JP2010005149A - 粒子線治療装置用マルチリーフコリメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】安価なインクリメンタルエンコーダだけでリーフの動作異常を検出できる粒子線治療用マルチリーフコリメータの提供を目的とする。
【解決手段】リーフ8Lを開き、トルク算出手段が算出するモータ3Lのトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えた時に、リーフ8Lがストッパ7Lに接触したと検知して、エンコーダ5Lの発生するパルスを積算するパルス積算値12Pをクリアする。
再度ストッパ7Lにリーフ8Lを接触させて、パルス積算値が0近傍であるか否かでリーフ駆動装置30の異常を判定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、粒子線治療装置に使用するマルチリーフコリメータに関するものである。
従来の粒子線治療では、治療計画により粒子線を照射する領域すなわち照射野が検討され、計画に従い粒子線を照射する。計画された照射野に粒子線を照射し、照射野外への照射を遮る装置として、マルチリーフコリメータが用いられている。
特許文献1では、駆動させた多分割絞りをメカストッパに当て、そのメカストッパにより停止したリーフの位置情報を計数し、原点位置を決定することにより短時間で正確な原点位置の設定を可能とした基本的なマルチリーフコリメータが示されている。このマルチリーフコリメータの中で、リーフの位置はエンコーダにより検出するが、エンコーダとは別にポテンショメータを搭載し、エンコーダとポテンショメータのそれぞれの検出に差が発生した場合は、インターロックにより治療を停止させることが述べられている。
特許文献2では、マルチリーフコリメータに備える複数のリーフの破損の防止を目的としたマルチリーフコリメータが示されている。このマルチリーフは、駆動装置を用いて複数位置に複数リーフをそれぞれ移動させるリーフ駆動部と、複数リーフのうちの第1リーフが移動するときに第1リーフの縁が第2リーフの縁に擦れ違うかどうかを判別する擦れ違い検出部とを備え、第1案内面に案内される第1リーフと、第1案内面に隣接する第2案内面に案内される第2リーフを含み、リーフ駆動部は、第1リーフの縁が第2リーフの縁に擦れ違うときに、第2リーフの縁に対する第1リーフの縁の相対速度が所定の速度以下になるよう第1リーフを移動させる。このような制御により、第1リーフと第2リーフとが衝突するときの衝撃を低減することができ、第1リーフと第2リーフとが変形・破損することを防止している。また、リーフの位置は、ロータリーエンコーダによる回転量から算出され、その位置が妥当であるかを画像より判断することを記している。
特許文献3では、被検体に放射線を曝射して治療する技術に関し、リーフブロックの変位又は位置の検出においてバックラッシュの影響を回避し、リーフブロックの変位又は位置を正確に検出する技術が示されている。この技術では、放射線の照射野を所定形状に絞るマルチリーフコリメータに、照射野方向に移動可能とされ、所定面に移動方向に沿って刻設されたパターン画像を有するリーフブロックと、所定面方向を定点観察して定点画像を取得し、この定点画像に存在するパターン画像の配置位置に基づき、リーフブロックの変位を検出する検出手段を備え、検出手段は、所定の照射部が形成する光学系に配置された光学フィルタにより、この照射部からの特有の波長を有する光を透過して、イメージセンサに受光させる方式でリーフブロックの変位又は位置を正確に検出することを記している。
特開2003−079754号公報(段落0017) 特開2007−319496号公報(段落0023、0067) 特開2007−202805号公報(段落0025)
各特許文献に記載されている粒子線治療用マルチリーフコリメータにおいてもリーフの動作異常を検出する機能を備えているが、エンコーダとポテンショメータを併用するタイプでは検出精度が悪く、異常判断を厳密にできないという問題があった。
また画像情報により異常検出するタイプでは画像撮影装置を装置に組み込む必要があり装置が大型化してしまい、更にコストが高いという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、安価なインクリメンタルエンコーダだけでリーフの動作異常を検出できる粒子線治療用マルチリーフコリメータの提供を目的としている。
この発明に係る粒子線治療装置用マルチリーフコリメータは、粒子線を照射する照射野形状を形成するために正対して開閉する2枚のリーフと、それぞれのリーフを独立して移動させるモータと、そのモータの回転数を検出するエンコーダと、それぞれのリーフの移動を全開位置に規制するストッパとを接続してなるリーフ駆動装置を複数並列したリーフ駆動装置群及び、
エンコーダが発生させるパルスからリーフの絶対位置を算出するリーフ絶対位置算出手段と、リーフの現在の絶対位置と、リーフが移動すべき位置を指令するリーフ絶対目標位置指令から、それぞれのモータの出力すべきトルクを算出するトルク算出手段と、算出トルクをモータに流す電流に変換するトルク/電流変換手段とからなるリーフ制御装置
を備えた粒子線治療装置用マルチリーフコリメータにおいて、
リーフがストッパに接触する位置を原点とし、リーフを全開方向に移動しトルク算出手段が算出するトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えたことにより、リーフがストッパに接触したことを検知した時、
リーフ絶対位置算出手段が算出するリーフ絶対位置が原点から所定の範囲内に無いときは、リーフ駆動装置は異常、所定の範囲内にあるときは正常であると判定するものである。
また、この発明に係る粒子線治療装置用マルチリーフコリメータは、粒子線を照射する照射野形状を形成するための正対して開閉する2枚のリーフと、それぞれのリーフを独立して移動させるモータと、そのモータの回転数を検出するエンコーダと、それぞれのリーフの移動を全開位置に規制するストッパとを接続してなるリーフ駆動装置を複数並列にしたリーフ駆動装置群及び、
リーフの現在の絶対位置と、リーフが移動すべき位置を指令するリーフ絶対目標位置指令からそれぞれのモータの出力すべきトルクを算出するトルク算出手段と、算出したトルクをモータに流す電流に変換するトルク/電流変換手段とからなるリーフ制御装置
を備えた粒子線治療装置用マルチリーフコリメータにおいて、
リーフがストッパに接触する位置を原点とし、正対する2枚のリーフを互いに閉じる方向へ移動させ、トルク算出手段が算出する一方又は両方のモータのトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えたことにより2枚のリーフの接触を検知した時、
2枚のリーフに対応するリーフ絶対位置算出手段が算出する2つの絶対位置の和と、1枚のリーフの最大移動可能距離の差が、所定の範囲内に無いときはリーフ駆動装置は異常、所定の範囲にあるときは正常と判定するものである。
この発明に係る粒子線治療装置用マルチリーフコリメータは、粒子線を照射する照射野形状を形成するために正対して開閉する2枚のリーフと、それぞれのリーフを独立して移動させるモータと、そのモータの回転数を検出するエンコーダと、それぞれのリーフの移動を全開位置に規制するストッパとを接続してなるリーフ駆動装置を複数並列したリーフ駆動装置群及び、
エンコーダが発生させるパルスからリーフの絶対位置を算出するリーフ絶対位置算出手段と、リーフの現在の絶対位置と、リーフが移動すべき位置を指令するリーフ絶対目標位置指令から、それぞれのモータの出力すべきトルクを算出するトルク算出手段と、算出トルクをモータに流す電流に変換するトルク/電流変換手段とからなるリーフ制御装置
を備えた粒子線治療装置用マルチリーフコリメータにおいて、
リーフがストッパに接触する位置を原点とし、リーフを全開方向に移動しトルク算出手段が算出するトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えたことにより、リーフがストッパに接触したことを検知した時、
リーフ絶対位置算出手段が算出するリーフ絶対位置が原点から所定の範囲内に無いときは、リーフ駆動装置は異常、所定の範囲内にあるときは正常であると判定するものなので、開方向への動作による診断処理を粒子線の照射前後におこなうことで、エンコーダの間欠故障、モータ軸のスリップ、歯車の欠損、リーフに刻まれた歯の欠損よる位置不良やエンコーダとリーフ制御装置2間の接触不良によるパルスの欠損による位置不良、エンコーダとリーフ制御装置間の外線に重畳したノイズによるパルスの追加による位置不良の検出が可能となり、信頼性の高いマルチリーフコリメータを安価に簡単に得ることができ、粒子線の誤照射を未然に防止することができる。
また、この発明に係る粒子線治療装置用マルチリーフコリメータは、粒子線を照射する照射野形状を形成するための正対して開閉する2枚のリーフと、それぞれのリーフを独立して移動させるモータと、そのモータの回転数を検出するエンコーダと、それぞれのリーフの移動を全開位置に規制するストッパとを接続してなるリーフ駆動装置を複数並列にしたリーフ駆動装置群及び、
リーフの現在の絶対位置と、リーフが移動すべき位置を指令するリーフ絶対目標位置指令からそれぞれのモータの出力すべきトルクを算出するトルク算出手段と、算出したトルクをモータに流す電流に変換するトルク/電流変換手段とからなるリーフ制御装置
を備えた粒子線治療装置用マルチリーフコリメータにおいて、
リーフがストッパに接触する位置を原点とし、正対する2枚のリーフを互いに閉じる方向へ移動させ、トルク算出手段が算出する一方又は両方のモータのトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えたことにより2枚のリーフの接触を検知した時、
2枚のリーフに対応するリーフ絶対位置算出手段が算出する2つの絶対位置の和と、1枚のリーフの最大移動可能距離の差が、所定の範囲内に無いときはリーフ駆動装置は異常、所定の範囲にあるときは正常と判定するものなので、閉方向への動作による診断処理を粒子線の照射前後におこなうことで、エンコーダの間欠故障、軸のスリップ、歯車の欠損、リーフに刻まれた歯の欠損よる位置不良やエンコーダとリーフ制御装置間の接触不良によるパルスの欠損による位置不良、エンコーダとリーフ制御装置間の外線に重畳したノイズによるパルスの追加による位置不良の検出が可能となり、信頼性の高いマルチリーフコリメータを得ることができる。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1はマルチリーフコリメータ20の構成図である。上位計算機1にはリーフ駆動装置30を制御するためのリーフ制御装置2が接続されている。リーフ駆動装置30は、リーフを駆動するモータ3L、3R、モータの回転軸4L、4R、各モータの軸の回転が伝達され所定のパルスを発生するエンコーダ5L、5R及び歯車6L、6R、粒子線の照射野を形成するリーフ8L,8R及び、両リーフの最大開(図の上下方向に最大限開いた状態)位置を検出するためのストッパ7L、7Rで構成される。
粒子線は図1手前から、リーフ8L、8Rの間を通って奥側に照射され、リーフ8L、8Rに当たる部分では粒子線が遮断され通過しない。マルチリーフコリメータ20のリーフ8L、8Rの間を通過して粒子線が照射される部分が照射野9となる。
実際のマルチリーフコリメータ20は、このように対をなすリーフ8L、8Rが多数組、図1の左右方向に並設されていて複雑な照射野形状を作ることができる。
以下の説明では主にリーフ8L、必要に応じてリーフ8Lとリーフ8Rの動作について説明するが、他のリーフの動作も同様である。
図2はリーフ制御装置2のブロック図である。
リーフ制御装置2の処理の概略を説明する。リーフ制御装置2にはリーフの数だけリーフ制御ブロックがあり、1つの制御ブロックが1枚のリーフの動作を制御する。そしてリーフ制御ブロック10Lはリーフ8Lの動作を制御する制御ブロックである。リーフ絶対位置算出手段12Lはエンコーダ5Lが発生するパルス11Lの回数を積算してリーフの現在の絶対位置情報となるパルス積算値12LPを算出する。
リーフ目標位置変換手段13Lは上位計算機からリーフ絶対目標位置指令40Lを受け、そのリーフ絶対目標位置を現在のリーフの位置からの相対位置であるリーフ相対目標位置13LPに変換する。トルク算出手段14Lは、リーフ相対目標位置13LPとパルス積算値12LPから、現在モータ3Lが出力すべきトルク算出する。この値をトルク/電流変換手段15Lでモータ3Lに印加する電流に変換してモータを駆動する。
このように、リーフ制御装置2はリーフ8Lが、リーフ目標位置変換手段13Lで算出されたリーフ相対目標位置13LPへ移動するようモータ3Lに電流を流し制御する。モータ3Lが回転すると、モータ3Lに接続された軸4Lが回転し、軸に取り付けられた歯車6Lも回転する。リーフ8Lには歯が刻まれており、回転する歯車6Lによりリーフ8Lは位置を変化させる。リーフ8Lはストッパ7Lの位置まで移動することができるがストッパ7Lを越えて移動することはできない。リーフ8Lがストッパ7Lの方向へ移動することを開方向への移動、逆の方向に移動することを閉方向の移動と呼ぶ。リーフ8Lが最大に開いている状態(ストッパ7Lに接触している状態で最大開と呼ぶ)での各リーフの先端位置をそれぞれのリーフの原点(0)と呼ぶ。
軸4Lの回転にあわせてエンコーダ5Lも回転する。エンコーダ5Lは回転するとパルスを発生する。この実施の形態で使用するエンコーダが発生するパルスの波形は軸の回転の向きによって異なる、従って軸に接続されているモータがどちらに回転したかを判別できる。発生するパルスはリーフ絶対位置算出手段12Lに入力される。リーフ絶対位置算出手段12Lは、上記発生パルスを、リーフが閉方向に移動しているときは正の数で、開方向に移動しているときは負の数でカウントする。
このように、パルスは軸4Lの回転に合わせて規則正しく発生し、回転方向を判別できるので、パルスの正負の発生回数を最初から積算するとリーフの現在位置を特定できることになる。つまり、この実施の形態のマルチリーフコリメータ20は、リーフの絶対位置を直接検出する手段は備えていないが、予め計測したリーフの移動距離とその移動距離に対してエンコーダが発生するパルスの発生回数の関係を表す関数を保持することにより、エンコーダが発生するパルスの積算値から間接的に現在のリーフの絶対位置を算出できることになる。
図1、図2を使用して、具体例をあげてリーフの「位置」について説明する。
モータ3Lを制御するリーフ制御ブロック10Lのリーフ絶対位置算出手段12Lには、エンコーダ5Lより得られるパルス11Lが入力される。リーフ絶対位置算出手段12Lはパルス11Lの発生回数に、リーフの移動向きに応じた正負の符号付けて積算しパルス積算値12LPとして保持する。
リーフ絶対目標位置指令40Lは上位計算機1より指示された、リーフが移動すべき絶対目標位置である。このリーフ絶対目標位置指令40Lを元に、リーフ目標位置変換手段13Lで、現在のリーフの絶対位置からのリーフの相対的な目標位置であるリーフ相対目標位置13LPを算出する。
リーフ絶対目標位置指令40Lとリーフ相対目標位置13LP(移動方向と距離)の関係について、「移動距離」と「リーフの絶対位置」と「パルス積算値」の関係に言及しながら説明する。
今、リーフ8L、8Rがストッパ7L、7Rに接触する原点にあるとする。またこの時、リーフ8L、8Rの制御モータに接続されたエンコーダ5L、5Rから発生するパルス回数を積算し保存するパルス積算値12LP,12RPは共に0でリセットされているとする。
リーフ8L、8Rに対して仮に同時に閉方向に無限大に移動する指示を与えたとする。各リーフはそれぞれの原点から閉方向に等しく無限大に移動しようとし、それぞれのリーフの先端がストッパ7L、7Rの中間点で衝突して止まる。この時エンコーダ5L,5Rが発生する正のパルスの発生回数が共に5000回であったとする。この場合、それぞれのリーフの先端の絶対位置は0−10000範囲で指定できることになる。なぜなら、各リーフは中間位置を越えて移動できるので、1枚のリーフが原点から他のリーフの最大開位置まで移動する場合があるからである。
リーフが同一方向に動く場合のリーフの移動距離とエンコーダが発生するパルスの回数は比例し、この関数はリーフ制御装置2で保持している。ここでは説明の都合上パルス1回に対して、距離1が対応するとする。
リーフ8L,8Rがストッパ7L、7Rの中間点で接触して停止している状態で、パルス積算値12LP、12RPはそれぞれ5000である。この状態で上位計算機1がリーフ8Lに対する絶対目標位置指令40Lとして2500を与えると、リーフ目標位置変換手段13Lはリーフ絶対位置算出手段12Lから取得した現在のリーフ8Lの絶対位置5000から、絶対位置2500へ移動するためのリーフ相対目標位置13LPとして−2500を算出する。リーフ制御装置2はリーフ8Lを移動方向=開方向に、移動距離2500だけ移動させるようにモータを制御する。この時、パルス積算値12LPは5000−2500=2500となる。更に、リーフ絶対目標位置指令0を与えると、リーフ相対目標位置13LPは−2500となり、リーフ8Lは原点に戻る。この時、パルス積算値12LPは計算上0となる。パルス積算値12RPは5000のままでリーフ8Rの先端は両ストッパの中間点のままである。
以上のように現在のリーフの絶対位置は、モータの軸に接続されたエンコーダが発生するパルス積算値12LP、12RPとして間接的に求めることができ、次にリーフが取るべきリーフ相対目標位置13LP(移動方向と距離)はリーフの現在位置からの相対位置(正負の符号とエンコーダのパルス発生回数)として与え得ることが分かる。
次に実施の形態1におけるマルチリーフコリメータの動作モードについて簡単に説明する。
この実施の形態でのマルチリーフコリメータには3種類の動作モードがある。
第1のモードは原点復帰モードである。装置の起動直後に各リーフを最大開位置まで移動し、この位置で各リーフの絶対位置算出手段のパルス積算値をクリアして0とする。これにより各リーフの原点(0)がそれぞれのリーフの最大開の位置にセットできる。
第2のモードは通常動作モードである。通常の装置の運用はこのモードで使用する。
第3のモードは診断モードである。診断モードではリーフ駆動装置に誤動作がないかを診断する。
各動作モードについて詳細を説明するが、説明の都合上、通常動作モードを先に説明する。従って、ここでは、原点復帰モードの実行により、各リーフの原点(0)で、各リーフのパルス積算値12LP,12RPをすべて0としてリセットしているものとして説明する。
図3は通常モードでのトルク算出手段14Lの処理を示しており、その処理は周期的(1msec/回)に行われている。
トルク算出手段14Lは、まずステップS141でリーフ8Lの先述したリーフ相対目標位置13LPを取得する。
次にステップS142で、現時点目標位置を取得する。ここで取得する現時点目標位置とは、これまで説明してきたリーフ相対目標位置13LPとは異なる。現時点目標位置は具体的には、1msec後にリーフ8Lが在るべき位置を指し、トルク算出手段14Lに内蔵する関数から取得できる。その関数を示したものが図4である。
図4は、リーフ8Lの移動速度と経過時間との関係を示すものである。リーフ8Lを移動させるとき、トルク算出手段14Lは図4に示す関係に沿って、最初は加速して速度を上げ、一定速度に達すると均一速度を維持し、リーフ目標位置に近づくと減速して静止するようにリーフ8Lのスピードを制御する。
この時、図4のXY両軸と速度を表す各線分で囲まれる台形部分の面積は、リーフ相対目標位置13LPまでの距離を表す。加速、減速時の加速度及び等速移動速度が予め決まっているとすると、リーフ相対目標位置13LPが決まれば、このグラフの関係から計算して移動開始から一定時間後のリーフの在るべき計算上の絶対位置を求めることができる。
トルク算出手段14Lでは定期周期(1msec/回)で図3のフローチャートを実行するので、次の周期(1msec)後にリーフ8Lが存在すべき位置は算出できることになり、この位置を「現時点目標位置」として設定する。
この現時点目標位置は2回目以降は、ステップS150で更新されるが、処理の最初ではステップS142で与えてやらなければならない。
ステップS143では、リーフ絶対位置算出手段12Lより得られる「現在のリーフ位置」を取り込む。現在のリーフ位置は前述の通りエンコーダ5Lの回転によって発生するパルスを積算したパルス積算値12LPから得られる。
現時点目標位置が1msec後にリーフ8Lが在るべき計算上の位置であるのに対して、エンコーダ5Lが発生するパルスの積算値であるパルス積算値12LPは現実にリーフ8Lが存在する絶対位置を表すことになる。
ステップS145では、取り込んだ「現在リーフ位置」と「現時点目標位置」との差分をとり、位置偏差を算出する。ステップS146では、「前回リーフ位置」と「今回リーフ位置」の差分をとるステップである。図3に示すフローチャートは、定周期(約1msec)で動作していることから、このステップS146により得られる差分より、リーフ8Lの現在速度が求められる。
ステップS147では、ステップS145で得られた位置偏差およびステップS146で得られた現在速度より、リーフ制御速度を求め、モータに出力するトルクを算出する。
リーフ制御速度は、現時点目標位置に到達していなければ速度を速め、現時点目標位置を超えていれば速度を落とし、さらにPID制御によりトルクを算出する。
位置偏差と現在速度からモータトルクを算出する方法を図7を用いて簡単に説明する。
K1−K5はモータの特性に合わせて予め算出してある定数である。
(1)位置偏差から、K1×(1/時間)により、その位置偏差を埋め合わせるための速度指令を算出する。
(2)現在速度に定数K2を乗じ、(1)で求めた速度指令と合わせて速度偏差を求める。
(3)求められた速度偏差に対する積分値と比例値と微分値を算出し、その和を求めトルクとする。
また、速度が図4に示す速度を超えないようにトルクを算出する。万一、速度の計算値が、図4における、リーフ移動開始後の経過時間に対応する速度の値を超える場合は、グラフの上限値を制御速度として制御する。これにより、装置の安全性を確保できる。
ステップS148では、算出トルクが所定時間継続して所定トルクを超えていたかどうか判定する。超えていない場合は、ステップS150を実行する。このステップでは、「現時点目標位置」を次周期で使用する「現時点目標位置」に更新する。そして一定周期でこのフローが実行されるようにステップS151にて必要に応じてウェイトをかけてから処理をステップS143に戻す。ステップS144で現在位置がリーフ相対目標位置13LPで与えられた値と等しい場合は終了する。
ステップS148で算出トルクが所定時間以上、所定の値を超えていた場合は、ステップS149へ進む。
所定の時間以上モータ3Lの算出トルクが所定の値を超えるということは、リーフ8Lが予定通り動いていないことを意味する。リーフ8L又は他の部品に何らかの異常が発生していると考えられるので上位計算機1に異常発生を報告して処理を中止する。
なお、このような状態をトルク超過と呼ぶ。
以上が通常モードでのトルク算出手段14Lの動作である。
トルク/電流変換手段15Lは、トルク算出手段14Lに連動して、トルク算出手段14Lで算出されたトルクをモータ3Lが出力するために必要な電流を算出し、モータ3Lに流す。
通常モードでは各リーフは以上のような処理によってその位置取りを制御される。
次に原点復帰モードについて説明する。
本実施の形態におけるマルチリーフコリメータには、インクリメンタルエンコーダを採用していることから、本装置が起動した直後、リーフ制御装置2は各リーフの絶対位置を把握できない。そこで装置起動直後に各リーフを最大開位置まで開いて、その位置で各リーフの各リーフ絶対位置算出手段のパルス積算値を0に設定する必要がある。
この操作が原点復帰操作であり、マルチリーフコリメータの原点復帰モードでおこなう。
図8が本装置が原点復帰モードで稼働している時の、トルク算出手段14Lの処理の流れを示す図である。図3の通常モードの場合とのフローとしての差異は、通常モードではステップS144で目標位置に到達したかどうかを判定するのに対して、原点復帰モードではその処理は存在しないという点と、ステップS148でトルク超過が発生した後の処理内容である。
この原点復帰モードでは、上位計算機1は、リーフ制御装置2に対して、実際にリーフが動作可能な最大値を超える負の数(例えば−100000)をリーフ絶対目標位置指令40Lとして与える。こうすることにより、全てのリーフは各ストッパに接触するまで開方向に移動し、ストッパに衝突しても更にリーフを開こうとして必要トルクを算出する。
従って、リーフ8Lがストッパ7Lに接触すると図8のステップS148で必ずトルク超過状態を検出し、ステップS249に進む。
ステップS249では原点復帰処理として、パルス積算値12LPを0にクリアし、クリア終了を上位計算機1に通知して処理を終了する。
なお、原点復帰モードでは、現時点目標位置の算出のために使用する、速度と位置関係を表す関数は図5となる。ストッパにリーフを接触させる必要から、通常動作モードより遅い速度で安全に処理を行う必要があるためである。
次に診断モードについて説明する。
通常動作モードにおいてトルク算出手段14Lが図3のステップS148、S149でリーフ動作の異常検出処理を用意していても、以下に示すような、リーフが間欠的に正常に移動する場合には、ステップS148の判定条件を満たさない場合がある。
(1)軸4Lとエンコーダ5L間が間欠的にスリップするような故障の場合。
(2)軸4Lと歯車6Lが間欠的にスリップするような故障の場合。
(3)歯車6Lやリーフ8Lに刻まれた歯の一部欠損しているような故障の場合。
(4)エンコーダ5Lとリーフ制御装置2間の外線接触不良によるパルスの欠損による位置情報不良の場合。
(5)エンコーダ5Lとリーフ制御装置2間の外線にノイズが入り、重畳したパルス挿入による位置情報不良の場合。
結果、実際にはリーフ8Lは目標とする位置に到達していないにも拘わらず、リーフ制御装置2は目標位置に到達したと判断してしまう場合がある。
そこで、マルチリーフコリメータに診断モードを設け、トルク算出手段14L用の処理手順(図9)を別途設ける。
通常モードのトルク算出手段14Lの処理手順を示す図3と図9との差異は、ステップS144(目標到達判定)でYESとなった後の処理であるステップS1441と、ステップS148でトルク超過を検出した後の処理である。
以下、順に説明する。
上位計算機1は粒子線を照射するための照射野を形成するためにリーフ制御装置2に、リーフ絶対目標位置指令40Lを与えるのであるが、安全のため、事前に診断モードでの診断処理をおこなう。
診断モードでは上位計算機1は、リーフ8Lの絶対目標位置指令を−1として指示する。リーフ目標位置変換手段13Lはリーフ8Lの現在位置からの相対目標位置(移動方向、距離)をリーフ相対目標位置13LPとして算出する。
絶対位置−1に移動するようリーフ相対目標位置13LPを与えるということは、ストッパの位置を越えた位置を目標位置として設定し、ストッパ7Lの位置より更に開方向への移動をおこなうようモータ3Lを制御することを意味する。
万一ステップS144でリーフ8Lが目標に到達したと判断されて、処理がS1441で終了した場合は、リーフ制御装置2はリーフ8Lが既に絶対位置−1に到達したと判断していることになる。正常であればリーフはストッパに接触し、目標に到達することは起こりえない。そこで、この場合は、ステップS1441で上位計算機1に異常発生を通知して処理を終了する。
この場合、上記(2)(3)(5)の異常発生が考えられる。
上記(1)(4)の異常の場合及び、装置が正常に動作している場合は、最後に必ずステップS148からS152に進む。ステップS152で、リーフ絶対位置算出手段12Lのパルス積算値12LPの値が0近傍の許容誤差の範囲であればステップS152の条件を満足し、ステップS154へ進んで上位計算機1に診断OKを通知して診断処理を終了する。条件を満足しない場合はステップS153へ進み上位計算機1に異常を通知して処理を終了する。
このように、リーフの開方向への動作による診断処理を粒子線の照射前後におこなうことで、エンコーダ5Lの間欠故障、軸4Lのスリップ、歯車6Lの欠損、リーフ8Lに刻まれた歯の欠損よる位置不良やエンコーダ5Lとリーフ制御装置2間の接触不良によるパルス11Lの欠損による位置不良、エンコーダ5Lとリーフ制御装置2間の外線に重畳したノイズによるパルス11Lの追加による位置不良の検出が可能となり、信頼性の高いマルチリーフコリメータを得ることができる。
なお、診断モードで「現時点目標位置」の設定のために使用するグラフは図5となる。これにより、通常動作モードより遅い速度で安全に診断処理をおこなえる。
実施の形態2.
実施の形態1では、リーフ制御装置2は図3のステップS147において、リーフの移動速度が図4に示す速度を超えないようにモータのトルクを算出していた。つまり、計算速度がグラフの値を超える場合は、図4によって求められるリーフの移動開始後の経過時間に対応する速度をリーフの上限速度としていた。
図4に示すグラフが、リーフの移動速度と移動開始後の経過時間の理想の関係であるから、現在のリーフ位置からリーフ相対目標位置13LPまでの時間と位置の関係は図6に示す関係となり、リーフ8Lが在るべき位置はリアルタイムで算出することができる。
図10は、この発明の実施の形態2におけるトルク算出手段14Lのフローチャートである。実施の形態1における通常モードでのトルク算出手段14Lのフローチャートである図3との違いは、トルク超過を判定するステップS148の次に、ステップS1481として、現在リーフ位置が予想リーフ位置の近傍にあるか否かの判定を入れている点である。
実施の形態2におけるトルク算出手段14Lには、位置と時間の関係を算出する機能を設けてある。上位計算機1よりリーフ絶対目標位置指令40Lがリーフ制御装置2に指示され、リーフ目標位置変換手段13Lでリーフ相対目標位置13LPが算出されると、リーフ相対目標位置までの距離から逆算して、図6のグラフからリーフ8Lが、ある時間にx1に取るべき位置y1を求めることができる。これにより、計算上の理想位置と実際の位置の乖離が発生している場合は、リアルタイムにこれを検出することができる。
実施の形態1と相違する処理について説明する。
ステップS1481において、パルス積算値12LPの示す現在のリーフ位置が、図6から求められる移動開始後経過時間x1に対応する予想位置y1近傍であるかどうかを判定する。この判定条件を満足する場合、ステップS150を実行する。判定条件を満足しない場合、ステップS1482に進む。
リーフ8Lの位置が予想位置近傍に無い場合は故障が考えられる。この場合は、上位計算機1に異常発生を通知して処理を終了する。
このステップS1481の処理による異常検出により、エンコーダ5Lの間欠故障、軸4Lのスリップ、歯車6Lの欠損、リーフ8Lに刻まれた歯の欠損よる位置不良やエンコーダ5Lとリーフ制御装置2間の接触不良によるパルス11Lの欠損による位置不良、エンコーダ5Lとリーフ制御装置2間の外線に重畳したノイズによるパルス11Lの追加による位置不良の検出が可能となり、信頼性の高いマルチリーフコリメータを得ることができる。また、照射の前後にリーフの位置診断をおこなう際、現在のリーフの位置関係によって、総移動距離が短くて済む、開方向又は閉方向のいずれかの診断をすれば良く、診断時間を短縮できる。
実施の形態3.
実施の形態3のマルチリーフコリメータは図1に示す実施の形態1で説明したマルチリーフコリメータとハードウェア構成は同一である。違いは、この実施の形態3では、診断モード時に、実施の形態1における開方向の診断モードに加えて、閉方向の診断モードを追加している点である。
この違いを、この実施の形態3で使用するトルク算出手段の処理のフロー図である図11に基づいて説明する。
実施の形態1における診断モードでのトルク算出手段14Lのフローを示す図9と本実施の形態でのフローを示す図11との差異はトルク超過を検出した後のステップS349とそのステップで閉方向診断モードに分岐する後の処理である。
閉方向診断モードについて説明する。
実施の形態1での例と同様にストッパ7L、7R間の中間点にリーフの先端がある場合のパルス積算値12LP、12LRが示す値は、装置が正常に動作している場合はそれぞれ5000であるとする。
閉方向診断の処理では上位計算機1は、リーフ8L,8Rが照射野の存在しない状態、すなわち閉状態を実現するために、リーフ制御手段2に対してリーフ絶対目標位置指令40L、40Rを与える。
説明を簡単にするために、ここでは先の例の続きとして、1枚のリーフが移動できる最大値10000を両リーフの目標位置として与えるとする。
この場合は、例え現在の各リーフの位置が何処にあっても、万一、一方のリーフが故障でまったく動かない場合でも、2枚のリーフは衝突することになる。両リーフが衝突した時、それぞれのリーフのパルス積算値12LP、12RPを合計した値が1枚のリーフとして移動できる最大値10000近傍であれば、2枚分のパルス積算値の合計は正常値を示していることになる。
つまり、2枚のリーフ8L、8Rがどこで接触していても、両リーフが正常に動作している状態ではパルス積算値12LP、12RPの合計は10000となる。例えばリーフ8Lが絶対位置1000の位置にある状態で両リーフが閉じている場合、リーフ絶対位置算出手段12Rのパルス積算値は9000となる。両リーフがそれぞれのストッパからの中間点で閉じているときは、12L、12Rのパルス積算値は共に5000であるから合計はやはり10000である。
実際の閉方向診断モードでは、上位計算機1はリーフ制御装置2に対して、両リーフ間の中間点+1の位置を各リーフのリーフ絶対目標位置指令として与える。処理時間を最短にできるからである。
同時に、高速でのリーフ同士の衝突によってリーフが破損することを防止するためでもある。
この閉方向の診断によって次のような故障を診断できる。
例えば、ギア6Rが割れて脱落した状態で両リーフがストッパ7L、7Rに接触する位置にあるとする。
この場合、図2のリーフ絶対位置算出手段12Lのパルス積算値は正常であれば0である。ここで閉方向の診断を開始すると、リーフ8Lは中間点+1の5001まで進んで停止する。目標位置に到達したからである。本来両リーフは接触してステップS148でトルク超過を検出するはずであるのにトルク超過が発生しないで終了したということは異常の発生と判断できる。したがってステップS1441で上位計算機1に異常を通知して終了する。
また、両リーフが接触しステップS148でトルク超過が発生しステップS349からS353へ進んだ場合を考える。
この場合は、パルス積算値12LPと12RPの値を積算してその値が10000近傍であるか否かを確認する。
万一誤差が所定の範囲外の場合はリーフまたは周辺器機に異常が発生していると考えられるのでステップS354へ進んで上位計算機1に異常を通知して終了する。
パルス積算値12LP、12RPの合計が10000とほぼ等しければ正常である。この場合は診断OKとして上位計算機1に通知して処理を終了する。
なお、運用中にパルス積算値が負の数になることは通常起こりえない。その場合のエラー処理は当然行うがここでの説明は省略する。
以上のように両リーフの絶対位置算出手段12L、12Rのパルス積算値12LP、12RPの和とその和が設計上取るべき値の比較をおこなうことで、開方向だけでなく、閉方向の診断をおこなうことができる。
この実施の形態3によるマルチリーフコリメータは、閉方向の診断モードを設けることにより、粒子線の照射前後にリーフの位置診断をおこなう際、現在のリーフ位置に応じて近い方向に合わせて、開方向診断または閉方向診断をおこなえるので必要な診断時間の短縮化が可能となるという利点がある。
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1乃至実施の形態3で使用したリーフ駆動装置30に、異常発生時に備え、一部の部品を二重化して装着し、リーフ駆動装置130としたものである。
図12はこの実施の形態におけるマルチリーフコリメータ120の構成図。図13はリーフ制御装置102のブロック図である。モータ3Lに対しては、二重化されたエンコーダ5Lと51Lが接続され、モータ3Rに二重化されたエンコーダ5Rと51Rが接続されている。エンコーダ5Lが発生させるパルス11L用のリーフ絶対位置算出手段12Lに加え、エンコーダ51Lが発生させるパルス111L用のリーフ絶対位置算出手段112Lが追加されている。また、リーフ絶対位置算出手段12Lとリーフ絶対位置算出手段112Lが保持する2つのパルス積算値12LPと112LPを比較する比較回路18Lを備えている。2つのパルス積算値の値に所定の範囲以上の差が発生した場合は、いずれかのエンコーダの異常として処理を中止し、診断モードをおこなうことにより、故障しているエンコーダを素早く特定できる。
この仕組みにより、実施の形態1乃至実施の形態3の効果に加えて、エンコーダの不良による位置不正の検出が可能となり、信頼性をさらに向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態1乃至実施の形態3で使用したリーフ駆動装置30に、異常発生時に備え、一部の部品を三重化して装着し、リーフ駆動装置230としたものである。
図14はこの実施の形態におけるマルチリーフコリメータ220の構成図。図15はリーフ制御装置202のブロック図である。モータ3Lには、三重化されたエンコーダ5L、51L、52Lが接続され、モータ3Rには三重化されたエンコーダ5R、51R、52Rが接続されている。エンコーダ5Lが発生させるパルス11L用のリーフ絶対位置算出手段12Lに加え、エンコーダ51L、52Lが発生させるパルス111L、211L用のリーフ絶対位置算出手段112L、212Lが追加されている。また、3つのリーフ絶対位置算出手段が保持する3つのパルス積算値12LP、112LP、212LPの真偽を判定する多数決判定手段19Lを備えている。
この仕組みにより、1つのエンコーダが不良となっても原因エンコーダを特定して装置の運用を継続させることが可能となり、装置の可動性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1のマルチリーフコリメータの構成図である。 この発明の実施の形態1のリーフ制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態1の通常モードでのトルク算出手段のフロー図である。 この発明の実施の形態1の通常モードでのリーフの移動時間と速度の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1の診断・原点復帰モードでのリーフの移動時間と速度の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1の診断・原点復帰モードでのリーフの移動時間と距離(位置)の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1のトルク算出方法を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1の原点復帰モードでのトルク算出手段のフローを示す図である。 この発明の形態1における診断モードでのトルク算出手段のフローを示す図である。 この発明の実施の形態2におけるトルク算出手段のフローを示す図である。 この実施の形態3におけるトルク算出手段のフローを示す図である。 この発明の実施の形態4のマルチリーフコリメータの構成図である。 この発明の実施の形態4のリーフ制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態5のマルチリーフコリメータの構成図である。 この発明の実施の形態5のリーフ制御装置のブロック図である。
符号の説明
1 上位計算機、2,102,202 リーフ制御装置、3L,3R モータ、
4L,4R 軸、5L,51L,52L,5R,51R,52R エンコーダ、
6L,6R 歯車、7L,7R ストッパ、8L,8R リーフ、9 照射野、
10L,10R リーフ制御ブロック、
11L,11R,111L,111R,211L,211R パルス、
12L,112L,212L リーフ絶対位置算出手段、
12LP,12RP パルス積算値、13L リーフ目標位置変換手段、
13LP リーフ相対目標位置、14L トルク算出手段、
15L トルク/電流変換手段、16L,16R 電流、18L 比較回路、
19L 多数決判定手段、20,120,220 マルチリーフコリメータ、
30,130,230 リーフ駆動装置、40L,40R リーフ絶対目標位置指令。

Claims (5)

  1. 粒子線を照射する照射野形状を形成するために正対して開閉する2枚のリーフと、
    それぞれのリーフを独立して移動させるモータと、
    前記モータの回転数を検出するエンコーダと、
    前記それぞれのリーフの移動を全開位置に規制するストッパとを接続してなるリーフ駆動装置を複数並列したリーフ駆動装置群及び、
    前記エンコーダが発生させるパルスから前記リーフの絶対位置を算出するリーフ絶対位置算出手段と、
    前記リーフの前記絶対位置とリーフが移動すべき位置を指令するリーフ絶対目標位置指令から、それぞれの前記モータの出力すべきトルクを算出するトルク算出手段と、
    前記トルクを前記モータに印加する電流に変換するトルク/電流変換手段とからなるリーフ制御装置
    を備えた粒子線治療装置用マルチリーフコリメータにおいて、
    前記リーフが前記ストッパに接触する位置を原点とし、
    前記リーフを全開方向に移動し前記トルク算出手段が算出するトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えたことにより、前記リーフが前記ストッパに接触したことを検知した時、
    前記リーフ絶対位置算出手段が算出するリーフ絶対位置が前記原点から所定の範囲内に無いときは、リーフ駆動装置は異常、所定の範囲内にあるときは正常と判定することを特徴とする粒子線治療装置用マルチリーフコリメータ。
  2. 粒子線を照射する照射野形状を形成するための正対して開閉する2枚のリーフと、
    それぞれのリーフを独立して移動させるモータと、
    前記モータの回転数を検出するエンコーダと、
    前記それぞれのリーフの移動を全開位置に規制するストッパとを接続してなるリーフ駆動装置を複数並列にしたリーフ駆動装置群及び、
    前記リーフの現在の前記絶対位置と、
    リーフが移動すべき位置を指令するリーフ絶対目標位置指令からそれぞれの前記モータの出力すべきトルクを算出するトルク算出手段と、
    前記トルクを前記モータに印加する電流に変換するトルク/電流変換手段とからなるリーフ制御装置
    を備えた粒子線治療装置用マルチリーフコリメータにおいて、
    前記リーフが前記ストッパに接触する位置を原点とし、
    前記正対する2枚のリーフを互いに閉じる方向へ移動させ、前記トルク算出手段が算出する一方又は両方のモータのトルク値が所定の時間継続して所定の値を超えたことにより前記2枚のリーフの接触を検知した時、
    前記2枚のリーフに対応するリーフ絶対位置算出手段が算出する2つの絶対位置の和と、1枚のリーフの最大移動可能距離の差が、所定の範囲内に無いときは前記リーフ駆動装置は異常、所定の範囲にあるときは正常と判定することを特徴とする粒子線治療装置用マルチリーフコリメータ。
  3. 前記トルク算出手段は、前記リーフの加速度、等速移動速度、減速度を保持し、
    前記計算機から指示された目標位置へ移動する前記リーフが、移動開始後、所定時間経過後に存在すべき予想位置を所定の周期で算出し、
    前記リーフ絶対位置算出手段が算出する絶対位置と前記予想位置の差が所定の範囲を超えた場合は前記リーフ駆動装置は異常と判定する請求項1または請求項2に記載の粒子線治療装置用マルチリーフコリメータ。
  4. 1個の前記モータに対応して2個のエンコーダ及び2つのリーフ絶対位置算出手段を設け、それぞれの前記リーフ絶対位置算出手段から算出される2つ絶対位置を比較することにより前記リーフ駆動装置の異常を検出する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のマルチリーフコリメータ。
  5. 1個の前記モータに対応して3個のエンコーダ及び3つのリーフ絶対位置算出手段を設け、それぞれの前記リーフ絶対位置算出手段から算出される3つ絶対位置を比較することにより前記リーフ駆動装置の異常を検出する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のマルチリーフコリメータ。
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