JP2007098691A - 液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置及びその製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置及びその製造方法 Download PDF

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博之 石川
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Abstract

【課題】製造時間及びコストを低減して容易に且つ最適な駆動電圧パルスのパルス幅が設定された液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された個別電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記個別電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッド210において、前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsが、前記可撓性電極の残留振動波形に基づいてノズル毎又はノズル群毎に設定されている設定部151を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、可撓性電極に一定間隔をおいて設けられた固定電極との間に電圧を印加することにより、これらの間に発生する静電気力によって可撓性電極を振動させてノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッド並びにそれを具備する液体噴射装置及びその製造方法に関する。
一般的に、プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いられるインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドは、液滴を吐出させるためのメカニズムに応じて各種方式のものが知られている。例えば、発熱素子等によって液体を沸騰させ、そのときに生じる気泡圧で液滴を吐出させるものや、液滴が充填された圧力発生室の容積を、圧電素子の変位によって膨張又は収縮させることでノズルから液滴を吐出させるものなどがある。さらに、例えば、静電気力を利用して圧力発生室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を吐出させるようにしたものがある。
例えば、静電駆動方式のインクジェット式記録ヘッドとしては、複数のノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルに連通するインクキャビティ(圧力室)及びインクリザーバ(共通液室)が形成され、インクキャビティの底面に可撓性電極が設けられたキャビティプレートと、可撓性電極に一定間隔で対向配置された個別電極(固定電極)が設けられた電極基板とが貼り付けられて構成され、上記インクキャビティとインクリザーバとが、ノズルプレートに形成されたインク供給路(供給口)を介して連通させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、一定間隔で対向配置された可撓性電極と固定電極との間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって可撓性電極を振動させて、圧力室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を吐出させている。
かかるインクジェット式記録ヘッドでは、寸法ばらつきなどの個体差によるインク吐出量やインク速度に差があるので、インクジェット式記録ヘッドの印刷画像の品位を一定に保持するために、出荷段階において駆動電圧パルスの駆動電圧やパルス幅を、実際にインクを吐出させた際の吐出量の最大値に基づいて設定している(例えば、特許文献2参照)。また、インク吐出速度が最大になるように設定される場合もある。
しかしながら、吐出されたインク滴のインク質量を測定して最大吐出量を測定するためには、電子天秤等を用いる必要があるので、測定を安定化させるために振動やノイズを排除する設備が必要であり、また、測定精度を向上するために、所定量のインクを吐出する必要があり、一ヘッド当たり数分間という時間が必要であるという問題がある。また、インク吐出速度の測定に関しても、各インクノズルからのインク滴を観察する必要があるため、高精度カメラや拡大レンズ等の設備が必要であり、インクノズル数の増加に伴って計測に数十分という膨大な時間がかかるという問題がある。
特開平11−198386号公報(特許請求の範囲、第1図) 特開平11−277737号公報(特許請求の範囲)
本発明はこのような事情に鑑み、製造時間及びコストを低減して容易に且つ最適な駆動電圧パルスのパルス幅が設定された液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記固定電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドにおいて、前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsが、前記可撓性電極の残留振動波形に基づいてノズル毎又はノズル群毎に設定されている設定部を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、実際に吐出させたインク液滴のインク質量やインク速度を測定するための複雑な設備や膨大な時間をかけることなく、駆動条件としてのパルス幅を、比較的短時間且つ低コストで設定することができ、これにより、液体噴射ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑えることができ、印刷品質を向上することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記初期設定値Pwsが、前記残留振動波形の最大値が得られるパルス幅と略同一に設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、液滴噴射ヘッドの個体差に起因した液滴吐出特性のばらつきを確実に減少させ、印刷品質を一定以上に保持することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記初期設定値Pwsが、前記残留振動波形の最大値が得られるパルス幅に補正値ΔPwsを加えた値に設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、液滴噴射ヘッドの個体差に起因した液滴吐出特性の変動をさらに低減させ、印刷品質を高品質に保持することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記初期設定値Pwsが、環境温度に応じた温度補正値ΔPwsにより再設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、環境変動に応じた液滴吐出特性の変動を抑えることができ、環境変動が大きくても印刷品質を高品質に保持することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記駆動電圧パルスは、1画素印字を最大n回(nは2以上の整数)の連続した液滴の噴射を行うものであり、前記初期設定値Pwsが、各液滴を噴射させるために印加される第1〜第n番目までの各駆動電圧パルス毎に設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、液滴噴射ヘッドの個体差に起因した液滴吐出特性の変動をさらに高度に低減させ、印刷品質を高品質に保持することができる。
本発明の第6の態様は、液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記固定電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドであって、前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsが設定されている設定部を具備する液体噴射ヘッドと、前記可撓性電極の残留振動を測定する残留振動検出部と、この残留振動検出部が測定した残留振動に基づいて前記初期設定値Pwsをノズル毎又はノズル群毎に決定する初期設定値決定部とを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第6の態様では、実際に吐出させたインク液滴のインク質量やインク速度を測定するための複雑な設備や膨大な時間をかけることなく、駆動条件としてのパルス幅を、残留振動検出部と初期設定値決定部とで、比較的短時間且つ低コストで設定することができ、これにより、液体噴射ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑えることができ、印刷品質を向上することができる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記初期設定値決定部は、前記残留振動の波形の最大値に基づいて前記初期設定値Pwsを決定するように機能することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第7の態様では、液滴噴射ヘッドの個体差に起因した液滴吐出特性のばらつきを確実に減少させ、印刷品質を一定以上に保持することができる。
本発明の第8の態様は、第6又は7の態様において、さらに、環境温度を測定する温度測定部を具備し、前記初期設定値決定部は、前記温度測定部が測定した温度に基づいて補正値ΔPwsを決定し且つ当該補正値Pwsを考慮して前記初期設定値Pwsを決定するように機能することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第8の態様では、液滴噴射ヘッドの個体差に起因した液滴吐出特性の変動をさらに低減させ、印刷品質を高品質に保持することができる。
本発明の第9の態様は、第6〜8の何れかの態様において、前記残留振動検出部は、前記液体噴射ヘッドの駆動回路と切替自在に接続されると共に前記可撓性電極と前記固定電極と間の静電容量の変化に基づいて前記残留振動を検出するように機能することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第9の態様では、残留振動を静電容量の変化として検出し、これに基づいて初期設定値を決定するので、液滴噴射ヘッドの個体差に起因した液滴吐出特性の変動をさらに低減させ、印刷品質を高品質に保持することができる。
本発明の第10の態様は、液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記固定電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の製造方法において、前記可撓性電極の残留振動波形に基づいてノズル毎又はノズル群毎に前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsを前記液体噴射ヘッドに設定することを特徴とする液体噴射装置の製造方法にある。
かかる第10の態様では、実際に吐出させたインク液滴のインク質量やインク速度を測定するための複雑な設備や膨大な時間をかけることなく、駆動条件としてのパルス幅を、比較的短時間且つ低コストで設定することができ、これにより、液体噴射ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑えることができ、印刷品質を向上することができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記初期設定値Pwsの設定を、前記液体噴射ヘッドを前記液体噴射装置に搭載する前に行うことを特徴とする液体噴射装置の製造方法にある。
かかる第11の態様では、液体噴射装置に搭載する前に、駆動条件としてのパルス幅を、比較的短時間且つ低コストで設定することができ、これにより、液体噴射ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑えることができ、印刷品質を向上することができる。
本発明の第12の態様は、第10の態様において、前記初期設定値Pwsの設定を、前記液体噴射ヘッドを前記液体噴射装置に搭載した後に行うことを特徴とする液体噴射装置の製造方法にある。
かかる第12の態様では、液体噴射装置に搭載した後に、駆動条件としてのパルス幅を、比較的短時間且つ低コストで設定することができ、これにより、液体噴射ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑えることができ、印刷品質を向上することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態におけるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。図1に示すように、液体噴射装置は、インクジェット式記録ヘッド210を有するヘッドユニット200は、インク供給手段を構成するカートリッジ1A及び1Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット200は、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
ここで、インクジェット式記録ヘッド210について詳細に説明する。なお、図2は、本実施形態におけるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図3は、インクジェット式記録ヘッドの断面図である。
図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド210は、いわゆる静電駆動方式のヘッドであり、キャビティ基板10と、このキャビティ基板10の両面にそれぞれ接合されるノズルプレート20及び電極基板30とで構成されている。
キャビティ基板10は、例えば、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側に開口する圧力室(キャビティ)11がその幅方向に複数並設されている。また、キャビティ基板10には、各圧力室11に共通するインク室となる共通液室である共通インク室12が形成されており、この共通インク室12は、後述する供給口23を介して各圧力室11に連通されている。また、共通インク室12の底壁には、共通インク室12にインクを供給するためのインク供給孔13が形成されている。また、キャビティ基板10には、共通インク室12の外側に、後述する固定電極に接続される個別端子部を露出させるための貫通孔14が形成されている。なお、この貫通孔14は、キャビティ基板10の共通インク室12とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
なお、各圧力室11の底壁は、圧力室11内に圧力変化を生じさせるための振動板として機能すると共に、この振動板を変位させる静電気力を発生させるための共通電極としての役割を兼ねる可撓性電極15となっている。そして、キャビティ基板10の貫通孔14近傍には、ノズルプレート20の後述する露出孔内に露出されて図示しない駆動配線が接続される共通端子部16が形成されている。
ノズルプレート20は、キャビティ基板10と同様に、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、各圧力室11に連通する複数のノズル21が形成されている。そして、このノズルプレート20は、キャビティ基板10の開口面側に接合され、圧力室11及び共通インク室12の一方の面を画成している。また、ノズルプレート20のキャビティ基板10とは反対側の面には、ノズル21に対応する領域に渡って厚さ方向の一部を除去したノズル段差部22が形成されている。
ここで、各ノズル21は、インク滴が吐出される面側に設けられて、ノズル段差部22内に開口する略円形の小径部21aと、小径部21aよりも大きい内径を有し小径部21aと圧力室11とを連通する大径部21bとからなる。そして、全てのノズル21(小径部21a)は、ノズル段差部22内に開口しており、本実施形態では、ノズル段差部22内のノズルプレート20の表面がノズル面となる。
また、このノズルプレート20のキャビティ基板10との接合面には、圧力室11と共通インク室12との境界に対応する領域に、これら各圧力室11と共通インク室12とを連通する供給口23が形成されている。供給口23は、ノズルプレート20のキャビティ基板10側に設けられた凹部により形成されている。また、ノズルプレート20には、共通インク室12の外側に対応する位置に、キャビティ基板10の貫通孔14に連通し、後述する個別端子部と共に共通端子部16を露出させる露出孔24が形成されている。なお、この露出孔24は、貫通孔14と同様に、共通インク室12とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
また、ノズルプレート20の表面、本実施形態では、ノズル段差部22内には、例えば、フッ素含有シランカップリング化合物等からなる撥水撥油性材料からなる撥水撥油膜25が形成されている。これにより、ノズルプレート20の表面(ノズル面)へのインク滴の付着を抑えている。
なお、ノズルプレート20のノズル21及び供給口23等は、ノズルプレート20をドライエッチングすることにより形成されている。
一方、電極基板30は、シリコン単結晶基板に近い熱膨張率を有する、例えば、ホウ珪酸ガラス等のガラス基板からなり、キャビティ基板10の可撓性電極15側の面に接合されている。この電極基板30の可撓性電極15に対向する領域には、各圧力室11に対応して溝31が形成されている。また、電極基板30には、キャビティ基板10のインク供給孔13に対応する位置には、インク供給孔13に連通するインク導入孔32が形成されている。そして、図示しないインクタンクからこのインク導入孔32及びインク供給孔13を介して共通インク室12にインクが導入されるようになっている。
また、各溝31には、各可撓性電極15を変位させる静電気力を発生させるための個別電極として固定電極33が、可撓性電極15との間に所定の間隔を確保した状態でそれぞれ配置されている。また、溝31内には、キャビティ基板10の貫通孔14に対向する領域に、図示しない駆動配線が接続される個別端子部34が形成されており、この個別端子部34と各固定電極33とはリード電極35によって接続されている。なお、図示しないが、これら各固定電極33及び可撓性電極15は絶縁膜によって封止され、また個別端子部34と共通端子部16との間には、接続配線を介して駆動電圧パルスを印加するための後述するドライバIC141が接続されている。
このようなインクジェット式記録ヘッド210では、ドライバIC141によって固定電極33と可撓性電極15との間に駆動電圧を印加すると、これら固定電極33と可撓性電極15との隙間に発生する静電気力によって可撓性電極15が固定電極33側に撓み変形して、圧力室11の容積が拡大し、駆動電圧の印加を解除すると、可撓性電極15が元の状態に復帰して圧力室11の容積が収縮する。そして、このとき発生する圧力室11内の圧力変化によって、圧力室11内のインクの一部が、ノズル21からインク滴として吐出される。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッド210の駆動制御装置について図4を参照して説明する。なお、図4は、インクジェット式記録ヘッドの駆動制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
駆動制御装置100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置110から印刷情報を受け取って、装置全体の制御を行うCPU121を備えたインクジェット制御部120と、インクジェット式記録ヘッド210を備えたヘッドユニット200と、インクジェット制御部120とヘッドユニット200との双方に駆動電源を供給する電源部130とによって構成されている。また、インクジェット式記録ヘッド210に搭載されたドライバIC141と、このドライバIC141に接続された駆動パルス発生部142とからなる電圧パルス発生部140を具備する。なお、駆動パルス発生部142をインクジェット制御部120内に構成してもかまわない。
電圧パルス発生部140は、インク液滴を吐出させる駆動電圧パルスを可撓性電極15と固定電極33とに印加するものである。
図4に示すように、CPU121には、内部バスを介してRAM122、ROM123、キャラクタジェネレータ124、論理ゲートアレイ125及び温度検出部126が接続されている。CPU121は、RAM122の記憶領域を作業領域として用い、ROM123内に格納されている制御プログラムを実行して、キャラクタジェネレータ124から発生するキャラクタ情報に基づき、インクジェット式記録ヘッド210を駆動するための制御信号を生成する。
生成された制御信号は、論理ゲートアレイ125及びこれに接続された駆動パルス発生部142を介して、印刷情報に対応した駆動制御信号となって、コネクタ150を経由してインクジェット式記録ヘッド210のドライバIC141に供給される。
ドライバIC141は、インクジェット式記録ヘッド210に搭載されて、供給された駆動信号と電源部130から供給される駆動電圧及び論理ゲートアレイ125から伝送された制御信号に基づきインクジェット式記録ヘッド210の駆動すべきノズル21に対応する個別電極である固定電極33と可撓性電極15との間に駆動電圧パルスを所定のタイミングで印加する。
この場合、ドライバIC141は、駆動電圧パルス又はグランドレベルを適時選択していずれかを可撓性電極15と固定電極33との間に低インピーダンスで出力する。したがって、可撓性電極15と固定電極33との間に電位差が生じ、可撓性電極15が撓み変形して、ノズル21からインク液滴が吐出される。
また、インクジェット式記録ヘッド210には、設定部151が設けられている。設定部151には、詳しくは後述するが、駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsの他、印加電圧、連続したインク滴の吐出を行わせる連続した駆動電圧パルスの印加周期であるパルス間隔などが、ノズル21毎又はノズル群毎に設定されている。なお、ノズル群毎とは全体のノズルに対して一つ設定されているものも含み、設定項目毎に設定対象が異なっていてもよい。なお、本実施形態では、ノズル全体に対してパルス幅、印加電圧、パルス間隔が設定されているものとする。
そして、CPU121は、設定部151に設定された駆動電圧パルスのパルス間隔、パルス電圧及びパルス幅を取得し、これらパルス電圧、パルス幅及びパルス間隔に基づいて、電圧パルス発生部140を制御して、インクジェット式記録ヘッド210に駆動電圧パルスを印加させる。
ここで、駆動電圧パルスのパルス幅、パルス電圧などは、環境温度に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、各インクジェット式記録ヘッド210の最適な吐出条件は環境温度により変化するインク粘度により変化するので、この変化量(温度補正値)と環境温度との関係をテーブルとして設定部151に格納しておき、環境温度に応じて補正するようにするとよい。
なお、このような環境温度を測定するために、ヘッドユニット200には、インクジェット式記録ヘッド210の温度を検出するためのサーミスタ152が設けられ、サーミスタ152で検出された信号は、温度検出部126に送信されるようになっている。
このような駆動制御装置100によって、可撓性電極15と固定電極33との間に印加される駆動電圧パルスについて図5に基づいて説明する。なお、図5は、本実施形態における駆動電圧パルスを示すグラフである。
図5に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、充電要素、保持要素、放電要素の各信号要素からなり、同一のパルス形状となる駆動電圧パルスを3回連続して印加してインク液滴を3回吐出させて1ドットの画素の印字を行う。そして、駆動電圧パルスの印加電圧はパルス電圧V、印加時間はパルス幅Pw、1つの駆動パルスを発生させる始端時点から次の駆動パルスが発生する直前までの期間となる駆動電圧パルスの印加周期はパルス間隔Pwiで示している。
ここで、本実施形態のインクジェット式ヘッド210では、駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsを以下のように予め設定されている。
すなわち、初期設定値Pwsは、可撓性電極15の残留振動波形に基づいて、具体的には、例えば、残留振動波形の最大値が得られるパルス幅と略同一に設定されている。ここで、残留振動波形の最大値とは、例えば、保持要素の時間を変えることでパルス幅を変化させながら残留振動最大値を測定したときの最大値であり、略同一とは、最大値から所定の範囲に設定されていることである。例えば、パルス幅を変化させながら残留振動最大値との関係を測定し、最小二乗法等により、残留振動最大値が最大のときのパルス幅を初期設定値Pwsとすることを意味する。また、このように求められた値に、後述するような所定の補正値ΔPwsを加えた値を初期設定値としてもよい。ここでは、これらを併せて略同一という。
このような本発明は、吐出したインク質量が最大となるPw(=Pws_a)と、インク液滴吐出後の残留振動波形の最大値Aが最大となるPw(=Pws_b)とが、多少のずれがあるが、ほぼ同一となるという新たな知見により完成されたものである。すなわち、本発明では、インク質量最大となるPwを残留振動波形から近似的に予測して求めているものであり、インク液滴吐出後の振動板電極の残留振動波形の最大値Aが最大となるPwと同一、又は予想されるずれ量として所定の補正値△Pwsを加えた値(これらを合わせて略同一という)をPwsと設定することにより、安定したインク吐出特性を確保可能である。
図6には、本実施形態におけるパルス幅Pwとインク質量(ng/shot)との関係及びパルス幅Pwと残留振動最大値(mV)との関係を示す。図6において、○で表される曲線はPw−W曲線であり、□で表される曲線はパルス幅と残留振動最大値との関係であり、インク質量が最大となるPw(=Pws_a)は、8.61μsec、インク液滴吐出後の残留振動波形の最大値Aが最大となるPw(=Pws_b)は、9.15μsecとなる。これら両者の値は、多少のずれは有るがほぼ同一と考えてよく、残留振動波形からインク質量最大値を近似して予測することが可能である。なお、両者のずれ量は経験的に予測することが可能であり、これを補正値ΔPwsとして、インク液滴吐出後の可撓性電極の残留振動波形の最大値Aが最大となるPwに補正値△Pwsを加えた値を初期設定値Pwsとしてもよい。なお、図6の例から求められる△Pwsは−0.54μsであり、初期設定値Pwsは、Pws_bと△Pwsとの和として求められる。
このように初期設定値Pwsをインクジェット式記録ヘッド210の設定部151に設定するPw設定装置の一例の電気的な構成を示すブロック図を図7に示す。このPw設定装置300は、残留振動波形を静電容量の変化として検出し、これを設定部151に格納するものであり、インクジェット式記録ヘッド210を有するヘッドユニット200に接続してこれを駆動させる液滴吐出ヘッド駆動部としてのヘッドドライバ303と、パルス条件設定部306と、ヘッドドライバ303を制御する制御部301とによって構成されている。
図7(a)に示すように、ヘッドドライバ303は、ヘッドユニット200を切替部305を介して駆動する駆動回路304を有している。また、切替部305は、駆動回路304及びパルス条件設定部306の何れか一方をヘッドユニット200と接続させるように接続の切替えを行う。
パルス条件設定部306には、残留振動検出部307と、初期値決定部308とが設けられている。
図7(b)は、残留振動検出部307及びヘッドドライバ303を示す概略ブロック図である。残留振動検出部307は、残留振動を検出する検出回路310と、これに接続されるオシロスコープ311とを有している。
残留振動検出方法は、駆動回路304によって所定の駆動電圧パルスをインクジェット式記録ヘッド210の振動板部である可撓性電極15と固定電極33との間に印加した後に、制御部301からの切替信号によって切替部305を動作させ、インクジェット式記録ヘッド210を残留振動検出部307の検出回路310に接続させる。検出回路310では、可撓性電極15の残留振動を固定電極33との間の静電容量の変化として検出し電気信号に置き換える。
この場合、電子信号は以下の数式により導かれる電圧変動Vcとして検出される。
Vc=Q/C=Q/(ε×S/d)=(Q/εS)×d
ここで、Vcは電荷Qが残存する充電電圧、Qは電荷、Cは振動板部と固定電極33との間の静電容量、εは振動板部と固定電極33との間の誘電率、Sは振動板部と固定電極33との間の対向面積、dは振動板部と固定電極33との間の距離(ギャップ)である。
なお、上述したPw設定装置は一例であり、残留振動の検出も静電容量の変化として測定するものに限定されない。
何れにしても、吐出されたインク質量やインク速度を測定することなく、残留振動波形に基づいて初期設定値Pwsを設定するようにすると、実際に吐出させたインク液滴のインク質量やインク速度を測定するための複雑な設備や膨大な時間をかけることなく、駆動条件としてのパルス幅を、比較的短時間且つ低コストで設定することができ、これにより、液体噴射ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑えることができ、印刷品質を向上することができる。なお、上述したPw設定装置での初期設定値Pwsの設定は一台当たり数秒である。
図8は、本実施形態における残留振動検出部を液滴噴射装置に搭載した例のブロック図である。なお、図4と同一機能を有する部材には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示す液滴噴射装置では、残留振動検出部127がインクジェット制御部120に搭載され、制御信号により、駆動パルス発生部142とドライバIC141との接続を切り替えて残留振動検出部127とドライバIC141との接続とする切替部153がヘッドユニット200に設けられている。なお、切替部153は、インクジェット制御部120内に構成してもかまわない。
このような液滴噴射装置を用いると、上述したPw設定装置と同様に、搭載したインクジェット式記録ヘッド210に対して初期設定値Pwsを設定することができる。また、このように液滴噴射装置に残留振動検出部127を搭載すると、初期設定値Pwsの設定を出荷前だけでなく、所定のタイミングで再設定することができる。すなわち、液滴噴射装置の電源オン時などの装置初期化時、又は予め設定された所定の期間毎などに設定することができる。
このように液体噴射装置に残留振動検出部127を設けると、環境変化やヘッド自体の変化が生じても、初期設定値Pwsを随時再設定できるので、印刷品質を長期に亘って高品位に保持することができる。
図9及び図10には、本実施形態における上述したPw設定装置を用いて初期設定値Pws設定方法を表すフローチャートを示す。初期設定値Pws設定は、残留振動検出工程であるステップS11〜S15と、検出した残留振動波形から残留振動最大値の最大を計測する計測工程であるステップS16〜S35とを備えている。
ステップS11では、最初の駆動電圧パルスのパルス幅であるPw0、後述する最大値計測で用いる定数であるI値及びD値を設定する。Pw0は、予想される最大値の範囲に対応するパルス幅であり、予想される範囲のほぼ中心に設定される。この例では、Pw0は8μsecとし、後述するように±2μsecの範囲で残留振動最大値を求めて、その最大値を検出する。なお、ステップS11では、I値及びD値は0に設定される。
次に、ステップS12で、残留振動最大を計測するPwの初期値を、Pw=Pw0−2に設定し、ステップS13では、この初期値をパルス幅とした駆動電圧パルスを印加する。駆動電圧パルスが印加されると、上述したようにアクチュエータであるヘッドユニット200は検出回路である残留振動検出部307に接続され(ステップS14)、残留振動が検出される(ステップS15)。
ステップS16では、検出波形から残留振動波形の最大値Aを計測する。図11(a)は、このときの残留振動波形の一例であり、Pwのパルス幅を有する駆動電圧波形と、残留振動波形とが示されている。なお、残留振動波形の最大値Aは、残留振動波形の最大値であり、最初の波形のピークである。
ステップS17では、正しく計測されたかを判断し、正しく計測されない場合には(ステップS17、No)、ステップS13からを繰り返し、正しく計測された場合には(ステップS17、Yes)、ステップS18に進む。
ステップS18は、I値及びD値を0か否かを判断するステップであり、ここでは0に設定されているので(ステップS18、Yes)、ステップS19に進む。
ステップS19では、Pwが(Pw0+2)以上か否かを判断し、(Pw0+2)以上でない場合には(ステップS19、No)、ステップS20でPwを(Pw+1)として、ステップS13からを繰り返す。この繰り返しをPwが(Pw0+2)以上となるまで繰り返し、すなわち、(Pw0−2)から(Pw0+2)までの5点について残留振動波形の最大値Aを計測し、(Pw0+2)以上となった場合には(ステップS19、Yes)、ステップS21に進む。
ステップS21では、上述した5点における残留振動波形の最大値Aを用い、最小二乗法により、最大値Aの最大となるPwを求め、これをPws_bとする。
ステップS22では、(Pw0−1)≦Pws_b≦(Pw0+1)か否かを判断し、Pws_bが範囲内であれば(ステップS22、Yes)、Pws_bをPwsとし、アクチュエータであるヘッドユニット200を駆動回路に接続し(ステップS24)、ステップS25で印刷検査をして終了する。
以上の計測工程の結果の一例を図12(a)に示す。なお、この場合、Pws_bが7.83μsecと設定された例である。
ステップS26〜S30は、Pws_bが(Pw0+1)より大きく計測された場合に、Pwをさらに大きくして追加測定するフローである。
すなわち、ステップS22でPws_bが範囲内にない場合には(ステップS22、No)、ステップS26でPws_bが(Pw0+1)より大きいか否かを判断し、大きい場合には、D値が2以上でないことを確認してから(ステップS27)、I値に1を加え(ステップS28)、さらに、Pw0を(Pw0+1)とし(ステップS29)、また、Pwを(Pw0+2)とし(ステップS30)、その後、ステップS13からを繰り返す。なお、この一連のステップは、ステップS27により、D値が2となるまで繰り返されて終了する。
この場合の計測結果の一例を図12(b)に示す。すなわち、Pws_bが9.09μsecと計測された場合であり、初期のPw0=8より3大きい測定点で追加測定する状態を示している。
ステップS31〜S35は、Pws_bが(Pw0−1)より小さく計測された場合に、Pwをさらに小さくして追加測定するフローである。
すなわち、ステップS26でPws_bが(Pw0+1)より大きくない場合には(ステップS26、No)、ステップS31でPws_bが(Pw0−1)より小さいか否かを判断し、小さい場合には、I値が2以上でないことを確認してから(ステップS32)、D値に1を加え(ステップS33)、さらに、Pw0を(Pw0−1)とし(ステップS34)、また、Pwを(Pw0−2)とし(ステップS35)、その後、ステップS13からを繰り返す。なお、この一連のステップは、ステップS32により、I値が2となるまで繰り返されて終了する。
この場合の計測結果の一例を図12(c)に示す。すなわち、Pws_bが6.87μsecと計測された場合であり、初期のPw0=8より3測定点で追加測定する状態を示している。
なお、以上説明したフローは一例であり、最大値の計測方法はこれに限定されるものではない。
また、図11(a)に示すような残留振動最大値Aを指標として計測したが、これに限定されるものではなく、図11(b)に示すような残留振動振幅Bを指標としてもよい。さらに、最大振動最大値A及び残留振動振幅Bの両者を求めて両者の比率、例えばB/Aを指標としてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドとしてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般に適用することができる。例えば、液体噴射ヘッドとしては、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係るインクジェット式記録装置の概略斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係る駆動制御装置のブロック図である。 実施形態1に係る駆動電圧パルスを示すグラフである。 実施形態1に係るパルス幅とインク質量との関係及びパルス幅と残留振動最大値との関係を示す図である。 実施形態1で用いたPw設定装置のブロック図である。 実施形態1における他の駆動制御装置のブロック図である。 実施形態1における残留振動最大値の設定フローの一例を示す図である。 実施形態1における残留振動最大値の設定フローの一例を示す図である。 実施形態1において検出された残留振動波形の一例を示す図である。 実施形態1において計測された残留振動最大値の例を示す図である。
符号の説明
1A、1B カートリッジ、 キャリッジ3、 10 キャビティ基板、 11 圧力室、 12 共通インク室、 14 貫通孔、 15 可撓性電極、 20 ノズルプレート、 21 ノズル、 21a 小径部、 21b 大径部、 22 ノズル段差部、 23 供給口、 24 露出孔、 25 撥水撥油膜、 30 電極基板、 31 溝、 33 固定電極、 200 ヘッドユニット、 210 インクジェット式記録ヘッド

Claims (12)

  1. 液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記固定電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドにおいて、
    前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsが、前記可撓性電極の残留振動波形に基づいてノズル毎又はノズル群毎に設定されている設定部を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1において、前記初期設定値Pwsが、前記残留振動波形の最大値が得られるパルス幅と略同一に設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1又は2において、前記初期設定値Pwsが、前記残留振動波形の最大値が得られるパルス幅に補正値ΔPwsを加えた値に設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記初期設定値Pwsが、環境温度に応じた温度補正値ΔPwsにより再設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記駆動電圧パルスは、1画素印字を最大n回(nは2以上の整数)の連続した液滴の噴射を行うものであり、前記初期設定値Pwsが、各液滴を噴射させるために印加される第1〜第n番目までの各駆動電圧パルス毎に設定されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記固定電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドであって、前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsが設定されている設定部を具備する液体噴射ヘッドと、前記可撓性電極の残留振動を測定する残留振動検出部と、この残留振動検出部が測定した残留振動に基づいて前記初期設定値Pwsをノズル毎又はノズル群毎に決定する初期設定値決定部とを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項6において、前記初期設定値決定部は、前記残留振動の波形の最大値に基づいて前記初期設定値Pwsを決定するように機能することを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項6又は7において、さらに、環境温度を測定する温度測定部を具備し、前記初期設定値決定部は、前記温度測定部が測定した温度に基づいて補正値ΔPwsを決定し且つ当該補正値Pwsを考慮して前記初期設定値Pwsを決定するように機能することを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項6〜8の何れかにおいて、前記残留振動検出部は、前記液体噴射ヘッドの駆動回路と切替自在に接続されると共に前記可撓性電極と前記固定電極と間の静電容量の変化に基づいて前記残留振動を検出するように機能することを特徴とする液体噴射装置。
  10. 液滴が噴射されるノズルに連通する複数の圧力室と、複数の圧力室に共通する共通液室と、該共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口と、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極とを具備すると共に、前記可撓性電極及び前記固定電極の間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させることにより前記圧力室に圧力変動を発生させて前記ノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の製造方法において、
    前記可撓性電極の残留振動波形に基づいてノズル毎又はノズル群毎に前記駆動電圧パルスのパルス幅Pwの初期設定値Pwsを前記液体噴射ヘッドに設定することを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
  11. 請求項10において、前記初期設定値Pwsの設定を、前記液体噴射ヘッドを前記液体噴射装置に搭載する前に行うことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
  12. 請求項10において、前記初期設定値Pwsの設定を、前記液体噴射ヘッドを前記液体噴射装置に搭載した後に行うことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
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