JP2010014127A - 防振ゴムブッシュの製造方法及び防振ゴムブッシュ - Google Patents

防振ゴムブッシュの製造方法及び防振ゴムブッシュ Download PDF

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Abstract

【課題】筒形の相手部材からの抜け力を効果的に大きくすることのできる防振ゴムブッシュを安価に製造することのできる防振ゴムブッシュの製造方法を提供する。
【解決手段】防振ゴムブッシュ10を製造するに際し、ゴム弾性体16を加硫成形するための加硫金型36におけるキャビティ44の内面且つ樹脂外筒14の外周面に接する部分を凹凸形状に加工形成しておき、キャビティ44に内筒12及び樹脂外筒14をセットした状態でキャビティ44内にゴム材料を充填し加硫成形する。その際にゴム材料による圧力にて樹脂外筒14を加硫金型36の凹凸形状面56に押し付け、樹脂外筒14の外周面に加硫金型36の凹凸形状を転写し、樹脂外筒14の外周面を凸凹形状とする。
【選択図】 図4

Description

この発明は、樹脂外筒を有する防振ゴムブッシュの製造方法及び防振ゴムブッシュに関する。
従来より、剛性の外筒及び内筒と、それら外筒及び内筒を連結する状態に一体に加硫成形されたゴム弾性体とを有し、外筒の外周面において筒形の剛性の相手部材の内周面に圧入され、相手部材にて保持される防振ゴムブッシュが自動車のトレーリングアームブッシュ,トルクロッドブッシュ等のサスペンションブッシュその他として広く用いられている。
この種の防振ゴムブッシュは、従来、外筒及び内筒,筒形の相手部材が何れも金属製であり、その金属製の外筒の縮径方向の塑性変形を伴って所定の締代で相手部材に圧入することができ、これにより外筒の外周面と相手部材の内周面との間に発生する強い摩擦力に基づいて防振ゴムブッシュの相手部材からの抜け力を大とすることができ、良好にこれを抜け防止することができる。
ところで、近年軽量化の要請からゴムブッシュの外筒を樹脂化することが行われているが、この樹脂外筒を有する防振ゴムブッシュの場合、樹脂外筒の外周面を筒形の金属製の相手部材の内周面に圧入する際、縮径方向の締代を大きく取ると樹脂外筒が割れを生じてしまう。従ってその締代を大きく取ることが難しく、この場合圧入後における防振ゴムブッシュの相手部材からの抜け力を十分大きくすることが困難である。特に樹脂外筒の場合には圧入後の経時変化により樹脂外筒が応力緩和によりへたりを生じる問題があり、圧入後における抜け力の低下が大きいといった問題がある。
この問題の対策の一例が下記特許文献1に開示されている。
図6はその具体例を示している。
同図において200は防振ゴムブッシュで、金属製の内筒202と、その外周面に一体に固着されたゴム弾性体204と、更にそのゴム弾性体204の外周面に一体に固着された樹脂外筒206とを有している。
208は金属製の筒形をなす相手部材で、防振ゴムブッシュ200はこの相手部材208内部に圧入されて嵌合状態に保持される。
樹脂外筒206は、軸方向端部(図中上端部)に部分的に厚肉をなす係合部218を有している。
防振ゴムブッシュ200は、相手部材208への圧入後においてこの係合部218が相手部材208の軸端に係合することによって、相手部材208から抜け防止される。
図6に示す防振ゴムブッシュ200の場合、樹脂外筒206が割れを生じない範囲で最大の締代をもって、樹脂外筒206を相手部材208に圧入することが望ましいが、この場合、相手部材208との嵌合部分において最大の締代を設定すると、圧入時に部分的な厚肉部をなす係合部218が過大に縮径させられることとなって、同部分で割れを生じ易い問題がある。
一方で係合部218の部分で割れを生じないように圧入時の締代を設定すると、圧入後において樹脂外筒206の、相手部材208との嵌合部分での締代が不足してしまう問題を生ずる。
樹脂外筒を有する防振ゴムブッシュの抜け力を大とするための他の対策として、防振ゴムブッシュを加硫成形する前の段階で、単品状態の樹脂外筒の外周面を凸凹形状となしておくことが考えられる。
単品状態の樹脂外筒の外周面を凸凹形状化する手段として、樹脂外筒の外周面に対しサンドブラスト加工を施し、表面を粗面化(凸凹形状化)することが考えられ、実際にそのように樹脂外筒の外周面を粗面化したところ、圧入直後における防振ゴムブッシュの相手部材からの抜け力を大きくでき、またその後の経時的な抜け力の低下を小さくできることを確認している。
しかしながらこのように単品状態の樹脂外筒の外周面にサンドブラスト加工を施す場合、そのサンドブラスト加工が別工程として必要となり、防振ゴムブッシュの製造コストが高くなってしまう。
単品状態の樹脂外筒の外周面を凸凹形状化する他の手段として、樹脂外筒を成形するための樹脂金型の内面、詳しくは樹脂外筒の外周面を成形する部分にショットブラスト加工を施しておいて、樹脂金型を用いて樹脂外筒を成形すると同時に、樹脂外筒の外周面を粗面化(凹凸形状化)することが考えられる。
この方法の場合、樹脂外筒の外周面を凸凹形状化するために、上記のようなサンドブラスト加工やショットブラスト加工を別途の工程として必要としない利点がある。
しかしながら、樹脂外筒を構成する樹脂材料中に補強材として硬質のガラス繊維が含有されている場合、樹脂金型のキャビティにガラス繊維含有の樹脂材料を充填したとき、樹脂材料の流れにより、詳しくは硬質のガラス繊維の流れにより樹脂金型の凹凸形状が削られ、従って樹脂外筒の成形を繰り返すうちに樹脂金型の凹凸が次第に当初よりも小さくなり、樹脂外筒の外周面に目的とする深さの凸凹形状を良好に形成できなくなってしまう。
また樹脂外筒の成形時に外周面に凸凹形状を形成する場合、通常、樹脂外筒の成形用の樹脂金型は径方向の割り型構造(分割構造)とされておらず、成形した樹脂外筒を軸方向に抜き出す構造とされているため、樹脂外筒を樹脂金型から抜き出す過程でも樹脂金型の凹凸形状が削られ、凹凸の深さが次第に浅くなってしまう問題も内在する。
その他に、樹脂外筒に対して単品状態でその外周面に凸凹形状を形成する場合には、上記のサンドブラスト加工による方法,樹脂外筒の成形時に樹脂金型に施した凹凸形状にて樹脂外筒の外周面を凸凹形状化する場合の何れにおいても、得られた樹脂外筒を用いて後の加硫工程でゴム弾性体を加硫成形し、同時に樹脂外筒と内筒とに一体化する際、ゴム材料の充填圧力及び加熱による膨張圧力等のゴム材料による圧力で樹脂外筒の外周面が加硫金型の平滑な内面に押し付けられることで、せっかく凸凹形状とされている樹脂外筒の外周面の凸部や凹部が、潰されたり埋められたりしてしまい、これにより凸凹形状の凸凹の深さが小となって、即ち凸凹の模様が小さくなってしまうのを避け得ない。
而してそのようにして樹脂外筒の外周面の凸凹形状が平滑化する方向に形状変化してしまうと、凸凹形状による抜け力の増大効果が減殺されてしまう。
尚、下記特許文献2には樹脂外筒を有する防振ゴムブッシュにおいて、相手部材からの抜け力を高めるようになしたものが開示されているが、このものは本発明とは解決手段において異なった別異のものである。
また下記特許文献3及び特許文献4には、同じく樹脂外筒を有する防振ゴムブッシュにおいて、樹脂外筒を内周側部材に対し凸凹形状で嵌合させるようになした点が開示されているが、これらは樹脂外筒の外周面を凸凹形状化するものでなく、本発明とは異なったものである。
実開平5−77637号公報 特開2001−74080号公報 実開平6−69469号公報 特開平7−98034号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、圧入にて組み付けられる筒形の相手部材からの抜け力を効果的に大きくし、また経時的な抜け力の低下を小さくすることのできる防振ゴムブッシュを安価に製造することのできる防振ゴムブッシュの製造方法及び防振ゴムブッシュを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1は防振ゴムブッシュの製造方法に関するもので、この製造方法は、内筒及び樹脂外筒と、それら内筒及び樹脂外筒を連結する状態に一体に加硫成形されたゴム弾性体とを有し、該樹脂外筒の外周面において筒形の剛性の相手部材の内周面に圧入されて該相手部材にて保持される防振ゴムブッシュの製造方法であって、前記ゴム弾性体を加硫成形するための加硫金型におけるキャビティの内面且つ前記樹脂外筒の外周面に接する部分を凹凸形状に加工形成しておき、該キャビティに前記内筒及び樹脂外筒をセットした状態で該キャビティにゴム材料を充填し加硫成形する際に、該ゴム材料による圧力にて該樹脂外筒を前記加硫金型の凹凸形状面に押し付け、該樹脂外筒の外周面を該凹凸形状に倣って変形させることにより該樹脂外筒の外周面に該加硫金型の凹凸形状を転写し、該樹脂外筒の外周面を凸凹形状となすことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記加硫金型の凹凸形状を、中心線平均粗さRa=4〜30(μm)の表面粗さを有する凹凸形状となしてあることを特徴とする。
請求項3は防振ゴムブッシュに関するもので、この防振ゴムブッシュは、内筒及び樹脂外筒と、それら内筒及び樹脂外筒を連結する状態に一体に加硫成形されたゴム弾性体とを有し、該樹脂外筒の外周面において筒形の剛性の相手部材の内周面に圧入されて該相手部材にて保持される防振ゴムブッシュであって、前記樹脂外筒の外周面が、前記ゴム弾性体を前記内筒及び樹脂外筒とともに一体に加硫成形するための加硫金型におけるキャビティの内面且つ前記樹脂外筒の外周面に接する部分に施した凹凸形状を、加硫成形時の該キャビティに充填される際のゴム材料による圧力により前記樹脂外筒の外周面に転写して形成した凸凹形状となしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、加硫金型におけるキャビティの内面且つ樹脂外筒の外周面に接する部分を予め凹凸形状に加工形成しておき、キャビティに内筒,樹脂外筒をセットした状態でゴム材料を充填し加硫成形する際に、ゴム材料の充填圧力及び加熱による膨張圧力等のゴム材料による圧力にて樹脂外筒を加硫金型の凹凸形状面に押し付け、これにより樹脂外筒の外周面をその凹凸形状に倣って変形させることにより外周面に加硫金型の凹凸形状を転写し、樹脂外筒の外周面を凹凸形状とするようになしたものである(請求項1,請求項3)。
かかる本発明によれば、樹脂外筒に対し単品状態でその外周面にサンドブラスト加工を施し、外周面を凸凹形状化する場合のように、防振ゴムブッシュ製造に際して、樹脂外筒の外周面を凸凹形状化するための特別の工程を別工程として付加する必要がなく、防振ゴムブッシュの製造コストを高めてしまう問題を生じない。
また樹脂外筒の成形時に樹脂金型に施した凹凸形状によって樹脂外筒の外周面を凸凹形状化する場合のように、樹脂材料の流れにより樹脂金型の凹凸形状を削ってしまう問題も生じず、従って防振ゴムブッシュを繰り返し加硫成形した場合においても、加硫金型の凹凸形状は当初の形状を良好に維持し、それ故同一の加硫金型にて防振ゴムブッシュを繰り返し加硫成形した場合においても、目的とする良好な凸凹形状を樹脂外筒の外周面に形成することができる。
また防振ゴムブッシュの加硫金型は、通常、防振ゴムブッシュの形状が複雑な構造をなしていることから複数の分割型の割り型構造、詳しくは樹脂外筒周りの部分が径方向の割り型構造とされており、従って成形した防振ゴムブッシュを脱型する際に加硫金型に施した凹凸形状を削ってしまうといったことを防止できる。
尚、樹脂外筒の外周面の上記凸凹形状は、相手部材の内周面に圧入にて嵌合する部分の全面に亘って形成しておくことができる。
本発明では、加硫金型の凹凸形状をJIS B 0601に規定する中心線平均粗さRa=4〜30(μm)の表面粗さを有する凹凸形状となしておくことができる(請求項2)。
Raが4(μm)より小さいと、樹脂外筒の外周面に十分な凹凸深さで凸凹形状を形成できず、逆に30(μm)より大きいと、そのような凹凸形状を加硫金型に形成することが困難化する他、あまりにも大きいと相手部材との接触面積が小さくなる。
尚、加硫金型に凹凸形状を形成する方法として様々な手法を用いることができるが、加硫金型にショットを投射するショットブラスト加工の手法を好適に用いることができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
この例は、自動車のリヤサスペンションにおけるトレーリングアームと車体との連結部分に用いられる防振ゴムブッシュの例で、図1中10は防振ゴムブッシュを示している。
防振ゴムブッシュ10は、円筒形状をなす金属製(鋼製)の内筒12と、内筒12を中心に位置させる状態にその外側に同心状に配置された、同じく円筒形状をなす樹脂外筒14と、それら内筒12及び樹脂外筒14を連結する状態に一体に加硫成形及び接着(加硫接着)された円筒形状をなすゴム弾性体16とを有している。
樹脂外筒14は、その本体部としての円筒形状をなす筒状部18と、軸方向一端側(図中上端側)に形成された、径方向外方に突出し且つ周方向に環状をなすフランジ部20とを有している。
ここで筒状部18のフランジ部20とは反対側の端部(図中下端部)の外周面は、テーパ形状をなす面取部22とされている。
ゴム弾性体16は、図中下面と上面とにそれぞれ上向き,下向きに凹陥した形態の環状の刳り部24,26が設けられており、また樹脂外筒14におけるフランジ部20の図中上面に部分的に重ねるようにして周方向に環状をなすストッパゴム部25が、図中上端側に形成されている。
更に刳り部26側において、その底面から上向きに突出する一対の突部28が形成されている。
この突部28は、後述する加硫金型36の注入孔50の部分で固まった(加硫した)ゴム材料を除去した後に残った突部である。
本例において、樹脂外筒14を構成する樹脂として各種のものを用いることができる。
詳しくは、かかる樹脂外筒14の構成樹脂として熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を用いることができ、その中でも振動入力に対する耐衝撃強度や成形性に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
また熱可塑性樹脂材料としてはポリアミド(芳香族ポリアミドや変性ポリアミドを含む),ポリエステル(変性ポリエステルを含む),ポリプロピレン,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリフェニレンサルファイド,変性ポリフェニレンエーテル等があり、その中でも強度や充填材による補強効果,コストのバランスに優れるポリアミドが好適に用いられる。
またそのような樹脂材料を補強するために樹脂材料に配合ないしは混合される充填材としてガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維,ガラスビーズ,ウィスカー,ワラスナイト,カオリナイト,タルク,マイカ,カーボンナノチューブ他、珪酸マグネシウム若しくは珪酸アルミニウムの層で構成される層状フィロ珪酸塩、例えばモンモリロナイト,ヘクトライト,バーミキュライト,ハロサイト等があるが、その中でも補強効果の高さやコストの点からガラス繊維が好適に用いられる。
また使用部位によっては充填材のない非強化樹脂材料も用いることができる。
本例の樹脂外筒14の場合、樹脂材料としてポリアミド66(PA66)に充填材としてガラス繊維30%を混合したものを用いている。
樹脂外筒14、詳しくは筒状部18の外周面は、その全面に亘って凸部30と凹部32とを有する凸凹形状面34とされている。
図2〜図4は、この防振ゴムブッシュ10の具体的な製造方法を示している。
図2において、36は防振ゴムブッシュ10を加硫成形するための加硫金型を示している。
この加硫金型36は、上型38と、下型40及びそれらの間の中間の中型42とを有している。
上型38,下型40及び中型42は図中上下方向の、即ち防振ゴムブッシュ10の軸方向の分割構造とされており、それぞれが互いに上下方向に分離可能とされている。
ここで上型38は、防振ゴムブッシュ10の図中上面を成形する部分であり、下型40は、防振ゴムブッシュ10の図中下面を成形する部分である。
また中型42は、樹脂外筒14を嵌合状態に保持し、かかる樹脂外筒14を介してゴム材料の注入圧を径方向に受け、樹脂外筒14を介してゴム弾性体16の外周面を成形する部分である。
加硫金型36は、その内部にキャビティ44を有し、そこに内筒12,樹脂外筒14をセットした状態でゴム弾性体16を加硫成形する。
ここで上型38には、内筒12の内部に図中下向きに嵌入する位置決めピン46が設けられ、また下型40には、内筒12の内部に図中上向きに嵌入する位置決めピン48が設けられている。
内筒12は、キャビティ44においてこれら位置決めピン46,48にて位置決め状態に保持される。
上型38にはまた、一対の注入孔50がキャビティ44に達する位置まで図中上面から下向きに設けられている。
ゴム材料は、この注入孔50を通じてキャビティ44に注入され、充填される。
尚中型42は、図4(B)に示しているように左右の一対の分割型42A,42Aの分割構造とされており、左右の中央においてそれら分割型42A,42Aに分離可能とされている。
本実施形態においては、キャビティ44の樹脂外筒14の外周面に接する部分、具体的には中型42における内面が、図3に示しているように全面に亘って凹部52と凸部54とを有する凹凸形状面56とされている。
この凹凸形状面56は、ショットブラスト加工,シボ加工,放電加工,ローレット加工等様々な加工手法にて形成することができる。
ここでショットブラスト加工は、投射材と呼ばれる粒体を加工対象に投射して衝突させ加工を行う手法で、投射材として様々な材質のものを用いるが、ここではスチールショットが投射材として特に好適である。
シボ加工は、金型表面を薬品により溶解し、化学腐食(エッチング)して金型内面を凹凸形状化する加工手法である。
放電加工は、絶縁液の中で電極と加工対象との間に隙間を保ち、それらの間に断続的な火花放電を生ぜしめて加工対象を溶融させ、目的とする形状に加工形成するもので、またローレット加工は、旋盤加工等により加工対象の表面に主として格子状のギザギザの凹凸を形成する加工方法で、主には滑り止めを目的として行われている。
これら加工手法のうち、加工の容易さからショットブラスト加工を好適に用いることができる。
本実施形態において、凹凸形状面56はJIS B 0601に規定する中心線平均粗さRa=4〜30(μm)の表面粗さを有する凹凸形状となしておくのが好適である。
具体的には本実施形態では、中心線平均粗さRa=5〜7(μm)の表面粗さを有する凹凸形状となしてある。
尚、特に凹凸形状のための加工を施していない場合、金型の内面詳しくは中型42の内面はRa=1(μm)程度である。
この実施形態の製造方法では、図3に示しているように高温に加熱した状態(温度165〜170℃程度)の加硫金型36のキャビティ44に、内筒12及び予め単品として成形されている樹脂外筒14をセットし、加硫金型36を閉じた状態(型締状態)とする。
このとき、図3の部分拡大図に示しているように中型42における内面即ち凹凸形状面56の凹部52と、樹脂外筒14の外周面との間には微小な隙間Sが生じている。
この状態で、図4(A)に示しているように加硫金型36の上型38の注入孔50を通じてゴム材料をキャビティ44に所定圧力で注入し、充填する。
このとき、ゴム材料の充填圧力及び加熱による膨張圧力によって樹脂外筒14に対し径方向外方に押圧する力が働き、その圧力によって樹脂外筒14の外周面が高温状態の下で中型42の内面、つまり図3の凹凸形状面56に押し付けられる。
樹脂外筒14の外周面は、その圧力及び加熱作用によって中型42の内面の凹凸形状面56の凹凸形状に倣って変形を生じ、図4(A)に示すようにその変形によって凹凸形状面56の凹部52を埋めた状態となる。
ここにおいて樹脂外筒14の外周面に、中型42の凹凸形状面56の凹凸形状が転写され、樹脂外筒14の外周面が凸凹形状となる。即ち図1(B)の凸凹形状面34となる。
ここで凸凹形状面34は、上記中型42の内面つまり凹凸形状面56におけるRa=5〜7(μm)の下で、その表面粗さがRaで3(μm)程度となる。
因みに平滑な成形面を有する樹脂金型にて樹脂外筒14を単品で成形したとき、樹脂外筒14の外周面の表面粗さはRa=1(μm)程度である。
尚、樹脂外筒14単品状態で、その外周面にサンドブラスト加工を行うことで表面粗さRa=4.5〜6(μm)とすることができる。但しこのものを用いて通常の平滑な内面を有する中型42を有する加硫型36にてゴム弾性体16、即ち防振ゴムブッシュ10を加硫成形した場合、ゴム材料による圧力にて樹脂外筒14の外周面が中型42の内面に押し付けられることで、外周面の表面粗さはRa=2.5〜3.5(μm)程度まで小さくなってしまう。
しかるにこの実施形態の方法によればそうした樹脂外筒の表面粗さの低下が生じず、防振ゴムブッシュ10における樹脂外筒14の外周面を上記のような凸凹形状の凸凹形状面34となすことができる。更に、樹脂外筒14単品1個1個にサンドブラスト加工を行わなくて済むため、樹脂外筒単品状態でサンドブラスト加工するための専用設備等が不要となり、製造コストを安価に抑えることができる。
さてキャビティ44に注入し充填したゴム材料を加硫金型36内に所定時間保持することによってゴム材料が加硫反応し、ここにおいてゴム材料がゴム弾性体16となるとともに、このとき同時にゴム弾性体16が内筒12及び樹脂外筒14に対し加硫接着される。
以上のようにして防振ゴムブッシュ10を加硫成形したところで、加硫金型36を型分解し、成形品つまり防振ゴムブッシュ10を脱型し、取り出す。
このとき、加硫金型36の上型38を図中上向きに分離し、また中型42を左右の分割型42A,42Aに左右に分離することで、加硫成形品としての防振ゴムブッシュ10を容易に取り出すことができる。
図5において、58は防振ゴムブッシュ10を圧入させ、これを嵌合状態に保持する筒形(円筒形)の金属製(鋼製)の相手部材(カラー)で、60はこれより延び出したアームである。
ここで円筒形状をなす相手部材58の内径dは、防振ゴムブッシュ10の外径、詳しくは樹脂外筒14における筒状部18の外径dよりも僅かに小径をなしている。
その寸法差はここでは2〜3.5mmの範囲内である。
防振ゴムブッシュ10は、相手部材58に圧入されることによってその寸法差に応じた締代で縮径方向に圧縮される。
この圧入状態において、防振ゴムブッシュ10は凸凹形状面34において相手部材58の平滑な内周面に摩擦圧接せしめられる。
尚、この相手部材58には全表面に防錆のためのカチオン電着塗装が施されている。
以上のような本実施形態によれば、樹脂外筒14に対し単品状態でその外周面にサンドブラスト加工を施し、外周面を凸凹形状化する場合のように、防振ゴムブッシュ製造に際して、樹脂外筒14の外周面を凸凹形状化するための特別の工程を別工程として付加する必要がなく、防振ゴムブッシュ10の製造コストを安価に抑えることができる。
また樹脂外筒14の成形時に、樹脂金型に施した凹凸形状によって樹脂外筒14の外周面を凸凹形状化する場合のように、樹脂材料の流れにより樹脂金型の凹凸形状面を削ってしまう問題も生じず、従って防振ゴムブッシュ10を繰り返し加硫成形した場合においても、加硫金型36の凹凸形状面56は当初の形状を良好に維持し、それ故同一の加硫金型36にて防振ゴムブッシュを10繰り返し加硫成形した場合においても、目的とする良好な凸凹形状を樹脂外筒14の外周面に形成することができる。
また防振ゴムブッシュ10の上記の加硫金型36において、中型42は左右の分割構造とされていることから、成形した防振ゴムブッシュ10を脱型する際に、加硫金型36に施した凹凸形状を削ってしまうことも防止できる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明は上例以外の他の様々な形態の防振ゴムブッシュに対して適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様,形態で実施可能である。
本発明の一実施形態である防振ゴムブッシュの図である。 同実施形態の防振ゴムブッシュを加硫金型とともに示した断面図である。 図1の防振ゴムブッシュの製造方法の要部工程の説明図である。 図3に続く工程の説明図である。 図1の防振ゴムブッシュの相手部材への組付方法の説明図である。 従来の防振ゴムブッシュの一例を示す図である。
符号の説明
10 防振ゴムブッシュ
12 内筒
14 樹脂外筒
16 ゴム弾性体
34 凸凹形状面
36 加硫金型
44 キャビティ
56 凹凸形状面
58 相手部材

Claims (3)

  1. 内筒及び樹脂外筒と、それら内筒及び樹脂外筒を連結する状態に一体に加硫成形されたゴム弾性体とを有し、該樹脂外筒の外周面において筒形の剛性の相手部材の内周面に圧入されて該相手部材にて保持される防振ゴムブッシュの製造方法であって、
    前記ゴム弾性体を加硫成形するための加硫金型におけるキャビティの内面且つ前記樹脂外筒の外周面に接する部分を凹凸形状に加工形成しておき、該キャビティに前記内筒及び樹脂外筒をセットした状態で該キャビティにゴム材料を充填し加硫成形する際に、該ゴム材料による圧力にて該樹脂外筒を前記加硫金型の凹凸形状面に押し付け、該樹脂外筒の外周面を該凹凸形状に倣って変形させることにより該樹脂外筒の外周面に該加硫金型の凹凸形状を転写し、該樹脂外筒の外周面を凸凹形状となすことを特徴とする防振ゴムブッシュの製造方法。
  2. 請求項1において、前記加硫金型の凹凸形状を、中心線平均粗さRa=4〜30(μm)の表面粗さを有する凹凸形状となしてあることを特徴とする防振ゴムブッシュの製造方法。
  3. 内筒及び樹脂外筒と、それら内筒及び樹脂外筒を連結する状態に一体に加硫成形されたゴム弾性体とを有し、該樹脂外筒の外周面において筒形の剛性の相手部材の内周面に圧入されて該相手部材にて保持される防振ゴムブッシュであって、
    前記樹脂外筒の外周面が、前記ゴム弾性体を前記内筒及び樹脂外筒とともに一体に加硫成形するための加硫金型におけるキャビティの内面且つ前記樹脂外筒の外周面に接する部分に施した凹凸形状を、加硫成形時の該キャビティに充填される際のゴム材料による圧力により前記樹脂外筒の外周面に転写して形成した凸凹形状となしてあることを特徴とする防振ゴムブッシュ。
JP2008171756A 2008-06-30 2008-06-30 防振ゴムブッシュの製造方法及び防振ゴムブッシュ Withdrawn JP2010014127A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012197822A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振装置
JP2014507616A (ja) * 2011-03-09 2014-03-27 エフエム エネルギー ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー 材料変位によって予備緊張可能なブッシング、およびこのブッシングを具備する軸受け

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