JP2010000650A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸引ポンプと複数のキャップ部との間に各キャップ部に個別に対応する弁体を複数備えた構成であって、液体噴射ヘッドのクリーニングの終了後に駆動モータを吸引ポンプに吸引力を発揮させる方向から逆方向に回転させた時に、ノズル内のメニスカスの破壊を簡単な構成で抑制できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】駆動モータ25Aが正方向に回転した場合にキャップ24の各インク小室24a〜24d及び各排出路26a,27a,28a,29aを介してインクを廃液タンク30に送出する吸引ポンプ25と、駆動モータが逆方向に回転した場合に各排出路上の弁体38を駆動させる切替弁装置37と、駆動モータの回転が正方向から逆方向に切り替わった場合に駆動モータの回転が切替弁装置へ伝達することを遅延するワンウェイクラッチ機構40を備え、ワンウェイクラッチ機構は、互いに係止可能な突部を有する第1及び第2回転ギヤにより構成される。
【選択図】図3
【解決手段】駆動モータ25Aが正方向に回転した場合にキャップ24の各インク小室24a〜24d及び各排出路26a,27a,28a,29aを介してインクを廃液タンク30に送出する吸引ポンプ25と、駆動モータが逆方向に回転した場合に各排出路上の弁体38を駆動させる切替弁装置37と、駆動モータの回転が正方向から逆方向に切り替わった場合に駆動モータの回転が切替弁装置へ伝達することを遅延するワンウェイクラッチ機構40を備え、ワンウェイクラッチ機構は、互いに係止可能な突部を有する第1及び第2回転ギヤにより構成される。
【選択図】図3
Description
本発明は、インクジェット式プリンタなどの液体噴射装置に関する。
一般に、液体噴射ヘッドからターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が広く知られている。このようなプリンタでは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドのノズルからインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入等によりノズルに目詰まりを生じ、印刷不良を引き起こすという問題があった。そこで、このような問題を解決するために、通常、プリンタには、記録ヘッドのノズル内からインク・気泡等を強制的に吸引して排出させるクリーニングを実行するメンテナンス装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のメンテナンス装置には、記録ヘッドのノズル形成面を封止するために上方が開口したキャッピング手段と、該キャッピング手段に排出チューブなどを介して接続される廃液タンクと、排出チューブの途中に設けられる吸引ポンプ(チューブポンプ)とが設けられている。キャッピング手段には、記録ヘッドのノズル形成面を複数の吸引対象領域に区画するために、複数のインク小室(キャップ部)が区画形成されている。また、排出チューブは、吸引ポンプよりも上流側(キャッピング手段側)において、複数の液体流路に分岐され、該各液体流路は、各インク小室内と個別に連通している。さらに、吸引ポンプは、正逆両方向に回転可能な駆動モータの正方向への回転に基づき、吸引力を発揮するようになっている。
また、メンテナンス装置には、各液体流路の途中に各々介在させた弁体を開弁動作及び閉弁動作させることにより、各液体流路を選択的に連通状態又は非連通状態となるように切替える切替弁装置が設けられている。そして、駆動モータの正方向への回転に基づき吸引ポンプが駆動した場合には、連通状態にある液体流路と対応するインク小室内にのみ、記録ヘッドのノズルを介してインクが排出されるようになっている。すなわち、切替弁装置を駆動させることにより、記録ヘッドのクリーニングが選択的に実行されるようになっていた。
特開平10−181034号公報
ところで、近時のメンテナンス装置では、駆動モータが逆方向に回転した場合のみ、その回転に基づく駆動力が切替弁装置に対して伝達されるものがある。すなわち、このような切替弁装置は、逆方向に回転する駆動モータから伝達された駆動力によって、上記各弁体を開弁動作及び閉弁動作させている。
しかしながら、キャッピング手段が記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態で駆動モータの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、吸引ポンプ内に発生している圧力差を解消するために、吸引ポンプ内の正圧が、各液体流路内を上流側(キャップ側)に移動することになる。そして、各液体流路内に正圧が蓄圧された状態で、駆動モータの逆方向への回転に起因して、各弁体のうち閉じ状態にあった弁体が開弁動作した場合には、該弁体に対応するインク小室内に上記正圧が移動する。その結果、開弁動作した弁体に対応するインク小室にインクを排出可能とされたノズルにおいては、インク小室内に移動してきた正圧によって、ノズル内のメニスカスが破壊されるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、吸引ポンプと複数のキャップ部との間に該各キャップ部に個別に対応する弁体を複数備えた構成の場合であって、液体噴射ヘッドのクリーニングの終了後に駆動モータを吸引ポンプに吸引力を発揮させる方向から逆の方向に回転させたときに、ノズル内のメニスカスの破壊を簡単な構成で抑制できる液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、ノズル形成面に形成された多数のノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記ノズルから液体を吸引可能な状態で前記液体噴射ヘッドに当接すると共に、内部に液体を受容可能に形成された複数のキャップ部を有するキャッピング手段と、該キャッピング手段を介して前記液体噴射ヘッドから排出された前記液体を回収して収容するためのタンクと、前記各キャップ部と個別対応するように設けられ、それら各キャップ部を前記タンクに接続する複数の液体流路と、第1方向及び該第1方向とは逆方向の第2方向に回転可能な駆動モータと、前記液体噴射ヘッドと前記キャッピング手段とが当接した状態で前記駆動モータが前記第1方向に回転した場合に、前記キャップ部内及び前記液体流路内を通じて前記液体を吸引し、該液体を前記タンク側に送出する吸引ポンプと、前記駆動モータが前記第2方向に回転した場合に、前記キャップ部と前記吸引ポンプとの途中に各々介在させた弁体を開弁動作又は閉弁動作させることにより、前記各液体流路を選択的に連通状態又は非連通状態とするように切り替える切替弁装置と、前記駆動モータの回転が前記第1方向から前記第2方向に切り替った場合に、前記駆動モータの前記第2方向の回転の前記切替弁装置への伝達を遅延する遅延手段とを備え、前記遅延手段は、前記駆動モータの回転に応じて回転する第1回転部材と、該第1回転部材の軸線を中心に回転自在な第2回転部材とにより構成され、前記第1回転部材は、該第1回転部材の回転に伴って前記軸線の周りを周回移動する第1係止部を有する一方、前記第2回転部材は、前記駆動モータの前記第2方向の回転に応じた前記第1回転部材の回転途中に前記第1係止部と係止状態となり且つ該第1係止部との係止状態を維持しつつ前記軸線の周りを周回移動することで前記第2回転部材を回転させる第2係止部を有し、前記切替弁装置は、前記第2回転部材が回転した場合に、前記各弁体を開弁動作又は閉弁動作させる。
一般に、駆動モータの回転が液体噴射ヘッドのクリーニング時の第1方向から逆の第2方向に切り替った場合には、吸引ポンプ内に発生していた正圧が各液体流路内において吸引ポンプよりも上流側(キャッピング手段側)に移動する。そして、上記正圧が液体流路内を下流側(タンク側)から排出される前に、切替弁装置が駆動してしまった場合には、上記正圧が、非連通状態から連通状態になった液体流路を介してキャップ部内に移動してしまうおそれがある。この点、本発明では、駆動モータの回転が第1方向から第2方向に切り替った場合、第1回転部材の第1係止部が軸線周りを周回移動して第2回転部材の第2係止部に係止状態になるまでの間、駆動モータの第2方向の回転が切替弁装置に伝達されることを遅延手段が遅延させる。すなわち、第1係止部を有する第1回転部材と第2係止部を有する第2回転部材とからなる遅延手段によって切替弁装置への動力伝達が遅延されている間に、液体流路内に蓄圧された上記正圧は、タンク側から排出され、上記正圧がキャップ部内に移動することが抑制される。したがって、液体噴射ヘッドのクリーニングの終了後に駆動モータを吸引ポンプに吸引力を発揮させる方向から逆の方向に回転させたときに、ノズル内のメニスカスの破壊を簡単な構成で抑制できる。
本発明の液体噴射装置において、前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも一方の係止部は弾性部材の付勢力に基づき常には相手側の係止部の周回移動軌跡上に位置するように構成されており、前記駆動モータの前記第1方向の回転に応じた前記第1回転部材の回転途中に前記第1係止部と前記第2係止部とが当接した場合には、前記少なくとも一方の係止部が前記弾性部材の付勢力に抗して相手側の係止部の周回移動軌跡上から位置ずれする方向に変位する。
この発明によれば、駆動モータが第1方向に回転した場合において第1係止部と第2係止部とが当接したときには、両係止部のうち少なくとも一方の係止部が相手側の係止部の周回移動軌跡上から位置ずれする方向に変位するため、第2係止部が第1係止部との係止状態を維持しつつ軸線周りを周回移動することはない。すなわち、第2回転部材が回転することはない。したがって、吸引ポンプに吸引力を発揮させるために駆動モータが第1方向に回転した場合に切替弁装置が第2回転部材の回転に基づき各弁体を開弁動作又は閉弁動作させることを防ぐことができる。
本発明の液体噴射装置において、前記弾性部材は、前記少なくとも一方の係止部を有してなる前記回転部材に対して片持ち梁状をなすように形成された弾性片部にて構成され、該弾性片部の自由端側に前記少なくとも一方の係止部は設けられている。
この発明によれば、第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも一方の係止部を相手側の係止部の周回移動軌跡上に位置するように付勢する弾性部材が回転部材に片持ち梁状をなすように形成された弾性片部により構成されているため、例えばコイルばね等の別部品を弾性部材として設けることが不要となり、部品点数を更に低減することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記液体流路は、一方側が前記キャップ部内に連通すると共に、他方側が前記タンク内に連通する可撓性チューブにより形成され、前記吸引ポンプには、前記駆動モータが前記第1方向に回転した場合には前記可撓性チューブの一部に押圧力を付与する一方、前記駆動モータが前記第2方向に回転した場合には前記可撓性チューブの一部に付与している押圧力が低下する押圧手段が設けられており、前記遅延手段は、前記駆動モータの回転が前記第1方向から前記第2方向に切り替った場合において前記押圧手段による前記可撓性チューブの一部に対する押圧力が低下した後に、前記駆動モータの前記第2方向への回転を前記切替弁装置に伝達するように構成されている。
この発明によれば、駆動モータの回転が第1方向から第2方向に切り替った場合、押圧手段による可撓性チューブの一部に付与されている押圧力が駆動モータの第1方向への回転時における押圧力よりも低下してから、駆動モータの第2方向への回転が切替弁装置に伝達される。したがって、液体流路内に蓄圧された上記正圧をタンク側から排出させることが可能になる。
本発明の液体噴射装置において、前記遅延手段は、前記駆動モータの回転が前記第1方向から前記第2方向に切り替ってから、前記押圧手段による前記可撓性チューブの一部への押圧力の付与が解消された後に、前記駆動モータの前記第2方向への回転を前記切替弁装置に伝達するように構成されている。
この発明によれば、駆動モータの回転が第1方向から第2方向に切り替った場合、押圧手段による可撓性チューブの一部に付与されている押圧力が解消されてから、駆動モータの第2方向への回転が切替弁装置に伝達される。したがって、液体流路内に蓄圧された上記正圧を確実にタンク側から排出させることが可能になる。
以下、本発明の液体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化した一実施形態を図1〜図13に従って説明する。
図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11は、略矩形箱状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内の下部には、その長手方向である主走査方向Xに沿ってプラテン13が延設されている。プラテン13上には、フレーム12の背面下部(図1における後面下部)に設けられた紙送りモータ14の駆動に基づき、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙Pが主走査方向Xと直交する副走査方向Yに沿って給送されるようになっている。
図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11は、略矩形箱状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内の下部には、その長手方向である主走査方向Xに沿ってプラテン13が延設されている。プラテン13上には、フレーム12の背面下部(図1における後面下部)に設けられた紙送りモータ14の駆動に基づき、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙Pが主走査方向Xと直交する副走査方向Yに沿って給送されるようになっている。
また、フレーム12内におけるプラテン13の上方には、該プラテン13の長手方向に沿ってガイド軸15が架設されている。ガイド軸15には、キャリッジ16が、該ガイド軸15の軸線方向(主走査方向X)に沿って往復移動可能に支持されている。すなわち、キャリッジ16は、軸線方向に貫通形成された支持孔16aにガイド軸15が挿通されることにより、このガイド軸15の軸線方向に沿って往復移動自在に支持されている。
また、フレーム12の図1における後壁内面におけるガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プーリ17a及び従動プーリ17bが回転自在に支持されている。駆動プーリ17aにはキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモータ18の出力軸が連結されると共に、これら一対のプーリ17a,17b間には、キャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が掛装されている。したがって、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモータ18の駆動力により無端状のタイミングベルト17を介して主走査方向Xに移動可能となっている。
キャリッジ16の下面側には液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19が設けられると共に、キャリッジ16上には記録ヘッド19に対して液体としてのインクを供給するための複数(本実施形態では4つ)のインクカートリッジ20が着脱可能に搭載されている。図2に示すように、記録ヘッド19の下面側となるノズル形成面19aには、各色のインクを吐出するための吐出口である多数のノズル21により、副走査方向Yに延びるノズル列としてのブラックインクノズル群22Bと、シアンインクノズル群22Cと、マゼンタインクノズル群22Mと、イエローインクノズル群22Yとが形成されている。すなわち、ノズル形成面19aには、各ノズル群22B,22C,22M,22Yにより、副走査方向Yに沿って延びる複数のノズル列が、主走査方向Xへ一定の間隔をおいて複数の吸引対象領域を形成するように設けられている。
そして、インクカートリッジ20内のインクは、記録ヘッド19に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカートリッジ20から記録ヘッド19へと供給され、該記録ヘッド19のノズル形成面19aに形成された複数のノズル21からプラテン13上に給送された記録用紙Pに吐出(噴射)されて印刷が行われるようになっている。
なお、フレーム12内の図1における右端部に位置する記録用紙Pと対応しないホームポジション領域(非印刷領域)には、非印刷時に記録ヘッド19のクリーニング等のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置23が設けられている。
次に、メンテナンス装置23について図3に基づき以下説明する。
図3に示すように、メンテナンス装置23は、記録ヘッド19のノズル形成面19aを封止可能な上側が開口した有底四角箱状をなす合成樹脂製のキャップ(キャッピング手段)24と、正方向(第1方向)及び逆方向(第2方向)の両方向に回転可能な駆動モータ25Aの回転に基づき駆動する吸引ポンプ25とを備えている。すなわち、キャップ24は、記録ヘッド19の各ノズル21からインクを吸引可能な状態で形成されている。また、キャップ24内は、複数(本実施形態では4つ)に区画され、各インク色のノズル群22B,22C,22M,22Yに個別対応する複数のキャップ部としてのインク小室(図3における左側から順に、第1インク小室24a,第2インク小室24b,第3インク小室24c,第4インク小室24d)を形成している。
図3に示すように、メンテナンス装置23は、記録ヘッド19のノズル形成面19aを封止可能な上側が開口した有底四角箱状をなす合成樹脂製のキャップ(キャッピング手段)24と、正方向(第1方向)及び逆方向(第2方向)の両方向に回転可能な駆動モータ25Aの回転に基づき駆動する吸引ポンプ25とを備えている。すなわち、キャップ24は、記録ヘッド19の各ノズル21からインクを吸引可能な状態で形成されている。また、キャップ24内は、複数(本実施形態では4つ)に区画され、各インク色のノズル群22B,22C,22M,22Yに個別対応する複数のキャップ部としてのインク小室(図3における左側から順に、第1インク小室24a,第2インク小室24b,第3インク小室24c,第4インク小室24d)を形成している。
そして、キャップ24は、図示しない昇降手段により上下動可能とされ、上昇した場合には、ホームポジション領域に位置する記録ヘッド19に当接し、記録ヘッド19の各ノズル群22B,22C,22M,22Y(ノズル形成面19a)を封止するようになっている。より詳しくは、第1インク小室24aによってブラックインクノズル群22Bが封止されると共に、第2インク小室24bによってシアンインクノズル群22Cが封止される。また、第3インク小室24cによってマゼンタインクノズル群22Mが封止されると共に、第4インク小室24dによってイエローインクノズル群22Yが封止される。
キャップ24の各インク小室24a〜24dには、それぞれ内部にインクの排出路(液体流路)26a,27a,28a,29aが形成された可撓性チューブである排出チューブ26,27,28,29が接続されている。各排出チューブ26〜29は、それらの途中において合流された後、吸引ポンプ25を介して廃液タンク30まで連通している。すなわち、排出チューブ26〜29は、その一方側(上流側)がキャップ24内のインク小室24a〜24dに連通すると共に、その他方側(下流側)が廃液タンク30内に連通している。そして、クリーニング時やフラッシング時などにおいて、ノズル21から排出されたインクが排出チューブ26〜29(排出路26a〜29a)を介して廃液タンク30内に排出されるようになっている。なお、以下の記載において、各排出チューブ26〜29が合流し、吸引ポンプ25を介して廃液タンク30まで延びる部分のことを、「合流排出チューブ31」ということもある。
吸引ポンプ25は、図4に示すように、フレーム12に固定された円筒状のポンプケース32を備えている。このポンプケース32内には、平面視円形状をなすポンプホイル33がポンプケース32の軸心に設けられたホイル軸34を中心に回転可能に収容されている。そして、このポンプケース32内に、合流排出チューブ31の中間部31aがポンプケース32の内周壁に沿うようにして収容されている。なお、ポンプホイル33は、駆動モータ25Aが正方向に回転した場合には第1の回転方向Aに回転する一方、駆動モータ25Aが逆方向に回転した場合には第2の回転方向Bに回転するようになっている。
ポンプホイル33には、外側に膨らむ円弧状をなすローラ案内溝35が形成されている。このローラ案内溝35は、その一端がポンプホイル33の外周側に位置すると共に、その他端がポンプホイル33の内周側に位置している。すなわち、ローラ案内溝35は、その一端から他端に向かうほど、徐々にポンプホイル33の外周部から内方へ遠ざかるように延びている。ローラ案内溝35内には、押圧手段としてのローラ36が、回動軸36aを挿通した状態でそれぞれ支持されている。なお、回動軸36aは、ローラ案内溝35内を摺動自在になっている。
ローラ36は、ポンプホイル33が第1の回転方向Aに回転すると、ローラ案内溝35の一端側(ポンプホイル33の外周側)に移動するようになっている。そして、ポンプホイル33が更に第1の回転方向Aに回転した場合には、ローラ36が、合流排出チューブ31の中間部31aの一部を上流側から下流側へ順次押し潰すようになっている。すなわち、記録ヘッド19のノズル形成面19a(各ノズル21)をキャップ24により封止した状態でポンプホイル33が第1の回転方向Aに回転した場合には、吸引ポンプ25よりも上流側の合流排出チューブ31の内部が減圧され、キャップ24(インク小室24a〜24d)内に負圧が発生するようになっている。その結果、記録ヘッド19からは、負圧が発生したインク小室24a〜24dに対応する各ノズル21内から増粘したインクが気泡等とともにキャップ24内に排出され、該排出されたインク(廃インク)が合流排出チューブ31などを介して廃液タンク30内に排出される、いわゆるクリーニングが行われるようになっている。
一方、各ローラ36は、ポンプホイル33が第2の回転方向Bに回転すると、ローラ案内溝35の他端側(ポンプホイル33の内周側)に移動するようになっている。このローラ36の移動により、ローラ36によって合流排出チューブ31の中間部31aに付与される押圧力が、ポンプホイル33が第1の回転方向Aに回転する場合に比して弱くなり、合流排出チューブ31の内部の減圧状態が解消されるようになっている。
各排出路26a〜29aにおけるキャップ24と吸引ポンプ25との間には、各排出路26a〜29aを連通状態又は非連通状態となるように選択的に切り替える切替弁装置37が配置されている。この切替弁装置37には、各排出路26a〜29a中に個別に介在する弁体38が設けられている。そして、切替弁装置37は、各弁体38を個別に開弁動作又は閉弁動作させることにより、各排出路26a〜29aを個別に連通状態にしたり、非連通状態にしたりするようになっている。
切替弁装置37は、図3に示すように、駆動モータ25Aにワンウェイクラッチ機構40を介して接続されている。本実施形態では、ワンウェイクラッチ機構40により、駆動モータ25Aが逆方向に回転した場合にのみ、その回転に基づく駆動力が切替弁装置37に伝達されるようになっている。また、合流排出チューブ31において切替弁装置37と吸引ポンプ25との間には、吸引ポンプ25の駆動に基づき負圧を蓄圧するための圧力室41が設けられている。
次に、駆動モータ25Aの回転を吸引ポンプ25やワンウェイクラッチ機構40(切替弁装置37)に伝達するための構成について、図5〜図10に基づき以下説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図5に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図5及び図6に示すように、駆動モータ25Aの回転軸45には、該回転軸45を中心に回転自在な外歯型のモータ側ギヤ46が固着されている。そして、モータ側ギヤ46の左側には、該モータ側ギヤ46に噛合する外歯型のポンプ側ギヤ47が配設され、該ポンプ側ギヤ47の径方向における中心部には、吸引ポンプ25のホイル軸34が固着されている。そして、ポンプ側ギヤ47は、駆動モータ25A(モータ側ギヤ46)が正方向に回転した場合には、その正方向とは反対の第1の回転方向Aに回転する一方、駆動モータ25Aが逆方向に回転した場合には、その逆方向とは反対の第2の回転方向Bに回転するようになっている。
一方、モータ側ギヤ46の右側には、ワンウェイクラッチ機構40が設けられている。このワンウェイクラッチ機構40には、第1の軸線S1を中心に回転自在とされた第1回転部材としての第1回転ギヤ48と、該第1回転ギヤ48の前側に配置されて、同じく第1の軸線S1を中心に回転自在とされた第2回転部材としての第2回転ギヤ49とが設けられている。
図5〜図7に示すように、第1回転ギヤ48の外周縁部には、モータ側ギヤ46に噛合可能な多数の歯が周方向に沿って等間隔に形成されると共に、第1回転ギヤ48の後面には、第1の軸線S1を中心とする円筒部80が後方に突出するように形成されている。そして、この円筒部80に対して第1の軸線S1に沿う方向の後方側から中空状の支持管81が外嵌合されることにより、第1回転ギヤ48は支持管81に軸支されつつ第1の軸線S1を中心にして回動自在とされている。
図7及び図8(a)に示すように、第1回転ギヤ48における円筒部80よりも径方向内側には、第1の軸線S1を中心とする貫通孔48aが軸方向に貫通形成され、該貫通孔48aの縁部にて構成される第1回転ギヤ48の内周部には、内向きの鍔部82が形成されている。
この鍔部82における周方向の一部(図7及び図8(a)では下端部)には、該鍔部82の内周縁から円筒部80の内周面にまで至る径方向の切欠部83aが切り欠き形成され、該切欠部83aが切り欠き形成されたことにより、鍔部82は略C字状をなすように形成されている。また、鍔部82には、切欠部83aから周方向の一方(図8(a)では反時計方向)に向けて円筒部80の内周面に沿って所定距離だけ延びる細溝状の切欠溝83bが形成されている。その結果、第1回転ギヤ48における内周側の鍔部82には、貫通孔48aと切欠部83aと切欠溝83bとで囲まれた片持ち梁状をなす弾性片部84が形成される。
なお、弾性片部84は、その基端側から先端側にかけての部分が弾性変形可能な弧状をなすように形成されており、その先端側(自由端側)には、径方向内側に突出した略三角形状の突部85が第1係止部として形成されている。そして、この突部85は、先端側の端面が第1回転ギヤ48の径方向に平行な面をなす係止面85aとして形成されると共に、その係止面85aに対して突部85の頂点において径方向と交差する方向に交わって鍔部82の内周縁に連なる斜面が非係止面85bとして形成されている。
一方、図7及び図8(b)に示すように、第2回転ギヤ49の後面における略中央部には、第1回転ギヤ48の貫通孔48aよりも小径で第1の軸線S1を中心とする略円柱状の凸部86が後方に突出するように形成されており、該凸部86における周方向の一部には径方向の外側に向けて突出する略扇形状の突部87が第2係止部として形成されている。なお、この場合において、第1の軸線S1から突部87の先端までの距離は、第1の軸線S1から貫通孔48aの半径となる距離よりも小さい。そして、この突部87は、図8(b)において時計回り方向の前側となる面が第2回転ギヤ49の径方向に平行な面をなす係止面87aとして形成されると共に、その係止面87aに対して突部87の頂点において径方向と交差する方向に交わって凸部86の外周面に連なる円弧面が非係止面87bとして形成されている。
なお、第2回転ギヤ49の前面には、第1の軸線S1を中心とする円筒部88が前方に突出するように形成されている。また、この円筒部88に対して第1の軸線S1に沿う方向の前方側から中空状の支持管89が外嵌合されることにより、第2回転ギヤ49は支持管89に軸支されつつ第1の軸線S1を中心にして回動自在とされている。そして、第2回転ギヤ49と第1回転ギヤ48とを軸線S1を中心にした回動自在に組み付けた場合には、第2回転ギヤ49の凸部86の突部87と径方向で対応する位置に第1回転ギヤ48の弾性片部84の突部85が配置されるようになっている。すなわち、各突部85,87は、常には相手側の突部85,87の周回移動軌跡上に位置するように構成されている。
そして、第1回転ギヤ48の突部85は、駆動モータ25Aが正方向に回転した場合には、図9(a)(b)(c)に示すように、第1回転ギヤ48が正方向とは反対の第3の回転方向Cに回転するため、この第1回転ギヤ48の回転に伴い第3の回転方向Cに周回移動するようになっている。具体的には、第1回転ギヤ48の突部85は、第3の回転方向Cにおいて図9(a)に示す位置まで周回移動すると、第2回転ギヤ49の突部87に当接する。そして、この状態から第3の回転方向Cに更に周回移動する過程で、第1回転ギヤ48の突部85は、該突部85の斜面状をなす非係止面85bが第2回転ギヤ49の突部87の円弧面状をなす非係止面87bに対して摺動しつつ、弾性片部84の弾性力(付勢力)に抗して径方向外側に押圧される。
このとき、弾性片部84は、その基端側が片持ち梁状をなすように鍔部82に固定支持されているため、その先端側が基端側を支点として第2回転ギヤ49の突部87により径方向外側に押し込まれた分だけ撓み変形する(図9(b)参照)。そして、その状態から第1回転ギヤ48が第3の回転方向Cに更に回転すると、弾性片部84の先端に形成された突部85は、第2回転ギヤ49の突部87の円弧面状をなす非係止面87bを径方向外側に乗り越えて離間した後、弾性片部84の弾性復帰力により変形前の径方向位置に復元される(図9(c)参照)。
すなわち、駆動モータ25Aの正方向の回転に応じた第1回転ギヤ48の第3の回転方向Cへの回転途中に両突部85,87が当接した場合には、第1回転ギヤ48の突部85が弾性片部84の付勢力に抗して第2回転ギヤ49の突部87の径方向位置から位置ずれするように変位する。その結果、両突部85,87は互いの係止面85a,87a同士を係止させることもなく、互いの当接状態が解除されることで、第2回転ギヤ49には、第1回転ギヤ48の回転が伝達されないようになっている。
また、第1回転ギヤ48の突部85は、駆動モータ25Aが逆方向に回転した場合には、図10(a)(b)(c)に示すように、第1回転ギヤ48が逆方向とは反対の第4の回転方向Dに回転するため、この第1回転ギヤ48の回転に伴い第4の回転方向Dに周回移動するようになっている。具体的には、第1回転ギヤ48の突部85は、図10(a)に示す位置から第4の回転方向Dに沿って周回移動すると、第2回転ギヤ49の突部87から周方向において離間するようになる(図10(b)参照)。
そして、第1回転ギヤ48が第4の回転方向Dにさらに回転した場合には、図10(c)に示すように、第1回転ギヤ48の突部85の係止面85aと第2回転ギヤ49の突部87の係止面87aとが当接する。すなわち、両突部85,87が互いに係止状態になる。この状態で、第1回転ギヤ48が第4の回転方向Dにさらに回転した場合、第1回転ギヤ48の第4の回転方向Dへの回転が両回転ギヤ48,49における各突部85,87の両係止面85a,87a同士の係止状態を介して第2回転ギヤ49に伝達されることにより、第2回転ギヤ49は、第4の回転方向Dに回転し始める。なお、第2回転ギヤ49は、その径が第1回転ギヤ48よりも小さいため、駆動モータ25Aの逆方向への回転が減速された状態で切替弁装置37に伝達されるようになっている。
そして、第2回転ギヤ49が第4の回転方向Dに回転する場合、図5及び図6に示すように、第2回転ギヤ49の右側に配置された外歯型の弁体側回転ギヤ54には、第2回転ギヤ49の外周縁部に形成された外歯が噛合しているため、第2回転ギヤ49を介して駆動モータ25Aの回転が伝達されるようになっている。すなわち、駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、第1回転ギヤ48の突部85が第4の回転方向Dに周回し始めてから第2回転ギヤ49の突部87と係止状態になるまで、駆動モータ25Aの回転が弁体側回転ギヤ54に伝達されないようになっている。したがって、本実施形態では、第1回転ギヤ48及び第2回転ギヤ49により、駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合に、駆動モータ25Aの逆方向への回転の弁体側回転ギヤ54(切替弁装置37)への伝達を遅延する遅延手段が構成されている。
なお、本実施形態では、駆動モータ25Aが逆方向に回転し始めたことに起因して、両回転ギヤ48,49の突部85,87同士が係止状態になった場合、その時点では既に吸引ポンプ25において合流排出チューブ31に対するローラ36による押圧状態がすでに解消されるようになっている。すなわち、合流排出チューブ31においてローラ36により押圧されていた部位は、合流排出チューブ31の弾性復帰力により、その断面形状が略円形状に戻っている。
次に、切替弁装置37において各弁体38を動作させるための構成について、図5、図6及び図11に基づき以下説明する。
図5及び図6に示すように、切替弁装置37には、前述したように第2回転ギヤ49と噛合する外歯型の弁体側回転ギヤ54が設けられており、該弁体側回転ギヤ54は、第2の軸線S2を中心に回転自在とされている。この弁体側回転ギヤ54には、その径方向における中心部から前方に向けて延設されたカムシャフト55が固着され、該カムシャフト55は、弁体側回転ギヤ54と共に第2の軸線S2を中心に回転するようになっている。また、このカムシャフト55には、その延設方向に沿って複数(本実施形態では4つ)のカム部材56,57,58,59が等間隔に固着されている。具体的には、各カム部材56〜59のうち、第1カム部材56が最も弁体側回転ギヤ54に近接した後側に配置されると共に、第2カム部材57が後側から二番目に配置されている。また、第3カム部材58が後側から三番目に配置されると共に、第4カム部材59が最も前側に配置されている。なお、カムシャフト55の下方には、各カム部材56〜59に個別に対応するレバー60,61,62,63を有する切替弁用レバー部64が設けられている。
図5及び図6に示すように、切替弁装置37には、前述したように第2回転ギヤ49と噛合する外歯型の弁体側回転ギヤ54が設けられており、該弁体側回転ギヤ54は、第2の軸線S2を中心に回転自在とされている。この弁体側回転ギヤ54には、その径方向における中心部から前方に向けて延設されたカムシャフト55が固着され、該カムシャフト55は、弁体側回転ギヤ54と共に第2の軸線S2を中心に回転するようになっている。また、このカムシャフト55には、その延設方向に沿って複数(本実施形態では4つ)のカム部材56,57,58,59が等間隔に固着されている。具体的には、各カム部材56〜59のうち、第1カム部材56が最も弁体側回転ギヤ54に近接した後側に配置されると共に、第2カム部材57が後側から二番目に配置されている。また、第3カム部材58が後側から三番目に配置されると共に、第4カム部材59が最も前側に配置されている。なお、カムシャフト55の下方には、各カム部材56〜59に個別に対応するレバー60,61,62,63を有する切替弁用レバー部64が設けられている。
図11(a)に示すように、第1カム部材56には、共に断面形状が扇形状をなす一斉動作用凸部56aと単独動作用凸部56bが、カムシャフト55の反回転方向(図11(a)における反時計方向であり、以下において同様。)に約270度の間隔をおいてそれぞれ突出形成されている。図11(b)に示すように、第2カム部材57には、共に断面形状が扇形状をなす一斉動作用凸部57aと単独動作用凸部57bが、カムシャフト55の反回転方向に約200度の間隔をおいてそれぞれ突出形成されている。
図11(c)に示すように、第3カム部材58には、共に断面形状が扇形状をなす一斉動作用凸部58aと単独動作用凸部58bが、カムシャフト55の反回転方向に約140度の間隔をおいてそれぞれ突出形成されている。図11(d)に示すように、第4カム部材59には、共に断面形状が扇形状をなす一斉動作用凸部59aと単独動作用凸部59bが、カムシャフト55の反回転方向に約80度の間隔をおいてそれぞれ突出形成されている。なお、各一斉動作用凸部56a〜59aと各単独動作用凸部56b〜59bは、各凸部によってそれぞれ若干の相違はあるものの概ね中心角が45度〜75度の範囲内の扇形状に形成されている。また、各一斉動作用凸部56a〜59aは、第2の軸線S2を中心にした周方向位置がそれぞれ同位置となるように形成されており、各単独動作用凸部56b〜59bは、第2の軸線S2を中心にした周方向位置がそれぞれ異なるように形成されている。
切替弁用レバー部64は、各カム部材56〜59の回転に基づき各排出路26a〜29aが連通・非連通状態となるように各弁体38を個別に駆動させるようになっている。切替弁用レバー部64は、図5に示すように、ブロック状の基材70を備え、該基材70上には、2本の回転軸71,72が各カム部材56〜59の直径よりも大きな間隔を空けてカムシャフト55と平行となるように配置されている。そして、基材70の内部には、各排出路26a〜29aが形成されている。
2本の回転軸71,72のうち、右側の回転軸71には、図5において後側から順に、第1レバー60、第3レバー62がそれぞれ回転可能に取り付けられている。また、2本の回転軸71,72のうち、左側の回転軸72には、図5において後側から順に、第2レバー61、第4レバー63がそれぞれ回転可能に取り付けられている。
第1レバー60は、第1インク小室24a(排出路26a)に対応するように第1カム部材56の下方に位置しており、第1カム部材56の回転に伴い、排出路26aが連通・非連通状態となるように切り替える。第2レバー61は、第2インク小室24b(排出路27a)に対応するように第2カム部材57の下方に位置しており、第2カム部材57の回転に伴い、排出路27aが連通・非連通状態となるように切り替える。第3レバー62は、第3インク小室24c(排出路28a)に対応するように第3カム部材58の下方に位置しており、第3カム部材58の回転に伴い、排出路28aが連通・非連通状態となるように切り替える。第4レバー63は、第4インク小室24d(排出路29a)に対応するように第4カム部材59の下方に位置しており、第4カム部材59の回転に伴い、排出路29aが連通・非連通状態となるように切り替える。
図11(d)に示すように、切替弁用レバー部64における基材70の上面側において、第4レバー63の左端(図11(d)における右端)と対応する位置には弁体支持部70aが上方へ隆起形成されている。この弁体支持部70aには基材70内を貫通する排出路29aまで至る弁体支持孔70bが上下方向に形成され、この弁体支持孔70b内に長尺状をなす弁体38が上下動可能に配置されている。弁体38は、図示しないコイルバネによって下方に付勢されており、その弁体38の下部により常には排出路29aを封止した状態にあって、第4インク小室24dと吸引ポンプ25との間を非連通状態としている。
そして、第4カム部材59の回転に伴い、一斉動作用凸部59a又は単独動作用凸部59bが第4レバー63を下方に押し込んだ場合に、第4レバー63は、その右端側(図11(d)では左端側)が下方へ押し込まれるように図11(d)において時計方向へ回転する。すると、弁体38が開弁動作し、その結果、第4インク小室24dと吸引ポンプ25との間を繋ぐ排出路29aが連通状態になる。すなわち、一斉動作用凸部59a又は単独動作用凸部59bが第4レバー63の右端側を下方に押し込んでいる間は、弁体38が開き状態になる。なお、第4カム部材59以外の他の各切替用カム部材56〜58が個別対応する各レバー60〜62を介して排出路26a〜28aを連通・非連通状態となるように切り替える構成についても略同一であるため、詳しい説明は省略する。
次に、本実施形態においてクリーニングの実行時とクリーニングの終了時における作用について図12及び図13に基づき以下説明する。なお、クリーニングの実行時においては、各弁体38のうち、マゼンタインクノズル群22Mに対応する弁体38とイエローインクノズル群22Yとに対応する弁体38とが閉じ状態であるものとする。
さて、クリーニングの実行時においては、駆動モータ25Aの正方向への回転に基づき吸引ポンプ25のポンプホイル33が第1の回転方向Aに回転する。すると、ローラ案内溝35においてローラ36が径方向外側に移動することにより、合流排出チューブ31の一部がローラ36によって押圧される。そして、この状態で、ポンプホイル33は第1の回転方向Aに向けて回転する。
すると、吸引ポンプ25よりも上流側の合流排出チューブ31の内部が減圧され、各インク小室24a〜24dのうち、開き状態にある弁体38に対応するインク小室24c,24d内に負圧が発生する。その結果、インク小室24c,24dに対応するシアンインクノズル群22C及びブラックインクノズル群22Bの各ノズル21からは、インクがインク小室24c,24d内に排出され、該インク小室24c,24d内に排出されたインクは、排出路28a,29aを介して廃液タンク30内に排出される。この際、マゼンタインクノズル群22M及びイエローインクノズル群22Yの各ノズル21からは、マゼンタインクノズル群22M及びイエローインクノズル群22Yに対応する弁体38が閉じ状態であるため、インクが排出されることはない。
また、第1回転ギヤ48は第3の回転方向Cへ回転し、第1回転ギヤ48の突部85の斜面状をなす非係止面85bが第2回転ギヤ49の突部87の円弧面状をなす非係止面87bに当接する。そして、その状態から第1回転ギヤ48が更に第3の回転方向Cへ回転すると、第1回転ギヤ48の突部85は、第2回転ギヤ49の突部87を径方向外側に乗り越えて離間することで両突部85,87同士の当接状態を解除して係止状態になることもないため、第2回転ギヤ49には駆動モータ25Aの回転が伝達されない。したがって、駆動モータ25Aが正方向に回転している場合には、切替弁装置37が駆動することはない。
その一方で、クリーニングを終了させる場合、駆動モータ25Aは、その回転が正方向への回転から逆方向への回転に切り替る。すると、吸引ポンプ25内では、ポンプホイル33の回転が、第1の回転方向Aから第2の回転方向Bに切り替る。しかし、図12に示すように、ポンプホイル33の回転が第2の回転方向Bに切り替った直後(図12では、時間t0)では、ローラ36による合流排出チューブ31の一部への押圧力が依然として大きい。そのため、図13(a)に示すように、合流排出チューブ31においてローラ36によって押圧されている部位は、潰れた状態になっている。すなわち、合流排出チューブ31内において、ローラ36によって押圧された部位よりも上流側と下流側とは非連通状態になっている。したがって、ポンプホイル33の第2の回転方向Bへの回転が開始した直後では、吸引ポンプ25内にて発生していた正圧が、合流排出チューブ31内において吸引ポンプ25よりも上流(キャップ24)側に移動する。
また、駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、第1回転ギヤ48の回転が、第3の回転方向Cへの回転から第4の回転方向Dへの回転に切り替わる。すると、第1回転ギヤ48の突部85は第4の回転方向Dへ周回移動し始める(図10(b)参照)。
吸引ポンプ25内では、駆動モータ25Aの逆方向への回転が開始されてからの経過時間が時間t1を超えると、ローラ36による合流排出チューブ31の一部への押圧力が、徐々に低下し始める。そして、上記経過時間が時間t2を超えると、図13(b)に示すように、合流排出チューブ31においてローラ36によって押圧されている部位は、合流排出チューブ31の弾性復帰力を利用して広がることになる。すなわち、合流排出チューブ31内において、ローラ36によって押圧された部位よりも上流側と下流側とは連通状態になる。なお、この状態では、第1回転ギヤ48の突部85は、第2回転ギヤ49の凸部86の周囲を周回している途中であり、第2回転ギヤ49の突部87とは当接状態になっていない。
合流排出チューブ31においてローラ36によって押圧されている部位が図13(b)に示す状態になると、合流排出チューブ31内において吸引ポンプ25よりも上流側に蓄圧された上記正圧は、下流(廃液タンク30)側に移動し始める。そして、上記経過時間が時間t3を超えた場合、吸引ポンプ25内におけるポンプホイル33の第2の回転方向Bへのさらなる回転によって、ローラ36が合流排出チューブ31から完全に離間し、ローラ36による合流排出チューブ31の一部への押圧力が解消される。そのため、合流排出チューブ31においてローラ36によって押圧されていた部位は、図13(c)に示すように、その断面形状が略円形状になる。すると、合流排出チューブ31内に蓄圧された上記正圧は、合流排出チューブ31の下流端を介して外部に排出され、その結果、各排出路26a〜29a内における圧力差が解消される。
このように上記経過時間が時間t3を超えたときに、第1回転ギヤ48の突部85が第2回転ギヤ49の突部87に係止状態になり、駆動モータ25Aの逆方向への回転が、第1回転ギヤ48及び第2回転ギヤ49を介して切替弁装置37に伝達される。そして、切替弁装置37が駆動を開始する。すなわち、切替弁装置37が駆動を開始するタイミングは、吸引ポンプ25におけるポンプホイル33の第2の回転方向Bへの回転が開始するタイミングに比して遅れることになる。
その結果、各排出路26a〜29a内における圧力差が解消された後に切替弁装置37が駆動を開始するため、合流排出チューブ31内に蓄圧された上記正圧が、切替弁装置37の駆動によって開弁動作した弁体38に対応したインク小室24a,24b内に移動してしまうことが抑制される。したがって、合流排出チューブ31内に蓄圧された上記正圧がインク小室24a,24b内に移動してしまうことにより、該インク小室24a,24bに対応するマゼンタインクノズル群22M及びイエローインクノズル群22Yを構成する各ノズル21内のメニスカスが破壊されることが抑制される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、駆動モータ25Aの逆方向への回転が、遅延手段を構成する第1回転ギヤ48、第2回転ギヤ49によって遅延されてから切替弁装置37に伝達される。すなわち、第1回転ギヤ48及び第2回転ギヤ49によって切替弁装置37への動力伝達が遅延されている間に、駆動モータ25Aの逆方向への回転に伴って排出路26a〜29a内において吸引ポンプ25と閉じ状態にある弁体38との間に蓄圧されていた正圧は、廃液タンク30側から排出されることになる。したがって、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)19のクリーニングの終了後に駆動モータ25Aを吸引ポンプ25に吸引力を発揮させる方向とは逆方向に回転させたときに、ノズル21内のメニスカスの破壊を簡単な構成で抑制できる。
(1)本実施形態では、駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、駆動モータ25Aの逆方向への回転が、遅延手段を構成する第1回転ギヤ48、第2回転ギヤ49によって遅延されてから切替弁装置37に伝達される。すなわち、第1回転ギヤ48及び第2回転ギヤ49によって切替弁装置37への動力伝達が遅延されている間に、駆動モータ25Aの逆方向への回転に伴って排出路26a〜29a内において吸引ポンプ25と閉じ状態にある弁体38との間に蓄圧されていた正圧は、廃液タンク30側から排出されることになる。したがって、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)19のクリーニングの終了後に駆動モータ25Aを吸引ポンプ25に吸引力を発揮させる方向とは逆方向に回転させたときに、ノズル21内のメニスカスの破壊を簡単な構成で抑制できる。
(2)駆動モータ25Aが正方向に回転する途中で第1回転ギヤ48の突部85と第2回転ギヤ49の突部87とが当接した場合には、弾性片部84の自由端側を撓み変形することで両突部85,87の当接状態を解除するため、両係止部が係止状態になることはない。すなわち、第2回転ギヤ49が回転することはない。したがって、吸引ポンプ25に吸引力を発揮させるために駆動モータ25Aが正方向に回転した場合に切替弁装置37が第2回転ギヤ49の回転に基づき各弁体38を開弁動作又は閉弁動作させることを防ぐことができる。
(3)第1回転ギヤ48の突部85を相手側となる第2回転ギヤ49の突部87の周回移動軌跡上に位置するように付勢する弾性部材が、第1回転ギヤ48に片持ち梁状をなすように切り抜き形成された弾性片部84により構成されている。そして、駆動モータ25Aの回転方向が正方向から逆方向に切り替った場合には、第1回転ギヤ48の突部85が弾性片部84の弾性復帰力により第2回転ギヤ49の突部87に係止可能な位置に戻り、第2回転ギヤ49の突部87に対する係止状態を維持しつつ回転する。すなわち、第1回転ギヤ48は、駆動モータ25Aの回転方向に応じて両突部85,87同士の係止状態を切り替え可能な構成となっている。そのため、第1回転ギヤ48の回転を第2回転ギヤ49に伝達するか否かを切り替えるために、両回転ギヤ48,49とは別部品構成の部材(ピニオンやコイルばね等)を新たに設けることが不要となる。したがって、遅延手段の部品点数を少なくすることで、装置全体の小型化、組み立て性の向上、製造コストの低減、及び装置の駆動時における騒音の低減を図ることができる。
(4)駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、ローラ(押圧手段)36による合流排出チューブ(可撓性チューブ)31の一部に対する押圧力が駆動モータ25Aの正回転時における押圧力よりも低下してから、駆動モータ25Aの逆方向への回転が切替弁装置37に伝達される。すなわち、合流排出チューブ31内において、ローラ36によって押圧されている部位よりも上流側と下流側とが連通状態になった以降に、切替弁装置37が駆動し始めることになる。そのため、排出路26a〜29a内において吸引ポンプ25と閉じ状態にある弁体38との間に蓄圧されていた上記正圧をキャップ24側ではなく廃液タンク30側に排出させることができる。
(5)さらに本実施形態では、ローラ(押圧手段)36による合流排出チューブ(可撓性チューブ)31の一部に対する押圧力が完全に解消されてから(即ち、押圧されていた部位の断面形状が略円形状に戻ってから)切替弁装置37が駆動するように、第1回転ギヤ48及び第2回転ギヤ49が構成されている。したがって、排出路26a〜29a内に蓄圧された上記正圧がキャップ24側に排出されることを良好に回避できる。
(6)ワンウェイクラッチ機構40を構成する各回転ギヤ(回転部材)48,49が遅延手段として機能するようになっている。そのため、ワンウェイクラッチ機構40と遅延手段とを別体構成にする場合に比して、部品点数の増加を抑制できる。
(7)駆動モータ25Aの回転が正方向から逆方向に切り替った場合、第1回転ギヤ48の突部85が第1の軸線S1を中心に第4の回転方向Dに周回し、該突部85と第2回転ギヤ49の突部87とが当接して且つ係止状態になるまで、駆動モータ25Aの回転が切替弁装置37に伝達されることを遅延できる。そのため、駆動モータ25A以外の駆動源を設けて遅延手段を構成する場合に比して、遅延手段を小型化することができる。
(8)第2回転ギヤ49は、その径が第1回転ギヤ48の径よりも小さい。そのため、駆動モータ25Aの逆方向への回転は、第2回転ギヤ49によって減速された状態で弁体側回転ギヤ54に伝達される。その結果、切替弁装置37の駆動を遅延させることができ、この点においても、排出路26a〜29a内に蓄圧された上記正圧を廃液タンク30へ排出することに貢献できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、径方向に弾性変形可能な弾性片部84を第2回転ギヤ49に設けると共に、該弾性片部84に対して当接する部位を第1回転ギヤに設ける構成としてもよい。
・上記実施形態において、径方向に弾性変形可能な弾性片部84を第2回転ギヤ49に設けると共に、該弾性片部84に対して当接する部位を第1回転ギヤに設ける構成としてもよい。
具体的には、図14(a)に示すように、第1回転ギヤ48における鍔部82を、その周方向の一部(図14(a)では左斜め下方側)が円筒部80の内周面に至るまで切り欠かれた略C字状に形成する。そして、その鍔部82における周方向の一端には、径方向内側に突出した略扇形状の突部185を第1係止部として形成する。また、この突部185において、鍔部82の内周縁に連なる側の面を径方向に平行な面をなす係止面185aとして形成すると共に、その係止面185aに対して突部185の頂点において径方向と交差する方向に交わって円筒部80の内周面に連なる円弧状をなす面を非係止面185bとして形成する。
その一方、図14(b)に示すように、第2回転ギヤ49の後面における略中央部には、第1回転ギヤ48の貫通孔48aよりも小径で第1の軸線S1を中心とする略半円柱状の凸部86を後方に突出するように形成し、該凸部86の右下端部を起点として周方向に沿う弾性片部84を延設する。すなわち、凸部86側となる基端側を固定端とする片持ち梁状をなすように弾性片部84を形成する。なお、弾性片部84の先端側(自由端側)には、径方向外側に突出した略三角形状の突部187を第2係止部として形成する。なお、この場合において、第1の軸線S1から突部187の先端までの距離は、第1の軸線S1から貫通孔48aの半径となる距離よりも小さい。そして、この突部187において、図14(b)で時計回り方向の前側の端面を第2回転ギヤ49の径方向に平行な面をなす係止面187aとして形成すると共に、その係止面187aに対して突部187の頂点において径方向と交差する方向に交わって凸部86の外周面に連なる円弧面を非係止面187bとして形成する。
そして、第2回転ギヤ49と第1回転ギヤ48とを第1の軸線S1を中心にして回動自在に組み付けた場合において、第2回転ギヤ49の突部187と径方向で対応する位置に第1回転ギヤ48の突部185が配置されるように両回転ギヤ48,49を構成する。すなわち、各突部85,87が常には相手側の突部の周回移動軌跡上に配置されるように両回転ギヤ48,49を構成する。
以上のように第1回転ギヤ48及び第2回転ギヤ49を構成した場合、第1回転ギヤ48の突部185は、駆動モータ25Aが正方向に回転した場合には、図15(a)(b)(c)に示すように、第1回転ギヤ48が正方向とは反対の第3の回転方向Cに回転するため、この第1回転ギヤ48の回転に伴い第3の回転方向Cに周回移動する。具体的には、第1回転ギヤ48の突部185は、第3の回転方向Cにおいて図15(a)に示す位置まで周回移動すると、第2回転ギヤ49の突部187に当接する。そして、この状態から第3の回転方向Cに更に周回移動する過程で、第1回転ギヤ48の突部185は、該突部185の円弧面状をなす非係止面185bが第2回転ギヤ49の突部187の斜面状をなす非係止面187bに対して摺動しつつ、該突部187を弾性片部84の弾性力に抗して径方向内側に押圧する。
このとき、弾性片部84は、その基端側が片持ち梁状をなすように凸部86に固定支持されているため、その先端側が基端側を支点として第1回転ギヤ48の突部185により径方向内側に押し込まれた分だけ撓み変形する(図15(b)参照)。そして、その状態から第1回転ギヤ48が第3の回転方向Cに更に回転すると、弾性片部84の先端に形成された突部187は、第1回転ギヤ48の突部185の円弧面状をなす非係止面185bを径方向内側に乗り越えて離間した後、弾性片部84の弾性復帰力により変形前の径方向位置に復元される(図15(c)参照)。
また、上記の場合とは逆に、第1回転ギヤ48の突部185は、駆動モータ25Aが逆方向に回転した場合には、図16(a)(b)(c)に示すように、第1回転ギヤ48が逆方向とは反対の第4の回転方向Dに回転するため、この第1回転ギヤ48の回転に伴い第4の回転方向Dに周回移動することになる。具体的には、第1回転ギヤ48の突部185は、図16(a)に示す位置から第4の回転方向Dに沿って周回する(図16(b)参照)。
そして、第1回転ギヤ48の突部185が第4の回転方向Dにさらに周回移動した場合には、図16(c)に示すように、第1回転ギヤ48の突部185の係止面185aと第2回転ギヤ49の突部187の係止面187aとが当接する。すなわち、両突部85,87が互いに係止状態になる。この状態で、第1回転ギヤ48が第4の回転方向Dにさらに回転した場合、第1回転ギヤ48の第4の回転方向への回転が突部185と突部187との係止状態を介して第2回転ギヤ49に伝達されることにより、第2回転ギヤ49は、第4の回転方向に回転し始める。その結果、上記実施形態の場合と同様の効果を得ることが可能となる。
・上記実施形態において、両回転ギヤ48,49の係止部のうち少なくとも一方を径方向に変位させるための機構として、弾性片部84からなる弾性部材に代えて、コイルばね等の弾性部材を用い、この弾性部材の弾性力(付勢力)でもって非弾性材料からなる断片状の係止部材を相手側の係止部材の周回移動軌跡上に向けて付勢するようにしてもよい。
・上記実施形態において、両回転ギヤ48,49の係止部のうち少なくとも一方を径方向に変位させるための機構は、両係止部が当接して径方向に沿う押圧力を互いに付与する構成に限定されない。例えば、第1回転ギヤの係止部の周方向位置を検出する検出機構を配置し、その検出機構の検出結果に基づいて第2回転ギヤの係止部を第1回転ギヤの係止部の周回移動軌跡上に変位させる駆動機構を設ける構成としてもよい。
・上記実施形態において、全ての弁体38を閉じ状態にすることが可能な構成を備えてもよい。すなわち、記録ヘッド19のクリーニングの終了後に全ての弁体38を閉じ状態にし、その後、駆動モータ25Aを逆方向に回転させるようにしてもよい。この場合、全てのノズルに対してノズル内のメニスカスの破壊を防止できる。
・上記実施形態において、第1回転ギヤ48は、モータ側ギヤ46に対して噛合する部位と、第2回転ギヤ49に対して係止する部位とが形成された構成であれば、任意の形状であってもよい。
・上記実施形態において、第1回転ギヤ48は、駆動モータ25Aの正方向への回転が第2回転ギヤ49に伝達されない構成になっているが、駆動モータ25Aが正方向に回転している場合に、第2回転ギヤ49の回転を規制する構成であってもよい。
・上記実施形態において、紙送りモータ14が駆動モータ25Aとして機能するようにしてもよい。すなわち、紙送りモータ14が回転した場合に、吸引ポンプ25が駆動するようにしてもよい。
・上記実施形態において、キャリッジ16が4つ以外の複数(例えば6個)のインクカートリッジ20を搭載可能な構成である場合、記録ヘッド19は、インクの種類に応じて4つ以外の複数(例えば6個)のノズル列が形成された構成であることが望ましい。この場合、キャップ24には、ノズル列に応じて、4つ以外の複数(例えば6個)のインク小室が区画形成されることが望ましい。
・上記実施形態において、キャッピング手段は、ノズル列毎に対応したキャップ(キャップ部)を複数有する構成であってもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の作用効果を奏し得る。
・上記実施形態では、キャップ24は、記録ヘッド19に当接した際にノズル21内からインクを吸引可能な構成であれば、記録ヘッド19の下面の周縁に当接可能な構成でなくてもよい。例えば、キャップ24を、その上側部位が記録ヘッド19の側面に当接した際にノズル21内からインクを吸引できるような構成であってもよい。
・上記実施形態においては、本発明にかかる液体噴射装置をインクジェット式プリンタに適用する場合について説明したが、こうしたプリンタに限らない他の液体噴射装置にも本発明は同様に適用することができる。例えば、ファクシミリや複写機等に用いられる印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、あるいは面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、さらには精密ピペットとしての試料噴射装置等であってもよい。
11…インクジェット式プリンタ(液体噴射装置)、19…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、19a…ノズル形成面、21…ノズル、24…キャップ(キャッピング手段)、24a〜24d…インク小室(キャップ部)、25…吸引ポンプ、25A…駆動モータ、26〜29…排出チューブ(可撓性チューブ)、26a〜29a…排出路(液体流路)、30…廃液タンク(タンク)、31…合流排出チューブ(可撓性チューブ)、36…ローラ(押圧手段)、37…切替弁装置、38…弁体、48…第1回転ギヤ(遅延手段、第1回転部材)、49…第2回転ギヤ(遅延手段、第2回転部材)、52…突出部(当接部位)、84…弾性片部(弾性部材)、85…第1係止部として突部、87…第2係止部としての突部、P…記録用紙(ターゲット)、S1…第1の軸線。
Claims (5)
- ノズル形成面に形成された多数のノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記ノズルから液体を吸引可能な状態で前記液体噴射ヘッドに当接すると共に、内部に液体を受容可能に形成された複数のキャップ部を有するキャッピング手段と、
該キャッピング手段を介して前記液体噴射ヘッドから排出された前記液体を回収して収容するためのタンクと、
前記各キャップ部と個別対応するように設けられ、それら各キャップ部を前記タンクに接続する複数の液体流路と、
第1方向及び該第1方向とは逆方向の第2方向に回転可能な駆動モータと、
前記液体噴射ヘッドと前記キャッピング手段とが当接した状態で前記駆動モータが前記第1方向に回転した場合に、前記キャップ部内及び前記液体流路内を通じて前記液体を吸引し、該液体を前記タンク側に送出する吸引ポンプと、
前記駆動モータが前記第2方向に回転した場合に、前記キャップ部と前記吸引ポンプとの途中に各々介在させた弁体を開弁動作又は閉弁動作させることにより、前記各液体流路を選択的に連通状態又は非連通状態とするように切り替える切替弁装置と、
前記駆動モータの回転が前記第1方向から前記第2方向に切り替った場合に、前記駆動モータの前記第2方向の回転の前記切替弁装置への伝達を遅延する遅延手段とを備え、
前記遅延手段は、
前記駆動モータの回転に応じて回転する第1回転部材と、該第1回転部材の軸線を中心に回転自在な第2回転部材とにより構成され、
前記第1回転部材は、該第1回転部材の回転に伴って前記軸線の周りを周回移動する第1係止部を有する一方、
前記第2回転部材は、前記駆動モータの前記第2方向の回転に応じた前記第1回転部材の回転途中に前記第1係止部と係止状態となり且つ該第1係止部との係止状態を維持しつつ前記軸線の周りを周回移動することで前記第2回転部材を回転させる第2係止部を有し、
前記切替弁装置は、前記第2回転部材が回転した場合に、前記各弁体を開弁動作又は閉弁動作させることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも一方の係止部は弾性部材の付勢力に基づき常には相手側の係止部の周回移動軌跡上に位置するように構成されており、
前記駆動モータの前記第1方向の回転に応じた前記第1回転部材の回転途中に前記第1係止部と前記第2係止部とが当接した場合には、前記少なくとも一方の係止部が前記弾性部材の付勢力に抗して相手側の係止部の周回移動軌跡上から位置ずれする方向に変位することを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項2に記載の液体噴射装置において、
前記弾性部材は、前記少なくとも一方の係止部を有してなる前記回転部材に対して片持ち梁状をなすように形成された弾性片部にて構成され、該弾性片部の自由端側に前記少なくとも一方の係止部は設けられていることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体噴射装置において、
前記液体流路は、一方側が前記キャップ部内に連通すると共に、他方側が前記タンク内に連通する可撓性チューブにより形成され、
前記吸引ポンプには、前記駆動モータが前記第1方向に回転した場合には前記可撓性チューブの一部に押圧力を付与する一方、前記駆動モータが前記第2方向に回転した場合には前記可撓性チューブの一部に付与している押圧力が低下する押圧手段が設けられており、
前記遅延手段は、前記駆動モータの回転が前記第1方向から前記第2方向に切り替った場合において前記押圧手段による前記可撓性チューブの一部に対する押圧力が低下した後に、前記駆動モータの前記第2方向への回転を前記切替弁装置に伝達するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項4に記載の液体噴射装置において、
前記遅延手段は、前記駆動モータの回転が前記第1方向から前記第2方向に切り替ってから、前記押圧手段による前記可撓性チューブの一部への押圧力の付与が解消された後に、前記駆動モータの前記第2方向への回転を前記切替弁装置に伝達するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
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JP2008160466A JP2010000650A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 液体噴射装置 |
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CN102145584A (zh) * | 2010-02-08 | 2011-08-10 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置及液体喷射装置的清理方法 |
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