JP2010003149A - ストレージ装置及びディスク装置制御方法 - Google Patents

ストレージ装置及びディスク装置制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ストレージ装置の省電力の効果を比較的高く維持しつつ、アクセス要求に適切に応答することのできる技術を提供する。
【解決手段】ストレージ装置10において、MPU240が、HDD330を省電力状態からアクセス可能状態に移行させるために使用可能な電力値を取得し、ホストI/F210を介してアクセスコマンドを受信し、LUを構成するHDD330の中のアクセス可能な状態のHDD330により、アクセスコマンドに応答できるか否かを判定し、応答することができないと判定された場合に、アクセスコマンド対象のLUの省電力状態のHDD330から、使用可能な電力の値以内の電力でアクセス可能な状態に移行することができ、且つ応答を可能にすることのできる1以上のHDD330を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のディスク装置から構成される論理ユニットを有し、所定の条件に従ってディスク装置を省電力状態に移行させるストレージ装置及びディスク装置制御方法に関し、省電力状態のディスク装置をアクセス可能状態に移行させるための技術に関する。
従来、複数のディスク装置を備えたストレージ装置が知られている。ストレージ装置においては、例えば、複数のディスク装置により論理ユニットを構成し、論理ユニットに対してホスト計算機等がアクセスするようになっている。このようなストレージ装置において、すべてのディスク装置を常にアクセス可能な状態としておくと、消費電力が大きいという問題がある。
そこで、ホスト計算機等から所定時間内にアクセスがない場合には、アクセスがない論理ユニットのディスク装置群を、例えば、スピンダウン(ディスクの停止)等を行うことにより省電力モードに移行させる技術が知られている(特許文献1参照)。
このように、ディスク装置群を省電力モードとしている際に、例えば、アクセスが発生した場合には、ディスク装置群の全てのディスク装置を立ち上げることとなる。この場合、全てのディスク装置を立ち上げるためには、大量の電力を必要とすることがある。これに対応するためには、ストレージ装置にその電力を供給することができる大容量の電源を用意しておくか、或いは、電源が供給できる電力内で逐次ディスク装置を立ち上げる制御を行う必要がある。
大容量の電源を用意すると、大量のディスク装置の立ち上げが可能になるが、立ち上げ時以外においては、立ち上げ時ほどの電力が必要ではないので、電源の使用効率が低くなってしまう。また、大容量の電源を用意すると、ストレージ装置の製造コストが掛かってしまうとともに、設置場所等を広く確保しなくてはならないという問題がある。一方、逐次ディスク装置を立ち上げる制御を行う場合には、すべてのディスク装置が立ち上がるまで、ホスト計算機等からのアクセスに応答することができず、応答性が悪く、ホスト計算機でタイムアウトとなってしまうという問題がある。
なお、ホスト計算機等からのアクセスと関係ない時点において、電源が供給できる電力内でディスク装置群を立ち上げる制御として、電力供給能力から起動できる最大数の装置を計算し、起動させる技術が知られている(特許文献2)。この特許文献2は、装置のホスト計算機からのアクセスと関係ない時点における起動に関するものであり、ホスト計算機からのアクセスの応答性については何ら考えられていない。
一方、電力消費を削減しつつ、ホスト計算機等からのアクセスに迅速に対応する技術として、RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)グループとして構成された論理ボリュームについて冗長性に応じた数のディスク装置を節電モードとする技術が知られている(特許文献3)。
特開2000−293314号公報 特開2000−10678号公報 特開2005−228288号公報
上記した特許文献3の技術によると、RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)グループによる冗長性を用いてアクセスに応答することにより、アクセス性能は維持できるものの、冗長性を利用できるだけのディスク装置を常にアクセス可能状態としておくこととなるので、省電力状態にできるディスク装置数が限られている。例えば、RAID5の3D+1P構成については、1つのディスク装置のみが省電力状態とされる。このため、ストレージ装置全体における省電力効果があまり高くないという問題がある。
そこで、本発明は、ストレージ装置の省電力の効果を比較的高く維持しつつ、アクセス要求に適切に応答することのできる技術を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明の第1の観点に係るストレージ装置は、複数のディスク装置により構成される論理ユニットを対象とするアクセスを制御するとともに、所定の条件に合致した際にディスク装置を省電力状態に移行させる制御が可能なストレージ装置において、ディスク装置を省電力状態からアクセス可能な状態に移行させるために使用可能な電力の値を取得する電力値取得部と、論理ユニットの所定の記憶領域を対象とするアクセスコマンドを受信する受信部と、論理ユニットを構成する複数のディスク装置の中のアクセス可能な状態のディスク装置により、アクセスコマンドに応答できるか否かを判定する状態判定部と、アクセスコマンドに応答することができないと判定された場合に、アクセスコマンドの対象の論理ユニットを構成する複数のディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、使用可能な電力の値以内の電力でアクセス可能な状態に移行することができ、且つアクセスコマンドの応答を可能にすることのできる1以上のディスク装置を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する選択部とを有する。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る計算機システムの機能構成図である。
計算機システム1は、ホスト計算機700と、管理端末600と、ストレージ装置10とを有する。ホスト計算機700は、OS(Operating System)720と、アプリケーション730と、I/F710とを有する。ホスト計算機700の図示しないプロセッサは、OS720及びアプリケーション730を実行することにより、所定の処理を実行し、処理に応じてストレージ装置10に対するデータのアクセスコマンド(リードコマンド、ライトコマンドの他、制御コマンド等のコマンドを含む)を送信する。ホスト計算機700から送信されるリードコマンドには、例えば、リード対象のデータが管理されている論理ユニット(LU:Logical Unit)の番号(LUN:Logical Unit Number)及び論理ユニットにおけるブロックアドレス(LBA:Logical Block Address)が含まれる。また、ホスト計算機700から送信されるライトコマンドには、例えば、ライト対象のデータを書き込むLUN及びLBAと、ライト対象のデータとが含まれる。I/F710は、ホスト計算機700とストレージ装置10とのデータのやり取りの仲介を行う。本実施形態では、ホスト計算機700と、ストレージ装置10とは、SAN(Storage Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、専用回線、公衆回線等のいずれのネットワークで接続されてもよく、データ通信を行うことのできるネットワークであればよい。また、ネットワークにおけるプロトコルとしては、ファイバチャネルプロトコルや、TCP/IPプロトコルであってもよく、ホスト計算機700とストレージ装置10との間でデータのやりとりが可能なプロトコルであればよい。
管理端末600は、ストレージ管理ソフトウェア610を有し、管理端末600内の図示しないプロセッサによりストレージ管理ソフトウエア610を実行することにより、管理者(ユーザ)による各種指示、設定指示等に従ってストレージ装置10を設定する処理を実行する。管理端末600と、ストレージ装置10とは、例えばLAN(Local Area Network)によって接続されている。
ストレージ装置10は、基本筐体100と、拡張筐体400とを有する。拡張筐体400は、備えなくてもよいし、複数備えるようにしてもよい。基本筐体100は、コントローラ200と、複数のディスク装置(HDD)330とを有する。本実施形態では、基本筐体100には、複数のディスク装置330によってRAID構成(例えば、RAID1、5、6等)されたRAIDグループ300が備えられている。なお、RAIDグループ300を複数備えるようにしてもよい。RAIDグループ300においては、RAIDグループ300の少なくとも一部の記憶領域を自身の記憶領域とする1以上の論理ユニット(論理ボリューム)340が生成されている。
コントローラ200は、ホストインタフェース(ホストI/F)210と、バックエンドコントローラ220と、データコントローラ(DCTL)230と、プロセッサの一例としてのMPU(Micro Processing Unit)240と、増加電力記憶部の一例としてのキャッシュメモリ250と、履歴記憶部の一例としてのメモリ260と、ブリッジ270と、LAN I/F290とを有する。
ホストI/F210は、ホスト計算機700との間でのデータのやり取りを仲介する。バックエンドコントローラ220は、コントローラ200と、基本筐体100及び拡張筐体400に備えられた複数のHDD330との間のデータのやり取りを制御する。データコントローラ230は、ホストIF210、バックエンドコントローラ220、キャッシュメモリ250、ブリッジ270、及びLAN I/F290に接続され、各部間のデータの流れを制御する。ブリッジ270は、DTCL230、MPU240、及びメモリ260に接続され、各部間のデータを中継する。LAN I/F290は、ホスト計算機700とストレージ装置10とのデータのやり取りの仲介を行う。
MPU240は、キャッシュメモリ250、メモリ260に格納されたプログラムやデータを用いて各種処理を実行する。ここで、MPU240がメモリ260の各種プログラムを実行することにより、電力取得部、受信部、状態判定部、選択部、第1移行制御部、第2移行制御部、応答実行部、反映部、及び測定部を構成する。メモリ260は、プログラムやデータを記憶する。メモリ260は、本実施形態では、電力制御プログラム261と、アクセス記録管理プログラム262と、ホストI/O制御プログラム263と、電力モニタプログラム264と、稼働状況管理テーブル265と、省電力設定データ266とを記憶する。
電力制御プログラム261は、複数のHDD330の動作の制御処理をMPU240に実行させるためのプログラムである。アクセス記録管理プログラム262は、ホスト計算機700によるアクセスの情報を記録させる処理をMPU240に実行させるためのプログラムである。ホストI/O制御プログラム263は、ホスト装置からのリードコマンド、ライトコマンド等のコマンドに応じて、HDD330へのリードやライトの処理をMPU240に実行させるためのプログラムである。電力モニタプログラム264は、ストレージ装置10の各部における使用電力の情報を収集する処理をMPU240に実行させるためのプログラムである。
キャッシュメモリ250は、各種データを記憶する。キャッシュメモリ250は、本実施形態では、電力仕様管理テーブル251と、HDD仕様管理テーブル252と、省電力設定管理テーブル253と、LU管理テーブル254とを記憶する。ここで、各テーブル251〜254の少なくとも1つをメモリ260に格納するようにしてもよい。なお、各251〜254の構成については後述する。
拡張筐体400は、複数のHDD330を有する。本実施形態では、拡張筐体400には、複数のHDD330によってRAID構成(例えば、RAID1、5、6等)されたRAIDグループ300が備えられている。なお、RAIDグループ300を複数備えるようにしてもよい。RAIDグループ300においては、RAIDグループ300の少なくとも一部の記憶領域を自身の記憶領域とする1以上の論理ユニット(論理ボリューム)340が設けられている。
次に、計算機システム1における電力供給及び電力状態のモニタについて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る計算機システムの電力供給に関する一部構成図である。
基本筐体100には、基本筐体100内に電力を供給する電源110が設けられている。電源110と、複数のHDD330やコントローラ200とは、電力を供給するための電線Wを介して接続されている。電線Wにおける、電源110と複数のHDD330との間と、電源110とコントローラ200との間には、それぞれに供給される電力を監視する電力監視チップ120、130が設けられている。電力監視チップ120、130は、それぞれの監視結果(例えば、電力値)を電力モニタプログラム264を実行するMPU240に通知する。
また、拡張筐体400には、拡張筐体400内に電力を供給する電源510が設けられている。電源510は、拡張筐体400内の複数のHDD330と電線Wによって接続されている。電線Wにおける電源510と複数のHDD330との間には、複数のHDD330へ供給される電力を監視する電力監視チップ520が設けられている。電力監視チップ520は、監視結果(例えば、電力値)を電力モニタプログラム264を実行するMPU240に通知する。なお、同図では図示していないが、基本筐体100や拡張筐体400の他のコンポーネントの消費電力を監視する電力監視チップも設けられており、これら電力監視チップからの監視結果もMPU240に通知されるようになっている。
次に、キャッシュメモリ250及びメモリ260に格納されたテーブル及びデータについて説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る電力仕様管理テーブルの一例を示す図である。
電力仕様管理テーブル251は、コンポーネントフィールド2511と、定格電力フィールド2512と、通常時消費電力フィールド2513と、省電力時電力フィールド2514とを有するレコードを格納する。コンポーネントフィールド2511には、ストレージ装置10におけるコンポーネント名が格納される。コンポーネントとしては、例えば、サブシステム(ストレージ装置)10、基本筐体100、拡張筐体400、コントローラ200、MPU240等がある。定格電力フィールド2512には、対応するコンポーネントにおける定格電力値が格納される。通常時消費電力フィールド2513には、対応するコンポーネントにおける通常時の消費電力値(通常時消費電力値)が格納される。なお、サブシステム10、基本筐体100、拡張筐体400においては、構成等に応じて変動するので通常時消費電力値が格納されていない。省電力時電力フィールド2514には、省電力時における消費電力値(省電力時消費電力値)が格納される。
電力仕様管理テーブル251の各値は、例えば、ユーザが管理端末600を用いて入力を行うことにより、設定、変更できるようになっている。なお、コンポーネントに対応する値を、コンポーネント内のメモリや、その他の記憶装置に予め格納させておき、MPU240がそこから収集して電力仕様管理テーブル251に自動的に設定するようにしてもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係るHDD仕様管理テーブルの一例を示す図である。
HDD仕様管理テーブル252は、ベンダフィールド2521と、型名フィールド2522と、スピンアップ時間フィールド2523と、スピンアップ電力フィールド2524と、アイドル電力フィールド2525と、I/O電力フィールド2526と、Standby電力フィールド2527とを有するレコードを格納する。
ベンダフィールド2521には、HDD330のベンダ名が格納される。型名フィールド2522には、HDD330の型名が格納される。スピンアップ時間フィールド2523には、対応するHDD330におけるスピンアップに要する時間、すなわち、HDD330のディスクの回転を始動してから規定回転数に達するまでに要する時間が格納される。スピンアップ電力フィールド2524には、スピンアップ時に必要な電力の値が格納される。アイドル電力フィールド2525には、アイドル状態、すなわち、I/Oに直ちに対応することのできる状態(アクセス可能状態の一例)において必要な電力の値が格納される。I/O電力フィールド2526には、入力(ライト)又は出力(リード)を行っている状態(I/O状態時:アクセス可能状態の一例)において必要な電力の値が格納される。Standby電力フィールド2527には、ディスクの回転を停止し、ディスクの回転指示を待っているスタンバイ状態(省電力状態の一例)におけるHDD330に必要な電力の値が格納される。なお、HDD仕様管理テーブル252には、スタンバイ状態からスピンアップする際に増加する電力値そのものは、格納されていないが、スタンバイ状態における電力値と、スピンアップ時に必要な電力値とが格納されているので、実質的には、スタンバイ状態からスピンアップする際に増加する電力値が格納されているということができる。
例えば、HDD仕様管理テーブル252の1番上のレコードは、ベンダ”A”の型名”A0001”のHDD330は、スピンアップ時間が、20s(秒)であり、スピンアップ電力が35wであり、アイドル電力が12wであり、I/O電力が18wであり、スタンバイ電力が2wであることを示している。
HDD仕様管理テーブル252の各値は、例えば、ユーザが管理端末600を用いて入力を行うことにより、設定、変更できるようになっている。なお、各フィールドに対応する値を、HDD330内等の記憶装置に予め格納させておき、MPU240がそこから収集してHDD仕様管理テーブル252に自動的にデータを収集し、設定するようにしてもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る稼働状況管理テーブルの一例を示す図である。
稼働状況管理テーブル265は、HDD番号フィールド2651と、スピンアップ最長時間フィールド2652と、複数のスピンアップ時間フィールド2653と、最終アクセス時刻フィールド2654と、型名フィールド2655と、配置フィールド2656とを有するレコードを格納する。
HDD番号フィールド2651には、HDD330をストレージ装置10内で一意に識別するHDD番号が格納される。スピンアップ最長時間フィールド2652には、対応するHDD330のスピンアップに実際に要した最長の時間(スピンアップ最長時間)が格納される。スピンアップ時間フィールド2653には、対応するHDD330の実際のスピンアップ時間が格納される。本実施形態では、複数のスピンアップ時間フィールド2653があるので、複数回のスピンアップ時間の履歴を管理することができる。最終アクセス時刻フィールド2654には、対応するHDD330にアクセスした最終の時刻(最終アクセス時刻)が格納される。型名フィールド2655には、対応するHDD330の型名が格納される。配置フィールド2656には、対応するHDD330が配置されている筐体名が格納される。
稼働状況管理テーブル265においては、例えば、HDD番号、型名、配置については、例えば、ユーザが管理端末600を用いて入力を行うことにより、設定、変更できるようになっている。一方、最終アクセス時刻については、アクセス記録管理プログラム262を実行するMPU240がHDD330へのアクセスを監視することにより把握して格納する。スピンアップ最長時間及びスピンアップ時間については、電力制御プログラム261を実行するMPU240がHDD330のスピンアップを監視することにより把握して格納するようになっている。
図6は、本発明の一実施形態に係る省電力設定管理テーブルの一例を示す図である。
省電力設定管理テーブル253は、HDD番号フィールド2531と、動作状態フィールド2532と、消費電力フィールド2533と、停止移行時間フィールド2534と、復帰時間フィールド2535とを有するレコードを格納する。
HDD番号フィールド2531には、HDD番号が格納される。動作状態フィールド2532には、対応するHDD330の動作状態が格納される。動作状態としては、スタンバイ状態(省電力状態の一例)、アイドル状態、I/O状態等がある。また、スタンバイ状態を、ヘッドのアンロード状態、ディスク回転数減少、ディスク回転数停止などのように段階的に変化するように設定してもよい。消費電力フィールド2533には、対応するHDD330の消費電力の値が格納される。停止移行時間フィールド2534には、アクセスがない場合に、省電力状態に移行するまでの時間(停止移行時間)が格納される。復帰時間フィールド2535には、省電力状態から復帰すべき時間が格納される。
省電力設定管理テーブル253においては、例えば、HDD番号、停止移行時間、復帰時間については、例えば、ユーザが管理端末600を用いて入力を行うことにより、設定、変更できるようになっている。一方、動作状態については、電力制御プログラム261を実行するMPU240がHDD330の状態を格納し、消費電力については、電力モニタプログラム264を実行するMPU240がHDD330の消費電力を把握して格納するようになっている。
図7は、本発明の一実施形態に係る省電力設定データの一例を示す図である。
省電力設定データ266としては、ホストタイムアウト時間2661と、データ補完開始時間2662とがある。ホストタイムアウト時間2661は、ホスト計算機700がホスト要求をしてからタイムアウト(処理の打ち切り)となるまでの時間である。データ補完開始時間2662は、タイムアウトにならないようにするために、ホスト計算機700からのリード要求に対して冗長性を利用してデータを補完して応答する際に、補完を開始すべき時間である。ホストタイムアウト時間とデータ補完開始時間とは、例えば、ユーザが管理端末600を用いて入力を行うことにより、設定、変更できるようになっている。
図8は、本発明の一実施形態に係るLU管理テーブルの一例を示す図である。
LU管理テーブル254は、RAIDグループフィールド2541と、HDDフィールド2542と、LUフィールド2543と、動作モードフィールド2544とを対応付けて記憶する。RAIDグループフィールド2541には、RAIDグループを識別するRAIDグループ番号が格納される。HDDフィールド2542には、対応するRAIDグループを構成する複数のHDD330のHDD番号が格納される。LUフィールド2543には、対応するRAIDグループに生成されたLU(論理ユニット)の番号(LUN)が格納される。動作モードフィールド2544には、対応するLUが所定の条件に合致する場合に省電力状態に移行させる省電力モードであるのか、省電力状態に移行させず通常状態のままにする通常モードであるかの、モード設定が格納される。ここで、本実施形態では、電力制御プログラム261を実行するMPU240の処理により、同一のRAIDグループに属する全てのLUが省電力モードに設定されている場合には、当該RAIDグループのHDD330が省電力モードとして制御され、同一RAIDグループに属するLUの中に1つでも通常モードが設定されている場合には、省電力モードとして制御されないようになっている。
このLU管理テーブル254によると、例えば、LUNが”1”の論理ユニットは、RAIDグループ”0”に作成され、このRAIDグループは、”0〜4”のHDD330によって構成され、省電力モードであることがわかる。LU管理テーブル254のRAIDグループ、HDD番号、LUN、及び動作モードとは、例えば、ユーザが管理端末600を用いて入力を行うことにより、設定、変更できるようになっている。
次に、本発明の一実施形態に係る計算機システムによる処理動作を説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る省電力設定処理のフローチャートである。この省電力設定処理は、例えば、ストレージ装置10の電源を投入した後に実行される。
省電力設定処理においては、電力制御プログラム261を実行するMPU240がストレージ装置10を起動し、省電力機能を有効化する(ステップS1)。すなわち、MPU240は、同一のRAIDグループの全てのLUが省電力モードで設定されているRAIDグループについては、構成するHDD330を省電力状態とし、それ以外のRAIDグループを構成するHDD330については通常状態とし、起動させるようにする。
次いで、MPU240は、電力仕様管理テーブル251を所定の格納先(例えば、装置内の所定のRAIDグループのHDD330)からキャッシュメモリ250に読み出し(ステップS2)、HDD仕様管理テーブル252を所定の格納先(例えば、装置内の所定のRAIDグループのHDD330)からキャッシュメモリ250に読み出し(ステップS3)、ホストタイムアウト時間及びデータ補完開始時間を所定の格納先(例えば、装置内の所定のRAIDグループのHDD330)からメモリ260に読み出す(ステップS4)。
次いで、MPU240は、新たなHDDの仕様、LUの動作モードの設定等の省電力関連情報の外部入力要求があるか否かを判定し(ステップS5)、外部入力要求がない場合には処理を終了する一方、外部入力要求がある場合には、管理端末600から省電力関連情報の入力を受け付けて、対応するテーブル等に追加等行い(ステップS6)、処理を終了する。
図10は、本発明の一実施形態に係る情報取得処理のフローチャートである。
情報取得処理は、例えば、所定時間おきに繰り返し実行される。情報取得処理においては、電力モニタプログラム264を実行するMPU240が、ストレージ装置10内の各コンポーネント(、例えば、コントローラ200等)の消費電力を電力監視チップ130等から取得し、メモリ260に記憶する(ステップS11)。次いで、電力制御プログラム261を実行するMPU240は、HDD330の動作状態を取得し、省電力設定管理テーブル253に格納し(ステップS12)、更に、電力監視チップ120、520から各HDD330の消費電力を取得し、省電力設定管理テーブル253に格納する(ステップS13)。
図11は、本発明の一実施形態に係るホストコマンド処理のフローチャートである。
ホストコマンド処理は、例えば、所定時間おきに繰り返し実行される。ホストコマンド処理においては、まず、ホストI/O制御プログラム263を実行するMPU240が、ホスト計算機700から送信されたホストコマンド(リードコマンド、又はライトコマンド)を受領し(ステップS21)、ホストコマンドに対する応答が直ちにできるか否かを判定する(ステップS22)。
本実施形態では、まず、MPU240は、ホストコマンドに含まれているLUNに対応するLU(対象LU)が生成されているRAIDグループの全てのHDD330をLU管理テーブル254により特定し、省電力設定管理テーブル253の動作状態フィールド2532により、特定したHDD330の動作状態を把握する。そして、特定したHDD330の全てがアクセス可能な状態(省電力状態でない状態、例えば、アイドル状態、I/O状態)となっている場合には、応答が可能であると判定する。また、MPU240は、対象LUが生成されているRAIDグループにおいて、冗長性を利用することにより応答できる台数(例えば、4台のHDDでRAID5を構成している場合には、3台)のHDD330がアクセス可能な状態となっている場合にも、応答可能であると判定する。また、MPU240は、ホストコマンドに含まれているLUN及びLBAに対応する全てのデータを格納しているHDD330が全てアクセス可能な状態となっている場合にも応答可能であると判定する。具体的には、アクセスコマンドが示すLUN及びLBAに対応する領域が1つのHDD330に格納されているときに、そのHDD330がアクセス可能な状態となっている場合がこれに相当する。なお、LUNにおけるLBAと、LBAが格納されているHDD330との対応関係は、図示しないテーブルによって管理されている。
この結果、ホスト応答可能であると判定した場合には、MPU240は、ホスト応答を行う(ステップS24)。例えば、ホストコマンドがリードコマンドであり、冗長性を利用することにより応答できる台数のHDD330がアクセス可能状態となっている場合には、リード対象のデータの中でアクセス可能状態となっているHDD330から読み出せるデータについては、そのまま読み出し、リード対象のデータの中でアクセス可能状態のHDD330に格納されていないデータについては、冗長性を使って補完する。例えば、これらHDD330がRAID5構成のRAIDグループであれば、パリティデータと、パリティデータを作成する際に用いられたデータであってアクセス可能状態のHDD330から読み出せるデータとから、アクセス可能状態のHDD330に含まれていないデータ(省電力状態のHDD330に含まれているデータ)を生成する。そして、読み出したデータ及び補完したデータをホスト応答としてホスト計算機700に送信する。
一方、ホスト応答可能でないと判定した場合(ステップS22:NO)には、MPU240は、ディスク制御処理(ステップS23)を実行する。
図12は、本発明の一実施形態に係るディスク制御処理のフローチャートである。
ディスク制御処理においては、MPU240がストレージ装置10の基本筐体100において使用されている電力値と、拡張筐体400において使用されている電力値を算出する(ステップS31)。本実施形態では、MPU240は、メモリ260に記憶されている基本筐体100のコンポーネント(コントローラ200等)の使用電力値と、基本筐体100に配置されているすべてのHDD330の消費電力(省電力設定管理テーブル266から取得)とを加算することにより、基本筐体100において使用されている電力値を算出することができ、拡張筐体400においては、メモリ260に記憶されている拡張筐体400のコンポーネントの電力値と、拡張筐体400に配置されているすべてのHDD330の消費電力(省電力設定管理テーブル266から取得)を加算することにより算出することができる。
次いで、MPU240は、基本筐体100と拡張筐体400とのそれぞれにおいて、HDD330のスピンアップに使用可能な電力値を算出する(ステップS32)。すなわち、MPU240は、電力仕様管理テーブル251の基本筐体100の定格電力値から基本筐体100において使用されている使用電力値を減算することにより基本筐体100において使用可能な電力値を算出し、電力仕様管理テーブル251の拡張筐体400の定格電力値から拡張筐体400において使用されている使用電力値を減算することにより拡張筐体400において使用可能な電力値を算出する。
次いで、MPU240は、ホストコマンドが示すLU(対象LU)の全てのHDD330をスピンアップさせる際に必要となる電力値を算出する(ステップS33)。本実施形態では、MPU240は、対象LUの省電力状態である全てのHDD330の型名及び配置を稼働状況管理テーブル265で特定し、特定した型名のHDD330のスピンアップ電力とスタンバイ電力との差の電力値、すなわち、スピンアップする際に増加する電力値をHDD仕様管理テーブル252に基づいて算出し、対象LUが示す省電力状態である全てのHDD330についての差の電力値を、その配置に従って、基本筐体100と拡張筐体400とのそれぞれに分けて、それぞれ毎に合計することにより、基本筐体100においてスピンアップする際に必要な電力値と、拡張筐体400においてスピンアップする際に必要な電力値とを求める。
次いで、MPU240は、ホストコマンドが示すLU(対象LU)の全てのHDD330をスピンアップ可能か否か、すなわち、省電力状態のHDD330の全てをスピンアップしても、基本筐体100と拡張筐体400とのそれぞれにおける使用可能な電力値以内に収まるか否かを判定する(ステップS34)。すなわち、MPU240は、既に算出した基本筐体100においてスピンアップする際に必要な電力値と、拡張筐体400においてスピンアップする際に必要な電力値とが、それぞれの筐体の使用可能な電力値以内か否かを判定する。
この結果、対象LUの全てのHDD330のスピンアップが可能である場合、すなわち、使用可能な電力量以内に収まる場合(ステップS34:YES)には、MPU240は、対象LUを構成するHDD330の中で省電力状態となっている全てのHDD330のスピンアップを開始させ、全てのスピンアップが終了した後に、対象LUに対するアクセス(リード又はライト)処理を実行し、ホスト計算機700に対して応答を行う(ステップS36)。
一方、対象LUの全てのHDD330のスピンアップが可能でない場合(ステップS34:NO)には、MPU240は対象LUの中の省電力状態の全てのHDD330の中から、基本筐体100及び拡張筐体400における使用可能な電力値以内でスピンアップが可能であり、アクセスコマンドの応答が可能であり、且つスピンアップ時間がタイムアウト時間以内である1以上のHDD330を優先的にスピンアップ対象として選択する(ステップS37)。なお、スピンアップ時間がタイムアウト時間以内であるとの条件は、場合によっては用いなくてもよい。さらに、使用可能な電力値以内でスピンアップできるHDDでは、アクセスコマンドの応答が可能でない場合には、使用可能な電力値以内でスピンアップできるHDDをスピンアップさせ、その後、アクセスコマンドの応答するために必要な他のHDDをスピンアップする。本実施形態においては、アクセスコマンドの応答が可能であるHDD330とは、例えば、ホストコマンド(リード/ライトコマンド)が対象とするデータの格納領域が一部のHDD330に限られている場合には、当該一部のHDD330である。また、例えば、対象LUを格納するRAIDグループがRAID1である場合においては、同一のデータの一方を格納する1以上のHDD330である。また、対象LUを格納するRAIDグループがRAID5、又はRAID6である場合においては、データを補完することのできる複数、例えば、RAID5であれば、1台を除く複数のHDDであり、RAID6であれば、2台を除く複数のHDDである。
ここで、基本筐体100及び拡張筐体400における使用可能な電力値以内でスピンアップが可能であり、アクセスコマンドの応答が可能であり、且つスピンアップ時間がタイムアウト時間以内である1以上のHDD330の候補が複数ある場合には、例えば、スピンアップ時間が短いHDD候補を優先して選択するようにしてもよい。ここで、HDD330の選択に用いるスピンアップ時間としては、HDD使用管理テーブル252のスピンアップ時間フィールド2523のスピンアップ時間を用いてもよく、また、稼働状況管理テーブル265の複数の実際に要したスピンアップ時間の平均のスピンアップ時間を用いてもよく、また、稼働状況管理テーブル265のスピンアップ最長時間を用いてもよい。また、1以上のHDD330の候補が複数ある場合には、HDD330のデータ転送速度に基づいて、ホストコマンドの完了が短時間ですむHDD330の候補を優先して選択してもよい。このようにすると、ホストアクセスの完了を短時間にすることができる。また、1以上のHDD330の候補が複数ある場合には、HDD仕様管理テーブル252のスピンアップ電力が少ないHDDの候補を優先して選択するようにしてもよい。このようにすると、スピンアップ時の電力を抑えることができ、例えば、他のホストアクセスに対応してスピンアップする際の電力に振り分けることができる。
次いで、MPU240は、選択されたHDD330のスピンアップを開始させ、スピンアップを終了した後(ステップS38)に、ホストコマンドに対する応答が直ちに可能か否かを判定する(ステップS39)。ステップS39における具体的な処理は、ステップS22と同様である。
この結果、ホスト応答が直ちに可能であると判定した場合(ステップS39:YES)には、MPU240は、ホスト応答を行う(ステップS40)。ステップS40における具体的な処理は、ステップS24と同様である。次いで、MPU240は、対象LUの全てのHDD330がスピンアップを完了しているか否かを判定し(ステップS41)、スピンアップを完了していない場合には、対象LUの残りの省電力状態のHDD330のスピンアップを行う(ステップS42)。なお、この処理においては、基本筐体100及び拡張筐体400での使用可能な電力の範囲内で、最大数のHDD330ずつスピンアップを行う。
一方、対象LUの全てのHDD330がスピンアップしている場合(ステップS41)には、必要な処理、例えば、ホストコマンドがライトコマンドである場合には、ホスト応答後にスピンアップしたHDD330に対して、反映すべきデータやパリティデータを格納する処理を実行して、ディスク制御処理を終了する。
一方、ステップS39において、ホスト応答が直ちに可能でないと判定した場合(ステップS39:NO)には、ステップS31と同様な処理により、基本筐体100において使用されている電力値と、拡張筐体400において使用されている電力値を算出し(ステップS43)、ステップS32と同様な処理により、基本筐体100と拡張筐体400とのそれぞれにおいて、HDD330のスピンアップに使用可能な電力値を算出し(ステップS44)、対象LUのスピンアップをしていない省電力状態の全てのHDD330をスピンアップさせる際に必要となる電力値を算出し(ステップS45)、上記したステップS37からの処理を実行する。
次に、ステップS37におけるスピンアップ対象のHDD330の選択についての具体例について説明する。
図13乃至図16は、本発明の一実施形態に係るスピンアップ対象のHDDの選択を説明する図である。
図13に示すように、ホスト計算機700から送信されたリード/ライトコマンドが対象とするデータD1、D2の格納領域がRAIDグループの一部のHDD330(330A、330B)に限られている場合には、ステップS37において、MPU240は、HDD330A及び330Bのスピンアップにより増加する各筐体(基本筐体100、拡張筐体400)における電力量が、各筐体における使用可能な電力値以内であって、HDD330Aと、HDD330Bとのスピンアップ時間がホストタイムアウト時間以内であれば、HDD330A及び330Bをスピンアップの対象のHDD330として選択する。なお、リード/ライトコマンドが対象とするデータD1、D2の格納領域となるHDD330については、ホストコマンド中のLUN及びLBAと、キャッシュメモリ250等に記憶されたテーブルとにより、MPU240が特定することができる。
この結果、HDD330A及び330Bをスピンアップした後に、HDD330Aに対しては、データD1のアクセスをし、HDD330Bに対しては、データD2のアクセスをし、応答がホスト計算機700に送信されることとなる。これにより、一部のHDD330A、330Bをスピンアップするだけ立ち上げることにより、使用可能な電力値以内で、ホストタイムアウトを起こさずホスト計算機700に応答することができる。なお、ホストコマンドがライトコマンドであって、RAIDグループ300がRAID5又はRAID6の構成である場合には、一部のHDD330A、330Bをスピンアップした後に、MPU240がHDD330C、HDD330Dをスピンアップし、変更されたデータD1及びデータD2に対応するパリティデータをHDD330C又は330Dに格納する。
また、図14に示すように、RAIDグループ300がRAID1構成(ミラーリング)である場合には、ステップS37において、MPU240は、同一のデータを格納するHDD300(本例では、HDD330AとHDD330D、HDD330BとHDD330C)のうちの一方側のHDD300(例えば、HDD330A及びHDD330D)をスピンアップすることにより、各筐体(基本筐体100、拡張筐体400)における電力量が、各筐体における使用可能な電力値以内であって、HDD330Aと、HDD330Dとのスピンアップ時間がホストタイムアウト時間以内であれば、HDD330A及び330Dをスピンアップの対象のHDD330として選択する。選択される、HDDはこれに限らず、各HDDの省電力状態から通常状態への移行時間(スピンアップ時間など)や省電力状態から通常状態への移行するために必要な電力(スピンアップ電力など)と、応答のタイムアウト時間や各筐体が使用可能な電力量とを比較し選択する。
この結果、HDD330A及び330Dをスピンアップした後に、HDD330Aに対しては、データD1のアクセスをし、HDD330Bに対しては、データD2のアクセスをし、応答がホスト計算機700に送信されることとなる。これにより、半分のHDD330を立ち上げるだけで、使用可能な電力値以内で、ホストタイムアウトを起こさずにホスト計算機700に応答することができる。なお、コマンドがライトコマンドである場合には、以降において、MPU240がHDD330B及びHDD330Cをスピンアップし、変更されたデータD1をHDD330Cに格納し、データD2をHDD330Bに格納する。
また、図15に示すように、RAIDグループ300がRAID5構成である場合には、ステップS37において、MPU240は、パリティデータを使用するとデータ復元できる複数台(本例では、RAIDグループ全体から1台を除いた3台)のHDD330の組(例えば、HDD330A、330B、330Dの組)のスピンアップにより増加する各筐体(基本筐体100、拡張筐体400)における電力量が、各筐体における使用可能な電力値以内であって、HDD330A、HDD330B、及びHDD330Dとのスピンアップ時間がホストタイムアウト時間以内であれば、HDD330A、330B、330Dをスピンアップの対象のHDD330として選択する。選択される、HDDはこれに限らず、各HDDの省電力状態から通常状態への移行時間(スピンアップ時間など)や省電力状態から通常状態への移行するために必要な電力(スピンアップ電力など)と、応答のタイムアウト時間や各筐体が使用可能な電力量とを比較し選択する。
この結果、HDD330A、330B及び330Dをスピンアップした後に、MPU240がHDD330AからデータD1を読出し、HDD330BからデータD2を読出し、HDD330DからパリティデータPを読出し、パリティデータPとデータD1とデータD2とからデータD3を補完(生成)し、データD1、D2及びD3をホスト計算機700に送信する。これにより、一部のHDD330を立ち上げるだけで、使用可能な電力値以内で、ホストタイムアウトを起こさずホスト計算機700に応答することができる。
また、図16に示すように、RAIDグループ300がRAID6構成である場合には、ステップS37において、MPU240は、パリティデータを使用するとデータ復元できる複数台(本例では、RAIDグループ全体から2台を除いた3台)のHDD330の組(例えば、HDD330A、330B、330Eの組)のスピンアップにより増加する各筐体(基本筐体100、拡張筐体400)における電力量が、各筐体における使用可能な電力値以内であって、HDD330A、HDD330B、及びHDD330Eとのスピンアップ時間がホストタイムアウト時間以内であれば、HDD330A、330B、330Eをスピンアップの対象のHDD330として選択する。選択される、HDDはこれに限らず、各HDDの省電力状態から通常状態への移行時間(スピンアップ時間など)や省電力状態から通常状態への移行するために必要な電力(スピンアップ電力など)と、応答のタイムアウト時間や各筐体が使用可能な電力量とを比較し選択する。
この結果、HDD330A、330B及び330Eをスピンアップした後に、MPU240がHDD330AからデータD1を読出し、HDD330BからデータD2を読出し、HDD330EからパリティデータQを読出し、パリティデータQとデータD1とデータD2とからデータD3を補完(生成)し、データD1、D2及びD3をホスト計算機700に送信する。これにより、一部のHDD330を立ち上げるだけで、使用可能な電力値以内で、ホストタイムアウトを起こさずに、ホスト計算機700に応答することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
例えば、上記実施形態では、同一のRAIDグループ内に、省電力モードに設定されていないLUが1つでもある場合には、当該RAIDグループ内のHDD330を省電力状態としないようにしていたが、本発明はこれに限られず、同一のRAIDグループ内に、省電力モードに設定されているLUが1つでもある場合には、当該RAIDグループ内のHDD330を所定の省電力条件を満たした場合に省電力状態にするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、筐体毎にRAIDグループが分かれていた例を示したが、本発明はこれに限られず、複数の筐体に配置された複数のHDDを同一のRAIDグループとして構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、RAIDグループにLUを生成する例を示していたが、これに限られず、例えば、複数のRAIDグループの記憶領域を集めた記憶容量プールにLUを生成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、対象LUの省電力状態の全てのHDDをスピンアップできないとき(ステップS34:NO)に、ステップS37に続く処理を実行するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、ステップS33の次にステップS34をせずに、ステップS37に進むようにしてもよい。このようにすると、対象LUの省電力状態の全てのHDD330をスピンアップする場合に比して、スピンアップ時の電力を抑えることができ、例えば、他のホストアクセスに対応して他のHDD330をスピンアップする際の電力に振り分けることができる。
本発明の一実施形態に係る計算機システムの機能構成図である。 本発明の一実施形態に係る計算機システムの電力供給に関する一部構成図である。 本発明の一実施形態に係る電力仕様管理テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るHDD仕様管理テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る稼働状況管理テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る省電力設定管理テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る省電力設定データの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るLU管理テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る省電力設定処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る情報取得処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るホストコマンド処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るディスク制御処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るスピンアップ対象のHDDを選択を説明する第1の図である。 本発明の一実施形態に係るスピンアップ対象のHDDを選択を説明する第2の図である。 本発明の一実施形態に係るスピンアップ対象のHDDを選択を説明する第3の図である。 本発明の一実施形態に係るスピンアップ対象のHDDを選択を説明する第4の図である。
符号の説明
1 計算機システム、10 ストレージ装置、100 基本筐体、200 コントローラ、210 ホストI/F、220 バックエンドコントローラ、230 データコントローラ、240 MPU、250 キャッシュメモリ、251 電力仕様管理テーブル、252 HDD仕様管理テーブル、253 省電力設定管理テーブル、254 LU管理テーブル、260 メモリ、261 電力制御プログラム、262 アクセス記録管理プログラム、263 ホストI/O制御プログラム、264 電力モニタプログラム、265 稼働状況管理テーブル、266 省電力設定データ、270 ブリッジ、290 LAN I/F、300 RAIDグループ、330 ハードディスクドライブ、340 論理ユニット、400 拡張筐体、500 RAIDグループ。

Claims (17)

  1. 複数のディスク装置により構成される論理ユニットを対象とするアクセスを制御するとともに、所定の条件に合致した際に前記ディスク装置を省電力状態に移行させる制御が可能なストレージ装置において、
    前記ディスク装置を前記省電力状態からアクセス可能な状態に移行させるために使用可能な電力の値を取得する電力値取得部と、
    前記ディスク装置により構成される論理ユニットの所定の記憶領域を対象とするアクセスコマンドを受信する受信部と、
    前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中のアクセス可能な状態のディスク装置により、前記アクセスコマンドに応答できるか否かを判定する状態判定部と、
    前記アクセスコマンドに応答することができないと判定された場合に、前記アクセスコマンドの対象の前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができ、且つ前記アクセスコマンドの応答を可能にすることのできる、1以上のディスク装置をアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する選択部と
    を有するストレージ装置。
  2. 前記ディスク装置を前記省電力状態からアクセス可能な状態に移行させるために増加する増加電力の値を記憶する増加電力値記憶部を更に備え、
    前記選択部は、前記増加電力値記憶部に記憶された前記増加電力値に基づいて、前記使用可能な電力の値以内の電力でアクセス可能な状態に移行できる1以上の前記ディスク装置であるかを判断して、アクセス可能な状態に移行させる対象を選択する
    請求項1に記載のストレージ装置。
  3. 前記選択された1以上のディスク装置を前記アクセス可能な状態に移行させる第1移行制御部と、
    前記アクセス可能な状態に移行させた前記ディスク装置を用いて、前記アクセスコマンドに対する応答を行う応答実行部と
    を有する請求項1又は請求項2に記載のストレージ装置。
  4. 前記アクセスコマンドに応答することができないと判定された場合に、前記使用可能な電力の値以内の電力で、前記論理ユニットの前記ディスク装置の中の省電力状態の前記ディスク装置の全てをアクセス可能な状態に移行させることができるか否かを判定する移行可否判定部を更に有し、
    前記選択部は、前記使用可能な電力の値以内の電力で、前記論理ユニットの前記ディスク装置の中の省電力状態の前記ディスク装置の全てをアクセス可能な状態に移行させることができないと判定された場合に、優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象を選択する
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のストレージ装置。
  5. 前記アクセスコマンドが対象とする前記記憶領域は、前記論理ユニットの一部のディスク装置に対応しており、
    前記選択部は、前記アクセスコマンドの対象の前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、前記一部のディスク装置であって、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができる1以上のディスク装置を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のストレージ装置。
  6. 前記アクセスコマンドが対象とする前記論理ユニットは、冗長性を有するRAIDグループに生成されており、
    前記選択部は、前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、冗長性により全てのデータを生成可能にするために必要なディスク装置数に対して不足している数のディスク装置であって、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができる1以上のディスク装置を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のストレージ装置。
  7. 前記アクセスコマンドが対象とする前記論理ユニットは、RAID5又はRAID6のRAIDグループに生成されている
    請求項6に記載のストレージ装置。
  8. 前記アクセスコマンドが対象とする前記論理ユニットは、同一のデータを多重化してディスク装置に格納するRAID1のRAIDグループに生成されており、
    前記選択部は、前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、全てのデータをアクセス可能な状態とするために必要な1以上のディスク装置であって、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができる1以上のディスク装置を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のストレージ装置。
  9. 前記アクセス可能な状態に移行させる対象として選択された前記ディスク装置をアクセス可能な状態に移行させた後に、前記アクセスコマンドが対象とする前記論理ユニットの残りの省電力状態のディスク装置を前記アクセス可能な状態に移行させる第2移行制御部
    を更に有する請求項3に記載のストレージ装置。
  10. 前記アクセスコマンドが対象とする前記論理ユニットの全ての前記ディスク装置を前記アクセス可能な状態に移行させた後に、アクセスコマンドによる変更が反映されていない前記ディスク装置に対して、アクセスコマンドに応じたデータを反映させる反映部
    を更に有する請求項9に記載のストレージ装置。
  11. 前記省電力状態は、前記ディスク装置のディスクの回転を停止させた状態である
    請求項1に記載のストレージ装置。
  12. 前記選択部は、前記省電力状態のディスク装置の中に、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができ、且つ前記アクセスコマンドの応答を可能にすることができる1以上のディスク装置の候補が複数存在する場合に、スピンアップ時間が最も短い1以上の前記ディスク装置の候補を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    請求項11に記載のストレージ装置。
  13. 前記ディスク装置の実スピンアップ時間を測定する測定部と、
    前記実スピンアップ時間の履歴を記憶する履歴記憶部とを更に有し、
    前記選択部は、前記履歴記憶部に記憶された実スピンアップ時間に基づく時間を前記スピンアップ時間として用いる
    請求項12に記載のストレージ装置。
  14. 前記選択部は、前記省電力状態のディスク装置の中に、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができ、且つ前記アクセスコマンドの応答を可能にすることができる1以上のディスク装置の候補が複数存在する場合に、スピンアップに要する電力が最も少ない1以上の前記ディスク装置の候補を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    請求項11に記載のストレージ装置。
  15. 前記選択部は、前記省電力状態のディスク装置の中に、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができ、且つ前記アクセスコマンドの応答を可能にすることができる1以上のディスク装置の候補が複数存在する場合に、アクセスコマンドの応答が完了するまでに要する時間が最も短い1以上の前記ディスク装置の候補を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    請求項1に記載のストレージ装置。
  16. 複数のディスク装置により構成される論理ユニットを対象とするアクセスを制御するとともに、所定の条件に合致した際に前記ディスク装置を省電力状態に移行させる制御が可能なストレージ装置において、
    前記ストレージ装置は、複数のディスク装置と、ホスト計算機に接続されるインタフェースと、前記インタフェースに接続されるプロセッサとを有し、
    前記プロセッサは、前記ディスク装置の前記省電力状態からアクセス可能な状態に移行するために使用可能な電力の値を取得し、前記インタフェースを介して前記論理ユニットの所定の記憶領域を対象とするアクセスコマンドを受信し、前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中のアクセス可能な状態のディスク装置により、前記アクセスコマンドに応答できるか否かを判定し、前記アクセスコマンドに応答することができないと判定された場合に、前記アクセスコマンドの対象の前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができ、且つ前記アクセスコマンドの応答を可能にすることのできる1以上のディスク装置を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する
    ストレージ装置。
  17. 複数のディスク装置により構成される論理ユニットを対象とするアクセスを制御するとともに、所定の条件に合致した際に前記ディスク装置を省電力状態に移行させる制御が可能なストレージ装置におけるディスク装置制御方法であって、
    前記ディスク装置を前記省電力状態からアクセス可能な状態に移行させるために使用可能な電力の値を取得する電力値取得ステップと、
    前記論理ユニットの所定の記憶領域を対象とするアクセスコマンドを受信する受信ステップと、
    前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中のアクセス可能な状態のディスク装置により、前記アクセスコマンドに応答できるか否かを判定する状態判定ステップと、
    前記アクセスコマンドに応答することができないと判定された場合に、前記アクセスコマンドの対象の前記論理ユニットを構成する複数の前記ディスク装置の中の省電力状態のディスク装置から、前記使用可能な電力の値以内の電力で前記アクセス可能な状態に移行することができ、且つ前記アクセスコマンドの応答を可能にすることのできる1以上のディスク装置を優先的にアクセス可能な状態に移行させる対象として選択する選択ステップと
    を有するディスク装置制御方法。
JP2008161987A 2008-06-20 2008-06-20 ストレージ装置及びディスク装置制御方法 Pending JP2010003149A (ja)

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