通常状態にあるスライダ10を圧縮コイルばね91の弾性力に抗してスライド操作した後、当該操作力を解除した際には各圧縮コイルばね91の弾性力によりスライダ10はその原点位置に弾性復帰する。なおこの場合、案内穴65においてスライダ10の各側面に対向する内壁面はスライダ10のスライド方向に設けられた部材である。
・上記実施の形態では、操作ノブでもあるプッシュスイッチ60は、スライダ10の上面において開口部16から露出した部位の中央に配設したが、この中央部からずらして配置するようにしてもよい。この場合、所望の操作範囲が確保されるようにスライダ10のサイズ及び第1ラック歯13及び第2ラック歯14の形成範囲及び案内穴65の水平方向における形成深さ、並びに開口部16の開口面積等適宜調節する。例えばプッシュスイッチ60を図3に示される中央位置に対してX方向へずらして配置した場合には、スライダ10はX方向と反対側への変位量が大きくなる。このため、プッシュスイッチ60をずらした分だけ、スライダ10をX方向へ延出する。これにより、スライダ10がX方向と反対方向へ変位した際にも開口部16はスライダ10により内側から塞がれた状態に保たれる。
・上記実施形態では、ディスプレイ71に表示される矢印形状のカーソル81をアイコン80a〜80dに重ね合わせることで制御対象の選択をしていた。しかし、カーソル81の形状は制御内容の選択が視覚的に認識可能な形状であれば良い。例えばカーソル81を矩形状に形成して制御内容が選択されている際にはアイコン80a〜80dにカーソル81が重ね合わされる。つぎにX方向に所定移動量のスライド操作がされた際にはカーソル81はX方向にあるとなりのアイコン80a〜80dに切り替わることとし、さらにカーソル81の切り替え時に一定の反力を与えユーザにその旨を知覚させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、アイコン80a〜80d等の各種の情報を表示する表示手段としてのディスプレイ71をセンタークラスタパネル76に設けたが、インストルメントパネル等に設けてもよい。また、ディスプレイ71としては、液晶ディスプレイ又はヘッドアップディスプレイなど、種々のものが採用可能である。さらに、ディスプレイ71を省略してもよい。この場合であっても、スライダ10に付与する外力の制御を通じて、各種の操作感覚を運転者に与えることにより、スライダ10の操作状態などの情報を伝えることができる。
・上記実施形態では、スライド入力装置1はステアリングホイールに設けることによりステアリングスイッチとして使用したが、センターコンソール等の車室内の他の部位に配設するようにしてもよい。また車両に限らず所定の入力操作が必要とされるあらゆる電化製品に装備させてもよい。
・上記実施形態では、スライダ10の上面つまり操作面にはプッシュスイッチ60が設けられていたが、このプッシュスイッチ60を省略してもよく、スライダ10のスライド操作で選択した制御内容を車内の他の部位に設けられたプッシュスイッチ60に相当するものを操作することで所望の制御を実行できる。
・上記実施形態では、第1モータ30A及び第2モータ30Bの回転力をスライダ10に伝達する伝達機構としての第1歯車機構21及び第2歯車機構22の構成要素を全て平歯車としたが、組み合わせる歯車の数あるいはその種類は適宜変更可能である。また、第1及び第2最終歯車21A、22Bの回転運動をスライダ10のスライド運動、あるいはスライド運動を回転運動に変換できればよく伝達機構として、どのような機構を採用してもよい。
・上記実施形態では、スライダ10は第1ラック歯13及び第2ラック歯14は一体で形成されているが、スライダ10と第1ラック歯13及び第2ラック歯14は別部材で形成し後から接着あるいはボルト締め等により接合してもよい。
・上記実施形態では、第1モータ30A及び第2モータ30Bの回転方向及び回転角度を検出する手段として第1及び第2のロータリエンコーダ40A、40Bを使用したが、これに限らず回転を検出できるセンサであればよい。
・上記実施形態では、スライダ10は平面形状としたが、これに限らず例えば曲面形状としてもよい。この場合、案内穴65の形状も湾曲したスライダ10に対応して形成する。
・上記実施形態では、第1ラック歯13及び第2ラック歯14はスライダ10の外辺(XY方向)に対して、平行もしくは直交していた。しかし、第1ラック歯13及び第2ラック歯14はスライダ10の外辺に対して平行もしくは直交していなくてもよく、図9に示されるように例えば第1ラック歯13及び第2ラック歯14間の直交関係を保ちつつ、スライダ10外辺に対し45度傾けた方向に第1ラック歯13及び第2ラック歯14を設けてもよい。
・上記実施形態では、スライダ10をXY平面に沿う2次元方向へ移動させるようにしたが、これに限らずスライダ10を1次元方向、例えばX方向及びY方向のいずれか一方向へのみ変位可能としてもよい。
・上記実施形態ではスライダ10の操作位置を絶対座標値として算出するとともに、この算出した絶対座標値に基づきディスプレイ71の画面に表示されるカーソル81を移動させていた。しかし、これに限らず、スライダ10の操作位置を相対座標値として算出してもよい。これにより例えば、スライダ10を操作後にスライダ10が原点位置に自動復帰した際にも、カーソル81は移動後の位置から原点位置に復帰せずに、常にスライド操作による移動量によりカーソル81が移動することになる。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(a)請求項1から6の何れか1項に記載のスライド入力装置であって、前記スライダとそのスライド方向に設けられた部材との間には、スライダがスライド操作されたスライド逆方向に働く弾性力を発揮する弾性部材が設けられたことを特徴とするスライド入力装置。
同構成によれば、制御装置でモータを電気的に制御することなく、簡易にスライダを原点位置に復帰させることができる。これにより電気的にスライダを原点位置に復帰させる制御を行う必要はなくなる。
(b)請求項1から6の何れか1項に記載のスライド入力装置であって、前記スライダに与えられる外力はスライダの操作方向と反対方向に働く反力であることを特徴とするスライド入力装置。
同構成によれば、スライダに与えられる外力は常にユーザのスライド操作反対方向である。このように、スライダに一定の操作反力を加え続けることでスライド操作に重量感を出したり、局区間にのみ反力を加えることで選択内容が切り替わった感覚つまり節座感を出したり、急激に大きな反力を加えることで行き止まり感覚を出すことができる。
第1の実施形態のスライド入力装置の斜視図。 (a)〜(b)は、第1の実施形態のスライド入力装置の概略図。 図2A−A線のスライド入力装置断面図。 第1の実施形態のスライド入力装置の下面図。 第1の実施形態のスライド入力装置の下面図。 第1の実施形態のスライダの下面斜視図。 (a)第1の実施形態のブロック図、(b)他の実施形態のブロック図。 (a)〜(f)は、外力付与パターンのグラフ。 他の実施形態のスライダの下面斜視図。 従来のスライド入力装置の断面図。
符号の説明
1…スライド入力装置、10…スライダ、11…第1ラック領域、12…第2ラック領域、13、14…ラック歯、21…第1歯車機構、22…第2歯車機構、30A、30B…モータ、31A、31B…モータ駆動軸、40A、40B…ロータリエンコーダ、50…制御装置、60…プッシュスイッチ、71…ディスプレイ(表示部)。

Claims (6)

  1. 所定の平面形状を有するスライダの原点位置を基準とする所定の方向へのスライド操作を通じてその時々でその操作態様の異なる入力操作対象に対する入力操作を行うスライド入力装置であって、
    前記スライダのスライド運動を回転運動に変換して出力する一方で、入力される回転運動を前記スライダのスライド運動に変換して出力する運動変換機構と、
    前記運動変換機構に作動連結されて当該運動変換機構から出力される回転運動が入力される一方で、自身が回転する際にはこの回転運動を前記運動変換機構に対する入力として出力する駆動軸を有するモータと、
    前記モータに設けられてその駆動軸の回転変位量を前記スライダの変位量として検出してその検出信号を前記スライダの操作位置情報として出力するセンサと、
    前記センサを通じて取得されるスライダの操作位置情報及びその時々の入力操作対象に対応するスライダの操作態様に応じて当該スライダにその操作方向又はそれと反対方向への外力を付与するべく前記モータを駆動制御する制御装置とを備えてなるスライド入力装置。
  2. 請求項1に記載のスライド入力装置において、
    前記スライダの上面は当該スライダをスライド操作するべく所定の操作力が付与される操作面とし、また前記スライダの操作面と反対側の下面には当該スライド操作方向に対して交わる方向へ延びる複数のラック歯を設け、
    前記運動変換機構は、前記ラック歯との噛み合いを通じて前記スライダのスライド運動を回転運動に変換してモータの駆動軸に伝達する一方で、当該モータの駆動によりその駆動軸が回転した際にはその回転運動を直線運動に変換して前記スライダに伝達する歯車機構としたスライド入力装置。
  3. 請求項2に記載のスライド入力装置において、
    前記スライダは、XY座標系におけるX方向及びY方向へ変位可能に設け、
    前記スライダの下面は、当該スライダの変位方向であるX方向又はY方向において隣接する第1及び第2のラック領域に区画して、当該第1のラック領域にはY方向へ延びる複数のラック歯をX方向において並設し、当該第2のラック領域にはX方向へ延びる複数のラック歯をY方向に並設し、
    前記歯車機構及びモータ及びセンサはこれらを1組とする2組が、前記第1及び第2のラック領域に対応して配設されてなるスライド入力装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のスライド入力装置において、前記スライダは、平板状に形成されてなるスライド入力装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載のスライド入力装置において、
    前記制御装置は、前記センサを通じて取得されるスライダの操作位置情報の変化がなくなったことをもってスライダのスライド操作が完了した旨判断する判断部と、
    前記判断部によりスライダのスライド操作が完了した旨判断された場合に、このとき前記センサを通じて取得されるスライダの操作位置情報と定められた原点位置情報との差分を演算する演算部と、
    前記演算部による演算結果に基づき前記スライダを前記原点位置に復帰させるべく前記モータを駆動制御するモータ制御部と、を備えてなるスライド入力装置。
  6. 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のスライド入力装置において、
    前記制御装置の記憶装置には、前記スライダに加える外力の当該スライダの変位量に対する規則性を示す複数種類の外力付与パターンを記憶させ、
    前記制御装置は、前記スライダに外力を付与する際には、前記記憶装置に記憶された複数種類の外力付与パターンの中から、その時々の入力操作対象に適した外力付与パターンを選択して読み出し、この読み出した外力付与パターンに従って所定の外力が前記スライダに付与されるように、前記モータを駆動制御するスライド入力装置。
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