JP2010008557A - 画像表示媒体 - Google Patents

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茂樹 竹内
Eiichi Sakai
栄一 坂井
Yukio Hosoya
幸夫 細谷
Okushi Okuyama
奥士 奥山
Tatsuya Nagase
達也 長瀬
Satoru Uchino
哲 内野
Hiroyuki Konno
寛之 金野
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Abstract

【課題】低駆動電圧で鮮明な画像を形成し、良好な画像保持特性を有する画像表示媒体を提供する。
【解決手段】少なくとも表示基板11と背面基板12の間に少なくとも2種の表示用粒子を挟み込み電極間に電界を印加することで表示を行う画像表示媒体1において、表示基板側と背面基板側に絶縁層14が被覆され、該絶縁層の表面エネルギーが5〜20mN/mであることを特徴とする画像表示媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電気を利用した粒子の移動に伴い画像を繰り返し表示、消去することのできる画像表示媒体に関する。
従来から、液晶(LCD)表示装置に代わる表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた画像表示装置が提案されている。これらの狙いは、LCDに比べて通常の印刷物に近い広い視野角か得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットから、これらは次世代の安価な画像表示装置として考えられ、携帯端末機器の表示用あるいは電子ペーパー等への展開が期待されている。
更に最近では、分散粒子と着色溶液からなる分散液を対向する基板間に配置する電気泳動方式が提案されている。しかしながら、電気泳動方式は低比重の溶液中に酸化チタンなど高比重の粒子を分散させているために沈降し易く、分散状態の安定性維持が難しく、また色をつけるために溶液に染料等を添加しているため長期保存に難があり、画像を繰り返し表示するのに安定牲に欠けるという問題を抱えている。
これに対し、分散液をマイクロカプセル中に封入して、見かけ上上述した欠点が現れにくいようにする方式が提案されているが、未だに課題は解決できていない。また、マイクロカプセル自体の接触部分境界はきちんとした濃度が出ず、この点も問題である。
これに対し、気体中での粒子を移動させる方式が提案されている。この方式では溶液を全く用いないために、電気泳動方式で問題となっていた粒子の沈降、凝集等の問題は解決される。
メモリー機能とは、表示に必要な印加電圧をオフにした後でも最後に表示した状態を保持する特性であり、特に電子ペーパー等への適用に必要な特性である。本発明ではメモリー機能を画像保持特性とも言う。
しかしながら、電気泳動方式では数十V程度の駆動電圧で粒子を移動可能であったのに対し、気中で粉体を移動させる方式では、百V以上の高い電圧を印加しないと粒子を移動させることができなくなるという新たな課題が発生した。この駆動電圧上昇の課題に対して、低減するための対策として、粒子と接する基板の面に対してフッ素樹脂を含む樹脂をコーティングすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、本発明者の検討によると、粒子と接する基板の面に対してフッ素樹脂を含む樹脂でコーティングをすると、画像保持特性が不足するという問題があることがわかった。具体的には、所定の駆動電圧によりいったんは画像を形成しても、その後その駆動電圧をはずすとその画像が短時間しか保持されない、更には軽い振動が加わるとたちどころに画像劣化してしまうという欠陥があることが判明した。この粒子画像の保持は粒子の帯電量を増加させるとある程度向上はするが、帯電量増加は駆動電圧の上昇を招き、当初の駆動電圧低減の目的が果たされないこととなってしまう。そのため、携帯用端末機器や電子ペーパー等への商品展開が実質的には著しく難しい状況になってしまっている。
このようになる結果が得られた原因は明らかではないが、以下のように推定している。フッ素を含む樹脂は、低表面エネルギーとし粒子と基板面との付着性を下げすぎたために、駆動電圧がはずれた後の粉体粒子の基板面へ付着させ保持させる力が不足し、軽い振動やその他の擾乱に対して、粒子所定の場所に保持されず移動してしまい、粒子で形成された画像が簡単に劣化してしまうものと考えられる。
特開2003−248247号公報
本発明の目的は、上記実情に鑑み、対向する基板と粒子からなり、低駆動電圧で鮮明な画像を形成し、良好な画像保持特性を有する画像表示媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、対向する基板の一方に特定の表面エネルギーを有する絶縁層を設置することにより、駆動電圧を大幅に低減し、且つ長期間に安定して画像を保持できることを見出し、本発明の完成に至った。
1.少なくとも表示基板と背面基板の間に少なくとも2種の表示用粒子を挟み込み電極間に電界を印加することで表示を行う画像表示媒体において、表示基板側と背面基板側に絶縁層が被覆され、該絶縁層の表面エネルギーが5〜20mN/mであることを特徴とする画像表示媒体。
本発明により、低駆動電圧であるにもかかわらず、鮮明な画像を形成し、良好な画像保持特性を有する画像表示媒体を提供することができた。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、少なくとも表示基板と背面基板の間に少なくとも2種の表示用粒子を挟み込み電極間に電界を印加することで表示を行う画像表示媒体において、表示基板側と背面基板側に絶縁層が被覆され、該絶縁層の表面エネルギーが5〜20mN/mであることを特徴とする。
《基本構成》
本発明の画像表示媒体の基本的な構成について説明する。本発明の画像表示媒体では、対向する2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界によるクーロンによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動方向が切り換わることにより、画像等の情報表示がなされる。
本発明の対象となる画像表示媒体(情報表示用パネル)の例を、図1に基づき説明するが、この形態に限定されるものではない。
図1に示す例では、それぞれ光学的反射率及び帯電特性の異なる2種以上の表示用粒子(ここでは白色粒子22と黒色粒子21を示す)を、表示基板11と背面基板12に設けた電極13の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、表示基板11、背面基板12と垂直方向に移動させ、表示を行う。黒色の場合は黒色粒子21を観察者に視認させて表示し、白色の場合は白色粒子22を観察者に視認させて表示を行う。粒子を駆動させる電界を与える手段としては素子の外部から電界を印加することもできるが、図1に示したように基板上に電極を設置することが好ましい。15は隔壁であり、必要に応じて設けられる。
なお、図1(a)は電圧を印加する前の状態を示しており、図1(b)は電極13に電圧を印加した後の状態を示している。
図1では電極13の表面に絶縁層14が設けられていて、この絶縁層の表面で基板が表示用粒子と接する構成になっている。
図2に示す例では、画像表示媒体に電極を用いていない構造のもので、外部に設けられた電極を介して電解を付与させ、表示用粒子の移動を行えるようにしたものである。絶縁層14は表示基板11と背面基板12にそれぞれ設けられている。図2では電圧印加装置20にセットし、電圧印加前と電圧印加後の様子を示している。
図1及び図2の例では2種類の粒子を用いたが、粒子の種類は少なくとも1種類あればよく、その場合には、少なくとも表面層が背面基板の色と異なる色の粒子を用いる。この場合、例えば、粒子を表示基板側に移動させて粒子の色を表示し、粒子をセルの周囲に移動させて背面基板の色を表示することにより2色表示することができる。
図1及び図2のように2種類の粒子を用いる場合は、それぞれが摩擦帯電により正と負の電荷を帯びるような粒子を用いることが好ましい。
本発明の画像表示媒体における表示基板と背面基板との間隔は、表示用粒子が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。対向する基板間の空間における表示用粒子の体積占有率は5〜70%が好ましく、更に好ましくは10〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不足する。
〈絶縁層〉
本発明に係る絶縁層は、その表面エネルギーが5〜20mN/mである。表面エネルギーを5〜20mN/mの範囲に制御することは、材料の選択あるいは低表面エネルギーを有する材料と比較的高表面を有するエネルギー材料を混合することによって行われる。
低表面エネルギーを有する材料としては、例えば、シリコーン系材料ならびにこれらの共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、及びポリマーブレンドなどを用いることができる。あるいはまた、シリコーンオイル成分を分散してなる低表面エネルギー化を図った材料を用いてもよい。あるいはまた、2、3官能シリコーン系樹脂とテトラメトシキシランなどの4官能シラン化合物を混合して熱硬化させて形成させてもよい。
また、比較的高表面エネルギーを有する材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、フッ素系樹脂、ならびにこれらの共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、及びポリマーブレンドなどを用いることができる。
表面エネルギーをこの範囲とすることによって、粒子と基板との間の付着力が適切となり、その結果、低駆動電圧でも高いコントラストの画像が得られ、その画像を安定して保持することができる。表面エネルギーが5mN/m未満のときは、粒子の移動については良好な特性が得られるが、画像保持特性が損なわれ、軽い振動等によってもたちどころに画像が劣化するとの欠点がある。一方、20mN/mを超えると低駆動電圧での高コントラストが得られず、良好な画像特性が得られないという欠点を有するようになる。
〈表面エネルギー〉
本発明では絶縁層の表面エネルギーは以下のようにして、固体試料として絶縁層を用いて測定を行い、算出することにより求める。
一般に、固体物質の表面エネルギーは、既知の表面エネルギーを有する液体を用いて、この液体が表面エネルギーを知りたい固体上に形成する接触角を測定することによって、接着仕事の考え方に従って拡張Fowkesの理論に基づいて算出されることが知られている(例えば、協和界面化学 表面自由エネルギー解析ソフトウェアEG−11 取り扱い説明書参照)。
固体と液体との接着仕事は、下記関係式で表される。
SL=γ(1+cosθSL
SL:固体試料/液体試料の接着仕事
γ:液体試料の表面自由エネルギー
θSL:固体試料/液体試料の接触角
この接着仕事は分散力成分、双極子力成分、水素結合成分の3成分に分解して考える。
SL=WSL +WSL +WSL
SL :接着仕事(分散力成分)
SL :接着仕事(双極子力成分)
SL :接着仕事(水素結合成分)。
同様に固体試料の表面自由エネルギーも3成分に分解して考える。
γ=γ +γ +γ
γ:固体試料の表面自由エネルギー
γ :固体試料の表面自由エネルギー(分散力成分)
γ :固体試料の表面自由エネルギー(双極子力成分)
γ :固体試料の表面自由エネルギー(水素結合成分)。
液体についても同様である。
γ=γ +γ +γ (i=1、2、3)
γ:液体試料iの表面自由エネルギー
γ :液体試料iの表面自由エネルギー(分散力成分)
γ :液体試料iの表面自由エネルギー(双極子力成分)
γ :液体試料iの表面自由エネルギー(水素結合成分)
例えば、i=1はα−ブロモナフタレン、i=2はヨウ化メチレン、i=3は水とすると、各液体試料の表面自由エネルギーの各成分は既知である。
Figure 2010008557
また、接着仕事については、下記の幾何平均の関係式が成立するものと考える。
Figure 2010008557
これらの式から下記拡張Fowkesの式が成り立つ。
Figure 2010008557
S1、WS2、WS3は接触角想定により算出され、行列の中の数値は既知の数値であるため、この関係式に基づいて逆行列計算で逆算すれば、(γ 1/2、(γ 1/2、(γ 1/2、つまりγ 、γ 、γ を求めることができる。この数値がわかれば、γ=γ +γ +γ より固体試料の表面エネルギーγSが算出することができる。
《表示用粒子》
本発明の画像表示媒体に用いる表示用粒子は着色した粒子であれば特に制限されないが、少なくとも結着樹脂と着色剤から構成される荷電性の粒子を用いることが好ましく、必要に応じて荷電制御剤や抵抗調整剤を添加することもできる。
更に必要に応じて、微粒子状の酸化チタン、微粒子状のシリカ、炭酸カルシウム等の添加剤を粒子に対して後から加えることもできる。本発明に係る表示用粒子の粒径は、体積メディアン径で0.1〜50μmが好ましい。この範囲より大きい場合には表示の鮮明さや、均一性が不足し、この範囲より小さい場合には粒子の凝集力が大きくなって、粒子の移動性が低下して表示濃度やコントラストが不足する。
〈結着樹脂〉
通常結着樹脂として使用されるものであれば特に限定されない。電子写真用トナーに用いられる結着樹脂が代表例として挙げられる。例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂ならびにこれらの共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、及びポリマーブレンドなどを用いることができる。
〈着色剤〉
着色剤としては特に制限はなく、公知の有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。特に白黒表示においては、黒色着色剤としてカーボンブラックが、白色着色剤として二酸化チタンが好ましい。
〈荷電制御剤〉
荷電制御剤としては、現像粒子に摩擦帯電にて電荷を与えるものであれば特に制限はない。正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物等が挙げられる。負荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物等が挙げられる。
〈抵抗調整剤〉
抵抗調整剤としては、着色剤と同様なものが使用できることがあり、薄片状、繊維状、粉末状等の各種形状の金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック等が挙げられる。
〈表示用粒子の製造方法〉
本発明における表示用粒子の製造方法は特に限定されないが、電子写真用トナーの製造方法として公知の方法を用いることができ、結着樹脂と着色剤を混合した後に混練し、粉砕分級して作製する方法、またはモノマーと着色剤を機械攪拌により液滴とした後に重合する懸濁重合法、活性剤を溶解した乳化水溶液にモノマーを滴下し、ミセル中で重合させ100〜150nmのポリマー粒子を作製した後、着色剤、凝集剤を添加して表示用粒子を形成する乳化会合法が挙げられる。
《基板》
少なくとも一方の基板は画像表示媒体外側から表示用粒子の色が確認するので、例えば、表示基板は透明であることが必要であり、可視光の透過率が高い材料が好適である。充分な視認性を得るためには可視光透過率は80%以上であることが望ましい。一方、背面基板は透明であることは必ずしも必要ではない。
透明な基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可撓性のあるもの、及びガラス、石英などの可撓性のない無機材質からなる板状部材が挙げられる。
基板の厚みは2〜5000μmが好ましく、更に5〜2000μmが好適である。薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなる。基板が厚すぎると、画像表示媒体の厚みや重量が大きくなって設置場所の制約や携帯性が低下する。また、透明基板が厚すぎると表示品質が低下する。
《電極》
電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。
電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側(表示基板側)に設ける電極は透明である必要があるが、背面基板側に設ける電極は透明である必要がない。視認側(表示基板側)に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければよく、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。透明電極の可視光透過率は80%以上であることが望ましい。
背面基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。また、この電極を大気圧プラズマで形成してもよい。
《隔壁》
必要に応じて基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる画像表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
隔壁の形成方法は特に限定されず、例えば、樹脂等の材料を用いてエンボス加工したり、熱プレス射出成形で所定パターンに応じた凹凸形状を作製したり、周知のフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷などにより背面基板上に形成することができる。
以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《表示用粒子の作製》
以下のようにして、本発明の画像表示媒体に用いる正帯電性の白色粒子と負帯電性の黒色粒子とを作製した。
〈白色粒子1の作製〉
スチレンアクリル樹脂100部と粒子径が150nmのアナタース型酸化チタン100部とを予め、ヘンシェルミキサー等の混合装置にて均一混合させた後、混練・粉砕・分級を行い、粒径が8.2μmでCV=20の白色微粒子を得た。
更にこの白色微粒子にアミノカップリング処理された50nmのシリカ微粒子を加え、奈良機械製のバイブリダイザーにて15,000rpm、10min処理し、粒子表面を平滑化すると同時に粒子の円形化も進め、円形度0.93の白色正帯電粒子を得た。この白色正帯電粒子に、更に平均粒径が15nmのアミノカップリング処理されたシリカ粒子を1.0部添加して白色粒子1を得た。
〈黒色粒子2の作製〉
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(SDS:ドデシルスルホン酸ナトリウム)をイオン交換水に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間に亘り加熱、攪拌することにより重合を行い樹脂粒子分散液を調製した。
アニオン系界面活性剤(101)(C1021(OCHCHOSONa)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330」(キャボット製)420.0gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液を調製した。
樹脂粒子分散液420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5M水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調製した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6〜60分間かけて90℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。
その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、黒色の表示用粒子を得た。得られた黒色の表示用粒子は、粒径が9.5ミクロンでCV=22、円形度0.96であった。この黒色の表示用粒子に、更に平均粒径が15nmのカップリング処理されたシリカ粒子を1.0部添加して黒色粒子2を得た。
《基板》
幅50mm、長さ80mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、透明電極としてITOを厚み300nmで蒸着した基板を2枚用意した。
《絶縁層の形成》
絶縁層形成用コーティング液を下記の配合で作製した。
シリコーン樹脂「商品名X−40−2269」(信越化学製) 100質量部
テトラメトキシシラン 3質量部
メタクリル酸アクリル樹脂 スミペックスLG35(住友化学製) 5質量部
n−ヘキサン 400質量部
トルエン 100質量部
このコーティング液を用いて、上記基板に乾燥時に厚さ2μmになるようにオーブンで120℃、1時間乾燥させた。
〈絶縁層の表面エネルギーの測定〉
絶縁層の表面エネルギー測定は協和界面化学株式会社製DM100接触角計を用いて、α−ブロモナフタレン、ヨウ化メチレン、水の接触角を測定して,その数値に基づいて[数2]の式に基づいて表面エネルギーの算出を行ったところ、10mN/mであった。
《画像表示媒体の作製》
白色粒子1と黒色粒子2を体積で等量混合し、振とう器で30分攪拌して粒子を摩擦帯電させた。シリコーン系樹脂よりなる絶縁層を形成した2枚の基板を、絶縁層が対向するように厚み50μmのポリエチレンテレフタレート板で挟んで配置させ、その間隙に白色粒子1と黒色粒子2の混合物を間隙に占める体積が30%となるように封入して、画像表示媒体を作製した。
実施例2
実施例1の画像表示媒体の作製において、絶縁層の形成を下記条件とした以外は同様にして、画像表示媒体を作製した。絶縁層の表面エネルギーは15mN/mであった。
シリコーン樹脂「商品名X−40−2269」(信越化学製) 100質量部
テトラメトキシシラン 3質量部
メタクリル酸アクリル樹脂 スミペックスLG35(住友化学製) 10質量部
n−ヘキサン 200質量部
トルエン 100質量部
実施例3
実施例1の画像表示媒体の作製において、絶縁層の形成を下記条件とした以外は同様にして、画像表示媒体を作製した。絶縁層の表面エネルギーは20mN/mであった。
シリコーン樹脂「商品名X−40−2269」(信越化学製) 100質量部
テトラメトキシシラン 5質量部
メタクリル酸アクリル樹脂 スミペックスLG35(住友化学製) 15質量部
n−ヘキサン 200質量部
トルエン 100質量部
実施例4
実施例1の画像表示媒体の作製において、絶縁層の形成を下記条件にした以外は同様にして、画像表示媒体を作製した。絶縁層の表面エネルギーは5mN/mであった。
シリコーン樹脂「商品名X−40−2269」(信越化学製) 100質量部
テトラメトキシシラン 2質量部
メタクリル酸アクリル樹脂 スミペックスLG35(住友化学製) 1質量部
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン) 10質量部
n−ヘキサン 200質量部
トルエン 100質量部
比較例1
実施例1の画像表示媒体の作製において、絶縁層の形成を下記条件にした以外は同様にして、画像表示媒体を作製した。
絶縁層としてフッ素系樹脂であるフルオンETFE(旭硝子製フルオンZ−8820X)を用いて、電極上に膜を静電塗装により形成し、その後、膜厚を2μmになるように機械的に加工した。絶縁層の表面エネルギーは4mN/mであった。
比較例2
実施例1の画像表示媒体の作製において、絶縁層の形成を下記条件にした以外は同様にして、画像表示媒体を作製した。絶縁層の表面エネルギーは22mN/mであった。
シリコーン樹脂「商品名X−40−2269」(信越化学製) 100質量部
テトラメトキシシラン 5質量部
メタクリル酸アクリル樹脂 スミペックスLG35(住友化学製) 30質量部
n−ヘキサン 200質量部
トルエン 100質量部
《表示特性の評価》
画像表示媒体の2枚ITOを電極として両者の間に直流電圧を印加し、画像表示媒体の特性を評価した。
画像表示媒体の上側ITO電極に、0Vから50V間隔で250Vまで電圧を変化させて印加し、各電圧にて反射濃度計(濃度計 PDA65型(コニカミノルタ製))を用いて表示濃度を測定する。反射濃度は表示面の5点をランダムに測定し、算術平均値として求めた。次に、プラス250Vから−50V間隔で−250Vまで電圧を変化させて印加し、各電圧での表示濃度を反射濃度計にて測定する。次に、−250Vから50V間隔で0Vまで電圧を変化させて印加し、各電圧での表示濃度を反射濃度計にて測定する。上記一連の手順にて上側電極への印加電圧が0Vからプラス側、マイナス側を経て再び0Vに戻るヒステリシス曲線を得た。
実施例及び比較例の全ての場合において、上側ITO電極からみて白表示の状態で上側ITO電極にプラスの電圧を与えた場合に、表示が白から黒に変化することが観察された。
得られたヒステリシス曲線から、最低駆動電圧と黒濃度、白濃度、コントラストを以下のようにして求めた。
黒濃度:250V印加時の反射濃度
白濃度:0V印加へ戻ってきた時の反射濃度
コントラスト:黒濃度−白濃度
最低駆動電圧:0Vから50Vステップで250Vまで電圧を変化させた場合に表示濃度が「白濃度+(黒濃度−白濃度)×0.1」となる駆動電圧(V)。
《画像保持特性の評価》
画像保持特性は画像表示媒体に一定の振動を与えて、その前後の画像変化を観察することで評価する。視認方向の電極にプラス250Vの印加電圧を加えて黒表示をさせた状態で印加電圧をオフにして、黒表示を保持させたサンプルを作製した。同様にマイナス250Vの印加電圧を加えて白表示させた状態で印加電圧をオフにして、白表示を保持させたサンプルを作製した。これらを株式会社ミツトヨ製小型動電式振動試験機にて、振動数6000Hz、最大速度0.5m/sの条件にセットして、1分間振動を施して画像の変化状況を確認した。
Figure 2010008557
表2に示すように、本発明に該当する実施例1〜4の画像表示媒体は最低駆動電圧が低く、且つ黒濃度が高く、白濃度が低く、大きなコントラストが得られ、画像が安定して保たれるのに対し、本発明外の比較例1〜2の画像表示媒体は、表示特性が劣るかまたは画像保持特性が劣るという結果であった。
画像表示媒体の基板間に電圧印加による粒子の移動を示す模式図である。 画像表示媒体の基板間に外部電圧印加による粒子の移動を示す模式図である。
符号の説明
1 画像表示媒体
11 表示基板
12 背面基板
13 電極
14 絶縁層
15 隔壁
20 電圧印加装置
21 黒色粒子
22 白色粒子
30 電圧印加装置

Claims (1)

  1. 少なくとも表示基板と背面基板の間に少なくとも2種の表示用粒子を挟み込み電極間に電界を印加することで表示を行う画像表示媒体において、表示基板側と背面基板側に絶縁層が被覆され、該絶縁層の表面エネルギーが5〜20mN/mであることを特徴とする画像表示媒体。
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