JP2010001395A - 水性防汚塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水性防汚塗料用樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】貯蔵安定性、海水中における耐水性に優れ、長期に渡って防汚効果を発現することができ、さらに密着性に優れた自己研磨性を有する水性防汚塗料用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】2価の金属を含有する重合体(A)を、水又は水/有機溶剤混合物からなる分散媒に分散してなる水性防汚塗料用樹脂組成物であって、該重合体(A)が、
2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1) 1〜40質量%
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2) 0〜8質量%
ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3) 0〜40質量%
その他エチレン性不飽和単量体単位(a4) 99〜22質量%
を含み、2段以上の多段で溶液重合された少なくとも1種の重合体からなる水性防汚塗料用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水分散型金属含有樹脂を用いた水性防汚塗料用樹脂組成物に関するものであり、より詳しくは、水中構築物、漁網、船底への海中生物及び海藻類の付着を防止する塗膜を形成することが可能な水性防汚塗料用樹脂組成物に関するものである。
防汚塗料から形成される塗膜は、これに含まれる防汚薬剤成分が海中に溶出することによって防汚効果を発揮する。ロジン系化合物を使用した崩壊型防汚塗料から形成される塗膜は、長時間海中に浸漬した場合、徐々に溶出分が少なくなり、不溶出分が多くなる。このため、塗膜面が凹凸状となり、海中生物等の生物の付着防止効果が著しく低下する。
一方、自己研磨型防汚塗料から形成される塗膜は、塗膜表面が徐々に表面更新(自己研磨)され、塗膜表面に常に防汚成分が露出することにより、長期の防汚効果が発揮される。しかし、これらの塗料にはキシレンやアルコール等種々の有機溶剤が多量に含まれており、近年のVOC(Volatile Organic Compound)問題から、これらに代わる水性防汚塗料が種々検討されている。
自己研磨型防汚塗料として、例えば、特許文献1には、側鎖の末端部に金属原子含有基を有する樹脂を含む樹脂組成物をビヒクルとして含有する防汚塗料組成物が記載されている。また、この金属原子として、Zn、Cu、Teが記載されている。
特許文献2には、2価の金属を含有する樹脂と、水と、塩基性化合物とを含有し、アルコール系化合物を更に含有することを特徴とする水性防汚塗料組成物が提案されている。この2価の金属として、Cu、Zn、Mg、Ca、塩基性化合物としてアンモニア、アミンが記載されている。また、2価の金属を含有する樹脂が、2価の金属を含有する重合性単量体を含む単量体混合物を重合して得られるものであることが記載されている。
特許文献3においては、2価金属を有する単位及び反応性乳化剤由来の単位を有する樹脂水性分散液が提案されている。2価金属としては、Cu、Zn、Mg、Caが記載されており、前記樹脂水性分散液が、2価金属を含有する重合性単量体と反応性乳化剤と有機溶剤とを含む混合溶液を溶液重合し、必要に応じて脱溶剤処理を行った後、水と混合して得られるものであることが記載されている。
特許文献4においては、樹脂分子中にカルボキシル基及び/又は金属カルボキシレート基を含有し、かつエマルション重合によって得られる樹脂酸価が10〜300mgKOH/gの水性樹脂エマルション、及び必要に応じてカルボン酸と2価以上の金属とを有する水性金属錯体を含有する水性防汚塗料が提案されている。この金属として、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、Feが記載されている。
特許文献5においては、酸価10〜300mgKOH/gを有する基体樹脂中のカルボキシル基と2価金属との当量比が0.1〜5となるよう形成された金属カルボキシレート構造を分子内及び/又は分子間に有する樹脂を、乳化剤を用いて水分散してなる水性樹脂エマルジョンを、防汚性を有するバインダーとして含有してなる水性防汚樹脂組成物が提案されている。この2価金属として、Cu、Zn、Ca、Mgが記載されている。
特開昭62−57464号公報 特開2003−49123号公報 特開2007−23243号公報 特開2000−109729号公報 特開平11−172159号公報
しかし、特許文献1に記載されている防汚塗料は、一般的な有機溶剤に溶解した状態で使用されているものであり、近年環境衛生上望まれている水性化を満足するものではない。
特許文献2の水性防汚塗料は、2価の金属に配位する塩基性化合物を多量に含有するため、塩基性化合物が塗膜中に残存し、耐水性が低く、塗膜の密着性に課題がある。
特許文献3の水性防汚塗料は、反応性乳化剤を共重合体の構成単位として使用するため、乳化剤由来のアルキレンオキサイド等親水性ユニットが塗膜中に残存し、長期試験では塗膜の耐水性に課題がある。
特許文献4の水性防汚塗料は、エマルション重合において樹脂中に導入される2価の金属含有モノマー成分の不足を補うため、カルボン酸と金属と塩基性化合物との水性金属錯体を配合した場合、塩基性化合物が塗膜中に残存し、塗膜の耐水性、長期の防汚性が低く、また塗膜の密着性に課題がある。
特許文献5の水性防汚樹脂組成物は、キシレンや酢酸ブチル等の有機溶剤に溶解した樹脂に乳化剤を配合添加し水希釈して強制乳化してなるものであり、樹脂成分が沈殿しやすく、保存時に水層と樹脂含有層に分離凝固するため、エマルションの貯蔵安定性に課題がある。
本発明の目的は、貯蔵安定性、海水中における耐水性に優れ、長期に渡って防汚効果を発現することができ、さらに密着性に優れた自己研磨性を有する水性防汚塗料用樹脂組成物を提供することである。
本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物は、2価の金属を含有する重合体(A)を、水又は水/有機溶剤混合物からなる分散媒に分散してなる水性防汚塗料用樹脂組成物であって、
該重合体(A)が、
2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1) 1〜40質量%
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2) 0〜8質量%
ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3) 0〜40質量%
その他エチレン性不飽和単量体単位(a4) 99〜22質量%
を含み、2段以上の多段で溶液重合された少なくとも1種の重合体からなることを特徴とする。
本発明によれば、貯蔵安定性、海水中における耐水性に優れ、長期に渡って防汚効果を発現することができ、さらに密着性に優れた自己研磨性を有する水性防汚塗料用樹脂組成物を提供することができる。
本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物は、2価の金属を含有する重合体(A)を、水又は水/有機溶剤混合物からなる分散媒に分散してなる水性防汚塗料用樹脂組成物であって、
該重合体(A)が、
2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1) 1〜40質量%
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2) 0〜8質量%
ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3) 0〜40質量%
その他エチレン性不飽和単量体単位(a4) 99〜22質量%
を含み、2段以上の多段で溶液重合された少なくとも1種の重合体からなることを特徴とする。
[2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)]
前記重合体(A)中における2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)の含有率は、1〜40質量%の範囲とする。これは、1質量%以上とすることにより、形成される塗膜により優れた自己研磨性が付与される。5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、40質量%以下とすることによって、密着性と加水分解性のバランスが優れると共に、長期の自己研磨性を維持し、防汚効果がより向上する。好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
重合体(A)を合成する際、原料として用いる2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)の原料として用いる2価金属含有エチレン性不飽和単量体は、2価金属とイオン結合するカルボキシル基を有する単量体であって、2個の不飽和基を有する2価金属含有エチレン性不飽和単量体(a1a)及び/又は下記の一般式(I)で示される2価金属含有エチレン性不飽和単量体(a1b)であることが好ましい。
CH2=C(R1)−COO−M−R2 (I)
(式中、Mは2価金属、R1は水素原子又はメチル基、R2は有機酸残基を示す)。
前記2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)に含有される2価金属の金属としては、Mg、Ca、Zn及びCuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を用いることが、水への溶解性の観点から好ましい。得られる重合体(A)の透明性の観点から、Mg、Ca、Znがより好ましく、Znが更に好ましい。前記金属は、1種を用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
単量体(a1a)としては、例えば、アクリル酸マグネシウム[(CH2=CHCOO)2Mg]、メタクリル酸マグネシウム[(CH2=C(CH3)COO)2Mg]、アクリル酸カルシウム[(CH2=CHCOO)2Ca]、メタクリル酸カルシウム[(CH2=C(CH3)COO)2Ca]、アクリル酸亜鉛[(CH2=CHCOO)2Zn]、メタクリル酸亜鉛[(CH2=C(CH3)COO)2Zn]、アクリル酸銅[(CH2=CHCOO)2Cu]、メタクリル酸銅[(CH2=C(CH3)COO)2Cu]等の(メタ)アクリル酸2価金属塩を挙げることができる。前記単量体(a1a)は、1種又は2種以上を必要に応じて適宜選択して用いることができる。中でも(メタ)アクリル酸亜鉛を使用する場合、溶液重合により得られる重合体(A)の透明性が高くなり、水性防汚塗料組成物の塗膜の色調が美しくなる傾向にあるため、好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味する。
単量体(a1a)は、無機金属化合物とカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(例えばアクリル酸、メタクリル酸)とを有機溶剤等の希釈剤或いは重合性不飽和基等を有する反応性希釈剤中で反応する方法により得られる。前記方法で得られる単量体(a1a)成分を含有する反応物は、有機溶剤や他の単量体との相溶性に優れるため、重合を容易に行うことができるため好ましい。前記反応は水の存在下で行うことが好ましく、反応物中の水の含有量を0.01〜30質量%の範囲とすることが好ましい。
前記単量体(a1b)のR2の有機酸残基としては、モノクロル酢酸、モノフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、バーサチック酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、クレソチン酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、安息香酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、キノリンカルボン酸、ニトロ安息香酸、ニトロナフタレンカルボン酸、プルビン酸等の一価の有機酸から誘導される残基が挙げられる。これらは必要に応じて適宜選択することができるが、長期に亘りクラックや剥離を防止できる耐久性の高い塗膜を得る観点から、脂肪酸(脂肪族モノカルボン酸)系残基、例えば炭素数1〜20の脂肪酸系残基が好ましい。なお、前記式(I)中のR2の有機酸残基は、有機酸のカルボキシル基からプロトンを除いた残りの部分をいい、このプロトンの代わりに金属Mとイオン結合している。
単量体(a1b)の具体例としては、モノクロル酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸銅(メタ)アクリレート;モノフルオロ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸銅(メタ)アクリレート;酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、酢酸銅(メタ)アクリレート;プロピオン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プロピオン酸銅(メタ)アクリレート;オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸カルシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸銅(メタ)アクリレート;バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸カルシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸銅(メタ)アクリレート;イソステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸カルシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、イソステアリン酸銅(メタ)アクリレート;パルミチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、パルミチン酸銅(メタ)アクリレート;クレソチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、クレソチン酸銅(メタ)アクリレート;α−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート;β−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート;安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、安息香酸銅(メタ)アクリレート;2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸銅(メタ)アクリレート;2,4−ジクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸銅(メタ)アクリレート;キノリンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸銅(メタ)アクリレート;ニトロ安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸銅(メタ)アクリレート;ニトロナフタレンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸銅(メタ)アクリレート;プルビン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プルビン酸銅(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら単量体(a1b)は、1種又は2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができる。中でも、亜鉛含有単量体を用いると、得られる樹脂成分の透明性が高くなり、塗膜の色調が美しくなるため好ましい。さらに、塗膜の耐久性の点から、脂肪酸亜鉛(メタ)アクリレート(式(I)のMが亜鉛、R2が脂肪酸残基)を用いることがより好ましい。なお、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味する。
単量体(a1b)は、無機金属化合物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、式(I)中の有機酸残基R2に対応する非重合性有機酸とを、有機溶剤等の希釈剤或いは重合性不飽和基等を有する反応性希釈剤中で反応する方法により得られる。
2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)の原料としては、前記単量体(a1a)と単量体(a1b)とを併用することが、形成される塗膜の自己研磨性が長期に亘り維持され、かつ十分に塗膜が消耗し、良好な防汚性が得られる観点から好ましい。特に、単量体(a1a)としての(メタ)アクリル酸亜鉛と、単量体(a1b)としての脂肪酸亜鉛(メタ)アクリレート(式(I)のMが亜鉛、R2が脂肪酸残基)との組み合わせがより好ましい。
また、2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)の原料として、単量体(a1a)と単量体(a1b)とを併用する場合には、重合体(A)中の単量体(a1a)からなる単量体単位と単量体(a1b)からなる単量体単位とのモル比(a1/a1)を10/90〜90/10の範囲とすることが好ましい。(a1/a1)を90/10以下とすることによって、耐クラック性や密着性により優れた塗膜が得られるため好ましい。また、10/90以上とすることによって、形成される塗膜の十分な自己研磨性がより長期間維持されるため好ましい。より好ましくは20/80〜80/20の範囲であり、更に好ましくは30/70〜70/30の範囲である。
また、単量体(a1a)と単量体(a1b)とを含有する単量体混合物は、無機金属化合物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、式(I)中の有機酸残基R2に対応する非重合性有機酸とを、有機溶剤等の希釈剤或いは重合性不飽和基等を有する反応性希釈剤中で反応することによって得ることができる。
その際、非重合性有機酸の使用量を無機金属化合物に対して0.01〜3倍モルの範囲とすることが好ましく、0.01〜0.95倍モルの範囲とすることがより好ましい。非重合性有機酸の使用量を0.01倍モル以上とする場合、単量体混合物製造工程における固体析出が抑制されると共に、塗膜の自己研磨性、耐クラック性がより良好になるため好ましい。また、3倍モル以下とする場合、塗膜の防汚性がより長期間維持されるため好ましい。さらに好ましい非重合性有機酸の使用量は、0.1〜0.7倍モルである。
なお、後述するように、重合体(A)の合成の際、前記2価金属含有エチレン性不飽和単量体を原料に用いない場合でも、以下の(i)〜(iii)を順次行うことによっても単量体単位(a1)を重合体(A)に含有させることができる。
(i)1段目の原料としてカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2a)を含む単量体混合物(b1)を用いて1段目の重合を行う。
(ii)1段目で得られた重合体と2価の金属化合物とを反応することで、1段目の重合体に2価金属を導入する。
(iii)前記反応物の存在下、2段目の原料としてカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2a)を含む単量体混合物(b3)を用い、2段目の重合を行う。
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2)]
前記重合体(A)に含まれるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2)は、0〜8質量%の範囲とする。貯蔵安定性が良好になる点で1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。また、8質量%を超えると、重合体の粘度が極めて高くなると共に、塗膜の耐水性、密着性が低下する。好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下である。
重合体(A)の合成の際、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2)の原料として用いるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2a)としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の一塩基酸又は二塩基酸単量体類、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等に代表される二塩基酸又は酸無水物単量体のモノエステル類等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができる。
[ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3)]
前記重合体(A)に含まれるヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3)は、0〜40質量%の範囲とする。ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3)は任意の成分であるが、40質量%以下とすることにより、塗膜の耐水性が向上し、密着性が良好となる傾向にある。30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
重合体(A)の合成の際、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3)の原料として用いるヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a3a)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトン等との付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の二量体又は三量体、グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基を複数有する単量体、エチレングリコールアリルエーテル、プロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル等の末端ヒドロキシアリル化ポリエーテル単量体等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができる。
[その他エチレン性不飽和単量体単位(a4)]
重合体(A)の合成の際、その他エチレン性不飽和単量体単位(a4)の原料として用いるその他エチレン性不飽和単量体(a4a)としては、前記2価金属含有エチレン性不飽和単量体、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2a)及びヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a3a)とは異なる、重合性C=C2重結合を有する単量体であれば特に限定されるものではない。その他エチレン性不飽和単量体単位(a4)を有することにより、形成される塗膜の可撓性や耐クラック・耐剥離性と、長期の自己研磨性とをバランスよく良好にすることができる。重合体(A)に含まれるその他エチレン性不飽和単量体単位(a4)の含有率は、99〜22質量%とする。なお、重合体(A)に含まれる(a1)〜(a4)の各単量体単位の含有率の合計は、100質量%とする。
その他エチレン性不飽和単量体(a4a)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチルヘキサオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、o−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等の第一級及び第二級アミノ基含有ビニル単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第三級アミノ基含有ビニル単量体、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の複素環系塩基性単量体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系単量体、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル等の末端アルコキシアリル化ポリエーテル単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル等の多官能単量体を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができる。
また、その他エチレン性不飽和単量体(a4a)として、重合反応時に乳化剤として機能するとともに、単量体と共重合し、得られる共重合体の構成単位を形成する、反応性乳化剤も用いることができる。重合体(A)に反応性乳化剤が導入されると、反応性乳化剤由来の単位が分散性の向上に寄与する。
このような反応性乳化剤としては、ラジカル重合性の炭素間二重結合(C=C)を有する界面活性剤を用いることができ、好ましくは、ラジカル重合性の炭素間二重結合(C=C)を有するノニオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤を用いることができる。
また、このような反応性乳化剤としては、例えば、日本乳化剤社製の「アントックスMS60」、第一工業製薬社製の「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、旭電化工業社製の「アデカリアソープSE10」、「アデカリアソープSR10」、「アデカリアソープSR20」、三洋化成工業社製の「エレミノールJS2」等のアニオン系反応性乳化剤、第一工業製薬社製の「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、旭電化工業社製の「アデカリアソープNE10」、「アデカリアソープNE20」、「アデカリアソープNE30」、「アデカリアソープER10」等のノニオン系反応性乳化剤がある。これらの反応性乳化剤は1種又は2種以上を必要に応じて適宜選択して用いることができる
なお、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a3a)又はその他エチレン性不飽和単量体(a4a)のうち、(メタ)アクリレート単量体に比較してラジカル重合性に乏しいアリル化ポリエーテル単量体を、2価金属含有エチレン性不飽和単量体合成時、重合体(A)合成時の反応性希釈剤として用いることもできる。2価金属含有エチレン性不飽和単量体合成時、あるいは重合体(A)合成時には、反応媒体として有機溶剤など希釈剤を反応容器に投入する必要があるが、前記アリル化ポリエーテル単量体を有機溶剤の一部あるいは全てとして用いることで、必要となる有機溶剤量を低減し、また、貯蔵安定性を向上させることが可能となる。
[重合体(A)]
本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物に含まれる重合体(A)は、前記(a1a)〜(a4a)の単量体を、2段以上で重合することにより合成する。
前記重合体(A)は、まず、原料として用いる単量体の一部を、重合体(A)を溶解する希釈剤中、重合開始剤の存在下1段目重合を行い、その後、前記(a1a)〜(a4a)の単量体の残りについて、2段目以降の重合を行うことで得られる。
前記重合体(A)は、少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b1)を溶液重合する工程と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含まず、かつ2価金属含有エチレン性不飽和単量体((a1a)又は(a1b))を含む単量体混合物(b2)を溶液重合する工程を含む2段以上の多段で溶液重合する工程を経て得られることが、重合体の貯蔵安定性の観点から好ましい。このような多段での重合方法を採用することにより、重合体にカルボキシル基を局所的に導入することができ、それに由来して分散安定性、塗膜の耐水性が向上し、水分散体とした場合の粘度が低減できると推測している。
単量体混合物(b1)と(b2)の重合の順序は問わないが、重合体の経時での分散安定性に優れる点で、単量体混合物(b1)を重合した後に(b2)を重合させることが好ましい。先に単量体混合物(b2)を重合し、その後に単量体混合物(b1)を重合した場合、生成した金属エステル部分が一部、カルボキシル基の作用でエステル交換して解離し安定性が低下する場合がある。
また、前記重合体(A)は、少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b1)を溶液重合する1段目重合と、1段目重合で得られた重合体と2価の金属化合物を反応する工程と、前記工程の反応物の存在下に少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b3)を重合する2段目重合を少なくとも含む多段溶液重合により得ることができる。
この方法では、前記2価金属含有エチレン性不飽和単量体((a1a)又は(a1b))を原料に用いない場合にも、1段目重合で得られた重合体のカルボキシル基と2価の金属化合物を反応させることにより、該重合体中に、2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)を導入することができる。
前記1段目重合で得られた重合体のカルボキシル基に金属を付加する方法としては、例えば、特開昭62−57464号公報や特開平8−209005号公報に記載されている公知の方法に従って行うことができる。具体的には、1段目重合で得られた重合体と、2価金属の酸化物、2価金属の水酸化物又は2価金属の塩化物と、一価の有機酸又は水とを、該重合体の分解温度以下の温度で加熱攪拌して行うことができる。
前記重合反応に用いる希釈剤としては、特に限定されるものではないが、具体例として、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャリブチルアルコール、2−ブチルアルコール、2−メトキシエタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等の一価アルコール類、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、メチルエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、n−ペンタン、n−ヘキサンなどの脂肪族系炭化水素類、トルエン、キシレン、ソルベントフサ等の芳香族系炭化水素類、前記アリル化ポリエーテル単量体が挙げられる。これら希釈剤は、1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。しかし、重合体(A)の製造安定性及び水分散安定性が良好となるため、アルコール系化合物を含むことが好ましい。前記1段目重合を行う場合の希釈剤としては、有機溶剤量を低減できる観点からはアリル化ポリエーテル単量体が好ましい。
前記重合開始剤としては、特に限定されず、公知の重合開始剤を用いることができる。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオクトエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)等のアゾ系化合物が挙げられる。重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、特に限定されず、適宜設定することができる。
また、必要に応じて、前記重合反応には公知の連鎖移動剤を用いてもよい。
以上のようにして得られる重合体(A)の分子量は、所望の特性に応じて適宜決定することができるが、例えば、重量平均分子量(Mw)1,000〜50,000の範囲に設定することができる。
[水性防汚塗料用樹脂組成物]
以上のようにして得た重合体(A)を、水又は水/有機溶剤混合物からなる分散媒に分散することにより、本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物を得ることができる。
前記重合体(A)が、重合体(A)を溶解する希釈剤の存在下又は非存在下、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2a)を少なくとも用いて溶液重合した後、得られた重合体中のカルボキシル基の一部又は全てを中和後、前記分散媒に分散することが、水相へのスムーズな移行の観点から好ましい。前記中和は、重合体(A)に塩基性化合物を加えることで行われる。用いる塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア(水溶液)、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ブタノールアミン等のアルコールアミン類、モルホリン、イソホロンジアミン等が好ましく挙げられる。塩基性化合物は1種を用いても2種以上を併用してもよい。これらの塩基性化合物を、中和度(即ち、中和剤の酸に対するモル比)が40〜150%、好ましくは60〜120%となるような配合量で加える。本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物のpHは、6.0〜11.0、好ましくは6.5〜9.0である。
また、前記重合体(A)が、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a3a)を少なくとも用いて溶液重合され、該重合体(A)を前記分散媒中に分散した後、更にヒドロキシル官能性架橋剤を加えて架橋することにより、強靭性・耐水性等の塗膜性能が向上するため好ましい。
ヒドロキシル官能性架橋剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート等のポリイソシアネート等が挙げられる。特に反応温度、塗膜物性の点でポリイソシアネートの使用が好ましく、水溶性又は水分散タイプのヒドロキシル官能性架橋剤の使用がより好ましい。
ヒドロキシル官能性架橋剤の使用量は、特に限定されないが、ハンドリング、造膜性、防汚性を低下させない範囲で使用することができる。
前記水性防汚塗料用樹脂組成物は、重合体(A)を、造膜性、防汚性の点から、20〜60質量%の範囲で含有することが好ましい。
前記分散媒としては、水又は水/有機溶剤混合物を用いることができる。前記有機溶剤としては、重合体(A)の重合反応に用いた希釈剤を用いることができる。この希釈剤としては、分散性の点から、前記重合反応に用いられる希釈剤として例示したアルコールやグリコールエーテル等のアルコール系化合物が好ましい。これらの中でも、アルコールとしては、比較的沸点の低い炭素数1〜6、好ましくは炭素数2〜4の一価アルコール、グリコールエーテルとしては、炭素数3〜11、好ましくは炭素数3〜8のグリコールエーテルを好適に用いることができる。
前記水性防汚塗料用樹脂組成物中の前記希釈剤の含有量としては、0〜20質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましい。重合体(A)の重合反応に用いた希釈剤により、希釈剤の含有量が前記範囲を超え、希釈剤含有量を下げる必要がある場合には、必要に応じて減圧留去等により希釈剤の除去操作(脱溶剤処理)を行ってもよい。
本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物は、必要に応じて、他の防汚剤を配合してもよい。この防汚剤としては、要求性能に応じて適宜選択して使用することができ、例えば、亜酸化銅、チオシアン銅、銅粉末等の銅系防汚剤を始め、鉛、亜鉛、ニッケル等その他の金属化合物、ジフェニルアミン等のアミン誘導体、ニトリル化合物、ベンゾチアゾール系化合物、マレイミド系化合物、ピリジン系化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用できる。より具体的には、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメート、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、ジンクエチレンビスジチオカーバメイト、ロダン銅、4,5−ジクロロ−2−nオクチル−3(2H)イソチアゾロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N’−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩、テトラメチルチウラムジサルファイド、Cu−10%Ni固溶合金、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、3−ヨード−2−プロピニールブチルカーバメイト、ジヨードメチルパラトリスルホン、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、フェニル(ビスピリジル)ビスマスジクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾール、ピリジン−トリフェニルボラン等を挙げることができる。
本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物には、塗膜表面に潤滑性を付与し、生物の付着を防止する目的で、ジメチルポリシロキサン、シリコーンオイル等のシリコン化合物やフッ化炭素等の含フッ素化合物等を配合することができる。
さらに、本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物は、各種の顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、可塑剤、他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤等を含有してもよい。
本発明の水性防汚塗料用樹脂組成物を用いた塗膜は、船舶や各種の漁網、港湾施設、オイルフェンス、橋梁、海底基地等の水中構造物等の基材表面に、直接に、若しくは下地塗膜を介して形成することができる。この下地塗膜としては、ウオッシュプライマー、塩化ゴム系やエポキシ系等のプライマー、中塗り塗料等を用いて形成できる。塗膜の形成方法は、基材表面或いは基材上の下地塗膜の上に、水性防汚塗料用樹脂組成物を、刷毛塗り、吹き付け塗り、ローラー塗り、沈漬塗り等の手段で塗布することができる。塗布量は、一般的には乾燥塗膜として10〜400μmの厚さになる量に設定できる。塗膜の乾燥は、通常、室温で行うことができ、必要に応じて加熱乾燥を行ってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部は質量部を表す。また、重合体(A)に含まれる(a1)〜(a4)の単量体単位の含有率は、(a1)〜(a4)の単量体単位の原料となる単量体の仕込み量から、該単量体が全て重合反応したとして計算した。本実施例で調製した水性防汚塗料用樹脂組成物の評価は、以下に示す方法で行った。
[貯蔵安定性評価]
水性防汚塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性の評価は、水性防汚塗料用樹脂組成物を温度40℃の条件で3日間、10日間、1ヶ月間保存し、沈殿物の有無を目視で確認した。評価は以下の基準で行った。
○:所定時間経過後に樹脂成分が沈殿・分離せず、凝固物の形成なし
△:少量沈殿物があるが、攪拌により分散
×:樹脂成分が沈殿・分離、凝固し、攪拌しても再分散せず。
[塗膜の消耗度試験]
水性防汚塗料用樹脂組成物を、それぞれ50mm×50mm×2mm(厚さ)の硬質塩化ビニル板に、乾燥膜厚120μmになるようにアプリケーターで塗布して試験板を作製し、該試験板を海水中に設置した回転ドラムに取り付け、周速7.7m/s(15ノット)で回転させて1カ月後及び3ヶ月後の消耗膜厚を測定した。
[耐水性試験]
あらかじめ防錆塗料が塗布してあるサンドブラスト鋼板からなる基板上に、水性防汚塗料用樹脂組成物を乾燥膜厚が120μmになるように塗布して試験板を作製した。該試験板を、滅菌濾過海水中に1ヶ月間浸漬した後、該試験板を温度20℃の室温で1週間乾燥し、塗膜表面を観察した。評価は以下の基準で行った。
◎:クラック及び剥離が全く観察されない
○:クラックがわずかに観察される
△:一部にクラック、剥離が観察される
×:クラック、剥離が全面に観察される。
[碁盤目剥離性試験]
前記耐水性試験と同様に作製した試験板を、滅菌濾過海水中に1ヶ月間浸漬した後、該試験板を温度20℃の室温で1週間乾燥し、碁盤目剥離試験を行った。碁盤目剥離試験は、該試験板に対し2mm間隔で基材まで達するクロスカットを入れ、2mm2の碁盤目を25個作り、その上にセロテープ(登録商標)を貼り付け急激に剥がし、剥離した碁盤目の状態を観察した。評価は以下の基準で行った。
◎:碁盤目の剥離及び碁盤目の角の剥がれが全く観察されない
○:碁盤目の剥離はないが、碁盤目の角のみが剥がれる
△:1〜12個碁盤目が剥離する
×:13〜25個碁盤目が剥離する。
[製造例M1]
撹拌機、温度調整機、滴下装置を備えた反応容器に、MFDG(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)66.3部及び酸化亜鉛(ZnO)41部を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。そこへ、
メタクリル酸(MAA) 43部
アクリル酸(AA) 36部
水 5部
からなる混合物を3時間かけて等速滴下した。滴下終了後、反応溶液は乳白色状態から透明となった。さらに2時間撹拌した後、MFDGを10部添加して、透明な2価金属含有エチレン性不飽和単量体混合物M1を得た。各原料の仕込み量、得られた2価金属含有エチレン性不飽和単量体混合物M1の金属含有量及び固形分濃度を表1に示す。
[製造例M2、M3]
製造例M1と同様の方法で、表1に示す仕込み量で2価金属含有エチレン性不飽和単量体混合物M2、M3を製造した。但し、MFDGに代えて、製造例M2ではPKA5001を、製造例M3ではAGを用いた。
Figure 2010001395
[製造例P1]
撹拌機、温度調整機、滴下装置を備えた反応容器に、MFDG(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)25.9部を仕込み、撹拌しながら130℃に昇温した。
<工程1>
その後、下記原料からなる混合物を、1時間かけて等速滴下し、更に0.5時間共重合反応を行った(以下、この反応工程を工程1と称する)。
アクリル酸(AA) 1部
エチルアクリレート(EA) 14部
連鎖移動剤(商品名:「ノフマーMSD」、日本油脂社製) 0.5部
開始剤(商品名:「パーブチルO」、日本油脂社製) 1部。
<工程2>
次いで、下記原料からなる混合物を3時間で等速滴下し、更に0.5時間共重合反応を行った(以下、この反応工程を工程2と称する)。
2価金属含有エチレン性不飽和単量体混合物M1 9.1部 (2価金属含有エチレン性不飽和単量体固形分 5部)
メチルメタクリレート(MMA) 25部
エチルアクリレート(EA) 45部
n−ブチルアクリレート(BA) 10部
連鎖移動剤(商品名:「ノフマーMSD」、日本油脂社製) 1部
開始剤(商品名:「パーブチルO」、日本油脂社製) 5部。
次いで、「パーブチルO」0.5部を添加し、さらに1時間重合反応を続けた。さらに、80℃に降温して、ジメチルエタノールアミン(DMEA)1.1部を加え、均一になるまで混合した後、脱イオン水92.2部を徐々に加え、重合体(A)水分散体P1を得た。各原料の仕込み量、得られた重合体(A)の各単量体単位含有率、重合体(A)水分散体P1の特性値、貯蔵安定性を表2に示す。
[製造例P2〜P12]
製造例P1と同様の方法で、表2に示す仕込み量で重合体(A)水分散体P2〜P12を製造した。
但し、製造例P7では、工程1完了後、水酸化亜鉛7.1部、バーサチック酸7部を加えて2時間撹拌し、その後、工程2を続けた。製造例P7における2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1)の含有率は以下のように計算した。
AAから水素原子を除いた分子量:71
バーサチック酸から水素原子を除いた分子量:174
水酸化亜鉛の式量:99.4
亜鉛原子量:65.4
AA部分:7.6部×71/72=7.49部
水酸化亜鉛部分:7.1部×65.4/99.4=4.67部
バーサチック酸部分:7部×174/175=6.96部
7.49+4.67+6.96=19.12。
また、製造例P8では、製造例P1と同様の工程を行った後、更にヒドロキシ官能性架橋剤(商品名:「ハイヒジュールVPLS2336」、バイエル社製)7部を添加し、そのまま2時間攪拌を続けて重合体(A)水分散体P8を得た。
また、製造例P10では、工程2を行わず、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2a)と2価金属含有エチレン性不飽和単量体混合物(M1)を含む単量体混合物を1段で重合した。
Figure 2010001395
PKA5006:メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(商品名:「ユニオックスPKA5006」、日本油脂社製)
PKA5001:ポリエチレングリコールアリルエーテル(商品名:「ユニオックスPKA5001」、日本油脂社製)
AG:エチレングリコールアリルエーテル(日本乳化剤社製)
SR10:「アデカリアソープSR10」(旭電化工業社製)
*括弧内は単量体成分のみの質量部。
[実施例1]
製造例P1で得られた重合体(A)水分散体P1の222.2部に対し、水30部を混合し、水性防汚塗料用樹脂組成物を得た。各原料の配合量、得られた水性防汚塗料用樹脂組成物の消耗度試験、耐水性試験及び碁盤目剥離性試験の結果を表3に示す。
[実施例2〜9]
実施例1同様に、製造例P2〜P9について水性防汚塗料用樹脂組成物を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例1〜3]
実施例1同様に、製造例P10〜P12について水性防汚塗料用樹脂組成物を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2010001395
製造例P1〜P9で調製した重合体(A)水分散体P1〜P9は、貯蔵安定性、すなわち分散安定性が良好であった(表2)。また、1ヶ月以上貯蔵した場合、一部沈殿が生じるものがあったが、再度攪拌することで、沈殿樹脂は分散した。また、重合体(A)水分散体P1〜P9を使用した水性防汚塗料用樹脂組成物(実施例1〜9)は、海水中における耐水性に優れ、自己研磨性、密着性も良好であった(表3)。
一方、工程2を行わず、単量体混合物を1段で重合することにより調製した重合体(A)水分散体P10は、極めて粘度が高く(表2)、重合体(A)水分散体P10を用いた水性防汚塗料用樹脂組成物(比較例1)は、耐水性、密着性が低かった(表3)。また、2価金属含有単量体単位を含まない重合体(A)水分散体P11を用いた水性防汚塗料用樹脂組成物(比較例2)は、自己研磨性を示さなかった(表3)。また、カルボキシル基含有単量体単位(a2)を10質量%含む重合体(A)水分散体P12を用いた水性防汚塗料用樹脂組成物(比較例3)は、きわめて粘度が高く(表2)、耐水性、密着性共に低かった(表3)。

Claims (6)

  1. 2価の金属を含有する重合体(A)を、水又は水/有機溶剤混合物からなる分散媒に分散してなる水性防汚塗料用樹脂組成物であって、
    該重合体(A)が、
    2価金属含有エチレン性不飽和単量体単位(a1) 1〜40質量%
    カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a2) 0〜8質量%
    ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(a3) 0〜40質量%
    その他エチレン性不飽和単量体単位(a4) 99〜22質量%
    を含み、2段以上の多段で溶液重合された少なくとも1種の重合体からなる水性防汚塗料用樹脂組成物。
  2. 前記重合体(A)が、少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b1)を溶液重合する工程と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含まず、かつ2価金属含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b2)を溶液重合する工程を含む2段以上の多段で溶液重合して得られた少なくとも1種の重合体からなる請求項1記載の水性防汚塗料用樹脂組成物。
  3. 前記重合体(A)が、少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b1)を溶液重合する1段目重合と、1段目重合で得られた重合体と2価の金属化合物を反応する工程と、前記工程の反応物の存在下に少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(b3)を重合する2段目重合を少なくとも含む多段溶液重合で得られた少なくとも1種の重合体からなる請求項1記載の水性防汚塗料用樹脂組成物。
  4. 前記重合体(A)が、重合体(A)を溶解する希釈剤の存在下又は非存在下、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも用いて溶液重合した後、得られた重合体中のカルボキシル基の一部又は全てを中和後、前記分散媒に分散して得られる請求項1〜3のいずれかに記載の水性防汚塗料用樹脂組成物。
  5. 前記重合体(A)が、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも用いて溶液重合され、該重合体(A)を前記分散媒中に分散した後、更にヒドロキシル官能性架橋剤を加えて架橋してなる請求項1〜4のいずれかに記載の水性防汚塗料用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水性防汚塗料用樹脂組成物を含む水性防汚塗料。
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