JP2010000445A - リーンバーン自動車排ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メソポーラス材料に白金族元素を担持した触媒と陽イオン交換クリノプチロライト及び又は陽イオン交換エリオナイトとを複合した触媒を用いて、リーンバーン排ガスを浄化する。
【選択図】なし
Description
尿素水以外の還元剤を用いる方法としては、排ガス中の炭化水素(少量含有されるエチレン、プロピレン等の低級オレフィンが還元性を有する)を還元剤として用いるハイドロカーボンSCR法が古くから検討されている。この方法はリッチバーン排NOxに対しては高い浄化率が得られるが、リーンバーン排NOxに対しては200℃近辺の非常に狭い温度領域でしか処理できないという問題があるので実用化されていない。最近、改質触媒によって排ガス中に含有される一酸化炭素から水性ガスシフト反応によって水素を発生させ、白金系の触媒上でNO2と反応させてアンモニアを発生させ、発生したアンモニアをゼオライト系材料によって吸着させ、生成したアンモニアによってNOxを浄化する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、リーンバーンガソリン車及び小型ディーゼル車の排NOx処理には、現在、触媒として白金族触媒にNOx吸蔵剤を添加した所謂NOx吸蔵還元触媒が検討されている(例えば、特許文献2など)。この方法は、リーンバーンだけでは排NOx浄化が困難であるので、リーンバーンとリッチバーンを交互に繰り返す燃焼方式を行なっている。この方法でのNOx浄化は、リーンバーン排NOxをNOx吸蔵剤で吸収し、吸収NOxをリッチバーン雰囲気下で放出させ、放出NOxをリッチバーン排ガス中に供給した燃料もしくはリッチバーン排ガス中に存在する多量の一酸化炭素、水素、炭化水素等の還元性物質を用いて白金族触媒上で還元処理するという考えに立脚している。リーンバーンとリッチバーンを交互に繰り返す燃焼方式とNOx吸蔵還元触媒を用いた浄化方法は、ガソリン乗用車の排ガス処理に用いられている三元触媒が使用できないような高濃度の酸素雰囲気中でも250℃付近から600℃付近に渡ってNOxを浄化できるという利点をもつが、200℃付近以下でのNOx浄化は非常に困難であるという問題がある。また、排ガス中の水分及びSOxによってNOx吸蔵剤が著しく劣化するので、通常750℃以上での定期的な高温処理による触媒再生が必要であり、再生処理によって触媒は著しく熱劣化するという問題がある。
また、上記リーンバーンとリッチバーンを交互に繰り返す燃焼方式は、内燃機関における燃焼と酸素濃度を精密に制御するための高度で複雑な制御システムの搭載を必要とするので、リーンバーンだけの排ガスでもNOx浄化ができるのであれば上記の制御システムが簡略化できるので、このようなリーンバーン専用車のためのNOx浄化用触媒が望まれている。
以上のことから、ディーゼル自動車の排ガス処理に要求される触媒は、リーンバーンだけの燃焼方式で排出される排ガスに対して、上記100℃〜200℃の低温領域のリーンバーン排NOxに対して高活性であり尚且つ200℃〜400℃の中温領域のリーンバーン排NOxに対しても高活性であることが望まれているが、現在のところ250℃以下のリーンバーン排NOxに対して有効なNOx浄化用触媒は見出されていない。
近年、細孔径が数nmの細孔が規則的に配列し、比表面積が400〜1100m2/gという非常に大きな値を有するシリカ、アルミナ、及びシリカアルミナ系のメソポーラス分子篩が開発された。これらは、例えば、特許文献13〜14に開示されており、細孔の細孔配列があたかも結晶性物質の原子配列に類似していることから結晶性メソポーラス分子篩と命名されている。
すなわち、本発明は、
1.メソポーラス材料に白金族元素を担持した触媒と陽イオン交換クリノプチロライトから成ることを特徴とするリーンバーン自動車排ガス浄化用触媒。
2.メソポーラス材料に白金族元素を担持した触媒と陽イオン交換エリオナイトから成ることを特徴とするリーンバーン自動車排ガス浄化用触媒。
3.該陽イオンが、遷移金属イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの中から選ばれた少なくとも1種類以上の陽イオンであることを特徴とする上記1.及び2.に記載のリーンバーン自動車排ガス浄化用触媒に関する。
従来の三元触媒は、酸素濃度が1%よりも低い雰囲気で還元性物質がNOxのモル濃度の10倍程度あれば250℃〜600℃に渡ってNOxをほぼ100%浄化できる。しかし、酸素濃度が数%以上の雰囲気では、還元性物質が豊富でも量的に酸素による酸化消費に見合う分以上の大過剰でない限りは、高温であるほどNOx浄化率が激減する。これは、三元触媒が酸素によって被毒されるという原因では十分に説明できない。おそらく温度が250℃以上を超えたあたりから触媒上での還元性物質の完全燃焼反応がNOx還元反応よりも著しく早くなるからであろうと考えられる。
本発明における排ガス浄化用触媒は、このような好ましくない触媒反応を改善した触媒であり、これによってリーンバーン排NOxを低温領域から中温領域にかけて効率的に浄化するものである。
なお、上記吸脱着の比表面積は、吸脱着の気体として窒素を用いたBET窒素吸着法によって測定される値であり、細孔径は、吸脱着の気体として窒素を用いた窒素吸着法によって測定される値であり、BJH法によって求められる1〜200nmの範囲の細孔分布(微分分布表示)で示される。
本発明で用いるメソポーラス材料の製造は、従来の方法である界面活性剤のミセルをテンプレートとして用いるゾル−ゲル法を応用することによって所用の材料を製造することができる。メソポーラス材料の前駆物質としては、メソポーラスシリカの場合、通常、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のアルコキシドを用いる。メソポーラスシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、カルシア、セリア、ニオビアについても、通常、アルコキシドを用いて製造することができる。ミセル形成の界面活性剤は、例えば長鎖のアルキルアミン、長鎖の4級アンモニウム塩、長鎖のアルキルアミンN−オキシド、長鎖のスルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等のいずれであってもよい。溶媒として、通常、水、アルコール類、ジオールの1種以上が用いられるが、水系溶媒が好ましい。反応系に金属への配位能を有する化合物を少量添加すると反応系の安定性を高めることができる。このような安定剤としては、アセチルアセトン、テトラメチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ピリジン、ピコリンなどの金属配位能を有する化合物が好ましい。メソポーラス材料の前駆物質、界面活性剤、溶媒及び安定剤からなる反応系の組成は、メソポーラス材料の前駆物質のモル比が、0.01〜0.6、好ましくは0.02〜0.5、該前駆物質/界面活性剤のモル比が1〜30、好ましくは1〜10、溶媒/界面活性剤のモル比が1〜1000、好ましくは5〜500、安定剤/主剤(溶媒を除く反応系組成)のモル比が0.01〜1、好ましくは0.2〜0.6である。反応温度は、20〜180℃、好ましくは20〜100℃の範囲である。反応時間は5〜100時間、好ましくは10〜50時間の範囲である。反応生成物は通常、濾過により分離し、十分に水洗、乾燥後、500〜1000℃の高温焼成によってテンプレートを熱分解除去し、メソポーラス材料を得ることができる。必要に応じて、焼成前に界面活性剤をアルコールなどで抽出することもできる。
本発明触媒は、通常、自動車触媒用の担体として一般的に使用されているセラミックス製、あるいはメタル製のモノリス成形体のガス流路内壁に塗布した形状で用いるが、これらに限定されるものではない。上記モノリス成形体とは、成形体の断面が網目状で、軸方向に平行に互いに薄い壁によって仕切られたガス流路を設けている成形体のことであり、モノリス成形体に触媒を付着させて成る触媒を以下ではモノリス触媒という。成形体の外形は、特に限定されるものではないが、通常は、円柱形である。本発明触媒をモノリス成形体のガス流路内壁に付着させる時の触媒の付着量は、3〜30質量%が好ましい。担体内部に存在する触媒内部へのガス拡散の面から30質量%未満が好ましい。また、十分な触媒性能を引き出す上で3質量%以上が好ましい。
本発明触媒は、自動車、特にディーゼル自動車及びリーンバーンガソリン自動車に搭載することによって、自動車が排出するリーンバーン排ガス中のNOx及び炭化水素類の有害物質を160℃〜400℃の領域において極めて効果的に除去することができる。特に、トラックなどの大型車用の排ガス浄化方法として有効に用いることができる。
比表面積及び細孔分布は脱吸着の気体として窒素を用い、カルロエルバ社製ソープトマチック1800型装置によって測定した。比表面積はBET法によって求めた。細孔分布は1〜200nmの範囲を測定し、BJH法で求められる微分分布で示した。製造したメソポーラス材料の多くは指数関数的に左肩上がりの分布における特定の細孔直径の位置にピークを示した。このピークを与える細孔直系が細孔径である。
自動車排NOxのモデルガスとして、ヘリウム希釈で希釈した一酸化窒素、酸素、プロピレンの混合ガスを用いた。減圧式化学発光法NOx分析計(日本サーモ株式会社製造:モデル42i−HL及び46C−H)によって処理前と処理後のガスに含まれるNOx(NOとNO2の合計))の濃度を測定し、NOx浄化率を式(1)によって算出した。
0.538gのPtCl4・5H2O、0.2065gのPdCl2・2H2O、及び0.405gのRh(NO3)3・2H2Oを20mlの蒸留水に溶解した水溶液を蒸発皿に入れ、これに10gの活性アルミナ(日揮株式会社製造 商品名:N−613N、:比表面積250m2/g、平均細孔径6.2nm、粒径2〜3μmの微粒子)を加え、スチームバスで蒸発乾固した後、真空乾燥機に入れ100℃で3時間真空乾燥を行なった。この試料を石英管に入れヘリウム希釈水素ガス(10v/v%)気流下500℃で3時間還元し、貴金属の含有量が約5質量%の触媒を合成した。これを三元触媒を模した貴金属触媒として比較実験に用いた。
1リットルのビーカーに、蒸留水300g、エタノール240g、及びドデシルアミン30gを入れ、溶解させた。攪拌下でテトラエトキシシラン125gを加えて室温で22時間攪拌した。生成物を濾過、水洗し、110℃で5時間温風乾燥した後、空気中で550℃−5時間焼成して含有するドデシルアミンを分解除去し、平均粒径が0.5μmのメソポーラスシリカ材料を得た。該メソポーラスシリカ材料を小角X線回折測定した結果、1本のブロードな回折ピークを示した。また、透過型電子顕微鏡観察の結果、細孔の配列には規則的な配列が観測されず無秩序に分散している状態が観測された。これらの結果から、製造したメソポーラスシリカ材料は非晶性であることが確認された。また、細孔分布及び比表面積測定の結果、約3.2nmの位置に細孔ピークがあり、比表面積が933m2/g、細孔容積が1.35cm3/g、1〜50nmの細孔が占める容積は1.34cm3/gであった。蒸留水20gに塩化白金酸H2PtCl4・6H2Oを0.668gと硝酸ロジウムRh(NO3)3・2H2Oを0.004g溶解した水溶液を蒸発皿に入れ、これに上記のメソポーラスシリカ材料5gを加え、スチームバスで蒸発乾固した後、真空乾燥機に入れ、100℃−3時間真空乾燥を行なった。この試料を石英管に入れ、ヘリウム希釈水素ガス(10v/v%)気流下500℃で3時間還元し、白金−ロジウムの担持量が約5質量%の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒を合成した。メソポーラスシリカに担持された白金−ロジウム粒子の平均粒径は約3.0nmであった。
市販のモルデナイト(東ソー株式会社製 商品名:HSZ−640)100gを2リットルの蒸留水にいれ、これに20質量%の硝酸マグネシウム水溶液50gを加え、室温で一昼夜攪拌した。減圧濾過、100mlの蒸留水で洗浄後、100℃で真空乾燥することによって、マグネシウムイオン交換ゼオライトを製造した。マグネシウムイオンの含有量は約5gであった。
市販の天然クリノプチロライト(天然産のクリノプチロライトはカリウムイオン交換体である)100gを2リットルの蒸留水にいれ、これに20質量%の硝酸マグネシウム水溶液50gを加え、室温で一昼夜攪拌した。減圧濾過、100mlの蒸留水で洗浄後、100℃で真空乾燥することによって、マグネシウムイオン交換ゼオライトを製造した。マグネシウムイオンの含有量は約5gであった。
市販の天然エリオナイト(天然産のエリオナイトはカリウムイオン交換体である)(東ソー株式会社製 商品名:TSZ−450)100gを2リットルの蒸留水にいれ、これに20質量%の硝酸マグネシウム水溶液50gを加え、室温で一昼夜攪拌した。減圧濾過、100mlの蒸留水で洗浄後、100℃で真空乾燥することによって、マグネシウムイオン交換ゼオライトを製造した。マグネシウムイオンの含有量は約6gであった。
市販の天然クリノプチロライト(サンゼオライト株式会社製 商品名:ゼオライト3S)100gを2リットルの蒸留水にいれ、これに20質量%の硝酸第二鉄水溶液50gを加え、室温で一昼夜攪拌した。減圧濾過、100mlの蒸留水で洗浄後、100℃で真空乾燥することによって、Feイオン交換ゼオライトを製造した。鉄イオンの含有量は約6gであった。
製造例1の三元触媒を模した貴金属触媒160g、及びコロイダルシリカ16gを蒸留水2リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)(日本ガイシ株式会社製 商品名:ハニセラム)(以下、同じ)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、三元触媒を模した貴金属触媒を塗布したモノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における三元触媒を模した貴金属触媒の付着量は約80gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160g、及びコロイダルシリカ16gを蒸留水2リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒の付着量は約80gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160gと製造例3のMgイオン交換モルデナイト160g、及びコロイダルシリカ32gを蒸留水4リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における上記混合物触媒の付着量は約160gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160gと製造例4のMgイオン交換クリノプチロライト160g、及びコロイダルシリカ32gを蒸留水4リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における本発明触媒の付着量は約160gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160gと製造例5のMgイオン交換エリオナイト160g、及びコロイダルシリカ32gを蒸留水4リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における本発明触媒の付着量は約160gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160gと製造例6のFeイオン交換クリノプチロライト160g、及びコロイダルシリカ32gを蒸留水4リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における本発明触媒の付着量は約160gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160gと市販の天然クリノプチロライト(カリウムイオン交換体である)(サンゼオライト株式会社製 商品名:ゼオライト3S)160g、及びコロイダルシリカ32gを蒸留水4リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における本発明触媒の付着量は約160gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
製造例2の[Pt−Rh/メソポーラスシリカ]触媒160gと市販の天然エリオナイト(カリウムイオン交換体である)(東ソー株式会社製 商品名:TSZ−450)160g、及びコロイダルシリカ32gを蒸留水4リットルに加え、攪拌して、スラリーを調整した(調整液1)。調整液1に、市販のコージェライトモノリス成形体(4.5mil/400cpsi、直径143.8mm×長さ118mm)を浸漬した後、風乾、窒素気流下で500℃−3時間熱処理することによって、モノリス触媒を製造した。該モノリス触媒における本発明触媒の付着量は約160gであった。このモノリス触媒からミニ成形体(直径20mm×長さ12.7mm)を切り出した。
「実施例1」、「実施例2」、「実施例3」、「実施例4」、「実施例5」、「比較例1」、「比較例2」、「比較例3」
製造例7のモノリス触媒のミニ成形体を石英製の流通式反応管に充填した。反応管を外部ヒーターによって160℃〜400℃までの任意の温度に調整した。次に、反応管に、プロピレン濃度の低いリーンバーン模擬ガスとプロピレン濃度の高いリーンバーン模擬ガスを交互に流通し、NOx処理を行なった。プロピレン濃度の低いリーンバーン模擬ガスは、ヘリウムで濃度調整した一酸化窒素250ppm、酸素10%、プロピレン400ppm含有ガスであり、流量は毎分500mlとした。プロピレン濃度の高いリーンバーン模擬ガスは、ヘリウムで濃度調整した一酸化窒素250ppm、酸素10%、プロピレン2%含有ガスであり、流量は毎分500mlとした。そして、プロピレン濃度の低いリーンバーン模擬ガスとプロピレン濃度の高いリーンバーン模擬ガスとの供給サイクルは、10分:10分とした。排ガスをサンプリングし、プロピレン濃度の低いリーンバーン模擬ガスを流通している時(流通開始後5分)のNOx浄化率とプロピレン濃度の高いリーンバーン模擬ガスを流通している時のNox浄化率を測定した。
上記と同様にして、製造例8、9、10、11、及び12のモノリス触媒のミニ成形体についても、それぞれNOx浄化率を測定した。これらの結果を表1及び表2に示した。
以上のことから、本発明浄化用触媒は、リーンバーン排ガスを低温領域から中温領域にわたって効率よく浄化できることがわかる。また、ポストインジェクション方式のようなリーンバーン排ガスに多量の還元剤が瞬間的に供給される排ガスに対しても低温から中温領域にかけて効率よく浄化できることがわかる。
Claims (3)
- メソポーラス材料に白金族元素を担持した触媒と陽イオン交換クリノプチロライトから成ることを特徴とするリーンバーン自動車排ガス浄化用触媒。
- メソポーラス材料に白金族元素を担持した触媒と陽イオン交換エリオナイトから成ることを特徴とするリーンバーン自動車排ガス浄化用触媒。
- 陽イオンが、遷移金属イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの中から選ばれた少なくとも1種類以上の陽イオンであることを特徴とする請求項1及び2に記載のリーンバーン自動車排ガス浄化用触媒。
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