JP2010009433A - 携帯端末装置、携帯端末装置の課金処理方法および課金システム - Google Patents

携帯端末装置、携帯端末装置の課金処理方法および課金システム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザにとって利便性のある課金形態を選択的に行える携帯端末装置、携帯端末装置の課金処理方法および課金システムを得る。
【解決手段】キー操作部6と、複数種類の電子マネーの決済に関する通信を外部と行うIC機能部8と、前記電子マネーの決済に関する課金情報を記憶するメモリ7,13と、前記キー操作部6に所定の操作が行われてから前記IC機能部8が課金通信を行うと、該課金通信によって得られる課金情報について、条件に応じて複数種類のうち何れの電子マネーを用いて課金処理を行うか選択する制御部10とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子マネー決済機能を有する携帯端末装置、携帯端末装置の課金処理方法および課金システムに関する。
携帯電話等の携帯端末装置には、RFID(Radio Frequency Identification)通信等を用いた電子マネーの決済機能を備えた機種があり、このような装置が普及して広く利用されている。電子マネーの決済機能を有する装置には、セキュリティ機能を備える必要があり、当該携帯端末装置を使用するユーザを認証する本人確認機能の向上が求められている。
例えば、特許文献1に記載された本人認証機能を有する携帯端末装置は、ICカード部を有し、また、指紋認証センサを外装部材に取り付けている。ICカード部は、ユーザ等の特定人物の指紋情報を格納している指紋情報格納部と、アクセス許可信号を送信する相手先の情報を格納する外部機器情報格納部とを備えている。
ICカード部は、指紋の検出結果が本人の指紋情報と一致するとき、アクセス許可信号の発信を近距離無線発信装置に指令する。
近距離無線発信装置は、建築物、車両、金庫等の施錠装置、各種の自動販売機または券売機、公的書類交付用の本人確認装置、PCまたは業務用CPU等の如く、アクセス権を要する各種外部機器に配設される受信装置へアクセス許可信号を発信する。
上記の外部機器に配設されている受信装置は、受信したアクセス許可信号を識別し、適宜、セキュリティシステムを解除して当該外部機器を利用可能な状態に移行させる。
携帯電話機やPHS(登録商標)電話機からなる携帯端末装置は、前述のようにセキュリティを保証し、製品購入やサービス利用の対価を課金情報として電話会社等に通知する。
課金情報が通知された電話会社等は、携帯端末装置の所有者に料金請求を行っている。
また、前述の携帯端末装置を用いた料金精算において、携帯端末装置に金融機関端末から所望の金額を電子マネーとしてチャージしておき、電子マネーを利用した料金精算が行われている。
製品販売者またはサービス提供者は、携帯端末装置のアクセス許可信号により本人確認を行うと共に携帯端末装置にチャージされている金額を確認し、製品販売またはサービス提供を許可する。
他方、携帯端末装置の所有者は、購入製品または提供を受けたサービスの対価を携帯端末装置にチャージした電子マネーによって支払っている。
携帯端末装置は、電子マネーで支払った各料金を記憶しており、電子マネーを用いて決済した各料金の履歴をユーザの操作に応じて例えば一覧表示する機能を有する機種もある。
特開2002−82914号公報
しかしながら、従来の携帯端末装置においては単一の決済手段についてしか考慮されていなかった。
ところが近年、複数の決済手段を有する携帯端末装置が登場してきている。これら複数の通信手段を有する携帯端末装置を使用する場合、販売店のレジスタなどで決済を行う際に、いずれの決済手段を用いるのかを予め口頭で店員に告げる必要があった。店員は告げられた決済手段をレジスタにて入力して選択し、以降の課金処理が行われる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザにとって利便性のある課金形態を選択的に行える携帯端末装置、携帯端末装置の課金処理方法および携帯端末装置を用いた課金システムを得ることにある。
本発明の第1の観点の携帯端末装置は、複数の決済手段を有し、それぞれの決済手段に対し電子マネーの決済に関する課金通信を外部と行う課金通信部と、前記電子マネーの決済に関する課金情報を前記複数の決済手段それぞれに対して記憶する記憶部と、前記課金通信部にて課金通信を行う際に、所定の条件を満たしているか判定し、前記所定の条件を満たす場合には第1の決済手段を、前記所定の条件を満たさない場合には第2の決済手段を、それぞれ用いて前記記憶部のそれぞれの課金情報の更新を行う制御部とを有する。
好適には、前記制御部の制御により前記記憶部に記憶される課金情報を表示する表示部を有し、前記制御部は、前記表示部へ課金情報を表示させるとき、前記記憶部の記憶内容を参照し、前記第1の決済手段あるいは第2の決済手段ごとの課金情報を表示させるように制御する。
好適には、前記制御部は、前記課金通信部にて課金通信開始の際に前記所定の条件を満たしていた場合には、外部のリーダライタから前記第2の決済手段の認証が要求されても応答を行わず、前記第1の決済手段の認証が要求されたときに応答を行うよう前記課金通信部を制御する。
好適には、前記課金通信部は、該携帯端末装置の電源OFF時も決済可能であり、前記所定の条件が満たされないとき操作が行われないときと同じ前記第2の決済手段により、電源OFF時の課金処理を行う。
好適には操作部をさらに備え、前記所定の条件は、前記操作部が操作された状態で前記課金通信部にて課金通信が開始されることである。
好適には、開閉可能な筐体をさらに備え、前記所定の条件は、前記開閉いずれかの状態において前記課金通信部にて課金通信が開始されることである。
好適には、前記課金通信部は、該携帯端末装置の電源OFF時も前記制御部から独立して決済可能であり、前記記憶部は、前記制御部から独立して前記課金通信部により制御される。
本発明の第2の観点の携帯端末装置の課金処理方法は、課金通信部が、複数の決済手段によるそれぞれの電子マネーの決済に関する通信を外部と行う工程と、記憶部に、前記電子マネーの決済に関する課金情報を前記複数の決済手段それぞれに対して記憶する工程と、前記課金通信部にて課金通信を行う際に、所定の条件を満たしているか判定する工程と、前記所定の条件を満たす場合には第1の決済手段を、前記所定の条件を満たさない場合には第2の決済手段を、それぞれ選択する工程とを有する。
本発明の第3の観点の課金システムは、リーダライタと、該リーダライタとの間で電子マネーの決済に関する課金通信を行う携帯端末装置とを含み、前記携帯端末装置は、
複数の決済手段を有し、それぞれの決済手段に対し電子マネーの決済に関する課金通信を外部と行う課金通信部と、複数の決済手段を有し、それぞれの決済手段に対し電子マネーの決済に関する課金通信を外部と行う課金通信部と、前記電子マネーの決済に関する課金情報を前記複数の決済手段それぞれに対して記憶する記憶部と、前記課金通信部にて課金通信を行う際に、所定の条件を満たしているか判定し、前記所定の条件を満たす場合には第1の決済手段を、前記所定の条件を満たさない場合には第2の決済手段を、それぞれ用いて前記記憶部のそれぞれの課金情報の更新を行う制御部とを有し、前記リーダライタは、複数の決済手段に対応しており、前記携帯端末装置との通信が開始されると、前記第1の決済手段と前記第2の決済手段とのいずれか一方による課金処理に対する認証要求を前記携帯端末装置に送信し、当該認証処理に対する応答があれば応答のあった決済手段による課金処理を行い、当該認証に対する応答が所定時間無ければ他方の決済手段による認証要求を送信する。
本発明によれば、ユーザにとって利便性のある課金形態を選択的に行える携帯端末装置、携帯端末装置の課金処理方法および携帯端末装置を用いた課金システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態による携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
図示した携帯端末装置1は、通話等のデータ通信を行うアンテナ2、通話等のデータ通信をアンテナ2を用いて行う通信部3、通信内容等を表示する表示部4、および、音声入出力部5、ユーザに設定等の操作を行わせるキー操作部6を有している。
また、携帯端末装置1は、通信動作等の制御データ等を記憶しているメモリ7、電子マネーの決済機能を有するIC機能部8、当該携帯端末装置の各部に電力を供給する電源9、および、前述の各部の動作を制御する制御部10を有している。
IC機能部8は、課金通信部を成し、図示を省略したリーダライタ等の外部装置と非接触型決済のRFID(Radio Frequency Identification)通信を行うループアンテナ11、およびループアンテナ11を用いて非接触型課金処理を行うICチップ8aによって構成されている。
ICチップ8aは、例えばFelica(登録商標)チップを成し、Felica規格によって電子マネー決済の各処理を行う制御用ICチップ12、および、電子マネー決済に関する各データを記憶しているメモリ13を有している。
ICチップ12ならびにメモリ13は、携帯端末装置1が前述のリーダライタの近傍にかざされると、即ち電磁波を受信したときにループアンテナ11に発生する誘導起電力で起動のトリガがかかるように接続構成されている。
起動のトリガが生じると、ICチップ12ならびにメモリ13は、携帯端末装置1の電源9から供給される電力によって動作するように接続構成されている。メモリ7およびメモリ13は、課金先、使用日時、課金の種別等を表す課金情報と、当該課金情報を蓄積させた使用履歴と、各課金情報に関連させた課金の種別を表す情報等とを記憶している課金記憶部である。
次に動作について説明する。
例えば、ユーザが、携帯端末装置1に備えられている電子マネー決済機能のSuica(登録商標)モードを用いて、私用でA駅からB駅まで鉄道を利用したときの料金を決済した。
さらにその後、ユーザが社用で外出した際に、前回と同様にA駅からB駅までの料金を同じく携帯端末装置1のSuica(登録商標)モードによって決済した。このような場合を想定する。
社用で外出した際の料金を決済するとき、詳しくは、駅の改札機を通過するとき、携帯端末装置1の後述する専用キーを操作しながら改札機に携帯端末装置1をかざす。
このようにすると、後で携帯端末装置1を操作してSuica(登録商標)モードによる使用履歴を参照すると、上記の専用キーを操作しながら改札機を通過したときの料金に、例えば社用を示すアイコン等が表示される。
このように、携帯端末装置1は、電子マネー決済を用いたときの各課金が、私用時のものか社用時のものかを判別することができるように、使用履歴を表示する。
図2は、図1に示した携帯端末装置の動作を示す説明図である。この図は、携帯端末装置1をリーダライタにかざして電子マネーの決済を行う、つまり私用/社用の区別を行わない通常使用時の処理動作を表すフローチャート(A)を示している。
また、図2には、フローチャート(A)に示した通常使用が行われた場合における、後ほど携帯端末装置1で電子マネーの使用履歴の読み出し/照会を行うときの処理動作を表すフローチャート(B)を示している。
通常の使用状態を示すフローチャート(A)において、図1の携帯端末装置1を、課金システムを構成する例えば駅の改札機等のリーダライタにかざす(ステップST101)。このとき、携帯端末装置1は、電源がON/OFFのどちらの状態でもよい。
リーダライタにかざされた携帯端末装置1は、まず、リーダライタから放出される電磁波をループアンテナ11にて受信するとIC機能部8の起動トリガが発生し、電源部9からの電力供給がなされてICチップ8aが起動される。この際、IC機能部8の起動時に、起動の可否を制御部10等に問い合わせるように構成しても良い。ICチップ8aが起動されると、リーダライタ等から課金通信として発信されているFelica規格等に則ったキャリアとしてのRF電磁波を、ループアンテナ11を用いて受信する(ステップST102)。そしてリーダライタと携帯端末装置1との間で通信のセッションが確立される。
IC機能部8、もしくはICチップ8aは、携帯端末装置1の電源がOFFのときもまた電源ONのときも同様な課金体系、即ち同様な電子マネーの決済処理を行う。
前述のステップST102の工程において、IC機能部8が稼働すると、ICチップ8aは、メモリ13の課金情報を更新し、電子マネーの残高書き換え処理を行う。
詳しくは、制御用ICチップ12が、ループアンテナ11を介してリーダライタから受信した課金情報/電子マネーの決済情報を元に、メモリ13に記憶されている電子マネーの残高情報を書き換えて電子マネーの決済を行う(ステップST103)。すなわち、リーダライタから運賃などの代金として請求された金額分を、メモリ13内の残高から減算するよう更新し、減算が無事完了すれば、ループアンテナ11を用いてリーダライタ側に課金完了の信号を送出する。
このようにして、携帯端末装置1における通常の課金処理が行われる。
図2のフローチャート(A)に示したように、携帯端末装置1において通常の課金処理が行われた後、ユーザの操作に応じて、携帯端末装置1は、フローチャート(B)に示した処理動作を行う。
以下図2(B)について説明する。
携帯端末装置1の履歴読み出し処理は、当該携帯端末装置1が電源9からの電力供給によって稼働している(電源ON状態)ときに、ユーザがキー操作部6へ所定の操作を行うと、電子マネーの使用履歴を照会する動作が開始される(ステップST201)。
ステップST201において、電子マネーの使用履歴を照会するようにキー操作部6を用いて指示がなされると、制御部10は、照会用のアプリケーションプログラムを起動させる(ステップST202)。
照会用のアプリケーションプログラムは、例えば、電子マネーの使用履歴を一覧表示するユーザインタフェース等のアプリケーションプログラムや、カレンダ表示に使用履歴を含めて表示する機能を有するプログラムなどである。
前述の参照用のアプリケーションプログラムを起動させた制御部10は、当該プログラムに則ってICカード部8のICチップ8a(メモリ13)に記憶されている課金情報を読み出し/参照する(ステップST203)。
なお、制御用ICチップ12は、制御部10の制御に応じてメモリ13に記憶されている電子マネーの残高や使用された日時等などを表す課金情報を読み出し、当該課金情報を制御部10へ送る。
制御部10は、前述のアプリケーションプログラムに則って、ICチップ8aから読み出した電子マネーの使用履歴を、例えばリスト化して一覧表示を表示部4に行わせる(ステップST204)。
携帯端末装置1は、このように通常の電子マネーの決済で電子マネーを利用したことを記憶し、また使用履歴の表示動作を行う。
図3は、図1の携帯端末装置の動作を示す説明図である。この図は、携帯端末装置1をリーダライタにかざして、例えば社用の目的で電子マネーの決済を行う、特別使用時を含む処理動作を表すフローチャート(A)を示している。
また、図3には、フローチャート(A)に示した特別な使用が行われた場合を考慮して、携帯端末装置1で電子マネーの使用履歴の読み出し/照会を行うときの処理動作を表すフローチャート(B)を示している。
図3のフローチャート(A)において、図1の携帯端末装置1を、課金システムを構成する、例えば駅の改札機等のリーダライタにかざす(ステップST101)。
リーダライタにかざされた携帯端末装置1は、図2(A)の場合と同様に、ICチップ8aが起動され、リーダライタ等から発信されているFelica規格に則ったRF電磁波を、ループアンテナ11を用いて受信する(ステップST102)。そしてリーダライタと携帯端末装置1との間で通信のセッションが確立される。
ここで、制御部10は、携帯端末装置1がリーダライタにかざされているとき、キー操作部6に配設されている専用キーが押下されている状態か否か、といった所定の条件を満たしているかどうかを判定する(ステップST301)。つまり、所定条件を満たしたまま通信セッションが確立されたかどうかを判定する。通信セッションが確立された段階で専用ボタンが押下されている、すなわち所定条件を満たす(ステップST301“YES”)場合には、特別用途として、社用の課金種別情報を課金情報に対応付ける。逆に通信セッションが確立された段階で専用ボタンが押下されていない、すなわち所定条件を満たさない(ステップST301“NO”)場合には、通常の使用として、課金種別情報を特には記憶しないで課金の処理のみ行う。
制御部10は、所定の条件として、専用キーの押下を判定するとき、例えば、押下状態が予め定められた時間(数秒)以上継続したかどうかを判定する。つまり、専用キーの押下開始とともに計時を開始し、その後数秒経過した後にリーダライタと携帯端末装置1との間で通信のセッションが確立されたとき、所定の条件を満たす、つまり専用キーが押下された状態で決済がなされたと判定する。また、専用キーが押下されてから、所定時間(例えば5秒間)は決済状態を維持し、当該5秒経過以内にセッション確立されれば所定の条件を満たすと判定し、逆に5秒経過してもセッション確立されない場合にはタイムアウトとして、通常の状態(所定の条件を満たさない状態)に戻るように各部を制御してもよい。これらの構成により、決済時にユーザの意図に反して専用キーを誤ってわずかに押下してしまった場合のようなときに、意図しない側として決済されてしまうことを防止することが出来る。
専用キーは、利便性を考慮して例えば携帯端末装置1の筺体の側面部分に配され、例えば押しボタンによって構成されている。携帯端末装置1が複数の筐体片が開閉可能に連結され、その開閉が、閉状態のときに表示部4(メインディスプレイ)が隠れる折り畳み(フォルダ)式や、開閉いずれの状態においても表示部4(メインディスプレイ)が露出されるスライド式あるいはターン式のいずれかの筺体によって構成されているとき、専用キーが側面部分、つまり開閉いずれの状態にあっても操作可能な位置に設けられていることにより、決済種別を変更する都度、筐体を開くなどする必要がなく、利便性が高い。
また、携帯端末装置1が折り畳み(フォルダ)式、スライド式あるいはターン式のいずれかの筺体によって構成されている場合、制御部10が、これらの可動部を開/閉状態のいずれかになされたとき、所定の条件を満たす、と判断するように構成してもよい。なお、開閉の判定はリードスイッチなどにより構成される開閉検出部14の検出値を制御部10が判定して行う。
つまり、ステップS301において、リーダライタとの通信セッションが確立されるときに、制御部10は筐体の開閉状態を判定する。所定の条件としては、開状態を所定の条件としても良いし、閉状態を所定の条件としても良いが、一方が他方とことなる決済種別として記憶されれば良い。
なお、携帯端末装置1の外観/筺体等は、前述の折り畳み(フォルダ)式、スライド式、ターン式以外のものでもよい。
換言すると、制御部10は、携帯端末装置1の外観を成す、筐体片が開/閉状態の何れかとされたとき、専用キーが操作されたと同じく所定の条件を満たすと認識するようにしてもよい。
また、制御部10は、上記開閉状態のいずれかの状態と押しボタン式の専用キーとが同時に操作されたことを示したとき、専用キーが押下/操作されたと認識するようにしてもよい。
さらに専用キーは押しボタンでなくとも静電容量の変化を検出するようなタッチセンサやタッチパネルであってもよく、この場合には制御部10が、タッチセンサ・タッチパネルの操作(接触)があったことをもって所定の条件を満たすと判定することとなる。
再び、図3(A)の説明に戻る。
制御部10は、所定の条件を満たす(専用キーが押下されている)と判定したとき、社用の課金情報であることを示す情報を携帯端末装置1のメモリ7へ書き込む(ステップST302)。
ここでは、決済に関する各種の情報をメモリ7へ書き込む。
決済が生じると、まず、制御用ICチップ12は、制御部10に対し、その課金情報(購入した商品の種類や、金額、課金の生じた時刻)を通知する。この課金情報を受け取った制御部10は、この課金に関するセッションが確立されたときに所定の条件を満たしていたかどうかを示す課金種別情報と、課金情報(購入した商品の種類や、金額、課金の生じた時刻)とを対応付けてメモリ7へ記憶する。
換言すると、制御部10は、ICチップ8aに順次記憶されこととなる課金情報とは別に、この課金情報と同じ内容を使用履歴として、社用か私用かを判別する情報(特別ステータス)を付したテーブルをメモリ7内に作成する。これにより、いつの課金が私用か社用なのか、後で判別することができるように課金情報に対する紐付けを行う。なお、メモリ7において課金情報は、メモリ13に記憶する情報すべてを記憶する必要はなく、メモリ13に記憶された課金情報を特定する管理アドレスや課金時刻などのみを課金種別情報と対応付けて記憶しても良い。
一方、前述のステップST301の工程において、専用キーは押下されていない(所定の条件を満たさない)と判定したときには、前述のステップST103の工程と同様に、ICチップ8aが、メモリ13の課金情報を更新し、電子マネーの残高書き換え処理を行う(ステップST303)。
また、ステップST302の工程の処理を行った後も、ステップST303の工程へ移行してメモリ13の課金情報の更新および残高書き換え処理を行う。
なお、第2の実施形態においても、制御部10は、開閉検出部14の検出値を用いて開閉を所定の条件として参照するように構成したり、押しボタンの変わりにタッチセンサやタッチパネルへの接触を所定の条件として参照するように構成しても良い。
図3のフローチャート(A)に示したように、携帯端末装置1において特別な課金処理が行われた後、適宜、ユーザの操作に応じて、携帯端末装置1は、図3のフローチャート(B)に示した処理動作を行う。
以下図3(B)について説明する。
携帯端末装置1の使用履歴読み出し処理は、当該携帯端末装置1が電源9からの電力供給によって稼働している(電源ON状態)ときに、ユーザがキー操作部6に対して所定の操作を行うと、電子マネーの使用履歴を照会する動作が開始される(ステップST201)。
ステップST201において、電子マネーの使用履歴を照会するように、キー操作部6を用いて指示がなされると、制御部10は、図2を用いて説明した動作と同様に照会用のアプリケーションプログラムを起動させる(ステップST202)。
制御部10は、起動した照会用のアプリケーションプログラムに則してメモリ7に記憶されている、社用の課金情報であることを示す情報を用いて、ICチップ8a(メモリ13)に記憶されている使用履歴を参照する(ステップST401)。
このように制御部10は、ICチップ8aから使用履歴を読み出すとき、ICチップ8aに記憶されている使用履歴とメモリ7に記憶されている特別な使用かどうかを示す課金種別情報とを参照する。つまり、ICチップ8aに記憶されている使用履歴を読み出す際に、使用履歴の課金情報ごとに、それぞれ対応する課金種別情報がメモリ7に記憶されていないかどうかを参照する。対応する課金種別情報の存在する課金情報は、社用など特別用途の課金情報として識別される。
そして、制御部10は、ICチップ8aから読み出した電子マネーの使用履歴を、前述のユーザインタフェースに則して、例えばリスト化して表示部4に一覧表示を行わせる(ステップST402)。
制御部10は、ステップST402の工程において、識別した特別用途(例えば社用)の課金情報を表示するとき、“会社”を示すアイコン等を該当する課金情報の表示箇所に付加し、他の特別用途ではない課金情報と識別できるように表示させる(ステップST403)。
なお、上記のアイコン表示に替えて、例えば社用の課金情報の表示部分のフォントの色を、私用の課金情報の表示色と異なるようにして識別できるようにしてもよい。あるいは、特別用途の課金情報の表示部分と通常用途の課金情報の表示部分の、背景色や背景画像を異なるものとして、識別できるようにしてもよい。あるいは、用途ごとにフォルダ管理し、通常用途の課金情報を表示する箇所のフォルダと、特別用途の課金情報を表示する箇所のフォルダとを分けて表示するようにしてもよい。
また、制御部10が、前述のステップST402の工程において、ユーザインタフェースを用いて課金情報を表示するとき、例えばユーザがキー操作部6に行った操作に応じて所定の用途の課金情報のみを表示するようにしてもよい。
具体的には、例えば社用の課金情報のみの使用履歴を表示する、あるいは私用の課金情報のみの使用履歴を表示するようにしてもよい。
以上のように第1の実施形態によれば、特別用途の課金情報を示す情報を携帯端末装置1のメモリ7に記憶させ、ICチップ8aに記憶されている使用履歴を表示部4に表示させるとき、メモリ7に記憶されている情報を用いて、特別用途の課金情報を識別するようにした。
このようにすることにより、電子マネーの使用履歴を表示部4に表示するとき、通常用途の課金情報と特別用途の課金情報とを識別することができるように表示することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態による携帯端末装置は、図1に示した携帯端末装置1と同様に構成されている。ここでは、第1の実施形態で説明した携帯端末装置と同様な構成について重複説明を省略する。
次に動作について説明する。
第2の実施形態による携帯端末装置1は、第1の実施形態で説明したものと概ね同様に動作する。ここでは、主に、第2の実施形態による携帯端末装置1の特徴となる動作を説明し、第1の実施形態による携帯端末装置1と同様な動作の重複説明を省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態による携帯端末装置の動作を示す説明図である。
この図は、携帯端末装置1をリーダライタにかざして、第1の用途(例えば私用)の目的で電子マネーの決済を行う通常使用の処理動作と第2の用途(例えば社用)の目的で電子マネーの決済を行うときの処理動作とを表すフローチャート(A)を示している。
また、図4には、フローチャート(A)に示した電子マネーの決済即ち課金処理が行われたとき、携帯端末装置1で電子マネーの使用履歴の読み出し/照会を行うときの処理動作を表すフローチャート(B)を示している。
図4のフローチャート(A)において、図1の携帯端末装置1を、課金システムを構成する例えば駅の改札機等のリーダライタにかざす(ステップST101)。このとき、携帯端末装置1は、電源がON/OFFのどちらの状態でもよい。
リーダライタにかざされた携帯端末装置1は、IC機能部8が作動してリーダライタ等から発信されているFelica規格に則ったRF電磁波を、ループアンテナ11を用いて受信する(ステップST102)。そしてリーダライタと携帯端末装置1との間で通信のセッションが確立される。
次に、携帯端末装置1の電源がOFFされているか否かを判定する(ステップST501)。この判定では、キー操作部6に行われる操作を認識できる状態か否かを判断する。もちろん、電源OFFの時には制御部10は、自身がOFFされていることを判定できない。そのため、ICチップ8aがRF電磁波を受信して起動する際に制御部10がONかOFFかを判別し、実質的にはONであると判定したときにのみステップST502に進み、その他の場合にはICチップ8aが単独稼働してステップST505に進むこととなる。
電源ONであった場合、制御部10は、ステップST501の工程において、前述の専用キーが押下されている状態か否か、つまり所定条件を満たしたまま通信セッションが確立されたかどうかを判定する(ステップST502)。ここで制御部10は、所定の条件を満たしていると判定したとき、第1の用途(社用)としての課金情報であることを示す課金種別情報をメモリ7へ書き込む(ステップST503)。このとき、制御部10は、社用の課金情報を示す課金種別情報として、社用を示すフラグを1(有意)として、メモリ13に記憶する課金情報を特定する情報と共にメモリ7に記憶させる。即ち、ICチップ8aに順次記憶される社用の課金情報が、使用履歴の中のどの情報なのか、即ち特別ステータスを有する情報がどれなのか、後で判別することができるように該当する課金情報に紐付けを行う。
一方、ステップST502の工程において、制御部10は、専用キーは押下されている状態ではない、すなわち通信セッションが確立されたときに所定の条件を満たさないと判定したとき、第2の用途(私用)の課金情報であることを示す課金種別情報をメモリ7へ書き込む(ステップST504)。このとき、制御部10は、第2の用途、即ち私用の課金情報を示す課金種別情報として、第1の用途(社用)とは異なるフラグを1(有意)として、メモリ13に記憶する課金情報を特定する情報と共にメモリ7に記憶させる。
制御部10は、通常の課金情報を示すフラグを記憶させるときも、私用の課金情報を示すフラグを記憶させるときのように、使用履歴中のどの情報に対応するフラグが有意になっているかを記憶し、使用履歴の中の該当する情報に紐付けを行う。
さらに制御部10は、ステップST503の工程、あるいはステップST504の工程を処理した後、リーダライタから受信した課金情報を元に、ICチップ8aに電子マネーの決済処理を行わせる(ステップST505)。すなわち、ICチップ8aに、メモリ13に記憶されている電子マネーの残高等の情報を更新させる。このとき、メモリ7に保持された課金情報を特定する情報(時刻情報や管理アドレス)が課金情報ごとにメモリ13に記憶されることは言うまでもない。
このように、第2の実施形態による携帯端末装置は、第1の用途の課金情報を示すフラグと第2の用途の課金情報を示すフラグとをメモリ7に記憶しながら、電子マネーの決済処理を行っている。
図4のフローチャート(A)に示したように、携帯端末装置1において課金処理が行われた後、適宜、ユーザの操作に応じて、携帯端末装置1は、図4のフローチャート(B)に示した処理動作を行う。
以下図4(B)について説明する。
携帯端末装置1の電源がONされたとき、もしくはユーザによるキー操作部6の操作が行われたとき、制御部10は、上記の操作等に応じて該当するアプリケーションプログラムを起動させる(ステップST601)。
制御部10は、ステップST601の工程において電子マネーの使用履歴を閲覧するプログラムを起動させたとき、ICチップ8aに記憶されている使用履歴と、メモリ7に記憶されている情報とを照らし合わせる(ステップST602)。このとき、制御部10は、メモリ7に何らかの課金種別情報が存在するか否かを判定する(ステップST603)。即ち、第1の用途(社用)を示すフラグ、または第2の用途(私用)を示すフラグのいずれかが各課金情報に付加されているか否かを判定する。
制御部10は、メモリ7中に、全ての課金情報に対して何らかのフラグ情報が記憶されているとき(ステップST603“YES”)には、特に処理動作を行わず(ステップST604)、前述の閲覧表示を行うユーザインタフェースに則して各課金情報、即ち、購入した商品の種類や、金額、課金の生じた時刻などを含む使用履歴を表示する処理動作を行う。
ステップST603の工程において、制御部10がメモリ7中に、何らかのフラグ情報が対応付けられていない課金情報が存在すると判定したとき(ステップST603“NO”)には、携帯端末装置1の電源がOFFされている期間にICカード部8のみが稼働して電子マネーが使用されたことが考えられる。そこで、制御部10は、フラグ無しの課金情報について、いずれのフラグを付けるかをユーザに判断させる画面の表示へ遷移する(ステップST605)。
制御部10は、ステップST605の工程において、例えばグラフィックユーザインタフェース(以下、GUIと記載する)のプログラムを起動させる。制御部10は、当該GUIの表示画面を表示部4に表示させ、ユーザに課金先、課金種別の振り分け操作を行わせる。ここで、制御部10は、ユーザの操作入力により、フラグの未付加の課金情報全てに対して第1の用途か第2の用途かの振り分けを行わせ、その結果に基づいて、それぞれの課金情報ごとにいずれかのフラグをメモリ7へ追加記憶させる。
このようにして携帯端末装置1、もしくは制御部10は、対応するフラグがない使用履歴の課金情報に対して、ユーザに振り分け判断を促し、また振り分け操作を行わせて、第1の用途(社用)あるいは第2の用途(私用)のいずれかを示すフラグをメモリ7へ記憶させる。
この後、再び電源OFF中に課金処理を行わない限りは、ユーザが、携帯端末装置1を操作して使用履歴を表示させるアプリケーションプログラムを起動したときには、第1の用途(社用)あるいは第2の用途(私用)等を区別するフラグが全ての課金情報に対して付加されているため、上述のGUI(フラグ付加を行わせる画面表示)への遷移は行われない。そして、課金種別などが全ての課金情報に対して表示される。
以上のように第2の実施形態によれば、携帯端末装置1の制御部10が、ICチップ8aに記憶されている使用履歴を成す各課金情報について、課金の種別を示すフラグをメモリ7に記憶させるようにした。そのためユーザは、携帯端末装置1の電子マネー決済機能の使用履歴を参照するとき、各電子マネーの社用あるいは私用等の用途ごとの課金種別を識別して閲覧することができる。
また、携帯端末装置1の電源がOFFされているとき、IC機能部8が稼働して電子マネーの決済が行われると、制御部10は、携帯端末装置1の電源がONされたときに電子マネーの利用種別をユーザに入力設定させるようにした。そのため、後に携帯端末装置1が電子マネーの使用履歴を表示するとき、各課金情報の利用種別を表示することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態による携帯端末装置を用いた課金システムは、販売店のオペレータ等にユーザが利用する電子マネーの種類を告げる手間を省き、複数種類の電子マネーを使い分けて決済することを可能にするものである。
図5は、本発明の第3の実施形態の携帯端末装置を用いた課金システムの構成を示すブロック図である。この図は、図1に示した携帯端末装置1と同一部分に同じ符号を使用している。
第3の実施形態による携帯端末装置1は、第1または第2の実施形態で説明したものと概ね同様に構成されている。ここでは、第1または第2の実施形態による携帯端末装置1と同様な構成について、重複説明を省略する。
リーダライタ20は、携帯端末装置1と電子マネーの決済に関するデータ通信を行う、例えば販売店のレジスタなどを構成する電子マネー清算手段である。
外部装置であるリーダライタ20と、携帯端末装置1のIC機能部8もしくはICチップ8aは、前述の第1の実施形態で説明したものと同様に、無線通信によってデータ送受信を行うように構成されている。なお、物理的なものではなく論理的なものではあるが、説明の簡略化のために第3の実施形態においてはICチップ8a内のメモリ13には、第1課金領域13aと第2課金領域13bとを設けている。この第1課金領域13aと第2課金領域13bには、それぞれ異なったシステムで管理される電子マネーに関する情報が記憶される。さらに、リーダライタ20は、複数の決済種別(第1種決済、第2種決済)のいずれにも対応している。そして、リーダライタ20は、上述したICチップ8aを起動すると、物理的なセッションをICチップ8aとの間で確立し、その後、論理的なセッションで第2種決済での認証を要求する。ここで、第2種決済での認証に成功すると、第2種決済での課金処理を行う。また第2種決済での認証に失敗した場合には、第1種決済での再認証処理を要求するよう構成されている。
第3の実施形態の携帯端末装置1は、ICチップ8aが複数種類の電子マネーを識別して清算/決済を行う機能を有している。上記のICチップ8aは、各電子マネーに対応する複数の決済手段を有している。
詳しくは、ICチップ8aの制御用ICチップ12は、リーダライタ20とデータ通信を行うとき、例えばSuica(登録商標)、Edy(登録商標)などの各電子マネーを識別し、Suica(登録商標)モードで決済処理を行う決済手段、Edy(登録商標)モードで決済処理を行う決済手段等を有している。
また、制御用ICチップ12は、各決済手段毎に残高や使用履歴をメモリ13に各々記憶させる機能を有している。
ところで、Suica(登録商標)、Edy(登録商標)といったそれぞれの電子マネーは、チャージおよび課金を含め、リーダライタの接続される公衆通信網経由で電子マネーの管理サーバにて一元管理されており、各々独立した電子マネーシステムである。
次に動作について説明する。
第3の実施形態による携帯端末装置1は、第1の実施形態で説明したもの、あるいは第2の実施形態で説明したものと概ね同様に動作する。ここでは、主に、第3の実施形態による携帯端末装置1の特徴となる動作を説明し、第1あるいは第2の実施形態による携帯端末装置1と同様な動作の重複説明を省略する。
図6は、図5の携帯端末装置を用いた課金システムの動作を示す説明図である。この図は、図5に示したリーダライタ20とIC機能部8のICチップ8aが、電子マネーの決済を行うときの処理動作を示すシーケンス図である。
初めに、携帯端末装置1をリーダライタ20に接近させ、例えば携帯端末装置1のIC機能部8が配設されている背面部分を、リーダライタ20の通信アンテナ部分等にかざす。
リーダライタ20は、携帯端末装置1のIC機能部8に対し、セッション開始を示すデータを送信する(ST1)。IC機能部8のICチップ8aは、まずは受信するキャリア波としての電磁波による誘導起電力により起動のトリガを受け、電源9からの電源供給開始されて起動される。そして、ICチップ8aは、キャリア波から上記のセッション開始を示すデータをデコードし、電子マネーの決済処理の開始を認識する。そしてICチップ8aは、制御部10へリーダライタ20とのセッション開始を報知する(ST2)。
またICチップ8aは、セッション開始の応答を示すデータをリーダライタ20へ送信し、まずは物理的な通信セッションが確立する(ST3)。
一方、制御部10は、リーダライタ20とのセッションが確立されたとき、第1、第2の実施例において説明したと同様な所定の条件が満たされているかどうかを判定する。
所定の条件を満たすと判定された場合には、条件の内容に基づいて設定された第1種決済先の電子マネー、例えばEdy(登録商標)による決済処理をICチップ8aに指示し、所定の条件を満たさないと判定する場合には第2種決済先の電子マネー、例えばSuica(登録商標)による決済処理をICチップ8aに指示する(ST4)。
ところで、携帯端末装置1は、所定のキーの押下を所定の条件とする場合には、ユーザがキー操作部6のうち筐体側面に配される所定のキーが押下された状態でセッション確立したかどうかを判定するように構成されている。
このように、第3の実施形態による携帯端末装置を用いた課金システムは、ユーザが携帯端末装置1のキー操作などを行うことにより電子マネーの種類即ち決済先が設定される。
一方、第3の実施形態におけるICチップ8aは、前述のように制御部10から指示された決済種別に一致した決済種別での認証の要求がなされたときには決済を行うように返答をリーダライタ20へ送信し、指示された決済種別に一致しない決済種別での認証の要求がなされたときには返答を返さないように構成される。
また、携帯端末装置1のIC機能部8は、前述のように携帯端末装置1の電源がOFFされているときでも、決済/課金処理を行うことができる。
次にステップST5において、リーダライタ20は、論理セッションとして、まず第2種決済での認証要求を送出する。
ここで、ICチップ8aは既にステップST4において、第1種決済が指示されており、リーダライタ20から要求される決済種別がこれと異なるため、リーダライタ20にたいする返答を行わない(ST6)。
その後、返答のない状態が予め定められた時間が経過(タイムアウト)すると、今度は、リーダライタ20から論理セッションとして第1種決済での認証要求を送出する(ST7)。この場合、ICチップ8aは、ステップST4において、制御部10から指示されている第1種決済と同じ決済種別がリーダライタ20から要求されていると判定されるため、リーダライタ20に対する確認応答を行う(ST8)。
リーダライタ20は、携帯端末装置1もしくはICチップ8aからEdy(登録商標)による決済の確認応答を受信したとき、Edy(登録商標)モードの決済処理を開始する。
リーダライタ20は、例えばEdy(登録商標)を用いた課金処理を行うとき、ユーザが支払うべき課金金額および商品品目の他、課金時刻を示す課金データを携帯端末装置1(ICチップ8a)へ送信する(ST9)。
ICチップ8aは、課金金額を示す課金データを受信すると、制御部10へ課金処理の了承を求める旨の問い合わせを行う(ST10)。制御部10は、予め設定されている課金処理を認める何らかの条件等が満たされているとき、課金処理を了承する旨をICチップ8aに伝える(ST11)。
ICチップ8aの制御用ICチップ12は、制御部10の課金了承が得られると、リーダライタ20から送られた課金金額の支払いが可能か否か、メモリ13の第1課金領域13aに対して電子マネーの残高確認を行う(ST12)。
ICチップ8aの制御用ICチップ12は、メモリ13(第1課金領域13a)の残高確認により第1種決済手段としての電子マネー、例えばEdy(登録商標)の残高が支払可能であり、決済が許容できるとき(ST13)、メモリ13(第1課金領域13a)に記憶されている残高に対して前述のリーダライタ20から送信された金額の課金処理を行う(ST14)。
制御用ICチップ12は、メモリ13に記憶されているEdy(登録商標)の残高金額から前述の課金金額を差し引いた後、第1種決済手段による決済処理を完了する(ST15)。
ICチップ8aは、前述のように電子マネーの決済処理を行い、メモリ13に記憶されている残高金額を更新した後、リーダライタ20へ課金処理の完了報告を送信する(ST16)。
リーダライタ20は、ICチップ8aから課金完了報告を受信すると、第1種決済手段による電子マネー決済処理を完了する表示を販売店レジスタ上の表示部(不図示)に表示するとともに、セッション終了を告げる旨のデータをICチップ8a、即ち携帯端末装置1へ送信する(ST17)。
ICチップ8aは、セッション終了を告げるデータを受信すると、所定の処理を行い、セッション終了の応答を示すデータをリーダライタへ送信し、セッションを開放する(ST18)。
ところで、ステップST2においてセッションが報知された段階で、所定の条件を満たさない場合(所定のキーが押下されていないなど)、制御部10は、ICチップ8aに対し、第2種の決済先での課金を受け付けるようステップST4にて指示する。この場合には、ステップST5における第1種の決済での認証に対して応答を返して以降の決済処理を行うこととなる。
さらに第3の実施形態による携帯端末装置1のIC機能部8、もしくはICチップ8aは、携帯端末装置1の電源がOFFされているときでも決済処理が可能である。ところが、電源がOFFされているときには、キー押下の判別や上記所定の条件を満たすことが出来ない。すなわちステップST2においてセッションが報知された段階で所定の条件を満たさないという扱いになり、ICチップ8aは第2種の決済先での課金を受け付けて決済処理を行うこととなる。
第3の実施形態による携帯端末装置1に備えられるICチップ8aは、上記の電源OFFの場合と、ユーザによる所定のキー押下などの設定が行われなかった場合において、同一の決済手段を用いて処理する。即ち、同じ第2種の決済先の課金体系で、メモリ13のうちの第2課金領域における電子マネーへの決済処理を行うこととなる。
以上のように第3の実施形態によれば、携帯端末装置1のICチップ8aに複数の決済手段を備え、また、リーダライタ20に複数の決済手段を備えて、リーダライタ20から携帯端末装置1へ順次各決済手段の認証を求めるメッセージを発するようにした。また、リーダライタ20は、携帯端末装置1が認証した決済手段を用いて電子マネーの決済処理を行うようにした。そのため、ユーザは口頭で利用する決済手段を告げることなく、携帯端末装置1に設定した決済手段を用いて電子マネーの決済を行うことができる。
また、制御部10は、課金情報の表示の要求がキー操作部6への所定の操作により行われると、ICチップ8aにメモリ13の第1課金領域と第2課金領域とを参照させ、参照結果に応じて、それぞれの領域に記憶される課金情報および電子マネーの残高を表示部4に表示させる。これにより、簡単な操作にもかかわらず、ユーザは電子マネーの使用状況をすぐさま把握することが出来る。
以上、第1、第2の実施形態と、第3の実施形態とをそれぞれ説明を行ったが、それぞれの説明において使用されている具体的な用語は、あくまでも説明の簡略化のために用いたに過ぎず、これらに限定されるものではない。
まず、第1および第2の実施形態では、社用の課金情報と私用の課金情報とを取り扱う携帯端末装置1を例示して説明したが、本発明に係る携帯端末装置は、上記の二種類の用途を分別することに限定されない。
本発明に係る携帯端末装置は、例えば、「社用」、「私用」、また「交際費」等など支払金の使途を複数分別して、各実施形態で説明したように処理することも可能である。また、二種類以上の複数の用途を分別して処理するように構成した場合でも同様な作用効果が得られる。
そして、第3の実施形態では、Suica(登録商標)とEdy(登録商標)という2種類を示したが、異なる決済手段でも当然構わない。また、ICチップ8aが第3の決済手段を持つようにしても良いし、リーダライタが第3の決済手段を持つようにしても良い。いずれにおいても制御部10にて所定の条件が合致していれば、制御部10が指定した決済種別での認証要求が生じた場合にのみICチップ8aはリーダライタ20への応答を返すように構成しておけば、本発明同様の作用を得ることができる。
さらに、所定の条件としては所定のキーの押下があったかどうかのみを判定したが、これに限られるものではなく、例えばテンキーの“1キー”の押下の場合と“2キー”の押下の場合とで、決済手段を使い分けるようにしても良い。この場合には、ステップST2の後に所定の条件を判定する段で、制御部10が押下されたキー種別も判定し、この種別に応じた決済種別にのみ応答するよう、ステップST4においてICチップ8aに指示することで実現可能となる。
また、所定の条件として、物理セッション確立時におけるキーの押下の有無を判定する例を主に説明したが、第1、第2の実施形態と同様、開閉可能な筐体における筐体の開閉検出をもって、所定の条件を満たすかどうかを判定したり、開状態と閉状態とで決済種別を使い分けるようにしても良い。
本発明の第1の実施形態による携帯端末装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した携帯端末装置の動作を示す説明図である。 図1の携帯端末装置の動作を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態による携帯端末装置の動作を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態の携帯端末装置を用いた課金システムの構成を示すブロック図である。 図5の携帯端末装置を用いた課金システムの動作を示す説明図である。
符号の説明
1…携帯端末装置、2…アンテナ、3…通信部、4…表示部、5…音声入出力部、6…キー操作部、7…メモリ、8…IC機能部、9…電源部、10…制御部、20…リーダライタ。

Claims (9)

  1. 複数の決済手段を有し、それぞれの決済手段に対し電子マネーの決済に関する課金通信を外部と行う課金通信部と、
    前記電子マネーの決済に関する課金情報を前記複数の決済手段それぞれに対して記憶する記憶部と、
    前記課金通信部にて課金通信を行う際に、所定の条件を満たしているか判定し、前記所定の条件を満たす場合には第1の決済手段を、前記所定の条件を満たさない場合には第2の決済手段を、それぞれ用いて前記記憶部のそれぞれの課金情報の更新を行う制御部と、を有する、
    携帯端末装置。
  2. 前記制御部の制御により前記記憶部に記憶される課金情報を表示する表示部を有し、
    前記制御部は、前記表示部へ課金情報を表示させるとき、前記記憶部の記憶内容を参照し、前記第1の決済手段あるいは第2の決済手段ごとの課金情報を表示させるように制御する、
    請求項1に記載の携帯端末装置。
  3. 前記制御部は、前記課金通信部にて課金通信開始の際に前記所定の条件を満たしていた場合には、外部のリーダライタから前記第2の決済手段の認証が要求されても応答を行わず、前記第1の決済手段の認証が要求されたときに応答を行うよう前記課金通信部を制御する
    請求項1または2に記載の携帯端末装置。
  4. 前記課金通信部は、該携帯端末装置の電源OFF時も決済可能であり、前記所定の条件が満たされないとき操作が行われないときと同じ前記第2の決済手段により、電源OFF時の課金処理を行う、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
  5. 操作部をさらに備え、
    前記所定の条件は、前記操作部が操作された状態で前記課金通信部にて課金通信が開始されることである
    請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
  6. 開閉可能な筐体をさらに備え、
    前記所定の条件は、前記開閉いずれかの状態において前記課金通信部にて課金通信が開始されることである
    請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
  7. 前記課金通信部は、該携帯端末装置の電源OFF時も前記制御部から独立して決済可能であり、
    前記記憶部は、前記制御部から独立して前記課金通信部により制御される
    請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
  8. 課金通信部が、複数の決済手段によるそれぞれの電子マネーの決済に関する通信を外部と行う工程と、
    記憶部に、前記電子マネーの決済に関する課金情報を前記複数の決済手段それぞれに対して記憶する工程と、
    前記課金通信部にて課金通信を行う際に、所定の条件を満たしているか判定する工程と、
    前記所定の条件を満たす場合には第1の決済手段を、前記所定の条件を満たさない場合には第2の決済手段を、それぞれ選択する工程と、を有する、
    携帯端末装置の課金処理方法。
  9. リーダライタと、該リーダライタとの間で電子マネーの決済に関する課金通信を行う携帯端末装置とを含む課金システムであって、
    前記携帯端末装置は、
    複数の決済手段を有し、それぞれの決済手段に対し電子マネーの決済に関する課金通信を外部と行う課金通信部と、
    複数の決済手段を有し、それぞれの決済手段に対し電子マネーの決済に関する課金通信を外部と行う課金通信部と、
    前記電子マネーの決済に関する課金情報を前記複数の決済手段それぞれに対して記憶する記憶部と、
    前記課金通信部にて課金通信を行う際に、所定の条件を満たしているか判定し、前記所定の条件を満たす場合には第1の決済手段を、前記所定の条件を満たさない場合には第2の決済手段を、それぞれ用いて前記記憶部のそれぞれの課金情報の更新を行う制御部と、を有し、
    前記リーダライタは、
    複数の決済手段に対応しており、前記携帯端末装置との通信が開始されると、前記第1の決済手段と前記第2の決済手段とのいずれか一方による課金処理に対する認証要求を前記携帯端末装置に送信し、当該認証処理に対する応答があれば応答のあった決済手段による課金処理を行い、当該認証に対する応答が所定時間無ければ他方の決済手段による認証要求を送信する
    ことを特徴とする課金システム。
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