以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の概略について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。投写型映像表示装置100は、後述するように、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、第4色成分光として黄色成分光を利用する。
図1では、光源10が発する光を均質化するフライアイレンズ、光源10が発する光の偏光方向を揃えるPBS(Polarized Beam Splitter)などが省略されていることに留意すべきである。
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、複数の液晶パネル30(液晶パネル30R、液晶パネル30G、液晶パネル30B及び液晶パネル30Ye)と、クロスダイクロイックキューブ60と、投写レンズユニット110とを備える。
光源10は、白色光を発するUHPランプなどである。すなわち、光源10が発する光は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄色成分光を少なくとも含む。
黄色成分光は、上述したように、第4色成分光である。黄色成分光は、赤成分光及び緑成分光のいずれか一方、又は、赤成分光及び緑成分光の双方に重畳される。
第1実施形態では、黄色成分光は、緑成分光に重畳され、液晶パネル30Gに入射する。青成分光は、黄色成分光の色相に隣接していない色相を有する非隣接色成分光である。赤成分光及び緑成分光は、黄色成分光の色相に隣接する色相を有する隣接色成分光である。
液晶パネル30Rは、後述するように、赤入力信号(具体的には、赤入力信号Rinから算出される赤用出力信号Rout)に応じて赤成分光を変調する。なお、液晶パネル30Rの光入射側及び光出射側には、一対の偏光板31R、32Rが設けられている。
同様に、液晶パネル30Gは、緑入力信号(具体的には、緑入力信号Ginから算出される緑用出力信号Gout)に応じて緑成分光を変調し、液晶パネル30Bは、青入力信号(具体的には、青入力信号Binから算出される青用出力信号Bout)に応じて青成分光を変調する。なお、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの光入射側及び光出射側には、一対の偏光板31G、32G及び一対の偏光板31B、32Bが設けられている。
一方で、液晶パネル30Yeは、赤入力信号、緑入力信号及び青入力信号に基づいて算出される黄用制御信号(具体的には、黄用出力信号Yeout)に応じて黄色成分光を変調する。なお、液晶パネル30Yeの光入射側及び光出射側の少なくとも一方に偏光板(不図示)が設けられていてもよい。、
液晶パネル30Yeから出射される光は、液晶パネル30Gに入射する。すなわち、液晶パネル30Gは、液晶パネル30Yeから出射される光がクロスダイクロイックキューブ60に入射するまでの間において、液晶パネル30Yeから出射される光の光路上に設けられている。
なお、液晶パネル30Yeの変調量の制御とは、液晶パネル30Yeを透過する黄色成分光の光量の制御であることに留意すべきである。すなわち、液晶パネル30Yeの変調量の制御とは、赤成分光に重畳される黄色成分光の重畳量の制御である。また、黄用出力信号Yeoutは、液晶パネル30Yeの変調量を示す信号である。
ここで、液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度と異なる。具体的には、スクリーン(不図示)上に高精細な映像を表示するために、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bは高い解像度を有する。一方で、液晶パネル30Yeから出射される光は主として照明光として利用される。従って、液晶パネルに設けられた電極などによって光利用効率が低下しないように、液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度よりも低いことが好ましい。また、対象領域毎に黄色成分光の光量を調整できればよいため、液晶パネル30Yeの解像度は低くても十分である。
なお、解像度が低いとは、液晶パネル30Yeが解像度を有していないことも含む概念である。従って、液晶パネル30Yeは、複数の領域毎に変調量が制御可能に構成されている必要はなく、全面の変調量のみが制御される構成を有していてもよい。
また、液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度と同じであってもよい。
クロスダイクロイックキューブ60は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bから出射される光を合成する色合成部である。すなわち、クロスダイクロイックキューブ60は、液晶パネル30Rから出射される赤成分光及び黄色成分光、液晶パネル30Gから出射される緑成分光及び液晶パネル30Bから出射される青成分光を合成する。また、クロスダイクロイックキューブ60は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄色成分光を含む合成光(映像光)を投写レンズユニット110側に出射する。
投写レンズユニット110は、クロスダイクロイックキューブ60によって合成された合成光(映像光)をスクリーン(不図示)上に投写する。
図1に戻って、投写型映像表示装置100は、複数のミラー群(ミラー21〜ミラー25)を有する。ミラー21は、青成分光、緑成分光及び黄色成分光を含む光を透過し、赤成分光を反射するダイクロイックミラーである。ミラー22は、赤成分光を液晶パネル30R側に反射するミラーである。ミラー23は、緑成分光及び黄色成分光を含む他の光を液晶パネル30G側に反射し、青成分光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー24及びミラー25は、青成分光を液晶パネル30B側に反射するミラーである。
ここで、ミラー21及びミラー23は、赤成分光と緑成分光と青成分光とに光源10が発する光を分離する色分離部を構成する。上述したように、黄色成分光は、緑成分光に重畳される。
投写型映像表示装置100は、黄色成分光の偏光方向を90°回転させる位相差板50を有する。具体的には、位相差板50は、緑成分光と偏光方向が揃っていた黄色成分光の偏光方向を略90°回転させて、黄色成分光を液晶パネル30G側に出射する。
なお、位相差板50を設けるか否かについては任意である。以下に示すように、液晶パネル30Yeのタイプ及び位相差板50の有無によって、液晶パネル30Yeに印加される電圧が制御されることに留意すべきである。
具体的には、液晶パネル30Yeから出射された黄色成分光の偏光方向が、液晶パネル30Gに入射する緑成分光の偏光方向と異なる場合には、液晶パネル30Gの入射側に設けられた偏光板によって黄色成分光が遮光される。
従って、液晶パネル30Yeに電圧を印加すべきか否かについては、電圧の印加状態と偏光の回転との関係で制御される。以下においては、電圧が印加されていない状態で偏光方向を回転し、電圧が印加された状態で偏光方向を回転しない第1タイプの液晶パネルと、電圧が印加されていない状態で偏光方向を回転せずに、電圧が印加された状態で偏光方向を回転する第2タイプの液晶パネルとを例に挙げて説明する。
(1)液晶パネル30Yeが第1タイプであるケース
(1−1)位相差板50が設けられていないケース
黄色成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向を回転させるため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Gの入射側に設けられた偏光板によって黄色成分光が遮光される。
黄色成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向を回転させないため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と同じになる。
(1−2)位相差板50が設けられているケース
黄色成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、位相差板50が黄色成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向を回転させないため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Gの入射側に設けられた偏光板によって黄色成分光が遮光される。
黄色成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、位相差板50が黄色成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向をさらに回転させるため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と同じになる。
(2)液晶パネル30Yeが第2タイプであるケース
(2−1)位相差板50が設けられていないケース
黄色成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向を回転させるため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Gの入射側に設けられた偏光板によって黄色成分光が遮光される。
黄色成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向を回転させないため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と同じになる。
(2−2)位相差板50が設けられているケース
黄色成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、位相差板50が黄色成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向を回転させないため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Gの入射側に設けられた偏光板によって黄色成分光が遮光される。
黄色成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、位相差板50が黄色成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄色成分光の偏光方向をさらに回転させるため、黄色成分光の偏光方向が緑成分光の偏光方向と同じになる。
ここで、表1は、上述した電圧の印加状態と偏光の回転との関係をまとめた表である。
(色度図)
以下において、第1実施形態に係る色度図について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る色度図を示す図である。
図2に示すように、各色の色相及び彩度は、色度座標軸X及び色度座標軸Yによって表される。図2において、実線で囲まれた範囲は、黄色成分光の重畳量が最小であるケース(以下、最小ケース)における色再現範囲である。点線で囲まれた範囲は、黄色成分光の重畳量が最大であるケース(以下、最大ケース)における色再現範囲である。WPは、最小ケース及び最大ケースにおいて最適化されたホワイトポイント(最も色温度が高いポイント)である。
第1実施形態では、赤(R)、緑(G)、青(B)及び黄(Ye)について考慮する。従って、赤(R)及び緑(G)は、黄(Ye)に隣接する色相を有する。青(B)は、黄(Ye)に隣接しない色相を有する。広義の解釈として、赤(R)の補色がシアン(Cy)であり、緑(G)の補色がマゼンタ(Mg)であり、青(B)の補色が黄(Ye)であると考えられる。
図3に示すように、最大ケースの色再現範囲は、最小ケースの色再現範囲よりも狭い。すなわち、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、色再現範囲は縮小する。また、第1実施形態では、黄色成分光が緑成分光に重畳されるため、主として、緑(G)の色相において色再現範囲が縮小する。
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御部130)の機能を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部130は、入力信号受付部131と、Ye置換成分算出部132と、パラメータ特定部133と、Ye成分調整部134と、モード制御部135とを有する。
入力信号受付部131は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binを取得する。入力信号受付部131は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binをパラメータ特定部133に入力する。入力信号受付部131は、赤入力信号Rin及び緑入力信号GinをYe置換成分算出部132に入力する。
Ye置換成分算出部132は、赤成分光及び緑成分光を黄色成分光によって代替可能な成分(Ye置換成分)に対応するYe置換信号Wを算出する。
ここで、赤成分光及び緑成分光は、赤成分光及び緑成分光と等しい光量を有する黄色成分光によって代替可能である。従って、赤入力信号Rin及び緑入力信号Ginは、赤入力信号Rin及び緑入力信号Ginと等しい信号強度を有するYe置換信号Wによって代替可能である。
従って、Ye置換成分算出部132は、赤入力信号Rin及び緑入力信号Ginに基づいて、以下の(式1)に従って、Ye置換信号Wを算出する。
〔数1〕
W=min(Rin,Gin)・・・(式1)
なお、min(Rin,Gin)は、赤入力信号Rin及び緑入力信号Ginのうち、信号強度が低い入力信号である。
Ye置換成分算出部132は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及びYe置換信号WをYe成分調整部134に入力する。
パラメータ特定部133は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって再現される映像の彩度及び輝度を算出する。ここで、映像の彩度の算出方法として、パラメータ特定部133は、画像(フレーム)全体を構成する画素の彩度の平均値を算出してもよく、画像(フレーム)を構成する画素のうち、特定の色相を有する画素の彩度の平均値を算出してもよい。同様に、映像の輝度の算出方法として、パラメータ特定部133は、画像(フレーム)全体を構成する画素の輝度の平均値を算出してもよく、画像(フレーム)を構成する画素のうち、特定の色相を有する画素の輝度の平均値を算出してもよい。
続いて、パラメータ特定部133は、図4(a)〜図4(c)を参照して、パラメータ(輝度パラメータβ1、色再現パラメータα、輝度パラメータβ2)を特定し、特定したパラメータをYe成分調整部134に入力する。
具体的には、図4(a)に示すように、色再現パラメータαは、映像(例えば、黄(Ye)の色相)の彩度がTh1となるまでは一定である。一方、色再現パラメータαは、映像の彩度がTh1を超えると、映像の彩度の上昇に伴って増大するように定められている。すなわち、映像の彩度とホワイトポイントとの距離が一定距離以上において、映像の彩度がホワイトポイントから離れれば離れるほど、黄色成分光の光量が増大するように色再現パラメータαが定められている。
図4(b)に示すように、輝度パラメータβ1は、映像(例えば、青(B)の色相)の彩度がTh2となるまでは、映像の彩度の上昇に伴って減少するように定められている。一方、輝度パラメータβ1は、映像の彩度がTh2を超えると一定である。すなわち、映像の彩度とホワイトポイントとの距離が一定距離以内において、映像の彩度がホワイトポイントから離れれば離れるほど、黄色成分光の光量が減少するように輝度パラメータβ1が定められている。
図4(c)に示すように、輝度パラメータβ2は、映像の輝度がTh3となるまで増大し、映像の輝度がTh3を超えてから減少するように定められている。すなわち、映像の輝度がTh3であるときをピークとして、黄色成分光の光量が少なくなるように輝度パラメータβ2が定められている。これによって、映像の輝度が低い場合における「黒浮き」や映像の輝度が高い場合における「白とび」が抑制される。
ここで、図4(a)〜図4(c)では特に図示していないが、色再現パラメータα、輝度パラメータβ1及び輝度パラメータβ2は、赤(R)、緑(G)、青(B)及び黄(Ye)に相当する色相毎に定められていてもよい。また、色再現パラメータα、輝度パラメータβ1及び輝度パラメータβ2は、色相毎に異なる値であってもよい。
Ye成分調整部134は、黄色成分光の重畳量を特定する。具体的には、Ye成分調整部134は、色再現パラメータα、輝度パラメータβ1及び輝度パラメータβ2の少なくとも1つのパラメータ及びYe置換信号Wに基づいて、黄色成分光の重畳量を制御する黄調整信号Ye’を算出する。
第1実施形態では、Ye成分調整部134は、黄調整信号Ye’に算出において、色再現パラメータα及び輝度パラメータβ1を用いる。具体的には、Ye成分調整部134は、以下の(式2)に基づいて、黄調整信号Ye’を算出する。
〔数2〕
Ye’=W×(α+β1)・・・(式4)
モード制御部135は、映像の輝度を優先する輝度優先モード及び映像の色バランスを優先する色バランス優先モードを制御する。なお、モードの切替えは、ユーザによって行われてもよく、映像入力信号の種別によって行われてもよい。例えば、PC用途では、輝度優先モードが適用される。一方で、ホームシアター用途では、色バランス優先モードが適用される。
具体的には、モード制御部135は、輝度優先モードにおいて、映像の彩度が所定彩度よりも低い場合に、非隣接色成分光及び隣接色成分光の光量を少なくとも減少させない。なお、モード制御部135は、映像の彩度が所定彩度より低い場合であっても、非隣接色成分光及び隣接色成分光の光量を増加させてもよい。
ここでは、モード制御部135は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin、青入力信号Bin及び黄調整信号Ye’を補正せずに、赤用出力信号Rout、緑用出力信号Gout、青用出力信号Bout及び黄用出力信号Yeoutとして、これらの信号を各液晶パネル30に出力する。
モード制御部135は、輝度優先モードにおいて、映像の彩度が所定彩度よりも高い場合に、非隣接色成分光の光量補正処理及び隣接色成分光の光量補正処理のうち、少なくともいずれか一方の処理を第4色成分光の重畳量に基づいて行う。
ここでは、モード制御部135は、黄調整信号Ye’に基づいて、青入力信号Binの補正処理を行う。又は、モード制御部135は、黄調整信号Ye’に基づいて、赤入力信号Rin又は緑入力信号Ginの補正処理を行う。モード制御部135は、補正処理を行った信号については、赤用出力信号Rout、緑用出力信号Gout及び青用出力信号Boutとして、補正処理後の信号を液晶パネル30に出力する。モード制御部135は、黄調整信号Ye’を黄用出力信号Yeoutとして液晶パネル30Yeに出力する。
モード制御部135は、色バランス優先モードにおいて、第4色成分光の重畳量に基づいて、非隣接色成分光の光量補正処理及び隣接色成分光の光量補正処理のうち、少なくともいずれか一方の処理を行う。
ここでは、モード制御部135は、黄調整信号Ye’に基づいて、青入力信号Binの補正処理を行う。又は、モード制御部135は、黄調整信号Ye’に基づいて、赤入力信号Rin又は緑入力信号Ginの補正処理を行う。モード制御部135は、補正処理を行った信号については、赤用出力信号Rout、緑用出力信号Gout及び青用出力信号Boutとして、補正処理後の信号を液晶パネル30に出力する。モード制御部135は、黄調整信号Ye’を黄用出力信号Yeoutとして液晶パネル30Yeに出力する。
(補正処理)
以下において、第1実施形態に係る補正処理について、図面を参照しながら説明する。図5〜図10は、第1実施形態に係る補正処理について説明する図である。
ここでは、補正処理として、4つの補正処理を例示する。第1補正処理は、最大ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:1の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。第2補正処理は、最大ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:X(>1)の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。
第3補正処理は、最小ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:1の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。第4補正処理は、最小ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:X(>1)の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。
以下において、黄色成分光の重畳量は、“0”〜“1”の範囲で指数化されている。すなわち、重畳量“0”は、黄色成分光の重畳量が最小であることを示す。重畳量“1”は、黄色成分光の重畳量が最大であることを示す。同様に、赤成分光、緑成分光及び青成分光の補正量も指数化されている。
(第1補正処理)
第1補正処理では、モード制御部135は、図5に示すルックアップテーブルを用いて、青入力信号Binの補正処理を行う。図5に示すように、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の光量を減少する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最大(すなわち、“1”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の減少量は“0”である。一方で、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の減少量が増加する。
例えば、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、青入力信号Binに“1−0.12”を乗算することによって、青入力信号Binを補正する。
(第2補正処理)
第2補正処理では、黄色成分光において、緑成分光の比率が赤成分光の比率より高い。従って、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、緑成分光が赤成分光よりも減少する。これを踏まえて、第2補正処理としては、2つの補正処理が考えられる。
第1に、第2補正処理(1)について説明する。第2補正処理(1)では、モード制御部135は、図6に示すルックアップテーブルを用いて、青入力信号Binの補正処理及び緑入力信号Ginの補正処理を行う。図6に示すように、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の光量を減少する。また、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、緑成分光の光量を増加する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最大(すなわち、“1”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の減少量は“0”であり、緑成分光の増加量も“0”である。一方で、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の減少量が増加し、緑成分光の増加量も増加する。
例えば、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、青入力信号Binに“1−0.12”を乗算することによって、青入力信号Binを補正する。また、モード制御部135は、緑入力信号Ginに“1+0.06”を乗算して、緑入力信号Ginを補正する。
なお、第2補正処理(1)では、青成分光の減少に伴って、緑成分光の光量が増加する。従って、出力信号の輝度値と入力信号の輝度値との差分を縮小することができる。すなわち、輝度変化を縮小することができる。
第2に、第2補正処理(2)について説明する。第2補正処理(2)では、モード制御部135は、図7に示すルックアップテーブルを用いて、青入力信号Binの補正処理及び赤入力信号Rinの補正処理を行う。図7に示すように、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の光量を減少する。また、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、赤成分光の光量を減少する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最大(すなわち、“1”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の減少量は“0”であり、赤成分光の減少量も“0”である。一方で、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の減少量が増加し、赤成分光の減少量も増加する。
例えば、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、青入力信号Binに“1−0.12”を乗算することによって、青入力信号Binを補正する。また、モード制御部135は、赤入力信号Rinに“1−0.06”を乗算して、赤入力信号Rinを補正する。
(第3補正処理)
第3補正処理では、モード制御部135は、図8に示すルックアップテーブルを用いて、青入力信号Binの補正処理を行う。図8に示すように、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の光量を増加する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最小(すなわち、“0”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の増加量は“0”である。一方で、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の増加量が増加する。
例えば、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、青入力信号Binに“1+0.08”を乗算することによって、青入力信号Binを補正する。
(第4補正処理)
第4補正処理では、黄色成分光において、緑成分光の比率が赤成分光の比率より高い。従って、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、緑成分光が赤成分光よりも増加する。これを踏まえて、第4補正処理としては、2つの補正処理が考えられる。
第1に、第4補正処理(1)について説明する。第4補正処理(1)では、モード制御部135は、図9に示すルックアップテーブルを用いて、青入力信号Binの補正処理及び緑入力信号Ginの補正処理を行う。図9に示すように、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の光量を増加する。また、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、緑成分光の光量を減少する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最小(すなわち、“0”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の増加量は“0”であり、緑成分光の減少量も“0”である。一方で、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の増加量が増加し、緑成分光の減少量も増加する。
例えば、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、青入力信号Binに“1+0.08”を乗算することによって、青入力信号Binを補正する。また、モード制御部135は、緑入力信号Ginに“1−0.04”を乗算して、緑入力信号Ginを補正する。
なお、第4補正処理(1)では、青成分光の光量の増加に伴って、緑成分光の光量が減少する。従って、出力信号の輝度値と入力信号の輝度値との差分を縮小することができる。すなわち、輝度変化を縮小することができる。
第2に、第4補正処理(2)について説明する。第4補正処理(2)では、モード制御部135は、図10に示すルックアップテーブルを用いて、青入力信号Binの補正処理及び赤入力信号Rinの補正処理を行う。図10に示すように、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の光量を増加する。また、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、赤成分光の光量を増加する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最小(すなわち、“0”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の増加量は“0”であり、赤成分光の増加量も“0”である。一方で、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の増加量が増加し、赤成分光の増加量も増加する。
例えば、モード制御部135は、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、青入力信号Binに“1+0.08”を乗算することによって、青入力信号Binを補正する。また、モード制御部135は、赤入力信号Rinに“1+0.04”を乗算して、赤入力信号Rinを補正する。
なお、第4補正処理(2)では、青成分光の光量の増加に伴って、赤成分光の光量も増加する。従って、輝度の向上を図りながら、最適なホワイトポイントを維持することができる。
(作用及び効果)
第1実施形態では、制御部130は、輝度優先モード及び色バランス優先モードを制御するため、第4色成分光を利用するケースであっても、色バランスを維持すべき場合に、最適なホワイトバランスを維持することができる。
具体的には、モード制御部135は、輝度優先モードにおいて、映像の彩度が所定彩度よりも低い場合に、赤成分光、緑成分光及び青成分光の光量を少なくとも減少させない。従って、輝度優先モードにおいて、低彩度の映像について最大輝度を補償することができる。
モード制御部135は、輝度優先モードにおいて、映像の彩度が所定彩度よりも高い場合に、黄色成分光の重畳量に基づいて、赤成分光、緑成分光又は青成分光の光量補正処理を行う。すなわち、輝度優先モードにおいて、高彩度の映像について、色バランスの低下を抑制することができる。特に、人間の視覚的に目立つ彩度が高い色のシフトに伴う違和感を軽減することができる。
モード制御部135は、色バランス優先モードにおいて、黄色成分光の重畳量に基づいて、赤成分光、緑成分光又は青成分光の光量補正処理を行う。すなわち、色バランス優先モードにおいて、低彩度の映像についても、色バランスの低下を抑制することができる。従って、色バランス優先モードでは、最適なホワイトポイントを維持することができる。
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、第1実施形態では、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの補正処理によって、赤成分光、緑成分光及び青成分光の光量補正処理を行う。
これに対して、第2実施形態では、各色成分光の変調前において、赤成分光、緑成分光及び青成分光の光量補正処理を行う。すなわち、各色成分光が液晶パネル30に到達する前において、赤成分光、緑成分光及び青成分光の光量補正処理を行う。
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第2実施形態に係る投写型映像表示装置の概略について、図面を参照しながら説明する。図11は、第2実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。図11では、図1と同様の構成について同様の符号を付している。
図11に示すように、投写型映像表示装置100は、図1に示す構成に加えて、補助光源120を有する。また、投写型映像表示装置100は、ミラー22及びミラー25に代えて、ミラー22a及びミラー25aを有する。
補助光源120は、補助光源120Rと、補助光源120Gと、補助光源120Bとを有する。補助光源120Rは、赤成分光を出射する固体光源(例えば、LEDやLD)である。補助光源120Gは、緑成分光を出射する固体光源(例えば、LEDやLD)である。補助光源120Bは、青成分光を出射する固体光源(例えば、LEDやLD)である。
ミラー22aは、一の偏光を反射して他の偏光を透過する偏光ミラーである。具体的には、ミラー22aは、光源10から出射された赤成分光(一の偏光)を反射して、補助光源120Rから出射された赤成分光(他の偏光)を透過する。補助光源120Rから出射された赤成分光は、光源10から出射された赤成分光と異なる偏光であることに留意すべきである。
ミラー25aは、一の偏光を反射して他の偏光を透過する偏光ミラーである。具体的には、ミラー25aは、光源10から出射された青成分光(一の偏光)を反射して、補助光源120Bから出射された青成分光(他の偏光)を透過する。補助光源120Bから出射された青成分光は、光源10から出射された青成分光と異なる偏光であることに留意すべきである。
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第2実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図12は、第2実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御部130)の機能を示すブロック図である。図12では、図3と同様の構成について同様の符号を付している。
図12に示すように、制御部130は、モード制御部135に代えて、モード制御部135aを有する。
モード制御部135aは、モード制御部135と略同様の機能を有しており、輝度優先モード及び色バランス優先モードを制御する。
具体的には、モード制御部135aは、輝度優先モードにおいて、映像の彩度が所定彩度よりも低い場合に、少なくとも非隣接色成分光及び隣接色成分光の光量を減少させない。但し、モード制御部135aは、映像の彩度が所定彩度より低い場合であっても、非隣接色成分光及び隣接色成分光の光量を増加させてもよい。
モード制御部135aは、輝度優先モードにおいて、映像の彩度が所定彩度よりも高い場合に、非隣接色成分光の光量補正処理及び隣接色成分光の光量補正処理のうち、少なくともいずれか一方の処理を第4色成分光の重畳量に基づいて行う。
ここでは、モード制御部135aは、黄調整信号Ye’に基づいて、補助光源120Bの発光量の補正処理を行う。又は、モード制御部135aは、黄調整信号Ye’に基づいて、補助光源120R又は補助光源120Gの発光量の補正処理を行う。
モード制御部135aは、色バランス優先モードにおいて、第4色成分光の重畳量に基づいて、非隣接色成分光の光量補正処理及び隣接色成分光の光量補正処理のうち、少なくともいずれか一方の処理を行う。
ここで、モード制御部135aは、黄調整信号Ye’に基づいて、補助光源120Bの発光量の補正処理を行う。又は、モード制御部135aは、黄調整信号Ye’に基づいて、補助光源120R又は補助光源120Gの発光量の補正処理を行う。
(補正処理)
以下において、第2実施形態に係る補正処理について、図面を参照しながら説明する。図13〜図18は、第2実施形態に係る補正処理について説明する図である。
ここでは、第1実施形態と同様に、補正処理として、4つの補正処理を例示する。第1補正処理は、最大ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:1の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。第2補正処理は、最大ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:X(>1)の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。
第3補正処理は、最小ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:1の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。第4補正処理は、最小ケースにおいてホワイトバランスが最適化されており、R:Gが1:X(>1)の関係を有する赤成分光及び緑成分光によって黄色成分光が代替されるケースで適用される処理である。
以下において、黄色成分光の重畳量は、“0”〜“1”の範囲で指数化されている。すなわち、重畳量“0”は、黄色成分光の重畳量が最小であることを示す。重畳量“1”は、黄色成分光の重畳量が最大であることを示す。
(第1補正処理)
第1補正処理では、モード制御部135aは、図13に示すルックアップテーブルを用いて、補助光源120Bの発光量の補正処理を行う。図13に示すように、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の光量を減少する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最大(すなわち、“1”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の減少量は“0”である。すなわち、補助光源120Bの発光量は“P”である。一方で、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の減少量が増加する。すなわち、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、補助光源120Bの発光量は減少する。
例えば、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、“0.12”に対応する青成分光の光量を減少するように、補助光源120Bの発光量を減少する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Bの発光量を“P−α3”に制御する。
なお、第1補正処理では、補助光源120G及び補助光源120Rは不要であることに留意すべきである。投写型映像表示装置100は、補助光源120G及び補助光源120Rを有していなくてもよい。
(第2補正処理)
第2補正処理では、黄色成分光において、緑成分光の比率が赤成分光の比率より高い。従って、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、緑成分光が赤成分光よりも減少する。これを踏まえて、第2補正処理としては、2つの補正処理が考えられる。
第1に、第2補正処理(1)について説明する。第2補正処理(1)では、モード制御部135aは、図14に示すルックアップテーブルを用いて、補助光源120B及び補助光源120Gの発光量の補正処理を行う。図14に示すように、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の光量を減少する。また、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、緑成分光の光量を増加する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最大(すなわち、“1”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の減少量は“0”であり、緑成分光の増加量も“0”である。すなわち、補助光源120Bの発光量は“P”であり、補助光源120Gの発光量は“Q”である。一方で、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の減少量が増加し、緑成分光の増加量も増加する。すなわち、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、補助光源120Bの発光量は減少し、補助光源120Gの発光量は増加する。
例えば、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、“0.12”に対応する青成分光の光量を減少するように、補助光源120Bの発光量を減少する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Bの発光量を“P−α3”に制御する。また、モード制御部135aは、“0.06”に対応する緑成分光の光量を増加するように、補助光源120Gの発光量を増加する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Gの発光量を“Q+β3”に制御する。
なお、第2補正処理(1)では、青成分光の光量の減少に伴って、緑成分光の光量が増加する。従って、出力信号の輝度値と入力信号の輝度値との差分を縮小することができる。すなわち、輝度変化を縮小することができる。
なお、第2補正処理(1)では、補助光源120Rは不要であることに留意すべきである。投写型映像表示装置100は、補助光源120Rを有していなくてもよい。
第2に、第2補正処理(2)について説明する。第2補正処理(2)では、モード制御部135aは、図15に示すルックアップテーブルを用いて、補助光源120B及び補助光源120Rの発光量の補正処理を行う。図15に示すように、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の光量を減少する。また、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、赤成分光の光量を減少する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最大(すなわち、“1”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の減少量は“0”であり、赤成分光の減少量も“0”である。すなわち、補助光源120Bの発光量は“P”であり、補助光源120Rの発光量は“R”である。一方で、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、青成分光の減少量が増加し、赤成分光の減少量も増加する。すなわち、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、補助光源120Bの発光量は減少し、補助光源120Rの発光量は減少する。
例えば、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、“0.12”に対応する青成分光の光量を減少するように、補助光源120Bの発光量を減少する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Bの発光量を“P−α3”に制御する。また、モード制御部135aは、“0.06”に対応する赤成分光の光量を減少するように、補助光源120Rの発光量を減少する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Rの発光量を“R−γ3”に制御する。
なお、第2補正処理(2)では、補助光源120Gは不要であることに留意すべきである。投写型映像表示装置100は、補助光源120Gを有していなくてもよい。
(第3補正処理)
第3補正処理では、モード制御部135aは、図16に示すルックアップテーブルを用いて、補助光源120Bの発光量の補正処理を行う。図16に示すように、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の光量を増加する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最小(すなわち、“0”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の増加量は“0”である。すなわち、補助光源120Bの発光量は“P”である。一方で、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の増加量が増加する。すなわち、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、補助光源120Bの発光量は増加する。
例えば、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、“0.08”に対応する青成分光の光量を増加するように、補助光源120Bの発光量を減少する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Bの発光量を“P+α2”に制御する。
なお、第3補正処理では、補助光源120G及び補助光源120Rは不要であることに留意すべきである。投写型映像表示装置100は、補助光源120G及び補助光源120Rを有していなくてもよい。
(第4補正処理)
第4補正処理では、黄色成分光において、緑成分光の比率が赤成分光の比率より高い。従って、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、緑成分光が赤成分光よりも増加する。これを踏まえて、第2補正処理としては、2つの補正処理が考えられる。
第1に、第4補正処理(1)について説明する。第4補正処理(1)では、モード制御部135aは、図17に示すルックアップテーブルを用いて、補助光源120B及び補助光源120Gの発光量の補正処理を行う。図17に示すように、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の光量を増加する。また、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、緑成分光の光量を減少する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最小(すなわち、“0”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の増加量は“0”であり、緑成分光の減少量も“0”である。すなわち、補助光源120Bの発光量は“P”であり、補助光源120Gの発光量は“Q”である。一方で、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の増加量が増加し、緑成分光の減少量も増加する。すなわち、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、補助光源120Bの発光量は増加し、補助光源120Gの発光量は減少する。
例えば、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、“0.08”に対応する青成分光の光量を増加するように、補助光源120Bの発光量を増加する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Bの発光量を“P+α2”に制御する。また、モード制御部135aは、“0.04”に対応する緑成分光の光量を減少するように、補助光源120Gの発光量を減少する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Gの発光量を“Q−β2”に制御する。
なお、第4補正処理(1)では、青成分光の光量の増加に伴って、緑成分光の光量が減少する。従って、出力信号の輝度値と入力信号の輝度値との差分を縮小することができる。すなわち、輝度変化を縮小することができる。
なお、第4補正処理(1)では、補助光源120Rは不要であることに留意すべきである。投写型映像表示装置100は、補助光源120Rを有していなくてもよい。
第2に、第4補正処理(2)について説明する。第4補正処理(2)では、モード制御部135aは、図18に示すルックアップテーブルを用いて、補助光源120B及び補助光源120Rの発光量の補正処理を行う。図18に示すように、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の光量を増加する。また、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、赤成分光の光量を増加する。
具体的には、黄色成分光の重畳量が最小(すなわち、“0”)である場合には、ホワイトバランスが最適化されているため、青成分光の増加量は“0”であり、赤成分光の増加量も“0”である。すなわち、補助光源120Bの発光量は“P”であり、補助光源120Rの発光量は“R”である。一方で、黄色成分光の重畳量の増加に伴って、青成分光の増加量が増加し、赤成分光の増加量も増加する。すなわち、黄色成分光の重畳量の減少に伴って、補助光源120Bの発光量は増加し、補助光源120Rの発光量は増加する。
例えば、モード制御部135aは、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、黄色成分光の重畳量が“0.4”である場合には、“0.08”に対応する青成分光の光量を増加するように、補助光源120Bの発光量を増加する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Bの発光量を“P+α2”に制御する。また、モード制御部135aは、“0.04”に対応する赤成分光の光量を増加するように、補助光源120Rの発光量を増加する。すなわち、モード制御部135aは、補助光源120Rの発光量を“R+γ2”に制御する。
なお、第4補正処理(2)では、青成分光の光量の増加に伴って、赤成分光の光量も増加する。従って、輝度の向上を図りながら、最適なホワイトポイントを維持することができる。
なお、第4補正処理(2)では、補助光源120Gは不要であることに留意すべきである。投写型映像表示装置100は、補助光源120Gを有していなくてもよい。
(作用及び効果)
第2実施形態では、補助光源120の発光量の制御によって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。具体的には、信号の制御による補正及び補助光源の制御による補正を組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、図5〜図10、図13〜図18に示すルックアップテーブルを例示したに過ぎない。ルックアップテーブルに代えて、第4色成分光の重畳量に基づいて、赤成分光、緑成分光及び青成分光の補正量を定義する曲線や計算式を用いてもよい。
上述した実施形態では、第4色成分光の重畳量は、赤成分光及び緑成分光を代替するYe置換成分に基づいて算出されるが、実施形態はこれに限定されるものではない。第4色成分光の重畳量は、モード毎に定められたデフォルト値であってもよい。
上述した実施形態では、第4色成分光の重畳量の変化に伴うホワイトポイントのシフトは、主として、青成分光の光量の増加又は減少によって補償される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。第4色成分光の重畳量の変化に伴うホワイトポイントのシフトは、主として、赤成分光及び緑成分光の光量の増加又は減少によって補償されてもよい。
第2実施形態では、赤成分光、緑成分光及び青成分光の光量を補正するために、補助光源120の発光量を制御するが、実施形態はこれに限定されるものではない。赤成分光、緑成分光及び青成分光の光量の補正は、各色成分光の光路上に設けられた絞り部の制御によって行われてもよい。絞り部は、各色成分光が分離された後における各色成分光の光路上に設けられる。
上述した実施形態では、第4色成分光は、黄色成分光であるが、実施形態はこれに限定されるものではない。第4色成分光は、シアン成分光やマゼンタ成分光であってもよい。
上述した実施形態では、黄用出力信号Yeoutは、色再現パラメータα及び輝度パラメータβ1を用いて生成されるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、黄用出力信号Yeoutは、色再現パラメータαのみを用いて生成されてもよく、輝度パラメータβ1のみを用いて生成されてもよい。黄用出力信号Yeoutは、輝度パラメータβ2のみを用いて生成されてもよい。黄用出力信号Yeoutは、輝度パラメータβ1及び輝度パラメータβ2を用いて生成されてもよい。なお、色再現パラメータα、輝度パラメータβ1及び輝度パラメータβ2が適宜組み合わされて黄用出力信号Yeoutが生成されてもよい。
上述した実施形態では、黄色成分光の重畳量は、液晶パネル30Yeの変調量によって制御されるが、これに限定されるものではない。具体的には、黄色成分光の重畳量は、黄色成分光の光路上に設けられたアイリス機構によって制御されてもよい。
上述した実施形態では、光変調素子の一例として、液晶パネルを例に挙げたが、これに限定されるものではない。具体的には、光変調素子は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)やDMD(Digital Micromirror Device)などであってもよい。
10・・・光源、21〜25・・・ミラー、30・・・液晶パネル、31〜32・・・偏光板、50・・・位相差板、60・・・ダイクロイックキューブ、100・・・投写型映像表示装置、110・・・投写レンズ、120・・・補助光源、130・・・制御部、131・・・入力信号受付部、132・・・Ye置換成分算出部、133・・・パラメータ特定部、134・・・Ye成分調整部、135・・・モード制御部