JP2010002639A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着ローラ31と加圧ローラ32および前記二つのローラ表面温度を夫々非接触で検出する赤外線温度センサ35、34を備え、前記二つのローラ31、32により形成される定着ニップにシートを通過させて当該シート上の未定着画像を定着する定着装置において、赤外線温度センサ34、35は、定着ニップよりシート搬送方向上流側にシート搬送路を挟んで両者の検出方向が襷がけになるよう配置され、前記二つの赤外線温度センサの検出領域をシートが通過する際の温度センサ35によるシート表面の検出温度を当該シートの推定温度とし、それにより赤外線温度センサ34による加圧ローラ32表面の検出温度の補正を行う。
【選択図】図3
Description
このような定着装置にあっては、主にシート表面(画像形成面)に接する定着ローラ側が加熱されるが、定着時のシートの表裏において温度差があると、シートのカール(反り)や両面画像形成時における表裏の光沢差といった問題が生じるため、従来からシート裏面に接する加圧ローラも補助的に加熱する定着装置が提案されている(特許文献1参照)。
図9は、サーモパイル式赤外線温度センサの構成を示す概略断面図である。同図に示すように、赤外線温度センサは、ステム1、サーミスタ2、サーモパイルチップ3、CAN4、シリコンレンズ5等を備える。サーモパイルチップ3は、定着ローラからの輻射熱による赤外線6のうちシリコンレンズ5を介して入射した赤外線7を受光して、受光量に応じた電気信号を出力する。
そこで、サーモパイル式赤外線温度センサ全体をアルミ等の外殻ケースに収容する技術が特許文献2に開示されている。これにより定着ローラからの赤外線が外殻ケースにより遮断されてCANへの直接入射が防止されると共に、赤外線温度センサ周囲の温度が均一化されるため、サーモパイルチップの実際の温度とサーミスタの検出温度との差が小さくなり、検出誤差が低減されるとするものである。
また、ここで、前記推定温度取得手段が、当該装置が設置される機内の環境温度を検出する第3の温度センサによる検出結果を前記シートの推定温度として取得するようにしてもよい。
これにより、第1の温度センサにおける検出誤差も補正することができる。
また、本発明の他の側面は、上記記載の定着装置を備えた画像形成装置であることを特徴とする。
ここで、シートの第1面の未定着画像の定着後にシートの第2面に画像を形成する第2面画像形成手段と、前記定着装置の定着ニップに至るシート搬送路を通過中のシートが、既に第1面に画像形成済みであるか否かを判定する判定手段とを備え、前記補正量取得手段は、前記判定手段により、既に第1面に画像形成済みであると判定された場合には、前記補正量を取得しないようにすることが望ましい。
特に、装置の電源状態がOFFからONに変化したような場合には、定着装置における各温度センサの温度は機内の他の部分とほぼ同じであり、それにも関わらず、従前の電源ON時の補正量を適用すれば、誤って温度制御することになるからである。
<実施の形態1>
(1)複写機の全体構成
図1は、本発明の実施の形態に係る複写機の概略構成を示す構成図であり、画像形成部10、給紙部20、定着装置30、制御部40、および原稿読取り部50等を備える。
また、定着ローラ31の内部には、ハロゲンランプからなる加熱ヒータ(以下、「定着ヒータ」という)33が内蔵され、定着ローラ31を加熱する。
本実施形態においては、加圧ローラ32の方は加熱ヒータを具備していない簡易型のものであり、シートを通紙させない状態で、所定時間空回転させることにより定着ローラ31を介して定着ヒータ33の熱により加熱するように構成されている。もちろん、加圧ローラ32にも加熱ヒータを設けても構わないが、直接トナー像に接しないので定着ヒータ33ほどの出力は要求されない。
分離爪37、38で分離されたシートは、搬送ローラ対39によりさらに下流側へと送られる。
したがって、シートSが、図3(a)に示すように定着ニップに近付いていないときは、赤外線温度センサ34、35はそれぞれ加圧ローラ32、定着ローラ31の表面温度を検出するが、図3(b)に示すようにシートSが定着ニップに近付くと、それぞれの検出領域を遮ることになるので、赤外線温度センサ34、35は、シートSの表裏の温度を検出する。このときの赤外線温度センサ35の検出結果に基づき、赤外線温度センサ34の検出結果が補正される。詳しくは後述する。
図4は、制御部40の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部40は主な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)41、通信インターフェース(I/F)部42、ROM(Read Only Memory)43、RAM(Random Access Memory)44、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )45等を備える。
CPU41は、ROM43から必要なプログラムを読み出し、画像形成部10、定着部30等の動作をタイミングを取りながら統一的に制御して、通信I/F部42が受信したプリントジョブのデータに基づくプリント動作を円滑に実行させる。
(3)赤外線温度センサの温度補正方法
上記図3(b)において説明したように、シートSはその襷掛けの交点付近を横切るように、定着ニップ部へと搬送され、赤外線温度センサ34は定着ローラ31と接触する側のシートS表面温度を検出し、赤外線温度センサ35は加圧ローラ32と接触する側のシートS表面温度を検出する。
コピーやプリントのジョブを受け付けて、当該ジョブの実行を開始すると(ステップS1:YES)、赤外線温度センサ35による定着ローラ31表面の検出温度T1と、赤外線温度センサ34による加圧ローラ32表面の検出温度T2を取得する(ステップS2)。
シートが、赤外線温度センサ34、35の検出領域内にあるか否かは、それぞれのセンサのうち、そのシート搬送路上の検出位置が、より定着ニップ側にある方(図3(b)では、双方のシート搬送路上のセンサ検出位置がほとんど同じになるようにしているが、必ずしもその必要はない。)の検出温度が、急に低下した場合に、シートの通過を検知することができる。その他、例えば、当該センサの検出位置よりも上流側に配置されたシートセンサ(例えば、光電式のジャムセンサ)によりシートの先端が検知された後、所定時間経過後にシートがセンサの検出領域内にあると判断するようにしてもよい。
次に、現在両面画像形成モードが実行されており、当該シートが、すでにその第1面に画像形成されたものであるか否かの判定を行う(ステップS5)。
シートが第2面の場合、即ち第1面に画像が形成済みの場合は、すでに定着ニップ部を通過しており、シート両面の温度が同一ではないと考えられるため検出温度の補正は行われず、ジョブの終了判定ステップへと移行する(ステップS5:YES、ステップS9)。
上記検出温度差が5℃以上である場合は、赤外線温度センサ34の検出温度誤差が許容範囲を超えたとして、図7のテーブルを参照して、当該赤外線温度センサ34の温度補正量を取得・更新し保存して(ステップS7:YES、ステップS8)、ジョブが終了したかどうかの判定が行われる(ステップS9)。
ジョブが終了であれば新しいジョブが開始されたかどうかの判定に戻り(ステップS9:YES、ステップS1)、ジョブが終了でなければ再び定着ローラと加圧ローラの表面温度を取得する(ステップS9:NO、ステップS2)。
そして、当該補正量で補正された赤外線温度センサ34の検出結果に基づき、制御部40が、加圧ローラ32の温度制御を実行する。
なお、ステップS9のジョブ終了判定は、コピージョブの場合には、読み込んだ原稿の枚数と、画像形成を完了した枚数の関係から容易に判断できる。また、プリントジョブの場合には受け付けたプリントジョブデータのヘッダ部分に印刷枚数に関する情報が含まれているので、その枚数から画像形成を完了した枚数を差し引くことで判断できる。
なお、この補正量は、画像形成装置の電源状態の変化が起きた場合、例えば、画像形成装置の電源がOFFからONになった場合やジョブが入力されてスリープモード(節電のため、定着ローラの温度を通常の定着温度よりも低い状態で維持するモード)が解除された場合等には、定着温度が維持されない状態が長時間経過していると考えられ、各赤外線温度センサのCANの温度も補正時の温度ではなくなっているので、次の図6のフローチャートに示すようなタイミングで初期値にリセットされる。
ステップS11の判定が否定的な場合には、次に副電源がONになったかどうかの判定が行われる(ステップS11:NO、ステップS12)。ここで、副電源とは、制御系の電源を除く、他の全ての駆動系、定着装置用の電源を意味する。
スリープモードの解除が行われた場合は、補正量が初期値「0」にリセットされる(ステップS13:YES、ステップS14)。スリープモードの解除が行われなかった場合、このリセットの制御は終了する(ステップS13:NO)。
上記実施の形態1においては、赤外線温度センサ35の定着ローラ31からの輻射熱による赤外線の影響は、赤外線温度センサ34と比較して小さいとはいえ皆無ではない。それゆえ、長時間連続して定着する場合に赤外線温度センサ35の検出温度誤差も無視できない程度に増加することが考えられる。
すなわち、定着ニップまで搬送されてきたシートは、機内の給紙カセットにある程度の時間収納されていたものなので、その表裏の温度は、環境センサにより検出された機内の環境温度にほぼ等しいと考えられ、当該環境温度をシート推定温度として用い、この値と各赤外線温度センサにより検出されたシート表裏の温度に基づき、補正量を決定するようにしている。
同フローチャートにおいて、ステップS21からS24までの、定着ローラ31、加圧ローラ32の表面温度T1、T2の取得処理、赤外線温度センサ34、35の検出領域を通過するシートの検出温度t2、t1の取得処理は、図5のステップS1〜S4と同じなので、説明を省略し、以下ではステップS25以降の本実施の形態特有の内容について説明する。
ステップS30では、ジョブが終了したか否かを判定し、終了していなければステップS22に戻って上記温度補正量の取得処理を繰り返し、終了していれば、ステップS21に戻って、次のジョブの開始を待つ。
特に、画像形成装置においては、良好な転写画像を得るため転写部付近の温度を検出して転写電圧をするようになっており、そのために環境センサによる機内温度のモニタは不可欠であるので、これを定着装置における温度検出の補正に利用することにより、コストアップを招来することもない。なお、この環境センサは、赤外線温度センサである必要はなく、他の安価なサーミスタなどであっても構わない。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記実施の形態2において、定着装置へのシート搬送路途中であって、当該定着温度の影響があまり受けない位置において、通過するシートの温度を測定する温度センサを別途配置し、当該温度センサの検出温度を環境センサによるシートの推定温度に代えて用い、赤外線温度センサ34、35の検出温度誤差の補正を行うようにしてもよい。
(2)実施の形態1において、加圧ローラ側にヒータを設ける場合もある(特に、高速機など)。この場合でも、定着ローラ側のヒータと比較して加圧ローラ側のヒータの加熱能力は十分に低く、例えば、定着ローラ側のヒータが1000〜1200Wである場合に、加圧ローラ側のヒータは200〜400W程度であり、その制御目標温度も低く設定されるため、赤外線温度センサ35が加圧ローラ32から受ける熱の影響は小さく、当該検出値により実施の形態1の方法で赤外線温度センサ34の検出温度誤差の補正を行っても、ある程度の効果を得ることが出来る。
(3)上記実施の形態1において、二つの赤外線温度センサの検出温度差が5℃を超えた場合に補正を行うとしたが、補正を行う温度差の閾値は5℃に限定されるものではなく、定着ローラと赤外線温度センサの距離、定着ローラおよび加圧ローラの材質、シートの材質や厚み、トナー素材、その他様々な要因により影響される定着画像の質、シートのカール量、およびシート表裏面の光沢差等に鑑みて、実験的もしくは経験的に決定される任意の値を用いても良いことは勿論である。
実施の形態2についても同様である。
(4)上記各実施の形態において、定着装置における加熱・加圧回転体としてローラを用いているが、ローラの代わりにベルトを用いる方法、若しくはローラとベルトを組み合わせて用いる方法でも構わない。また、ハロゲンランプをヒータとする定着装置に限らず、その他、例えば電磁誘導加熱方式のものであっても構わない。
(5)本発明は、複写機のみならず、プリンタやファクシミリ装置、これらの機能を1台で有する複合機など、およそ熱定着装置を備えた全ての画像形成装置に適用される。
30 定着装置
31 定着ローラ(第1の回転体)
32 加圧ローラ(第2の回転体)
33 定着ヒータ
34 赤外線温度センサ(第2の温度センサ)
35 赤外線温度センサ(第1の温度センサ)
36 クリーニングローラ
37、38 分離爪
39 搬送ローラ対
40 制御部
Claims (7)
- 加熱された第1の回転体の周面に、第2の回転体の周面を押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップにシートを通過させて、当該シート上の未定着画像を定着する定着装置であって、
前記第1と第2の回転体の表面温度をそれぞれ非接触で検出する第1と第2の温度センサと、
前記第1と第2の温度センサの検出結果を利用して、前記第1と第2の回転体の温度を制御する制御手段と、
を備え、
前記第2の温度センサは、シート搬送方向において前記定着ニップより上流側であって、かつ、当該シート搬送路より前記第1の回転体側に配設されると共に、
前記制御手段は、
前記定着ニップを通過する前のシートの推定温度を取得する推定温度取得手段と、
前記第2の温度センサの検出領域を前記シートが通過するときの当該第2の温度センサによる検出結果と、前記推定温度取得手段より得られたシート推定温度に基づき、前記第2の温度センサによる第2の回転体の表面温度の検出結果の補正量を取得する補正量取得手段とを有し、
当該補正量で補正された検出温度に基づき、第2の回転体の温度制御を実行することを特徴とする定着装置。 - 前記第1の温度センサは、シート搬送方向において前記定着ニップより上流側であって、かつ、当該シートの搬送路より前記第2の回転体側に配設されており、
前記推定温度取得手段は、前記第1の温度センサの検出領域を前記シートが通過するときの当該第1の温度センサによる検出結果を前記シートの推定温度として取得することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記推定温度取得手段は、当該装置が設置される機内の環境温度を検出する第3の温度センサによる検出結果を前記シートの推定温度として取得することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記第1の温度センサは、シート搬送方向において前記定着ニップより上流側であって、かつ、当該シートの搬送路より前記第2の回転体側に配設されており、
前記補正量取得手段は、
さらに、前記第1の温度センサの検出領域を前記シートが通過するときの当該第1の温度センサによる検出結果と、前記シート推定温度に基づき、前記第1の温度センサによる第1の回転体の表面温度の検出結果の補正量を取得し、当該補正量で補正された検出温度に基づき、第1の回転体の温度制御を実行することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- シートの第1面の未定着画像の定着後にシートの第2面に画像を形成する第2面画像形成手段と、
前記定着装置の定着ニップに至るシート搬送路を通過中のシートが、既に第1面に画像形成済みであるか否かを判定する判定手段と
を備え、
前記補正量取得手段は、前記判定手段により、既に第1面に画像形成済みであると判定された場合には、前記補正量を取得しないことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記補正量取得手段により取得された補正量は、装置の電源状態の変化に応じて、初期値にリセットされることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
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