JP2010005720A - ハンド式回転工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホイール型ブラシの使用に適し、かつ右利きの作業者でも左利きの作業者でも横軸型のハンド式回転工具を最適の使用形態で使用可能であり、ホイール型ブラシによる加工作業時の操作性及びその作業の安定性を高め、粉塵が360°方向に広がり飛び散ることのなく、更に折損を最小限にとどめることができるハンド式回転工具を提供する。
【解決手段】片方の手で把持する第1の握り部5を有する工具本体4のスピンドル11の軸周りに保護カバー15を回して、ホイール型ブラシ40を覆う部分の位置と、ホイール型ブラシ40の下側部分を露出させる開口73の位置とを上下に反転するとともに上記工具本体4を裏返して他方の手で握るハンドル80を有する保護カバー15を使用可能であるハンド式回転工具。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗装面の剥離や錆等の除去、木材や金属材料の表面の研磨・研削または各種材料や製品の表面を洗浄する等の表面処理を行うハンド式回転工具に関する。
金属材表面を研磨するハンド式グラインダーが知られている。ハンド式グラインダーは電動モータを内蔵したグラインダー本体を手で握り使用するようにしている。この種のハンド式グラインダーには把持中心軸方向へスピンドル軸を同軸的に配置した縦軸型と、把持中心軸方向に直交する向きにスピンドル軸を配置した横軸型とがある。
特開2000−301471号公報
縦軸型のハンド式グラインダーではディスク型砥石の他にディスク型ブラシ及びカップ型ブラシを使用することが可能である。また、縦軸型のハンド式ブラシ工具では粉塵が360°方向に広がり飛び散り易いとい欠点がある。また、縦軸型のハンド式グラインダーにカップ型ブラシを取り付けて使用しようとすると、ブラシ毛が遠心方向に交差するのでブラシ毛が折損し易く、このため、縦軸型のハンド式回転工具はブラシ作業に適さないとされてきた。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、右利きの作業者でも左利きの作業者でも横軸型のハンド式回転工具を最適の使用形態で使用可能であり、ホイール型先端加工具の使用に適するように構成してホイール型先端加工具による加工能率を向上し、さらに作業時の操作性及びその作業の安定性を高めるとともに粉塵が360°方向に広がり飛び散ることのなく、更に折損を最小限にとどめることができるハンド式回転工具を提供することにある。
請求項1に係る発明は、回転駆動源を内蔵した工具本体と、上記工具本体の外周に形成され、把持中心軸方向を上記工具本体の前後方向へ向けて形成した第1の握り部と、上記回転駆動源により回転駆動されるとともに、上記把持中心軸方向に対し横方向に向いて上記工具本体に軸支され、上記工具本体の側面から側方へ突き出したスピンドルと、上記スピンドルに装着されるホイール型先端加工具と、上記工具本体に上記スピンドルの軸周りに回動位置選択可能に取り付けられ、上記ホイール型先端加工具の上側部分を覆い、上記ホイール型先端加工具の下側部分を露出させる開口を設け、上記スピンドルの軸周りに回して、上記ホイール型先端加工具を覆う部分の位置と、上記ホイール型先端加工具の下側部分を露出させる開口の位置とを上下に反転可能である保護カバーと、上記保護カバーに取り付けられ、第2の握り部を有するハンドルと、を具備し、上記保護カバーを上記スピンドルの軸周りに回して、上記ホイール型先端加工具を覆う部分の位置と、上記ホイール型先端加工具の下側部分を露出させる開口の位置とを上下に反転するとともに上記工具本体を裏返して使用可能であることを特徴とするハンド式回転工具である。
請求項2に係る発明は、上記第1の握り部の把持中心軸方向と、上記第2の握り部の把持中心軸方向とは直角な向きに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のハンド式回転工具である。
請求項3に係る発明は、上記ハンドルは上記保護カバーに対して取り付けたステーを有し、このステーに上記第2の握り部を取り付けるとともに上記ステーは上記第2の握り部を取り付ける位置を選択可能であることを特徴とする請求項1に記載のハンド式回転工具である。
請求項4に係る発明は、上記ステーは上記保護カバーに対して一端部が軸支され、該ステーの他端部に上記ハンドルを取り付けるとともに、上記ステーの回動位置を調節し、その調節した位置で上記ステーを固定可能であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のハンド式回転工具である。
本発明によれば、右利きの作業者でも左利きの作業者でも横軸型のハンド式回転工具を最適の使用形態で使用可能であり、ホイール型先端加工具により加工能率を向上し、さらに作業時の操作性及びその作業の安定性を向上する。また、粉塵が360°方向に広がり飛び散ることのなく、更に折損を最小限にとどめることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は電動工具の一例であるハンド式回転工具1を示している。このハンド式回転工具1は前後に長い筒状の後ハウジング2と、この後ハウジング2の前端に続く前ハウジング3とを有する工具本体4を備える。後ハウジング2の外形は手で握り得る形と太さとなっており、その後ハウジング2の外周面部によりその把持中心軸方向を工具本体4の前後縦方向へ向けた第1の握り部(把持部)5を形成する。工具本体4の後端にはコードガード6付きの電源コード7が接続されている。
前ハウジング3内には回転駆動源としての図示しない電動モータが設けられ、電動モータは適用する材料や処置形態に適した回転数を選べるように無断変速可能な駆動源を用いている。電動モータの回転数は本体4の後端面等に設置するダイヤル8により調節可能である。前ハウジング3の外面には電源スイッチ操作釦9が設けられている。回転駆動源としては電動方式でなくとも空気圧で回転する等、他の回転駆動方式の駆動源であってもよい。
電動モータの回転子の出力軸は工具本体4の縦方向に配置され、前ハウジング3内に配置された伝達機構(図示せず)に連結されている。伝達機構は回転子の出力軸に取着された第1のベベルギア(図示せず)と、この第1のベベルギアに噛合する第2のベベルギア(図示せず)とを含み構成され、第2のベベルギアの回転を後述するスピンドル11に伝える。この伝達機構は図示しないギアハウジングに組み込まれている。ギアハウジングには第1の握り部5の把持中心軸方向に対し直交する横向きに配置したスピンドル11を軸支する軸受け部12が設けられている。
図2に示すように、軸受け部12の一部は前ハウジング3の側面に露出しており、この露出部分には後述する保護カバー15を取り付けるための取付け部16が形成されている。スピンドル11は取付け部16から側方へ向けて突き出している。スピンドル11の突出し軸部17の基端側部位には太径の突当て部18が形成され、この突当て部18は後述するブラシ取付け具21を突き当て、ブラシ取付け具21を位置決めするようになっている。突出し軸部17の突出し先端部には雄ネジ部19が形成されている。
スピンドル11にはブラシ取付け具21を用いて後述するホイール型先端加工具としてのホイール型ブラシ40が取り付けられる。図3に示すように、ブラシ取付け具21はスピンドル11の突出し軸部17に被嵌可能な金属製芯管22と、この芯管22に外装され、かつ該芯管22に一体的に固定された合成樹脂材料または金属材料製のブラシ取付け管23と、押さえリング24と、締付け蓋25と、締付けボルト26とを備える。芯管22は内方端側に位置する管内面部に上記スピンドル11の雄ネジ部19にねじ込まれる第1雌ネジ部31を形成し、外方端側に位置する管内面部には上記締付けボルト26をねじ込む第2雌ネジ部32を形成している。締付け蓋25は締付けボルト26を貫通する貫通孔33と、締付けボルト26の頭部34を突き当てる凹部35が形成されている。ブラシ取付け管23の内方側外周端縁には後述するブラシ40を受け止める鍔36が形成されている。ブラシ取付け管23の外周にはその周方向に180°の間隔で後述するブラシ40の組付け位置を定める2本のキー溝38が軸方向に沿って連続的に長く形成されている。もっとも、このキー溝38の数と配置はこれに限定されるものではなく、例えば90°の間隔で4本のキー溝を設けるなど、ブラシ40の突起部45の数と配置に応じて種々採用可能である。
次に、上記ブラシ40について説明する。図5(A)に示すように、上記ブラシ40はリングブラシ41を用いてブラシユニットを組み立てる。リングブラシ41は金属製で円形の内周部42と、この内周部42の外周部から多数のブラシ毛43を放射状に外方へ突き出してなるブラシ部44とを備え、ブラシ部44をリング状に形成することによりホイール型工具ブラシを構成する。ブラシ毛43は例えばナイロンフィラメントあるいはポリアミド系、ポリエステル系の化学繊維に砥粒を混入してなり、多数本の化学繊維を引き揃えた化学繊維束となっている。
上記内周部42は該リングブラシ41の軸方向と直交する面内で波形を成している。波の周期は360°に付き2周期となっている。すなわち図5(B)に示す如く、内周部42を直線上に展開したとき、180°で連続する円弧凸部aと円弧凹部bの組を、1周期分とすると、360°の範囲内で円弧凸部aと円弧凹部bが2カ所に形成される。リングブラシ41の形も内周部42の形と同様に波状に形成される。リングブラシ41を、図6(A)に示す矢印B方向から見ると、同図(B)に示すように、下向き円弧凸部に湾曲している。また、図6(A)に示す矢印B方向からリングブラシ41を見ると、同図(C)に示すように上向き円弧凸部に湾曲している。湾曲部の境界は連続した曲面に形成されている。したがって、図3(A)に示す矢印C方向からリングブラシ41を側面視すると、同図(D)に示すようにS字状をなす形に見える。上記波の周期は360°に付き2周期としたが、これに限らず、3周期またはそれ以上の周期のものでもよい。
図5(A)に示すように、内周部42の内周面には上記ブラシ取付け具21のキー溝38に係合する係合部としての突起部45が該内周部と一体に設けられている。突起部45は一つまたは複数設けられているが、ここでは一対の係合部としての突起部45が周方向に180°の間隔で回転対称に設けられている。そして、選んだ2つのキー溝38に二つの突起部45を合わせて差し込み係合することによりブラシ取付け具21に対してリングブラシ41が回転不能に嵌合して装着できる。このとき、複数個のリングブラシ41を用意し、図3に示すように、ブラシ取付け管23の外周に嵌合して複数積層すれば、複数のリングブラシ41は軸方向へ比較的長いロール状のホイール型ブラシ40となる。
上記軸受け部12には上記ホイール型ブラシ40をガードする保護カバー15を取り付けるための取付け部16が設けられている。図2に示すように、この取付け部16にはスピンドル11と同心円周の取付け支持周面52が形成されている。この取付け支持周面52にはスピンドル11の軸心に対し同心的に周回するガイド溝53が形成されている。また、取付け支持周面52にはスピンドル突き出し側に位置する周面の外端からスピンドル軸方向に沿う向きに切り欠かれた一つまたは複数の導入溝54が形成されている。導入溝54は取付け支持周面52の外端から回転ガイド溝53に達する。ここでは4つの導入溝54を配設し、各導入溝54はスピンドル11の軸周りに90°の間隔で均等に配設されている。しかし、導入溝54の数と配置はそれに限られるものではなく、例えばスピンドル11の軸周りに180°の間隔で2つの導入溝54を配設するようにしてもよい。
次に、上記ブラシ40をガードする保護カバー15について説明する。保護カバー15は上記取付け部16に取り付けられる筒状の装着部61と、この装着部61に連設されて上記ブラシ40を覆う略半円形状のカバー部62とからなる。装着部61は取付け部51の取付け支持周面52に被嵌し、スピンドル11の軸周りに回転できる筒状の装着管63を備える。装着管63の内面には取付け部51の回転ガイド溝53に導入溝54から挿入可能な突起64が突設されている。突起64は取付け部51の回転ガイド溝53内に位置し、取付け部51から装着管63の抜けを防ぎながらその装着管63をスピンドル11の軸周りに回転させる回転ガイド機構を構成する。この回転ガイド機構の構成ではスピンドル11の軸周りに360°以上に回転させることが可能である。しかし、他の工具本体4や保護カバー15等の部材を考慮して保護カバー15を上下反転できる範囲で360°未満の範囲で回動可能に設けるようにしてもよい。
上記装着部61には保護カバー15を固定する保護カバー固定手段が設けられる。ここでの保護カバー固定手段は装着管63を取付け部51の取付け支持周面52に締め付けて該装着管63を固定する締付け方式が採用される。図2に示すように、装着管63の一部に全周しない範囲で周回する切込み部66を設け、切込み部66により切り出された周部における中間部を切り離し、この切り離した一対の片部67を立ち上げる。一方の片部67に締付けボルト68を差し込み、他方の片部67に締付けボルト68をねじ込むようにする。締付けボルト68をねじ込み、その頭部69で両片部67を締め付けて装着管63を締め付けることができる。また、締付けボルト68を緩めて、装着管63の締め付けを解除できる。締付けボルト68の頭部69には工具を嵌め込む角孔70が設けられている。
上記保護カバー15のカバー部62は図4に示すようにスピンドル11に取り付けられたブラシ40の上側周部を覆い得る半径の円筒の一部を切り欠いた半円筒形状となっている。カバー部72の突き出し側の側面部は開放され、ブラシ40の着脱作業のためにリングブラシ41の径よりも大きい開口73となっている。上記保護カバー15における開口73の反対側つまり装着部61側部分は板状の壁により覆われている。この側壁74によって工具本体4側を覆う。また、図2に示すように、保護カバー15の外周面には指標75が設けられ、この指標75はブラシ40の回転周面における中心位置を指示する。
図1、2、4に示すように、保護カバー15にはハンド式回転工具1を持つ際に補助的に手に持つハンドル80が該ハンドルの位置を選択可能に設けられている。図4に示すように、ハンドル80は保護カバー15の側壁74における中心軸寄りの外壁面にボルト状の軸81により一端を軸支した帯板状のステー82と、このステー82の突出し端部に対し着脱自在に取り付けられる第2の握り部83とを有する。ステー82の突出し端部にはそのステーの延長方向に沿って間隔をおいて複数の雌ネジ部85を形成する。そして、雌ネジ部85のいずれかを選んでその雌ネジ部85に握り部83の雄ネジ部86をねじ込んで握り部83を取り付ける。図2に示すように、ハンドル80はスピンドル11の軸方向に沿ってステー82から工具本体4側へ延長するように水平な向きに配置され、保護カバー15が工具本体4に組み付けられたときは工具本体4の上方に配置される。もっとも、ステー82の突出し端から逆向きにハンドル80を延長し、保護カバー15の上方に配置するようにしてもよい。握り部83の雄ネジ部86をねじ込む雌ネジ部85を選ぶことによりステー82の突出し方向で握り部83を操作し易い最適な位置を選ぶことができる。
上記ステー82は保護カバー15の側壁74における中心軸寄りの外壁面にボルト状の軸81により一端が軸支されている。このため、このステー82の突出し端部を前後方向へ移動し、そのステー82の傾き角度を選択できる。ボルト状の軸81は締め付けてステー82を保護カバー15の側壁74に固定可能である。この軸81の締付けおよび緩める操作を行うためにボルト状の軸81の頭部88には工具を嵌め込む角孔89が設けられている。
上記ステー82の前後傾斜角を制限するために保護カバー15の側壁74にはストッパピン91,92が突設されている。したがって、ボルト状の軸81を緩めても必要以上にステー82が傾くことがない。
次に、ハンド式回転工具1の取扱い方法について説明する。まず、工具本体4にブラシ40を取り付ける場合は保護カバー15を先に工具本体4に取り付ける。導入溝54に突起64を合わせて装着管63を取付け部51の取付け支持周面52に被嵌する。突起64は取付け部51の回転ガイド溝53に導入されると、保護カバー15はスピンドル11の軸周りに回転できるようになる。スピンドル11の軸周りにおける保護カバー15の位置を定め、保護カバー固定手段の締付けボルト68を締め付けて保護カバー15を取付け部51に固定する。
次に、スピンドル11にブラシ取付け具21を取り付ける。これは、ブラシ取付け管23付の金属製芯管22を、スピンドル11の突出し軸部17に被嵌し、上記スピンドル11の突当て部18に金属製芯管22の先端が突き当たるまで上記スピンドル11の雄ネジ部19に金属製芯管22の第1雌ネジ部31をねじ込む。ついで、複数のリングブラシ41を、そのリングブラシ41の突起部45を、選んだキー溝38に差し込みながら、ブラシ取付け管23の外周に嵌め込み、複数のリングブラシ41を積層するようにする。この積層したリングブラシ41を鍔36に当たるまで押し込み、ロール状のホイール型ブラシの形態とする。
最後のリングブラシ41の後面に押さえリング24を当て締付け蓋25を被せた後、締付け蓋25の貫通孔33に締付けボルト26を差し込み、締付けボルト26を、芯管22の第2の雌ネジ部32にねじ込み、積層したリングブラシ41を締め付ける。これにより上記ブラシ40はスピンドル11の突出し軸部17にロール状に装着される。
ここで、複数個のリングブラシ41を波形の位相を一致させた状態で組み付けた場合はリングブラシ41の側面が全面的に密着し、内周部42もその側面が全面的に密着するようになる。また、複数個のリングブラシ41の波形位相を90°または180°ずらして積層するように装着すれば、そのリングブラシ41の間に密着する部分と離れる部分が生じ、ブラシ40の周面にブラシ毛の過疎状態が生まれる。このリングブラシ41をその軸心を中心として回転させると、リングブラシ41の毛先は被研磨面あるいは洗浄面に対して連続したS字状を描くことになり、リングブラシ41の実際の幅よりも大きい研磨幅を持つことになるとともにロール型ブラシの軸方向に亘って均一なブラシ毛密度になり、被研磨面に対して縞模様の痕を残すことなく、均一に研磨できる。
また、リングブラシ41の位相の組み合わせ態様により種々の過疎状態を選択できる。例えば、内側2枚のリングブラシ41の位相を合わせるとともに中間2枚のリングブラシ41の位相を180°ずらして積層するようにすれば、ブラシ周面に「密・疎・密」の関係が得られる。また、中間2枚のリングブラシ41の位相を合わせるとともに外側2枚のリングブラシ41の位相を180°ずらして積層するようにすれば、ブラシ周面に「疎・密・疎」の関係が得られる。ブラシ周面に疎の部分を形成するようにすれば、例えば六角棒などのようにその角の部分に疎の部分を合わせてブラシ周面を当てることによりその疎の部分がガイドとなり、安定した研磨・研削が可能となる。また、被加工物の形状に合わせて全面的に均等な最適な押し当て状態が得られる。ここでは、波状に形成したリングブラシ41を使用した例について説明したが、その凹凸の度数を変えたものでもよい。波状に形成しない平らな形状のリングブラシを使用してもよい。
ところで、図1〜4で示す状態は主に右利きの一つの使用形態であり、図7(A)に示すように、スピンドル11とブラシ40と保護カバー15は工具本体4に対して左側に向けて配置されている。また、左手で握る握り部5の前方に位置して工具本体4の上側には右手で握るハンドル80が配置され、右利きの作業者にとって安定した姿勢で工具本体4を保持できる。右手で握るハンドル80の高さ及び前後位置は上述したようにハンドル80を取り付ける雌ネジ部85を選択し、またはステー82の回動位置を設定することにより調節可能であり、個人差に合わせて位置を調節すれば、一層作業し易い状態に設定できる。また、保護カバー15の開口位置に対する工具本体4の傾斜角を調整する場合は保護カバー固定手段を緩めてスピンドル11の軸周りに保護カバー15を所定量回転して保護カバー固定手段を締め付けてその位置に保護カバー15を固定することができる。
一方、図7(B)で示す状態は主に左利きの作業者に適する使用形態であり、スピンドル11とブラシ40と保護カバー15は工具本体4に対して右側に配置される。上述した図7(A)で示す状態から図7(B)で示す形態とする場合は保護カバー固定手段を緩めてスピンドル11の軸周りに保護カバー15を軸周りに180°反転するとともに工具本体4を上下反転する。すると、図7(B)に示すように、スピンドル11とブラシ40を右側へ向き、保護カバー15はブラシ40を上から覆う状態になる。したがって、スピンドル11とブラシ40と保護カバー15は左利きの作業者に適する形態になる。つまり、右手で握る第1の握り部5の前方に位置して工具本体4の上側には左手で握るハンドル80が配置され、左利きの作業者にとって安定した姿勢で工具本体4を保持できるようになる。
この場合でも、左手で握るハンドル80の高さ及び前後位置は上述したようにハンドル80を取り付ける雌ネジ部85を選択し、またはステー82の回動位置を設定することにより調節可能であるので、一層作業し易い状態に設定可能である。
このように本実施形態では使用形態を変更する場合、保護カバー15及びハンドル80などの部品を別のものと交換することなく、作業者にとって安定して作業がし易いベストポジションに変更できる。ブラシの押し付け作業時に作業者個々の体型等に合わせて使用形態と姿勢を選べるので、長時間の作業でも疲労が少なくなる。また、保護カバー15の外周面には指標75を設けたので、ブラシ40の回転周面における中心位置と向きが外側から分かり、作業し易いハンド式回転工具を提供できる。
本実施形態によれば、横軸型のハンド式回転工具であっても粉塵が360°方向に広がり飛び散ることのないホイール型ブラシの使用が可能であり、ホイール型ブラシにより加工能率を向上する。作業者個々の利き手や体型等に合わせて使用形態を選べるので、作業時の操作性及びその作業の安定性を高めるという利点が生まれる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、他の形態にも適用可能なものである。例えばホイール型先端加工具としてのホイール型砥石等も使用可能である。
本発明の一実施形態に係るハンド式回転工具の斜視図。 同実施形態に係るハンド式回転工具においての工具本体と、ブラシ部及び保護カバーを含む工具ユニット部とを分離して示す側面図。 同実施形態に係るハンド式回転工具においての工具本体と、ブラシ部及び保護カバーを含む工具ユニット部とを組み立てた状態でのスピンドルの中心軸上で一部を縦断して示す側面図。 同実施形態に係るハンド式回転工具において、工具本体に保護カバーのみを取り付けた状態でスピンドルの中心軸上から保護カバー側を見た側面図。 (A)は同実施形態に係るハンド式回転工具のリングブラシの斜視図、(B)はリングブラシを一直線上に展開してそのリングブラシの波形を示す説明図。 同実施形態に係るハンド式回転工具のリングブラシを示し、(A)はそのリングブラシの平面図、(B)〜(D)はそのリングブラシの側面図。 (A)(B)は同実施形態に係るハンド式回転工具の異なる使用形態での平面図。
符号の説明
1…ハンド式回転工具、4…工具本体、5…第1の握り部、11…スピンドル、
15…保護カバー、16…取付け部、21…ブラシ取付け具、40…ブラシ、
72…カバー部、73…開口、80…ハンドル、83…第2の握り部。

Claims (4)

  1. 回転駆動源を内蔵した工具本体と、
    上記工具本体の外周に形成され、把持中心軸方向を上記工具本体の前後方向へ向けて形成した第1の握り部と、
    上記回転駆動源により回転駆動されるとともに、上記把持中心軸方向に対し横方向に向いて上記工具本体に軸支され、上記工具本体の側面から側方へ突き出したスピンドルと、
    上記スピンドルに装着されるホイール型先端加工具と、
    上記工具本体に上記スピンドルの軸周りに回動位置選択可能に取り付けられ、上記ホイール型先端工具の上側部分を覆い、上記ホイール型先端加工具の下側部分を露出させる開口を設け、上記スピンドルの軸周りに回して、上記ホイール型先端加工具を覆う部分の位置と、上記ホイール型先端加工具の下側部分を露出させる開口の位置とを上下に反転可能である保護カバーと、
    上記保護カバーに取り付けられ、第2の握り部を有するハンドルと、
    を具備し、
    上記保護カバーを上記スピンドルの軸周りに回して、上記ホイール型先端加工具を覆う部分の位置と、上記ホイール型先端加工具の下側部分を露出させる開口の位置とを上下に反転するとともに上記工具本体を裏返して使用可能であることを特徴とするハンド式回転工具。
  2. 上記第1の握り部の把持中心軸方向と、上記第2の握り部の把持中心軸方向とは直角な向きに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のハンド式回転工具。
  3. 上記ハンドルは上記保護カバーに対して取り付けたステーを有し、このステーに上記第2の握り部を取り付けるとともに上記ステーは上記第2の握り部を取り付ける位置を選択可能であることを特徴とする請求項1に記載のハンド式回転工具。
  4. 上記ステーは上記保護カバーに対して一端部が軸支され、該ステーの他端部に上記ハンドルを取り付けるとともに、上記ステーの回動位置を調節し、その調節した位置で上記ステーを固定可能であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のハンド式回転工具。
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