JP2010000727A - 液体噴射装置の制御方法及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微振動駆動工程においてノズル近傍の液体を良好に撹拌することができ且つ液滴が噴射されてしまうのを防止することができる液体噴射装置の制御方法及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】第1〜第nの少なくとも2つ以上のパルス信号を含む駆動電圧パルス信号303が一定間隔で連続する駆動電圧信号によって振動板を振動させる駆動方式を有すると共に、この駆動方式によってノズルから液滴を噴射させない程度の圧力変動を圧力室に発生させてノズル近傍の液体を撹拌する微振動駆動工程を有し、微振動駆動工程では、第1のパルス信号301を印加後、メニスカスがノズルの外側に向かって変位しているタイミングで第2のパルス信号302の印加を開始する。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧力室の一方面に設けられた振動板と、振動板に対向して配置される対向電極との間に電圧を印加することにより、これらの間に発生する静電気力によって振動板を振動させてノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の制御方法及び液体噴射装置に関する。
一般的に、プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いられるインクジェット式記録装置等の液体噴射装置は、液滴を噴射させるためのメカニズムに応じて各種方式の液体噴射ヘッドを具備するものが知られている。例えば、発熱素子等によって液体を沸騰させ、そのときに生じる気泡圧で液滴を吐出させるものや、液滴が充填された圧力室の容積を、圧電素子の変位によって膨張又は収縮させることでノズルから液滴を吐出させるものなどがある。さらに、例えば、静電気力を利用して圧力室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を噴射させるようにした、いわゆる静電駆動方式のインクジェット式記録ヘッドを具備する液体噴射装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1に記載されているように、静電駆動方式のインクジェット式記録ヘッドには、複数のパルス信号を1セット(駆動電圧パルス信号)として連続的に印加して1ドットの画素の印刷を行うものがある。すなわち、複数の駆動電圧パルス信号を一定間隔で印加することで印刷を実行する駆動方式を採用したものがある。またこのような駆動方式を採用するインクジェット式記録ヘッドでは、一般的に、各駆動電圧パルス信号の設定、すなわち各パルス信号の間隔は、ヘッド毎に個別に調整されることはなく各ヘッドに共通している。
特開2007−98865号公報
ここで、インクジェット式記録ヘッドにおいては、一般的に、インク滴が噴射されない程度に圧力室に圧力変化を生じさせてインクを撹拌してインクの増粘を防止する微振動駆動工程が所定のタイミングで実施されている。上記駆動方式を採用するインクジェット式記録ヘッドでこの微振動駆動工程を実施する場合、通常は、各パルス信号の最大値は印刷時よりも小さくするが印刷時と同様のタイミングで各パルス信号を印加している。
そして、このように各パルス信号を印加して微振動駆動工程を実施すると、微振動駆動工程中にも拘わらずインク滴が噴射されてしまうという問題が生じる虞がある。例えば、圧力室の寸法等のヘッド寸法は、ヘッド間で多少のばらつきがあり、この寸法ばらつきに伴って圧力室の固有振動周期(ヘルムホルツ振動周期)も変化する。このため、圧力室の固有振動周期によっては、各パルス信号で発生するメニスカスの振幅が重ね合わせにより増大し、最終的にはノズルからインク滴として噴射されてしまう虞がある。
このような問題は、勿論、微振動駆動工程におけるパルス信号の最大値を小さくすることで解消されるが、メニスカスの振動も小さくなってしまうためインクを十分に撹拌できなくなる虞があるため好ましくない。またこのような問題は、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置だけでなく、インク滴以外の液滴を噴射する他の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、微振動駆動工程においてノズル近傍の液体を良好に撹拌することができ且つ液滴が噴射されてしまうのを防止することができる液体噴射装置の制御方法及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、ノズルに連通する圧力室と、該圧力室の一方面を構成する振動板と該振動板に対向して配置された対向電極とを具備し、前記振動板と前記対向電極との間に発生させた静電気力で前記振動板を振動させて前記圧力室に圧力変動を発生させ前記ノズルから液滴を噴射する液体噴射装置の制御方法であって、第1〜第nの少なくとも2つ以上のパルス信号を含む駆動電圧パルス信号が一定間隔で連続する駆動電圧信号によって前記振動板を振動させる駆動方式を有すると共に、前記駆動方式によって前記ノズルから液滴を噴射させない程度の圧力変動を前記圧力室に発生させて前記ノズル近傍の液体を撹拌する微振動駆動工程を有し、該微振動駆動工程では、第1のパルス信号を印加後、メニスカスが前記ノズルの外側に向かって変位しているタイミングで第2のパルス信号の印加を開始することを特徴とする液体噴射装置の制御方法にある。
かかる本発明では、微振動駆動工程によってインクを良好に撹拌しつつ、メニスカスの振動の振幅が必要以上に大きくなるのを抑えてインク滴の噴射を防止することができる。
ここで、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号との間隔が、前記圧力室の固有振動周期をTcの5/4倍よりも長く7/4倍よりも短いことが好ましい。これにより、第1のパルス信号によるメニスカスの振動が、第2のパルス信号によるメニスカスの振動によって確実に抑えられる。
また前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号とのそれぞれが、少なくとも前記圧力室を膨張させる膨張工程と前記圧力室を収縮させる収縮工程とで構成されており、第1のパルス信号の印加によってメニスカスが前記ノズルの外側に向かって変位している間に前記膨張工程が終了するタイミングで前記第2のパルス信号を印加することが好ましい。これにより、微振動駆動工程中におけるインク滴の噴射をより確実に防止することができる。
さらに前記駆動電圧パルス信号には、正の電圧変化を生じさせるパルス信号と、負の電圧変化を生じさせるパルス信号とが含まれていることが好ましい。これにより、振動板を常に良好に変位させることができる。
また本発明は、ノズルに連通する圧力室と、該圧力室の一方面を構成する振動板と該振動板に対向して配置された対向電極とを具備し、前記振動板と前記対向電極との間に発生させた静電気力で前記振動板を振動させて前記圧力室に圧力変動を発生させ前記ノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置であって、第1〜第nの少なくとも2つ以上のパルス信号を含む駆動電圧パルス信号が一定間隔で連続する駆動電圧信号によって前記振動板を振動させる駆動方式を有すると共に、前記駆動方式によって前記ノズルから液滴を噴射させない程度の圧力変動を前記圧力室に発生させて前記ノズル近傍の液体を撹拌する微振動駆動工程が所定のタイミングで実行され、該微振動駆動工程では第1のパルス信号を印加後、メニスカスが前記ノズルの外側に向かって変位しているタイミングで第2のパルス信号の印加が開始されるように前記駆動電圧信号の印加のタイミングが設定された設定部を有することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる本発明では、微振動駆動工程によってインクを良好に撹拌しつつ、メニスカスの振動の振幅が必要以上に大きくなるのを抑えてインク滴の噴射を防止することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略斜視図である。図1に示すように、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置には、インクジェット式記録ヘッド210を有するヘッドユニット200を具備する。ヘッドユニット200は、インク供給手段を構成するカートリッジ1A及び1Bに着脱可能に設けられ、このヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
ここで、インクジェット式記録ヘッド210について詳細に説明する。なお、図2は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図3は、インクジェット式記録ヘッドの断面図である。
図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド210は、いわゆる静電駆動方式のヘッドであり、キャビティ基板10と、このキャビティ基板10の両面にそれぞれ接合されるノズルプレート20及び電極基板30とで構成されている。
キャビティ基板10は、例えば、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側に開口する圧力室(キャビティ)11がその幅方向に複数並設されている。また、キャビティ基板10には、各圧力室11に共通するインク室となる共通液室である共通インク室12が形成されており、この共通インク室12は、後述する供給口23を介して各圧力室11に連通されている。また、共通インク室12の底壁には、共通インク室12にインクを供給するためのインク供給孔13が形成されている。また、キャビティ基板10には、共通インク室12の外側に、後述する個別電極(対向電極)に接続される個別端子部を露出させるための貫通孔14が形成されている。なお、この貫通孔14は、キャビティ基板10の共通インク室12とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
各圧力室11の底壁は、圧力室11内に圧力変化を生じさせるための振動板として機能すると共に、この振動板を変位させる静電気力を発生させるための共通電極としての役割を兼ねる可撓性電極15となっている。そして、キャビティ基板10の貫通孔14近傍には、ノズルプレート20の後述する露出孔内に露出されて図示しない駆動配線が接続される共通端子部16が形成されている。
ノズルプレート20は、キャビティ基板10と同様に、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、各圧力室11に連通する複数のノズル21が形成されている。そして、このノズルプレート20は、キャビティ基板10の開口面側に接合され、圧力室11及び共通インク室12の一方の面を画成している。また、ノズルプレート20のキャビティ基板10とは反対側の面には、ノズル21に対応する領域に渡って厚さ方向の一部を除去したノズル段差部22が形成されている。
ここで、各ノズル21は、インク滴が噴射される面側に設けられてノズル段差部22内に開口する略円形の小径部21aと、小径部21aよりも大きい内径を有し小径部21aと圧力室11とを連通する大径部21bとからなる。そして、全てのノズル21(小径部21a)は、ノズル段差部22内に開口しており、本実施形態では、ノズル段差部22内のノズルプレート20の表面がノズル面となる。
また、このノズルプレート20のキャビティ基板10との接合面には、圧力室11と共通インク室12との境界に対応する領域に、これら各圧力室11と共通インク室12とを連通する供給口23が形成されている。供給口23は、ノズルプレート20のキャビティ基板10側に設けられた凹部により形成されている。また、ノズルプレート20には、共通インク室12の外側に対応する位置に、キャビティ基板10の貫通孔14に連通し、後述する個別端子部と共に共通端子部16を露出させる露出孔24が形成されている。なお、この露出孔24は、貫通孔14と同様に、共通インク室12とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
また、ノズルプレート20の表面、本実施形態では、ノズル段差部22内には、例えば、フッ素含有シランカップリング化合物等からなる撥水撥油性材料からなる撥水撥油膜25が形成されている。これにより、ノズルプレート20の表面(ノズル面)へのインク液滴の付着を抑えている。
一方、電極基板30は、シリコン単結晶基板に近い熱膨張率を有する材料、例えば、ホウ珪酸ガラス等のガラス基板からなり、キャビティ基板10の可撓性電極15側の面に接合されている。この電極基板30の可撓性電極15に対向する領域には、各圧力室11に対応して溝31が形成されている。また、電極基板30には、キャビティ基板10のインク供給孔13に対応する位置には、インク供給孔13に連通するインク導入孔32が形成されている。そして、図示しないインクタンクからこのインク導入孔32及びインク供給孔13を介して共通インク室12にインクが導入されるようになっている。
また、各溝31には、振動板である可撓性電極15を変位させる静電気力を発生させるための個別電極(対向電極)33が、可撓性電極15との間に所定の間隔を確保した状態でそれぞれ配置されている。また、溝31内には、キャビティ基板10の貫通孔14に対向する領域に、図示しない駆動配線が接続される個別端子部34が形成されており、この個別端子部34と各個別電極33とはリード電極35によって接続されている。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッド210の動作を制御する駆動制御部について図4を参照して説明する。なお、図4は、駆動制御部の電気的な構成を示す概略図である。
駆動制御部100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置110から印刷情報を受け取って、装置全体の制御を行うCPU121を備えたインクジェット制御部120と、インクジェット制御部120及びインクジェット式記録ヘッド210を備えたヘッドユニット200に駆動電源を供給する電源部130とによって構成されている。また、インクジェット式記録ヘッド210に搭載されたドライバIC141と、このドライバIC141に接続された駆動パルス発生部142とからなる電圧パルス発生部140を具備する。なお、駆動パルス発生部142をインクジェット制御部120内に構成しても構わない。
電圧パルス発生部140は、振動板を撓み変形させるための駆動電圧信号を可撓性電極15と個別電極33とに印加するものである。
図4に示すように、CPU121には、内部バスを介してRAM122、ROM123、キャラクタジェネレータ124及び論理ゲートアレイ125が接続されている。CPU121は、RAM122の記憶領域を作業領域として用い、ROM123内に格納されている制御プログラムを実行して、キャラクタジェネレータ124から発生するキャラクタ情報に基づき、インクジェット式記録ヘッド210を駆動するための制御信号を生成する。
生成された制御信号は、論理ゲートアレイ125及びこれに接続された駆動パルス発生部142を介して、印刷情報などに対応した所定の駆動制御信号となって、コネクタ150を経由してインクジェット式記録ヘッド210のドライバIC141に供給される。
ドライバIC141は、インクジェット式記録ヘッド210に搭載されて、供給された駆動制御信号と電源部130から供給される駆動電圧及び論理ゲートアレイ125から伝送された制御信号に基づきインクジェット式記録ヘッド210の駆動すべきノズル21に対応する個別電極33と可撓性電極15との間に所定の駆動電圧信号を所定のタイミングで印加する。
また、インクジェット式記録ヘッド210には、設定部151が設けられている。設定部151には、詳しくは後述するが、微振動駆動工程における駆動電圧信号を構成するパルス信号の印加のタイミングが設定されている。なお、本実施形態では、設定部151に、各パルス信号のパルス電圧及び印加時間であるパルス幅等も設定されている。
そして、CPU121は、設定部151に設定された設定値に基づいて電圧パルス発生部140を制御して、インクジェット式記録ヘッド210に駆動電圧信号を印加させる。
このような駆動制御部100によってインクジェット式記録ヘッド210の個別電極33と可撓性電極15との間に所定電圧が印加されると、これら個別電極33と可撓性電極15との隙間に発生する静電気力によって可撓性電極(振動板)15が個別電極33側に撓み変形して圧力室11の容積が拡大し、電圧印加を解除すると可撓性電極15が元の状態に復帰して圧力室11の容積が収縮する。
そして印刷処理を実行する際には、このとき発生する圧力室11内の圧力変化によってノズル21からインク滴が噴射される。またインクジェット式記録ヘッド210では、所定のタイミングで、ノズル21近傍のインクに振動を励起させる微振動駆動工程が実行され、ノズル21近傍のインクを撹拌してインクの増粘及び乾燥を防止している。このような微振動駆動工程が実施される場合には、インク滴が噴射されない程度に圧力室11内のインクに圧力が付与されるようになっている。
以下、この微振動駆動工程において可撓性電極15と個別電極33との間に印加される駆動電圧信号について、図5及び図6を参照して説明する。なお、図5は、本発明の一実施形態に係る駆動電圧信号を示す波形図及びメニスカスの変位を示す図であり、図6は従来技術に係る駆動電圧信号を示す波形図及びメニスカスの変位を示す図である。
本実施形態に係るインクジェット式記録装置では、一定時間内に複数回、例えば、本実施形態では2回、インク滴を噴射させて1ドットの画素の印刷を行う駆動方式が採用されている。この駆動方式は、印刷処理を実行する時だけでなく微振動駆動工程においても採用されている。
本発明に係る駆動電圧信号は、第1〜第nの少なくとも2つ以上のパルス信号を含む駆動電圧パルス信号が一定間隔で連続して構成されている。本実施形態に係る駆動電圧信号は、例えば、図5に示すように、第1のパルス信号301及び第2のパルス信号302を有する複数の駆動電圧パルス信号303で構成されている。また、本実施形態に係る第1及び第2のパルス信号301,302はそれぞれ台形波となっており、充電要素304、保持要素305、放電要素306の各信号要素からなる。すなわち、各パルス信号を印加することにより、まず充電要素304によって圧力室11が膨張し(膨張工程)、保持要素305によって圧力室11の膨張状態が保持され(保持工程)、その後、放電要素306によって圧力室11が収縮する(収縮工程)。勿論、第1及び第2のパルス信号301,302には、保持要素305が含まれていなくてもよい。
なお本実施形態では、各駆動電圧信号パルスが、負の電圧変化を生じさせる第1のパルス信号301と、この第1のパルス信号301と連続して正の電圧変化を生じさせる第2のパルス信号302とで構成されている。「連続して」とは、第1のパルス信号301の後には他のパルス信号を形成せずに第2のパルス信号302が配置されることを言う。このように駆動電圧信号パルスが正負の電圧変化を生じさせるパルス信号を含むことで、可撓性電極15と個別電極33との間に静電気が溜まり過ぎて振動板の変位が十分に得られないといった問題の発生を防止することができる。
ここで、各駆動電圧パルス信号303の間隔は、各インクジェット式記録ヘッド210において共通する値に設定されているが、各駆動電圧パルス信号303を構成する第2のパルス信号302を印加するタイミングは、各インクジェット式記録ヘッド210の寸法に応じて個別に設定されている。具体的には、第2のパルス信号302の印加の開始時期が、第1のパルス信号301を印加後、メニスカスがノズル21の外側(インク噴射方向)に向かって変位しているタイミングとなるように設定されている。
メニスカスの振動周期は、圧力室11の固有振動周期Tcによって決まり、圧力室11の固有振動周期Tcは、ノズル21のイナータンスをLn、インク供給口23のイナータンスをLi、振動板15のコンプライアンスをCv、インクのコンプライアンスをCinkとしたとき、下記式(1)により表される値である。
Tc=2π√〔(CV+Cink)×Ln×Li〕/(Ln+Li) (1)
このため、本実施形態では、インクジェット式記録ヘッド210を製造する際に、個別に圧力室11の固有振動周期Tcを測定し、その測定結果に基づいて第2のパルス信号302の印加の開始時期を設定部151に設定している。
そして、第2のパルス信号302の印加の開始時期は、つまり第1のパルス信号301と第2のパルス信号302との間隔kPwiは、5/4Tcよりも長く7/4Tcよりも短く設定されていることが好ましい。これにより、第2のパルス信号302の印加の開始時期は、メニスカスがノズル21の外側に向かって変位しているタイミングとなる。
このように微振動駆動工程において第2のパルス信号302を所定のタイミングで印加することにより、インクを良好に撹拌しつつインク滴の誤噴射を防止することができる。
具体的には、図5に示すように、まず第1のパルス信号301によってインク滴が噴射されない程度で比較的大きい振幅の振動をメニスカスに発生させる。これによりインクが良好に撹拌される。そして、第2のパルス信号302を印加することで第1のパルス信号301によって生じたメニスカスの振動とは逆向きの振動を発生させる。これによりメニスカスの振動が減衰する。したがって、微振動駆動工程中にノズル21からインク滴が噴射されることなく、且つノズル近傍のインクを良好に撹拌することができる。
一方、図6に示すように、第2のパルス信号402を、メニスカスがノズルの内側(インク噴射方向とは反対方向)に向かって変位しているタイミングで印加した場合には、第1のパルス信号401によるメニスカスの振動と第2のパルス信号402によるメニスカスの振動が重なり合ってメニスカスの振幅が増大し、最終的にはノズルからインク滴が噴射されてしまう虞がある。例えば、図6に示す例では、2つ目の駆動電圧パルス信号403の印加中にノズルからインク滴が噴射されてしまっている。
また本実施形態では第1及び第2のパルス信号301,302は充電要素304と放電要素306とを含む台形波となっているため、充填要素(膨張工程)304には所定期間Pwcが必要となる。もちろん、これら第1及び第2のパルス信号301,302は、台形波ではなく膨張工程と収縮工程で構成される三角波を用いても良い。このため、第2のパルス信号302の印加のタイミングは、印加の開始時期と共に充電要素304の終了時期が、メニスカスがノズル21の外側に向かって変位している間に設定されていることが好ましい。これにより、メニスカスの振動をより確実に減衰させてインク滴(インクミスト)が噴射されるのを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述の例では、駆動電圧信号を構成する駆動電圧パルス信号303が第1のパルス信号301と第2のパルス信号302とからなる例を説明したが、駆動電圧パルス信号は、第1〜第nのパルス信号からなるものであればよく、例えば、第1〜第3の三つのパルス信号からなるものであってもよい。この場合でも、メニスカスがノズル21の外側に向かって変位しているタイミングで第2のパルス信号302の印加を開始することで、インク滴を噴射させることなくノズル21近傍のインクを良好に撹拌することができる。
さらに、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドとしてインク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般に適用することができるものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略斜視図である。 一実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 一実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。 一実施形態に係る駆動制御部の概略図である。 一実施形態に係る駆動電圧信号及びメニスカス変位を示す図である。 従来技術に係る駆動電圧信号及びメニスカス変位を示す図である。
符号の説明
10 キャビティ基板、 11 圧力室、 12 共通インク室、 14 貫通孔、 15 可撓性電極、 20 ノズルプレート、 21 ノズル、 22 ノズル段差部、 23 供給口、 24 露出孔、 30 電極基板、 31 溝、 33 個別電極、 100 駆動制御部、 151 設定部、 200 ヘッドユニット、 210 インクジェット式記録ヘッド

Claims (5)

  1. ノズルに連通する圧力室と、該圧力室の一方面を構成する振動板と該振動板に対向して配置された対向電極とを具備し、前記振動板と前記対向電極との間に発生させた静電気力で前記振動板を振動させて前記圧力室に圧力変動を発生させ前記ノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の制御方法であって、
    第1〜第nの少なくとも2つ以上のパルス信号を含む駆動電圧パルス信号が一定間隔で連続する駆動電圧信号によって前記振動板を振動させる駆動方式を有すると共に、前記駆動方式によって前記ノズルから液滴を噴射させない程度の圧力変動を前記圧力室に発生させて前記ノズル近傍の液体を撹拌する微振動駆動工程を有し、
    該微振動駆動工程では、第1のパルス信号を印加後、メニスカスが前記ノズルの外側に向かって変位しているタイミングで第2のパルス信号の印加を開始することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
  2. 前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号との間隔が、前記圧力室の固有振動周期をTcの5/4倍よりも長く7/4倍よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置の制御方法。
  3. 前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号とのそれぞれが、少なくとも前記圧力室を膨張させる膨張工程と前記圧力室を収縮させる収縮工程とで構成されており、第1のパルス信号の印加によってメニスカスが前記ノズルの外側に向かって変位している間に前記膨張工程が終了するタイミングで前記第2のパルス信号を印加することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置の制御方法。
  4. 前記駆動電圧パルス信号には、正の電圧変化を生じさせるパルス信号と、負の電圧変化を生じさせるパルス信号とが含まれていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置の制御方法。
  5. ノズルに連通する圧力室と、該圧力室の一方面を構成する振動板と該振動板に対向して配置された対向電極とを具備し、前記振動板と前記対向電極との間に発生させた静電気力で前記振動板を振動させて前記圧力室に圧力変動を発生させ前記ノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置であって、
    第1〜第nの少なくとも2つ以上のパルス信号を含む駆動電圧パルス信号が一定間隔で連続する駆動電圧信号によって前記振動板を振動させる駆動方式を有すると共に、前記駆動方式によって前記ノズルから液滴を噴射させない程度の圧力変動を前記圧力室に発生させて前記ノズル近傍の液体を撹拌する微振動駆動工程が所定のタイミングで実行され、
    該微振動駆動工程では第1のパルス信号を印加後、メニスカスが前記ノズルの外側に向かって変位しているタイミングで第2のパルス信号の印加が開始されるように前記駆動電圧信号の印加のタイミングが設定された設定部を有することを特徴とする液体噴射装置。
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