JP2010014780A - 積層体、画像形成体及びその製造方法 - Google Patents

積層体、画像形成体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な工程を必要とせずに生産性が良く、オンデマンドでも画像パターンを記録可能な積層体、画像形成体及びその画像記録方法を提供すること。また、視認角度により画像パターンが変化する画像形成体を提供すること。
【解決手段】熱により消失する特性を有する薄膜層に、複数のレンズ形状部を平面上に密集させたレンズ集合体層を積層した積層体に、画像パターンを有するレーザー光を一定の方向から照射し、個々のレンズ形状部で集光されたレーザー光の熱により薄膜層を部分的に消失して画像パターンを記録した画像形成層を形成し、画像形成体とする。また、レーザー光の照射角度により複数の画像パターンを記録可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザー光の照射により文字、数字、絵柄、バイオメトリックス(指紋、顔、血管等)情報等の画像を立体画像として記録可能な、または観察角度によって出現する複数の画像を記録可能な、画像形成体及びその画像記録方法に関するものである。
レーザー光を利用した画像の記録においては、例えば背後に反射層を有する回折構造体において、レーザー光を選択的に照射して反射層を破壊することにより情報を追記することが、特許文献1において知られている。このようなレーザー光の照射によって金属や金属酸化物の薄膜を部分的に除去し、パターンを形成する方法は、オンデマンドに高解像度の画像を追加記録することも可能である。
一方で複数画像の記録は、例えばレンチキュラーレンズの拡大効果と観察角度による焦点移動を考慮した印刷パターンをレンズの焦点距離付近にレンズピッチで印刷することで複数画像、及び立体画像を記録する方法が特許文献2において知られている。特に、レンチキュラーレンズの焦点側の平面に対してインクジェット印刷方法により直接印刷する方法によるとオンデマンドで立体像を得ることが可能である。
また、レンチキュラーレンズと感光フィルムを組み合わせ、レンズ側から走査露光することにより感光フィルムに画像を形成する方法が特許文献3において知られている。
特開2000−47556号公報 特開2008−15048号公報 特開平8−220477号公報
しかしながら、特許文献1に代表されるような従来技術は、通常二次元単一像の記録であり、見た目は溶融リボンによる溶融文字印字情報、昇華転写方式、インクジェット方式等での印画像と大差無い記録機能であり、三次元像等の的確な画像や、二次元複数像等の多くの情報を、目視にて一瞥で確認できるように記録することは不可能であった。
また、特許文献2に示されている方法では、レンチキュラーシートのレンズに対する印刷パターンの位置精度及びピッチ精度が問題となる。特に写真などの高解像度の画像を記録するためには、μm単位での位置精度が要求されることから、生産性が非常に低いという問題がある。
特許文献3に示される方法では、感光フィルムを使用している故、現像・定着・焼付け等の煩雑な処理を行う必要があり、専用の設備を必要とすることから、画像のオンデマンドでの記録には不向きである。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、本発明の目的は、煩雑な工程を必要とせずに生産性が良く、オンデマンドでも記録可能な画像形成体及びその画像記録方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は、少なくともレンズ形状部を平面上で複数密集配置させたレンズ集合体層と、該レンズ集合体層の下部に位置する薄膜層と、を有する積層体の該薄膜層に画像パターンを記録して画像形成層を形成する画像形成体の製造方法であって、 該積層体に該レンズ集合体側の一定の方向からレーザー光を照射し、レンズを介して薄膜層にレーザー光を集光し薄膜層を部分的に消失させることにより画像パターンを記録することを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体の製造方法において、該積層体に対する一定の方向からのレーザー光照射を、複数の異なる角度から行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体の製造方法において、前記薄膜層は、加熱により昇華又は蒸発する特性を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体の製造方法において、前記積層体は、前記レンズ集合体と薄膜層の間に焦点距離調整層を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体の製造方法において、前記焦点距離調整層の少なくとも一部に回折構造が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、少なくともレンズ形状部を平面上で複数密集配置させたレンズ集合体層と、該レンズ集合体層の下部に位置する薄膜層と、を有する積層体であって、該薄膜層は加熱により蒸発又は昇華する特性を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記積層体において、前記レンズ集合体層と前記薄膜層との間に焦点距離調整層を有することを特徴とする。
また、本発明は、少なくともレンズ形状部を平面上で複数密集配置させたレンズ集合体層と、該レンズ集合体層の下部に位置する画像形成層と、を有する画像形成体であって、該画像形成層には、該画像形成体に対して一定の方向からのみ視認可能な画像パターンが記録されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体において、前記画像形成層には、前記画像形成体に対して一定の方向からのみ視認可能な画像パターンが複数記録されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体において、前記レンズ集合体層と前記画像形成層との間に焦点距離調整層を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記画像形成体において、前記焦点距離調整層の少なくとも一部に回折構造が形成されていることを特徴とする。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、本発明における積層体の基本構造は、レンズ集合体と熱によって蒸発又は昇華し消失する特性を有する薄膜層とからなり、レンズ集合体層側の一定の方向からからレーザー光を照射し、個々のレンズ形状部で集光したレーザー光によって、薄膜層を部分的に消失させることが可能である。これを利用して、任意の画像パターンを有するレーザー光を任意の方向から積層体に照射することにより、薄膜層に画像パターンを記録して画像形成層とし、レーザー光を照射した一定の方向付近からのみ画像パターンが視認可能な画像形成体を提供することが可能となる。
また、積層体に対するレーザー光の照射角度を複数の異なる角度から記録することによって、同一スペース内に複数の画像パターンを記録した画像形成層を形成することが可能となる。よって、例えばステレオグラムの要領で立体像を記録することや、左右眼の視差画像を記録することにより立体像を再生することも可能であり、二次元画像に比べて更に的確な画像パターンを記録することが可能となる。また、観察角度によって異なる二次元画像を複数記録することも可能であり、より多くの画像パターンを記録することも可能である。
また、本発明の薄膜層が熱により消失する特性を利用して画像パターンを形成することを特徴としている故、一般的な感光フィルムで必要とされる現像・定着・焼付け等の煩雑な工程や専用の設備を必要とせずに生産性が良く、オンデマンドでも記録可能な積層体、画像形成体及びその製造方法を提供することが可能である。
つまり、本発明によると、レーザー光を照射することにより薄膜層を除去して文字、数字、絵柄、バイオメトリックス(指紋、顔、血管等)情報等の画像パターンを的確に記録し、又は多くの画像パターンを記録し画像形成体を製造することを可能とし、煩雑な工程及び専用の設備を必要とせずに生産性が良く、オンデマンドでも記録可能な積層体、画像形成体及びその製造方法を提供することが可能である。
以下、本発明にかかる積層体及び画像形成体の実施形態を、図面を参照にして詳細に説明する。
図1は、本発明に係る積層体の基礎構造を示す断面図である。
本発明における積層体1は、レンズ形状部を平面上に密集させたレンズ集合体層2と、加熱により蒸発又は昇華する特性を持つ薄膜層3とを備えた構成である。該薄膜層3はレンズ集合体層2に対して光が入射した際、その光が集光する側に配置されている。
図2は、本発明に係る積層体の第一の実施形態例を示す断面図である。
図2に示す積層体は、レンズ集合体層と薄膜層との層間に焦点距離調整層4を備えた以外は図1の積層体と同様の構成である。焦点距離調整層は、レンズ集合体のレンズ焦点位置が薄膜層付近となるように距離を調整するスペーサーの役割を果たす。
図3は、本発明に係る積層体の第二の実施形態例を示す断面図である。
図3に示す積層体は、図2に示す積層体の、レンズ集合体層を構成するレンズ形状部を球状レンズとした構成である。
図4は、本発明に係る積層体の第三の実施形態例を示す断面図である。
図4に示す積層体は、図2に示す積層体の、焦点距離調整層の少なくとも一部に回折構造を形成した構成であり、回折構造が形成された焦点距離調整層に対応する薄膜層は、焦点距離調整層の回折構造に追従した形状に形成され積層されている。
図5及び図6は、図2に示した積層体に対して画像パターンを記録してなる画像形成体の製造方法を説明する図である。なお、ここでは図2に示した積層体を例にしているが、当然図3、図4及び本発明に係る他の積層体に対しても同様にして画像パターンを形成し、画像形成体とすることが可能である。
図5に示す如く、積層体に対して垂直にレーザー光を照射すると、レーザー光はレンズ集合体層を構成する各々のレンズ形状部によって集光し、焦点距離調整層を介して薄膜層付近で焦点をつくる。このレーザー光の焦点が発する熱により、この焦点部分付近の薄膜層が消失する。これにより、薄膜層に対して画像パターンが記録されて画像形成層となり、垂直の方向からのみ視認可能な画像パターンが記録された画像形成体となる。
図6に示す如く、積層体の垂線に対して任意の角度αの方向からレーザー光を照射すると、レーザー光はレンズ集合体層を構成する各々のレンズ形状部によって集光し、焦点距離調整層を介して薄膜層付近で焦点を作る。このレーザー光の焦点が発する滅により、この焦点部分付近の薄膜層が消失する。これにより、薄膜層に画像パターンがきろくされて画像形成層となり、垂線に対して任意の角度αの方向からのみ視認可能な画像パターンが記録された画像形成体となる。
また、図5及び図6に示した方法を両方用いて二つの画像パターンを記録した画像形成体は、図7(a)に示す如く、画像形成体に対して垂直な方向から観察すると、画像形成層の、蒸発又は昇華により消失している部分がレンズ集合体層によって拡大され、第一の画像パターンが視認できる。そして、図7(b)に示す如く、画像形成体の垂線に対して任意の角度αの方向から観察すると、同様に第二の画像パターンが視認できるものである。第一の画像パターン、第二の画像パターンは、照射するレーザー光のパターンにより同じ画像パターンにも異なる画像パターンにもすることが可能である。
図8は、図2に示した積層体に対して立体画像を記録してなる画像形成体の製造方法を説明する図である。
右視画像パターンを照射するレーザー光6によって薄膜層が消失し記録される右視画像パターン記録部分と、左視画像パターンを照射するレーザー光7によって薄膜層が消失し記録される左視画像パターン記録部分とを作製する。なお、この場合のレーザー光は、画像の再生状況によっては、拡散するレーザー光を用いても歪みや欠落部が無く立体感のある再生像を得ることが可能である。
図9は、図8に示した製造方法により立体画像を記録した画像形成体を観察した際の立体画像の再生状態を表した図である。
右目は、レンズ集合体層により拡大された右視画像記録部分を視認し、左目は、レンズ集合体層により拡大された左視画像記録部分を視認することとなる。この為、左右の視差画像をそれぞれの目にのみ視認させることができ、これにより立体画像として視認されることになる。
以下、本発明における積層体及び画像形成体を構成する構成要素について、より詳細に説明する。
薄膜層3の材料は、熱により蒸発又は昇華して消失する特性を有し、消失した部分とそれ以外の部分とのコントラストにより画像パターンを形成可能であれば良く、無機系、有機系、有機色素系、高分子材料等の限定は特に無い。これらの材料の中から1種類若しくは複数を組み合わせたものを溶媒中に溶解又は微粒子上に分散してウェットコーティングしたり、真空蒸着やスパッタ等のドライコーティングをしたりして得られる塗膜を使用することが可能である。または、光吸収材料を樹脂に添加して薄膜層とする方法も、低エネルギーで薄膜層を消失させることが可能となり効果的である。更に、消失を促進する化合物を添加するか、この化合物を樹脂骨格に結合しても良い。
無機系の材料の中でも、薄膜層として、真空蒸着やスパッタ等により、金属、金属酸化物、金属化合物等の薄膜を形成する場合の材料としては、Al,Sn,Cr,Ni,Cu.Au,Ag等の金属材料の単体又はこれらの化合物等が上げられる。特に真空蒸着法により製膜して得られる薄膜層は、厚み精度の高い薄膜層を得ることが出来る事から、本発明の様な微細パターンの製造に有利である。また金属を用いる事により、薄膜層の消失しない金属反射部分と消失した無反射部分との高いコントラストが描画可能となり、視認性の良い画像を形成することが出来る。
また、透明性のある薄膜層となる高屈折率材料としては、Sb23(3.0)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(5)、WO3(5)、SiO(5)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(5)、MgO(1)、Si22(10)、MgF2(4)、CeF3(1)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1)、Al23(1)、GaO(2)等のセラミックス、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等の有機ポリマーがあげられる。なお、化学式又は化合物名の後に続くカッコ内の数値は屈折率nを示す。これらの材料は、屈折率、反射率、透過率等の光学特性や、耐候性、層間密着性等に基いて適宜選択され、薄膜の形態で形成される。
薄膜層の形成方法としては、膜厚、成膜速度、積層数、光学膜厚等の制御が可能な、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の公知の方法を適宜使用することができる他、これらの材料の微粒子を各種溶媒に分散した高輝性インキを塗工することも可能である。また、上記の金属、セラミックス、又は有機ポリマーの微細な粉末やゾル又は金属なの粒子等を有機高分子樹脂に分散して得られる高輝性光反射インキ、有機ポリマーや有機ポリマーの微粒子を使用することも可能である。この場合、レンズ集合体層や焦点距離調整層を溶剤によりアタックさせないようにする必要があるが、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷法により形成できる。なお、薄膜層の消失しない部分と消失した部分とのコントラストが強い方が好ましく、可視色の染料や顔料、屈折率差によるコントラストが向上のため屈折率調整用の微粒子を添加しても良く、蛍光顔料や蛍光染料等の不可視色材を添加しても良い。なお、薄膜層の膜厚は、乾燥後の状態で0.001〜20μm程度になるように調整すると良く、使用するレーザー光のパワーや線幅に応じて消失させることが可能な膜厚であれば良い。例えば、100nm以下のアルミ膜厚であれば、出力1W、発光幅50μm、周波数120KHzのレーザー光で消去可能である。
また、薄膜層は部分的に設けても良く、この場合、パスタ加工、水洗シーライト加工、レーザー加工等が例として挙げられるほか、例えば錫等を真空蒸着することで微細な海島状の薄膜層を設けることも可能である。
なお、透明性のある薄膜層が配置された部分では、該薄膜層の下部に視認可能な情報を別途設けることができ、必要な情報と本発明の画像形成体を積層することが可能である。これにより、例えばIDカードやパスポート等で必要な情報が印字された上に当該画像形成体を積層し、偽造防止用オーバーシート等として応用することが可能である。この場合、薄膜層は400nm〜700nmの波長領域での透過率が20%以上にすると、下部の情報が視認し易くて良い。
レンズ集合体層2は、集光要素を持つレンズ形状部を平面上に密集させた構造になっており、代表的な例としては、蝿の目レンズ、マイクロレンズアレイ等が挙げられるが、本発明におけるレンズ集合体層はこれに限定されるものではなく、凸レンズ、平凸レンズ、両凸レンズ、メニスカス凸レンズ、凸シリンドリカルレンズ、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、回折レンズ、球体レンズ、又は前記レンズを複数組み合わせた複合レンズを一つ以上平面上に密集させたレンズ集合体や、該レンズ集合体と同一の表面形状であり集光作用を有する連続膜等も使用可能である。
レンズ集合体層の材料は、有機材料、無機材料、有機無機複合材料等の中から、集光特性、透明性、耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性等を考慮し、用途に見合った材料を適宜選択すれば良い。特に、薄膜層を、該レンズ集合体で集光したレーザー光で消失させる故、使用するレーザー光の照射量、照射周波数に相応した耐熱性が必要である。耐熱性が条件を満たさないと、画像記録の際にレーザー光の照射によってレンズが変形又は変質してしまう恐れがある。また、レンズ集合体層を構成する複数のレンズ形状部は同一の形状で、周期的に細密で平面上に集積されていることが好ましい。異なる形状のレンズ形状部を集合させた場合でも記録が可能であるが、個々のレンズの焦点距離が異なると部分的な記録抜けが生じる可能性がある故、焦点距離が近いレンズ形状部を集合させた方が良い。また、周期性が無い場合、又は細密に集積されていない場合は、レンズ形状部のない部分では記録された画像パターンが再生されない故、画像パターンが部分的に欠落してしまう。
なお、レンズ集合体層においてレンズ形状部を任意のパターン状の領域で平面上に集積させることや、異なる集光作用のレンズ集合体層を、同一平面上に、各々パターン状の領域で複数設けることも可能であり、これにより特定の部分のみに特定のレーザー光により書き込み可能な画像形成体画像形成体を得ることができる。
レンズ集合体層の形成方法としては、ドライエッチング法又はウェットエッチング法や、レンズに対応する球面が形成された原盤に樹脂を滴下しこの樹脂を固化させて剥離しマイクロレンズアレイを製造する方法、表面張力を利用したマイクロレンズアレイの製造方法、両面に複数のレンズ面が形成されたマイクロレンズアレイの製造方法等の公知の製造方法で製造することが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、レンズ集合体層を薄膜層上、又は焦点距離調整層上に直接形成しても良い。
焦点距離調整層4は、レンズ集合体層と薄膜層の間に設置され、レーザー集合体層を構成する個々のレンズ形状部の焦点が、薄膜層の表面又は内部に位置するように、層間距離を調整する機能を有する。また、レンズ集合体層に対する様々なレーザーの入射角における焦点位置が、薄膜層表面又は内部となるような厚み、形状とすることで、観察角度による再生像の歪みやボケ(滲み)を抑えることも可能である。
焦点距離調整層4の材料としては、有機材料、無機材料、有機向き複合材料の何れでも良いが、薄膜層との界面にてレーザー光を集光する故、薄膜層を消失させる為に必要なレーザー光の照射量に相応した耐熱性を有することが必要となる。また、焦点距離調整層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、ウェットコーティング、熱エンボス法等の公知の方法が適用可能である。
また、図4に示す如く、焦点距離調整層の下部の一部に回折構造を形成し、対応する薄膜層を焦点距離調整層の形状に追従させるように積層することによって、薄膜層が反射層の役割を果たし、観察角度による鮮やかなカラーチェンジ機能を有する積層体とすることも可能である。このような積層体に画像パターンを記録してなる画像形成体は、回折構造薄膜層の非記録部分(熱により消失しない部分)では、レリーフ型回折構造による鮮やかなカラーチェンジ機能を得ることができ、記録部分(熱により消失した部分)では、画像パターンを立体像や複数像として視認することができる、セキュリティ性、意匠性の高い画像記録体となる。
回折構造の形成方法としては、熱エンボス法、フォトポリマー法、又はこれらの複合方法等の公知の方法を用いる事ができ、例えば、ウェットコーティング法により熱可塑性樹脂の塗膜を形成した後、ドライコーティングによって薄膜層を積層した後に、加熱した積層塗膜のパターン薄膜総曲輪から回折構造の金型を押し当てて形状を転写することにより形成できる。
回折構造の周期は、所望する回折光の波長領域に合わせて適宜選択すればよい。なお、回折構造の深さは、レンズ集合体層の焦点距離に対して小さい程良く、好ましくは焦点距離に対し10%以下の深さとする事である。この様に回折構造の深さを小さくすることによって回折構造の凸部と凹部におけるレーザー光の集光度のバラツキを抑制する事ができる為、微細で安定した画像パターンの記録が可能となる。また、回折構造の凹凸をレーザー光による熱で崩さない為には、パルスレーザーを使用する事が好ましい。短パルスになる程、材料を高温にすること無しに薄膜層を除去できる為、回折構造を崩さずに画像パターンを記録することが可能となる。
本発明の積層体に画像パターンを記録する際に使用するレーザー光の種類としては、COレーザーに代表される遠赤外線レーザー、Nd:YAGレーザー及びNd:YVOレーザーに代表される近赤外線パルスレーザー、可視光のパルスレーザー、エキシマレーザー、Nd:YAGレーザー又はNd:YVOレーザーの第3高調波を用いた紫外線レーザー、半導体レーザー、フェムト秒レーザー、ピコ秒レーザー等があげられる。特に、Nd:YAGレーザー、Nd:YVOレーザーは、高出力、高パルス安定性が利点である。また、Nd:YAG]レーザー又はNd:YVOレーザーの第3高調波を用いたレーザーは、高解像度、マーキング材料のUV光吸収性等が利点である。また、フェムト秒レーザー、ピコ秒レーザー等の超短パルスレーザーは、材料を高温状態にすることなく分子の結合を切ることができるため、非熱での記録(消失)が可能となる。また、YAG若しくはダイオードレーザーは比較的小型の装置で大きな熱エネルギーを発することが可能であり、オンデマンドでの画像パターンの記録もかのうである。更には、美麗な再生像を得る、又は焦点距離を調整する為に照射するレーザー光を集光させたり、拡散させたりすることも可能である。これは、公知の集光素子や光拡散素子を利用すれば良い。
本発明における画像形成体の画像記録方法は、レンズ集合体層側より照射されたレーザー光が、レンズ集合体層の各レンズ形状部によって集光し、この集光したレーザー光によって薄膜層が部分的に消失し記録する。なお、画像形成体に対するレーザー光の照射角度を変えることで、各々の照射角度から視認可能な複数の画像を記録することが可能である。
また、集光していないレーザー光では薄膜層が消失せず、集光したレーザー光によってのみ消失する様にレーザー光の出力、スポット径、周波数、走査速度、レンズ形状部の集光作用、レンズ焦点距離を調整すると良い。こうすることで、レンズ形状部を通らなかったレーザー光によって画像パターンのコントラストが低下してしまうことを防止できる。また、薄膜層上にパターン状にレンズ集合体層を設けた画像形成体も可能となる。
複数の画像パターンの記録を応用した、立体像の記録方法の例としては、立体物のある角度における2次元像を該角度からのみ再生可能とすることで得られるステレオグラムが挙げられる。このようなステレオグラムの原画は、立体物を任意の角度から撮影した複数の2次元画像を用いれば良く、得られた複数の2次元画像を、撮影した角度からレーザー照射することで記録すると、様々な角度から見た場合でも立体感のある再生像となる。また、別の例としては、左右の視差画像を、同一平面に記録し、左右の眼にそれぞれの左右視画像のみが再生されるように記録することで両眼視差による立体像を再生させるステレオグラムが挙げられる。このようなステレオグラムの原画は、右視画像と左視画像とをそれぞれ撮影した2次元画像を用いれば良く、得られた2つの2次元画像を、撮影した角度(左右の眼の位置)からレーザー照射することできろくすると、奥行きを感じる立体感のある再生像となる。これらは、本発明の画像記録方法の一実施例であり、本発明における画像記録方法は、得られる再生像が2次元複数画像、2次元アニメーション(動画)、3次元画像であっても良く、これに限定されるものではない。
また、積層体又は、この積層体に画像パターンを形成して得られた画像形成体の下部に、さらにレリーフ型回折構造層及び反射層を積層しても良い。
レリーフ型回折構造層とは、レリーフ型回折構造を形成している層であり、その材料としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例:PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエスエテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、或いは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から複数の樹脂を選択混合して使用することができ、更にはラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、或いはこれらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたもの等を使用することができる。この他、銀塩、重クロム酸ゼラチン、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラス等の感光材料等も使用できる。
レリーフ型回折構造層の形成方法としては、公知の方法を用いる事ができ、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス方として用い、支持体上に離型性樹脂層、保護層を順に積層した積層シートの保護層の上に、レリーフ型回折構造層用樹脂の塗布液をグラビアコート法、ロールコート法、バーコード法等の手段で塗布して塗膜を形成し、その上に前記原版を重ねて加熱ロール等の適宜手段により両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。また、フォトポリマーを用いる場合は、前記積層シートの保護層上に、フォトポリマーを同様にコーティングした後、前記原版を重ねてレーザー光を照射することにより複製することができる。このように、表面凹凸のレリーフとして回折格子やホログラムの干渉縞をレリーフ型回折構造層の表面に記録する方法は、量産性があり、コストも低くできる点で特に好ましい。
反射層は、回折構造体を覆うようにして、少なくとも前記回折構造薄膜層又はレリーフ型回折構造層の回折構造が形成された部分を覆うようにして設けられた光学薄膜であり、回折構造体により発生する回折光を反射させることを特徴とする。この為、回折構造体よりも屈折率が高い高屈折率材料を使用することによって光学効果を得ることも可能である。この場合、回折構造体と反射層との屈折率の差が、0.2以上であることが好ましい。屈折率の差を0.2以上にすることによって、回折構造体と反射すとの界面で屈折及び反射が起こり、回折構造体の構造による光学効果を得ることができる。
反射層の材料としては、Al,Sn,Cr,Ni,Cu,Au,Ag等の金属材料の単体又はこれらの化合物等が挙げられる。
また、透明性を有する反射層として使用できる高屈折率材料の例を以下に挙げる。Sb23(3.0)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(5)、WO3(5)、SiO(5)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(5)、MgO(1)、Si22(10)、MgF2(4)、CeF3(1)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1)、Al23(1)、GaO(2)等のセラミックス、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等の有機ポリマーがあげられる。なお、化学式又は化合物名の後に続くカッコ内の数値は屈折率nを示す。これらの材料は、屈折率、反射率、透過率等の光学特性や、耐候性、層間密着性等に基いて適宜選択され、薄膜の形態で形成される。形成方法としては、膜厚、成膜速度、積層数、光学膜厚等の制御が可能な、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の公知の印刷法を用いる事ができるほか、これらの材料の微粒子を各種溶媒に分散した高輝性インキを塗工することも可能である。
また、上記の金属、セラミックス、又は有機ポリマーの微細な粉末やゾル又は金属ナノ粒子等を有機高分子樹脂に分散して得られる高輝性光反射インキ、有機ポリマーや有機ポリマーの微粒子を使用することもできる。この場合、回折構造体を溶剤によりアタックさせないように注意が必要であるが、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷法により形成できる。なお、反射層の膜厚は、乾燥後の状態で0.001〜10μm程度になるように調整すれば良い。
また、反射層は部分的に設けても良く、この場合、パスタ加工、水洗シーライト加工、レーザー加工等が例として挙げられるほか、例えば錫等を真空蒸着することで微細な海島状の反射層を設けることも可能である。
なお、透明性を有する反射層が配置された部分では、該反射層の下部に視認可能な情報を別途設けることができ、必要な情報と本発明の画像形成体とを積層することが可能である。これにより例えば、IDカードやパスポート等で必要な情報等が印字された上に当該画像形成体を席創始、偽造防止用オーバーシート等として応用することが可能である。この場合、反射層は400nm〜700nmの波長領域での透過率が20%以上にすると、下部の情報が視認し易くて良い。
また、別の例として、積層体又は、積層体に画像パターンを記録して得られた画像形成体の下部に体積ホログラム層を設けても良い。体積ホログラム層とは、情報を厚み方向に記録でき、また、立体的な画像の記録・再生が可能な層である。体積ホログラム層の製造方法自体は既に知られたものであるが、製造に際しては光学機器を使用した精密な作業を要するために模倣は困難であり、体積ホログラム層を設けることで、さらにセキュリティ性を付加させることが可能である。また、体積ホログラム層は、光の干渉色で表現されるため、他の画像形成手段では得られにくい外観を有している。
体積ホログラム層の材料としては、例えばフォトポリマー系材料等が挙げられ、乾式プロセスで体積ホログラムが記録できることから体積ホログラムの工業的生産に適しているといえる。フォトポリマー系材料としては、例えば、液体性ラジカル重合性化合物、固体ラジカル重合性化合物を屈折率変調形成材料とした系や、高屈折率ラジカル重合性化合物と低屈折率液状カチオン重合性化合物を屈折率変調形成材料とした系、熱硬化性エポキシオリゴマーと液体性ラジカル重合性化合物を屈折率変調形成材料とした系など、様々な材料が提案されているがこの限りではない。
体積ホログラム層の形成方法は、例えば、体積ホログラム用の感光性樹脂組成物を乾燥後膜厚10μmとなるように支持体フィルムに塗布して体積ホログラム形成用層を得た後、体積ホログラム形成用層をミラー原版に密着させ、アルゴンイオンレーザ光(波長514.4nm)を乾燥塗膜の法線方向から35°で入射し、入射光と反射光を干渉させて体積ホログラム(ホログラムミラー)を記録した後に、加熱、紫外線定着露光により固定化された体積ホログラム層を得る方法等が挙げられる。体積ホログラム形成用材料を塗布するための支持体フイルム(図示せず)としては、厚さ1μm〜1mm、好ましくは10μm〜100μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(通称:PETフィルム)、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、アクリルフイルム、トリアセチルセルロースフイルム、セルロースアセテートブチレートフイルム等を用いる。支持体フィルムとしては透明性が高く、平滑性が高いフィルムを使用することが望ましい。しかし、本発明における体積ホログラム層の形成方法はこれに限定されるものではない。
さらに、体積ホログラム層とその近接する層との層間にバリア層を設けることもできる。これは、例えば本発明の画像形成体の体積ホログラム層側に、剥離層や感熱性接着剤層を設ける場合、その組み合わせによって、経時的に体積ホログラム層からその近接する層へ低分子量成分の移行が起こり、これに起因して記録されたホログラムのピークは長が青側(短波長側)に移行したり、剥離層等にこれが移行した場合にはその剥離製を変化させたりする場合がある。よって、バリア層を設けることによりこれらの阻害要因を解消することができる。
バリア層として用いる材料としては、バリア性を発現する材料であれば良く、特に制限は無いが、透明性有機樹脂材料を用いることが可能である。なかでも、無溶剤系の3官能机上、好ましくは6官能以上の、紫外線や電子線等の電離放射線に反応する電離放射線硬化性エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等を用いると良い。特にその中でも、ウレタン変性アクリレート樹脂がバリア性の高さから好ましい。また、これらの電離放射線に反応する電離放射性硬化性樹脂は、そのコーティング適正、最終的に得られるバリア層の高度等を考慮すると、その分子量は500〜2000の範囲のものが好ましい。
なお、積層体の下部にレリーフ型回折構造層及び反射層、又は体積ホログラム層を積層する場合には、レーザー光による薄膜層の消失を妨げないよう、レリーフ型回折構造層及び反射層、又は体積ホログラム層の膜厚を調整する必要があり、現実的には150nm以下の膜厚であれば消失が確認された。
以上、本発明の実施形態例を元に、各部材を詳細に説明してきたが、意匠性を向上すべく各層を着色することや、表裏面若しくは層間に印刷を施すことや、パターン状に設置した任意の層の段差を目立たせなくさせるオーバーコートを施すこと等、使用の目的により適宜利用可能である。また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着層、接着アンカー層を設けることや、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理等の各種易接着処理を施すことも可能である。た、レーザー加工時の熱による基材ダメージ低減の為に耐熱層を任意の層間に設けることや、レーザーの焦点を調整する為の焦点調整層を任意の層間に設けてもよい。
さらには、回折構造体の回折光以外の光を除去する目的で、画像形成体の下に、黒色層(光吸収層)や着色層(特定波長吸収層)を全面又は任意のパターンで設置したり、又は回折構造体の回折光以外の光を正反射方面へ反射、散乱させる為の反射層や散乱層を別途設けたりしても良い。また、レンズ機能に支障の無い範囲で、最表層に保護層又は反射防止構造を設けても良い。
<実施例1>
φ5.0mm半球を六方細密充填方式にて並べた金型を用いて、射出成型により溶融したアクリル樹脂を射出し冷却することにより、φ5.0mm半球の六方細密充填パターンに整列されたレンズ集合体層を作製した。得られたレンズ集合体層の下部に真空蒸着法によってアルミニウムを80nmの膜厚で製膜して薄膜層を設け、積層体を得た。
<実施例2>
φ0.5mm半球を六方細密充填方式にて並べた金型を形成し、フォトポリマー法によって、アルミ蒸着PETフィルム(東レ製メタルミー25μm)上に直接φ0.5mm半球の六方細密充填パターンに整列されたレンズ集合体層を形成し、積層体を得た。
<実施例3>
φ0.1mm半球を六方細密充填方式にて並べた金型を使用したこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
<実施例4>
アルミ蒸着PETフィルム(東レ製メタルミー25μm)上に、φ0.5mmのガラスビーズを六方細密充填方式にて平面に並べた後、ポリエステル系透明樹脂を塗布しガラスビーズを固定して積層体を得た。
<実施例5>
曲率半径50ミクロンで、レンズ頂点位置から裏面までが130μmのレンチキュラーレンズシートの平面側に、真空蒸着法によってアルミニウムを80nmの膜厚で製造して、薄膜層を設け、積層体を得た。
実施例1乃至5により得られた積層体に対し、レーザーマーカー(キーエンス製YAGパルスレーザー)を使用して画像パターンを記録して画像形成体を得た。画像パターンの記録では、垂直方向からのレーザー照射により実像1を、垂線より30°斜方からのレーザー照射により画像2を記録した。レーザーの照射条件は以下の通りである。
走査速度:500mm/s
レーザーパワー:5%
線幅:0.2mm
線数:4本
上記の方法によって画像パターンが記録された画像形成体は、垂直方向から確認すると画像1が確認でき、垂線より30°斜方から観察すると画像2が確認できた。
本発明に係る積層体の基礎構造を示す断面図である。 本発明に係る積層体の第一の実施形態例を示す断面図である。 本発明に係る積層体の第二の実施形態例を示す断面図である。 本発明に係る積層体の第三の実施形態例を示す断面図である。 図2に示した積層体に対して画像パターンを記録する工程を示す図である。 図2に示した積層体に対して画像パターンを記録する工程を示す図である。 図2に示した積層体に対して2つの画像パターンを記録してなる画像形成体の見え方を示す図である。 図2に示した積層体に対して立体画像を記録してなる画像形成体の製造方法を示す図である。 図8の画像形成体を観察した際の立体画像の再生状態を表した図である。
符号の説明
1、積層体
2、レンズ集合体層
3、薄膜層
4、焦点距離調整層
5、回折構造薄膜層
6、画像形成体
7、右視画像パターンを照射するレーザー光
8、左視画像パターンを照射するレーザー光

Claims (12)

  1. 少なくともレンズ形状部を平面上で複数密集配置させたレンズ集合体層と、該レンズ集合体層の下部に位置する薄膜層と、を有する積層体の該薄膜層に画像パターンを記録して画像形成層を形成する画像形成体の製造方法であって、
    該積層体に該レンズ集合体側の一定の方向からレーザー光を照射し、レンズを介して薄膜層にレーザー光を集光し薄膜層を部分的に消失させることにより画像パターンを記録することを特徴とする画像形成体の製造方法。
  2. 該積層体に対する一定の方向からのレーザー光照射を、複数の異なる角度から行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成体の製造方法。
  3. 前記薄膜層は、加熱により昇華又は蒸発する特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成体の製造方法。
  4. 前記積層体は、前記レンズ集合体と薄膜層の間に焦点距離調整層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成体の製造方法。
  5. 前記焦点距離調整層の少なくとも一部に回折構造が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成体の製造方法。
  6. 少なくともレンズ形状部を平面上で複数密集配置させたレンズ集合体層と、該レンズ集合体層の下部に位置する薄膜層と、を有する積層体であって、該薄膜層は加熱により蒸発又は昇華する特性を有することを特徴とする積層体。
  7. 前記レンズ集合体層と前記薄膜層との間に焦点距離調整層を有することを特徴とする請求項6に記載の積層体。
  8. 前記焦点距離調整層の少なくとも一部にレリーフ型回折構造が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. 少なくともレンズ形状部を平面上で複数密集配置させたレンズ集合体層と、該レンズ集合体層の下部に位置する画像形成層と、を有する画像形成体であって、
    該画像形成層には、該画像形成体に対して一定の方向からのみ視認可能な画像パターンが記録されていることを特徴とする画像形成体。
  10. 前記画像形成層には、前記画像形成体に対して一定の方向からのみ視認可能な画像パターンが複数記録されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成体。
  11. 前記レンズ集合体層と前記画像形成層との間に焦点距離調整層を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成体。
  12. 前記焦点距離調整層の少なくとも一部に回折構造が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成体。
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