JP2010005639A - 鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前フィードバー1の左端と前フィードバー左駆動装置1LDとの間を前フィードバー左過負荷吸収機構1LOを介して連結し、前フィードバー1の右端と前フィードバー右駆動装置1RDとの間を前フィードバー右過負荷吸収機構1ROを介して連結し、後フィードバーの左端と後フィードバー左駆動装置との間を後フィードバー左過負荷吸収機構を介して連結し、後フィードバーの右端と後フィードバー右駆動装置2RDとの間を後フィードバー右過負荷吸収機構を介して連結している。各過負荷吸収機構は、フィードバー開閉方向のねじり外力を吸収する第1トーションバーおよび摩擦締結要素と、フィードバー昇降方向のねじり外力を吸収する第2トーションバーおよび摩擦締結要素とからなる。
【選択図】図1
Description
しかるに、剛性を高めることと、過負荷吸収能力を高めることを、フィードバー自体の構造的工夫で両立させることは、一般的に困難である。
この従来技術では、過負荷が生じた時点で、バネが変形するので、中央バーの連結部は損傷を免れるものの、バネ変形の反力が駆動装置にも作用し、駆動装置が損傷しかねないという欠点をもっている。したがって、上記従来技術の過負荷による損傷防止は充分ではない。
この従来技術では、トーションバーと摩擦締結要素を過負荷吸収機構として用いているので、反力は作用せず、フィードバーや駆動装置の保護には適している。
しかし、この従来技術における過負荷吸収機構は、フィードバーの前後進機構と開閉・昇降機構との間に取付けられており、フィードバーは前後進機構に直接結合されている。この取付け位置であると、過負荷吸収機構はフィードバーと前後進機構の両方を支持しなければならないので、過負荷吸収機構より下方の重量が重くなり充分な剛性を有する大容量のものを用いなければならない。また、いわゆるバネ下重量が重いのと同じで、いったん発生した振動を抑止することは困難である。
第2発明の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダは、第1発明において、前記フィードバー各駆動装置が、昇降機構と開閉機構と前後進機構とからなり、前記昇降機構がプレスの固定部材に取付けられており、該昇降機構の昇降部材に前記開閉機構が取付けられており、該開閉機構の開閉部材に前記前後進機構が取付けられており、該前後進機構の下面と前記各フィードバーの端部を、前記各過負荷吸収機構が結合していることを特徴とする。
第3発明の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダは、第1発明において、前記各過負荷吸収機構が、フィードバー開閉方向のねじり外力を吸収する第1負荷吸収手段と、フィードバー昇降方向のねじり外力を吸収する第2負荷吸収手段とからなることを特徴とする。
第4発明の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダは、第3発明において、前記第1負荷吸収手段および前記第2負荷吸収手段のいずれもが、トーションバーと、該トーションバーの一端をねじり外力の入力側部材に締結する摩擦締結要素と前記トーションバーの他端をねじり外力の伝達先部材に締結する摩擦締結要素とからなることを特徴とする。
第2発明によれば、各駆動装置の開閉機構と前後進機構は昇降機構を介してプレスの固定部材側に支持されており、各過負荷吸収機構は前後進機構の下面に取付けられているので、過負荷吸収機構が支持すべき部材はフィードバーのみである。このため過負荷吸収機構が支持する重量は軽量であるので、過負荷吸収機構も小容量化でき、仮に振動が発生しても抑制は容易である。
第3発明によれば、フィードバーの開閉方向のねじり外力を第1負荷吸収手段で吸収し、昇降方向のねじり外力を第2負荷吸収手段で吸収するので、トランスファフィーダに作用するいかなる方向のねじり外力が働いても、これを吸収できる。このため、トランスファフィーダの損傷を効果的に防止することができる。
第4発明によれば、トーションバーのねじりによる外力吸収と、摩擦締結要素の滑りによる外力吸収の2段階の過負荷吸収ができるので、吸収できる負荷が大きい。また、トーションバーのねじりにより生じた反力は摩擦締結要素のすべりにより吸収できるので、トーションバー側にも駆動装置側にも反力を伝達せず、これらの損傷を防止することができる。しかも、トーションバーと摩擦締結要素は寸法が小さいので、負荷吸収手段をコンパクトに構成できる。
まず、本発明が適用される鍛造プレスの基本構成を図1〜図3に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るトランスファフィーダの正面図である。図2は図1のトランスファフィーダの右側面図である。図3は図1のトランスファフィーダの平面図である。
前フィードバー1も後フィードバー2も、同じ構造である。図では一本物のように示しているが、実際には中央バーとその両端に取付けられた端部バーとからなる分離タイプが多い。分離タイプはメンテナンス等の便宜のための構造であるが、このような分離タイプ以外のフィードバーにも本発明は適用できる。なお、フィードバー1,2の中央部分の内側にはワークをつかむ搬送用爪が取付けられている。
具体的には、各前後進機構7の移動ブロック72の下面に、各過負荷吸収機構1LO,1RO,2LO,2ROの上端面がボルト等で結合されている。
このように結合された結果、過負荷吸収機構1LO,1ROは1本の前フィードバー1のみ支持し、過負荷吸収機構2LO,2ROは1本の後フィードバー2のみ支持する構造となっている。
図4は図1に示す過負荷吸収機構1ROの一部断面正面図である。図5は図4におけるV線矢視断面図である。図6は図4におけるVI線矢視平面図である。
なお、4ヵ所の過負荷吸収機構は全て同一構造であるので、図1中右側、つまり前フィードバー右過負荷吸収機構1ROで代表させて説明する。
そして、前記第1トーションバー21とそれを固定する摩擦締結要素30,40により、第1負荷吸収手段が構成されており、前記第2トーションバー25とそれを固定する摩擦締結要素30,40により、第2負荷吸収手段が構成されている。
そして、第2トーションバー25の長軸部27は保持部73(図5参照)で保持されており、この保持部73は、前後進機構7のスライダー72の下面にボルト等で結合されている。このようにして、前フィードバー1は第1ケース11および第2ケース15を介して前後進機構7に連結されている。そして、図5に示すように前後進機構7の外箱は、開閉機構6のアーム62に結合されている。
図5に示す前記第2トーションバー25も同じ形状の部材であり、短軸部26、長軸部27、首部28とからなり、首部28のねじりにより昇降方向の動きのズレや撓みを吸収することができる。なお、首部28のねじり抵抗は、その長さと直径の選択で任意に設定することができる。
また、前記第1、第2トーションバー21,25の長軸部23,27は保持部16,73に対し摩擦締結要素40によって結合されている。
これらの摩擦締結要素30,40は、いずれもある回転トルク以下では第1、第2トーションバー21,25を回転不能に拘束しているが、回転トルクが設定値以上になると第1、第2トーションバー21,25の回転を許容する締結具である。
そして、インナーリング31とアウターリング32との間には、環状のテーパーリング33,34が両端方向から挿入される。各テーパーリング33,34の幅は、インナーリング31およびアウターリング32の幅の半分以下であり、いずれも外端の肉厚は厚く、内端の肉厚は薄くなるようにテーパーが付けられている。
そして、一方のテーパーリング33にはボルト35が貫通され、他方のテーパーリング34にはボルト35の先端部が螺合されるようになっている。
41は筒部、42はフランジである。筒部41の内周には、可撓性のある環状のスリーブ43が取付けられている。このスリーブ43内には、油等の圧力媒体pmが封入されており、この圧力媒体pmの内圧は調圧部44で調整可能となっている。調圧部44は、チャンバー45内に入れられたピストン46とピストン46の押込み量を調整する調整ネジ47からなる。チャンバー45はスリーブ43と通路48でつながっている。
このため第1、第2トーションバー21,25を保持部16,17に対し強く固着することができる。
このため、第1,第2トーションバー21,25にねじり外力が加わると、まず首部24,28がねじれ、そのねじれ限度を超える外力が加わると摩擦締結要素30,40が滑って回転することになる。
まず、前・後フィードバー1,2の開閉動作が、フィードバーの左右両側で同期がズレると各フィードバー1,2の端部にねじり外力が発生する。このねじり外力は縦方向に配置している第1負荷吸収手段である第1トーションバー21の首部24がねじられることによって外力が吸収される。これによりフィードバー1,2まわりの損傷を防止することができる。また、ねじり外力がより過大なときは、摩擦締結要素30または40が滑ることで、ねじり外力を吸収することができる。したがって、第1、第2トーションバー21,25のねじり抵抗を超える外力は摩擦締結要素30,40が滑ることによって逃がすので、過大は反力をフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDに伝えることはない。このため、確実にフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDの損傷を防止することができる。
上記のように、開閉方向の外力に対し、トーションバーのねじりと摩擦締結要素のすべりという二つの負荷吸収手段を設けているので、駆動装置を含めフィードバー1,2の変形や損傷を効果的に防止することができる。
上記のように、昇降方向の外力に対し、トーションバーのねじりと摩擦締結要素のすべりという二つの負荷吸収手段を設けているので、駆動装置を含めフィードバー1,2の変形や損傷を効果的に防止することができる。
しかも、各過負荷吸収機構1LO,1RO,2LO,2ROの下はフィードバー1,2のみであって軽量であるので、過負荷吸収機構1LO,1RO,2LO,2ROの容量を小型化でき、しかも仮に振動が発生したとしても抑制しやすいという利点がある。
2 後フィードバー
5 昇降機構
6 開閉機構
7 前後進機構
1LD 前フィードバー左駆動装置
1RD 前フィードバー右駆動装置
2LD 後フィードバー左駆動装置
2RD 後フィードバー右駆動装置
1LO 前フィードバー左過負荷吸収機構
1RO 前フィードバー右過負荷吸収機構
2LO 後フィードバー左過負荷吸収機構
2RO 後フィードバー右過負荷吸収機構
21 第1トーションバー
25 第2トーションバー
30 摩擦締結要素
40 摩擦締結要素
Claims (4)
- 多工程金型の前方に配置した前フィードバーおよび後方に配置した後フィードバーを備えた鍛造プレスにおいて、
前記前フィードバーを昇降、開閉、前後進させるため、その両端に連結した前フィードバー左駆動装置および前フィードバー右駆動装置と、
前記後フィードバーを昇降、開閉、前後進させるため、その両端に連結した後フィードバー左駆動装置および後フィードバー右駆動装置と、
前記前フィードバーに加わる外力を吸収するための前フィードバー左過負荷吸収機構および前フィードバー右過負荷吸収機構と、
前記後フィードバーに加わる外力を吸収するための後フィードバー左過負荷吸収機構および後フィードバー右過負荷吸収機構とを備えており、
前記前フィードバーの左端と前記前フィードバー左駆動装置との間を前フィードバー左過負荷吸収機構を介して連結し、
前記前フィードバーの右端と前記前フィードバー右駆動装置との間を前フィードバー右過負荷吸収機構を介して連結し、
前記後フィードバーの左端と前記後フィードバー左駆動装置との間を後フィードバー左過負荷吸収機構を介して連結し、
前記後フィードバーの右端と前記後フィードバー右駆動装置との間を後フィードバー右過負荷吸収機構を介して連結した
ことを特徴とする鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。 - 前記フィードバー各駆動装置が、昇降機構と開閉機構と前後進機構とからなり、
前記昇降機構がプレスの固定部材に取付けられており、該昇降機構の昇降部材に前記開閉機構が取付けられており、該開閉機構の開閉部材に前記前後進機構が取付けられており、
該前後進機構の下面と前記各フィードバーの端部を、前記各過負荷吸収機構が結合している
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。 - 前記各過負荷吸収機構が、
フィードバー開閉方向のねじり外力を吸収する第1負荷吸収手段と、フィードバー昇降方向のねじり外力を吸収する第2負荷吸収手段とからなる
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。 - 前記第1負荷吸収手段および前記第2負荷吸収手段のいずれもが、
トーションバーと、
該トーションバーの一端をねじり外力の入力側部材に締結する摩擦締結要素と
前記トーションバーの他端をねじり外力の伝達先部材に締結する摩擦締結要素とからなる
ことを特徴とする請求項3記載の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。
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