JP2010013175A - ドラム缶等容器用キャップシール、およびこれを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置 - Google Patents
ドラム缶等容器用キャップシール、およびこれを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 ドラム缶等容器の二重密閉を確実に果たす。雨水等の容器内部への浸入を防止し、外気(湿度、湿気)と容器内容物とを遮断し、さらに容器内容物の漏洩を防止する。RFIDタグ等のタグにより容器内容物の物流管理を改善し、品質管理、商品管理、入出庫管理および位置管理等を、きわめて迅速にかつ確実に行なうことができるキャップシール、および容器の二重密閉装置を提供する。
【解決手段】 ドラム缶等容器の口金部20に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体1と、金属製押えリング11とを備え、キャップシールの装着時、押えリング11の環状垂下壁14が内方に屈曲変形せしめられて締め付けられることにより、キャップシール本体1の環状垂下壁4が内方に屈曲変形せしめられて口金部20の外壁に密着せしめられる。開封時、押えリング11の開封用凸片15が引き上げられて、押えリング11が破断され、さらにキャップシール本体1が破断除去される。
【選択図】 図1
【解決手段】 ドラム缶等容器の口金部20に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体1と、金属製押えリング11とを備え、キャップシールの装着時、押えリング11の環状垂下壁14が内方に屈曲変形せしめられて締め付けられることにより、キャップシール本体1の環状垂下壁4が内方に屈曲変形せしめられて口金部20の外壁に密着せしめられる。開封時、押えリング11の開封用凸片15が引き上げられて、押えリング11が破断され、さらにキャップシール本体1が破断除去される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ドラム缶等容器用キャップシール、詳しくは、RFIDタグ等を装備したドラム缶等容器用キャップシール、さらに詳しくは、ドラム缶等容器の金属リング封印式内外二重密閉用キャップシール、およびこれを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置に関するものである。
従来、例えばドラム缶の口金部の固定フランジに、ガスケット付きプラグがねじ込まれて密閉された状態において、該口金部にキャップシールを嵌め被せて装着し、口金部を封印することが行なわれている。
本発明者は、先に、このようなドラム缶等容器用のキャップシールとして、下記の特許文献1および2に記載の発明を提案した。
特許文献1に記載のドラム缶用ワンタッチ金属製キャップシールは、キャップシール本体の垂下壁に、口金部への装着のさいフランジの折返し先端部と係り合う第1係合凸部が設けられ、これに対向して同垂下壁の反対側に、第2係合凸部が少なくとも1つ設けられていて、キャップシールの装着および開封を、いずれも人手によりワンタッチで行なうことができるようにしたものであった。
特許文献2に記載のドラム缶等容器用キャップシールは、金属製キャップシール周縁の垂下状周壁の複数箇所に、貫通孔と該孔の周縁部において内に突出した環状ぎざぎざ突起とが設けられ、キャップシールが、内部ガスケット付きプラグによって密閉されたドラム缶等容器の固定口金部に嵌め被せられた状態で、垂下状周壁の各環状ぎざぎざ突起が、固定口金部上端の外方凸縁部に係り合うようになされていて、やはりキャップシールの装着および開封を、いずれも人手によりワンタッチで行なうことができるようにしたものであった。
そして、特許文献2のキャップシールでは、キャップシール周縁の垂下状周壁上部の環状段部の内周面に環状ライニングガスケットが設けられ、ドラム缶等容器が、内部ガスケットと、外部の環状ライニングガスケットとで二重に密封されるようになされていた。
特開平9−110059号公報
特開2003−81314号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の先提案によるキャップシールによれば、ドラム缶等容器の口金部への装着の際、口金部に嵌め被せたキャップシールを人手により、ポンと押さえるだけで、ワンタッチで簡単に装着することができるものゝ、キャップシールによる押え力が弱いために、ドラム缶等容器の外部密閉が若干弱いものであり、ドラム缶等容器の二重密閉が充分ではないという問題があった。
また近年、RFIDタグなどの開発により、これらのタグを用いて、商品の品質管理、輸送管理、入出庫管理、および位置管理等の物流管理が行なわれているが、ドラム缶等容器やその内容物に、これらのタグを適用して、物流管理を行なうことは、現段階では実施されておらず、その実現が強く望まれていた。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決しかつ従来の要望に応えんとするもので、ドラム缶等容器の二重密閉を充分に確実に果たすことができ、従って、ドラム等容器の天板上面に溜まった雨水がドラム缶等容器の内部に浸入するのを防止することができるだけでなく、外気(湿度、湿気)とドラム缶等容器の内容物とを確実に遮断することができて、内容物の品質が損なわれることがなく、また、横倒し状態のドラム缶等容器の内容物の漏洩を防止することができ、さらには、プラグに装着された内部ガスケットの周面とフランジの開口部上端との間の間隙に水やほこりが溜まるようなことがなく、従ってこれらの水やほこりによってドラム缶等容器内容物の品質が損なわれることがなく、しかもキャップシールの開封を非常に簡単にかつ確実に行なうことができて、取扱いが非常に簡単であり、確実な封印機能を果たし得る、ドラム缶等容器用キャップシール、およびこれを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置を提供しようとすることにある。
また、本発明の目的は、RFIDタグ等のタグによりドラム缶等容器内容物の物流管理を改善することができ、品質管理、商品管理、入出庫管理、および位置管理を、きわめて迅速にかつ確実に行なうことができる、ドラム缶等容器用キャップシール、およびこれを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明によるドラム缶等容器のキャップシールは、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体と、キャップシール本体の外側に嵌め被せられた金属製押えリングとを備え、キャップシール本体は、円形頂壁と、円形頂壁に設けられた破断用凹溝と、円形頂壁の周縁部に連なる環状段部と、環状段部の外周縁に連なる環状垂下壁とを有し、金属製押えリングは、キャップシール本体の環状段部に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部と、これの下縁に連なりかつキャップシール本体の環状垂下壁の外面に沿う環状垂下壁と、この環状垂下壁の下縁部に、環状垂下壁の下縁の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片と、開封用凸片の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠きと、リング破断用切欠きに連なりかつ環状垂下壁および環状係合部の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝とを有しており、キャップシールの装着時、キャップシール本体およびこれの外側の金属製押えリングが、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部に嵌め被せられた状態で、押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされるようになされ、開封の際には、押えリングの開封用凸片を引き上げることにより、押えリングの環状垂下壁がリング破断用切欠きおよびリング破断用凹溝に沿って破断され、キャップシール本体が、これの円形頂壁に設けられた破断用凹溝に沿って破断されることにより、開封されるようになされていることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の環状垂下壁が、ドラム缶等容器の口金部の上端部外面に密着せしめられる厚肉の上部シール部と、押えリングの環状垂下壁下部の屈曲変形により容器口金部の下部外面に密着せしめられかつ横断面円弧状の押圧用曲面を有する厚肉の下部シール用凸条と、両者を連結する薄肉の屈曲用中間連結部cとを具備することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の環状垂下壁の下部に、横断面円弧状の押圧用曲面を有しかつ内周方向に伸びる厚肉のシール用凸条が、複数個で、横断面波形状に設けられていることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、金属製押えリングに設けられた開封用凸片が、環状垂下壁下縁との接続部分において幅広となされ、かつ開封用凸片の左右両側縁部のうちの一方の側縁部が、環状垂下壁下縁に対して鋭角の外角となるように傾斜状に交って接続され、同他方の側縁部が、環状垂下壁下縁に対して鈍角の外角となるように傾斜状に交って接続されており、開封用凸片の鋭角の外角となるように傾斜状に交った側縁部を延長するように、環状垂下壁の下縁部にリング破断用切欠きが設けられ、さらに、この破断用切欠きを延長しかつ開封用凸片の傾斜状側縁部を延長するように傾斜状に伸びるリング破断用凹溝が設けられていることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の円形頂壁に設けられた破断用凹溝が、平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部と、該破断用凹溝主部の両端よりキャップシール本体の環状段部および環状垂下壁の方に伸びる破断用凹溝副部とを具備することを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体を構成する弾性素材が、合成樹脂、エラストマーまたは合成ゴムであることを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体が合成樹脂製であり、該キャップシール本体の円形頂壁の内面に、ドラム缶等容器内容物等の情報を記憶させたRFIDタグ等のタグが取り付けられていることを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項7に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の円形頂壁の内面に、タグ取付け用凸部が設けられ、ドラム缶等容器内容物の情報等を記憶させたRFIDタグ等のタグが、この凸部により掛け止められて円形頂壁の内面に保持されていることを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項7または8に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、タグが、ドラム缶等容器内容物の情報等を記憶させたRFIDタグ、同ICタグ、同QRコード表示タグ、または同バーコード表示タグであることを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置であって、円形頂壁と、円形頂壁に設けられた破断用凹溝と、円形頂壁の周縁部に連なる環状段部と、環状段部の外周縁に連なる環状垂下壁とを有しかつ内部シール部を有する口金部に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体、並びにキャップシール本体の環状段部に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部と、環状係合部の下縁に連なりかつキャップシール本体の環状垂下壁の外面に沿う環状垂下壁と、環状垂下壁の下縁部に、該下縁部の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片と、開封用凸片の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠きと、リング破断用切欠きに連なりかつ環状垂下壁および環状係合部の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝とを有する金属製押えリングを備え、キャップシール本体並びにこれの外側に嵌め被せられた金属製押えリングが、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部に嵌め被せられた状態で、押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に締め付けられて屈曲変形せしめられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされており、開封の際には、押えリングの開封用凸片を引き上げることにより、押えリングの環状垂下壁がリング破断用切欠きおよびリング破断用凹溝に沿って破断され、キャップシール本体が、これの円形頂壁に設けられた破断用凹溝に沿って破断されることにより、開封されるようになされていることを特徴としている。
本発明による請求項1のドラム缶等容器のキャップシールは、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体と、キャップシール本体の外側に嵌め被せられた金属製押えリングとを備え、キャップシール本体は、円形頂壁と、円形頂壁に設けられた破断用凹溝と、円形頂壁の周縁部に連なる環状段部と、環状段部の外周縁に連なる環状垂下壁とを有し、金属製押えリングは、キャップシール本体の環状段部に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部と、これの下縁に連なりかつキャップシール本体の環状垂下壁の外面に沿う環状垂下壁と、この環状垂下壁の下縁部に、環状垂下壁の下縁の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片と、開封用凸片の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠きと、リング破断用切欠きに連なりかつ環状垂下壁および環状係合部の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝とを有しており、キャップシールの装着時、キャップシール本体およびこれの外側の金属製押えリングが、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部に嵌め被せられた状態で、押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされるようになされ、開封の際には、押えリングの開封用凸片を引き上げることにより、押えリングの環状垂下壁がリング破断用切欠きおよびリング破断用凹溝に沿って破断され、キャップシール本体が、これの頂壁に設けられた破断用凹溝に沿って破断されることにより、開封されるようになされているもので、請求項1の発明によれば、キャップシールの装着の際、締付機によって押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて、容器口金部の外壁に押圧されて外部シールが果たされるようになされているから、ドラム缶等容器の内外二重密閉を確実に果たすことができるという効果を奏する。
従って、請求項1に記載のドラム缶等容器用のキャップシールの発明によれば、ドラム等容器の天板上面に溜まった雨水がドラム缶等容器の内部に浸入するのを防止することができできるだけでなく、外気(湿度、湿気)とドラム缶等容器の内容物とを確実に遮断することができて、内容物の品質が損なわれることがなく、また、横倒し状態のドラム缶等容器の内容物の漏洩を防止することができ、さらには、プラグに装着されたプラグ用ガスケットの周面とフランジの開口部上端との間の間隙に水やほこりが溜まるようなことがなく、従ってこれらの水やほこりによってドラム缶等容器内容物の品質が損なわれることがないという効果を奏する。
また、ドラム缶等容器の口金部の開封の際には、押えリングの開封用凸片を引き上げることにより、押えリングの環状垂下壁がリング破断用切欠きおよびリング破断用凹溝に沿って破断され、キャップシール本体が、これの円形頂壁に設けられた破断用凹溝に沿って破断されることにより、開封されるようになされているから、キャップシールの開封を非常に簡単にかつ確実に行なうことができて、取扱いが非常に簡単であり、確実な封印機能を果たし得るという効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のドラム缶等容器のキャップシールであって、キャップシール本体の環状垂下壁が、ドラム缶等容器の口金部の上端部外面に密着せしめられる厚肉の上部シール部と、押えリングの環状垂下壁下部の屈曲変形により容器口金部の下部外面に密着せしめられかつ横断面円弧状の押圧用曲面を有する厚肉の下部シール用凸条と、両者を連結する薄肉の屈曲用中間連結部とを具備するもので、請求項2の発明によれば、キャップシールの装着時、金属製押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて、キャップシール本体の環状垂下壁上部の厚肉上部シール部が、容器口金部の上端カール部外面に強く圧着されるとともに、同環状垂下壁下部の横断面円弧状の押圧用曲面を有する厚肉の下部シール用凸条が、容器口金部の下部外面に、いわゆる点接触(環状垂下壁の全体で見るといわゆる線接触)で当接して、強く圧着されるため、キャップシールによる外部シールを確実に果たすことができるという効果を奏する。
しかも、キャップシール本体の環状垂下壁下部の厚肉の下部シール用凸条は、その内側に横断面円弧状の押圧用曲面を有するものであるから、厚肉の下部シール用凸条が容器口金部の下部外面に圧着する際、いわゆる点接触(環状垂下壁の全体で見るといわゆる線接触)で当接して、厚肉の下部シール用凸条が容器口金部の下部外面に確実に密着して、外部シールを果し得るという効果を奏する。
なお、キャップシール本体の環状垂下壁上部の厚肉の上部シール部の内側面は、通常、平坦面であるが、他方の容器口金部の上端部外面は、フランジ筒部の上端折返しカール部で横断面円弧状の曲面となされているから、キャップシール本体の環状垂下壁上部の厚肉の上部シール部が、容器口金部の上端部外面(曲面)に圧着する際、やはり点接触(フランジ筒部の上端折返しカール部の全体で見るといわゆる線接触)で、当接するものであるから、厚肉の上部シール部が、容器口金部の上端部外面(曲面)に確実に密着して、外部シールを果し得るものである。
従って、例えばフランジ用ガスケットの装填不良などにより、フランジと天板立ち上がり筒部との間の密閉が損なわれたり、プラグ用ガスケットの捩じれ等の不具合により、フランジとプラグとの間の密閉が損なわれたりした場合にも、本発明のキャップシールの上記の2箇所での外部シールにより、ドラム缶等容器の口金部の密封を確実に果し得るという効果を奏する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の環状垂下壁の下部に、横断面円弧状の押圧用曲面を有しかつ内周方向に伸びる厚肉のシール用凸条が、複数個で、横断面波形状に設けられているもので、請求項3の発明によれば、キャップシール本体の環状垂下壁下部の複数個の厚肉のシール用凸条が、それぞれの内側の横断面円弧状の押圧用曲面において容器口金部の下部外面に、いわゆる点接触(環状垂下壁の全体で見るといわゆる線接触)で当接して、強く圧着せしめられるものであるから、複数個の厚肉の下部シール用凸条が容器口金部の下部外面に確実に密着して、外部シールを有効に果し得るという効果を奏する。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、金属製押えリングに設けられた開封用凸片が、環状垂下壁下縁との接続部分において幅広となされ、かつ開封用凸片の左右両側縁部のうちの一方の側縁部が、環状垂下壁下縁に対して鋭角の外角となるように傾斜状に交って接続され、同他方の側縁部が、環状垂下壁下縁に対して鈍角の外角となるように傾斜状に交って接続されており、開封用凸片の鋭角外角側の傾斜状側縁部を延長するように、環状垂下壁の下縁部にリング破断用切欠きが設けられ、さらに、この破断用切欠きを延長しかつ開封用凸片の傾斜状側縁部を延長するように傾斜状に伸びるリング破断用凹溝が設けられているもので、請求項4の発明によれば、開封用凸片の左右両側縁部のうちの一方の側縁部が、環状垂下壁下縁に対して鋭角の外角となるように傾斜状に交って接続されているため、ドラム缶等容器の開封の際には、開封用凸片を、その一方の鋭角外角側の傾斜状側縁部を延長する方向に引っ張って斜めに捻ることにより、押えリングの環状垂下壁が、リング破断用切欠きおよびリング破断用凹溝に沿って簡単に切り裂かれて、金属製押えリングを除去し、開封できるようになされているから、キャップシールの開封を簡単にかつ確実に行なうことができて、取扱いが非常に簡単であるという効果を奏する。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の円形頂壁に設けられた破断用凹溝が、平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部と、該破断用凹溝主部の両端よりキャップシール本体の環状段部および環状垂下壁の方に伸びる破断用凹溝副部とを具備するもので、請求項5の発明によれば、ドラム缶等容器の開封の際、上記金属製押えリングの破断除去の後に、キャップシール本体の円形頂壁に設けられた平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部の円の中心部分を、例えばハンマー等の工具で叩いて、該欠円形凹溝主部を破断させ、ついで、この欠円形凹溝主部の内側の頂壁部分を引き上げると、欠円形凹溝主部の両端に連なる破断用凹溝副部に沿ってキャップシール本体の頂壁残部、環状段部、および環状垂下壁が順に破断されて、キャップシール本体を除去し、開封できるようになされているから、キャップシールの開封を簡単にかつ確実に行なうことができて、取扱いが非常に簡単であるという効果を奏する。
請求項6の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体を構成する弾性素材が、合成樹脂、エラストマーまたは合成ゴムであるもので、請求項6の発明によれば、ドラム缶等容器の内外二重密閉を確実に果たすことができ、例えばドラム等容器の天板上面に溜まった雨水がドラム缶等容器の内部に浸入するのを防止することができできるだけでなく、外気(湿度、湿気)とドラム缶等容器の内容物とを確実に遮断することができて、内容物の品質が損なわれることがなく、また、横倒し状態のドラム缶等容器の内容物の漏洩を防止することができ、さらには、プラグに装着されたプラグ用ガスケットの周面とフランジの開口部上端との間の間隙に水やほこりが溜まるようなことがなく、従ってこれらの水やほこりによってドラム缶等容器内容物の品質が損なわれることがないという効果を奏する。
請求項7の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体が合成樹脂製であり、該キャップシール本体の円形頂壁の内面に、ドラム缶等容器内容物等の情報を記憶させたRFIDタグ等のタグが取り付けられているもので、請求項7の発明によれば、RFIDタグ等のタグによりドラム缶等容器内容物の物流管理を改善することができ、品質管理、商品管理、入出庫管理および位置管理を、きわめて迅速にかつ確実に行なうことができるという効果を奏する。
請求項8の発明は、請求項7に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、キャップシール本体の円形頂壁の内面に、タグ取付け用凸部が設けられ、ドラム缶等容器内容物の情報等を記憶させたRFIDタグ等のタグが、この凸部により掛け止められて円形頂壁の内面に保持されているもので、請求項8の発明によれば、RFIDタグ、ICタグ、QRコード表示タグ、またはバーコード表示タグ等のタグを、ワンタッチで非常に簡単にキャップシール本体の円形頂壁内面に取り付けることができ、作業性が優れていて、キャップシールの製造を容易かつ安価に行なうことができるという効果を奏する。
請求項9の発明は、請求項7または8に記載のドラム缶等容器用キャップシールであって、タグが、ドラム缶等容器内容物の情報等を記憶させたRFIDタグ、同ICタグ、同QRコード表示タグ、または同バーコード表示タグであるもので、請求項9の発明によれば、これらのタグを用いることにより、ドラム缶等容器内容物の品質管理、商品管理、入出庫管理、および位置管理を、きわめて迅速にかつ確実に行なうことができるという効果を奏する。
請求項10の発明は、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置であって、円形頂壁と、円形頂壁に設けられた破断用凹溝と、円形頂壁の周縁部に連なる環状段部と、環状段部の外周縁に連なる環状垂下壁とを有しかつ内部シール部を有する口金部に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体、並びにキャップシール本体の環状段部に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部と、環状係合部の下縁に連なりかつキャップシール本体の環状垂下壁の外面に沿う環状垂下壁と、環状垂下壁の下縁部に、該下縁部の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片と、開封用凸片の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠きと、リング破断用切欠きに連なりかつ環状垂下壁および環状係合部の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝とを有する金属製押えリングを備え、キャップシール本体並びにこれの外側に嵌め被せられた金属製押えリングが、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部に嵌め被せられた状態で、押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に締め付けられて屈曲変形せしめられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされており、開封の際には、押えリングの開封用凸片を引き上げることにより、押えリングの環状垂下壁がリング破断用切欠きおよびリング破断用凹溝に沿って破断され、キャップシール本体が、これの円形頂壁に設けられた破断用凹溝に沿って破断されることにより、開封されるようになされているもので、請求項10の発明によれば、キャップシールの装着の際、締付機によって押えリングの環状垂下壁が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて、容器口金部の外壁に押圧されて外部シールが果たされるようになされているから、ドラム缶等容器の内外二重密閉を確実に果たすことができるという効果を奏する。
従って、請求項10に記載のドラム缶等容器の二重密閉装置の発明によれば、ドラム等容器の天板上面に溜まった雨水がドラム缶等容器の内部に浸入するのを防止することができできるだけでなく、外気(湿度、湿気)とドラム缶等容器の内容物とを確実に遮断することができて、内容物の品質が損なわれることがなく、また、横倒し状態のドラム缶等容器の内容物の漏洩を防止することができ、さらには、プラグに装着されたプラグ用ガスケットの周面とフランジの開口部上端との間の間隙に水やほこりが溜まるようなことがなく、従ってこれらの水やほこりによってドラム缶等容器内容物の品質が損なわれることがないという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
この明細書において、左右および上下は、図4を基準とし、左とは図4の左側、右とは同右側をいゝ、前とは同図の上側、後とは同下側をいうものとする。
図1〜図8は、本発明のキャップシールの第1実施形態を示すものである。
ここで、図1は、本発明のキャップシールをドラム缶の口金部(20)に嵌め被せた状態を示す部分拡大縦断面図で、金属製押えリング(11)の締め付け後の状態を示している。図2は、同全体縦断面図で、金属製押えリング(11)の締め付け後の状態を示している。図3は、キャップシール本体(1)と、金属製押えリング(11)とを組み合わせた本発明のキャップシールの縦断面図で、金属製押えリング(11)は締め付け前の状態である。図4は、キャップシールの平面図、図5は、同底面図で、それぞれ装着前の状態を示している。図6は、金属製押えリング(11)の部分切欠き側面図、図7は、キャップシール本体(1)の左側面図である。図8は、本発明のキャップシールをドラム缶の口金部に装着する際の要部拡大縦断面図である。
まず、図1と図2を参照すると、例えばドラム缶の天板(41)には、通常、大小2つ、あるいは同じ大きさ2つの口金部(20)が設けられている。なお、図面においては、大小2つの口金部の小さい方の口金部、あるいはまた同じ大きさ2つの口金部のうちの一方の口金部の図示は、省略されている。
ドラム缶天板の口金部(20)においては、天板(41)に円形の立上り筒部(42)が設けられ、その高さの中間部に環状段部(43)が設けられている。そして、天板(41)の立上がり筒部(42)に内ねじタイプの圧入形フランジ(21)が下から圧入され、その上縁先端部(21a)が外側に折り曲げられて、立上がり筒部(42)の上端部(42a)に巻き取められることにより、上縁折返し先端部(21a)が立上がり筒部(42)の上端部(42a)に係り合わせられている。
圧入形フランジ(21)下縁の鍔部(22)の外周縁は、平面よりみて八角形を有していて、これが天板(41)の環状段部(43)下側の同八角形の回り止め用裾部の内周縁に係り合わされている。
そして、鍔部(22)には、プレス加工により平面よりみて円形の環状突部(25)が上方突出状に設けられて、環状突部(25)とフランジ(21)筒部との間にガスケット収容間隙が形成され、このガスケット収容間隙内にいわゆるフランジ用ガスケット(24)が嵌め入れられている。
このフランジ用ガスケット(24)としては、シリコンゴムよりなるガスケットをライニングにより取り付けるのが望ましいが、その他O−リング、断面角形の環状ガスケットを使用してもよく、あるいはまたドラム缶のいわゆるチャイム部分に封入するようなシーリング・コンパウンドを使用してもよい。
一方、ドラム缶用のプラグ(蓋)(31)は逆ハット形を有していて、その上端環状外方凸縁部(32)の下側にプラグ用ガスケット(34)が取り付けられている。
そして、圧入形フランジ(21)内側の雌ねじ部(23)に、このプラグ用ガスケット(34)付きプラグ(31)の雄ねじ部(33)がねじ込まれて、プラグ用ガスケット(34)が、フランジ(21)の上縁折返し先端部(21a)の内周面に密着せしめられることにより、ドラム缶の口金部(20)が密閉されている。
このように、ドラム缶の口金部(20)は、これらのフランジ用ガスケット(24)とプラグ用ガスケット(34)とによって、いわゆる内部シールが果たされている。
つぎに、図3〜図8を参照すると、本発明によるキャップシールは、ドラム缶の天板(41)の密閉後の内部シール部を有する口金部(20)に被せ止められて、外部シールを果たすものである。
本発明によるキャップシールは、ドラム缶の内部シール部を有する口金部(20)に嵌め被せられかつポリエチレン樹脂等の合成樹脂、エラストマーまたは合成ゴム等のシール性(密封性)を有する弾性素材よりなるキャップシール本体(1)と、キャップシール本体(1)の外側に嵌め被せられた金属製押えリング(11)とを備えている。
図3〜図5、図7に詳しく示すように、本発明によるキャップシールのキャップシール本体(1)は、円形頂壁(2)と、円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)と、円形頂壁(2)の周縁部に連なる環状段部(3)と、環状段部(3)の外周縁に連なる環状垂下壁(4)とを有している。
ここで、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が、ドラム缶の口金部(20)の上端部外面に密着せしめられる厚肉の上部シール部(4a)と、押えリング(11)の環状垂下壁(14)下部の屈曲変形によりドラム缶口金部(20)の下部外面に密着せしめられかつ横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有する厚肉の下部シール用凸条(4b)と、両者を連結する薄肉の屈曲用中間連結部(4c)とを具備することが好ましい。
また、厚肉の下部シール用凸条(4b)の下端から環状垂下壁(4)の下端に至る部分には、いわゆる末広がりの逆テーパ状の傾斜面部(4d)が設けられていて、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が、ドラム缶口金部(20)に上から嵌め被せやすいようになされている。
さらに、図4と図7に示すように、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)が、平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)と、該破断用凹溝主部(5a)の左側両端よりキャップシール本体(1)の環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に平行状に伸びる2本の破断用凹溝副部(5b)(5b)とを具備することが好ましい。
これにより、ドラム缶の開封の際、金属製押えリング(11)を破断除去した後に、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)に設けられた平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)の円の中心部分を、例えばハンマー等の工具で叩いて、該欠円形破断用凹溝主部(5a)を破断させ、ついで、この欠円形破断用凹溝主部(5a)の内側の頂壁(2)部分を引き上げると、欠円形破断用凹溝主部(5a)の両端に連なる2本の破断用凹溝副部(5b)(5b)に沿ってキャップシール本体(1)の頂壁(2)残部、環状段部(3)、および環状垂下壁(4)が順に破断されて、キャップシール本体(1)を除去し、開封できるようになされているから、キャップシールの開封を簡単にかつ確実に行なうことができて、取扱いが非常に簡単である。
また、この実施形態では、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)に設けられた平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)の右側の円弧部分にも、これより左方に平行状に伸び、さらに環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に平行状に伸びる2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)が設けられている。
これらの破断用凹溝補助部(5c)(5c)は、上記の欠円形破断用凹溝主部(5a)および破断用凹溝副部(5b)(5b)によるキャップシール本体(1)の破断が不充分である場合に、さらに、2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)の間の頂壁(2)部分を、例えばハンマー等の工具で叩いて破断し、キャップシール本体(1)を完全に取り去るためのものである。
なお、キャップシール本体破断用凹溝(5)は、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)に設けられた平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)、および欠円形破断用凹溝主部(5a)の両端に連なる2本の破断用凹溝副部(5b)(5b)のうちキャップシール本体(1)の頂壁(2)残部と、環状段部(3)とに設けられた破断用凹溝副部(5b)(5b)は、それぞれキャップシール本体(1)の頂壁(2)および環状段部(3)の内面、および外面のいずれに設けられていてもよい。
また、キャップシール本体(1)の環状段部(3)から環状垂下壁(4)に伸びる2本の破断用凹溝副部(5b)(5b)は、環状垂下壁(4)の外面に設けられるのが、好ましいが、キャップシールの装着時、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の内側の厚肉のシール部(4a)(4b)による密封作用に差し障りがないように、例えば凹溝の深さを浅くするなどした場合には、これらの破断用凹溝副部(5b)(5b)は、環状垂下壁(4)の内面に設けることもできる。
また、欠円形破断用凹溝主部(5a)の右側の円弧部分より左方に平行状に伸び、さらに環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に平行状に伸びる2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)のうちキャップシール本体(1)の頂壁(2)残部と、環状段部(3)とに設けられた破断用凹溝補助部(5c)(5c)は、それぞれキャップシール本体(1)の円形頂壁(2)および環状段部(3)の内面、および外面のいずれに設けられていてもよい。
また、キャップシール本体(1)の環状段部(3)から環状垂下壁(4)に伸びる2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)は、環状垂下壁(4)の外面に設けられるのが、好ましいが、キャップシールの装着時、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の内側の厚肉のシール部(4a)(4b)による密封作用に差し障りがないように、例えば凹溝の深さを浅くするなどした場合には、これらの破断用凹溝補助部(5c)(5c)は、環状垂下壁(4)の内面に設けることもできる。
また、キャップシール本体破断用凹溝(5)、すなわち、平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)、該破断用凹溝主部(5a)の左側両端よりキャップシール本体(1)の環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に平行状に伸びる2本の破断用凹溝副部(5b)(5b)、および欠円形破断用凹溝主部(5a)の右側の円弧部分より左方に平行状に伸び、さらに環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に平行状に伸びる2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)の断面形状は、それぞれ横断面略V字形であるが、その他、横断面略U形などの断面形状であってもよく、キャップシール本体破断用凹溝(5)の断面形状は、図示のものに限定されるものではない。
あるいはまた、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)や環状段部(3)における破断用凹溝主部(5a)および破断用凹溝副部(5b)の平面形状、並びにキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)における破断用凹溝副部(5b)および破断用凹溝補助部(5c)の側面形状は、図示のものに限定されるものではなく、要するに、キャップシールの開封の際に、キャップシール本体(1)を破断除去することができるような形状であればよい。
一方、金属製押えリング(11)は、キャップシール本体(1)の環状段部(3)に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部(13)と、これの下縁に連なりかつキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の外面に沿う環状垂下壁(14)と、この環状垂下壁(14)の下縁部に、環状垂下壁(14)の下縁の両側に連なるように設けられた平面よりみて親指形の開封用凸片(15)と、開封用凸片(15)の左側に設けられたリング破断用切欠き(16)と、リング破断用切欠き(16)に連なりかつ環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝(17)とを有している。
図4〜図6に詳しく示すように、この実施形態では、金属製押えリング(11)に設けられた平面よりみて親指形の開封用凸片(15)が、環状垂下壁(14)下縁との接続部分において幅広となされ、かつ開封用凸片(15)の左側縁部(15a)が、環状垂下壁(14)下縁に対して鋭角の外角となるように傾斜状に交って接続され、同他方の右側縁部(15b)が、環状垂下壁(14)下縁に対して鈍角の外角となるように傾斜状に交って接続されており、開封用凸片(15)の鋭角の外角となるように傾斜状に交った側縁部(15a)を延長するように、環状垂下壁(14)の下縁部に側面よりみて逆略V形のリング破断用切欠き(16)が設けられ、さらに、この破断用切欠き(16)を延長しかつ開封用凸片(15)の傾斜状側縁部(15a)を延長するように傾斜状にかつ環状垂下壁(14)から環状係合部(13)の方に伸びる横断面略V形のリング破断用凹溝(17)が設けられている。
なお、図6に示す押えリング(11)の部分切欠き側面図では、説明を分かりやすくするのために、押えリング(11)の開封用凸片(15)が、下方に垂下状態に示されている。
押えリング(11)のリング破断用凹溝(17)は、環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の内面に設けられることが好ましいが、これら環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の外面に、リング破断用凹溝(17)が設けられていてもよい。
また、リング破断用凹溝(17)は横断面略V形を有しているが、これに限らず、リング破断用凹溝(17)は、金属製押えリング(11)の部分的剪断により薄肉となされたリング破断用薄肉部の形状を有していてもよい。
金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)下端の左右両側に連設された開封用凸片(15)には、荷札取付け紐またはワイヤ等(図示略)を挿通し得る円形の貫通孔(18)がそれぞれあけられている。
また、開封用凸片(15)には、互いに平行な2本の滑止め用凸部(19)が断面波形を有するように設けられていて、キャップシールの開封の際、例えばペンチ等の工具により開封用凸片(15)を挾んで引き上げる場合に、これらの滑止め用凸部(19)によって工具が滑らないように配慮されている。
金属製押えリング(11)は、通常、鋼製であるが、これはその他アルミニウム等の金属によりつくられていてもよい。金属製押えリング(11)は鋼製である方が、製造コストが安くつくので、好ましい。
本発明によるキャップシールは、図3〜図5に示すように、キャップシール本体(1)と、これの外側に嵌め被せる金属製押えリング(11)とを組み合わせた状態で使用される。
例えばドラム缶の天板(41)の口金部(20)の固定フランジ(21)に、プラグ用ガスケット(34)付きプラグ(31)がねじ込まれて密閉された状態において、本発明によるキャップシールを、このドラム缶口金部(20)に嵌め被せる。
このキャップシールの嵌め被せ状態では、図8aに示すように、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の厚肉上部シール部(4a)の内面が、ドラム缶の口金部(20)の上端カール部(21a)の外面に、いわゆる点接触(フランジ立ち上がり筒部の上端折返しカール部の全体で見るといわゆる線接触)で、当接している。
ついで、締付け機によって金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)が全周にわたって内方に締め付けるのであるが、締付け機による締め付け当初では、図8bに示すように、環状垂下壁(14)の内方への屈曲変形により、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の厚肉下部シール用凸条(4b)の横断面円弧状の押圧用曲面(8)が、ドラム缶口金部(20)の下部外面に、いわゆる点接触(環状垂下壁の全体で見るといわゆる線接触)で、当接する。
さらに、締付け機によって金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)を全周にわたって内方に締め付けると、押えリング(11)の環状垂下壁(14)が、全体として横断面略S字形に屈曲変形せしめられるとともに、これに伴って、内側のキャップシール本体垂下壁(4)が横断面略字S形に屈曲変形せしめられ、変形したキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)上部の厚肉上部シール部(4a)が、ドラム缶口金部(20)の上端部外面に強く圧着されるとともに、押えリング(11)の環状垂下壁(14)下部の横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有する厚肉の下部シール用凸条(4b)が、ドラム缶口金部(20)の下部外面に強く圧着されるため、キャップシールによる外部シールを確実に果たすことができる。
このとき、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)下部の厚肉の下部シール用凸条(4b)は、その内側に横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有するものであるから、厚肉の下部シール用凸条(4b)がドラム缶口金部(20)の下部外面に圧着する際、いわゆる点接触(環状垂下壁の全体で見るといわゆる線接触)で当接するものであるから、厚肉の下部シール用凸条(4b)がドラム缶口金部(20)の下部外面に確実に密着して、外部シールを果し得る。
なお、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)上部の厚肉の上部シール部(4a)の内側面は、通常、平坦面であるが、他方のドラム缶口金部(20)の上端部外面は、フランジ筒部の上端折返しカール部で横断面円弧状の曲面となされているから、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)上部の厚肉の上部シール部(4a)が、ドラム缶口金部(20)の上端部外面(曲面)に圧着する際、やはり点接触(フランジ筒部の上端折返しカール部の全体で見るといわゆる線接触)で当接するものであるから、厚肉の上部シール部(4a)が、ドラム缶口金部(20)の上端部外面(曲面)に確実に密着して、外部シールを果し得るものである。
ところで、通常、例えばドラム缶の天板(41)の口金部(20)では、固定フランジ(21)の鍔部(22)に装着されたフランジ用ガスケット(24)と、プラグ(31)の上端環状外方凸縁部(32)の下側に装着されたプラグ用ガスケット(34)とによって、いわゆる内部シールが果たされている。
そしていま、例えばフランジ用ガスケット(24)の装填不良などにより、フランジ(21)と天板(41)の立ち上がり筒部(42)との間の流体侵入/内容物漏洩経路の密封が損なわれたり、あるいはまたプラグ用ガスケット(34)の捩じれ等の不具合により、フランジ(21)とプラグ(31)との間の流体侵入/内容物漏洩経路の密封が損なわれたりした場合にも、本発明のキャップシールによれば、上記図8aに示すキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の厚肉上部シール部(4a)内面と、ドラム缶の口金部(20)の上端カール部(21a)外面との接触点、およびキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の厚肉下部シール用凸条(4b)の横断面円弧状の押圧用曲面(8)と、ドラム缶口金部(20)の下部外面との接触点の2箇所の接触点で、雨水や外気等の外部流体の侵入、およびドラム缶内容物の漏洩を阻止することができるから、これらの外部シールにより、ドラム缶の口金部(20)の密封を、いわゆる内外二重密閉により封印することができるものである。
なお、鋼板製の押えリング(11)は、締付け機による締め付けによってシワを生じることがあるが、本発明によるキャップシールは、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の上部シール部(4a)、および横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有する下部シール用凸条(4b)とが、いずれも厚肉であるため、 締付け機の締め付けによる鋼板製押えリング(11)のシワ発生にもかゝわらず、キャップシールによる密封不良を、充分に解消することができるという利点がある。
従って、本発明のドラム缶用のキャップシールによれば、ドラム缶の天板上面に溜まった雨水がドラム缶の内部に浸入するのを防止することができるだけでなく、外気(湿度、湿気)とドラム缶の内容物とを確実に遮断することができて、内容物の品質が損なわれることがない。また、横倒し状態のドラム缶の内容物の漏洩を防止することができ、さらには、プラグ(31)に装着されたプラグ用ガスケット(34)の周面とフランジ(31)の開口部上端との間の間隙に水やほこりが溜まるようなことがなく、従ってこれらの水やほこりによってドラム缶内容物の品質が損なわれることがない。
このように、本発明のキャップシールの装着後は、金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)の変形によりキャップシール本体(2)の垂下壁(4)の内面が、ドラム缶の口金部(20)の外面に全周にわたって圧接せしめられて密着されているから、キャップシールは、これを破断しないかぎり、容易に開封することができず、封印機能を確実に果たすことができる。
ところで、図1〜図3および図5に示すように、本発明によるキャップシールのキャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の下面には、平面よりみて円弧形の破断用凹溝部分(6b)(6b)の内側に位置するように、環状のタグ取付け用凸部(7)が下方突出状に設けられていて、ドラム缶およびその内容物の情報を記憶させたRFIDタグ等のタグ(10)が、この環状取付け用凸部(7)下端部に設けられた横断面略円弧形のタグ掛止め用内方突起(7a)により掛り止められて、円形頂壁(2)の内面に保持されている。
これによって、RFID等のタグ(10)を、ワンタッチで非常に簡単にキャップシール本体(1)の円形頂壁(2)内面に取り付けることができ、作業性が優れていて、キャップシールの製造を容易かつ安価に行なうことができる。
本発明によるキャップシールに装着されるタグ(10)は、RFIDタグ、ICタグ、QRコード(二次元コード)表示タグ、またはバーコード表示タグであるのが、好ましい。
ここで、RFIDとは、 Radio Frequency Identification の略で、電波を利用した認証(認識)技術の総称であるが、最近では電波による非接触通信とICチップを利用した認証の組み合わせが、RFID技術の主流になりつつあるため、「RFID=ICチップを利用した非接触認証技術」を意味するものとして使用されている。
本発明においては、このようなタグや、ラベル状に加工されたアンテナ付ICチップであるRFIDを、ドラム缶のキャップシールのキャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の内面に保持し、そこに記憶された情報をリーダー・ライタと呼ばれる装置で読み取ることで、各個のドラム缶の認識を行うものである。
RFIDタグ等のタグ(10)には、例えば、ドラム缶内容物の品名、原材料名(内容物情報)、内容量(例えば、200L)、製造ロットNo.、製造年月日、消費期限、保存方法(温度管理、振動管理)、輸送方法(振動管理、位置管理)、製造者、発売元、その他の情報が記憶させられており、このようなRFIDタグ等のタグ(10)を具備する本発明のキャップシールを用いる物流管理システムによれば、ドラム缶内容物の生産(充填)から販売まで、すべての情報を関係部署がタイムリーに把握することができ、品質管理、商品管理、入出庫管理、および例えばGPSによる位置管理などの管理を、きわめて迅速に、最適かつ確実に行なうことができるものである。
なお、RFIDタグ等のタグ(10)をキャップシールのキャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の内面に取り付ける場合には、キャップシール本体(1)は、電波を通す物体でなければならないことから、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂製であることが必要である。
また、QRコード表示タグ、またはバーコード表示タグを取り付ける場合には、樹脂製キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)は、これらのコードを読み取るために、透明とすることが必要である。
上記の本発明によるキャップシールによるドラム缶口金部(20)の封印後、ドラム缶の内容物を使用する際にキャップシールを取り外すには、これを破断するが、これにはまず、押えリング(11)の開封用凸片(15)を引き上げることにより、押えリング(11)の環状垂下壁(14)をリング破断用切欠き(16)およびリング破断用凹溝(17)に沿って破断する。
このとき、上記のように、開封用凸片(15)の左側縁部(15a)が、環状垂下壁(14)下縁に対して鋭角の外角となるように傾斜状に交って接続されているため、ドラム缶の開封の際には、開封用凸片(15)を、その一方の鋭角外角側の傾斜状左側縁部(15a)を延長する方向に引っ張って、右側に斜めに捻ることにより、押えリング(11)の環状垂下壁(14)が、リング破断用切欠き(16)およびリング破断用凹溝(17)に沿って簡単に切り裂かれて、金属製押えリング(11)を除去することができる。
このように、ドラム缶の開封の際、金属製押えリング(11)を破断除去した後に、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)に設けられた平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)の円の中心部分を、例えばハンマー等の工具で叩いて、該欠円形破断用凹溝主部(5a)を破断させ、ついで、この欠円形破断用凹溝主部(5a)の内側の頂壁(2)部分を引き上げると、欠円形破断用凹溝主部(5a)の両端に連なる2本の破断用凹溝副部(5b)(5b)に沿ってキャップシール本体(1)の円形頂壁(2)残部、環状段部(3)、および環状垂下壁(4)が順に破断されて、キャップシール本体(1)を除去するものである。
なお、上記の欠円形破断用凹溝主部(5a)および破断用凹溝副部(5b)(5b)によるキャップシール本体(1)の破断が不充分である場合に、この実施形態では、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)の右側の円弧部分より左方に平行状に伸び、さらに環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に平行状に伸びる2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)が設けられているので、さらに、2本の破断用凹溝補助部(5c)(5c)の間の頂壁(2)部分を、例えばハンマー等の工具で叩いて破断し、キャップシール本体(1)を完全に取り去ることができる。
このように、本発明によれば、キャップシールの装着および開封を確実に行なうことができて、しかも二重密閉による確実な封印機能を果たし得る。
上記のように、本発明のキャップシールを用いたドラム缶の二重密閉装置は、円形頂壁(2)と、円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)と、円形頂壁(2)の周縁部に連なる環状段部(3)と、環状段部(3)の外周縁に連なる環状垂下壁(4)とを有しかつ内部シール部を有する口金部(20)に嵌め被せられた合成樹脂、エラストマーまたは合成ゴム製のキャップシール本体(1)、並びにキャップシール本体(1)の環状段部(3)に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部(13)と、環状係合部(13)の下縁に連なりかつキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の外面に沿う環状垂下壁(14)と、環状垂下壁(14)の下縁部に、該下縁部の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片(15)と、開封用凸片(15)の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠き(16)と、リング破断用切欠き(16)に連なりかつ環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝(17)とを有する金属製押えリング(11)を備え、キャップシール本体(1)並びにこれの外側に嵌め被せられた金属製押えリング(11)が、ドラム缶の内部シール部を有する口金部(20)に嵌め被せられた状態で、押えリング(11)の環状垂下壁(14)が全周にわたって内方に締め付けられて屈曲変形せしめられ、これによってキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部(20)の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされている。
そして、開封の際には、押えリング(11)の開封用凸片(15)を引き上げることにより、押えリング(11)の環状垂下壁(14)がリング破断用切欠き(16)およびリング破断用凹溝(17)に沿って破断され、キャップシール本体(1)が、これの円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)に沿って破断されることにより、開封されるようになされているものである。
本発明のドラム缶の二重密閉装置によれば、キャップシールの装着の際、締付機によって押えリング(11)の環状垂下壁が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体(1)の環状垂下壁が内方に屈曲変形せしめられて、ドラム缶口金部の外壁に押圧されて外部シールが果たされるようになされているから、ドラム缶の内外二重密閉を確実に果たすことができる。
従って、本発明のドラム缶の二重密閉装置によれば、ドラム缶の天板上面に溜まった雨水がドラム缶の内部に浸入するのを防止することができできるだけでなく、外気(湿度、湿気)とドラム缶の内容物とを確実に遮断することができて、内容物の品質が損なわれることがなく、また、横倒し状態のドラム缶の内容物の漏洩を防止することができ、さらには、プラグに装着されたプラグ用ガスケットの周面とフランジの開口部上端との間の間隙に水やほこりが溜まるようなことがなく、従ってこれらの水やほこりによってドラム缶内容物の品質が損なわれることがないものである。
図9は、本発明のキャップシールの第2実施形態を示すものである。同図に示すように、本発明においては、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の下部に、横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有しかつ内周方向に伸びる厚肉のシール用凸条(4b)が、複数個で、横断面波形状に設けられていてもよい。ここで、厚肉のシール用凸条(4b)の個数は、2〜5個、好ましくは2〜3個である。
キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)下部に、このような厚肉のシール用凸条(4b)が複数個設けられることにより、キャップシールの装着時、金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が内方に屈曲変形せしめられる際、複数個の横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有する厚肉の下部シール用凸条(4b)が、容器口金部(20)の下部外面に、いわゆる点接触(環状垂下壁の全体で見るといわゆる線接触)で当接して、強く圧着されるため、キャップシールによる外部シールを確実に果たすことができるものである。
また同図に示すように、最下位の厚肉下部シール用凸条(4b)の下端から環状垂下壁(4)の下端に至る部分には、いわゆる末広がりの逆テーパ状の傾斜面部(4d)が設けられていて、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が、ドラム缶口金部(20)に上から嵌め被せやすいようになされている点は、上記第1実施形態の場合と同様である。
つぎに、図10は、本発明のキャップシールの第3実施形態を示すものである。同図に示すように、本発明においては、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の内面には、上部から下部に至る平坦な内側面を有する厚肉のシール部(4e)が設けられていてもよい。
この場合にも、キャップシールの装着時、金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が内方に屈曲変形せしめられて、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の厚肉のシール部(4e)の全体が、ドラム缶口金部(20)の上端カール部の外面、および立ち上がり筒部(42)の外面に強く圧着されるため、キャップシールによる外部シールを確実に果たすことができる。
なお、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)上部の厚肉のシール部(4e)部分の平坦な内側面は、ドラム缶口金部(20)のフランジ筒部の上端折返しカール部(21a)の横断面円弧状の曲面となされた外面に対し、やはり点接触(フランジ筒部の上端折返しカール部の全体で見るといわゆる線接触)で当接して、強く圧着するものであるから、上記第1実施形態の場合と同様に、確実に密着して外部シールが果される。
他方、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)下部の厚肉シール部(4e)部分では、これの平坦な内側面が、ドラム缶口金部(20)の立ち上がり筒部(42)外面に対し、いわゆる面接触ではあるが、圧着せしめられて密着し、外部シールを確実に果し得るものである。
同図に示すように、厚肉のシール部(4e)の下端から環状垂下壁(4)の下端に至る部分には、いわゆる末広がりの逆テーパ状の傾斜面部(4d)が設けられていて、キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が、ドラム缶口金部(20)に上から嵌め被せやすいようになされている点は、上記第1実施形態の場合と同様である。
図11は、本発明のキャップシールの第4実施形態を示すもので、キャップシール本体と、金属製押えリングとを組み合わせた状態の平面図である。図12は、同底面図である。
この第4実施形態において、上記第1実施形態の場合と異なる点は、開封用凸片(15)には、平面よりみて円形の滑止め用凸部(19)が断面波形を有するように設けられている点にある。これにより、キャップシールの開封の際、例えばペンチ等の工具により開封用凸片(15)を挾んで引き上げる場合に、これらの滑止め用凸部(19)によって工具が滑らないように配慮されている。
この第4実施形態のその他の点は、上記第1実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
図13は、本発明のキャップシールの第5実施形態を示すもので、キャップシール本体と、金属製押えリングとを組み合わせた状態の平面図である。図14は、同底面図である。
この第5実施形態において、上記第1実施形態の場合と異なる点は、金属製押えリング(11)の開封用凸片(15)に設けられた荷札取付け紐またはワイヤ等挿通用貫通孔(18)が、平面よりみて矢印形の形状を有している点、および図14に示すように、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の下面に、平面よりみて円弧形の破断用凹溝部分(6b)(6b)の内側に位置するように設けられたタグ取付け用凸部(7)が、環状でなく、タグ(10)を掛け止め得る3個の凸部(7)によって構成されている点にある。
このように、開封用凸片(15)に設けられた荷札取付け紐またはワイヤ等挿通用貫通孔(18)が、平面よりみて矢印形の形状を有しているため、金属製押えリング(11)の開封方向(破断方向)が非常に分かりやすく、使用に便利である。
なお、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)下面に設けられたタグ取付け用凸部(7)は、上記のものに限らず、タグ(10)を掛け止め得る複数個の凸部(7)によって構成されていてもよい。
この第5実施形態のその他の点は、上記第1実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
図15は、本発明のキャップシールの第6実施形態を示すもので、キャップシール本体と、金属製押えリングとを組み合わせた状態の平面図である。図16は、同底面図である。図17は、図16のキャップシールの金属製押えリングの縦断面図で、説明の都合上、押えリングの開封用凸片が、下方に垂下状態に示されている。
この第6実施形態において、上記第1実施形態の場合と異なる点は、金属製押えリング(11)に設けられた開封用凸片(15)が、平面よりみて略方形を有している点、および開封用凸片(15)の左右両側にリング破断用切欠き(16)と、リング破断用切欠き(16)に連なりかつ環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝(17)とが設けられている点にある。
この第6実施形態のその他の点は、上記第1実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
なお、本発明のキャップシール、およびこれを用いた二重密閉装置は、ドラム缶の他に、ガロン缶等の同種の容器にも同様に適用可能である。
また、上記の各実施形態においては、本発明のキャップシールの金属製押えリング(11)の環状垂下壁(14)には、左右両側に開封用凸片(15)が連設されているが、これは、キャップシールの開封時に、一方の開封用凸片(15)を引き上げた際、例えばこれによっては押えリング(11)が破断できなかったような場合に、もう一方の開封用凸片(15)によりキャップシールを開封することができるので、安全のために、左右両側に開封用凸片(15)が連設されているものである。しかしながら、このような開封用凸片(15)は、左右両側のうちのいずれか一方に設けられていてもよい。
また、上記の各実施形態において、図示されているRFIDタグは円形であるが、これに限らず、タグ(10)は、四角形、楕円形、その他の形状であってもよく、特に、QRコード表示タグや、バーコード表示タグは、四角形のものが多い。
また、RFIDタグ、ICタグ、QRコード表示タグ、またはバーコード表示タグ等のタグ(10)は、キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)内面に、その他、接着などの手段により取り付けられていてもよい。
さらに、タグ(10)としては、上記のものに限らず、ドラム缶等容器内容物の品質や、製造会社名、販売会社名、マーク等をプリント(印刷)したものであってもよく、これらのタグ(10)によって、ドラム缶等容器内容物の品質保証を果たすこともできる。
なおここで、本発明によるキャップシールを製造するには、例えばまず、一方のポリエチレン樹脂等の合成樹脂、エラストマーまたは合成ゴム製のキャップシール本体(1)を金型により一体成形により作製して、これの円形頂壁(2)、環状段部(3)、および環状垂下壁(4)を形成することができる。このとき、円形頂壁(2)下面の環状タグ取付け用凸部(7)も一体成形により作製することができるが、その下端部のタグ掛止め用内方突起(7a)は、成形金型からキャップシール本体(1)の一括引き抜きができるように、横断面略円弧形としておくのが、好ましい。
つぎに、本発明のキャップシールのいま1つの構成材料である金属製押えリング(11)は、例えば鋼板またはアルミニウム板等の金属板を、所定の直径を有する円形板に打ち抜き、ついで、プレス成形により、環状係合部(13)、環状垂下壁(14)、および開封用凸片(15)を形成して作製する。
なお、本発明においては、材料コストが安くつくという意味で、金属製押えリング(11)は鋼板製であるのが好ましい。
こうして作製されたキャップシール本体(1)に、押えリング(11)を嵌め被せてセットし、本発明によるキャップシールを製造するものである。
1:キャップシール本体
2:円形頂壁
3:環状段部
4:環状垂下壁
4a:厚肉の上部シール部
4b:厚肉の下部シール用凸条
4c:薄肉の屈曲用中間連結部
4d:末広がりの逆テーパ状傾斜面部
4e:厚肉のシール部
5:キャップシール本体破断用凹溝
5a:平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部
5b:破断用凹溝副部
5c:破断用凹溝補助部
7:タグ取付け用凸部
7a:タグ掛止め用内方突起
10:RFIDタグ
11:金属製押えリング
13:環状係合部
14:環状垂下壁
15:開封用凸片
15a:荷札取付け用線材等挿通孔
15b:ペンチ等開封工具引掛け用凸部
16:リング破断用切欠き
17:リング破断用凹溝
20:ドラム缶の口金部
21:圧入フランジ
21a:上縁折返し先端部
24:フランジ用ガスケット
31:プラグ
34:プラグ用ガスケット
41:天板
42:立上がり筒部
42a:筒部上端部
2:円形頂壁
3:環状段部
4:環状垂下壁
4a:厚肉の上部シール部
4b:厚肉の下部シール用凸条
4c:薄肉の屈曲用中間連結部
4d:末広がりの逆テーパ状傾斜面部
4e:厚肉のシール部
5:キャップシール本体破断用凹溝
5a:平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部
5b:破断用凹溝副部
5c:破断用凹溝補助部
7:タグ取付け用凸部
7a:タグ掛止め用内方突起
10:RFIDタグ
11:金属製押えリング
13:環状係合部
14:環状垂下壁
15:開封用凸片
15a:荷札取付け用線材等挿通孔
15b:ペンチ等開封工具引掛け用凸部
16:リング破断用切欠き
17:リング破断用凹溝
20:ドラム缶の口金部
21:圧入フランジ
21a:上縁折返し先端部
24:フランジ用ガスケット
31:プラグ
34:プラグ用ガスケット
41:天板
42:立上がり筒部
42a:筒部上端部
Claims (10)
- ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部(20)に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体(1)と、キャップシール本体(1)の外側に嵌め被せられた金属製押えリング(11)とを備え、キャップシール本体(1)は、円形頂壁(2)と、円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)と、円形頂壁(2)の周縁部に連なる環状段部(3)と、環状段部(3)の外周縁に連なる環状垂下壁(4)とを有し、金属製押えリング(11)は、キャップシール本体(1)の環状段部(3)に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部(13)と、これの下縁に連なりかつキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の外面に沿う環状垂下壁(14)と、この環状垂下壁(14)の下縁部に、環状垂下壁(14)の下縁の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片(15)と、開封用凸片(15)の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠き(16)と、リング破断用切欠き(16)に連なりかつ環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝(17)とを有しており、キャップシールの装着時、キャップシール本体(1)およびこれの外側の金属製押えリング(11)がドラム缶等容器の口金部(20)に嵌め被せられた状態で、押えリング(11)の環状垂下壁(14)が全周にわたって内方に屈曲変形せしめられて締め付けられ、これによってキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部(20)の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされるようになされ、開封の際には、押えリング(11)の開封用凸片(15)を引き上げることにより、押えリング(11)の環状垂下壁(14)がリング破断用切欠き(16)およびリング破断用凹溝(17)に沿って破断され、キャップシール本体(1)が、これの円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)に沿って破断されることにより、開封されるようになされていることを特徴とする、ドラム缶等容器用キャップシール。
- キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が、ドラム缶等容器の口金部(20)の上端部外面に密着せしめられる厚肉の上部シール部(4a)と、押えリング(11)の環状垂下壁(14)下部の屈曲変形により容器口金部(20)の下部外面に密着せしめられかつ横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有する厚肉の下部シール用凸条(4b)と、両者を連結する薄肉の屈曲用中間連結部(4c)とを具備することを特徴とする、請求項1に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- キャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の下部に、横断面円弧状の押圧用曲面(8)を有しかつ内周方向に伸びる厚肉のシール用凸条(4b)が、複数個で、横断面波形状に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- 金属製押えリング(11)に設けられた開封用凸片(15)が、環状垂下壁(14)下縁との接続部分において幅広となされ、かつ開封用凸片(15)の左右両側縁部のうちの一方の側縁部(15a)が、環状垂下壁(14)下縁に対して鋭角の外角となるように傾斜状に交って接続され、同他方の側縁部(15b)が、環状垂下壁(14)下縁に対して鈍角の外角となるように傾斜状に交って接続されており、開封用凸片(15)の鋭角の外角となるように傾斜状に交った側縁部(15a)を延長するように、環状垂下壁(14)の下縁部にリング破断用切欠き(16)が設けられ、さらに、この破断用切欠き(16)を延長しかつ開封用凸片(15)の傾斜状側縁部(15a)を延長するように傾斜状に伸びるリング破断用凹溝(17)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)が、平面よりみて欠円形の破断用凹溝主部(5a)と、該破断用凹溝主部(5a)の両端よりキャップシール本体(1)の環状段部(3)および環状垂下壁(4)の方に伸びる破断用凹溝副部(5b)(5b)とを具備することを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- キャップシール本体(1)を構成する弾性素材が、合成樹脂、エラストマーまたは合成ゴムであることを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- キャップシール本体(1)が合成樹脂製であり、該キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の内面に、ドラム缶等容器内容物等の情報を記憶させたRFIDタグ等のタグ(10)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- キャップシール本体(1)の円形頂壁(2)の内面に、タグ取付け用凸部(7)が設けられ、ドラム缶等容器内容物の情報等を記憶させたRFIDタグ等のタグ(10)が、この凸部(7)により掛け止められて円形頂壁(2)の内面に保持されていることを特徴とする、請求項7に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- タグ(10)が、ドラム缶等容器内容物の情報等を記憶させたRFIDタグ、同ICタグ、同QRコード表示タグ、または同バーコード表示タグであることを特徴とする、請求項7または8に記載のドラム缶等容器用キャップシール。
- 請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載のドラム缶等容器用キャップシールを用いたドラム缶等容器の二重密閉装置であって、円形頂壁(2)と、円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)と、円形頂壁(2)の周縁部に連なる環状段部(3)と、環状段部(3)の外周縁に連なる環状垂下壁(4)とを有しかつ内部シール部を有する口金部(20)に嵌め被せられかつシール性を有する弾性素材よりなるキャップシール本体(1)、並びにキャップシール本体(1)の環状段部(3)に係り合うように内方に屈曲せしめられた環状係合部(13)と、環状係合部(13)の下縁に連なりかつキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)の外面に沿う環状垂下壁(14)と、環状垂下壁(14)の下縁部に、該下縁部の一側または両側に連なるように設けられた開封用凸片(15)と、開封用凸片(15)の左右両側のうちの少なくともいずれか一側に設けられたリング破断用切欠き(16)と、リング破断用切欠き(16)に連なりかつ環状垂下壁(14)および環状係合部(13)の方にそれぞれ伸びるリング破断用凹溝(17)とを有する金属製押えリング(11)を備え、キャップシール本体(1)並びにこれの外側に嵌め被せられた金属製押えリング(11)が、ドラム缶等容器の内部シール部を有する口金部(20)に嵌め被せられた状態で、押えリング(11)の環状垂下壁(14)が全周にわたって内方に締め付けられて屈曲変形せしめられ、これによってキャップシール本体(1)の環状垂下壁(4)が内方に屈曲変形せしめられて容器口金部(20)の外壁に密着せしめられることにより、外部シールが果たされており、開封の際には、押えリング(11)の開封用凸片(15)を引き上げることにより、押えリング(11)の環状垂下壁(14)がリング破断用切欠き(16)およびリング破断用凹溝(17)に沿って破断され、キャップシール本体(1)が、これの円形頂壁(2)に設けられた破断用凹溝(5)に沿って破断されることにより、開封されるようになされていることを特徴とする、ドラム缶等容器の二重密閉装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011108532A1 (ja) * | 2010-03-01 | 2011-09-09 | 新日本製鐵株式会社 | パレット台車の漏風検知システム、パレット台車の漏風検知方法 |
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-
2008
- 2008-07-07 JP JP2008176996A patent/JP2010013175A/ja not_active Withdrawn
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