JP2010005632A - レーザ溶接用隙間制御装置及びレーザ溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 レーザビームBを集光位置Sに案内するレーザ機構10と、対象部材を集光位置Sに向けて送り出し方向Uに送り出すと共に前記集光位置Sの一部又は全部で前記対象部材間に予め定められた溶接隙間tを形成させる隙間保持部12と、前記集光位置Sから集光荷重点距離x分離れ溶接線と平行な荷重点Pで前記対象部材を重ね合わせて加圧する加圧部14とを備えた。
【選択図】図1
Description
特許文献2には、溶接品質の確保を目的として、重ね合わせたヘリにバリを形成し、このバリにより隙間を形成しつつヘリ溶接する手法が開示されている。
特許文献3には、車両用消音器を簡易に形成することを目的として、中間組立品の外周にプレートを巻き付け、その後、全周をレーザ溶接する手法が開示されている。
上記特許文献1では、重ね合わせ溶接にて、隙間を矯正し、押圧位置にて溶接するため、隙間をなくすことで、貫通溶接の安定を図っている。しかしながら、隙間をなくし完全に密着すると、金属表面の付着物(油、金属粉等)が気化・膨張してピンホール等の溶接欠陥の起因となってしまう。すなわち、隙間を完全になくしてしまうと、不純物の影響によるピンホール(ブローホール、ポロシティ、ピット)やスパッタ(ひけ)が発生し、結果、疲労強度不足やシール性の悪化や外観不具合等の溶接不良となってしまう。例えば、亜鉛メッキ鋼板の溶接では、溶け込み不足やアンダーフィルなどの溶接不良が発生しない程度に隙間を保持することが求められる。
特許文献2では、バリによる隙間を形成しつつ、重ね溶接ではなくヘリ溶接することで、ブローホールやひけ等の溶接不良の低減を図っている。しかし、バリを形成するための機構が複雑で、重ね合わせ溶接へ応用することができない。また、ヘリ溶接では、重ね合わせの貫通溶接と同様な強度を確保することが難しい。
特許文献3では、断面が円又は楕円の円筒形状物の製造に際して、中間組立品の外周にプレートを巻き付けた後に全周をレーザ溶接することで簡易な製造を図っている。しかし、外周のプレート間に隙間が残ると貫通溶接を安定させることができず、一方、隙間がないとピンホール等の不具合が生じてしまう。
例えば、ステンレス・シート間に過大(板厚 0.7 [mm] の50%以上)な隙間が生じていると、上側のシートだけが溶け落ちて貫通溶接とならず、穴が開いてしまう。すると、溶接後の目視検査とシール性を検査するリーク試験が不可欠で、密閉性に問題があれば後工程にてアーク溶接等をしなければならなくなる。
[技術的課題2]すなわち、上記従来例では、強度とシール性とを同時に確保し、かつ、良好な歩留まりを確保することが難しい、という不都合があった。
[技術的課題3]また、上記従来例では、重ね合わせ溶接の対象物について、強度を保ち、高いシール性を確保しつつ、簡易に製造することができない、という不都合があった。
これにより、上記技術的課題1,2及び3を解決した。
本発明によるレーザ溶接用隙間制御装置は、集光位置(レーザスポット)の一部又は全部に、溶接隙間tを形成しつつレーザビームBを照射し、集光荷重点距離xの荷重点Pで加圧する。このように、溶接隙間tを荷重点Pに向けて狭くするように隙間制御するため、対象部材のメッキや表面の不純物やシールドガスを外部に放出しつつ溶融することができ、これにより、溶接不良の発生を抑止することができる。そして、集光荷重点距離xの荷重点Pで加圧することで、シーム溶接と同様のシール性を実現し、さらに点加圧とすることで対象部材の形成品の外観を良好に保ち、強度を高めることができる。また、溶接隙間tと集光荷重点距離xの荷重点Pでの加圧とにより、シール性が高い製品を安定して歩留まり良く製造することができる。
<1.1溶接隙間tと集光荷重点距離x>
まず、本実施形態の実施例1を開示する。
図1(A)を参照すると、実施例1のレーザ溶接隙間制御装置100は、レーザビームBを集光位置Sに案内するレーザ機構10と、対象部材を集光位置Sに向けて送り出し方向Uに送り出すと共に前記集光位置Sの一部又は全部で前記対象部材間に予め定められた溶接隙間tを形成させる隙間保持部12と、前記集光位置Sから集光荷重点距離x分離れ溶接線と平行な荷重点Pで前記対象部材を重ね合わせて加圧する加圧部14とを備えている。
隙間保持部12は、図1(A)及び(B)に示す例では、母材20又はシート材26の回転軸を中心とした円周により溶接隙間tを形成し、図1(C)に示す例では、隙間ゲージを使用することで溶接隙間tを形成し、図10及び図11に示す例では、シート材26を予め折り曲げることで溶接隙間tを形成する。
図1(A)を参照すると、好適な実施例では、母材支持体24が、母材回転軸22を中心として、図中時計回り(送り出し方向U)に回転可能に母材20を支持し、シート支持体28がシートを支持すると共に送り出し、テンションローラー40により母材20とシート材26との間に溶接隙間tを形成している。図1(B)に示す例では、図示しない母材支持体24が母材20を支持し、テンションローラー40が、上部よりシート材26を母材20に向けて送り出すことで、溶接隙間tを形成する。図1(C)に示す例では、テンションローラー40ではなく、隙間ゲージ41を使用することで、溶接隙間tを形成する。すなわち、隙間保持部12は、母材20と、シート材26との間で、前記集光位置Sよりも前記送り出す方向Uにて手前(図中左側)に、当該母材20とシート材26との間に隙間を形成する隙間ゲート41を配置する。送り出す方向Uからみた順序では、隙間ゲート41、集光位置S、荷重点Pの順に配置する。
溶接隙間tは、シート材26が母材20と接する面上でレーザビームBの照射方向と交わる点と、レーザビームBと母材表面との交わる母材集光点T1(図1(A)),T2(図1(B)),T3(図1(C))までの長さである。
本実施例のレーザ溶接隙間制御装置を設置する空間にて、荷重点P及び加圧ローラー30の位置を固定として、レーザビームBを発射するレーザ機構10の位置を可変とすると良い。この場合、荷重点Pを固定しておき、レーザ機構10の位置を可変とすることで、集光荷重点距離xの長さを可変とすることができる。例えば、図1に示す例では、レーザ機構10を駆動して、レーザビームBの位置を図中左右に変化させることで、集光荷重点距離xを調整し、さらに、隙間保持部12の配置を調整することで、溶接隙間tの長さを調整することができる。
例えば、板厚1.5 [mm] の母材20に板厚0.7 [mm] の2枚のシート材をCO2レーザ出力 3 [kW] で溶接する例では、送り出し速度は、1 [m/min] から 6 [m/min]、集光荷重点距離xは、3 [mm] から7 [mm] 、溶接隙間tは 0.05 [mm] から 0.3 [mm] とする。望ましくは、速度を 2 [m/min] から3 [m/min]程度、集光荷重点距離xは、 5 [mm] 以内、 溶接隙間tは 0.3 [mm]以内とすると良い。溶接速度を高める際には、レーザの波長や特性にもよるが、一般的に、レーザ出力を高めることが必要となる。
さらに、図1(C)に示すように、母材20とシート材26との間に、ゲージ隙間zを例えば0.5 [mm] とする隙間ゲージ41を挿入し、溶接速度を3 [m/min] として、図面の法線方向に送り出す例では、集光位置Sの他部の溶接隙間をほぼ 0 [mm] とし、一部に微少隙間を与えて、集光荷重点距離xを3 [mm] とすると、良好に貫通溶接できた(図2(A))。また、溶接隙間を0.2 [mm] として、集光荷重点距離xを5 [mm] とすると、良好に貫通溶接できた(図2(B))。
一方、溶接隙間を0.4 [mm] として、集光荷重点距離xを7 [mm] とすると、貫通溶接はされたが、アンダーフィルが生じた。さらに、溶接隙間を0.4 [mm] として、集光荷重点距離xを10 [mm] とすると、貫通しなかった(図2(C))。
各種の実験結果によると、集光位置Sへのレーザビームの照射から、約0.1 [s] 後に荷重点Pにて加圧すると、凝固前に加圧することができることから、望ましい。
また、完全な円又は球ではなく、楕円としても良いし、曲率半径で定義しても良い。
x2+y2=R2
y = R-t
t = R - (R2-x2)-2
x1 2+y1 2=R1 2
y1 = R1-t
t = R1 - (R1 2-x1 2)-2
x2 2+y2 2=R2 2
y2 = R2-t
t = R2 - (R2 2-x2 2)-2
上述のように、荷重点PとレーザビームBの集光位置Sの位置関係を設定することにより、対象部材間の隙間を制御でき、付着物の気化や噴射によるピンホールの発生を低減することができる。
すなわち、溶接隙間tを形成しつつレーザビームBを照射することで、対象部材のメッキや表面の不純物やシールドガスを外部に放出しつつ溶融することができ、これにより、溶接不良の発生を抑止することができる。そして、集光荷重点距離xの荷重点Pで加圧することで、シーム溶接と同様のシール性を実現し、さらに点加圧とすることで対象部材の形成品の外観を良好に保ち、強度を高めることができる。また、溶接隙間tと集光荷重点距離xの荷重点Pでの加圧とにより、シール性が高い製品を安定して歩留まり良く製造することができる。
このように、本実施例では、溶接隙間tを荷重点Pに向けて狭くするように制御することで、強度と溶接品質の確保との両立を図ることができる。
図3を参照すると、加圧部14が、前記母材20の回転に追従して回転軸体31を中心に回転する加圧ローラー30と、当該加圧ローラー30を回転可能に支持すると共に、当該加圧ローラー30の外周を前記荷重点Pに向けて加圧する加圧フレーム32とを備えている。
加圧ローラー30は、当該加圧ローラー30の外周上の点でシート材26に接することで、荷重点Pにてシート材26及び母材20を加圧する。また、加圧ローラー30は、母材支持体24による母材20の支持と送り方向への回転に追従して回転する。加圧ローラー30は、ホイールとの名称でも良い。
また、図3に示す例では、溶接したシート材26の緩みを防止するために、緩み防止ローラー42を備えている。
上述のように、溶接隙間tを形成した点にレーザビームBを集光することで、シールドガスや対象部材表面のメッキや不純物等を逃がしつつ貫通溶接することができ、ピンホールの発生等を抑止することができる。さらに、レーザビームBの集光後、凝固する前に、加圧ローラー30で荷重点Pを点で加圧することで、溶接隙間tを無くすため、極めて高いシール性を歩留まり良く安定して確保することができる。
例えば、指状の金属プレートで溶接点近傍を押して隙間を矯正する機構があるが、押さえ込む面積が広いため、板を部分的に変形させて隙間が矯正できるほど十分な圧力を加えるためには大きな力が必要となり、加工品の変形や回転中心の偏心による巻き取り不具合が発生していた。この点、本実施例では、加圧ローラー30(ホイール)により溶接隙間tを矯正するため、隙間矯正の力(例えば、約100 [kgf])を同一としても、金属プレートによる加圧と比較して、加圧ローラー30の場合には約4.5倍とすることができる。そして、加圧ローラー30の場合、母材20の回転に追従して回転しながら加圧するため、形状精度を高め、外観を良好に保つことができる。
また、巻き込みをして複数箇所をスポット溶接しておき、その後全周をレーザ溶接する手法と比較して、シール性での不具合がほぼなくなり、例えば水没検査等を不要として、波(光や音等)を用いた非接触の検査を採用することができる。さらに、従前の手法では、シール性での不具合が発生すると、後工程にて漏れのある箇所を特定し、アーク溶接をし、さらにシール性の検査をする必要があったが、本実施例によると、一定水準以上のシール性を有する形成品を極めて歩留まり良く製造することができ、製造工程を低コストに改善することができる。
さらに、巻き込みをした後に全周をレーザ溶接する手法と比較して、溶接品質が向上することにより、巻き込みの回数を低減することもできる。すると、形成品の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
次に、図6から図9を参照して、マフラーの消音器をレーザ溶接により製造するためのレーザ溶接隙間制御装置の一例を説明する。
図6を参照すると、レーザ溶接隙間制御装置は、消音器の両端に応じた2つのレーザ機構10と、当該両端のレーザ溶接に際してそれぞれの荷重点Pで加圧するシーム溶接加圧ユニット60(図7(A)参照)と、シート材26の終端部52Aでスポット溶接する際に加圧するスポット溶接加圧ユニット70(図7(B)参照)とを備えている。
図6から図8に示すレーザ溶接隙間制御装置は、シーム溶接加圧ユニット60とスポット溶接加圧ユニット70とを独立させ、シーム加圧フレーム64やスポット加圧フレーム74を介して加圧する機構としたことで、2つのレーザ機構10の移動空間を確保しつつ、2つの溶接トーチ80によりマフラー消音器等の円筒型形状物を高速で高品質に製造することができる。また、加圧ホイール30A,30Bで溶接隙間tを矯正しながら溶接する際に、荷重点Pと集光位置S(レーザ照射点)の位置関係を制御することによって、幾何学的に、シート材26(上板)と母材20又は巻き付けたシート材26(下板)に所要の溶接隙間tを与え、溶接する手段を提供することができる。
二次的効果として、加圧ローラー30の円と、母材20の円とが回転しながら接することにより、真円度(形状精度)の高いマフラー消音器を得ることができる。
そして、隙間を制御する基本的なロジックを、溶接トーチ80のコントローラに実現することで、ワークの形状(直径の違いなど)に応じて、最適な照射点に溶接トーチ80を移動させることが可能となる。
次に、シート材26の巻き付けではなく、ヘリ(フランジ)を対象とした重ね合わせ溶接に本実施例を適用する例を説明する。この例(折り曲げ加圧溶接)では、ヘリの一方を折り曲げておき、レーザビームBの照射に際して溶接隙間tを確保しつつ、加圧ローラー30で折り曲げを平面に戻しつつ加圧する。対象部材につき、折り曲げない側(下部部品)を母材20といい、母材20のヘリを母材平面21という。そして、重ね合わせる上部部品25のヘリを折平面27という。折平面27は、前記母材平面21と重ね合わせる上部部品25のヘリで、溶接方向と略直交する方向に折り曲げられている。
母材支持体24は、前記対象部材の一方で母材平面21を有する母材20(下部部品)を支持する。折平面案内体29は、上部部品25の折平面27を前記母材平面21に向けて案内すると共に前記溶接隙間tを形成する。
そして、加圧部14が、加圧ローラー30と、押圧ローラー46とを備えている。
押圧ローラー46は、前記母材平面21を前記レーザ機構10の反対側から押圧することで、ヘリ部分である母材平面21と折平面27を下部方向にて支える。加圧ローラー30は、前記折平面案内体29で案内され前記レーザビームBが照射された後で、前記集光荷重点距離x分離れた前記荷重点Pにて、前記折平面27を前記押圧ローラー46との挟み込みにより加圧する。
上述のように、重ね合わせるヘリの一方を予め折り曲げておき、隙間保持部12が、この折り曲げによる隙間を集光位置Sにて溶接隙間tとなるように案内し、加圧ローラー30が、溶接隙間tを順次狭くして荷重点Pでは隙間を無くすように折平面27を加圧する。このため、シール性を高め、されに、剛性、ひずみのない強度確保をすることができる。また、設計上の強度や振る舞いの想定(例えば、有限要素法等によるシミュレーション結果)との乖離のない製品を安定して歩留まり良く製造することができる。
次に、実施例2を開示する。実施例2は、実施例1のレーザ溶接隙間制御装置を使用して、重ねレーザ溶接を行うことで、種々の形成品を製造する方法である。
図13に示すように、重ねレーザ溶接方法は、まず、レーザビームBの集光位置Sの一部又は全部にて予め定められた溶接隙間tを当該レーザビームBの照射方向に形成しつつ対象部材を重ね合わせる(ステップS1)。図1に示す例ではシート材26と母材20とを重ね合わせ、図10に示す例では折平面27と母材平面21とを重ね合わせる。
次に、前記集光位置Sに向けてシールドガスを噴射すると共に前記レーザビームBの照射を開始する(ステップS2)。レーザビームBの照射により、対象部材にキーホール16が形成され溶融が貫通する。
この重ねレーザ溶接により、円筒形状物(図1(A),図5)や、板材(図1(B))や、マフラー消音器(図6等)や、容器(図10等)や、燃料タンク(図12)を製造することができる。各製品は、溶接不良の抑止によりシール性を安定して格段に向上させることができる。そして、加圧ローラーによる加圧後の凝固により、設計上の要求を満たす外観と強度とを安定して確保することができる。さらに、貫通溶接と相対変位する荷重点での連続した加圧とにより、事前のシミュレーション等の予測との合致度の高い製造物を得ることができる。
この重ね溶接は、シート材の巻き込み溶接にて極めて高い効果を奏する。
再度図5及び図13を参照すると、図5(A)に示すように、前記シート材26を円筒状の前記母材20の外周に重ねる(ステップS1)。次に、図5(B)に示すように、前記相対位置を移動させるに際して、円筒状の前記母材20の回転軸22にて当該母材20を回転させる(ステップS2)。さらに、図5(C)に示すように、前記シート材26の重ねと前記母材20の回転とにより当該シート材を予め定められた巻き回数分、前記母材に巻き付ける(ステップS3からS5)。そして、図5(D)に示すように、前記溶接線の終端にて、前記回転軸と平行で前記シート材26の終端部52Aにて、当該母材及び母材に巻き付けられたシート材の溶接スポット54にスポット溶接する(ステップS6)。
図5及び図13に示す巻き込みレーザ溶接では、上述した各種の効果を顕著に奏することができる。特に、溶接品質を確保しつつ、母材20の回転と加圧ローラー30の回転とによる加圧が、製品の良好な外観をもたらすことができる。
P 荷重点
S 集光位置
T, T1,T2,T3 母材集光位置
U 送り出し方向
x 集光荷重点距離
t 溶接隙間
z ゲージ隙間
R,R1,R2 溶接半径
W1 表面ビード幅
W2 裏面ビード幅
θ シールドガス角度
10 レーザ機構
12 隙間保持部
14 加圧部
16 キーホール
18 溶接ビード
19 加圧痕
20 母材
21 母材平面
22 母材回転軸
24 母材支持体
26 シート材
27 折平面
28 シート支持体
29 折平面案内体
30,30A,30B,30C,30D,30E 加圧ローラー
31 回転軸体
32 加圧フレーム
34 加圧ローラー保持部
36 加圧ローラー回転部
40 テンションローラー
41 隙間ゲージ
42 緩み防止ローラー
44,44A,44B,44C,44D,44E ガスノズル
45 調整ローラー
46 押圧ローラー
50 シート長辺
52 シート短辺
52A 終端部
54 溶接スポット
60 シーム溶接加圧ユニット
62 シーム加圧回転体
64 シーム加圧フレーム
66 シーム加圧ローラー保持部
68 シーム加圧ローラー支持部
70 スポット溶接加圧ユニット
72 スポット加圧回転体
74 スポット加圧フレーム
76 スポット加圧ローラー保持部
78 スポット加圧ローラー支持部
80 溶接トーチ
82 エアカーテン
Claims (8)
- レーザビームを集光位置に案内するレーザ機構と、
対象部材を集光位置に向けて送り出すと共に前記集光位置の一部又は全部で前記対象部材間に予め定められた溶接隙間tを形成させる隙間保持部と、
前記集光位置から集光荷重点距離x分離れ溶接線と平行な荷重点で前記対象部材を重ね合わせて加圧する加圧部と、
を備えたことを特徴とするレーザ溶接用隙間制御装置。 - 前記隙間保持部が、前記対象部材の一方である母材の母材回転軸にて当該母材を前記送り出す方向に回転させる母材支持体と、前記対象部材の他方であるシート材を前記母材の外周に重ねるシート支持体とを備え、
前記加圧部が、前記母材の回転に追従して回転する加圧ローラーと、当該加圧ローラーを回転可能に支持すると共に、当該加圧ローラーの外周を前記荷重点に向けて加圧する加圧フレームとを備えた、
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接用隙間制御装置。 - 前記隙間保持部が、前記対象部材の一方である母材と、前記対象部材の他方であるシート材との間で、前記集光位置よりも前記送り出す方向にて手前に、当該母材とシート材との間に隙間を形成する隙間ゲートを配置し、
前記加圧部が、前記シート材の前記送り出しに追従して回転する加圧ローラーと、当該加圧ローラーを回転可能に支持すると共に、当該加圧ローラーの外周を前記荷重点に向けて加圧する加圧フレームとを備えた、
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接用隙間制御装置。 - 前記隙間保持部が、前記対象部材の一方で母材平面を有する母材を支持する母材支持体と、前記対象部材の他方で前記母材平面と重ね合わせる折平面が溶接方向と略直交する方向に折り曲げられた折平面を前記母材平面に向けて案内すると共に前記溶接隙間tを形成する折平面案内体とを備え、
前記加圧部が、前記母材平面を前記レーザ機構の反対側から押圧する押圧ローラーと、前記折平面案内体で案内され前記レーザビームが照射された後で前記集光荷重点距離x分離れた前記荷重点Pで前記折平面を前記押圧ローラーとの挟み込みにより加圧する加圧ローラーとを備えた、
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接用隙間制御装置。 - 前記集光荷重点距離xを、前記対象部材の前記送り出しの速度に応じて予め定めた、
ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のレーザ溶接用隙間制御装置。 - 前記集光荷重点距離x及び溶接隙間tを、前記対象部材の断面外周の曲率に応じた溶接半径R又は前記加圧ローラーの溶接半径Rに応じて予め定めた、
ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のレーザ溶接用隙間制御装置。 - レーザビームの集光位置の一部又は全部にて予め定められた溶接隙間tを当該レーザビームの照射方向に形成しつつ対象部材を重ね合わせる工程と、
前記集光位置Sに向けてシールドガスを噴射すると共に前記レーザビームの照射を開始する工程と、
前記レーザビームが溶接方向に進行するように前記シート材及び母材と前記集光位置との相対位置を移動させる工程と、
当該相対位置の移動に際して、前記集光位置から前記溶接方向に集光荷重点距離x分離れた荷重点で前記シート材と前記母材との重ね合わせ面を加圧する工程と、
前記相対位置を溶接線の終端まで進行させることで前記シート材及び母材をシーム溶接する工程と、
を備えたことを特徴とする重ねレーザ溶接方法 - 前記シート材を円筒状の前記母材の外周に重ねる工程と、
前記相対位置を移動させるに際して、円筒状の前記母材の回転軸にて当該母材を回転させる工程と、
前記シート材の重ねと前記母材の回転とにより当該シート材を予め定められた巻き回数分前記母材に巻き付ける工程と、
前記溶接線の終端にて、前記回転軸と平行で前記シート材の端部にて、当該母材及び母材に巻き付けられたシート材にスポット溶接する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項7記載の重ねレーザ溶接方法。
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