JP2010000176A - 熱処理装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理物を収容自在な耐圧容器2、耐圧容器2内に蒸気を供給するための供給路10A、耐圧容器2内の流体を外に排出するための排出路10B、及び排出路10Bに開閉弁11Aを備える熱処理装置1において、被処理物を耐圧容器2内に配置し、耐圧容器2内に蒸気を供給して被処理物の温度と、耐圧容器2内の圧力とを上昇させて被処理物を熱処理する熱処理装置1の運転方法であって、被処理物の温度を上昇させる過程で、排出路10Kの開閉弁11Aを閉じて供給路10Aから蒸気を供給して耐圧容器2内の圧力を上昇させる加圧工程と、排出路10Kの開閉弁11Aを開けて耐圧容器2内の流体の一部を排出する排出工程とを交互に実施する熱処理装置1の運転方法。
【選択図】図1
Description
前記被処理物を前記耐圧容器内に配置し、前記耐圧容器内に蒸気を供給して前記被処理物の温度と、前記耐圧容器内の圧力とを上昇させて前記被処理物を熱処理する熱処理装置の運転方法に関する。
そのため、従来の運転方法においては、絶えずレトルト釜に蒸気を供給し続ける必要があり、大量の蒸気を必要とするため省エネルギー化を図ってランニングコストを削減するという点で改善の余地があった。
被処理物を収容自在な耐圧容器、前記耐圧容器内に蒸気を供給するための供給路、前記耐圧容器内の流体を外に排出するための排出路、及び前記排出路に開閉弁を備える熱処理装置において、
前記被処理物を前記耐圧容器内に配置し、前記耐圧容器内に蒸気を供給して前記被処理物の温度を上昇させた後、前記耐圧容器内の圧力を上昇させて前記被処理物を熱処理する熱処理装置の運転方法であって、
前記被処理物の温度を上昇させる過程で、前記排出路の開閉弁を閉じて前記供給路から蒸気を供給して前記耐圧容器内の圧力を上昇させる加圧工程と、前記排出路の開閉弁を開けて前記耐圧容器内の流体の一部を排出する排出工程とを交互に実施することを特徴とする。
本発明においては、被処理物を予備加熱する際に蒸気を排出し続けていた従来の運転方法とは異なり、予備加熱する際に排出路の開閉弁を閉じて供給路から蒸気を供給して耐圧容器内の圧力を上昇させる加圧工程と、排出路の開閉弁を開けて耐圧容器内の流体の一部を排出する排出工程とを交互に実施している。
本発明によれば、後述する実施例に示されるように、被処理物を予備加熱するに当たり、従来の運転方法と同様に、被処理物間において温度むらを生じさせることなく、被処理物を所定の温度まで確実に加熱することが可能であると共に、従来の運転方法と比べて蒸気の使用量が少なくて済み、結果、熱処理装置のランニングコストを削減することができる。
前記被処理物が、飲食品を充填して密封した密封容器であることを特徴とする。
〔作用及び効果〕
本発明によれば、飲食品を充填して密封した密封容器を、従来の運転方法よりもより少ないランニングコストで殺菌処理することができる。
〔実施形態〕
(熱処理装置1の構成)
本発明の熱処理装置の運転方法に係る熱処理装置1の構成について、図1に基づいて説明する。
図1には、熱処理装置1の構成が概略的に示されている。
図1に示されるように、熱処理装置1は、被処理物を収容自在な耐圧容器2、蒸気発生装置6、エアタンク7、コンプレッサ8、及び給水槽9A,9Bを備えて構成されている。
耐圧容器2は、収容された被処理物を蒸気で加熱加圧することができる。耐圧容器2としては、既存の耐圧容器のうち任意のものを用いることが可能であり、例えば、(1)特開平11−347105号公報に開示されたレトルト殺菌用の処理槽、又は(2)特開平9−192016号公報に開示された蒸煮槽等が挙げられる。
配管10Lには、開閉弁11Eが設けられており、その下流に、耐圧容器2内の流体(特に水等)を排出するための排水タンク14が設けられている。排水タンク14に排出された流体は、配管10Jから装置外に排出されるように構成されている。
尚、排水タンク14に排出された水は、熱処理装置1外での別の設備の加熱源としても利用することができる。
給水槽9A内に貯蔵される液体(例えば、水)は、ポンプ12Aを駆動することによってシャワーノズル15A、15Bから耐圧容器2内に供給されるように構成されている。
また、給水槽9Aから延びる配管10Hは、減圧弁11Fを介して耐圧容器2に接続されている。
給水槽9B内に貯蔵される液体(例えば、給水槽9A内の水よりも低温の水)は、ポンプ12Bを駆動することによってシャワーノズル15A、15Bから耐圧容器2内に供給されるように構成されている。
次に、上記構成を有する熱処理装置1の運転方法について、被処理物として、飲料を密封した密封容器(缶コーヒー等)を殺菌する場合を例示して説明する。
飲料を密封した複数の密封容器(図示せず)をコンテナ4内に投入し、このコンテナ4を支持ベース3上に配置して、耐圧容器2を密封閉鎖し、以下に記載する(1)1次加熱、(2)予熱保持、(3)2次加熱、(4)殺菌処理、(5)冷却処理を順に実施する。
開閉弁11A及び開閉弁11Eを閉じた状態とし、蒸気発生装置6を駆動させて蒸気を発生させる。
発生した蒸気を、配管10A(供給路)を通じて耐圧容器2内に供給して、耐圧容器2内の温度を所定の温度(当該温度を1次加熱温度と称し、1次加熱温度は、例えば90℃〜110℃である)まで上昇させる。
次いで、1次加熱温度を所定時間(例えば、5分間)維持して予熱保持を行う。この予熱保持において、配管10Kの開閉弁11Aを閉じて配管10A(供給路)から蒸気を供給して耐圧容器2内の圧力を上昇させる加圧工程と、配管10Kの開閉弁11Aを開けて耐圧容器2内の流体(残存空気、及び水蒸気等)の一部を排出室13に排出する排出工程とを、所定の時間(例えば、1分間)で交互に繰り返して行い、耐圧容器2内の残存空気を効率良く追い出すと共に、収容した密封容器を1次加熱温度まで加熱する。
予備加熱においては、先ず耐圧容器2内の温度が上昇し、次いで、コンテナ4内の密封容器の温度が、耐圧容器2内の温度に追従して上昇するようになる。
次いで、開閉弁11Aを閉じて配管10A(供給路)から蒸気を耐圧容器2内に供給し、耐圧容器2内の圧力を上昇させることによって、耐圧容器2内の温度を、密封容器と密封容器内の飲料を殺菌し得る所定の温度(当該温度を2次加熱温度と称し、2次加熱温度は、例えば120℃〜130℃である)までさらに上昇させる。
次いで、2次加熱温度を所定時間(例えば、およそ20分間)維持して殺菌処理を行う。
尚、当該殺菌処理においては、耐圧容器2内の温度(2次加熱温度)が一定に維持されるため、密封容器の温度も耐圧容器2内の温度に追従するようにして一定となり、密封容器の温度が一定であるため、密封容器内の圧力も一定の値に漸近するようになる。その結果、耐圧容器2の圧力は、所定の圧力に維持されると共に、密封容器内の圧力も所定の圧力に維持される。
次いで、殺菌処理後の密封容器について冷却処理を行う。
蒸気発生装置6を停止させた後、給水槽9A内の液体(例えば水)をシャワーノズル15A、15Bから耐圧容器2内に供給する。この水はポンプ12Cを駆動させることにより耐圧容器2内を循環し、耐圧容器2の上部から供給され、多孔板5を通過することによりコンテナ4全体に散布され、耐圧容器2の温度を低下させる。
本実施形態においては、複数の給水槽内の水を用いることによって、耐圧容器2の温度を急激な温度変化を避けつつ低下させている。このため、密封容器の温度も耐圧容器2の温度に追従するように低下する。
〔1〕前述の実施形態における加圧工程と排出工程とを交互に実施する工程については、予熱保持だけで実施する形態に限定されるものではなく、1次加熱の際、あるいは1次加熱及び予熱保持において実施するようにしても良い。
〔2〕前述の実施形態における被処理物は、飲料に限らずその他の食料品(パン等の固形物、若しくはジャム等の半固形物)、あるいは、食器類等であっても良い。また、食料品を密封する容器については、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、ガラス瓶、紙缶、パウチ等が挙げられる。
(実施例)
飲料(190mL)を密封した密封缶(被処理物)2240缶を、レトルト釜(耐圧容器)内に収容し、上記実施形態の熱処理装置の運転方法(実施例1〜2)、及び対照として従来の運転方法(対照1〜3)を、以下の表1に示される条件にて実施した。
尚、実施例1〜2は、予熱保持において、配管10Kの開閉弁11Aを閉じて配管10A(供給路)から蒸気を供給して耐圧容器2内の圧力を上昇させる加圧工程と、配管10Kの開閉弁11Aを開けて耐圧容器2内の流体(残存空気、及び水蒸気等)の一部を排出する排出工程とを、1分間で交互に繰り返して行った。
対照1〜3は、予熱保持において、配管10Kの開閉弁11Aを開けて蒸気を排出室13に排出し続けた。
2 耐圧容器
3 支持ベース
4 コンテナ
5 多孔板
6 蒸気発生装置
7 エアタンク
8 コンプレッサ
9A,9B 給水槽
10A〜L 配管
11A,11B,11E 開閉弁
11C,11D 弁
11F 減圧弁
12A〜C ポンプ
13 排出室
14 排水タンク
15A,15B シャワーノズル
Claims (2)
- 被処理物を収容自在な耐圧容器、前記耐圧容器内に蒸気を供給するための供給路、前記耐圧容器内の流体を外に排出するための排出路、及び前記排出路に開閉弁を備える熱処理装置において、
前記被処理物を前記耐圧容器内に配置し、前記耐圧容器内に蒸気を供給して前記被処理物の温度と、前記耐圧容器内の圧力とを上昇させて前記被処理物を熱処理する熱処理装置の運転方法であって、
前記被処理物の温度を上昇させる過程で、前記排出路の開閉弁を閉じて前記供給路から蒸気を供給して前記耐圧容器内の圧力を上昇させる加圧工程と、前記排出路の開閉弁を開けて前記耐圧容器内の流体の一部を排出する排出工程とを交互に実施する熱処理装置の運転方法。 - 前記被処理物が、飲食品を充填して密封した密封容器である請求項1に記載の熱処理装置の運転方法。
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JP2008160270A JP2010000176A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 熱処理装置の運転方法 |
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JP2013056306A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Miura Co Ltd | 排水回収システム |
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2008
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