JP2010008991A - クリーニングローラ - Google Patents

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和彦 芹澤
Masahito Ito
雅人 伊藤
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高橋  健
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Abstract

【課題】 より一層長期にわたって安定に使用し得るクリーニングローラを提供する。
【解決手段】 本発明のクリーニングローラ10は、円柱状の芯金本体22と、この芯金本体22の両端に設けられ、画像形成装置に設けられたクリーニングローラ10を取り付ける軸受けに嵌め込まれる円柱状の2個のシャフトとから構成される芯金20と、芯金20の外周面に設けられたクリーニング層30とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンター等の電画像形成装置等の感光体や定着ローラ等のようなクリーニングを必要とする被清掃部材を清掃し回復させるために用いられるクリーニングローラに関する。
近年、電子写真技術の進歩に伴い、複写機、プリンタ等の画像形成装置におけるクリーニングローラにおいては、高速化に伴い、高いクリーニング特性が要求されるようになっている。
クリーニング材料としては、一般的にウレタン樹脂が多く用いられているが、ウレタン樹脂から形成されるローラは、十分なクリーニング特性が得られないといった問題がある。
そこで、ウレタン樹脂に代わるクリーニング特性の高い材料として、メラミン樹脂が注目されている。しかしながら、メラミン樹脂は、耐熱性に優れ、熱的には安定であるといった優れた特性を有している反面、形成される発泡体のセル(気泡)が不均一でしかもその中に大きな径のセルが含まれるため、均一な圧接力が得られず、しかも強度が小さく、耐磨耗性に欠け、脆いといった欠点を有している。
そのため、画像形成装置における感光体ドラムや定着ローラ等の被清掃部材の表面を清掃するとき、清掃ムラが生じたり、また、被清掃部材の表面と摺擦されるとき、表面からセル部分が粒子の状態で表面からはがれるといった問題が生じ、これによって十分なクリーニング特性が得られないといった成形状の問題を有していた。
このようなメラミン樹脂を利用したクリーニングローラの欠点を解決するために、特許文献1乃至特許文献3にメラミン樹脂の脆さを改善しようとしたものが開示されている。
特開平7−26054号公報 特開平7−157590号公報 特開2005−195709号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示されたメラミン樹脂を利用したクリーニングローラは、画像形成装置に使用する上ではいまだ十分に欠点を解決してはいなかった。
また、特許文献3に開示されたメラミン樹脂を利用したクリーニングローラにおいては、径方向に圧縮する際に加熱が必要なため、メラミン樹脂の性状が変化してしまうばかりでなく、圧縮後のモールドからの取り外しによるメラミン樹脂の回復膨張で所望の外径がすぐには得られないという欠点があった。
この発明の目的は、上述した事情に鑑みなされたもので、この発明の主たる目的は、クリーニングローラの表面が均一でしかも耐磨耗性に優れ、剥がれにくいクリーニングローラであるとともに、数少ない手順で安価に製造が可能となるクリーニングローラの製造方法を提供するものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わるクリーニングローラは、請求項1の記載によれば、芯金と、前記芯金の外周面を覆うように形成された多孔質弾性体からなるクリーニング層とを備え、前記多孔質弾性体は、前記芯金の長手軸に沿って30%以上の圧縮率で圧縮されて前記芯金に固定されていることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わるクリーニングローラは、請求項2の記載によれば、前記多孔質弾性体が、多孔質メラミン樹脂からなることを特徴とする。
この発明により得られるクリーニングローラは、表面状態が均質で耐磨耗性及び耐久性が向上し、画像形成装置等におけるクリーニング部材として好適に使用できる。
以下に図1及び図2を用いて、本発明のクリーニングローラを説明する。
図1は、本発明のクリーニングローラ10の概略斜視図である。図2は、本発明のクリーニングローラ10の製造方法の工程の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明のクリーニングローラ10は、芯金20と、芯金20の外周面に設けられたクリーニング層30とを備えている。
芯金20は、円柱状の芯金本体22と、この芯金本体22の両端に設けられ、画像形成装置に設けられたクリーニングローラ10を取り付ける軸受けに嵌め込まれる円柱状の2個のシャフトとから構成されている。なお、芯金20は鉄等の金属で作製することができる。
また、図1におけるLは、画像形成装置内の感光体や定着ローラ等をクリーニングするために必要なクリーニングローラ10のローラ面の幅を示しており、本発明において、このLは芯金本体22の長手軸方向の長さと等しく設定されている。
また、クリーニング層30は、芯金本体22の円柱面を全面的に覆うように形成された連続気泡型の多孔質弾性体から構成されている。なお、この多孔質弾性体は、JISハンドブック19ゴム1997の第29頁に定義されているゴム状弾性を有する弾性体である。
なお、クリーニング層30を構成する多孔質弾性体としては、多孔質メラミン樹脂が特に好ましい。多孔質メラミン樹脂は、例えば、BASF社からBASOTECT(登録商標)という商品名で製造され、市販されており、またジュラロン(株)からジュラミンという商品名で市販されている。
この多孔質メラミン樹脂は、一般に、表面に形成される複数のセル(気泡)の大きさが不均一で、かつ、その複数のセルの中には、特に大きなセルが散在して形成されるため、このままクリーニングローラとして使用した場合は、圧接力にムラが生じる。また、多孔質メラミン樹脂は、耐磨耗性及び耐久性に欠けるという特性を有しているため、クリーニングローラとしてそのまま利用することは困難である。
このような多孔質メラミン樹脂の特性を鑑み、本発明においてクリーニング層を構成する多孔質弾性体は、芯金本体22の長手軸(即ち芯金20の長手軸)に沿って、30%以上の圧縮率で圧縮されている。ここで、圧縮率(CR)は、式:
CR={(X−Y)/X}×100 (1)
(式(1)において、Xは、圧縮前の多孔質弾性体の芯金の軸方向長さ;Yは、圧縮後の多孔質弾性体の芯金の軸方向長さ)により算出される値である。
このような多孔質弾性体を芯金20に圧縮状態で取り付ける手順について、図2を用いて以下に説明する。
まず、図2(a)に示すように、クリーニング層30を芯金20に取り付けるための治具に芯金20を装着する。当該治具は、作業台の上に載置され、長辺の長さが芯金本体22の長手軸方向の長さLと等しい略長方形の板状部材102と、板状部材102の一方の短辺に立設されるシャフト保持部104と、シャフト保持部104に設けられ、シャフト24が挿入され、穴径がシャフト24の直径より若干大きく設定された貫通穴106と、図2(c)で説明する多孔質弾性体を圧縮状態で保持するために板状部材102の他方の短辺に取り付ける保持部材108とから概略構成されている。
芯金本体22の外周面には、予めホットメルトなどの接着剤を塗布又はホットメルトからなる接着シートを貼着されている。この状態で芯金20の一方のシャフト24をシャフト保持部104の貫通穴106に挿通させる。なお、貫通穴106の穴径は、シャフト24が挿通可能ではあるが、必要以上に大きくは設定されてはいないため、図2(a)に示すように、芯金本体22は板状部材102と略平行状態に保持されることになる。
次に、図2(b)に示すように、クリーニング層30を構成する多孔質弾性体としての多孔質メラミン樹脂32を、シャフト保持部104で保持されていない他方のシャフト24の側(図2(b)の紙面左側)から芯金本体22に挿入する。なお、この挿入は、多孔質メラミン樹脂32の一方の面をシャフト保持部104に当接した後に、多孔質メラミン樹脂32が芯金本体22の長手軸に沿って圧縮されるように行う。
次に、多孔質メラミン樹脂34、36を、シャフト保持部104で保持されていない他方のシャフト24の側から順次芯金本体22に挿入する。また、この挿入では、多孔質メラミン樹脂34、36の一方の面が、先に挿入された多孔質メラミン樹脂32、34の他方の面に当接した後に、多孔質メラミン樹脂34、36が芯金本体22の長手軸に沿って圧縮されるように行う。
なお、これらの多孔質メラミン樹脂32、34、36は、市販されている多孔質メラミン樹脂のブロックを切り出した直方体に、その長手軸方向へ芯金本体22を挿通するための貫通穴を設けたものを使用している。なお、当該貫通穴は芯金本体22の外径より若干小さく設定されている。
次に、図2(c)に示すように、多孔質メラミン樹脂34、36が芯金本体22に圧縮挿入されている状態で、保持部材108を板状部材102の他方の短辺に取り付け固定される。なお、保持部材108には、シャフト保持部104と同様に、シャフト24が挿入される貫通穴106が設けられている。また、保持部材108は、例えば、嵌め合いやネジ止めで板状部材102に固定されるようになっている。
次に、クリーニングローラ10は、治具に取り付けられたこの図2(c)の状態で、例えば電熱炉等で加熱される。この加熱により、芯金本体22の外周面に塗布等された接着剤が溶融して多孔質メラミン樹脂32、34、36が、長手軸方向に圧縮された状態を保持したまま、芯金本体22に固定される。
次に、シャフト24を貫通穴106から取り外し、多孔質メラミン樹脂32、34、36の表面を図示しない研磨機で研磨して、所定の外径を有する外側円周面を作製し、クリーニング層30の表面として、クリーニングローラ10が完成する。
このようにして作製したクリーニングローラ10は、クリーニング層30を構成する多孔質メラミン樹脂が芯金20の長手軸方向に圧縮されているので、多孔質メラミン樹脂のセル(気泡)が全体に均一且つ凝縮した緻密な状態となって圧接力が均一化されることによりクリーニング特性が向上する。また、この圧縮により、多孔質メラミン樹脂の耐磨耗性及び耐久性も向上し、本発明のクリーニングローラ10は、画像形成装置等におけるクリーニング部材として適したものとなる。
なお、この図2において、芯金本体22の長さLを例えば350mmに設定し、多孔質メラミン樹脂32、34、36の長手軸方向の長さを例えば250mmに設定すると、その圧縮率は、式(1)によると、
CR={(250×3−350)/(250×3)}×100
=53(%)
となる。
本発明の圧縮の工程は、多孔質メラミン樹脂を芯金20の長手軸方向に圧縮するので、特許文献3の径方向の圧縮での円筒状モールドのような別部材を必要とすることもなく、非常に簡便である。
また、特許文献3の径方向の圧縮において、圧縮率を大きくするためには、その都度円筒状モールドを準備する必要がある。これに対して、本発明のクリーニングローラ10では、圧縮率を大きくするためには、多孔質メラミン樹脂を芯金20の長手軸方向に必要な分だけ力を加えればよく、仕様変更にも容易に対応できる。
さらに、多孔質メラミン樹脂の耐磨耗性が低くて脆いという欠点は、圧縮率を高くするほど補うことができるが、特許文献3では多孔質メラミン樹脂の長手軸方向を円筒状モールドに圧入することで径方向の圧縮を行うため、高い圧縮率とすることが難しい。
これに対して、本発明の圧縮の工程は、多孔質メラミン樹脂を芯金20の長手軸方向に圧縮するのみであり、容易に上述したような圧縮率53%の高い圧縮のクリーニング層30が実現可能であり、特許文献3におけるクリーニングローラより耐磨耗性及び耐久性が向上したクリーニングローラを得ることができる。
以上のように、本発明のクリーニングローラ10は、電子写真式ファクシミリ装置、電子写真式プリンタ等の電子写真式画像形成装置におけるクリーニングローラとして使用し得るものである。
以下、本発明を具体的な例により説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
図3は、多孔質メラミン樹脂の圧縮率を変化させてクリーニング特性と耐久性等の良否の試験を行った結果である。
試料作製のために、底面が25mm角の正方形で長手軸方向の長さが200mm、225mm、250mmの三種類の多孔質メラミン樹脂(BASF社製BASOTECT(登録商標))を準備した。この各々の多孔質メラミン樹脂には、その底面の略中央に直径6mmの芯金を挿通させる貫通穴が設けてある。
次に、芯金本体22の長手軸方向の長さが350mmの芯金を準備し、この芯金にホットメルトからなる接着シートを貼り付けした上で、上述した三種類の多孔質メラミン樹脂の貫通穴に挿入して圧縮し、加熱後に研磨することで試料A〜Iを得た。
具体的には、長手軸方向の長さが200mmの多孔質メラミン樹脂2本を芯金に挿入し、芯金本体22の長手軸方向の長さである350mmまで圧縮して接着、研磨した試料が試料Aである。なお、その圧縮率は、上述した式(1)によると、13%となる。
また、試料Bは、長手軸方向の長さが225mmの多孔質メラミン樹脂2本を芯金に挿入し、芯金本体22の長手軸方向の長さである350mmまで圧縮して接着、研磨した試料であり、その圧縮率は22%となる。同様に、試料Eは長手軸方向の長さが225mmの多孔質メラミン樹脂を3本、試料Hは長手軸方向の長さが225mmの多孔質メラミン樹脂を4本用いたものであり、その圧縮率は、順に48%、61%である。
また、試料Cは、長手軸方向の長さが250mmの多孔質メラミン樹脂2本を芯金に挿入し、芯金本体22の長手軸方向の長さである350mmまで圧縮して接着、研磨した試料であり、その圧縮率は30%となる。同様に、試料Fは長手軸方向の長さが250mmの多孔質メラミン樹脂を3本、試料Iは長手軸方向の長さが250mmの多孔質メラミン樹脂を4本用いたものであり、その圧縮率は、順に53%、65%である。
また、試料Dは、長手軸方向の長さが200mmの多孔質メラミン樹脂3本を芯金に挿入し、芯金本体22の長手軸方向の長さである350mmまで圧縮して接着、研磨した試料であり、その圧縮率は42%となる。同様に、試料Gは長手軸方向の長さが200mmの多孔質メラミン樹脂を4本用いたものであり、その圧縮率は56%である。
このようにして得られた試料A〜Iのクリーニングローラ10の表面のセル(気泡)は、圧縮前の多孔質メラミン樹脂に比べ、微小な径からなり且つ均一で緻密に形成されている。
次に、この試料A〜Hのクリーニングローラ10を電子写真複写機の感光体ドラム表面をクリーニングするクリーニングローラとして取り付け、画像形成を行ったところ、試料C〜Iのクリーニングローラでは、感光体ドラム表面に均一に圧接してクリーニングムラもなく、また、クリーニングローラの表面の剥がれもなかった。
しかしながら、試料AとBは、クリーニングムラこそなかったが、試料Aにおいてはクリーニングローラの表面の剥がれが発生し、試料Bにおいてはクリーニングローラの表面の剥がれが若干発生した。
なお、これらの試料A〜Iは、複数の多孔質メラミン樹脂を使用しているが、複数の多孔質メラミン樹脂のつなぎ目における、表面硬度の低下や試験後のクリーニングローラの表面の剥がれは確認されなかった。
この図3に示す試験結果からわかるように、多孔質メラミン樹脂の圧縮率が30%以上であると、多孔質メラミン樹脂の強度が有意に向上し、多孔質メラミン樹脂をクリーニングローラに使用した際の表面の剥がれの問題を解決し、多孔質メラミン樹脂をクリーニングローラとして使用した際の高いクリーニング特性を損なうことがなくなった。
本発明のクリーニングローラ10の概略斜視図である。 本発明のクリーニングローラ10の製造方法の工程の一例を示す概略図である。 多孔質メラミン樹脂の圧縮率を変化させてクリーニング特性と耐久性等の良否の試験を行った結果を示す図である。
符号の説明
10 クリーニングローラ
20 芯金
22 芯金本体
24 シャフト
30 クリーニング層
102 板状部材
104 シャフト保持部
106 貫通穴
108 保持部材

Claims (2)

  1. 芯金と、前記芯金の外周面を覆うように形成された多孔質弾性体からなるクリーニング層とを備え、前記多孔質弾性体は、前記芯金の長手軸に沿って30%以上の圧縮率で圧縮されて前記芯金に固定されていることを特徴とするクリーニングローラ。
  2. 前記多孔質弾性体が、多孔質メラミン樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010231165A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Hodaka Kogyo Kk クリーニングローラ及びクリーニングローラの製造方法

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