JP2010003792A - エキシマレーザ装置 - Google Patents

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究 武久
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Abstract

【課題】長さ方向に均一な密度の励起状態を実現し、連続発振できるエキシマレーザ装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係るエキシマレーザ装置100は、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10と、光軸上にエキシマガスを満たしたレーザ共振器と、光軸に略直交する方向から、該光軸に沿うように、スラブ型炭酸ガスレーザ10からのレーザ光を線状に集光させるシリンドリカルレンズ11とを備える。また、エキシマガスを、光軸とスラブ型炭酸ガスレーザ発振器10からのレーザ光とに対して、略直交する方向に流す。
【選択図】図1

Description

本発明は、エキシマレーザ装置に関し、特に連続的に発振できるエキシマレーザ装置に関する。
一般にエキシマレーザは、パルス放電によってパルス発振するが、連続的に発振させることは極めて困難であることが広く知られている。なお、パルス放電によって動作するエキシマレーザは、一般に放電励起エキシマレーザと呼ばれている。
一方、放電励起以外でエキシマレーザを動作させる手法として、励起源にマイクロ波を用いた装置も実現されている。このようなエキシマレーザは、マイクロ波励起エキシマレーザと呼ばれている。ただし、マイクロ波励起エキシマレーザもパルス動作しか報告されていない。なお、マイクロ波励起エキシマレーザに関しては、非特許文献1〜3に示されている。
さらに、マイクロ波励起以外にエキシマレーザを動作させる試みが、非特許文献4に示されている。非特許文献4では、炭酸ガスレーザを用いて、KrFエキシマガスからプラズマを発生させている。なお、KrFエキシマガスは、クリプトンガスとフッ素ガス及びバッファガスとしてヘリウムガスを用いた混合ガスである。以下、クリプトンガスをKr、フッ素ガスをF2、ヘリウムガスをHeとする。特許文献4において発生されるプラズマは、正確には、励起したKr原子と励起したF原子との二量体であり、KrF*と示され、単にエキシマと呼ばれることもある。ただし、非特許文献4によると、プラスの小信号利得(ゲイン)は得られたが、レーザ発振はしていない。
しかしながら、非特許文献4に示されたような炭酸ガスレーザを用いてエキシマを発生させる装置から、エキシマレーザを連続発振させることは、以下に説明するように大きな二つの問題点があり、実現が困難であった。
第一の問題は、励起光を供給する形態に関する。前述した従来装置は、縦励起方式と呼ばれるように励起用レーザ光と発振させるレーザ光とが同軸上の構成になっている。縦励起方式のレーザ装置では、ほとんどの場合、図6に示したような3通りの構成のどれかである。
図6(a)に示す装置では、集光レンズ1、ダイクロイックミラー2、出力鏡3が同軸上に配置されている。発振させるレーザの共振器を構成する全反射鏡自体がダイクロイックミラー2になっている。励起用レーザ光であるCW_CO2レーザ光は、ダイクロイックミラー2を通過して、共振器内部の光軸上で集光するようになっている。図6(b)、図6(c)に示す装置では、全反射鏡4は独立させて、共振器内部にダイクロイックミラー2を配置した構成である。図6(b)、図6(c)では、ダイクロイックミラー2の、励起用レーザ光に対する反射・透過と、発振させるレーザ光に対する透過・反射とが互いに逆になっているだけである。
以上のように縦励起方式では、励起用レーザ光と、発振させるレーザ光とに対して、反射と透過とが逆になるような特性のダイクロイックミラー2を必要とする。炭酸ガスレーザを励起用レーザとして用いたエキシマレーザを実現するためには、炭酸ガスレーザの波長10.6μmの赤外光とエキシマレーザの紫外光とに対して、反射と透過を逆にするような特性のダイクロイックミラーを製作することが必要であるが、このようなダイクロイックミラーを製作することは困難であった。
つまり、従来から炭酸ガスレーザ用のウインドとして広く用いられているZnSe(ジンクセレン)材から成るウインドをダイクロイックミラー2の基板として用いるならば、図6(a)又は同図(b)の構成になる。その場合、ダイクロイックミラー2において、紫外光に対して高い反射率を有するコーティングを施す必要があるが、一方で、そのコーティングが波長10.6μmの赤外光を高く透過するような特性も合わせ持つ必要がある。しかし、このような特性のコーティングを施すことは困難であった。
一方、図6(c)に示した構成の場合は、波長10.6μmの赤外光を高く反射し、かつ紫外光を高く透過するコーティングを施す必要がある。しかし、このような特性を有するコーティングを施すこともまた困難であった。
また、縦励起方式では、励起用レーザ光の集光性に関しても問題があった。エキシマレーザを発振させるための励起密度(つまり、単位体積当たりに投入する励起パワー)としては、例えばマイクロ波励起エキシマレーザに関する非特許文献1〜3の報告から広く知られているように、100kW/cm3程度以上の励起密度が必要であると言われている。なお、具体的な励起密度の値に関しては、非特許文献1〜3によると、マイクロ波励起エキシマレーザの場合80〜200kW/cm3でレーザ動作させている。
ところが、この程度の励起密度を、従来のような縦励起方式によって達成しようとするならば、励起密度が十分高くなる領域の長さが短くなり、レーザとしての利得がプラスになる長さが短くなることから、特に大きなゲインが得られない連続励起では、エキシマレーザを発振させることができなかった。
つまり、縦励起方式の場合、励起用レーザ光を集光レンズ1で絞る構成になる。ところが励起密度を高めるために、焦点距離の短い集光レンズを用いる必要があるが、その場合、図7(a)に示したように、集光性が高くなる長さ、つまり励起密度を高くできる領域の長さLが短くなってしまう。一方、図7(b)に示すように、その反対に焦点距離の長い集光レンズを用いるならば、焦点深度が深くなるが、集光性が低くなって励起密度を高くできなくなる。従って、従来装置では、長い領域に渡って励起密度を高めることが困難であった。
例えば、炭酸ガスレーザからのレーザ光の直径が10mmの場合、これを焦点距離100mmの集光レンズ1で集光するならば、図8中100kW/cm3以上の高励起となる長さLは、図9に示したように、1kWの炭酸ガスレーザを用いたとしても、約23mm程度となるため、十分なゲインが得られない。なお、図9は、波長10.6ミクロンの回折限界のレーザ光を集光させた際のビーム径を直径とした円の面積から、最小スポット位置を中心とした長さLの部分の体積を算出し、その体積が励起されるとした計算値である。
一方、従来からレーザ励起固体レーザ等では、縦励起方式とは異なる励起方式として、横励起方式と呼ばれる励起方式が利用されることがある(例えば、特許文献1)。横励起方式では、励起用レーザ光を発振させるレーザ光と直交する方向から固体レーザ媒質に照射する方式である。
A. J. Mendelsohn, R. Normandin, S. E. Harri, J. F. Young, "Applied Physics Letter", 38, 1981, p.603-605 P. J. K. Wisoff, A. J. Mendelsohn, S. E. Harri, J. F. Young, "IEEE Journal of Quantum Electron", QE-18, 1982, p.1839-1840 C. P. Chistensen, R. W. Waynant, B. J. Feldman, "Applied Physics Letter", 46, 1985, p.321-323 E. D. Onkels, W. Seelig, "Applied Physics B", 65, 1997, p.299-302 特開平11−163445号公報
従来の横励起方式では、励起用レーザ光をシリンドリカルレンズ等によって線状に集光する。しかしながら、励起用レーザ光が丸いビームであることから、線状に集光される部分でも、実際には中央部で励起密度が高まるだけであり、集光部全体にわたって、高い励起密度を確保することが困難であった。つまり、図10に示すように、シリンドリカルレンズ5を用いて、丸いビームを一方向のみに集光した場合、集光部での励起用レーザ光の光子密度(励起光子密度)は均一ではなく、図11に示すように、中央部が高い分布になってしまう。従って、十分に高い密度の励起状態を十分長く形成させることが困難であった。
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、長さ方向に均一な密度の励起状態を実現し、連続発振できるエキシマレーザ装置を提供することである。
本発明の第1の態様に係るエキシマレーザ装置は、スラブ型炭酸ガスレーザと、光軸上にエキシマガスを満たしたレーザ共振器と、前記光軸に略直交する方向から、該光軸に沿うように、前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光を線状に集光させる集光手段と、を備えるものである。これにより、長さ方向に均一な密度の励起状態を実現し、連続発振が可能なエキシマレーザ装置を実現することができる。
本発明の第2の態様に係るエキシマレーザ装置は、上記のエキシマレーザ装置において、前記エキシマガスを、前記光軸と前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光とに対して、略直交する方向に流すことを特徴とするものである。これにより、エキシマ発生領域を流れるエキシマガスの流速を早くすることができる。
本発明の第3の態様に係るエキシマレーザ装置は、上記のエキシマレーザ装置において、前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光を前記レーザ共振器内に導く際に用いられるウインドをさらに備え、前記ウインドは、前記エキシマガスに接する面にフッ素系コーティングが設けられていることを特徴とするものである。これにより、レーザ光の反射を防止することができ、フッ素ガスを含んだエキシマガスとの接触による腐食からウインドを保護することが可能である。
本発明の第4の態様に係るエキシマレーザ装置は、上記のエキシマレーザ装置において、前記ウインドは、ZnSeからなることを特徴とするものである。これにより、赤外光を高く透過させることができる。
本発明の第5の態様に係るエキシマレーザ装置は、上記のエキシマレーザ装置において、前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光に略直交するように前記エキシマガスを流すための流路を形成するボディを備え、前記流路は、前記ウインドから離れて形成され、前記エキシマガスに前記レーザ光が照射される領域において、前記流路の幅が下流に向かって徐々に狭くなっており、前記レーザ光が前記エキシマガスに照射される直前で最も狭くなっていることを特徴とするものである。これにより、ウインドにダメージが生じることがなく、エキシマ発生領域を流れるエキシマガスの流速を早くすることができる。
本発明の第6の態様に係るエキシマレーザ装置は、上記のエキシマレーザ装置において、前記スラブ型炭酸ガスレーザは、対向配置された一対のミラーを備え、前記集光手段は、前記一対のミラーの間に配置されていることを特徴とするものである。これにより、効率良く連続発振するエキシマレーザ光を発生できる。
本発明によれば、長さ方向に均一な密度の励起状態を実現し、連続発振できるエキシマレーザ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
本発明の実施の形態に係るエキシマレーザ装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る連続発振エキシマレーザ装置100の基本的構成を示す図である。図1に示すように、エキシマレーザ装置100は、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10、シリンドリカルレンズ11、全反射鏡12、出力鏡13を備えている。
スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10は、励起用レーザである連続発振のCO2レーザ光(以下、CW_CO2レーザ光とする。)を出射する。ここで、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10に関して図2を用いて概説する。図2は、本実施の形態に係るエキシマレーザ装置100に用いられるスラブ型炭酸ガスレーザ発振器10の構成を示す図である。図2に示すように、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10は、高周波電源21、一組の平板電極22、2枚の凹面鏡23等を備える。
スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10では、レーザガスが満たされたチャンバ内に一組の平板電極22が配置されている。一方の平板電極22には高周波電源21が接続され、他方は接地されている。高周波電源21は、高周波を起こすための電源である。スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10では、一組の平板電極22間で高周波放電を行うことによりレーザ発振させている。なお、高周波放電の周波数がメガヘルツからギガヘルツであるため、RF放電と示される場合もある。
レーザ共振器としては、向かい合った2枚の凹面鏡23が利用される。片側の凹面鏡23から回折によって漏れ出すレーザ光が取り出される。このように取り出されるレーザ光は、断面が矩形状である。なお、この断面が矩形状のレーザ光を利用しやすくするため、ビーム整形器を用いて円形断面のビームに変換することがある。本発明では、断面が矩形状のCW_CO2レーザ光を用いる。
このように、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10から取り出されるCW_CO2レーザ光は、その断面が矩形状である。スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10から取り出されたCW_CO2レーザ光は、ZnSeから成るシリンドリカルレンズ11を通過して、一方向のみに絞られながら進み、Kr、F2、Heの混合ガスであるエキシマガスで満たされたレーザ共振器内(不図示)で線状に集光する。
このCW_CO2レーザ光が線状に集光される領域では、エキシマガスが高速に流れている。CW_CO2レーザ光の方向と、発振するエキシマレーザのレーザ光と、エキシマガス流とが互いに直交するため、いわゆる3軸直交型になっている。
図1に示すように、本実施の形態では、矩形断面のCW_CO2レーザ光である励起用レーザ光が、エキシマガス中で線状に集光されるため、その線状部の長さ全体に亘って高密度の励起状態が実現でき、これによって細長いエキシマを連続的に発生できる。しかも、焦点距離が短いシリンドリカルレンズ11を利用できるため、励起用レーザ光が強く集光され、連続的にプラスの利得を維持できることから、エキシマレーザが連続的に発振する。
全反射鏡12、出力鏡13は、エキシマレーザ装置100の共振器を構成する。この共振器に関しては、共焦点型と平行平面型との中間程度が好ましい。これにより、共振器損失を低減することができる。特に連続発振させる場合、利得はプラスになってもそれほど大きくならないため、共振器損失を可能な限り小さくする必要がある。そのため、出力鏡13の透過率も1%程度と小さい値がよい。
従来、横励起方式で励起する手法では、丸いビームの励起用レーザ光を用いていたため、線状に集光される集光部全体にわたって、高い励起密度を確保することが困難であった。すなわち、レーザ発振に必要な100kW/cm3以上の高い励起密度で、十分な長さのプラズマ、つまりエキシマ発生領域を生成できなかった。本発明では、断面が矩形状の励起用レーザを出射するスラブ型炭酸ガスレーザ発振器10を横励起型で用いたものである。すなわち、エキシマレーザを構成するレーザ共振器の光軸にほぼ直交する方向から、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10からの励起用レーザ光を線状に集光させている。
このように、励起用レーザとしてスラブ型炭酸ガスレーザ発振器10を用いることで、均一な励起密度で十分に長いエキシマを生成できる。つまり、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10では、レーザ共振器として不安的共振器が構成されており、共振器から漏れ出す回折光を取り出すものであることから、断面が矩形のビームが取り出される。従って、これを線状に集光すると、長さ方向に均一な密度の励起状態を実現できる。また、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10からのレーザ光のビーム幅を太くすることで、エキシマ生成領域をいくらでも長くできる。本発明では、例えば、レーザ発振に必要な100kW/cm3以上の高励起密度で数十センチ以上に亘るエキシマ発生領域を生成できる。
以上説明したように、本発明によれば、励起密度の高い領域をいくらでも長く形成できるため、連続的な励起による低ゲインのエキシマレーザを発振できるようになる。すなわち、エキシマレーザにおいて連続発振が実現できる。
ここで、図3を参照して、エキシマレーザ装置100におけるエキシマを発生させる部分の構造について説明する。図3は、本実施の形態に係るエキシマレーザ装置100のエキシマを発生させる部分の断面構造を模式的に示す図である。図3に示すように、エキシマレーザ装置100は、図1で説明した構成に加えて、ウインド14、凹面鏡15、共振器ボディ16をさらに備える。
図3に示すように、シリンドリカルレンズ11によって絞られながら進んでくるCW_CO2レーザ光は、ウインド14を通過して、エキシマガス中で集光する。このため、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器10からのレーザ光をエキシマガスが満たされた共振器内部に導く際に用いるウインド14には、波長10.6ミクロンの赤外光を高く透過させる特性だけを有すればよい。このため、ウインド14としては、ZnSeからなるものを用いることができる。
ウインド14の入射面及び出射面には、ARコーティング17が施されている。ARコーティング17は、反射防止膜として機能する。ARコーティング17としては、フッ素系コーティング材を用いることが好ましい。これにより、フッ素ガスを含んだエキシマガスに接触しても腐食しないことから、ウインド14を保護することができる。ARコーティング17としては、例えば、フッ化バリウム(BaF2)等を用いることができる。
凹面鏡15は、一方の面が凹面、他方の面が凸面になっており、凹面側が共振器ボディ16を挟んでウインド14に対向するように配置されている。凹面鏡15は、赤外域まで反射特性を有する凹面金ミラーである。
図3に示すように、共振器ボディ16は、流れてくるエキシマガスがエキシマ発生領域を通過する際に、最も高速に流れるような構造となっている。すなわち、共振器ボディ16は、エキシマガスの流路の幅が、プラズマ発生領域の直前まで徐々に狭まる構造となっている。その結果、エキシマ発生領域を流れるエキシマガスの流速を早くすることができる。共振器ボディ16としては、Al等からなるものを用いることができる。
エキシマ発生領域とウインド14とは、数センチメートル離れており、発生するエキシマがウインド14に直接接触しないようになっている。これに関して、図4を参照して説明する。図4は、エキシマレーザ装置のエキシマを発生させる部分の断面構造を模式的に示す図である。図4(a)は、本実施の形態に係る当該部分の構造を示している。図4(b)、(c)は、図4(a)に示す構成を見出す前の当該部分の構造を示している。
図4(a)に示す構成を見出す前においては、当該部分の構造としては、図4(b)、(c)に示すような構成をとるのが一般的であった。図4(b)の構成では、エキシマ発生領域と、ウインド14とが離れており、ウインド14にダメージが生じることはない。しかし、プラズマ発生領域におけるエキシマガスの流路の幅が広くなり、エキシマガスを高速に流すことが困難になる。
一方、図4(c)の構成では、ウインド14自体でエキシマガス流を形成させるため、エキシマ発生領域におけるエキシマガスの流路の幅を十分狭くできるが、ウインド14にエキシマ等のプラズマが接触するため、ダメージが生じやすかった。
本発明では図4(a)に示したように、エキシマ発生領域の直前まで、アルミ等から成る共振器ボディ16自体で、エキシマガス流の流路を狭くしている。また、エキシマ発生領域では、その側面に配置されるウインド14がある程度の隔たりを保つようになっている。これによって、ウインド14にダメージが生じることがなく、しかもエキシマ発生領域でエキシマガスを高速に流すことも容易になる。なお、図4(a)のように、図3の凹面鏡15の代わりにウインド14を配置し、両側から励起用レーザ光を照射することもできる。
ここで、図5を参照して、エキシマレーザ装置の他の実施の形態について説明する。図5は、実施の形態に係るエキシマレーザ装置200の主要部分の構成を示す図である。図5において、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。図5に示すように、エキシマレーザ装置200は、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器20、シリンドリカルレンズ11、凹面鏡15、共振器ボディ16を備えている。スラブ型炭酸ガスレーザ発振器20は、高周波電源21、平板電極22、平面鏡24を有する。
本実施の形態で利用されるスラブ型炭酸ガスレーザ発振器20では、後述するように発振するレーザ光を取り出さないが、図2に示すスラブ型炭酸ガスレーザと同様に、一組の平板電極22を用いる点が同じであるため、ここでは、スラブ型炭酸ガスレーザと呼ぶ。図5に示すように、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器20では、一組の平板電極22の一方が高周波電源21に接続され、他方が接地されている。
本実施の形態に係るエキシマレーザ装置200では、励起光源としてのスラブ型炭酸ガスレーザ発振器20の共振器間で、エキシマを発生させる構造になっている。すなわち、図5に示すように、凹面鏡15と平面鏡24とで構成された共振器中でスラブ型炭酸ガスレーザが発振する。平面鏡24は、赤外域まで反射特性を有する金ミラーである。凹面鏡15及び平面鏡24はいずれも略100%の反射率となっている。このため、励起用に用いられるレーザ光は、共振器外部に取り出さない構造となっている。
この共振器中には、シリンドリカルレンズ11が配置されている。シリンドリカルレンズ11としては、ZnSeから成るものを用いる。これにより、共振器間でレーザ光が線状に集光されるようになっている。この線状の集光部には、エキシマガスが高速で流れている。さらに、この線状の集光部を光軸として、エキシマレーザのレーザ共振器が組まれている。従って、レーザ光の方向と、発振するエキシマレーザのレーザ光と、エキシマガス流とが互いに直交する。このレーザ共振器の出力鏡(不図示)から、エキシマレーザのレーザ光が連続的に取り出される。なお、シリンドリカルレンズ11の入射面及び出射面には、BaF2からなるARコーティング17が施されている。
本実施の形態では、励起用のスラブ型炭酸ガスレーザ発振器20のレーザ光を共振器外部に取り出さない。このため、エキシマの生成に利用されない励起用レーザ光は、スラブ型炭酸ガスレーザ発振器20レーザ共振器間を単に往復するだけであり、共振器外部に発散して失われることがない。これにより、効率良く連続発振するエキシマレーザ光を発生できる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に示した波長248nmのKrFエキシマレーザだけでなく、波長351nmで発振するXeFエキシマレーザ、あるいは波長308nmで発振するXeClエキシマレーザ、あるいは波長193nmのArFエキシマレーザにも適用できる。このため、波長域的には、0.35ミクロン以下でほぼ0.5ミクロンおきに大出力のCWレーザ光を発生できる。これによりフォトマスクの欠陥検査装置用の光源、あるいはシリコンのアニール、さらにはリソグラフィ用光源としても利用できる。
実施の形態に係るエキシマレーザ装置の構成を示す図である。 実施の形態に係るエキシマレーザ装置に用いられるスラブ型炭酸ガスレーザ発振器の構成を示す図である。 実施の形態に係るエキシマレーザ装置のエキシマを発生させる部分の断面構造を模式的に示す図である。 実施の形態に係るエキシマレーザ装置のエキシマを発生させる部分の断面構造を模式的に示す図である。 他の実施の形態に係るエキシマレーザ装置の構成を示す図である。 従来の縦励起型レーザ装置の構成を示す図である。 従来の縦励起型レーザ装置における励起密度について説明するための図である。 従来の縦励起型レーザ装置における励起密度について説明するための図である。 従来の縦励起型レーザ装置における励起密度について説明するためのグラフである。 従来の横励起型レーザ装置において、励起用レーザ光を集光したときの様子を示す図である。 従来の横励起型レーザ装置において、励起用レーザ光を集光したときの励起光子密度を説明するためのグラフである。
符号の説明
10、20 スラブ型炭酸ガスレーザ発振器
11 シリンドリカルレンズ
12 全反射鏡
13 出力鏡
14 ウインド
15 凹面鏡
16 共振器ボディ
17 ARコーティング
21 高周波電源
22 平板電極
23 凹面鏡
24 平面鏡
100、200 エキシマレーザ装置

Claims (6)

  1. スラブ型炭酸ガスレーザと、
    光軸上にエキシマガスを満たしたレーザ共振器と、
    前記光軸に略直交する方向から、該光軸に沿うように、前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光を線状に集光させる集光手段と、
    を備えるエキシマレーザ装置。
  2. 前記エキシマガスを、前記光軸と前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光とに対して、略直交する方向に流すことを特徴とする請求項1に記載のエキシマレーザ装置。
  3. 前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光を前記レーザ共振器内に導く際に用いられるウインドをさらに備え、
    前記ウインドは、前記エキシマガスに接する面にフッ素系コーティングが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエキシマレーザ装置。
  4. 前記ウインドは、ZnSeからなることを特徴とする請求項3に記載のエキシマレーザ装置。
  5. 前記スラブ型炭酸ガスレーザからのレーザ光に略直交するように前記エキシマガスを流すための流路を形成するボディを備え、
    前記流路は、前記ウインドから離れて形成され、
    前記エキシマガスに前記レーザ光が照射される領域において、前記流路の幅が下流に向かって徐々に狭くなっており、前記レーザ光が前記エキシマガスに照射される直前で最も狭くなっていることを特徴とする請求項3又は4に記載のエキシマレーザ装置。
  6. 前記スラブ型炭酸ガスレーザは、対向配置された一対のミラーを備え、
    前記集光手段は、前記一対のミラーの間に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエキシマレーザ装置。
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