JP2010006661A - 基板および析出板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】析出板の厚みばらつきを容易に減少させることができる基板および析出板の製造方法を提供する。
【解決手段】基板9の第1の表面22には、1つの辺に平行に延びるスリット31が、一定の間隔を空けて複数設けられる。基板9は、スリット31が、溶融原料への浸漬方向に対して直交するように保持される。基板9の前方部が溶融原料に浸漬したときに、未だ浸漬されていない後方部への熱の移動は、基板9のスリット31を除く基板実体部27を介して行われる。このため、スリット31が構成されない基板と比較して、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度との差が減少するので、基板9の材料を変更することなく析出板の浸漬方向におけるばらつきを減少できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、析出板原料を溶湯とし、この溶湯に基板を浸漬することによって、溶融原料を基板の表面に凝固成長させて析出板を製造するための基板および析出板の製造方法に関する。
析出板原料を溶湯とし、この溶湯に基板を浸漬することによって、溶融原料を基板の表面に凝固成長させて析出板を製造する析出板の製造方法においては、析出板の面内における厚さ分布を均一にする必要がある。
特許文献1に開示されている析出板製造装置は、析出用基板が溶湯に浸漬するときの基板面の温度と、浸漬時間により析出板の厚さが決定されるとし、そのため析出用基板が溶湯に浸漬するときの基板面の温度および温度分布を常に一定にすることのできる析出板製造装置である。
また、浸漬前の析出用基板に対する予熱機構を備え、この予熱機構は、平面的に巻かれた2以上の渦巻きコイルを同一仮想平面内に配置することにより形成された予熱板と、予熱板内の互いに隣り合うコイルに流れる電流の回転方向を反対向きとするように電流を供給する電流供給手段とを有する。
析出用基板と予熱板とを所定間隔離して互いに対向するように配置し、電流供給手段によって、予熱板内の互いに隣り合うコイルに流れる電流の回転方向が反対向きとなるように電流を供給することにより、析出用基板は電磁誘導加熱される。
この製造装置はコイルを2個以上備えるので、析出用基板における電力密度の高い部分と低い部分との間隔を短くするように配置することができ、析出用基板を均一に加熱することができる。
特開2004−51387号公報
特許文献1に開示される析出板製造装置では、基板面内の温度分布を均一にするために上記のような予熱機構を備えている。
しかしながら、基板の表面部を溶湯表面に対して傾斜した姿勢で溶湯への浸漬を開始するため、基板の進行方向後方部においては先に溶湯と接触を開始した前方部からの熱伝導により温度が上昇し、後方部が浸漬する時点での後方部の局所温度は、前方部が浸漬する時点での前方部の局所温度と比較して高い。
ここで、基板表面の温度と溶湯の凝固点との差が増大すると、析出板の厚さは増大するため、局所温度が高くなった後方部においては溶湯の凝固点との差が小さくなり、前方部と比較すると後方部での析出板の厚さが小さくなる。
また予熱機構は、予熱板と、電流供給手段に加え、予熱板と析出用基板との対向位置を所定時間間隔で相対的に変化させる手段、または、一つの析出用基板に対して2以上の予熱板が用意され、所定時間間隔でこれらの予熱板の間に一つの析出用基板を移動させる移動手段を設けている。このような予熱機構を備えることにより、特許文献1記載の析出板製造装置は構成が複雑である。
本発明の目的は、析出板の厚みばらつきを容易に減少させることができる基板および析出板の製造方法を提供することである。
本発明は、溶湯に臨む第1の面が溶湯表面に対して傾斜した姿勢で、溶湯への浸漬を開始し、前記第1の面に溶湯の一部を凝固析出させて析出板を形成する基板において、
溶湯への浸漬方向前方部から後方部までの見かけの熱拡散率が、均一な材料および均一な厚さで仮想的に構成された仮想基板の熱拡散率よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする基板である。
また本発明は、前記第1の面にスリットを有し、
前記スリットは、前記溶湯への浸漬方向に対して直交するように設けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記第1の面に凹凸部を有し、
前記スリットは、前記凹凸部の凹部を構成することを特徴とする。
また本発明は、前記第1の面の反対側の面である第2の面にスリットを有し、
前記第2の面が有するスリットは、前記溶湯への浸漬方向に対して直交するように設けられ、
前記第1の面が有するスリットと、前記第2の面が有するスリットとは、前記前記溶湯への浸漬方向に対して交互に設けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記第1の面を有する析出層と、前記析出層を保持する保持層とからなり、
前記保持層を構成する材料は、前記析出層を構成する材料よりも熱拡散率が小さいことを特徴とする。
また本発明は、前記第1の面に垂直な方向の厚さが、前記溶湯への浸漬方向前方部から後方部に向かって大きくなるように構成されていることを特徴とする。
また本発明は、上記の基板を、
溶湯に臨む第1の面が溶湯表面に対して傾斜した姿勢で、溶湯への浸漬を開始し、
前記第1の面が溶湯に浸漬された基板を溶湯から引き上げることによって、基板の前記第1の面に溶湯の一部を凝固析出させて析出板を形成することを特徴とする析出板の製造方法である。
本発明によれば、溶湯への浸漬方向前方部から後方部までの見かけの熱拡散率が、均一な材料および均一な厚さで仮想的に構成された仮想基板の熱拡散率よりも小さくなるように構成される。
このような基板を用いることによって、先に溶湯との接触を開始した前方部から後方部に伝わる熱量による後方部における温度上昇が低く抑えられるので、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度の差は減少する。
したがって、予熱機構などの装置を用いることなく、基板の浸漬方向における析出板の厚さのばらつきを減少することができる。
また本発明によれば、前記第1の面に、前記溶湯への浸漬方向に対して直交するようにスリットを設ける。
基板の浸漬方向前方部から後方部に伝わる熱量は、スリットを迂回する基板内の熱伝導とスリットを横断する熱伝達とにより伝わるため、基板の浸漬方向前方部から後方部までの見かけの熱伝導率が、基板の材料を変更することなく容易に小さくすることができる。また、スリットの位置または大きさの変化を最適化することで、基板が浸漬する時点の局所温度を浸漬方向において均一にすることができる。
また本発明によれば、前記第1の面に凹凸部を有し、スリットは、前記凹凸部の凹部を構成する。
これにより、析出板の結晶成長は、前記凹凸部の凸部からの結晶成長であるため、スリットにより結晶の成長が妨げられることが無い。
また本発明によれば、前記第1の面の反対側の面である第2の面にスリットを有し、前記第2の面が有するスリットは、前記溶湯への浸漬方向に対して直交するように設けられる。さらに、前記第1の面が有するスリットと、前記第2の面が有するスリットとは、前記前記溶湯への浸漬方向に対して交互に設けられている。
これにより、スリットを迂回することで、熱伝導の、基板の浸漬方向前方部から後方部までの経路長が大きく増大するので、浸漬方向前方部から後方部までの見かけの熱伝導率が、より小さくなっており、基板の材料を変更することなく見かけの熱拡散率をより小さくすることができる。
また本発明によれば、前記第1の面を有する析出層と、前記析出層を保持する保持層とからなり、前記保持層を構成する材料は、前記析出層を構成する材料よりも熱拡散率が小さい。
これにより、析出層における凝固析出に適した材料と、保持層における伝熱に適した材料とを組み合わせて用いることができる。たとえば、保持層を熱拡散率の小さい材料で構成しても、析出層には溶湯のぬれが良く、析出板との熱変形の差が小さいような材料を用いることができる。
また本発明によれば、前記第1の面に垂直な方向の厚さが、前記溶湯への浸漬方向前方部から後方部に向かって大きくなるように構成されている。
基板の浸漬方向後方部における厚さが、直方体形状の場合と比較して大きい場合、基板の後方部においては、見かけの比熱が大きくなるので、後方部における見かけの熱拡散率が小さくなる。
また本発明によれば、上記の基板を、溶湯に臨む第1の面が溶湯表面に対して傾斜した姿勢で、溶湯への浸漬を開始し、前記第1の面が溶湯に浸漬された基板を溶湯から引き上げることによって、基板の前記第1の面に溶湯の一部を凝固析出させて析出板を形成する。
これにより、先に溶湯との接触を開始した前方部から後方部に伝わる熱量による後方部における温度上昇が低く抑えられるので、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度の差は減少する。
したがって、予熱機構などの装置を用いることなく、基板の浸漬方向における析出板の厚さのばらつきを減少することができる。
図1は、析出板製造装置1の構成を示す概略断面図である。析出板製造装置1は、チャンバ2の内部空間である処理空間において、その床面に設置される加熱溶解装置3と加熱溶解装置3の上方に設けられる浸漬装置4とを含み、チャンバ2の外部にこれらの動作を制御する制御装置5とを含んで構成される。
加熱溶解装置3は、溶融原料6を貯留するるつぼ7と、るつぼ7を外囲するように設置され、るつぼ7およびるつぼ7に貯留される溶融原料6を加熱する加熱装置8を備える。
浸漬装置4は、基板9を保持する基板保持部10と、基板保持部10を鉛直方向17に移動させる昇降機構11と、基板保持部10を水平方向18に移動させる横行機構12と、基板保持部10を、鉛直方向17および水平方向18に対して垂直な方向の軸線まわりに回転させて基板9を傾斜させるチルト機構13とを備える。
チャンバ2は、チャンバ2壁面に開口として形成される基板搬入口14と基板搬出口15を備える。チャンバ2内部の処理空間は、非活性雰囲気であることが好ましく、たとばアルゴンや窒素などを処理空間に充填させることで非活性雰囲気とすることができる。
溶融原料6としては、主としてシリコンが用いられる。ただし、るつぼ7内に収容可能であって、基板9を浸漬することで基板9の表面に析出して析出板16を得ることができるものであれば、材料はシリコンに限らない。たとえば、アルミニウムやニッケルなどの金属材料や、ガリウムヒ素などの半導体材料でもよい。
るつぼ7は、基板9を浸漬するために深さ方向及び水平方向に十分な内部空間を備える。加熱装置8としては、たとえば誘導加熱コイルが用いられる。この場合、溶融原料6としては電気抵抗の大きい材料が好ましい。加熱装置8とるつぼ7との間には、図示しない耐熱性および断熱性の高い材料が設置され、加熱装置8とるつぼ7とを覆って保持する。なお、加熱装置8としては抵抗加熱装置であってもよい。
基板9を構成する材料としては、溶融原料6が溶湯となる温度において熱拡散率が小さく、かつ機械的強度と耐熱衝撃性とが高く、かつ溶融原料6との反応性に乏しいものが好ましい。このような材料としては、グラファイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられ、その中でもグラファイトが好適に用いられる。基板9の材質は、これに限定されず、溶湯原料6の種類などに応じて広い範囲から適宜選択することができる。
図2は、図1に示す析出板製造装置1を用いた析出板製造方法を示す模式図である。浸漬装置4の動作を説明するために、浸漬中の浸漬装置19を実線で示し、浸漬開始前の状態にある浸漬装置20を破線で示し、浸漬終了後の状態にある浸漬装置21を一点差線で示す。
まず、基板9は、チャンバ2の外部に設置される図示しない基板搬送手段から基板搬入口14を通って、基板保持部10に受け渡される。基板保持部10は、横行機構12による水平方向18前方への移動、昇降機構11による下降、チルト機構13による図2の紙面に垂直な軸線周りの回転により溶融原料6の上方にまで移動される。
基板保持部10は、基板9の第1の表面22が溶融原料6の液面24に対向するとともに水平方向に対して傾斜し、基板9の浸漬方向23前方部が、後方部よりも下側になるように基板9を保持する。浸漬方向23は、矩形状に構成される基板9の第1の表面22の一辺に直交し、この一辺に直交する他辺に平行な方向である。
次に、基板保持部10は横行機構12により水平方向18前方に移動すると同時に昇降機構11により下降して、基板の第1の表面22の浸漬23前方部の端面から溶融原料6の液面24に接触するように移動され、浸漬を開始する。
浸漬中に、基板保持部10は、浸漬方向23と、第1の表面22に垂直な方向25を含む仮想平面と、基板9の第1の表面22との交線の垂直二等分線上の点を中心とする楕円軌道を描いて移動される。具体的には横行機構12により水平方向18に移動すると同時に昇降機構11により下降し、同時にチルト機構13により第1の表面22の浸漬方向23前方部が上昇し、浸漬方向23後方部が下降するように移動される。
基板保持部10は、基板9の第1の表面22の浸漬方向23前方部が後方部に対して上側に配置されるように傾斜した姿勢で、基板9の第1の表面22の浸漬方向23前方部の端面から溶融原料表面24から離間するように基板9を引き上げる。
そして、基板9は、昇降機構11による上昇と、横行機構12による水平方向18前方への移動と、チルト機構13による図2の紙面に垂直な軸線周りの回転により基板搬出口15へと移動され、基板搬出口15を通ってチャンバ2外部に設置される図示しない基板搬送手段に受け渡される。
上記のように、基板9は、第1の表面22を溶融原料6の液面24に対向するようにして浸漬方向23前方部の端部から溶融原料6の液面24に接触するように移動され浸漬を開始するので、浸漬方向23後方部には、先に溶融原料6と接触を開始した浸漬方向23前方部からの熱伝導により熱量が伝わる。
本発明では、基板9の浸漬方向23前方部から後方部までの見かけの熱拡散率が小さくなるように構成されている。熱拡散率の比較対象となるのは、基板9と同じ材料で均一にかつ、基板9と同じ厚さで均一に仮想的に構成された仮想基板の熱拡散率である。
したがって、このような基板9を用いることにより、溶融原料6から基板9の浸漬方向23前方部へと伝わる熱量が同じであっても、基板9内を、前方部から後方部へと伝導する熱量は小さくなるので、基板9の浸漬方向23後方部での温度上昇は低く抑えられる。このため、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点の局所温度の差は小さいので、析出板16の厚さのばらつきが小さくなる。
以下では、本発明の基板9の具体的な構成について説明する。
図3は、基板9の構成の一例を示す斜視図である。図3(a)は、基板9の第1の表面22を上に向けたときの斜視図であり、図3(b)は、基板9の第1の表面22を下に向けたときの斜視図である。
基板9の第1の表面22とは反対側の第2の表面32には、基板保持部10に着脱可能に保持される突起部28が設けられる。
図3に示すように、基板9の第1の表面22には、1つの辺に平行に延びるスリット31が、一定の間隔を空けて複数設けられる。
このような基板9が基板保持部10に保持されたときには、スリット31が、溶融原料6への浸漬方向23に対して直交するように保持される。
基板9の寸法は、たとえば、厚みが16〜24mm、縦が180〜240mm、横が350〜450mmである。このときスリット31は、幅wが0.2〜1.0mm、長さlが350〜450mm、深さdが6〜12mmであり、隣接するスリット31同士の間隔Pは5〜15mmである。
基板9の前方部が溶融原料6に浸漬したときに、未だ浸漬されていない後方部への熱の移動は、基板9のスリット31を除く基板実体部27を介して行われる。すなわち、第1の表面22とは反対側の第2の表面32側に回り込むようにして熱が移動するため、スリット31が設けられない仮想基板と比較して熱伝導の経路が長く、溶融原料6と基板9の浸漬方向前方部とが接触を開始してから後方部が浸漬する時点までの後方部に移動した熱量が少なく、後方部での温度上昇を低く抑えられる。
このため、スリット31が構成されない基板と比較して、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度との差が減少するので、基板9の材料を変更することなく析出板16の浸漬方向におけるばらつきを減少できる。
図3に示した例では、設けられた複数のスリット31の各寸法は全て等しく、間隔Pも同じに形成されているが、これらの寸法および間隔は互いに異なっていても良い。
このような基板9は、スリット31を有さない元基板を第1の表面22側からダイシングによりスリット31を形成することで得られる。
たとえば切断砥石によって表面22に垂直に切削加工を行うことで、スリット31の幅を0.5mm以下に形成することができ、表面22における析出板16の成長にスリット31が与える影響を抑制することができる。
図4は、基板9の構成の他の例を示す斜視図である。図4(a)は、基板9の第1の表面22を上に向けたときの斜視図であり、図4(b)は、基板9の第1の表面22を下に向けたときの斜視図である。
図3に示した例と異なる構成は、基板実体部27の表面に凸部34が設けられているこことのみである。
凸部34は、浸漬方向23および方向25を含む平面での断面形状が三角形に構成される三角柱が、1つの稜線スリット31に平行となるように基板実体部27上に設けられている。したがって、浸漬方向に対してスリット31と凸部34とが交互に設けられ、スリット31が凹部となって基板9に凹凸部が形成される。
このような基板9においては、析出板の成長は凸部34の稜線40から開始されるが、スリット31が凹凸部の凹部に形成されるので、結晶成長の開始が妨げられない。
図4に示した例では、設けられた複数のスリット31の各寸法は全て等しく、間隔Pも同じに形成されているが、これらの寸法および間隔は互いに異なっていても良い。また、複数の凸部34も全て同じ形状に形成されているが、これらは互いに異なっていてもよい。
図5は、基板9の構成の他の例を示す斜視図である。図5(a)は、基板9の第1の表面22を上に向けたときの斜視図であり、図5(b)は、基板9の第1の表面22を下に向けたときの斜視図である。
図3に示した例と異なる構成は、第1の表面22の反対側の第2の表面32にもスリット41が設けられていることである。
図5に示すように、第2の表面32に設けられたスリット41は、第1の表面22に設けられたスリット31とほぼ同じである。異なるのは、第2の表面32に設けられている点と、スリット31の間に設けられている点、すなわち、浸漬方向23に対して交互に設けられている点である。
基板9の第1の表面22が前方から溶融原料6に接触すると、熱は熱伝達により溶融原料6から基板9の前方部に伝わり、前方部から第2の表面32および後方部に向かって熱伝導で伝わる。
この際、浸漬方向23の先端部から後端部に向かう熱伝導は、全てのスリット31,41においてスリット底部42を回りこむため、スリット31,41が構成されない場合と比較して熱伝導の経路が長く、溶融原料6が基板9の浸漬方向23前方部と接触を開始してから後方部と接触する時点までの後方部における温度上昇は低く抑えられる。
このため、スリット31,41が設けられない場合と比較して、基板9の後方部が浸漬する時点の局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度との差は減少するので、析出板16の浸漬方向23における厚さばらつきを図3に示した基板9を用いた場合よりもさらに減少できる。
図5に示した構成の基板9は、設けられるスリットが多く、その分図3,4に示した構成の基板9よりも基板9の剛性が低いため、スリット31,41の深さは、基板9の厚みに対して十分に小さい、たとえば、厚みの1/2以下であることが好適である。
図6は、基板9の構成の他の例を示す斜視図である。図6(a)は、基板9の第1の表面22を上に向けたときの斜視図であり、図6(b)は、基板9の第1の表面22を下に向けたときの斜視図である。
図3に示した例と異なる構成は、第1の表面22を有する析出層50と、析出層50を保持する保持層51とから構成される2層構造とし、保持層51を構成する材料が析出層50を構成する材料よりも熱拡散率が小さいことである。
析出層50を構成する材料としては、グラファイトが好ましい。
保持層51を構成する材料としては、溶融原料6が保持される温度において析出層50を構成する材料よりも熱拡散率が小さく、かつ機械的強度と耐熱衝撃性とが高いものが好ましい。このような材料としては、グラファイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられ、その中でも窒化ケイ素が好適に用いられる。保持層51の材料は、これに限定されず、溶湯原料6の種類や析出層50を構成する材料に応じて広い範囲から適宜選択することができる。
スリット31は、図3に示した例と同様に設けられる。析出層50と保持層51との厚みは、析出層50がより薄く、さらにスリット31の深さよりも小さく、たとえば、保持層51の厚みに対して1/3以下とすることが好ましい
基板9の浸漬方向前方部から溶融原料6に接触すると、熱は熱伝達により溶融原料6から基板9の前方部に伝わり、基板9の前方部から第2の表面32および後方部に向かって熱伝導で伝わる。この際、浸漬方向23前方部から後方部に向かう熱伝導は、スリット31が形成されているために、熱拡散率の小さい材料で構成される保持層51を経由する。これにより、基板9を構成する材料が均一な場合と比較して、溶融原料6が基板9の浸漬方向前方部と接触を開始してから後方部と接触する時点までの後方部における温度上昇は低く抑えられる。
このため、図3に示した基板9のように材料が均一な場合の基板9と比較して、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度との差は減少するので、析出板16の浸漬方向23における厚みばらつきを減少できる。
また、このような2層構造の基板9は、保持層51に対して、板状の析出層50を機械的に締結するか、または保持層51の表面に析出層50をコーティングにより設けることで得られる。
図7は、基板9の構成の他の例を示す斜視図である。図7(a)は、基板9の第1の表面22を上に向けたときの斜視図であり、図7(b)は、基板9の第1の表面22を下に向けたときの斜視図である。
図3などに示した他の例と異なる構成は、スリットは設けず、方向25の厚さが、浸漬方向23前方部から後方部に向かって大きくなるように構成されていることである。
前方部の厚みをTf、後方部の厚みをTrとすると、TfはTr/2以下とすることが好ましい。
基板9の前方部から溶融原料6に接触すると、熱は熱伝達により溶融原料6から基板9の浸漬方向23前方部に伝わり、基板9の前方部から第2の表面32および後方部に向かって熱伝導で伝わる。後方部において厚みが大きいことから、前方部の厚みと同じ厚みで均一とした仮想基板と比較して熱拡散率が小さく、溶融原料6から前方部に伝わる熱量が同じであっても、溶融原料6が前方部と接触を開始してから後方部と接触する時点までの後方部における温度上昇は低く抑えられる。
このため、前方部の厚みと同じ厚みで均一とした仮想基板と比較して、後方部が浸漬する時点での局所温度と、前方部が浸漬する時点での局所温度との差は減少するので、析出板16の浸漬方向23における厚みばらつきを減少できる。
析出板製造装置1の構成を示す概略断面図である。 図1に示す析出板製造装置1を用いた析出板製造方法を示す模式図である。 基板9の構成の一例を示す斜視図である。 基板9の構成の他の例を示す斜視図である。 基板9の構成の他の例を示す斜視図である。 基板9の構成の他の例を示す斜視図である。 基板9の構成の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 析出板製造装置
2 チャンバ
3 加熱溶解装置
4 浸漬装置
5 制御装置
6 溶融原料
7 るつぼ
8 加熱装置
9 基板
10 基板保持部
11 昇降機構
12 横行機構
13 チルト機構
31,41 スリット
50 析出層
51 保持層

Claims (7)

  1. 溶湯に臨む第1の面が溶湯表面に対して傾斜した姿勢で、溶湯への浸漬を開始し、前記第1の面に溶湯の一部を凝固析出させて析出板を形成する基板において、
    溶湯への浸漬方向前方部から後方部までの見かけの熱拡散率が、均一な材料および均一な厚さで仮想的に構成された仮想基板の熱拡散率よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする基板。
  2. 前記第1の面にスリットを有し、
    前記スリットは、前記溶湯への浸漬方向に対して直交するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板。
  3. 前記第1の面に凹凸部を有し、
    前記スリットは、前記凹凸部の凹部を構成することを特徴とする請求項2に記載の基板。
  4. 前記第1の面の反対側の面である第2の面にスリットを有し、
    前記第2の面が有するスリットは、前記溶湯への浸漬方向に対して直交するように設けられ、
    前記第1の面が有するスリットと、前記第2の面が有するスリットとは、前記前記溶湯への浸漬方向に対して交互に設けられていることを特徴とする請求項2または3記載の基板。
  5. 前記第1の面を有する析出層と、前記析出層を保持する保持層とからなり、
    前記保持層を構成する材料は、前記析出層を構成する材料よりも熱拡散率が小さいことを特徴とする請求項1記載の基板。
  6. 前記第1の面に垂直な方向の厚さが、前記溶湯への浸漬方向前方部から後方部に向かって大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の基板を、
    溶湯に臨む第1の面が溶湯表面に対して傾斜した姿勢で、溶湯への浸漬を開始し、
    前記第1の面が溶湯に浸漬された基板を溶湯から引き上げることによって、基板の前記第1の面に溶湯の一部を凝固析出させて析出板を形成することを特徴とする析出板の製造方法。
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