JP2010013485A - 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は製造中間体4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルをリン酸塩又はその水和物として単離し、ついでアルカリ金属水酸化物の存在下加水分解した後、合成吸着剤を用いて精製すれば、簡便な操作収率良く、かつ高純度のKRP-197が得られることを見出し、工業的スケールの製造方法を確立した。
【選択図】 なし
Description
は抗コリン作用、とりわけ選択的で強力なムスカリン受容体拮抗作用を有するイミダゾール誘導体であり、過敏性腸症候群、憩室疾患、機能性下痢、食道無弛緩症、噴門痙攣等の消化管自動運動性障害治療、胆道、尿道の痙攣、尿失禁等の治療、慢性気道閉塞性疾患の治療等の医薬用途に有用であることが知られている(特開平;WO9515951;宮地弘幸ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.(1988)8(14),1807-1812;ibid.,(1988),8(16),2163-2168;ibid.,(1989),9(20),3003-3008;宮地弘幸ら、Bioorg. Med. Chem.,(1999),7(6),1151-1161)。
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。
ジメチルスルホキシド40mL、4-ブロモ-2,2-ジフェニルブチロニトリル80.8g(0.266mol)及び2-メチルイミダゾール109g(1.33mol)の混合物を内温95〜105℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷し、酢酸エチル160mL及び水160mLを加え、有機層を分離後、水320mL及び2.5%酢酸320mLで洗浄した。溶媒を減圧留去後、残留物をエタノール320mLに溶解し、85%リン酸30.7g(0.266mol)をエタノール160mLに溶解した液を31〜32℃で滴下した。滴下終了後、27〜31℃で15時間攪拌した。析出結晶を濾取し、エタノール160mLで洗浄した。60℃で18時間乾燥し、4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩 78.1g(73.3%)を得た。
次の反応には、この段階のものを用いた。
なお、4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩は分析のためにさらに次のようにして精製した。
すなわち、1000mL
4頚フラスコ中に、4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩35.0g、エタノール875 mLを仕込み、23分間加熱還流した。不溶物を熱時濾去し、濾液を攪拌下徐々に冷却した。液温28℃で析出晶を濾取、エタノール175 mLで洗浄後、60℃で2時間送風乾燥し、再結晶品25.0g(71.5%)を得た。得られた再結晶品及びエタノール875 mLを、1L 4頚フラスコ中に仕込み、還流下溶解させた。徐々に冷却し、液温32℃で析出晶をろ取、エタノール175 mLで洗浄した。得られた結晶を60℃で15時間減圧乾燥、次いで、100℃で8時間減圧乾燥して4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩19.5g(55.7%)を得た。
融点: 180-181℃.
1H NMR(400MHz, d6-DMSO): δ2.17(3H,s,CH3),
2.96-3.00(2H,m,CH2), 3.84-3.88(2H,m,CH2), 6.84(1H,d,J=1.5Hz,imidazole-H), 7.20(1H,d,J=1.5Hz,imidazole-H), 7.33-7.51(10H,m,Ph-H).
MS(EI+):
m/e 301[M]+, 274, 192.
元素分析値:
Calcd. for C20H19N3・H3PO4
; C: 60.15 H: 5.55 N: 10.52
(%) Found
; C: 60.20 H: 5.52 N: 10.50.
イソプロピルアルコール375mL、4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩75.0g(0.188mol)及び水酸化カリウム(85%顆粒)124g(1.88mol)の混合物を還流下5時間攪拌した。38℃まで冷却後、反応液を水1875mLに滴下した。15〜30℃で1時間攪拌後、析出結晶を濾取、水洗(375mL)し、KRP-197の粗結晶を得た。
粗結晶を2
mol/L塩酸225mLに溶解して、合成吸着剤(HP-20) 600mLに付加し、水6000mLで溶出した。溶出液を濾過し、水225mLで洗浄した。濾液に1mol/L炭酸ナトリウム水溶液を15℃で添加し、pH9.5に調整した。15℃で1時間攪拌後、析出結晶を濾取し、水225mLで洗浄、未乾燥結晶57.9gを得た。得られた未乾燥結晶56.2gを水375mLに懸濁し、30分間還流した後、27℃まで冷却した。析出結晶を濾取し、水洗した。60℃で18時間減圧乾燥し、KRP-197 44.7g(74.5%)を得た。
実施例1の方法により得た4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩 10.0gをエタノール水(80%)
50.0mLに加熱溶解し,液温23℃で析出晶を濾取した。
得られた結晶を60℃で減圧乾燥して4-(2-メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩の水和物 7.85gを得た。
融点:179〜180℃
水分: 3.5 %
元素分析値 : C20H19N3・H3PO4・1/2H2O
計算値(%); C: 58.82 H: 5.68 N: 10.29
測定値(%); C: 58.81 H: 5.58 N: 10.39
Claims (7)
- 4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと2−メチルイミダゾールとを反応させ、続いて反応混合物を水及び酢酸で洗浄することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得た後、得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをエタノールに溶解し、続いて当該エタノール溶液に対してリン酸のエタノール溶液を滴下することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を得ることを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物の製造方法。
- 以下の工程を含む、請求項1記載の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物の製造方法であって、
i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し5モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させ、続いて反応混合物を水及び酢酸で洗浄することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及び
ii)工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをエタノールに溶解した液に、工程i)の4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し1モル当量のリン酸をエタノールに溶解した液を滴下することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩を得る工程、
とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物の製造方法。 - 4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと2−メチルイミダゾールとを反応させ、続いて反応混合物を水及び酢酸で洗浄することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得た後、得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをエタノールに溶解し、続いて当該エタノール溶液に対してリン酸のエタノール溶液を滴下することで得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を製造中間体とすることを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。
- 以下の工程を含む、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、
i)4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをリン酸と反応させることで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を得る工程、
ii)工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を加水分解することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を得る工程、及び
iii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を合成吸着剤で精製することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドを得ることを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 - 以下の工程を含む、請求項4記載の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、
i)4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをエタノールに溶解した液に、リン酸のエタノール溶液を滴下することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を得る工程、
ii)工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物をアルカリ金属水酸化物の存在下加水分解することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を得る工程、及び
iii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を合成吸着剤で精製することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドを得る工程、
とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 - 以下の工程を含む、請求項4記載の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、
i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと2−メチルイミダゾールとを反応させた後、反応混合物を水及び酢酸で洗浄することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、
ii)工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをエタノールに溶解した液に、リン酸のエタノール溶液を滴下することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を得る工程、
iii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物をアルカリ金属水酸化物の存在下加水分解することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を得る工程、及び
iv)工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を合成吸着剤で精製することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドを得る工程、
とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 - 以下の工程を含む、請求項4記載の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、
i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し5モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させた後、反応混合物を水及び酢酸で洗浄することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、
ii)工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルをエタノールに溶解した液に、工程i)の4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し1モル当量のリン酸をエタノールに溶解した液を滴下することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物を得る工程、
iii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩又はその塩の水和物をアルカリ金属水酸化物の存在下加水分解することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を得る工程、及び
iv)工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの粗結晶を合成吸着剤で精製することで4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドを得る工程、
とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。
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US11066477B2 (en) | 2016-08-31 | 2021-07-20 | Oncotherapy Science, Inc. | Monoclonal antibody against MELK and utilization thereof |
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WO1995015951A1 (fr) * | 1993-12-10 | 1995-06-15 | Kyorin Pharmaceutical Co. Ltd. | Nouveau derive de l'imidazole et sa methode d'obtention |
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WO1995015951A1 (fr) * | 1993-12-10 | 1995-06-15 | Kyorin Pharmaceutical Co. Ltd. | Nouveau derive de l'imidazole et sa methode d'obtention |
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