JP2010000564A - 作業工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】動吸振器を搭載する作業工具において、動吸振器の合理的な配置及び制振性向上を実現するのに有効な技術を提供する。
【解決手段】動吸振器151は、運動変換機構113とハンドグリップ105との間の中間領域に配設されるとともに収容空間を有する動吸振器本体と、ハンマビット119の長軸方向への直線運動が可能となるように動吸振器本体の収容空間に収容されるウェイトと、ウェイトの前面側及び後面側と動吸振器本体側との間においてハンマビット119の長軸方向に延在して、当該長軸方向に関しウェイトを弾発状に支持するコイルバネとを含む構成とされ、コイルバネによって弾発状に支持されたウェイトが、ハンマビット119の長軸方向に直線運動することで、加工作業時における本体部103の制振がなされる構成とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハンマやハンマドリル等のように先端工具を直線状に駆動する作業工具の構築技術に関する。
この種の作業工具の一例として、制振機構が設けられた電動ハンマの構成が下記特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたこの電動ハンマは、ハンマ作業に伴うハンマビット長軸方向の振動を制振する手段としての動吸振器を備え、これによりハンマ作業時のハンマの低振動化を図っている。動吸振器は、コイルバネによる付勢力が作用した状態で直線運動可能とされたウェイトを有し、当該ウェイトが先端工具の長軸方向に運動することでハンマ作業時におけるハンマの制振を行う構成とされる。
ところで、動吸振器を搭載するこの種の作業工具の設計に際しては、動吸振器の構造を更に工夫することによって、動吸振器の合理的な配置を可能とするとともに、振動低減効果の高い制振性に優れた動吸振器を実現する技術が要請される。
特開2004−154903号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、動吸振器を搭載する作業工具において、動吸振器の合理的な配置及び制振性向上を実現するのに有効な技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る作業工具は、長軸の先端工具を直線状に駆動させ、これによって当該先端工具に所定の加工作業を遂行させる作業工具であって、工具本体、駆動モータ、運動変換機構、動吸振器及びハンドル部を少なくとも備える。ここでいう「作業工具」には、ハンマ、ハンマドリル、ジグソー、レシプロソー等といったように、先端工具が直線運動することで被加工材に加工作業を行う態様の作業工具が広く包含される。駆動モータは、工具本体に収容されたモータとして構成される。運動変換機構は、工具本体に収容され、先端工具の長軸方向に関し駆動モータよりも工具前端側に配設され、駆動モータの回転運動を直線運動に変換して先端工具に伝達する構成とされる。ここでいう「運動変換機構」として、典型的には駆動モータのモータ軸との間のギア噛み合い係合によって駆動されるクランク軸、クランク軸に接続されたクランクアーム、クランクアームに接続されたピストン等からなり、駆動モータのモータ軸の回転運動をピストンの直線運動に変換して先端工具を駆動するクランク機構を用いることができる。運動変換機構としてこのようなクランク機構を採用する場合には、クランク機構のクランク軸は、先端工具の長軸方向に関し駆動モータのモータ軸よりも工具前端側に配設される。
動吸振器は、工具本体に収容され、動吸振器本体、ウェイト及びコイルバネを含む構成とされる。動吸振器本体は、運動変換機構とハンドル部との間の中間領域に配設されるとともに収容空間を有する部位として構成される。運動変換機構として上記のようなクランク機構を採用する場合には、クランク機構のクランク軸とハンドル部との間の領域であって、且つ駆動モータのモータ軸よりも工具上端側の領域に、動吸振器本体が配設される。ウェイトは、先端工具の長軸方向への直線運動が可能となるように動吸振器本体の収容空間に収容される質量部分として構成される。コイルバネは、ウェイトの前面側及び後面側の少なくとも一方と動吸振器本体側との間において先端工具の長軸方向に延在して、当該長軸方向に関しウェイトを弾発状に支持する弾性要素として構成される。そして、コイルバネによって弾発状に支持されたウェイトが、先端工具の長軸方向に直線運動することで、加工作業時における工具本体の制振を行なう。ハンドル部は、工具本体のうち駆動モータよりも工具後端側に連接された工具把持用のハンドル部分として構成される。なお、本発明における「ウェイトの直線運動」に関しては、この直線運動方向が、先端工具の長軸方向のみに限られるものではなく、先端工具の長軸方向の成分を少なくとも有していれば足りる。
ところで、上述のように先端工具の長軸方向に関し駆動モータよりも工具前端側に運動変換機構が配設された上記構成の作業工具にあっては、運動変換機構とハンドル部との間の中間領域に空きスペースが形成され易い。そこで、本発明に係る作業工具では、運動変換機構とハンドル部との間の中間領域に動吸振器本体を配設する構成を採用している。これにより、動吸振器本体を配設する新たな配設空間を形成する必要がなく、工具本体内の空間を有効利用することができ、以って動吸振器の合理的な配置が可能とされる。
また、運動変換機構とハンドル部との間の中間領域の動吸振器本体は、先端工具の長軸線により近づけて配設することや、先端工具の長軸線の延長線上に配設することが可能となるため、先端工具の駆動に起因する振動を効率的に低減させることができ、振動低減効果の高い制振性に優れた動吸振器を実現することが可能となる。
本発明に係る更なる作業工具の好ましい形態では、前記のウェイトは、当該ウェイトの前面側及び後面側の少なくとも一方において先端工具の長軸方向に凹み状に延在するバネ収容部を備え、このバネ収容部は、ウェイトを弾発状に支持するコイルバネの一端部を収容する構成とされる。本構成に関しては、ウェイトの前面側または後面側にバネ収容部が設けられてもよいし、或いはウェイトの前面側及び後面側の両方にバネ収容部が設けられてもよい。このような構成によれば、ウェイトの内部にコイルバネの一端部を収容するバネ収容部を設けることで、ウェイトのバネ収容部にコイルバネが収容され組みつけられた状態での動吸振器の先端工具の長軸方向に関する長さを抑えることができ、当該長軸方向に関し動吸振器のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、本発明に係る更なる作業工具の好ましい形態では、前記のバネ収容部は、ウェイトの前面側及び後面側において先端工具の長軸方向に凹み状に延在する前面側バネ収容部及び後面側バネ収容部からなる。そして前面側バネ収容部は、ウェイトの前方からウェイトを弾発状に支持するコイルバネの一端部を収容し、後面側バネ収容部は、ウェイトの後方からウェイトを弾発状に支持するコイルバネの一端部を収容するとともに、前面側バネ収容部と後面側バネ収容部は、これらバネ収容部の延在方向と交差する方向に関し、全部または一部が互いに重なるように配設されている。すなわち、前面側バネ収容部と後面側バネ収容部の全部または一部が、また前面側バネ収容部に収容されたコイルバネと後面側バネ収容部に収容されたコイルバネの全部または一部がオーバーラップして配置されている。このような構成によれば、バネ収容部にコイルバネが組みつけられた状態でのウェイトの先端工具の長軸方向に関する長さを更に抑えることができ、当該長軸方向に関し動吸振器の更なるコンパクト化を図るとともに、簡便な構造で且つ軽量化を図るのに有効とされる。その結果、動吸振器を工具本体に配置する際、工具本体の長軸方向の配置スペースに制約を受けるような場合に特に有効となる。また、前面側バネ収容部に収容されたコイルバネと後面側バネ収容部に収容されたコイルバネがオーバーラップする分、長軸方向に関し同一寸法の動吸振器で考えた場合には、コイルバネをより大型化することができ、大型化したコイルバネによって高い制振性を安定して付与することが可能となる。
また、本発明に係る更なる作業工具の好ましい形態では、前記のウェイトは、先端工具の長軸方向と交差する方向に関する断面が円形とされたウェイト部材として構成される。そして、ウェイト部材の前面側には当該ウェイト部材の周方向に関し前面側バネ収容部の複数が等間隔で配設され、ウェイト部材の後面側には当該ウェイト部材の周方向に関し後面側バネ収容部の複数が等間隔で配設された構成とされる。このような構成によれば、ウェイト部材の前面側及び後面側に複数のバネ収容部がバランス良く配置されるため、ウェイト部材の重心バランスが取り易い。また、ウェイト部材の前面側及び後面側に複数のコイルバネがバランス良く配置されるため、複数のコイルバネの弾発力をウェイト部材の前面側及び後面側にバランス良く作用させることが可能となる。
また、本発明に係る更なる作業工具の好ましい形態では、前記の運動変換機構は、第1の空間、打撃要素及び第2の空間を含む。第1の空間は、閉鎖された空間として構成される。打撃要素は、第1の空間の空気圧を利用して先端工具を打撃する機能を有する。第2の空間は、第1の空間の空気圧変動の位相とは逆位相となる空気圧変動を生じる空間として構成される。ここでいう第1の空間と第2の空間との間の「空気圧変動の逆位相」に関しては、典型的には、打撃要素が先端工具を打撃する際に第1の空間が相対的に高圧化される状態においては第2の空間が相対的に低圧化される一方、打撃終了後に第1の空間が相対的に低圧化される状態においては第2の空間が相対的に高圧化されるように、空気圧の変動パターンが第1の空間と第2の空間との間で概ね逆になる態様を示すものである。また、前記の動吸振器は、前室及び後室、連通路を有する構成とされる。前室及び後室は、動吸振器本体内においてウェイトによって区画され、先端工具の長軸方向に関しウェイトを挟んでその前後に形成される区画室として構成される。連通路は、後室と第2の空間とを連通する機能を有する。このような構成によれば、第2の空間内の圧力変動に伴って第2の空間内の空気を連通路を通じて動吸振器の後室に導入し、動吸振器のウェイトを積極的に駆動することによって、動吸振器に制振作用を行なわせることが可能となる。
また、本発明に係る更なる作業工具の好ましい形態では、前記の第2の空間は、先端工具の長軸方向に関し動吸振器本体よりも工具前端側に配設される。また、前記の連通路は、この第2の空間から前室及びウェイトを順次貫通した後に後室に通じるように配設された連通管によって構成されている。このような構成によれば、第2の空間と後室との間を最短距離にて連通させることが可能な連通管の配置形態が実現される。
また、本発明に係る更なる作業工具の好ましい形態では、前記の連通管は、先端工具の長軸方向に直線状に延在するとともに、当該連通管の外面と当該連通管に貫設された前記ウェイトの内面とが摺接する構成とされ、これによりウェイトの長軸方向の直線運動をガイドするガイド部材としての機能を有する。このような構成によれば、連通管を介してウェイトの長軸方向の直線運動が円滑化されるとともに、第2の空間内の空気を動吸振器の後室に導入する機能を有する連通管に対し、更にウェイトの長軸方向の直線運動をガイドするガイド部材としての機能を付与することができるため合理的である。
本発明によれば、動吸振器を搭載する作業工具において、工具本体を大型化することなく最低限の重量増加によって動吸振器の振動低減効果を高めることができ、以って動吸振器の合理的な配置及び制振性向上を実現することが可能となった。
以下、本発明にかかる「作業工具」の一実施の形態につき、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施の形態は、作業工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。図1は本実施の形態のハンマドリル101の全体構成を示す側断面図である。図2は図1中の動吸振器151の部分拡大図である。また、図3は図2中の動吸振器151のA−A線に関する断面構造を示す図であり、図4は図2中の動吸振器151のB−B線に関する断面構造を示す図である。
本実施の形態に係る電動式のハンマドリル101は、図1に示すように、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103、当該本体部103の長軸方向に関する先端領域(図中左側)に接続されたツールホルダ137、当該ツールホルダ137に着脱自在に取付けられた長軸のハンマビット119、本体部103の長軸方向に関する他端部(図中右側)に、特には本体部103のうち後述する駆動モータ111よりも工具後端側に連接された工具把持用のハンドグリップ105を主体として構成される。ハンマビット119は、ツールホルダ137に対し、その長軸方向(本体部103の長軸方向)への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される部材として構成される。ここでいう本体部103、ハンマビット119及びハンドグリップ105がそれぞれ、本発明における「工具本体」、「先端工具」及び「ハンドル部」を構成している。なお本実施の形態では、説明の便宜上、ハンマビット119側を前或いは工具前端側、ハンドグリップ105側を後或いは工具後端側という。
本体部103は、駆動モータ111、運動変換機構113、打撃要素115、動力伝達機構117及び動吸振器151を収容したハウジングとして構成されている。なお、この本体部103は、上記の被収容要素の1または複数を収容する別々のハウジングの組み合わせによって構成されてもよい。本実施の形態では、駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。したがって、打撃要素115を備えるこのハンマドリル101は、打撃工具とも称呼される。また、駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構117によって適宜減速された上でハンマビット119に回転力として伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。ここでいう駆動モータ111が本発明における「駆動モータ」に相当する。
運動変換機構113は、駆動モータ111のモータ軸111a回転運動を直線運動に変換して打撃要素115に伝達するものであり、駆動モータ111のモータ軸111aとの間のギア噛み合い係合によって駆動されるクランク軸121、クランクアーム123、ピストン125等からなるクランク機構によって構成される。クランク軸121は、クランクシャフト121aと、このクランクシャフト121aに偏心して設けられた偏心ピン121bを備える構成とされる。クランクアーム123は、その一端部がクランク軸121の偏心ピン121bに接続され、その他端部がピストン125に接続されている。ピストン125は、いわゆる打撃要素115を駆動する駆動子を構成するものであり、シリンダ141内をハンマビット119の長軸方向と同方向に摺動可能とされる。本実施の形態では、この運動変換機構113は、ハンマビット119の長軸方向に関し駆動モータ111よりも工具前端側に配設されている。より具体的には、運動変換機構113の各部位のうちクランク軸121のクランクシャフト121a及び偏心ピン121bが、ハンマビット119の長軸方向に関し駆動モータ111のモータ軸111aよりも工具前端側に配設されている。ここでいう運動変換機構113が本発明における「運動変換機構」を構成している。
打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギーをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。ここでいう打撃要素115が、本発明における「打撃要素」に相当する。シリンダ141内には、ピストン125とストライカ143との間に閉鎖された空気室141aが形成される。ストライカ143は、ピストン125の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気を利用して、いわゆる「空気バネ」の原理によって駆動され、ツールホルダ137に摺動自在に配置された中間子としてのインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
一方、ピストン125を挟んで空気室141aの反対側(工具後端側)において、クランク軸121及びクランクアーム123を収容するクランク室165は、空気室141aの空気圧変動の位相とは逆位相となる空気圧変動を生じる空間として構成される。すなわち、打撃要素115がハンマビット119を打撃する際に空気室141aが相対的に高圧化される状態においてはクランク室165が相対的に低圧化される一方、打撃終了後に空気室141aが相対的に低圧化される状態においてはクランク室165が相対的に高圧化されるように、空気圧の変動パターンが空気室141aとクランク室165との間で概ね逆になる構成とされる。ここでいう空気室141aが本発明における「第1の空間」に相当し、またここでいうクランク室165が本発明における「第2の空間」に相当する。
一方、ツールホルダ137は、回転可能に構成され、駆動モータ111から動力伝達機構117を介して減速して回転される構成とされる。動力伝達機構117は、駆動モータ111によって回転駆動される中間ギア131、中間ギア131と共に回転する小ベベルギア133、当該小ベベルギア133と噛み合い係合し、本体部103の長軸回りに回転する大ベベルギア135等からなり、駆動モータ111の回転をツールホルダ137に伝達し、更には当該ツールホルダ137に保持されたハンマビット119へと伝達する。なお、ハンマドリル101は、ハンマビット119に対し長軸方向への打撃力のみを加えて被加工材の加工作業を行う、いわゆるハンマ作業と、長軸方向への打撃力と周方向への回転力とを加えて被加工材の加工作業を行う、いわゆるハンマドリル作業とを適宜切り替えて遂行できるように構成されるが、このことについては、本発明には直接的には関係しないため、その説明を省略する。
ハンマドリル101の加工作業時(ハンマビット119の駆動時)において、本体部103にはハンマビット長軸方向の衝撃的かつ周期的な振動が発生する。なお、本体部103に生ずる制振対象としての主たる振動は、ピストン125とストライカ143が空気室141aの空気を圧縮したときの圧縮反力、及びストライカ143がインパクトボルト145を介してハンマビット119を打撃したときの、圧縮反力よりも僅かに遅れて発生する打撃反力である。
ハンマドリル101は、本体部103に生ずる上記振動を制振するべく、動吸振器151を備える構成とされる。図2に示すように、この動吸振器151は、動吸振器本体153と、制振用のウェイト155と、当該ウェイト155の前端側と後端側にそれぞれ配置され、ハンマビット119の長軸方向に延在する前後のコイルバネ157とを主体として構成される。
動吸振器本体153は、中空状ないし断面円筒状の収容空間を有し、ウェイト155の摺動動作を安定的に行わせる筒状のガイド部として備えられる。ここでいう動吸振器本体153が本発明における「動吸振器本体」に相当する。
ところで、上述のようにハンマビット119の長軸方向に関し駆動モータ111よりも工具前端側に運動変換機構113が配設された上記構成にあっては、運動変換機構113とハンドグリップ105との間の中間領域に空きスペースが形成され易い。この中間領域は、具体的には、クランク軸121のクランクシャフト121a及び偏心ピン121bとハンドグリップ105との間の領域であって、且つ駆動モータ111のモータ軸111aよりも工具上端側(図1中の上側)の領域として規定される。そこで、本実施の形態では、運動変換機構113とハンドグリップ105との間のこの中間領域に、動吸振器本体153が配設されている。これにより、動吸振器本体153を配設する新たな配設空間を形成する必要がなく、本体部103内の空間を有効利用することができ、以って動吸振器151の合理的な配置が可能とされる。運動変換機構113とハンドグリップ105との間のこの中間領域は、更にハンマビット119の長軸線により近づけて配設したり、ハンマビット119の長軸線の延長線上に配設するのが好ましい。これにより、ハンマビット119の駆動に起因する振動を効率的に低減させることができ、振動低減効果の高い制振性に優れた動吸振器を実現することが可能となる。
ウェイト155は、動吸振器本体153の収容空間を長軸方向(ハンマビット119の長軸方向)に移動するべく動吸振器本体153の収容空間に摺動自在に配置された質量部分として構成される。具体的には、このウェイト155は、ハンマビット119の長軸方向と交差する方向に関する断面が円形とされたウェイト部材として構成される。ここでいうウェイト155が、本発明における「ウェイト」及び「ウェイト部材」に相当する。
コイルバネ157は、ウェイト155が動吸振器本体153の収容空間を長軸方向(ハンマビット119の長軸方向)に移動する際に、当該ウェイト155に対向状の弾発力を付与するように当該ウェイト155を支持する弾性体として構成される。またここでいうコイルバネ157が本発明における「コイルバネ」に相当する。
本体部103に収容された上記構成の動吸振器151は、ハンマドリル101の加工作業時において、制振対象である本体部103に対して、動吸振器151における制振要素であるウェイト155及びコイルバネ157が協働して受動的な制振を行なう。これによりハンマドリル101の本体部103に生ずる上記の振動が抑制され、加工作業時における本体部103の制振がなされることとなる。
また、上記構成のウェイト155は、ハンマビット119の長軸方向に関する前端側と後端側に所定領域にわたって、当該長軸方向に凹み状に延在する断面円環状のバネ収容空間156を有し、このバネ収容空間156にコイルバネ157の一端部を収容する構成とされる。ここでいうバネ収容空間156が本発明における「バネ収容部」に対応する。各円環状のバネ収容空間156は、ハンマビット119の長軸方向に長手状に延在する空間部分であり、外側の円筒形状の筒状部155aと、この筒状部155aの内側の円柱状の柱状部155bとによって囲まれる刳り貫き状の空間(溝)として構成される。筒状部155aと柱状部155bは、別体構造であってもよいし或いは一体構造であってもよい。
本実施の形態では、このバネ収容空間156は、図3及び図4に示すように、ハンマビット119の長軸方向と交差する方向に関する同一平面上に計6つ配設されている。特に図4に示すように、これら6つのバネ収容空間156は、ウェイト155の前端側(図2中のウェイト155の左側領域)に形成された3つの第1バネ収容空間156aと、ウェイト155の後端側(図2中のウェイト155の右側領域)に形成された3つの第2バネ収容空間156bが、ウェイト155の周方向に交互に且つ等間隔で配設された構成になっている。そして、各バネ収容空間156に収容された各コイルバネ157は、その収容状態においてバネ前端157aがバネ前端止着部158に取り付け固定され、またバネ後端157bがバネ後端止着部159に取り付け固定される。ここでいう第1バネ収容空間156aが本発明における「前面側バネ収容部」に相当し、またここでいう第2バネ収容空間156bが本発明における「後面側バネ収容部」に相当する。このように、本実施の形態では、ウェイト155の前面側及び後面側に複数のバネ収容部156がバランス良く配置されるため、ウェイト155の重心バランスが取り易い。また、ウェイト155の前面側及び後面側に複数のコイルバネがバランス良く配置されるため、複数のコイルバネの弾発力をウェイト155の前面側及び後面側にバランス良く作用させることが可能となる。
このとき、第1バネ収容空間156aに収容された前端側のコイルバネ157に関しては、バネ前端157aが取り付け固定されるバネ前端止着部158として動吸振器本体153の前壁部分が用いられ、バネ後端157bが取り付け固定されるバネ後端止着部159として第1バネ収容空間156aの底部(終端部)が用いられる。一方、第2バネ収容空間156bに収容された後側のコイルバネ157に関しては、バネ前端157aが取り付け固定されるバネ前端止着部158として第2バネ収容空間156bの底部(終端部)が用いられ、バネ後端157bが取り付け固定されるバネ後端止着部159として動吸振器本体153の後壁部分が用いられる。これによって前後のコイルバネ157は、ウェイト155に対しハンマビット119の長軸方向に関する弾性付勢力を対向状に作用させる。すなわち、ウェイト155は、前後のコイルバネ157による弾性付勢力が対向状に作用した状態で、ハンマビット119の長軸方向に移動可能とされる。なお、第1バネ収容空間156a及び第2バネ収容空間156bは、いずれもコイルバネ157の線径よりも幅広状に形成されており、これによりコイルバネ157が筒状部155aの内面及び柱状部155bの外面に接触しないように遊嵌状に配置されるのが好ましい。
本実施の形態に係る動吸振器151は、上述のように、ウェイト155の内側にバネ収容空間156を形成し、このバネ収容空間156にコイルバネ157の一端部を配置する構成としている。これにより、ウェイト155のバネ収容空間156にコイルバネ157が収容され組みつけられた状態での動吸振器151のハンマビット119の長軸方向に関する長さを抑えることができ、当該長軸方向に関し動吸振器151のコンパクト化を図ることが可能となる。また、本実施の形態の動吸振器151では、コイルバネ157の外周側には当該コイルバネ157よりも密度の高い質量を有する筒状部155aが配置されることになる。このため、ウェイトの外周側に当該ウェイトよりも密度の低いコイルバネを配置する従来の構成に比べて、制振要素としてのウェイト155の質量を増やすことが可能となり、空間利用効率が向上する。その結果、動吸振器151の制振力を高めることができる。また、コイルバネ157の外周にウェイト155の筒状部155aが配置されることでウェイト155の動吸振器本体153の壁面に対する移動方向の接触長さ、すなわち摺動面の軸方向長さを長く取ることが可能となってウェイト155の安定動作を容易に確保できる。
また本実施の形態では特に、図2に示すように、ウェイト155に形成されるバネ収容空間156のうち、第1バネ収容空間156aと第2バネ収容空間156bが部分的に重なるように配設され(オーバーラップして配置され)、また第1バネ収容空間156aに収容されるコイルバネ157と第2バネ収容空間156bに収容されるコイルバネ157は、これらコイルバネの延在方向と交差する方向に関し部分的に重なるように配設されている(オーバーラップして配置されている)。このような構成によれば、バネ収容空間156(156a,156b)にコイルバネ157が組みつけられた状態でのウェイト155の長軸方向に関する長さを更に抑えることができ、当該長軸方向に関し動吸振器151の更なるコンパクト化を図るとともに、簡便な構造で且つ軽量化を図るのに有効とされる。その結果、動吸振器151を本体部103に配置する際、本体部103の長軸方向の配置スペースに制約を受けるような場合に特に有効となる。また、第1バネ収容空間156aに収容されたコイルバネ157と第2バネ収容空間156bに収容されたコイルバネ157が部分的にオーバーラップする分、長軸方向に関し同一寸法の動吸振器で考えた場合には、コイルバネをより大型化することができ、大型化したコイルバネによって高い制振性を安定して付与することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、動吸振器151の制振力を高めた上で、当該動吸振器151をコンパクト化(小型化)することができるため、ハンマドリル101の本体部103を大型化することなく最低限の重量増加によって動吸振器151の振動低減効果を高めることが可能となる。
また、図2に示すように、本実施の形態では、動吸振器151は、動吸振器本体153内に第1作動室161及び第2作動室163を有する。これら第1作動室161及び第2作動室163は、動吸振器本体153内においてウェイト155によって区画され、ハンマビット119の長軸方向に関しウェイト155を挟んでその前後に形成される空間部分として構成される。
第1作動室161は、ウェイト155よりも後側(図2中の左側)の空間として構成される。この第1作動室161は、外部と非連通状態とされた密閉構造のクランク室165に対し連通管162の第1連通孔162aを通じて常時に連通されている。一方、第2作動室163は、動吸振器本体153の外周壁に形成された第2連通孔163aを介して、駆動モータ111のモータ軸111aが配設されるギア室164に連通されている。ここでいう第1作動室161及び第2作動室163がそれぞれ、本発明における「後室」及び「前室」に相当する。
ところでクランク室165内の圧力は、運動変換機構113の駆動に伴い変動する。これは、運動変換機構113の構成部材であるピストン125がシリンダ141内を前後方向に直線運動することに伴いクランク室165の容積が変化することに基づくものである。そこで、本実施の形態では、このクランク室165内の圧力変動に伴ってクランク室165内の空気を第1作動室161に導入し、動吸振器151のウェイト155を積極的に駆動することによって動吸振器151に制振作用を行なわせることとしている。この具体的な構成として、本実施の形態では、動吸振器本体153に図2に示すように、第1連通孔162aを有する連通管162を設けている。これにより、動吸振器151は、上述した受動的な制振作用に加え、ウェイト155を積極的に駆動する強制加振による能動的な制振機構としても作用し、ハンマ作業時に本体部103に生ずる振動を更に効果的に抑制する。この連通管162は、特にハンマビット119の長軸方向に直線状に延在する配管部材として構成され、動吸振器本体153よりも工具前端側に配設されたクランク室165から、第2作動室163及びウェイト155を順次貫通した後に第1作動室161に通じるように配設されている。このような構成によれば、クランク室165と第1作動室161との間を最短距離にて連通させることが可能な連通管162の配置形態を実現することが可能となる。
また、上記の連通管162は、ハンマビット119の長軸方向に直線状に延在するともに、ウェイト155の各部位のうち断面円の中心を貫通するように構成されている。このような構成においては、連通管162の外面162bと当該連通管162に貫設されたウェイト155の内面155cとが摺接し、これにより連通管162は、ウェイト155の長軸方向の直線運動をガイドするガイド部材として構成されている。このような構成によれば、ウェイト155の長軸方向の直線運動が円滑化されるとともに、クランク室165内の空気を動吸振器151の第1作動室161に導入する機能を有する連通管162に対し、更にウェイト155の長軸方向の直線運動をガイドするガイド部材としての機能を付与することが可能となるため合理的である。
なお、このクランク室165と第1作動室161との間で連通管162の第1連通孔162aを通じて空気が流通する際、第1作動室161の圧力に応じて、ギア室164に連通された第2作動室163の容積が変化する。具体的には、第1作動室161の圧力が相対的に高くなると、第2作動室163の空気がギア室164に流出しつつ第2作動室163の容積が減少する一方、第1作動室161の圧力が相対的に低くなると、ギア室164の空気が第2作動室163に流入しつつ第2作動室163の容積が増加する。これにより、ウェイト155を積極的に駆動する強制加振が第2作動室163の空気によって妨げられることなく円滑に遂行されることとなる。
なお、上述した実施の形態では、ウェイト155の前端側と後端側に凹み状のバネ収容空間156を設け、このバネ収容空間156にコイルバネ157の一端部を収容する場合について記載したが、本発明では、ウェイト155にバネ収容空間156を設けることなく、当該ウェイト155の前端側と後端側にコイルバネ157の一端部を止着するような構造を採用することもできる。このとき、コイルバネ157のバネ収容空間156或いは止着箇所は、必要に応じてウェイト155の前端側及び後端側の少なくとも一方に設けることができる。
また、上述した実施の形態では、ウェイト155の前端側に形成された3つの第1バネ収容空間156aと、ウェイト155の後端側に形成された3つの第2バネ収容空間156bが、ウェイト155の周方向に交互に且つ等間隔で配設された構成について記載したが、本発明では、ウェイト155の前端側における第1バネ収容空間156aの配設態様や、ウェイト155の後端側における第2バネ収容空間156bの配設態様は必要に応じて適宜変更可能である。
また、上述した実施の形態では、クランク室165と動吸振器151の第1作動室161とを連通する連通管162の構成に関し、当該連通管162が、クランク室165から、第2作動室163及びウェイト155を順次貫通した後に第1作動室161に通じるように配設される場合について記載したが、本発明では、連通管162の構造としてこれ以外の構造を選択することもできる。例えば、連通管162に相当する部材が、クランク室165から動吸振器151の動吸振器本体153の外部を経由して、第1作動室161に通じるように配設されてもよい。また、上述した実施の形態では、この連通管162が、ウェイト155の長軸方向の直線運動をガイドするガイド部材として兼用される場合について記載したが、本発明では、連通管162に相当する部材以外によって、ウェイト155のガイド機能が達成されてもよい。
また、上述した実施の形態では、作業工具の一例としてハンマドリル101を例にとって説明しているが、先端工具を直線状に動作させて被加工材の加工作業を遂行する種々の作業工具に対し本発明を適用することが可能である。例えば、鋸刃を直線状に往復動作させて被加工材の切断作業を行うジグソーあるいはレシプロソー等に対し本発明を好適に用いることができる。
本実施の形態のハンマドリル101の全体構成を示す側断面図である。 図1中の動吸振器151の部分拡大図である 図2中の動吸振器151のA−A線に関する断面構造を示す図である。 図2中の動吸振器151のB−B線に関する断面構造を示す図である。
符号の説明
101 ハンマドリル(作業工具)
103 本体部(工具本体)
105 ハンドグリップ
111 駆動モータ
111a モータ軸
113 運動変換機構
115 打撃要素
117 動力伝達機構
119 ハンマビット(先端工具)
121 クランク軸
121a クランクシャフト
121b 偏心ピン
123 クランクアーム
125 ピストン
131 中間ギア
133 小ベベルギア
135 大ベベルギア
137 ツールホルダ
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ
145 インパクトボルト
151 動吸振器
153 動吸振器本体
155 ウェイト
155a 筒状部
155b 柱状部
155c 内面
156 バネ収容空間(バネ収容部)
156a 第1バネ収容空間(前面側バネ収容部)
156b 第2バネ収容空間(後面側バネ収容部)
157 コイルバネ
157a バネ前端
157b バネ後端
158 バネ前端止着部
159 バネ後端止着部
161 第1作動室
162 連通管
162a 第1連通孔
162b 外面
163 第2作動室
163a 第2連通孔
164 ギア室
165 クランク室

Claims (7)

  1. 長軸の先端工具を直線状に駆動させ、これによって当該先端工具に所定の加工作業を遂行させる作業工具であって、
    工具本体と、
    前記工具本体に収容された駆動モータ、運動変換機構及び動吸振器と、
    前記工具本体のうち前記駆動モータよりも工具後端側に連接された工具把持用のハンドル部と、
    を備え、
    前記運動変換機構は、前記先端工具の長軸方向に関し前記駆動モータよりも工具前端側に配設され、前記駆動モータの回転運動を直線運動に変換して前記先端工具に伝達する構成とされ、
    前記動吸振器は、前記運動変換機構と前記ハンドル部との間の中間領域に配設されるとともに収容空間を有する動吸振器本体と、前記先端工具の長軸方向への直線運動が可能となるように前記動吸振器本体の前記収容空間に収容されるウェイトと、前記ウェイトの前面側及び後面側の少なくとも一方と前記動吸振器本体側との間において前記先端工具の長軸方向に延在して、当該長軸方向に関し前記ウェイトを弾発状に支持するコイルバネとを含む構成とされ、前記コイルバネによって弾発状に支持された前記ウェイトが、前記先端工具の長軸方向に直線運動することで、加工作業時における前記工具本体の制振がなされることを特徴とする作業工具。
  2. 請求項1に記載の作業工具であって、
    前記ウェイトは、当該ウェイトの前面側及び後面側の少なくとも一方において前記先端工具の長軸方向に凹み状に延在するバネ収容部を備え、前記バネ収容部は、前記ウェイトを弾発状に支持する前記コイルバネの一端部を収容する構成であることを特徴とする作業工具。
  3. 請求項1または2に記載の作業工具であって、
    前記バネ収容部は、前記ウェイトの前面側及び後面側において前記先端工具の長軸方向に凹み状に延在する前面側バネ収容部及び後面側バネ収容部からなり、
    前記前面側バネ収容部は、前記ウェイトの前方から前記ウェイトを弾発状に支持する前記コイルバネの一端部を収容し、前記後面側バネ収容部は、前記ウェイトの後方から前記ウェイトを弾発状に支持する前記コイルバネの一端部を収容するとともに、前記前面側バネ収容部と前記後面側バネ収容部は、これらバネ収容部の延在方向と交差する方向に関し、全部または一部が互いに重なるように配設されていることを特徴とする作業工具。
  4. 請求項3に記載の作業工具であって、
    前記ウェイトは、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関する断面が円形とされたウェイト部材として構成され、前記ウェイト部材の前面側には当該ウェイト部材の周方向に関し前記前面側バネ収容部の複数が等間隔で配設され、前記ウェイト部材の後面側には当該ウェイト部材の周方向に関し前記後面側バネ収容部の複数が等間隔で配設された構成であることを特徴とする作業工具。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の作業工具であって、
    前記運動変換機構は、閉鎖された第1の空間と、前記第1の空間の空気圧変動を利用して前記先端工具を打撃する打撃要素と、前記第1の空間とは異なる領域に配設され、前記第1の空間の空気圧変動の位相とは逆位相となる空気圧変動を生じる第2の空間を含み、
    前記動吸振器は、前記動吸振器本体内において前記ウェイトによって区画され、前記先端工具の長軸方向に関し前記ウェイトを挟んでその前後に形成される前室及び後室と、前記後室と前記第2の空間とを連通する連通路を有する構成であることを特徴とする作業工具。
  6. 請求項5に記載の作業工具であって、
    前記第2の空間は、前記先端工具の長軸方向に関し前記動吸振器本体よりも工具前端側に配設され、
    前記連通路は、前記第2の空間から前記前室及び前記ウェイトを順次貫通した後に前記後室に通じるように配設された連通管によって構成されていることを特徴とする作業工具。
  7. 請求項6に記載の作業工具であって、
    前記連通管は、前記先端工具の長軸方向に直線状に延在するとともに、当該連通管の外面と当該連通管に貫設された前記ウェイトの内面とが摺接する構成とされ、これにより前記ウェイトの長軸方向の直線運動をガイドするガイド部材とされることを特徴とする作業工具。
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