JP2010010343A - 差動型スパイラルインダクタ、集積回路装置及び電子機器 - Google Patents

差動型スパイラルインダクタ、集積回路装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】対称性の改善により差動特性の向上と消費電力の低減を実現する差動型スパイラルインダクタ、集積回路装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の差動型スパイラルインダクタ10は、端子12と、対称線16に対して端子12と線対称の位置にある端子14と、端子12と端子14を電気的に接続する導電性配線100と、それぞれ導電性配線100の一部であり、異なる配線層に形成された交差配線112と交差配線114が対称線16上において交差する少なくとも1つの交差部110と、を含む。導電性配線100は、交差部以外の非交差部において、交差配線112が形成された配線層及び交差配線114が形成された配線層を含む複数の配線層に、対称線16に対して線対称な形状の複数の配線パターンがそれぞれ形成され、当該複数の配線パターンは多数のホール108を介して導電性部材により電気的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、差動型スパイラルインダクタ、集積回路装置及び電子機器に関する。
近年の携帯電話に代表される移動体通信機器の急速な発展に伴い、その搭載部品である半導体集積回路装置(IC)の高機能化、小型化、低電力化の要求が厳しくなってきている。特に、高周波の電波を送受信するRF(Radio Frequency)回路に対して高い性能が要求されている。RF回路の構成要素として、例えば、図9(A)の電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)、図9(B)の低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)や電力増幅器(Power Amplifier:PA)があり、これらの差動回路には差動型のスパイラルインダクタ1000が使用される。図9(C)は、差動型スパイラルインダクタ1000の等価回路であり、差動特性を向上させるためにはA−C間の配線のインピーダンスとB−C間の配線のインピーダンスを等しくするために、抵抗成分R及びR、容量成分C及びCをそれぞれ等しくすることが重要である。差動特性を向上させるための従来の手法として、例えば、差動型スパイラルインダクタの配線パターンが左右対称になるように配線パターンを形成する手法が提案されている。
特開2005−191217号公報
図10(A)〜図10(C)は、従来の差動型スパイラルインダクタについて説明するための図である。図10(A)は、従来の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図10(B)及び図10(C)は、それぞれ、図10(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。図10(A)〜図10(C)に示すように、従来の差動型スパイラルインダクタ1000では、A−C間の配線(例えば、メタル6配線層の配線パターン1002により構成される配線)と、B−C間の配線(例えば、メタル6配線層の配線パターン1004、メタル5配線層の配線パターン1102、メタル6配線層の配線パターン1002により構成される配線)が交差する交差部1100で両配線を異なる配線層に形成するために、B−C間の配線の配線層がビアホール1006を介して変更される。従って、ビアホール1006の抵抗の分だけ、A−C間の配線の抵抗成分RとB−C間の配線の抵抗成分Rに差が生じる。特に、差動型スパイラルインダクタ1000が奇数個の交差部1100を含み奇数回交差する場合は、A−C間の配線とB−C間の配線のビアホール1006の数を等しくすることが難しく、抵抗成分RとRの差が特に顕著になる。一方、差動型スパイラルインダクタ1000が偶数個の交差部1100を含み偶数回交差する場合は、交差部における配線の交差のしかたを工夫してA−C間の配線とB−C間の配線のビアホール1006の数を等しくすることにより抵抗成分RとRの差を小さくすることも可能である。しかし、製造ばらつきに起因するIC毎の特性ばらつきを考慮すると、従来の手法では、差動型スパイラルインダクタの差動特性を向上させることが難しかった。さらに、ICの低電力化の要求に応えるためには差動回路におけるエネルギー損失を小さくすることも重要である。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、対称性の改善により差動特性の向上と消費電力の低減を実現する差動型スパイラルインダクタ、集積回路装置及び電子機器を提供することを目的とする。
(1)本発明は、
第1の端子と、
対称線に対して前記第1の端子と線対称の位置にある第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子を電気的に接続する導電性配線と、
それぞれ前記導電性配線の一部であり、異なる配線層に形成された第1の交差配線と第2の交差配線が前記対称線上において交差する少なくとも1つの交差部と、を含み、
前記導電性配線は、
前記交差部以外の非交差部において、前記第1の交差配線が形成された配線層及び前記第2の交差配線が形成された配線層を含む複数の配線層に、前記対称線に対して線対称な形状の複数の配線パターンがそれぞれ形成され、当該複数の配線パターンは多数のホールを介して導電性部材により電気的に接続されていることを特徴とする差動型スパイラルインダクタである。
配線層は、メタル配線層であってもよいし、ポリシリコン配線層であってもよい。
ホールは、ポリシリコン配線とメタル1層配線を接続するためのコンタクトホールであってもよいし、連続する複数のメタル配線層に形成されたメタル配線を接続するためのビアホールであってもよい。
第1の交差配線及び第2の交差配線は、異なる配線層に形成されていればよく、それぞれ複数の配線層に形成されていてもよい。
本発明によれば、第1の端子と第2の端子は対称線に対して線対称の位置にある。また、第1の端子と第2の端子を電気的に接続する導電性配線は、非交差部において、複数の配線層に、当該対称線に対して線対称な形状の複数の配線パターンがそれぞれ形成されている。そのため、第1の端子をA点、第2の端子をB点、第1の端子からの経路長と第2の端子からの経路長がほぼ等しくなる対称線上の点をC点とすると、A−C間の配線とB−C間の配線の非交差部の配線パターンの配線抵抗及び配線容量はほぼ等しい。さらに、複数の配線層に形成された非交差部の配線パターンは、多数のホールを介して導電性部材により電気的に接続されている。そのため、A−C間の配線とB−C間の配線の非交差部における多数のホールによる並列抵抗もほぼ同じである。従って、A−C間の配線の非交差部のインピーダンスとB−C間の配線の非交差部のインピーダンスはほぼ等しい。すなわち、本発明によれば、A−C間の配線とB−C間の配線において非交差部と交差部を接続するためのホールの抵抗の差がほとんどないので、差動特性を向上させることができる。
また、本発明によれば、非交差部の配線パターンを複数の配線層に形成して多数のホールを介して接続する。従って、本発明によれば、導電性配線の大部分を占める非交差部の配線の抵抗成分がより小さくなるため差動型スパイラルインダクタのQ値が向上し、エネルギー損失が小さくなり消費電力を低減することができる。
(2)本発明の差動型スパイラルインダクタは、
奇数個の前記交差部を含むようにしてもよい。
本発明によれば、非交差部の配線は多数のホールを介して導電性部材により電気的に接続された複数の配線層における配線パターンにより形成されているので、交差部が奇数個であっても、上記のA−C間の配線のホールによる並列抵抗とB−C間の配線のホールによる並列抵抗をほぼ同じにすることができる。
(3)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記導電性配線は、
前記非交差部において1つの前記配線パターンが最上位の配線層に形成されているようにしてもよい。
一般的に、最上位の配線層は他の配線層にくらべて厚いので、本発明によれば、非交差部の配線の抵抗成分をより小さくすることができる。また、非交差部の配線と半導体基板の間の寄生容量をより小さくすることができる。従って、本発明によれば、差動型スパイラルインダクタのQ値が向上し、エネルギー損失が小さくなり消費電力を低減することができる。
(4)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記交差部は、
前記第1の交差配線及び前記第2の交差配線が前記最上位の配線層と異なる少なくとも1つの配線層にそれぞれ形成され、前記第1の交差配線が形成される配線層の数と前記第2の交差配線が形成される配線層の数が同じであるようにしてもよい。
一般に、最上位の配線層以外の配線層の厚みはほぼ等しいので、本発明によれば、第1の交差配線の抵抗成分と第2の交差配線の抵抗成分をほぼ等しくすることができる。従って、本発明によれば、上記のA−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
(5)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記交差部は、
前記第1の交差配線が前記最上位の配線層に形成されているようにしてもよい。
(6)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記交差部は、
前記第2の交差配線が、前記最上位の配線層と異なる連続した複数の配線層に形成された複数の配線パターンがホールを介して導電性部材により電気的に接続されているようにしてもよい。
一般に、最上位の配線層は他の配線層にくらべて厚いので、第1の交差配線を最上位の配線層に形成し、第1の交差配線と同じ幅の第2の交差配線を最上位の配線層と異なる1つの配線層に形成すると、第2の交差配線の抵抗成分が第1の交差配線の抵抗成分よりも大きくなる。しかし、本発明によれば、第1の交差配線は最上位の配線層に形成され、第2の交差配線は最上位の配線層と異なる連続した複数の配線層に形成されるので、第1の交差配線の抵抗成分と第2の交差配線の抵抗成分の差をより小さくすることができる。従って、本発明によれば、上記のA−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
(7)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記交差部は、
前記交差部は、
前記第1の交差配線の幅が前記第2の交差配線の幅よりも狭いようにしてもよい。
一般に、第1の交差配線及び第2の交差配線と半導体基板の間の寄生容量を小さくするためには、第1の交差配線及び第2の交差配線をなるべく上位の配線層に形成することが好ましい。すなわち、第1の交差配線を最上位の配線層に形成し、第2の交差配線を最上位から2番目の配線層に形成する場合が寄生容量を最も小さくすることができる。ここで、一般に、最上位の配線層は他の配線層にくらべて厚いので、第1の交差配線と第2の交差配線を同じ幅にすると第2の交差配線の抵抗成分が第1の交差配線の抵抗成分よりも大きくなる。しかし、本発明によれば、第1の交差配線は最上位の配線層において第2の交差配線よりも細くなるように形成されるので、第1の交差配線の抵抗成分と第2の交差配線の抵抗成分の差をより小さくすることができる。従って、本発明によれば、上記のA−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
(8)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記交差部は、
前記第1の交差配線の幅及び前記第2の交差配線の幅が前記非交差部の配線の幅と略同じであるようにしてもよい。
(9)本発明の差動型スパイラルインダクタにおいて、
前記導電性配線は、
前記非交差部において、前記第1の交差配線又は前記第2の交差配線の両端に接続される2つの非交差配線の幅が異なり、前記2つの非交差配線のうち、幅の狭い前記非交差配線が形成される配線層の数は幅の広い前記非交差配線が形成される配線層の数よりも多いようにしてもよい。
第1の交差配線又は第2の交差配線の両端に接続される2つの非交差配線の幅が異なる場合、これら2つの非交差配線を複数の同じ配線層に形成すると、幅の狭い非交差配線の抵抗が増加してしまう。しかし、本発明によれば、幅の狭い非交差配線ほど多くの配線層に形成することにより、配線抵抗の増加を効果的に抑制することができる。従って、本発明によれば、上記のA−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の増加を効果的に抑制することができるので、差動型スパイラルインダクタのQ値の低下を抑制し、消費電力の増加を抑制することができる。
(10)本発明は、
上記のいずれかに記載の差動型スパイラルインダクタを含むことを特徴とする集積回路装置である。
(11)本発明は、
上記に記載の集積回路装置と、
前記集積回路装置の処理対象となるデータの入力手段と、
前記集積回路装置により処理されたデータを出力するための出力手段とを含むことを特徴とする電子機器である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.差動型スパイラルインダクタ
1−1.第1実施例
図1(A)〜図1(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第1実施例について説明するための図である。図1(A)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図1(B)及び図1(C)は、それぞれ、図1(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。
差動型スパイラルインダクタ10は、図1(A)〜図1(C)に示すように、端子12(第1の端子の一例)、対称線16に対して端子12と線対称の位置にある端子14(第2の端子の一例)、端子12と端子14を電気的に接続する導電性配線100を含む。
また、差動型スパイラルインダクタ10は、少なくとも1つの交差部110を含む。交差部110において、交差配線112(第1の交差配線の一例)と交差配線114(第2の交差配線の一例)は対称線16上で交差する。交差配線112と交差配線114は、それぞれ導電性配線100の一部であり、異なる配線層に形成されている。例えば、交差配線112と交差配線114は、それぞれ、メタル6層のプロセスにおけるメタル6配線層(最上位のメタル配線層)とメタル5配線層(最上位から2番目のメタル配線層)に形成されている。ここで、交差配線112と交差配線114は、対称線16に対して互いに線対称な形状である。
導電性配線100は、部分配線102、104、106、交差配線112、114により構成される。部分配線102、104、106は、交差部110以外の部分である非交差部に存在する配線(以下、非交差配線という)である。
非交差配線102は、メタル6配線層(交差配線112が形成された配線層)及びメタル5配線層(交差配線114が形成された配線層)に、配線パターン102−1、102−2がそれぞれ形成され、配線パターン102−1、102−2は多数のビアホール108を介して導電性部材により電気的に接続されている。
同様に、非交差配線104は、メタル6配線層及びメタル5配線層に、配線パターン104−1、104−2がそれぞれ形成され、配線パターン104−1、104−2は多数のビアホール108を介して導電性部材により電気的に接続されている。
同様に、非交差配線106は、メタル6配線層及びメタル5配線層に、配線パターン106−1、106−2がそれぞれ形成され、配線パターン106−1、106−2は多数のビアホール108を介して導電性部材により電気的に接続されている。
ここで、非交差部において、配線パターン102−1、104−1、106−1によりメタル6配線層に形成される配線パターンは、対称線16に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン102−2、104−2、106−2によりメタル5配線層に形成される配線パターンは、対称線16に対して線対称な形状である。
このように、導電性配線100は、非交差部において1つの配線パターン(配線パターン102−1、104−1、106−1により形成される配線パターン)が最上位の配線層に形成されていてもよい。逆に、導電性配線100は、非交差部において最上位の配線層に形成される配線パターンを有していなくてもよい。
また、交差配線112の幅W及び交差配線114の幅Wは、非交差配線102(配線パターン102−1、102−2)、非交差配線104(配線パターン104−1、104−2)、非交差配線106(配線パターン106−1、106−2)の幅Wと同じであってもよい。
また、差動型スパイラルインダクタ10は、奇数個の交差部110を含んでいてもよいし、偶数個の交差部110を含んでいてもよい。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタ10によれば、端子12と端子14は対称線16に対して線対称の位置にある。また、端子12と端子14を電気的に接続する導電性配線100は、非交差部において、複数の配線層に、対称線16に対して線対称な形状の複数の配線パターンがそれぞれ形成されている。そのため、端子12をA点、端子14をB点、端子12からの経路長と端子14からの経路長がほぼ等しくなる対称線16上の点をC点とすると、A−C間の配線とB−C間の配線の非交差部の配線パターンの配線抵抗及び配線容量はほぼ等しい。さらに、複数の配線層に形成された非交差部の配線パターンは、多数のホール108を介して導電性部材により電気的に接続されている。そのため、A−C間の配線とB−C間の配線の非交差部における多数のホール108による並列抵抗もほぼ同じである。従って、A−C間の配線の非交差部のインピーダンスとB−C間の配線の非交差部のインピーダンスはほぼ等しい。すなわち、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ10によれば、A−C間の配線とB−C間の配線において非交差部と交差部110を接続するためのホール108の抵抗の差がほとんどないので、差動特性を向上させることができる。
また、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ10によれば、非交差部の配線パターンを複数の配線層に形成して多数のホール108を介して接続する。従って、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ10によれば、導電性配線100の大部分を占める非交差部の配線の抵抗成分がより小さくなるためQ値が向上し、エネルギー損失が小さくなり消費電力を低減することができる。
また、一般的に、最上位のメタル配線層は他の配線層にくらべて厚いので、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ10によれば、非交差部の配線の抵抗成分をより小さくすることができる。また、非交差部の配線と半導体基板の間の寄生容量をより小さくすることができる。従って、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ10によれば、Q値が向上し、エネルギー損失が小さくなり消費電力を低減することができる。
1−2.第2実施例
図2(A)〜図2(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第2実施例について説明するための図である。図2(A)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図2(B)及び図2(C)は、それぞれ、図2(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。
差動型スパイラルインダクタ20は、図2(A)〜図2(C)に示すように、端子22(第1の端子の一例)、対称線26に対して端子22と線対称の位置にある端子24(第2の端子の一例)、端子22と端子24を電気的に接続する導電性配線120を含む。
また、差動型スパイラルインダクタ20は、少なくとも1つの交差部130を含む。交差部130において、交差配線132(第1の交差配線の一例)と交差配線134(第2の交差配線の一例)は対称線26上で交差する。交差配線132と交差配線134は、それぞれ導電性配線120の一部であり、異なる配線層に形成されている。さらに、交差配線132は、最上位の配線層に形成されている。例えば、交差配線132はメタル6層のプロセスにおけるメタル6配線層に形成され、交差配線134はメタル5配線層とメタル4配線層(最上位から3番目のメタル配線層)に形成される。ここで、交差配線134は、メタル5配線層及びメタル4配線層(最上位の配線層と異なる連続した複数の配線層の一例)に、配線パターン134−1、134−2がそれぞれ形成され、配線パターン134−1、134−2は多数のビアホール128−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、交差配線134を構成する配線パターン134−1及び134−2は同じ形状であり、ともに対称線26に対して交差配線132と互いに線対称な形状である。
導電性配線120は、非交差配線122、124、126、交差配線132、134により構成される。
非交差配線122は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層に、配線パターン122−1、122−2、122−3がそれぞれ形成されている。配線パターン122−1、122−2は多数のビアホール128−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン122−2、122−3は多数のビアホール128−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。
同様に、非交差配線124は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層に、配線パターン124−1、124−2、124−3がそれぞれ形成されている。配線パターン124−1、124−2は多数のビアホール128−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン124−2、124−3は多数のビアホール128−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。
同様に、非交差配線126は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層に、配線パターン126−1、126−2、126−3がそれぞれ形成されている。配線パターン126−1、126−2は多数のビアホール128−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン126−2、126−3は多数のビアホール128−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。
ここで、非交差部において、配線パターン122−1、124−1、126−1によりメタル6配線層に形成される配線パターンは、対称線26に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン122−2、124−2、126−2によりメタル5配線層に形成される配線パターンは、対称線26に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン122−3、124−3、126−3によりメタル4配線層に形成される配線パターンは、対称線26に対して線対称な形状である。
このように、導電性配線120は、非交差部において1つの配線パターン(配線パターン122−1、124−1、126−1により形成される配線パターン)が最上位の配線層に形成されていてもよい。逆に、導電性配線120は、非交差部において最上位の配線層に形成される配線パターンを有していなくてもよい。
また、差動型スパイラルインダクタ20は、奇数個の交差部130を含んでいてもよいし、偶数個の交差部130を含んでいてもよい。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタ20によれば、図1(A)〜図1(C)で説明した差動型スパイラルインダクタ10が有する効果に加えて、さらに以下の効果を有する。
すなわち、一般に、最上位の配線層は他の配線層にくらべて厚いので、交差配線132を最上位のメタル6配線層に形成し、交差配線132と同じ幅の交差配線134をメタル5配線層に形成すると、交差配線134の抵抗成分が交差配線132の抵抗成分よりも大きくなる。しかし、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ20によれば、交差配線132はメタル6配線層に形成され、交差配線134はメタル5配線層及びメタル4配線層に形成されるので、交差配線132の抵抗成分と交差配線134の抵抗成分の差をより小さくすることができる。従って、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ20によれば、端子22をA点、端子24をB点、端子22からの経路長と端子24からの経路長がほぼ等しくなる対称線26上の点をC点とすると、A−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
1−3.第3実施例
図3(A)〜図3(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第3実施例について説明するための図である。図3(A)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図3(B)及び図3(C)は、それぞれ、図3(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。ここで、差動型スパイラルインダクタ30は、図2(A)〜図2(C)に示した差動型スパイラルインダクタ20の交差部130を交差部150に置き換えた構成であり、交差部150以外の構成は差動型スパイラルインダクタ20と同じであるため図2(A)〜図2(C)と同じ番号を付しており、その説明を省略する。
差動型スパイラルインダクタ30は、少なくとも1つの交差部150を含む。交差部150において、交差配線152(第1の交差配線の一例)と交差配線154(第2の交差配線の一例)は対称線26上で交差する。交差配線152と交差配線154は、それぞれ導電性配線140の一部であり、異なる配線層に形成されている。さらに、交差配線152は、最上位の配線層に形成されている。例えば、交差配線152はメタル6層のプロセスにおけるメタル6配線層に形成され、交差配線154はメタル5配線層とメタル4配線層に形成される。ここで、交差配線154は、メタル5配線層及びメタル4配線層に、配線パターン154−1、154−2がそれぞれ形成され、配線パターン154−1、154−2は多数のビアホール128−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、交差配線154を構成する配線パターン154−1及び154−2は同じ形状である。
ここで、交差配線152は交差配線154よりも細い。すなわち、交差配線152は、メタル6配線層において、メタル5配線層に形成されている配線パターン154−1及びメタル4配線層に形成されている配線パターン154−2よりも細くなるように形成されている。
差動型スパイラルインダクタ30は、奇数個の交差部150を含んでいてもよいし、偶数個の交差部150を含んでいてもよい。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタ30によれば、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)〜図2(C)で説明した差動型スパイラルインダクタ10及び20が有する効果に加えて、さらに以下の効果を有する。
すなわち、一般に、交差配線152及び交差配線154と半導体基板の間の寄生容量を小さくするためには、交差配線152及び交差配線154をなるべく上位の配線層に形成することが好ましい。すなわち、交差配線152を最上位のメタル6配線層に形成し、交差配線154をメタル5配線層に形成する場合が寄生容量を最も小さくすることができる。ここで、一般に、最上位のメタル6配線層は他の配線層にくらべて厚いので、交差配線152と交差配線154を同じ幅にすると交差配線154の抵抗成分が交差配線152の抵抗成分よりも大きくなる。しかし、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ30によれば、交差配線152は最上位のメタル6配線層において交差配線154よりも細くなるように形成されるので、交差配線152の抵抗成分と交差配線154の抵抗成分の差をより小さくすることができる。従って、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ30によれば、端子22をA点、端子24をB点、端子22からの経路長と端子24からの経路長がほぼ等しくなる対称線26上の点をC点とすると、A−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
1−4.第4実施例
図4(A)〜図4(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第4実施例について説明するための図である。図4(A)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図4(B)及び図4(C)は、それぞれ、図4(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。ここで、差動型スパイラルインダクタ40は、図2(A)〜図2(C)に示した差動型スパイラルインダクタ20の交差部130を交差部170に置き換えた構成であり、交差部170以外の構成は差動型スパイラルインダクタ20と同じであるため図2(A)〜図2(C)と同じ番号を付しており、その説明を省略する。
差動型スパイラルインダクタ40は、少なくとも1つの交差部170を含む。交差部170において、交差配線172(第1の交差配線の一例)と交差配線174(第2の交差配線の一例)は対称線26上で交差する。交差配線172と交差配線174は、それぞれ導電性配線160の一部であり、異なる配線層に形成されている。さらに、交差配線172と交差配線174は、最上位の配線層と異なる配線層にそれぞれ形成され、交差配線172が形成される配線層の数と交差配線174が形成される配線層の数は同じである。例えば、交差配線172はメタル6層のプロセスにおけるメタル5配線層(最上位の配線層でない1つの配線層)に形成され、交差配線174はメタル4配線層(最上位の配線層でない1つの配線層)に形成されている。ここで、交差配線172と交差配線174は、対称線26に対して互いに線対称な形状である。
差動型スパイラルインダクタ40は、奇数個の交差部170を含んでいてもよいし、偶数個の交差部170を含んでいてもよい。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタ40によれば、図1(A)〜図1(C)で説明した差動型スパイラルインダクタ10が有する効果に加えて、さらに以下の効果を有する。
すなわち、一般に、最上位のメタル6配線層以外の配線層の厚みはほぼ等しいので、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ40によれば、交差配線172の抵抗成分と交差配線174の抵抗成分をほぼ等しくすることができる。従って、本発明によれば、端子22をA点、端子24をB点、端子22からの経路長と端子24からの経路長がほぼ等しくなる対称線26上の点をC点とすると、A−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
1−5.第5実施例
図5(A)〜図5(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第5実施例について説明するための図である。図5(A)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図5(B)及び図5(C)は、それぞれ、図5(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。
差動型スパイラルインダクタ50は、図5(A)〜図5(C)に示すように、端子52(第1の端子の一例)、対称線56に対して端子52と線対称の位置にある端子54(第2の端子の一例)、端子52と端子54を電気的に接続する導電性配線180を含む。
また、差動型スパイラルインダクタ50は、少なくとも1つの交差部190を含む。交差部190において、交差配線192(第1の交差配線の一例)と交差配線194(第2の交差配線の一例)は対称線56上で交差する。交差配線192と交差配線194は、それぞれ導電性配線180の一部であり、異なる配線層に形成されている。さらに、交差配線192と交差配線194は、最上位の配線層と異なる複数の配線層にそれぞれ形成され、交差配線192が形成される配線層の数と交差配線194が形成される配線層の数は同じである。例えば、交差配線192はメタル6層のプロセスにおけるメタル5配線層とメタル4配線層(最上位の配線層でない2つの配線層)に形成され、交差配線194はメタル3配線層(最上位から4番目のメタル配線層)とメタル2配線層(最上位から5番目のメタル配線層)(最上位の配線層でない2つの配線層)に形成されている。ここで、交差配線192は、メタル5配線層及びメタル4配線層に、配線パターン192−1、192−2がそれぞれ形成され、配線パターン192−1、192−2は多数のビアホール188−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、交差配線194は、メタル3配線層及びメタル2配線層に、配線パターン194−1、194−2がそれぞれ形成され、配線パターン194−1、194−2は多数のビアホール188−4を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、交差配線192を構成する配線パターン192−1及び192−2は同じ形状であり、交差配線194を構成する配線パターン194−1及び194−2は同じ形状である。さらに、配線パターン192−1及び192−2と配線パターン194−1及び194−2は対称線56に対して互いに線対称な形状である。
導電性配線180は、非交差配線182、184、186、交差配線192、194により構成される。
非交差配線182は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層、メタル3配線層、メタル2配線層に、配線パターン182−1、182−2、182−3、182−4、182−5がそれぞれ形成されている。配線パターン182−1、182−2は多数のビアホール188−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン182−2、182−3は多数のビアホール188−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン182−3、182−4は多数のビアホール188−3を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン182−4、182−5は多数のビアホール188−4を介して導電性部材により電気的に接続されている。
同様に、非交差配線184は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層、メタル3配線層、メタル2配線層に、配線パターン184−1、184−2、184−3、184−4、184−5がそれぞれ形成されている。配線パターン184−1、184−2は多数のビアホール188−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン184−2、184−3は多数のビアホール188−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン184−3、184−4は多数のビアホール188−3を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン184−4、184−5は多数のビアホール188−4を介して導電性部材により電気的に接続されている。
同様に、非交差配線186は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層、メタル3配線層、メタル2配線層に、配線パターン186−1、186−2、186−3、186−4、186−5がそれぞれ形成されている。配線パターン186−1、186−2は多数のビアホール188−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン186−2、186−3は多数のビアホール188−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン186−3、186−4は多数のビアホール188−3を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン186−4、186−5は多数のビアホール188−4を介して導電性部材により電気的に接続されている。
ここで、非交差部において、配線パターン182−1、184−1、186−1によりメタル6配線層に形成される配線パターンは、対称線56に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン182−2、184−2、186−2によりメタル5配線層に形成される配線パターンは、対称線56に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン182−3、184−3、186−3によりメタル4配線層に形成される配線パターンは、対称線56に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン182−4、184−4、186−4によりメタル3配線層に形成される配線パターンは、対称線56に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン182−5、184−5、186−5によりメタル2配線層に形成される配線パターンは、対称線56に対して線対称な形状である。
このように、導電性配線180は、非交差部において1つの配線パターン(配線パターン182−1、184−1、186−1により形成される配線パターン)が最上位の配線層に形成されていてもよい。逆に、導電性配線180は、非交差部において最上位の配線層に形成される配線パターンを有していなくてもよい。
また、差動型スパイラルインダクタ50は、奇数個の交差部190を含んでいてもよいし、偶数個の交差部190を含んでいてもよい。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタ50によれば、図1(A)〜図1(C)で説明した差動型スパイラルインダクタ10が有する効果に加えて、さらに以下の効果を有する。
すなわち、一般に、最上位のメタル6配線層以外の配線層の厚みはほぼ等しいので、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ50によれば、メタル5配線層及びメタル4配線層に形成された交差配線192の抵抗成分と、メタル3配線層及びメタル2配線層に形成された交差配線194の抵抗成分をほぼ等しくすることができる。従って、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ50によれば、端子52をA点、端子54をB点、端子52からの経路長と端子54からの経路長がほぼ等しくなる対称線56上の点をC点とすると、A−C間の配線の抵抗成分とB−C間の配線の抵抗成分の差をより小さくすることができるので、差動特性を向上させることができる。
また、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ50によれば、交差配線192がメタル5配線層及びメタル4配線層に形成され、交差配線194がメタル3配線層及びメタル2配線層に形成されているので、図4(A)〜図4(C)で説明した差動型スパイラルインダクタ40と比較して、A−C間の配線とB−C間の配線の抵抗成分をより小さくすることができるのでQ値がより向上し、エネルギー損失がより小さくなり消費電力をより低減することができる。
1−6.第6実施例
図6(A)〜図6(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第6実施例について説明するための図である。図6(A)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの半導体基板上の配線パターンを概略的に示す平面図であり、図6(B)及び図6(C)は、それぞれ、図6(A)のI−I線断面図及びII−II線断面図である。
差動型スパイラルインダクタ60は、図6(A)〜図6(C)に示すように、端子62(第1の端子の一例)、対称線66に対して端子62と線対称の位置にある端子64(第2の端子の一例)、端子62と端子64を電気的に接続する導電性配線200を含む。
また、差動型スパイラルインダクタ60は、2つの交差部220、230を含む。交差部220において、交差配線222(第1の交差配線の一例)と交差配線224(第2の交差配線の一例)は対称線66上で交差する。また、交差部230において、交差配線232(第1の交差配線の一例)と交差配線234(第2の交差配線の一例)は対称線66上で交差する。交差配線222と交差配線224は、それぞれ導電性配線200の一部であり、異なる配線層に形成されている。また、交差配線232と交差配線234は、それぞれ導電性配線200の一部であり、異なる配線層に形成されている。例えば、交差配線222、232はメタル6層のプロセスにおけるメタル6配線層に形成され、交差配線224、234はメタル5配線層に形成されている。ここで、交差配線222と交差配線224は対称線66に対して互いに線対称な形状であり、交差配線232と交差配線234は対称線66に対して互いに線対称な形状である。
導電性配線200は、非交差配線202、204、206、208、210、交差配線222、224、232、234により構成される。
非交差配線202は、メタル6配線層及びメタル5配線層に、配線パターン202−1、202−2がそれぞれ形成され、配線パターン202−1、202−2は多数のビアホール212を介して導電性部材により電気的に接続されている。同様に、非交差配線204は、メタル6配線層及びメタル5配線層に、配線パターン204−1、204−2がそれぞれ形成され、配線パターン204−1、204−2は多数のビアホール212を介して導電性部材により電気的に接続されている。
非交差配線206は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層に、配線パターン206−1、206−2、206−3がそれぞれ形成されている。配線パターン206−1、206−2は多数のビアホール214−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン206−2、206−3は多数のビアホール214−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。同様に、非交差配線208は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層に、配線パターン208−1、208−2、208−3がそれぞれ形成されている。配線パターン208−1、208−2は多数のビアホール214−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン208−2、208−3は多数のビアホール214−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。
非交差配線210は、メタル6配線層、メタル5配線層、メタル4配線層、メタル3配線層に、配線パターン210−1、210−2、210−3、210−4がそれぞれ形成されている。配線パターン210−1、210−2は多数のビアホール216−1を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン210−2、210−3は多数のビアホール216−2を介して導電性部材により電気的に接続されている。また、配線パターン210−3、210−4は多数のビアホール216−3を介して導電性部材により電気的に接続されている。
また、非交差部において、配線パターン202−1、204−1、206−1、208−1、210−1によりメタル6配線層に形成される配線パターンは、対称線66に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン202−2、204−2、206−2、208−2、210−2によりメタル5配線層に形成される配線パターンは、対称線66に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン206−3、208−3、210−3によりメタル4配線層に形成される配線パターンは、対称線66に対して線対称な形状である。同様に、非交差部において、配線パターン210−4によりメタル3配線層に形成される配線パターンは、対称線66に対して線対称な形状である。
このように、導電性配線200は、非交差部において1つの配線パターン(202−1、204−1、206−1、208−1、210−1により形成される配線パターン)が最上位の配線層に形成されていてもよい。逆に、導電性配線200は、非交差部において最上位の配線層に形成される配線パターンを有していなくてもよい。
また、差動型スパイラルインダクタ60は、奇数個の交差部を含んでいてもよいし、偶数個の交差部を含んでいてもよい。
ここで、交差配線222の両端に接続される2つの非交差配線202、208の幅が異なり、非交差配線208の幅は非交差配線202の幅よりも狭い。同様に、交差配線224の両端に接続される2つの非交差配線204、206の幅が異なり、非交差配線206の幅は非交差配線204の幅よりも狭い。同様に、交差配線232の両端に接続される2つの非交差配線206、210の幅が異なり、非交差配線210の幅は非交差配線206の幅よりも狭い。同様に、交差配線234の両端に接続される2つの非交差配線208、210の幅が異なり、非交差配線210の幅は非交差配線208の幅よりも狭い。そこで、非交差配線202、204、206、208、210を、その幅に応じて、それぞれ2層、2層、3層、3層、4層のメタル配線パターンで形成することにより、幅の細い非交差配線の抵抗成分を増加させないようにしている。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタ60によれば、図1(A)〜図1(C)で説明した差動型スパイラルインダクタ10が有する効果に加えて、さらに以下の効果を有する。
すなわち、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ60によれば、非交差配線の幅が変化する場合において、幅の狭い非交差配線ほど多くの配線層に形成することにより、配線抵抗の増加を効果的に抑制することができる。従って、本実施形態の差動型スパイラルインダクタ60によれば、端子62をA点、端子64をB点、端子62からの経路長と端子64からの経路長がほぼ等しくなる対称線66上の点をC点とすると、A−C間の配線とB−C間の配線の抵抗成分の増加を効果的に抑制することができるので、Q値の低下を抑制し、消費電力の増加を抑制することができる。
2.集積回路装置
図7に、本実施の形態の集積回路装置の一例である通信コントローラのブロック図を示す。
通信コントローラ600は、帯域通過フィルタ(Band Pass Filter:BPF)320及びインピーダンス整合回路330を介してアンテナ310と接続される。
アンテナ310で受信された受信信号は、BPF320に入力される。BPF320は、所定の帯域の信号を通過させるフィルタである。従って、BPF320は、非通過帯域の周波数成分を有する妨害信号を除去する。
インピーダンス整合回路330は、信号の反射を防止するために特性インピーダンスと整合させるようにインピーダンス整合を行う。BPF320を通過した、希望信号を含む受信信号は、インピーダンス整合回路330を介して通信コントローラ600に供給される。
なお送信信号は、インピーダンス整合回路330を介してBPF320で非通過帯域の周波数成分を有する妨害信号が除去された後、アンテナ310から送信される。
なお無線信号の周波数を考慮すると波長が長くなり、アンテナ310の集積化が困難な場合には、図7に示すように通信コントローラ600の外部にアンテナ310を設けることが望ましい。しかしながら、アンテナ310を通信コントローラ600に内蔵させるようにしても良いことは当然である。
また同様に、非通過帯域の減衰量を十分に大きくするためにBPF320を構成するインダクタンス素子及びキャパシタ素子の面積が大きくなる場合には、図7に示すように通信コントローラ600の外部にBPF320を設けることが望ましい。しかしながら、BPF320を通信コントローラ600に内蔵させるようにしても良いことは当然である。
更にインピーダンス整合を外付けのインダクタンス素子及びキャパシタ素子で調整する必要がある場合には、図7に示すように通信コントローラ600の外部にインピーダンス整合回路330を設けることが望ましい。しかしながら、インピーダンス整合回路330を通信コントローラ600に内蔵させるようにしても良いことは当然である。
通信コントローラ600は、受信信号を増幅するための低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)410と送信データに対応した送信信号を増幅するための電力増幅器(Power Amplifier:PA)402とを含む。このため通信コントローラ600は、切替スイッチRF_SWを含む。従って、受信時には、切替スイッチRF_SWは、受信信号をLNA410に供給し、送信時には、切替スイッチRF_SWは、PA402によって増幅された送信信号をインピーダンス整合回路330に供給する。
LNA410によって増幅された受信信号は、混合器(mixer)420に供給される。混合器420には、分周器422から所定の周波数の局部発振信号Lが入力され、LNA410からの受信信号の周波数が中間周波数付近に変換される。BPF424は、混合器420によって中間周波数付近に変換された受信信号を通過させる。
BPF424を通過した受信信号は、リミッタアンプ426によって増幅されると共に、所与のレベルに振幅が制限される。リミッタアンプ426によって増幅された信号は、FM検波回路430及びA/D変換器428に供給され、A/D変換器428がRSSI(Received Signal Strength Indicator)を出力する。
FM検波回路430によって生成された復調信号は、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:LPF)432により高周波成分のノイズが除去された後、データスライサ434によって2値化された受信データが生成される。この受信データが、復調信号としてベースバンドエンジン500に供給される。
A/D変換器428で生成されたRSSIは、制御回路440によりベースバンドエンジン500に供給される。この制御回路440は、通信コントローラ600の各部を制御する。
PLL(Phased Locked Loop)回路444は、制御回路440の設定値に基づいて、PLLループフィルタの特性に応じて目的の周波数に収束する。収束後、周波数が設定値に一致した場合は、対応した逓倍率で、水晶発振器OSCの発振出力であるクロックCLKを逓倍し、逓倍したクロックを電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)446に供給する。なおクロックCLKは、ベースバンドエンジン500の基準クロックとして供給される。
VCO446の出力は分波器445により分波され、その出力は受信時の局部発振信号出力として、あるいは、送信時の送信信号出力として、さらにPLLループの分周用として使用される。PLLループの分周用としては、分周器422に出力し、分周器422において水晶発振器OSCとほぼ同じ周波数に分周され、さらに比較器(図示せず)で周波数および位相比較され、この比較結果に応じて最終的に電圧が生成されてVCOの周波数を制御する。ベースバンドエンジン500からの送信データは、LPF448によって高周波成分が除去された後、VCO446においてFM変調されて、分波器445を介して送信信号として出力される。この送信信号は、PA402によって増幅され、切替スイッチRF_SWに供給される。切替スイッチRF_SWは、制御回路440からの制御信号に従って切替動作を行う。なお分波器445から出力された送信信号は、BPF320で帯域外放射は落とすことができるが、必要に応じてBPFを内蔵することも可能である。図示しないBPFを介して所定の周波数帯域外の放射を除去した後、PA402により増幅してもよい。
バイアス発生回路450は、定電流又は定電圧を発生し、通信コントローラ600を構成する各部に供給するようになっている。
このような通信コントローラ400では、RXfront部460、RX部462、PLL回路444、TX部464の各部を単位に、ベースバンドエンジン300からの起動信号によりスタンバイ動作に移行したり、該スタンバイ動作から起動したりできるようになっている。ここで、スタンバイ動作は、クロックを停止させたり、回路への電源供給を遮断したりして消費電流を削減する動作をいう。
RXfront部460は、LNA410、混合器420、BPF424、リミッタアンプ426、A/D変換器428を含み、起動信号RXfrontcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。RX部462は、RXfront部460、FM検波回路430、LPF432、データスライサ434を含み、起動信号RXtcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。PLL回路444は、起動信号PLLcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。TX部464は、PA402、分波器445、LPF448を含み、起動信号Txcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。
ここで、VCO446は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタを含む図9(A)のような構成の回路により実現することができる。また、PA402やLNA410は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタを含む図9(B)のような構成の回路により実現することができる。
本実施形態の差動型スパイラルインダクタを図7の集積回路装置に組み込むことにより、従来よりも高性能かつ低消費電力の集積回路装置を提供することができる。
3.電子機器
図8に、本実施の形態の電子機器の一例である通信装置のブロック図を示す。
通信装置700(マスタ端末)は、通信コントローラ600(集積回路装置)及びアンテナ310を介して、通信相手であるスレーブ端末との間で所定の規格に従った無線通信を行う。アンテナ310は、通信コントローラ600(集積回路装置)の処理対象となるデータの入力手段として機能する。ホストプロセッサ810(ベースバンドエンジン500)が、通信周波数帯域内の複数の使用可能帯域を変更する順序や各使用可能帯域内のホップシーケンスを決定する。ホストプロセッサ810(ベースバンドエンジン500)からの指示を受けた通信コントローラ600が、スレーブ端末との間で無線通信を行う。
通信装置700は、通信コントローラ600、ベースバンドエンジン500に加えて、各部を制御するホストプロセッサ(アプリケーションプロセッサ)810を含む。
ホストプロセッサ810は、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)820やランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)830に記憶されたプログラム及び設定データに基づいて、通信装置700の各部を制御する。ホストプロセッサ810は、RAM830の記憶領域の少なくとも一部をワークエリアとして使用することができる。
ホストプロセッサ810には、音声コーデック860が接続されている。音声コーデック860は、通信コントローラ600を介して受信された音声データをデコードして、D/A変換器870によりアナログ信号に変換した後、スピーカ880(広義には出力部)により音声出力を行うことができる。スピーカ880は、通信コントローラ600(集積回路装置)により処理されたデータを出力するための出力手段として機能する。或いは、音声コーデック860は、マイク890(広義には入力部)を介して入力された音声信号をA/D変換器900によりデジタル信号に変換した後、エンコードを行って、通信コントローラ600を介して通信相手に送信できるようになっている。
本実施形態の集積回路装置を図8の電子機器に組み込むことにより、コストパフォーマンスの高い電子機器を提供することができる。
なお、本実施形態を利用できる電子機器としては、図8に示すもの以外にも、携帯型情報端末、カーナビゲーション装置等の種々の電子機器を考えることができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、第1実施例〜第6実施例の差動型スパイラルインダクタにおいて、非交差配線や交差配線は、製造プロセスの種類に応じて使用可能な任意の種類かつ任意の数の配線層に形成することができる。
また、第1実施例〜第5実施例の差動型スパイラルインダクタでは交差部が1つしかないがこれに限定されない。例えば、第6実施例の差動型スパイラルインダクタのように、第1実施例〜第5実施例の差動型スパイラルインダクタにおいても、交差部が2つ存在してもよいし、3つ以上存在してもよい。
また、第1実施例〜第6実施例の差動型スパイラルインダクタにおいて、C点から適当な配線層の配線パターンを引き出して外部端子を形成してもよい。
また、例えば、差動型スパイラルインダクタの導電性配線をポリシリコン配線層やメタル1配線層に形成してもよい。なお、当該導電性配線をポリシリコン配線層やメタル1配線層のような半導体基板に近い配線層に形成した場合、当該導電性配線と半導体基板の間の寄生容量が大きくなるが、差動回路を動作させる周波数によっては、当該寄生容量の大小は差動型スパイラルインダクタのQ値にほとんど影響を与えない。従って、差動回路を動作させる周波数によっては、当該導電性配線をポリシリコン配線層やメタル1配線層に生成してもQ値を高くすることができるので、消費電力を低減することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
図1(A)〜図1(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第1実施例について説明するための図である。 図2(A)〜図2(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第2実施例について説明するための図である。 図3(A)〜図3(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第3実施例について説明するための図である。 図4(A)〜図4(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第4実施例について説明するための図である。 図5(A)〜図5(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第5実施例について説明するための図である。 図6(A)〜図6(C)は、本実施形態の差動型スパイラルインダクタの第6実施例について説明するための図である。 本実施の形態の集積回路装置のブロック図の一例。 集積回路装置を含む電子機器のブロック図の一例。 図9(A)、図9(B)は、差動型スパイラルインダクタを用いた回路の例を示す図であり、図9(C)は差動型スパイラルインダクタの等価回路を示す図である。 図10(A)〜図10(C)は、従来の差動型スパイラルインダクタについて説明するための図である。
符号の説明
10 差動型スパイラルインダクタ、12 端子、14 端子、16 対称線、20 差動型スパイラルインダクタ、22 端子、24 端子、26 対称線、30 差動型スパイラルインダクタ、40 差動型スパイラルインダクタ、50 差動型スパイラルインダクタ、52 端子、54 端子、56 対称線、60 差動型スパイラルインダクタ、62 端子、64 端子、66 対称線、100 導電性配線、102 非交差配線、104 非交差配線、106 非交差配線、108 ビアホール、110 交差部、112 交差配線、114 交差配線、120 導電性配線、122 非交差配線、124 非交差配線、126 非交差配線、128 ビアホール、130 交差部、132 交差配線、134 交差配線、140 導電性配線、150 交差部、152 交差配線、154 交差配線、160 導電性配線、170 交差部、172 交差配線、174 交差配線、180 導電性配線、182 非交差配線、184 非交差配線、186 非交差配線、188 ビアホール、190 交差部、192 交差配線、194 交差配線、200 導電性配線、202 非交差配線、204 非交差配線、206 非交差配線、208 非交差配線、210 非交差配線、212 ビアホール、214 ビアホール、216 ビアホール、220 交差部、222 交差配線、224 交差配線、230 交差部、232 交差配線、234 交差配線、310 アンテナ、320 帯域通過フィルタ(BPF)、330 インピーダンス整合回路、402 電力増幅器(PA)、410 低雑音増幅器(LNA)、420 混合器、422 分周器、424 BPF、426 リミッタアンプ、428 A/D変換器、430 FM検波回路、432 低域通過フィルタ(LPF)、434 データスライサ、440 制御回路、444 PLL回路、445 分波器、446 電圧制御発振器(VCO)、448 低域通過フィルタ(LPF)、450 バイアス発生回路、460 RXfront部、462 RX部、464 TX部、500 ベースバンドエンジン、600 通信コントローラ(集積回路装置)、700 通信装置、810 ホストプロセッサ(アプリケーションプロセッサ)、820 読み出し専用メモリ(ROM)、830 ランダムアクセスメモリ(RAM)、860 音声コーデック、870 D/A変換器、880 スピーカ、890 マイク、900 A/D変換器、1000 差動型スパイラルインダクタ、1002 配線パターン、1004 配線パターン、1006 ビアホール、1100 交差部、1102 配線パターン

Claims (11)

  1. 第1の端子と、
    対称線に対して前記第1の端子と線対称の位置にある第2の端子と、
    前記第1の端子と前記第2の端子を電気的に接続する導電性配線と、
    それぞれ前記導電性配線の一部であり、異なる配線層に形成された第1の交差配線と第2の交差配線が前記対称線上において交差する少なくとも1つの交差部と、を含み、
    前記導電性配線は、
    前記交差部以外の非交差部において、前記第1の交差配線が形成された配線層及び前記第2の交差配線が形成された配線層を含む複数の配線層に、前記対称線に対して線対称な形状の複数の配線パターンがそれぞれ形成され、当該複数の配線パターンは多数のホールを介して導電性部材により電気的に接続されていることを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  2. 請求項1において、
    奇数個の前記交差部を含むことを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  3. 請求項1又は2において、
    前記導電性配線は、
    前記非交差部において1つの前記配線パターンが最上位の配線層に形成されていることを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  4. 請求項3において、
    前記交差部は、
    前記第1の交差配線及び前記第2の交差配線が前記最上位の配線層と異なる少なくとも1つの配線層にそれぞれ形成され、前記第1の交差配線が形成される配線層の数と前記第2の交差配線が形成される配線層の数が同じであることを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  5. 請求項3において、
    前記交差部は、
    前記第1の交差配線が前記最上位の配線層に形成されていることを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  6. 請求項5において、
    前記交差部は、
    前記第2の交差配線が、前記最上位の配線層と異なる連続した複数の配線層に形成された複数の配線パターンがホールを介して導電性部材により電気的に接続されていることを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  7. 請求項5又は6において、
    前記交差部は、
    前記第1の交差配線の幅が前記第2の交差配線の幅よりも狭いことを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  8. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記交差部は、
    前記第1の交差配線の幅及び前記第2の交差配線の幅が前記非交差部の配線の幅と略同じであることを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記導電性配線は、
    前記非交差部において、前記第1の交差配線又は前記第2の交差配線の両端に接続される2つの非交差配線の幅が異なり、前記2つの非交差配線のうち、幅の狭い前記非交差配線が形成される配線層の数は幅の広い前記非交差配線が形成される配線層の数よりも多いことを特徴とする差動型スパイラルインダクタ。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の差動型スパイラルインダクタを含むことを特徴とする集積回路装置。
  11. 請求項10に記載の集積回路装置と、
    前記集積回路装置の処理対象となるデータの入力手段と、
    前記集積回路装置により処理されたデータを出力するための出力手段とを含むことを特徴とする電子機器。
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