JP2010001200A - 圧電磁器、及び圧電素子 - Google Patents

圧電磁器、及び圧電素子 Download PDF

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Abstract

【課題】大きい圧電歪定数、小さい機械的品質係数、及び大きい比抵抗を得ることを可能にする圧電磁器を提供すること。
【解決手段】本発明の圧電磁器は、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物からなる主成分と、Dy、Gd及びYからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R2と、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R3と、を含む第一副成分と、を含有する焼結体を備え、複合酸化物が、
(Pb1−x―yMe)[(Co1/3Nb2/3TiZr]O
[式中、MeはCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。]で表される組成を有し、0<1−x−y、0≦x≦0.05、0≦y≦0.05、a+b+c=1、0<a≦0.1、0<b<1、0<c<1、及び0.753≦(b/c)×(1−a)≦0.900、を満たし、焼結体の粒界にCu元素が偏在する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電磁器、及び圧電素子に関する。
圧電素子の一つであるアクチュエータに用いられる圧電磁器には、圧電歪定数が大きいこと、機械的品質係数Qが小さいこと、及び比抵抗が大きいことが要求される。従来、大きな圧電歪定数が得られる圧電磁器としては、例えば、チタン酸鉛(PbTiO)(以下、場合により「PT」と記す。)と、ジルコン酸鉛(PbZrO)(以下、場合により「PZ」と記す。)と、コバルト・ニオブ酸鉛(Pb(Co1/3Nb2/3)O)(以下、場合により「PCN」と記す。)と、が配合された三元系圧電磁器、または、三元系圧電磁器の鉛(Pb)の一部を、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba)等で置換したものが知られている(下記特許文献1、2参照)。
特許第3761355号公報 特開2007−22841号公報
従来の圧電磁器を圧電体層として備える積層型圧電素子を作製する場合には、圧電体層と内部電極とを、圧電磁器が焼結する程度の高温(例えば、1200℃程度)で焼成する必要があった。そのため、内部電極には、融点の高い白金(Pt)やパラジウム(Pd)のような高価な貴金属を使用しなければならず、積層型圧電素子の製造コストが高くなることが問題であった。製造コストを削減するためには、より安価な銀−パラジウム(Ag−Pd)合金を内部電極に使用することが考えられるが、銀−パラジウム合金の融点は、白金やパラジウムの融点よりも低いため、Ag−Pd合金の融点以下の低い温度で焼結する圧電磁器が求められていた。例えば、上記特許文献2には、内部電極として銀−パラジウム合金を使用することを可能とする圧電磁器組成物が開示されている。
PdはAgに比べて高価であるため、製造コストを低減するには、Ag−Pd合金におけるPdの含有率をより低くすることが望ましい。しかしながら、Pdの含有率が低いほど合金の融点が低下してしまうので、Pdの含有率を低くするためには、より低い焼成温度で焼結する圧電磁器が求められる。例えば、Pdの含有率を30wt%以下とするには、焼成温度は1150℃以下、好ましくは1120℃以下とする必要がある。また、Pdの含有率を20wt%以下とするときには、焼成温度を1100℃以下、好ましくは1150℃以下に低下させることが望まれている。
最近では、上述のAg−Pd合金の代わりに、Ag−Pd合金よりも安価な銅(Cu)を内部電極に使用することも検討されている。しかし、Cuの融点はAg−Pd合金の融点よりも低い1085℃であるので、Cuを用いるためには焼成温度をCuの融点より低い温度(例えば1050℃以下)にする必要がある。また、Cuは融点よりも低い温度から焼結し始める性質を有するため、この点を考慮すると、焼成温度を例えば980℃以下にする必要がある。さらに、Cuは卑金属であるため、大気中で焼成すると酸化してしまい内部電極として使用できなくなる。したがって、Cuを内部電極に用いた積層型圧電素子を作製する場合には、低酸素雰囲気(還元性雰囲気)における低温での焼成が必要となる。
しかしながら、従来の圧電磁器を含む圧電体層とCuからなる内部電極とを備える圧電素子を、還元性雰囲気における低温での焼成によって得た場合、圧電歪定数が十分に大きくならなかったり、機械的品質係数Qが十分に小さくならなかったり、比抵抗が十分に大きくならかったりする傾向があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大きい圧電歪定数、小さい機械的品質係数、及び大きい比抵抗を得ることを可能にする圧電磁器、及び当該圧電磁器を備える圧電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の圧電磁器は、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物からなる主成分と、
Dy、Gd及びYからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R2と、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R3と、を含む第一副成分と、を含有する焼結体を備え、
複合酸化物が、
(Pb1−x―yMe)[(Co1/3Nb2/3TiZr]O
[式中、MeはCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。]
で表される組成を有し、
0<1−x−y、
0≦x≦0.05、
0≦y≦0.05、
a+b+c=1、
0<a≦0.1、
0<b<1、
0<c<1、及び
0.753≦(b/c)×(1−a)≦0.900、を満たし、
焼結体の粒界にCu元素が偏在していることを特徴とする。
上記本発明では、主成分及び第一副成分が上記組成を有し、且つ焼結体の粒界にCu元素が偏在しているため、従来の圧電磁器に比べて、圧電歪定数を増加させることができ、機械的品質係数を減少させることができるとともに、比抵抗を増加させることができる。
上記本発明では、
Pb{(R2)(R3)}O
[式中、d+e=1、0<d<1、0<e<1。]
で表される化合物に換算した第一副成分の含有量が、主成分100molに対して0molより大きく0.6mol以下であることが好ましい。これにより、本発明の効果を得易くなる。
上記本発明は、0<y≦0.03を満たすことが好ましい。これにより、圧電特性をより改善することが可能となる。
上記本発明は、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R1を含む第二副成分を含有し、元素R1に換算した第二副成分の含有量が、主成分100molに対して0molより大きく0.9mol以下であることが好ましい。これにより、圧電歪定数を増加させる効果を得易くなる。
本発明の圧電素子は、上記本発明の圧電磁器を含む圧電体層と、Cuを含み、圧電体層を介して積層された複数の内部電極と、を備える。圧電素子の製造において圧電体層の前駆体と内部電極の前駆体とを積層した状態で焼成すると、焼成中に内部電極の前駆体から圧電体層の前駆体へCu元素が熱拡散するため、焼成後に得られる圧電体層が含む圧電磁器の粒界にCu元素が偏在し易くなり、比抵抗を増加させ易くなる。
本発明によれば、大きい圧電歪定数、小さい機械的品質係数、及び大きい比抵抗を得ることを可能にする圧電磁器、及び当該圧電磁器を備える圧電素子を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な一実施形態である圧電磁器、及び当該圧電磁器を用いた圧電素子の一例である積層型圧電アクチュエータ(以下、「アクチュエータ」と記す。)について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態のアクチュエータ10を積層方向に切断して得た断面の模式図である。図1に示すように、アクチュエータ10は、複数の圧電体層2と、圧電体層2を介して積層された複数の内部電極1a、1bと、圧電体層2の最外層上に積層されている保護層(外側圧電体層)3a、3bと、圧電体層2、内部電極1a、1b及び保護層3a、3bからなる積層体の両側にそれぞれ設けられている一対の外部電極(端子電極)4a、4bとを備えている。そして、隣り合う内部電極1a、1bのうち一方の内部電極1aは、一方の外部電極4aに接続され、他方の内部電極1bは、他方の外部電極4bに接続されている。外部電極4a、4bは、例えば、図示しないリード線を介して図示しない外部電源に対して電気的に接続される。
内部電極1a、1bは主成分としてCuを含む。内部電極1a、1bにおけるCuの含有率は、50〜100質量%程度である。また、内部電極1a、1bは副成分として例えばNi等を更に含有してもよい。内部電極1a、1bがNiを含有することにより、内部電極1a、1bの融点を上昇させることができる。また、外部電極4a、4bはCu等の導電体から構成される。
圧電体層2の一層当たりの厚さは、例えば1〜200μmであり、好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmである。また、圧電体層2の積層数は目標とするアクチュエータ10の変位量に応じて決定される。内部電極1a、1bの一層当たりの厚さは、例えば0.5〜5μmである。また、外部電極4a、4bの厚さは用途等に応じて適宜決定されるが、通常、10〜50μmである。
圧電体層2は、本実施形態の圧電磁器を含む。本実施形態の圧電磁器は、主成分と、第一副成分と、を含有する焼結体を備える。主成分の含有率は、圧電磁器全体に対して98〜100質量%である。
圧電磁器の主成分は、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物からなり、下記化学式(1)で表される組成を有する。
(Pb1−x−yMe)[(Co1/3Nb2/3TiZr]O ・・・(1)
なお、上記化学式(1)中、MeはCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。
上記複合酸化物は、0<1−x−yを満たす。すなわち、一般式ABO(A、Bは任意の元素)で表されるペロブスカイト構造を有する複合酸化物のAサイトの少なくとも一部にはPbが配置される。
上記複合酸化物は、0≦x≦0.05を満たす。すなわち、複合酸化物のAサイトに配置されるPbの一部は、元素Meによって置換される。これにより、圧電磁器の焼成時にPbの蒸発を抑制し、圧電歪定数を増加させる効果が得られる。xが0である場合、圧電歪定数を増加させる効果が小さくなる傾向があり、xが0.05を超える場合、高電圧下において圧電歪定数を増加させる効果が小さくなる傾向がある。
上記複合酸化物は0≦y≦0.05を満たす。また、上記複合酸化物は0<y≦0.03を満たすことが好ましい。すなわち、AサイトにおけるPbのmol比は化学量論比であってもよく、化学量論比からずれてよい。AサイトにおけるPbのmol比を上記範囲内で化学量論比からずらすことによって、圧電特性を更に改善することが可能となる。yが0である場合、圧電磁器が焼結時に急激に収縮し易く、圧電磁器を量産し難い傾向があり、yが0.03を超える場合、低温で圧電磁器を焼結させ難くなる傾向がある。
上記複合酸化物は、a+b+c=1、0<a、0<b<1、0<c<1を満たす。すわなち、複合酸化物のBサイトには、(Co1/3Nb2/3)、Ti及びZrが配置され、且つBサイトに配置されるこれらの元素は化学量論比を満たす。
上記複合酸化物は、0<a≦0.1を満たす。これにより、圧電磁器の圧電歪定数を増加させることができる。aが0である場合、圧電歪定数が小さくなる傾向がある。またはaが0.1を超える場合、圧電歪定数が小さくなる傾向があり、また圧電磁器のキュリー温度が低下し過ぎて圧電磁器の焼結性が悪化する傾向がある。同様の観点から、0.03<a≦0.1であることが好ましい。
上記複合酸化物は、0.753≦(b/c)×(1−a)≦0.900、を満たす。なお、(b/c)×(1−a)とは、複合酸化物をPCN、PT及びPZの三つの成分からなる三元系圧電磁器aPCN+bPT+cPZと見なした場合に、各成分の組成比(mol比)a、b及びcから導出される値である。(b/c)×(1−a)を上記の範囲内とすることによって、複合酸化物がモルフォトロピック相境界付近の組成を有するため、圧電磁器の圧電歪定数を増加させることが可能となる。(b/c)×(1−a)が0.753未満である場合、圧電磁器の焼結性が低下し、十分な焼結密度を有した焼結体(圧電磁器)が得られない傾向がある。(b/c)×(1−a)が0.900より大きい場合、圧電特性が低下する傾向がある。同様の観点から、0.82≦(b/c)×(1−a)≦0.88であることが好ましい。
圧電磁器の第一副成分は、Dy、Gd及びYからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R2と、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R3と、を含む。
化学式Pb{(R2)(R3)}O(式中、d+e=1、0<d<1、0<e<1。)で表される化合物に換算した第一副成分の含有量は、主成分100molに対して0molより大きく0.6mol以下であることが好ましい。換言すれば、ペロブスカイト構造を有するPb{(R2)(R3)}Oに換算した第一副成分の含有量が、主成分100質量部に対して0質量部より大きく0.3質量部以下であることが好ましい。これにより、本発明の効果を得易くなる。第一副成分のmol比が主成分100molに対して0molである場合、十分な圧電特性が得られない傾向があり、第一副成分のmol比が主成分100molに対して0.6molより大きい場合、圧電磁器の焼結性が低下し、十分な焼結密度を有した焼結体(圧電磁器)が得られない傾向がある。なお、元素R2と元素R3とのmol比は、元素R2と元素R3の平均価数が4となるように適宜設定すればよい。
圧電磁器は、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R1を含む第二副成分を含有し、元素R1に換算した第二副成分の含有量が、主成分100molに対して0molより大きく0.9mol以下であることが好ましい。換言すれば、元素R1の酸化物に換算した第二副成分の含有量が、主成分100質量部に対して0質量部より大きく0.6質量部以下であることが好ましい。これにより、圧電歪定数を増加させる効果を得易くなると共に、圧電磁器の機械的強度を向上させることができる。第二副成分のmol比が、主成分100molに対して0.9molより大きい場合、圧電磁器の焼結性が低下して、圧電歪定数を増加させる効果が小さくなる傾向がある。
圧電磁器が備える焼結体の粒界にはCu元素が偏在している。すなわち、圧電磁器が備える焼結体は、主成分及び第一副成分を含む複数の粒子を有し、粒子の粒界にCu元素が偏在している。これにより、比抵抗を増加させることが可能となると共に、圧電磁器の機械的強度を向上させることができる。なお、「焼結体の粒界にCu元素が偏在している」とは、例えば、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)で粒界近傍を分析した際に、粒界(粒子と粒子の間)ではCu元素が検出され、粒子表面から粒子の中心部側への距離が5nm以上である領域ではCuが検出されないことを意味する。なお、粒界に偏在したCu元素は、金属として偏析していてもよく、酸化物として偏析していてもよい。
次に、アクチュエータ10の製造方法の一例について説明する。
まず、圧電体層2に含まれる圧電磁器の出発原料(圧電体磁器原料組成物)を準備する。圧電体磁器原料組成物は、主成分の出発原料と、第一副成分の出発原料と、第二副成分の出発原料とを含有する。
主成分の出発原料としては、上記化学式(1)で表されるペロブスカイト構造の複合酸化物(主成分)を構成する各元素の酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物(炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等)を使用できる。主成分の具体的な出発原料としては、PbO、CaO、SrO、BaO、CoO、Nb、TiO、ZrO等を使用すればよい。これらの各出発原料を、焼成後において上記化学式(1)で表される組成の複合酸化物が形成されるような比率で配合する。
第一副成分の具体的な出発原料としては、Dy、Gd、Y、Ta、Nb、WO等を使用すればよい。これら第一副成分の各原料を、焼成後に得られる圧電磁器において、化学式Pb{(R2)(R3)}Oで表される化合物に換算した第一副成分の含有量が、主成分100molに対して0molより大きく0.6mol以下となるような比率で、主成分の原料に配合する。
第二副成分の具体的な出発原料としては、Ta、Nb、WO等を使用すればよい。これら第二副成分の各原料を、焼成後に得られる圧電磁器において、元素R1に換算した第二副成分の含有量が、主成分100molに対して0molより大きく0.9mol以下となるような比率で、主成分の原料に配合する。
上述のように、本実施形態では、圧電体磁器原料組成物に含まれる各元素の含有量は、圧電体磁器原料組成物を焼成して得られる圧電磁器に含まれる各元素の含有量と略同様とすればよい。なお、主成分、第一副成分及び第二副成分の各出発原料の平均粒子径は、0.5〜10μm程度である。
次に、配合された主成分、第一副成分及び第二副成分を、例えばボールミルを用いて湿式粉砕、混合して、原料混合物を得る。得られた原料混合物を乾燥し、例えば、750〜950℃の温度で1〜6時間にわたり仮焼成する。なお、この仮焼成は、大気中で行ってもよく、また大気よりも酸素分圧の高い雰囲気または純酸素雰囲気で行ってもよい。
仮焼成後の原料混合物を、例えば、ボールミルにて湿式粉砕、混合して、仮焼成粉とする。次に、例えばボールミル等を用いて仮焼成粉を湿式粉砕し、これに溶媒を加えることによって、スラリーを得る。溶媒としては、水、エタノール等のアルコール、または水とエタノールとの混合溶媒を用いることができる。また、湿式粉砕は、仮焼成粉の平均粒径が0.5〜2.0μm程度となるまで行うことが好ましい。
次に、スラリーを有機ビヒクル中に分散させることによって、圧電体層用ペーストを得る。なお、有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いられるバインダは、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、有機ビヒクルに用いられる有機溶剤としては、特に限定されず、圧電体層の成形に用いる方法(例えば印刷法やシート成形法など)に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、MEK(メチルエチルケトン)、ターピネオール等の有機溶剤から適宜選択すればよい。また、圧電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、仮焼成粉とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダとしては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
次に、主成分としてCuを含む導電材料又は焼成後にCuを含む導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上述した有機ビヒクルとを混練して、内部電極用ペーストを調製する。また内部電極用ペーストと同様にして、外部電極用ペーストも作製する。なお、必要に応じて、焼成時における内部電極の収縮の緩和、および内部電極と圧電体層との剥離の防止のために、圧電体層に用いられる圧電磁器と同じ成分を内部電極用ペーストに加えてもよい。また、内部電極の導電材料は、主成分のCuのほかに、副成分としてNiを更に含有してもよい。これにより、導電材料の融点が高くなる。ただし、Cuは圧電磁器原料組成物に比べて酸化し難いのに対して、Niは圧電磁器原料組成物に比べて酸化し易いため、導電材料におけるNiの含有量は、導電材料の酸化が抑制される程度の量とすることが好ましい。例えば、導電材料として、Cuを90質量%含有し、Niを10質量%含有する合金を用いればよい。
圧電体層用ペースト、内部電極用ペースト、外部電極用ペーストそれぞれにおけるバインダの含有量は、例えば、5〜10質量%程度とすればよく、溶剤(有機溶剤又は水)の含有量は、10〜50質量%程度とすればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物を含有させてもよい。
次に、以下に示すように、印刷法を用いてグリーンチップを作製する。まず、圧電体層用ペーストを、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の基板上に所定の厚さで印刷して、グリーン状態の保護層の前駆体(保護層前駆体)を形成する。保護層前駆体の上に、内部電極用ペーストを所定のパターンで印刷して、グリーン状態の内部電極1aの前駆体(第一内部電極前駆体)を形成する。第一内部電極前駆体の上に、圧電体層用ペーストを所定厚さで印刷して、グリーン状態の圧電体層(圧電体層前駆体)を形成する。圧電体層前駆体の上に、内部電極用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極1bの前駆体(第二内部電極前駆体)を形成する。第二内部電極前駆体の上に、圧電体層用ペーストを所定厚さで印刷して、グリーン状態の圧電体層(圧電体層前駆体)を形成する。このようにして、第一内部電極前駆体と第二内部電極前駆体とを圧電体層を介して複数積層する。なお、第一内部電極前駆体は、積層体において対向する端部表面の一方に露出するように形成し、第二内部電極前駆体は端部表面の他方に露出するように形成する。このような積層を所定回数繰り返した後に、積層体の表面側に位置する第一内部電極前駆体又は第二内部電極前駆体の上に圧電体層用ペーストを所定厚さで印刷して、保護層前駆体を形成し、積層体を得る。次に、積層体を加熱しながら積層方向に加圧し、各層を圧着した後、所定の形状に切断してグリーンチップを得る。なお、グリーンチップの作成法としては、上述した印刷法以外に、シート成形法を用いてもよい。
次に、グリーンチップに脱バインダ処理(加熱処理)を施す。脱バインダ処理の雰囲気は、第一及び第二内部電極前駆体中の導電材料の組成に応じて適宜決定する必要がある。例えば、貴金属を導電材料として用いる場合には、大気、大気よりも酸素分圧が高い雰囲気、または純酸素雰囲気において脱バインダ処理を行ってもよい。しかし、CuまたはNiを導電材料として用いる場合には、脱バインダ処理時の導電材料の酸化を抑制する必要があるため、低酸素雰囲気(還元性雰囲気)下でグリーンチップに脱バインダ処理を施すことが好ましい。また、脱バインダ処理では、圧電体層前駆体に含まれる酸化物(例えばPbO)の還元を抑制する必要がある。したがって、本実施形態のように導電材料としてCuを用いる場合、CuとCuOの平衡酸素分圧及びPbとPbOの平衡酸素分圧に基づいて、Cuの酸化を抑制し、且つPbOの還元を抑制できるように、還元性雰囲気を設定することが好ましい。
脱バインダ処理の温度は300℃〜650℃程度である。また、脱バインダ処理の時間は、脱バインダ処理の温度及び雰囲気に応じて適宜定める必要があるが、0.5〜50時間程度である。
脱バインダ処理後に、グリーンチップを焼成する。これにより、圧電体層前駆体及び保護層前駆体に含まれる圧電磁器原料組成物が略完全に焼結して、本実施形態の圧電磁器を含む圧電体層2及び保護層3a、3bが形成される。また、焼成により、第一及び第二内部電極前駆体も焼結し、内部電極1a、1bが形成される。
Cuを内部電極の導電材料として用いる場合、グリーンチップを低酸素雰囲気(還元性雰囲気)で焼成することが好ましい。低酸素雰囲気(還元性雰囲気)の酸素分圧は、1×10−10〜1×10−6気圧(1.01325×10−5〜1.01325×10−1Pa)とすることが好ましく、1×10−9〜1×10−8気圧(1.01325×10−4〜1.01325×10−3Pa)とすることがより好ましい。酸素分圧が1×10−10気圧未満では、圧電体層前駆体及び保護層前駆体に含まれる酸化物(例えばPbO)が還元されて金属Pbとして析出し、焼成後に得られる焼成体(圧電体層及び保護層)の圧電特性が低下する傾向がある。また酸素分圧が1×10−6気圧を超えると、内部電極の導電材料としてCuを用いた場合、焼成時にCuが酸化し易い傾向がある。
焼成温度は、好ましくは800〜1050℃であり、より好ましくは850〜1000℃であり、さらに好ましくは900〜980℃である。なお、本実施形態の圧電磁器組成物によれば、900〜980℃の温度でも十分に緻密な圧電磁器の焼成体(圧電体層2及び保護層3a、3b)を得ることができる。なお、焼成温度が800℃未満では、圧電体層前駆体の焼結が十分に進行せず、焼成温度が1050℃を超えると、内部電極前駆体1a、1bに含まれる導電材料が溶融し易くなる傾向がある。
なお、脱バインダ処理は、焼成と別個に独立して行ってもよく、脱バインダ処理と焼成とを連続的に行ってもよい。脱バインダ処理と焼成とを連続的に行う場合には、焼成の昇温過程で脱バインダ処理を実行すればよい。また、Ag−Pd合金などの貴金属を導電材料として用いる場合は、グリーンチップを大気中で焼成すればよい。
焼成後のグリーンチップの端面を、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより研磨し、研磨後の端面に外部電極用ペーストを印刷することにより、外部電極4a、4bを形成する。このようにして、図1に示すアクチュエータ10が得られる。なお、研磨後の端面に外部電極用ペーストを印刷する代わりに、研磨後の端面への外部電極用ペーストの焼き付けや、外部電極4a、4bを構成する材料のスパッタリングによって、外部電極4a、4bを形成してもよい。
本実施形態では、圧電磁磁器の主成分及び第一副成分が上記組成を有し、圧電磁器の粒界にCu元素が偏在しているため、1〜2kV/mm程度の高い印加電圧下において、従来の圧電磁器に比べて、圧電歪定数を増加させることができ、機械的品質係数を減少させることができるとともに、比抵抗を増加させることができる。また、このような圧電磁器を圧電体層2に含むアクチュエータ10では、高電圧下での駆動時に十分な変位を得ることが可能となる。このようなアクチュエータ10は、例えば、燃料噴射用アクチュエータとして好適である。
本実施形態では、圧電磁器が上記の組成を有するため、低酸素雰囲気(還元性雰囲気)においてCuの融点より低い温度(例えば980℃以下の温度)でグリーンチップを焼成した場合であっても、高電圧下で高い圧電特性を有するアクチュエータ10を得ることができる。また、グリーンチップを低酸素雰囲気(還元性雰囲気)において、Cuの融点より低い温度で焼成することにより、内部電極前駆体1a、1bに含まれるCuが、圧電体層前駆体へ熱拡散する。そのため、焼成後に得られる圧電体層2が含有する圧電磁器の粒界にCu元素が偏在して、圧電磁器の比抵抗が増加する。なお、従来の圧電磁器を用いたアクチュエータでは、圧電体層に含まれる圧電磁器の粒界に酸素欠陥が形成されてしまうため、比抵抗が本実施形態に比べて例えば1/100程度にまで低下してしまう。
以上、本発明に係る圧電磁器及びアクチュエータ10の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記化学式(1)における各元素(例えば酸素)の含有量は、化学量論的に求められるものであり、実際に焼成して得られた圧電磁器では、化学量論組成からのずれが生ずることがあるが、このような場合も本発明に包含される。
また、圧電磁器の粒界に偏在するCu元素は上述のように、焼成中に第一及び第二内部電極前駆体から圧電体層前駆体へ熱拡散したCuであってもよく、圧電磁器の出発原料(圧電磁器原料組成物)中に添加された化合物(例えば、CuO)に由来するものであってもよい。また、これら両方の場合であっても良い。
また、上記実施形態では、第一副成分及び第二副成分の出発原料を、仮焼成の前に主成分の出発原料に添加したが、仮焼成後の主成分の出発原料に添加してもよい。ただし、第一副成分及び第二副成分の出発原料を、仮焼成の前に主成分の出発原料に添加することが好ましい。これにより、均質な圧電体層2を得易くなる。なお、仮焼成後の主成分の出発原料に第一副成分及び第二副成分の出発原料を添加する場合には、各副成分の出発原料として酸化物を用いることが好ましい。
また、本発明の圧電磁器は、アクチュエータ以外に、発振子、フィルタ、超音波洗浄機、超音波モーター、霧化器用振動子、魚群探知機、ショックセンサ、超音波診断装置、廃トナーセンサ、ジャイロセンサ、ブザー、トランス又はライター等に使用してもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(試料1)
主成分の出発原料として、PbO、CaO、SrO、BaO、CoO、Nb、TiO、ZrOの各粉末原料を準備した。また、第一副成分及び第二副成分の出発原料として、Dy、Gd、Y、Ta、Nb、WOを準備した。これら各粉末原料を、本焼成後に得られる焼結体(圧電磁器)が表1の「試料1」の組成を有するものとなるように秤量して配合して原料混合物を得た。なお、表1に示す第一副成分の含有量は、化学式Pb{(R2)(R3)}Oで表される化合物に換算した第一副成分の含有量(単位:主成分100molに対するmol数)である。また、表1に示す第二副成分の含有量は、元素R1に換算した第二副成分の含有量(単位:主成分100質量部に対する質量部、及び主成分100molに対するmol数)である。
次に、原料混合物をボールミルで16時間湿式混合した後、大気中において700〜900℃で2時間仮焼して、仮焼物を得た。仮焼物を微粉砕した後、ボールミルで16時間湿式粉砕し、さらに乾燥した。乾燥後の仮焼物にバインダとしてアクリル系樹脂を加えて造粒した後、1軸プレス成形機を用いて仮焼物を約3〜5ton/cmの圧力で直径17mm、厚さ3mmの円板状に成形して、成形体を得た。
成形体を、酸素分圧が1×10−10〜1×10−6気圧である低酸素雰囲気(還元性雰囲気)中において、950℃で8時間本焼成して、焼結体(圧電磁器)を得た。焼結体をスライス加工及びラップ加工により厚さ2.0mmの円板状に加工した。円板状に加工した焼結体の両面全体にAgを蒸着して一対のAg電極を形成した。次に、焼結体の外周を研削した後、120℃のシリコーンオイル中で一対のAg電極間に3kV/mmの電界を15分間印加して、分極処理を行い、焼結体(圧電磁器)からなる圧電体層と、圧電体層を介して対抗する一対のAg電極とを備える試料1の圧電素子を得た。
試料1の圧電素子の圧電体層を、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した。試料1のTEM画像を図2に示す。TEMでの観察により、圧電層を構成する圧電磁器は、複数の結晶粒を備える焼結体であることが確認された。また、図2の結晶粒20aの表面から中心部側への距離(L12方向における粒界22からの距離)が0nm、5nm、10nmである点において、酸化物に換算した各元素の圧電磁器における含有率(mol%)を求めた。なお、各元素の含有率は、TEM−EDS(Energy-Dispersive X-ray Spectroscopy)により求めた。結果を表1に示す。
表1に示す結果から、試料1では、粒界(粒界からの距離が0nmである点)ではCuが検出され、粒界からの距離が5nm、10nmである領域ではCuが検出されないこと、すなわち粒界にCu元素が偏在していることが確認された。
試料1の圧電素子に、2.0kV/mmの電圧を印加したときの変位を、フリンジカウンタ式レーザ変位計で測定し、圧電定数d33を求めた。なお、圧電歪定数d33はAg電極面に垂直な方向((試料1の厚さ方向)の歪みに基づくものである。試料1の圧電歪定数d33を表2に示す。なお、圧電歪定数d33は大きいほど好ましい。
インピーダンスアナライザーを用いて、試料1の静電容量、共振周波数(fr)及び反共振周波数(fa)を測定し、これらの測定結果から機械的品質係数Qを求めた。試料1の機械的品質係数Qを表2に示す。なお、機械的品質係数Qは小さいほど好ましく、特に100以下であることが好ましい。
温度が150℃に維持された恒温槽中で試料1のAg電極間に1kV/mmの電圧を60秒間印加して、Ag電極間の電流値を測定し、試料1の比抵抗(単位:Ω・cm)を求めた。試料1の比抵抗を表2に示す。なお、比抵抗は大きいほど好ましい。
(試料2〜54)
本焼成後の焼結体(圧電磁器)が表2〜6に示す組成を有するものとなるようにしたこと、及び試料49では成形体を大気中で本焼成して焼結体(圧電磁器)を得たこと以外は、試料1と同様の方法で、試料2〜54を作製した。また、試料1と同様の方法で、試料2〜54の粒界におけるCu元素の偏在の有無を調べた。また、試料1と同様の方法で、試料2〜54の圧電歪定数d33、機械的品質係数Q及び比抵抗を測定した。結果を表2〜6に示す。
表2〜6に示すように、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物からなる主成分と、Dy、Gd及びYからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R2と、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R3と、を含む第一副成分と、を含有する焼結体を備え、複合酸化物が、
(Pb1−x―yMe)[(Co1/3Nb2/3TiZr]O
[式中、MeはCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。]
で表される組成を有し、0<1−x−y、0≦x≦0.05、0≦y≦0.05、a+b+c=1、0<a≦0.1、0<b<1、0<c<1、及び0.753≦(b/c)×(1−a)≦0.900、を満たし、焼結体の粒界にCu元素が偏在している試料(実施例)では、比較例に比べて、d33が大きく、Qが小さく、比抵抗が大きいことが確認された。
(b/c)×(1−a)が0.900より大きい試料10では、実施例に比べて、d33が小さいことが確認された。また、(b/c)×(1−a)が0.753より小さい試料48でも、実施例に比べて、d33が小さいことが確認された。
粒界にCu元素が偏在していない試料27では、分極処理時に焼結体(圧電磁器)が割れてしまい、焼結体(圧電磁器)を分極させることができず、実施例に比べて比抵抗が小さいことが確認された。また、粒界にCu元素が偏在していない試料49では、実施例に比べてd33が小さく、Qが大きいことが確認された。
a=0であり、第一副成分R2、R3の含有量が0である試料28では、実施例に比べてd33が小さいことが確認された。また、aが0.1より大きく、第一副成分R2、R3の含有量が0である試料32でも、実施例に比べてd33が小さいことが確認された。
yが0.05より大きい試料53では、実施例に比べてd33が小さいことが確認された。また、xが0.05より大きい試料54では、実施例に比べてd33が小さく、Qが大きいことが確認された。
本発明の一実施形態に係る圧電素子の概略断面図である。 本発明の実施例である圧電素子の圧電磁器が備える焼結体の粒界を示すTEM(透過型電子顕微鏡)像である。
符号の説明
1a、1b・・・内部電極、2・・・圧電体層、3a、3b・・・保護層、4a、4b・・・外部電極、10・・・圧電素子(積層型圧電アクチュエータ)、20a、20b・・・結晶粒、22・・・粒界。

Claims (5)

  1. ペロブスカイト構造を有する複合酸化物からなる主成分と、
    Dy、Gd及びYからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R2と、Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R3と、を含む第一副成分と、を含有する焼結体を備え、
    前記複合酸化物が、
    (Pb1−x―yMe)[(Co1/3Nb2/3TiZr]O
    [式中、MeはCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。]
    で表される組成を有し、
    0<1−x−y、
    0≦x≦0.05、
    0≦y≦0.05、
    a+b+c=1、
    0<a≦0.1、
    0<b<1、
    0<c<1、及び
    0.753≦(b/c)×(1−a)≦0.900、を満たし、
    前記焼結体の粒界にCu元素が偏在している、圧電磁器。
  2. Pb{(R2)(R3)}O
    [式中、d+e=1、0<d<1、0<e<1。]
    で表される化合物に換算した前記第一副成分の含有量が、前記主成分100molに対して0molより大きく0.6mol以下である、請求項1に記載の圧電磁器。
  3. 0<y≦0.03、を満たす、請求項1又は2に記載の圧電磁器。
  4. Ta、Nb及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素R1を含む第二副成分を含有し、
    前記元素R1に換算した前記第二副成分の含有量が、前記主成分100molに対して0molより大きく0.9mol以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電磁器。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電磁器を含む圧電体層と、
    Cuを含み、前記圧電体層を介して積層された複数の内部電極と、を備える圧電素子。

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