JP2009541505A - 少なくとも1種の親油性作用物質を含有する水性ポリマー分散液の製造方法及びその使用 - Google Patents

少なくとも1種の親油性作用物質を含有する水性ポリマー分散液の製造方法及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種の親油性作用物質の存在下における、水性媒体中でのエチレン性不飽和モノマーの乳化重合による、少なくとも1種の親油性作用物質を含む水性分散液の製造方法に関する。本発明の方法は、以下の工程:(i)少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で、5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)、及び130℃未満の融点を有する、少なくとも1種の親油性作用物質を乳化し、1000nm以下の平均粒径を有する作用物質の水溶液を形成する工程、及び(ii)少なくとも80質量%の、中性の水中で乳化可能なモノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー組成物を、工程(1)において得られる作用物質の水性分散液中で乳化重合する工程を含む。本発明は、本発明により得られた分散液の、紙、板紙及び厚紙のためのサイズ剤として、熱可塑性ポリマーの仕上及び安定化のため、材料保護及び作物保護のための使用にも関する。

Description

本発明は、少なくとも1種の親油性作用物質の存在下における水性媒体中でのエチレン性不飽和モノマーの乳化重合による、少なくとも1種の親油性作用物質を含む水性ポリマー分散液の製造方法、並びに紙、板紙及び厚紙をサイジングするために、熱可塑性ポリマーの処理及び安定化のために、材料保護のために、及び作物保護のために得られる分散液の使用に関する。
技術的な使用においては、作用物質は、一般に、低濃度であっても、それぞれの意図する用途において所望の効果を示す物質を意味すると理解されている。全てのケースにおいて、大量の他物質中で、又は広い面積の全体にできるだけ均一に少量の作用物質を分散させる必要がある。従って、例えば、UV光線の作用からの、ポリマーのような物質の保護のために、いわゆるUV吸収剤が用いられる。作用物質の更なる具体例は、アルキルジケテン、アルケニルコハク酸無水物及びロジンサイズ剤のような紙のサイジング剤として用いられる物質、並びに除草剤、殺真菌剤、殺虫剤及び成長調整剤のような作物保護のための作用物質である。これらの作用物質は親油性であるため、実質的に不水溶性である。しかし、所望の目的のために作用物質を用いるために、それらは微粉化形態で存在しなければならない。このような製品の用途のための種々の方法がある。
例えば、せん断力作用下で、前記ポリマーを溶解し、溶融物をUV吸収剤と混合することにより、UV吸収剤をポリマーに取り込む。一方、紙のサイズ剤を、作物保護のための親油性作用物質の場合のように、希釈水性分散液の形態で使用する。分散液を、一般に、使用の直前に、それぞれの用途の濃度に水で希釈する。親油性作用物質は、連続的な水相において、乳化又は分散相として存在する。このような水性分散液は、常に、基本的に不安定な系を安定化する分散安定剤を含む。例えば、親油性作用物質の水性分散液は2種の異なる重合プロセス、すなわち、乳化重合プロセス又はミニエマルション重合プロセスによって製造することができる。
従って、特開平7−292009号公報は、特にUV吸収剤又はエポキシ樹脂のような機能物質を含む水性ポリマー分散液を開示している。それらは、不飽和モノマー中に機能物質を溶解し、界面活性剤の存在下において、水中でこの溶液を乳化して5〜500nmの平均粒径を有するモノマーエマルションを得、フリーラジカル開始剤の存在下でミニエマルションを重合することによって製造される。
UV吸収剤、エポキシ樹脂、アクリル系ポリマー、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール系物質及び鉱油樹脂のような機能物質を含む前記水性分散液を、バインダー、及び保護コーティング膜の添加剤として使用する。
国際公開第99/40123号は、分散ポリマー粒子が、均質に分散している、すなわち分子分散状に分散している有機染料を含む、水性ポリマー分散液の製造方法を開示している。このような水性分散液は、フリーラジカル重合開始剤の存在下で、水中油型エマルションの形態で溶解した有機染料を含むエチレン性不飽和モノマーの重合により、ミニエマルション重合によって製造され、このエマルションの分散相は、基本的に<500nmの直径を有する染料含有モノマー小滴によって形成されている。この発明の有利な実施態様において、架橋モノマーを含むモノマー混合物を重合に使用する。このポリマー分散液は沈降に対して安定である。分散した粒子は、100〜400nmの平均粒子径を有している。それらは、従来の乾燥法を用いて、水性分散液から得ることができる。例えば、染料含有ポリマー分散液は、高分子量の有機及び無機物質を着色するために、並びに印刷インク及びインクジェット印刷のためのインクの着色に用いられる。
着色剤含有ポリマー粒子が1000nm未満の平均粒子径を有する、更なる着色剤含有ポリマーが、欧州特許公開第1191041号に開示されている。有機染料に加え、着色剤も、UV吸収剤及び蛍光増白剤に適している。分散液は、ミニエマルション重合によって製造される。
ドイツ特許公開第10254548号は、UV線の作用に対するポリマーの安定化のための少なくとも1種のUV吸収剤を含む微粉化ポリマー粉末の使用を開示している。ポリマー粉末のポリマー粒子は、500nm以下の粒径を有する。それらはミニエマルション重合によって製造され、水性分散液から分離される。
ドイツ特許公開第10248879号は、アルキルジケテンを含み、アルキルジケテンの存在下での疎水性モノエチレン性不飽和モノマーのミニエマルション重合によって得られるポリマー分散液を開示している。対応する組成を有する水性ポリマー分散液はアルケニルコハク酸無水物を含み、アルケニルコハク酸無水物の存在下でのミニエマルション重合法によって疎水性モノマーの重合により製造され、適切であれば、更なるアルキルジケテンは国際公開第2005/070912号に開示されている。この分散液は、各場合、紙のサイズ剤として、又は皮革、天然及び/又は合成繊維及び織物の撥水剤として使用される。
少なくとも1種の溶解した殺虫剤を含む、エチレン性不飽和モノマーの乳化重合法は、米国特許第3,400,093号に開示されている。この方法においては、少なくとも1種の水不溶性ビニルポリマー中の実質的に水不溶性の殺虫剤の溶液を、少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中で最初に乳化し、次いで、この混合物を乳化重合する。
欧州特許公開第0875544号によれば、例えば、UV吸収剤を含むポリマー分散液は、少なくとも1種のUV吸収剤を、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーに溶解し、次いで、この溶液を、重合開始剤及び乳化剤を含む水中での乳化重合することにより製造できる。ポリマー粒子は単一のポリマーからなってもよく、コア/シェル構造を有していてもよく、UV吸収剤は、ポリマーのコア中、又はシェル中のいずれか、もしくはコア中及びシェル中の両方にあることが可能である。
国際公開第01/10936号は、コアが40℃未満のガラス転移温度Tgを有するポリマーとUV吸収剤とを含み、シェルが、好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、及び/又はメチルメタクリレートのポリマーからなる、コア/シェル構造を有する粒子を開示している。適切であれば、粒子のコアを形成するポリマーは架橋していてもよい。ポリマー粒子を乳化重合によって製造する。UV吸収剤を含むポリマー粒子は、UV吸収性ポリマー組成物の製造に使用する。
国際公開第2006/015791号は、水に難溶性の作用物質の水性作用物質組成物の製造方法を開示している。この方法は以下の工程を含む。
a)分散した作用物質粒子の安定化のために、動的光散乱によって測定した、1200nm以下の平均粒径を有する懸濁液中に、少なくとも1種の界面作用物質、作用物質粒子を含む、25℃/1013ミリバールにおいて5g/L以下の水溶解度を有する、少なくとも1種の作用物質の固体の作用物質粒子の水性懸濁液を提供する工程、
b)作用物質の水性懸濁物中で第1のモノマー組成物M1をエマルション重合させて(ただし、モノマー組成物M1が、その総質量に対して少なくとも95質量%の、水中溶解度が25℃/1013ミリバールで30g/L以下である、少なくとも1種の中性モノエチレン性不飽和モノマーM1.1を含む)、ポリマー/作用物質粒子の水性分散物を得る工程及び
c)工程b)で得られたポリマー/作用物質粒子の水性分散液中で第2のモノマー組成物M2を乳化重合する工程(ただし、モノマー組成物M2が、その総質量に対して少なくとも60質量%の、水中溶解度が25℃/1013ミリバールで30g/L以下である、少なくとも1種の中性モノエチレン性不飽和モノマーM2.1を含む)。
作用物質は、生体内で低濃度であっても生理的反応を起こす物質を意味するとして理解される。それらは、作物保護及び材料保護のための作用物質、例えば、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調整剤及び他の殺生剤であるのが好ましい。
本発明の目的は、水溶性作用物質を含む水性分散液の更なる製造方法の提供である。
本発明によれば、この目的は、少なくとも1種の親油性作用物質の存在下における、水性媒体中でのエチレン性不飽和モノマーの乳化重合による、少なくとも1種の親油性作用物質を含む水性ポリマー分散液の製造方法であって、
(i)5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)、及び130℃未満の融点を有する、少なくとも1種の親油性作用物質を、少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で乳化し、1000nm以下の平均粒径を有する作用物質の水性分散液を形成し、及び
(ii)水中に、少なくとも80質量%の中性の乳化可能なモノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー組成物を、(i)により得られる作用物質の水性分散液中で乳化重合する方法によって達成される。
前記方法の好ましい実施形態は、
(i)5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)、及び100℃未満の融点を有する、少なくとも1種の親油性作用物質を、少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で乳化し、500nm以下の平均粒径を有する作用物質の水性分散液を形成し、
(ii)水中に、少なくとも80質量%の中性の乳化可能なモノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー組成物を、(i)により得られる作用物質の水性分散液中で乳化重合するものである。
親油性作用物質の水性分散液は、工程(i)において、少なくとも1種の親油性物質の溶融物を少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で乳化することにより、特に有利に製造される。
適切な親油性作用物質は、130℃未満、好ましくは100℃未満の融点又は軟化範囲を有する。原則として、5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)を有し、130℃未満の温度、好ましくは100℃未満の温度で溶解するか又は液状で存在する全ての親油性作用物質を、工程(i)において使用できる。このような作用物質の具体例は、アルキル−又はアルケニルジケテン、アルケニルコハク酸無水物、ロジンサイズ剤、UV吸収剤、帯電防止剤、抗酸化剤、かぶり防止剤、潤滑剤、着色剤、粘着付与剤、ろう及び作物保護剤である。好ましく用いられる作用物質は、アルキルジケテン、アルケニルコハク酸無水物及びロジンサイズ剤及びUV吸収剤である。
適切なアルキルジケテンは、好ましくはC14−〜C22−アルキル、又はアルケニルジケテンである。例えば、それらは、三級アミンを用いて、塩化水素の脱離によって、対応する塩化アシルから製造される。本発明において使用できるジケテンは、飽和又は不飽和、分岐又は環状炭化水素基を有する。このようなアルキルジケテンの具体例は、テトラデシルジケテン、ヘキサデシルジケテン、オクタデシルジケテン、ドコシルジケテン、パルミチルジケテン、オレイルジケテン、ステアリルジケテン、及びベヘニルジケテンである。ステアリルジケテン、パルミチルジケテン、オレイルジケテン、ベヘニルジケテン、イソステアリルジケテン又はアルキルジケテンの混合物、例えば、ベヘニルジケテンとステアリルジケテンとの混合物、又はステアリルジケテン及びパルミチルジケテンの混合物が好ましく用いられる。
アルケニルコハク酸無水物は、例えば、米国特許第3,102,064号、欧州特許公開第0609879号及び欧州特許公開第0593075号に記載されている。紙のエンジンサイズ剤として今日までに文献に記載されている全てのアルケニルコハク酸無水物も、単独で、又はアルキルジケテンと組み合わせて、作用物質として本発明に適している。適切なアルケニルコハク酸無水物は、アルキル基中に、少なくとも6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはC14−〜C24−オレフィン基を有する。特に好ましいアルケニルコハク酸無水物は、アルケニル基中に、16〜22個、一般には16〜18個の炭素原子を含む。それらは、直鎖状、更に不飽和又は分岐状のアルケニル基を含んでいてもよい。アルケニルコハク酸無水物は、例えば、最初に異性化されるα−オレフィンから得られる。これは、エン反応において無水マレイン酸と反応して無水コハク酸を得る、種々のイソマー混合物を生じさせる。アルケニルコハク酸無水物は、欧州特許公開第0593075号に従い、プロピレン又はn−ブチレンオリゴマーと無水マレイン酸との反応により製造される。反応性サイズ剤のこの群の具体例は、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物及びn−ヘキサデセニルコハク酸無水物である。個々の異性体の無水コハク酸は、種々のサイジング効果を有する。従って、例えば、2−及び3−ヘキサデセニルコハク酸無水物は、異性体4−、5−、6−、7−及び8−ヘキサデセニルコハク酸無水物ほど、エンジンサイズ剤として効果的でない。
適切な作用物質は、ロジンサイズ剤、及びそれらから誘導される誘導体、例えば、ロジンサイズ剤と無水マレイン酸との反応生成物を含む。この誘導体は分岐しているか不飽和であってよく、例えば、アビエチン酸である。
更なる適切な作用物質は帯電性を付与し、被りから保護するため、又は酸化、又はUV光線、熱及び/又は光の作用に対してそれらを安定化するためにポリマーが添加される物質である。このような安定剤は市販の製品である。従って、例えば、UV吸収剤は、BASF Aktiengesellschaft,Ludwigshafenによって、Uvinul(登録商標)の商品名で市販されている。適切なUV吸収剤は、5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)を有する。UV吸収剤は、UV光線を吸収し、吸収した放射線を非放射線形態で非活性化する化合物を意味すると理解されることが知られている。UV吸収剤は、<400mの波長の光を吸収し、それを熱放射に変換する。UV吸収剤の具体例は、p−アミノ安息香酸の誘導体、特にそのエステルであり、例えば、エチル4−アミノ安息香酸及びエトキシ化エチル4−アミノ安息香酸、サリチル酸塩類、置換シンナメート類、例えば、オクチルp−メトキシシンナメート、4−イソペンチル4−メトキシシンナメート、2−フェニルベンズイミダゾール−5スルホン酸、およびこれらの塩類等である。特に好ましく用いられるUV吸収剤は、4−n−オクチルオキシ―2−ヒドロキシベンゾフェノンである。UV吸収剤の更なる具体例は、ベンゾキサゾールの誘導体、ベンゾトリアゾールの誘導体、ベンジリデンカンファー、ジベンゾイルメタン及び2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンである。UV吸収剤は、それぞれ参考として本明細書で援用される、文献Cosmetic Legislation,Vol.1,Cosmetic Products,European Commission 1999,pages.64−66及び欧州特許公開第1191041号の6頁14〜30行にも記載されている。
他の適切な作用物質は、有機ポリマー、特に熱可塑性ポリマーの安定剤及び助剤である。安定剤は、酸素、光又は熱の作用下での分解に対してポリマーを安定化する化合物である。それらは、抗酸化剤又はUV及び光安定剤をも意味する。Ullmanns,Encyclopedia of Industrial Chemistry,Vol.3,629−650(ISBN−3−527−30385−5)及び欧州特許公開第1110999号の第2頁29行〜第38頁29行を参照されたい。作用物質のこの群には、防炎剤が含まれる。このような安定剤を用いて、実質的に全ての有機ポリマーを安定化できる。欧州特許公開第1110999号の第38頁30行〜第41頁35行を参照されたい。これらの参考文献は、参考として本発明の開示内容の一部をなす。欧州特許公開第に開示された安定剤は、ピラゾロン、有機ホスファイト又はホスホナイト、立体障害フェノール及び立体障害アミンからなる化合物のクラスに属する(いわゆるHALS型安定剤、Roempp,10th Edition,Volume 5,pages.4206−4207を参照されたい)。
ポリマーのための助剤は、例えば、プラスチックを含むフィルム及び成型品の少なくとも実質的に被りを防止する物質、いわゆるかぶり防止剤を意味するものとして理解される。市販の安定剤及び助剤は、CibaによってTinuvin(登録商標)及びCyasorb(登録商標)の商標で、Eastman KodakによりTenox(登録商標)の商標で販売されている。安定剤及び助剤は、例えば、Plastics Additives Handbook,5th Edition,Hanser Verlag,ISBN 1−56990−295−Xに記載されている。助剤には、ポリマーの潤滑剤も含まれる。
130℃未満の融点又は軟化範囲、及び5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)を有する全ての着色剤も、作用物質として使用できる。着色剤は、全ての従来の着色剤、蛍光増白剤、IR染料及び蛍光染料を意味するものと理解される。染料の具体例は、例えば、ドイツ特許公開第19937261号の第2頁31行〜第8頁27行に開示されている。
他の適切な作用物質は粘着付与剤及びろうである。本発明との関連で、ろうは、以下の化合物;すなわち、脂肪、脂肪酸、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル、特に、グリセリド、ステロール及びステロールエステル(スクアレン)、パラフィン又はオレフィンポリマー(エチレン及びアクリル酸のコポリマー、又はエチレン及びジメチルアミノプロピルメタクリレートのコポリマー、スチレン及び無水マレイン酸(MAA)のコポリマー、イソブテン及びMAAのコポリマー、ジイソブテン及びMAAのコポリマーのような無水マレイン酸コポリマー、ポリイソブチレン)をベースとするろうを意味するとして理解される。
更に適切な作用物質は、各場合、前記条件(水溶解度及び融点又は軟化範囲)を満たす材料保護剤及び作物保護剤、例えば、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、殺菌剤及び成長調整剤である。このような作用物質は、例えば、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition on CD−Rom,Wiley VCH 1997:Chapter on Fungicides,Insect Control and Weed Control,and Compendium of Pesticide common names,http://www.hclrss.demon.co.uk./index.htmlに記載されている。本発明によれば、硫黄元素も作用物質として使用できる。
適切な親油性作用物質を、製造工程(i)において水中に分散する。それらは、最初に溶解され、次いで、分散安定剤の存在下で、溶融物として水中で乳化されるのが好ましい。作用物質の乳化は、例えば、超音波を用いた、この目的のために公知の装置中での高圧乳化、又は、例えば、Ultra−Turrax(登録商標)装置を用いた、強い剪断力の作用によって実施することができる。
乳化工程の間、系の温度は、0〜130℃、好ましくは100℃以下であり得る。一般に、作用物質は、分散安定剤を含む水中で、5〜95℃の範囲の温度で乳化される。100℃を超える温度を用いた場合、乳化工程は、耐圧装置内で超大気圧下で実施される。乳化の間、温度は、それぞれの作用物質の融点、又は軟化の開始温度よりも少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃高くすべきである。乳化後、得られた親油性作用物質の水中油型エマルションを、一般にそれぞれ室温、例えば10〜30℃に冷却する。工程(i)において、作用物質の融点が系の温度よりも高い場合にはエマルションを、作用物質の乳化粒子が凝集の固体状態で存在する場合には水性分散液を得る。
作用物質の乳化粒子の平均直径は1000nm以下である。それは、一般に、20〜1000nmであり、好ましくは30〜500nm、特には40〜200nmである。本明細書に示す、乳化された親水性作用物質の粒径は、動的光散乱によって測定できるように、質量平均粒径である。この目的のための方法は、例えば、H.Wiese in D.Distler,Waessrige Polymerdispersionen,Wiley−VCH 1999,Chapter 4.2.1,page 40 et seq.及びそこに引用されている文献、及びH.Auweter,D.Horn,J.Colloid Interf.Sci.105(1985)399,D.Lilge,D.Horn,Colloid Polym.Sci.269(1991)704又はH.Wiese,D.Horn,J.Chem.Phys.94(1991)6429から当業者によく知られている。
可能な限り安定な作用物質の分散液又はエマルションを得るために、工程(i)を少なくとも1種の分散安定剤の存在下で実施することが好ましい。一般に、安定剤を最初に水に溶解し、その後にのみ溶解した作用物質を加える。しかし、安定剤は、乳化の間又はその後にのみ加えてもよい。安定剤は連続的に、バッチワイズで又は全てを一度に添加することができる。例えば、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、一般に0.2〜5質量%の少なくとも1種の分散安定剤を含む分散液が得られる。
水性分散液中の作用物質の含有量は、例えば、1〜60質量%、好ましくは2〜50質量%であってよい。一般に、それは5〜30質量%である。分散安定剤に対する作用物質の質量比は広範囲で変化し得る。例えば、それは100:1〜1:2、好ましくは50:1〜1:1、及び一般には20:1〜2:1である。
例えば、少なくとも1種のカチオン性、アニオン性又は非イオン性界面活性剤、保護コロイド又は分散剤、又は界面活性剤及び分散剤の混合物を、分散安定剤として使用できる。2種以上の分散安定剤の混合物が好ましい。
例えば、適切な界面活性剤は、全ての界面活性組成物である。適切な非イオン性界面作用物質の具体例は、エトキシル化モノ−、ジ−及びトリアルキルフェノール(エトキシル化の程度:3〜50、アルキル基:C3−C12)及びエトキシル化脂肪アルコール(エトキシル化の程度:3〜80、アルキル基C8−C36)である。これらの具体例は、BASF AG製の商標Lutensol(登録商標)、又はUnion Carbide製の商標Triton(登録商標)である。特に好ましくは、一般式
n−Cx2x+1−O(CH2CH2O)y−H
[式中、xは10〜24、好ましくは12〜20の整数である]のエトキシル化直鎖脂肪アルコールである。変数yは、好ましくは5〜50、特に好ましくは8〜40の整数である。エトキシル化直鎖脂肪アルコールは、通常、種々のエトキシル化の程度を有する、種々のエトキシル化脂肪アルコールの混合物として存在する。更に、本発明との関連で、変数yは平均値(数平均)である。適切な非イオン性界面作用物質はコポリマー、特にエチレンオキシドと少なくとも1種のC3−C10−アルキレンオキシドとのブロックコポリマー、例えば、一般式
RO(CH2CH2O)y1−(BO)y2−(A−O)m−(B’O)y3−(CH2CH2O)y4R’
[式中、mは0又は1であり、Aは脂肪族、脂環式又は芳香族ジオール、例えばエタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル又はビス(シクロヘキシル)メタン−4,4’−ジイル由来の基であり、B及びB’は、互いに独立してプロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,2−ジイル又はフェニルエタニルであり、Y2及びY3は、互いに独立して2〜100の数であり、y1+y2+y3+y4の合計は、好ましくは20〜400であり、これは、1000〜20000の範囲の数平均分子量に想到する]の3ブロックコポリマーである。好ましくは、Aはエタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル又はブタン−1,4−ジイルのいずれかである。Bは好ましくはプロパン1,2−ジイルである。
非イオン性界面活性剤に加え、アニオン性及びカチオン性界面活性剤も界面作用物質として適している。それらは単独又は混合物として用いることができる。しかし、このための前提条件は、それらが相互に適合性であることである。例えば、この前提条件は、各場合、化合物の1クラスからの混合物、及び非イオン性及びアニオン性界面活性剤の混合物、及び非イオン性及びカチオン性界面活性剤の混合物に適用される。適切な界面作用物質の具体例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム及びジオクチルスルホスクシネートナトリウムである。
カチオン性界面活性剤の具体例は、4級アルキルアンモニウム塩、ジメチル−C12−〜C18−アルキルベンジルアンモニウムクロライドのようなアルキルベンジルアンモニウム塩、一級、二級及び三級脂肪アミン塩、4級アミドアミン化合物、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩及びアルキルオキサゾリニウム塩である。
例えば、硫酸でエステル化され、一般にアルカリで中和された形態で用いられる(必要であればアルコキシル化されている)アルコールのようなアニオン性界面活性剤が特に好ましい。更なる従来の乳化剤は、例えば、アルカンスルホン酸ナトリウム、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネートナトリウム又はスルホコハク酸エステルのようなアルキルスルフェートナトリウムである。更に、リン酸、亜リン酸のエステル、及び脂肪族又は芳香族カルボン酸も、アニオン性乳化剤として使用できる。従来の乳化剤は、文献に詳細に記載されており、例えば、M.Ash,I.Ash,Handbook of Industrial Surfactants,Third Edition,Synapse Information Resources Incを参照されたい。
ナフタレンスルホン酸及びホルムアルデヒドの縮合物、水不溶性有機ポリマー又は水不溶性無機化合物の両親媒性ポリマー又はナノ粒子も、分散安定剤として適している(ピカリング効果)。例えば、この種の安定剤はナノスケールのシリカ及びアルミナである。
例えば1000〜100000の平均モル質量Mwを有する両親媒性ポリマーも、分散安定剤として用いることができる。両親媒性ポリマーの具体例は、
(a)疎水性モノエチレン性不飽和モノマー、及び
(b)モノエチレン性不飽和カルボン酸、モノエチレン性不飽和スルホン酸、モノエチレン性不飽和ホスホン酸又はそれらの混合物及び/又は塩基性モノマーの単位を含むコポリマーである。
両親媒性ポリマーの製造のための適切な疎水性モノエチレン性不飽和モノマーは、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、C2−〜C18−オレフィン、モノエチレン性不飽和C3−〜C5−カルボン酸及び一価アルコールのエステル、ビニルアルキルエーテル、ビニルエステル又はそれらの混合物である。このモノマーの群から、イソブテン、ジイソブテン、スチレン及びアクリル酸エステル、例えば、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート及びsec-ブチルアクリレートが好ましく用いられる。
両親媒性コポリマーは、親水性モノマーとして、好ましくは、
(a)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロパン−3−スルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート,3−スルホプロピルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルホスホン酸又は重合単位の形態に取り込まれたこれらの混合物を含む。酸性モノマーは、遊離酸の形態で、もしくは部分的又は完全に中和された形態で存在し得る。
更に適切な親水性モノマーは塩基性モノマーである。それらは、疎水性モノマーと、(a)単独で、又は前記酸性モノマーを有する混合物として重合され得る。塩基性及び酸性モノマーの混合物を用いる場合、各場合、ポリマー形態で取り込まれる塩基性モノマーに対する酸性モノマーのモル比に依存して、アニオン又はカチオンに帯電する両性コポリマーが各場合形成される。
塩基性モノマーは、例えば、ジ−C1〜C2−アルキルアミノ−C2〜C4−アルキル(メタ)アクリレート又はジアリルジメチルアンモニウムクロライドである。塩基性モノマーは、遊離塩基の形態で、有機又は無機酸を有する塩類の形態で、又はハロゲン化アルキルで四級化された形態で存在し得る。塩基性モノマーがカチオンになる、塩形成又は四級化は、部分的に、又は完全に実施することができる。このような化合物の具体例は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート及び/又はジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及び/又はまたはジアリルジメチルアンモニウムクロライドである。
遊離酸の形態の両親媒性コポリマーが水に十分に可溶性でない場合、水溶性塩の形態で、例えば、対応するアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩が用いられる。これらの塩は、例えば、遊離酸群の両親媒性コポリマーを、塩基で部分的に、又は完全に中和することにより製造される。例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、酸化マグネシウム、アンモニア、トリエタノールアミン、エタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミン又はブチルアミンのようなアミン類が中和のために用いられる。好ましくは、両親媒性コポリマーの酸性基は、アンモニア又は水酸化ナトリウム溶液で中和する。重合された単位の形態で取り込まれたこのようなモノマーを含む塩基性モノマー又はコポリマーの水溶解度は、塩酸又は硫酸のような鉱酸で部分的か完全に中和することによって、もしくは酢酸又はp−トルエンスルホン酸のような有機酸を添加することによって増大し得る。両親媒性コポリマーのモル質量は、例えば、1000〜100000であり、好ましくは1500〜10000である。両親媒性コポリマーの酸価は、例えば50〜500であり、好ましくは150〜350mgKOH/gポリマーである。
特に好ましい両親媒性コポリマーは、以下の、
95〜45質量%のイソブテン、ジイソブテン、スチレン又はそれらの混合物、及び5〜55質量%のアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、重合された単位の形態で取り込まれたマレイン酸のモノエステル又はそれらの混合物を含む。
分散安定剤として特に好ましく用いられるコポリマーは、重合された単位の形態で取り込まれた、
(a)45〜80質量%のスチレン、
(b)55〜20質量%のアクリル酸、適切あれば、
(c)更なるモノマーを含むものである。
適切であれば、コポリマーは、重合された単位の形態で取り込まれる(c)更なるポリマーとしてマレイン酸モノエステルの単位を含んでもよい。このようなポリマーは、例えば、スチレン、ブタジエン又はイソブテン又はそれらの混合物のコポリマーと、無水マレイン酸とを、水の非存在下で共重合させ、重合後に、コポリマーをアルコール(5〜50モル%の一価アルコールをコポリマー中の無水物基の1モルあたりに用いて)と反応させることによって得ることができる。適切なアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール及びtert−ブタノールである。しかし、コポリマーの無水物基を、グリコール又はグリセロールのような多価アルコールと反応させることも可能である。しかし、本明細書においては、多価アルコールの1個のOH基のみが無水物基と反応するまでのみ、反応が続く。コポリマーの無水物基がアルコールと完全に反応しない場合、アルコールと反応しない無水物基は水の添加によって開環する。
他の適切な分散安定剤は、例えば、市販のモノエチレン性不飽和酸のポリマー、及び例えば、国際公開第96/34903号に記載されているような、ポリアルキレングリコール上のN−ビニルホルムアミドのグラフト重合体である。適切あれば、ビニルホルムアミド単位上のグラフトを加水分解することができる。ビニルホルムアミド単位上のグラフトの割合は、好ましくはポリアルキレングリコールに対して20〜40質量%である。2000〜10000のモル質量を有するポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
両性イオン性ポリアルキレンポリアミンおよび両性イオン性ポリエチレンイミンも、分散安定剤として適している。このような化合物は、例えば、欧州特許第0112592号に記載されている。それらは、例えば、最初にポリアルキレンポリアミン又はポリエチレンイミンを、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドでアルコキシル化し、次いで、例えば、臭化メチル又は硫酸ジメチルを用いてアルコキシル化生成物を四級化し、次いで四級化されたアルコキシル化生成物をクロロスルホン酸又は三酸化硫黄を用いて硫酸化することにより得ることができる。前記両性イオン性ポリアルキレンポリアミンのモル質量は、例えば1000〜9000、好ましくは1500〜7500である。前記両性イオン性ポリエチレンイミンは、1500〜7500ダルトンのモル質量を有していることが好ましい。
更に適切な分散安定剤は保護コロイドである。それらは、一般に500を超え、好ましくは1000を超える平均モル質量Mwを有する。保護コロイドの具体例は、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールへの酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニルのグラフト重合体、一方又は両方の末端に、アルキル、カルボキシル又はアミノ基で末端封鎖されたポリエチレングリコール、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド及び/又は特に、水溶性デンプン、デンプン誘導体及びタンパク質のような多糖類である。このような生成物は、Roempp,Chemie Lexikon 9th Edition,Volume 5,page 3569、Houben−Weyl, Methoden der organischen Chemie,4the Edition,Volume 14/2 Chapter IV Umwandlung von Cellulose und Staerke,by E.Husemann and R.Werner,page 862−915,及びUllmanns Encyclopedia for Industrial Chemistry,6th Edition,Volume 28, page 533 et seq., under Polysaccharidesに記載されている。
例えば、全種の水溶性デンプン、例えば、アミラーゼ及びアミロペクチンの両方、天然デンプン、疎水性又は親水性の加工デンプン、アニオン性デンプン、カチオン性加工デンプン、マルトデキストリン、分解デンプンも適切であり、例えば、酸化的、熱的、加水分解的又は酵素的にデンプンの分解を実施することが可能であり、天然及び加工デンプンをデンプン分解に用いることが可能である。更に適切な保護コロイドは、デキストリン、及び水膨潤性の架橋水溶性デンプンである。
例えば、デンプン消化を用いて水溶性形態に変換することができる水溶性デンプン、及び酸化ジャガイモデンプンのようなアニオン性加工デンプンを保護コロイドとして用いることが好ましい。分子量を低下させたアニオン性加工デンプンが特に好ましい。分子量の低下は、好ましくは酵素的に実施される。分解デンプンの平均モル質量Mwは、例えば500〜100000であり、好ましくは1000〜30000である。例えば、分解デンプンは0.04〜0.5dL/gの固有粘度[η]を有する。このようなデンプンは、例えば、欧州特許第0257412号及び同第0276770号に記載されている。重合に保護コロイドが用いられる場合、使用量は、例えば、重合に用いられるモノマーに対して0.5〜50、特には5〜40質量%であり、通常は10〜30質量%である。
前記ポリマー性分散安定剤の中で、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアルキレングリコール、一方又は両方の末端に、アルキル、カルボキシル又はアミノ基で末端封鎖されたポリアルキレングリコール、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、水溶性デンプン、水溶性デンプン誘導体、及び水溶性タンパク質からなる群の少なくとも1種の保護コロイドが好ましく用いられる。特に好ましい分散安定剤は、分解された天然デンプン、カチオン性デンプン、カチオン性デンプンと界面活性剤との混合物、界面活性剤と、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物及び/又は前記保護コロイドの少なくとも1種を含む少なくとも1種の分散剤との混合物である。適切であれば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物は、縮合により尿素を取り込むことによって修飾することもできる。特に好ましい分散安定剤は、アニオン性界面活性剤と、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、又は少なくとも1種の保護コロイドを含む少なくとも1種の分散剤との混合物である。
本発明の工程(ii)においては、水中に、少なくとも80質量%の中性の乳化可能なモノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー組成物を、工程(i)の後に得られる作用物質の水性分散液中で乳化重合する。「水中で乳化可能であるモノマー」は、水中で完全に溶解せず、水と共にエマルションを形成するモノマーを意味するものとして理解される。これらのモノマーは、例えば、90g/L以下、好ましくは60g/L以下(各場合、25℃及び1013ミリバールにおいて測定)の水溶解度を有する。特に、示された条件下でのこれらのモノマーの水溶解度は、0.01〜40g/Lであり、特には0.1〜30g/Lである。
続く乳化重合の安定のために、前記安定化系(界面活性剤及び分散剤、水溶性又は水分散性ポリマー及びデンプン)を用いることもできる。それらは、最初に実施されるか、別個に、又はモノマーと一緒に反応混合物に加えることができる。
モノマー組成物は、(a)モノマーの全量に対して少なくとも80質量%、好ましくは95質量%、特に少なくとも99.9質量%の、水中で乳化可能な、中性のモノエチレン性不飽和モノマーを含む。適切なモノマーは、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン及びビニルトルエンのようなビニル芳香性モノマー、3〜8個、特に3〜4個の炭素原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と、C1−C18−アルカノール又はC5−C8−シクロアルカノールとのエステル、特に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のエステル、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸のジエステルであり、特に好ましくは、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び3−プロピルヘプチルアクリレートのような、アクリル酸とC1−〜C10アルカノールとのエステル(C1−〜C10−アルキルアクリレート)、並びにエチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレートのようなメタクリル酸とC1−〜C10アルカノールとのエステル等である。更に、この種の適切なモノマーは、1〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸のビニル及びアリルエステル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びVersatic(登録商標)酸のビニルエステル(ビニルバーサテート)、塩化ビニル、及び塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニル、エチレン、プロペン、1−ブテン及びn−ヘキセンのようなC2−C6−オレフィンである。好ましいモノマーは、ビニル芳香族モノマー、C2−C18−アルキルアクリレート、特に、C2−C8−アルキルアクリレート、特に、tert−ブチルアクリレート、及びC2−C18−アルキルメタクリレート、及び特にC2−C4−アルキルメタクリレートである。
特に、乳化重合に用いられる、グループ(a)のモノマー組成物の少なくとも70質量%は、ビニル芳香族モノマー、特に、スチレン、メタクリル酸とC2−C4−アルカノールとのエステル、及びtert−ブチルアクリレートから選択される。この種の特に好ましいモノマーは、ビニル芳香族モノマー、特にスチレン、及びビニル芳香族モノマーと前記C2−C8−アルキルアクリレート及び/又はC2−C4−アルキルメタクリレートとの混合物、特にモノマーの全量に対して少なくとも60質量%のビニル芳香族モノマーの割合を有する混合物である。
更に、モノマー組成物は、モノマーの全質量に対して20質量%以下のグループ(a)のモノマーとは異なる1種以上のモノエチレン性不飽和モノマー(b)を含むことができる。好ましくは、モノマー(b)は、モノマーの全量に対して15質量%、特に5質量%以下の割合を占める。しかし、モノマー(b)は、常に分散液が得られるように、得られるポリマーが不水溶性であるような量でのみ用いられる。
モノマー(b)には、特に、スルホ基のような少なくとも1個の酸性基、ホスホン酸もしくは1個又は2個のカルボキシル基を有するモノエチレン性不飽和モノマー、及びこれらのモノマーの塩、特にアルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、及びアンモニウム塩が含まれる。このモノマー(b)のグループには、エチレン性不飽和スルホン酸、特にビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−アクリロイルオキシ−及び3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩、ビニルホスホン酸及びジメチルビニルホスホネートのようなエチレン性不飽和ホスホン酸、及びそれらの塩、及びα,β−エチレン性不飽和C3−C8−モノ−及びC4−C8−ジカルボン酸、特に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸が含まれる。酸性基を有するモノマーの割合は、モノマーの全量に対して20質量%以下、好ましくは15質量%以下、例えば0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%を占める場合がある。
更に、グループ(b)のモノマーには、前記エチレン性不飽和カルボン酸のアミドのようなモノエチレン性不飽和の中性モノマー、特に、アクリルアミド及びメタクリルアミド、前記α,β−エチレン性不飽和C3−C8−モノカルボン酸及びC4−C8−ジカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、特に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−及び3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−及び3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、前記モノエチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と、C2−C4−ポリアルキレングリコールとのエステル、特に、これらのカルボン酸とポリエチレングリコール又はアルキルポリエチレングリコールとのエステルが含まれ、(アルキル)ポリエチレングリコール基は、通常、100〜3000の範囲の分子量を有する。モノマー(b)には、更に、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール及びN−ビニルカプロラクタムのようなN−ビニルアミドが含まれる。これらのモノマーの割合は、得られるポリマーが不水溶性であるように選択される。それは、モノマーの全量に対して20質量%以下であり、特には10質量%以下であり、例えば、0.1〜10、特には0.5〜5質量%であることが好ましい。
グループ(b)のモノマーには、更に、水性媒体中でプロトン化することができる少なくとも1個の陽性基及び/又は少なくとも1個のアミノ基、四級化アンモニウム基、プロトン化できるイミノ基、又は四級化イミノ基を有するモノエチレン性不飽和モノマーが含まれる。プロトン化できるイミノ基を有するモノマーの具体例は、N−ビニルイミダゾール及びN−ビニルピリジンである。四級化イミノ基を有するモノマーの具体例は、N−メチル−N’−ビニルイミダゾリニウムクロライド又はメトスルフェートのようなN−アルキルビニルピリジニウム塩及びN−アルキル−N’−ビニルイミダゾリニウム塩である。これらのモノマーの中で、一般式I
[式中、R1は、水素又はC1−C4−アルキル、特に水素又はメチルであり、
2、R3は互いに独立してC1−C4−アルキル、特にメチルであり、
4は水素又はC1−C4−アルキル、特に水素又はメチルであり、
Yは酸素、NH又はNR5(R5=C1−C4−アルキル)であり
AはC2−C8−アルキレン、例えば、1,2−エタンジイル、1,2−又は1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル又は2−メチル−1,2−プロパンジイルであり、適切であれば、1,2又は3個の隣接していない酸素原子によって遮断されており、
はアニオン相当物、例えば、Cl-、HSO4 -、1/2SO4 2-又はCH3OSO3 -等であり、
Y=Hについて式Iのモノマーの遊離塩基である]のモノマーが特に好ましい。
このようなモノマーの具体例は、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリルアミド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロライド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロライド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリルアミドクロライド、3−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルアクリルアミドクロライド、3−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルメタクリルアミドクロライド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリルアミドクロライド、及び対応するメトスルフェート及びスルフェートである。
更なる実施形態においては、ポリマーを形成するモノマー(b)は、少なくとも1種のカチオン性モノマーを含む。カチオン性モノマーの割合は、モノマーの全量に対して、有利には0.1〜20質量%であり、特には0.5〜10質量%であり、特に好ましくは1〜7質量%である。
適切である場合、ポリマーは、重合化単位の形態で取り込まれる、更なるモノマー(c)のグループを含み、通常、乳化重合において架橋剤として用いることができる。しかし、2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(c)の割合は、モノマーの全量に対して、通常は10質量%以下、一般に5質量%以下、特には2質量%以下、例えば、0.01〜2質量%、特には0.05〜1.5質量%を占める。架橋剤の具体例は、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリチルトリアクリレート、ペンタエリスリチルテトラアクリレート、アルコキシル化二価アルコールのジアクリレート及びジメタクリレート、ジビニル尿素及び/又はブタジエン又はイソプレンのような結合ジオレフィン類である。
意図する用途に依存し、グループ(c)のモノマーは、いわゆる官能性モノマー、すなわち、重合可能なC=C−二重結合に加え、反応性官能基、例えば、オキシラン基、反応性カルボニル基、例えば、アセトアセチル基、イソシアネート基、N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基又は求核試薬に対して反応性の他の置換基をも有するモノマーを含んでいてもよい。
更に、モノマー組成物が、得られるポリマーが少なくとも0、好ましくは少なくとも10℃、特に20〜130℃のガラス転移温度を有するように選択される場合に、有利であることが明らかになった。
このようなガラス転移温度を有するポリマーを製造するために、例えば、モノマー混合物中のモノマーは、少なくとも50℃の、Foxによる理論的なガラス転移温度Tg(Fox)を有するポリマー1に対応するように選択される。Fox(T.G.Fox,Bull.Am.Phys.Soc.(Ser.II)1,123[1956]及びUllmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie,Weinheim(1980),pages 17−18)によれば、高いモル質量における未架橋又は弱く架橋したコポリマーのガラス転移温度の良好な近似値は、
Figure 2009541505
[式中、X、X....、Xはモノマー1、2....、nの質量分率であり、Tg 1、Tg 2....、Tg nは、各場合モノマー1、2....、nの1種のみからなる、ケルビン温度におけるポリマーのガラス転移温度である]である。後者は、例えば、後者は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,VCH,Weinheim,Vol.A 21(1992)page 169又はJ.Brandrup,E.H.Immergut,Polymer Handbook 3rd ed.,J.Wiley,New York 1989から公知である。
ところで、ガラス転移温度Tgは、示差熱分析(DSC)によってASTM D3418−82により測定される「中間温度」を意味するものとして理解される(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,Volume A 21,VCH Weinheim 1992,page 169及びZosel,Farbe und Lack 82(1976),page 125−134、またDIN 53765を参照されたい)。
モノマーの重合は乳化重合により実施される。すなわち、重合されるモノマーは、水性エマルションとして重合混合物中に存在する。この目的のため、それら自体は、工程(i)において製造される作用物質の分散液に、そのまま、又は水性エマルションの形態で加えることができる。モノマーは、好ましくは水性エマルションの形態で用いられる。モノマーエマルションを安定化するために用いられる化合物は、工程(i)において作用物質の水性分散液の製造のために分散安定剤として用いられるもの、例えば、アニオン性界面活性剤、水溶性デンプン、好ましくはアニオン性デンプン、及び保護コロイドと同じである。
モノマーは、重合開始前に反応器に最初に加えることができ、又は工程(i)で製造した少なくとも1種の作用物質の水性分散液に、一部以上ずつ又は連続的に重合条件下で加えることができる。例えば、モノマーの主な量、特に少なくとも80%、特に好ましくは全量を、(i)により作用物質の分散液と共に重合容器に加え、その後、重合開始剤を加えることにより、直接重合を開始することができる。他の改良型工程によれば、工程(i)で製造した少なくとも1種の作用物質の水性分散液を最初に重合反応器に入れ、次いで、水性エマルション形態のモノマーの少なくとも50%、好ましくは100%を測定し、反応物を完全に連続的に混合し、モノマーエマルションの添加後、1〜120分、好ましくは5〜60分の滞留時間の後にのみ、少なくとも1種の重合開始剤を測定し、モノマーを重合させる。完全混合の間(重合開始剤の添加前)、反応混合物を重合温度まで加熱することが好ましい。
更なる改良型の工程は、最初に、工程(i)で製造した作用物質の水性分散液の一部(例えば10〜25%)、及びモノマー又はモノマーエマルションの一部(例えば5〜25%)を重合反応器に加え、開始剤を加えることにより重合を開始し、残りの作用物質の水性分散液、及びモノマー又はモノマーエマルションの残量を、連続的又は一部ずつ反応器に加え、モノマーの重合を完了する。この改良型の工程においては、重合開始剤は、例えば、作用物質の分散液と一緒に一部又は完全に加えることができ、又は作用物質の分散液及びモノマーの測定とは別個に反応器に測定して加えることができる。
工程(ii)において乳化重合のために適した開始剤は、原則として、乳化重合に適しており、エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル重合を誘発する、全ての通常用いられる重合開始剤である。これらには、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)ジヒドロクロライド、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドのようなアゾ化合物、アセチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジアミルペルオキシド、ジオクタオイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス(o−トルイル)ペルオキシド、スクシニルペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、過マレイン酸tert−ブチル、過酪酸tert−ブチル、過ピバル酸tert−ブチル、過オクタン酸tert−ブチル、過ネオデカン酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート及びジイソプロピルペルオキシジカルバメートのような有機又は無機過酸化物、ペルオキソ二硫酸の塩及びレドックス開始剤系が含まれる。
レドックス開始剤系、特に、酸化剤としてペルオキソ二硫酸の塩、過酸化水素又はtert−ブチルヒドロペルオキシドのような有機過酸化物を含むレドックス開始剤系が、工程(ii)における重合に用いられることが好ましい。還元剤として、レドックス開始剤系は、好ましくは、特に、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム及びアセトンを有する硫化水素付加物から選択される硫黄化合物を含む。更に適切な還元剤は、リン酸、次亜リン酸塩及びホスフィン酸塩のようなリン含有化合物、及びヒドラジン及びヒドラジン水和物及びアスコルビン酸である。更に、レドックス開始剤系は、例えば、レドックス開始剤系アスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキソ二硫酸ナトリウムのような、少量のレドックス金属塩、例えば鉄塩、バナジウム塩、銅塩、クロム塩、又はマンガン塩を添加して含んでいてもよい。特に好ましいレドックス開始剤系は、アセトン/二硫化物付加物/tert−ブチルヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオキシド;二硫化ナトリウム(Na225)/tert−ブチルヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオキシド;ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム/tert−ブチルヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオキシド;及びアスコルビン酸/過酸化水素である。
通常、開始剤は、モノマーの量に対して0.02〜2質量%、特には0.05〜1.5質量%の量で用いられる。開始剤の最適な量は、当然に用いられる開始剤に依存し、通常の実験における当業者によって決定できる。開始剤は、最初に一部又は完全に反応器に加えることができる。一般に、最初に、開始剤の一部をモノマーエマルションの一部と共に加え、残りの開始剤を、モノマーと共に(しかし、それらとは別に)連続的又はバッチワイズで加える。
モノマー重合の実施に、圧力及び温度はそれほど重要でない。温度は、当然に、用いられる開始剤系に依存する。最適重合温度は、通常の実験を用いて当業者によって決定することができる。通常、重合温度は0〜110℃であり、場合によっては30〜95℃である。重合は、通常、大気圧又は周囲圧力下で実施される。しかし、超大気圧、例えば、10バール以下、又は減圧、例えば20〜900ミリバール(しかし、一般には>800ミリバール)で実施することもできる。工程(ii)における重合時間は好ましくは1〜120分、特には2〜90分、特に好ましくは3〜60分である。より長い、又はより短い重合時間も可能である。
工程(ii)における重合は、好ましくは、いわゆる「枯渇条件」、すなわち、空のミセルの形成、従って、作用物質を含まないポリマー粒子の形成の可能性をできるだけ少なくするか、形成させない条件で実施される。この目的のため、作用物質粒子が水不溶性モノマーによって湿り、水相中で安定化するように、追加の表面作用物質を加えないか又は少量の追加の表面作用物質を加える。このようにして、測定可能な割合のモノマーの安定化小滴が重合を実施することができる反応混合物中に存在しないこと、及び重合混合物中に存在する表面作用物質が、作用物質粒子の表面を湿潤し、モノマーが連続的な水相に輸送されるために供給されることを確実にする。
得られるエマルションポリマーを安定化するために、工程(ii)で更に分散安定剤を加える場合、少なくとも1種の更なる表面作用物質を、好ましくは、重合されるモノマーに対して、例えば5質量%以下、例えば0.1〜5質量%の量で測定する。非イオン性表面作用物質に加え、適切な更なる表面作用物質は、特にアニオン性乳化剤、例えば、アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アニオン性デンプン、スルホコハク酸モノエステル及びスルホコハク酸ジエステルのようなスルホコハク酸塩、及びアルキルエーテルリン酸塩、及び工程(i)においても用いられる更にカチオン性乳化剤である。
本発明の好ましい実施形態においては、モノマーの乳化重合は、工程(i)で製造した作用物質の分散液の存在下に実施され、例えば、全分散液に対して20質量%以下、一般には10質量%以下のカチオン性又はアニオン性加工デンプンも加えられる。
当然に、乳化重合において通常に用いられる更なる添加剤、例えば、グリコール、ポリエチレングリコール、緩衝剤/pH調整剤、分子量調整剤、及び連鎖移動阻害剤を工程(ii)における重合混合物に加えることができる。
ポリマーの性質を調整するために、適切であれば、乳化重合は少なくとも1種の重合調整剤の存在下で実施することができる。重合調整剤の具体例は、ドデシルメルカプタン、チオグリコール、エチルチオエタノール、硫化ジ−n−ブチル、硫化ジ−n−オクチル、硫化ジフェニル、硫化ジイソプロピル、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、1,4−メルカプトブタノール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオ酢酸及びチオ尿素のような結合形で硫黄を含む有機化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びプロピオンアルデヒドのようなアルデヒド類、ギ酸、ギ酸ナトリウム又はギ酸アンモニウムのような有機酸類、特に、イソプロパノールのようなアルコール類、及び次亜リン酸ナトリウムのようなリン化合物である。重合に調整剤が用いられる場合、各場合用いられる量は、例えば、重合に用いられるモノマーに対して0.01〜5、好ましくは0.1〜1質量%である。重合調整剤及び架橋剤は、重合において一緒に使用できる。例えば、得られるポリマー分散液のレオロジーを、それらを用いて調整することができる。
工程(ii)の後、水性ポリマー/作用物質分散液が得られ、最初に供給される作用物質懸濁液の作用物質粒子を、モノマーから形成された水不溶性ポリマーで少なくとも部分的にコーティングする。一般に、分散液中に存在する固体に対して2質量%未満、好ましくは0.2質量%未満の割合を占める凝集物は、観察されないか、又はわずかな割合でのみ観察される。
更なる工程において、適切であれば、ポリマー粒子の性質を変えるために、更なる製造工程(ii)において、(ii)により得られ、少なくとも1種の作用物質粒子を含む水性ポリマー分散液を更に乳化重合することができる。コア/シェル構造を有する粒子を形成するように、モノマーの他のモノマー又は他の混合物を、分散したポリマー粒子上で重合することができる。このような構造のシェルは架橋していないか、好ましくは架橋していてよい。工程(iii)における乳化重合のために、工程(ii)における乳化重合のために示された全情報を適用できる。工程(iii)を実施する場合、例えば、シェル中のポリマーに対するコア中のポリマーの質量比は10:1〜1:5、好ましくは5:1〜1:1である。
工程(ii)においては、モノマーは、好ましくは、モノマーに対する作用物質の質量比が10:1〜1:50の範囲、特には5:1〜1:30、特に好ましくは2:1〜1:20の範囲であるように用いられる。しかし、適切であれば、本発明の方法により製造され、作用物質を含む水性分散液を、ろ過のような精製操作に供することができる。更に、例えば、噴霧乾燥により、少なくとも1種の作用物質を含む分散粒子を分散液から分離することが可能である。本発明の方法により製造され、少なくとも1種の作用物質を含む水性分散液、又は例えば噴霧乾燥によりそれから得られ、少なくとも1種の作用物質を含むポリマー粉末を、各場合、存在する作用物質に基づいて予め決定される用途に直接用いることができる。例えば、それらは、紙、板紙及び厚紙のサイズ剤として、材料保護及び作物保護のための熱可塑性ポリマーの処理及び安定化のために用いられる。
従って、例えば、作用物質としてアルキルジケテン又はアルケニルコハク酸無水物を含む水性分散液、並びにロジンサイズ剤を含む水性分散液は、紙、板紙及び厚紙のサイズ剤である。それらは、公知の作用物質について各場合、通常の量で、表面サイズ剤及びエンジンサイズ剤のいずれとしても用いることができる。表面サイズ剤としての使用が好ましい。特に、作用物質として少なくとも1種のアルキルジケテンを含む分散液は、紙、板紙及び厚紙の表面サイズ剤として用いられる。
本発明により製造された分散液は、表面サイジングの場合に適切な全方法によって加工される。ポリマー分散液は、例えば、サイズプレス、フィルムプレス又はゲートロールアプリケータを用いてサイジングすべき紙の表面に塗布することができる。塗布のために、分散液は、通常、固体物質に対して0.05〜3質量%の量で、また処理すべき紙の所望のサイジングの程度に依存してサイズプレス溶液に加えられる。更に、このサイズプレス溶液は、更に、例えばデンプン、顔料、蛍光増白剤、殺生剤、紙補強剤、固定剤、消泡剤、保持補助剤及び/又は排水補助剤のような追加の物質を含んでいてもよい。紙製品の表面に塗布されるポリマーの量は、例えば、0.005〜1.0g/m2であり、好ましくは0.01〜0.5g/m2である。
作用物質として少なくとも1種のUV吸収剤を含む分散液、又は噴霧乾燥により水性分散剤から得られるポリマー粉末は、UV線の作用に対する熱可塑性ポリマーの安定化に用いられる。それらは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、塩化ポリビニル又はポリエステルのような熱可塑性ポリマーに取り込まれる。例えば、少なくとも1種のUV吸収剤を含む0.1〜3、好ましくは0.5〜2質量%のポリマーが、この目的のために必要である。UVの作用に対して熱可塑性ポリマーを安定化するために、例えば、ポリマーを、最初に押出機内で溶解し、水性分散液を本発明の方法により製造し、このポリマー粒子に少なくも1種のUV吸収剤を付着させる手順を採用するか、又は例えば噴霧乾燥により水性分散液から得られるポリマーパウダーを熱可塑性ポリマーの溶融物に取り込むことにより可能である。少なくとも1種のUV吸収剤を含む微粒子ポリマーは、熱可塑性ポリマーの溶融物中で均一に分散している。混合物は、一般に顆粒に加工され、次いで、例えば、UV線の反応から保護されるフィルムが製造される。
実施例において示される%は、前後関係から明らかでない限り、質量%である。粒径は、Malvern製の高性能粒子サイザー(HPPS)により、He−Ne−レーザー(633nm)を用い、173°の散乱角で測定した。
実施例1
(i)分散−ステアリルジケテン分散液A
ステアリルジケテン120g、脱塩水871.3g、ドデシルスルホン酸ナトリウム12g、及びナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)7.6gを混合し、85℃まで加熱した。この温度に達したらすぐに、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,600バール)を用いて80℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径分布144nmを有するステアリルジケテンの微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
前記ステアリルジケテン分散液A 430gを最初に不活性ガス雰囲気下に、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器に入れ、85℃に加熱し、硫酸鉄(II)七水和物の10%水溶液0.75gを加えた。この温度で、18%過酸化水素水溶液34.53g、及び脱塩水33.93g、乳化剤K30 0.14g(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸塩のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)、スチレン93.24g及びn−ブチルアクリレート39.96gの混合物167.26gを2個の別個のフィードにより120分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を85℃で更に90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温(20℃)まで冷却後、平均粒径分布157nm、及び固体含有量29.6%を有する微粒子分散液を得た。
(iii)乳化重合
酢酸カルシウム水和物(水中で25%)0.67g、酸化ジャガイモデンプン52.96g、及びα−アミラーゼ(水中で1%)0.21gを、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器中で、脱塩水108.36gと混合した。混合物を撹拌しながら85℃に加熱し、更にα−アミラーゼ1.89gを加えた。30分後、氷酢酸2.8gを加えて酵素分解を停止し、硫酸鉄(II)七水和物0.56g及び(i)で記載したステアリルジケテン分散液326gを加えた。
18%過酸化水素水溶液26.13g、及び脱塩水33.12g、乳化剤K30 0.10g(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸塩のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)、スチレン70.56g及びn−ブチルアクリレート30.24gの混合物134.02gを2個の別個のフィードにより120分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を85℃で更に90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温(20℃)まで冷却後、平均粒径分布131nm、及び固体含有量26.5%を有する微粒子分散液を得た。
実施例2
(i)UV吸収剤(Uvinul(登録商標)3008)の水性分散液の製造
60℃で、4−n−オクトイルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)3008)5.18部を、水37.1部中のDowfax(登録商標)2A1(30%水溶液)0.86部に加え、Dr.Hielscher超音波ソノトロードUP 400Sを用いて120分間乳化した。氷浴で冷却後、平均粒径分布282nmを有するUV吸収剤の水性分散液を得た。分散液は、室温で数日保存した後でも低粘度を有していた。
(ii)乳化重合
(i)により得られたUV吸収剤の分散液431.9gを最初に2Lの反応器に入れ、内部温度を85℃にした。次いで、最初に、この温度で、硫酸鉄(II)七水和物の溶液0.74部を10%水溶液(添加1)として加えた。その後、18%の過酸化水素34.53部、及び脱塩水23.93部、乳化剤K(アニオン生界面活性剤の40%水溶液)0.14部、スチレン93.2g及びn−ブチルアクリレート40gの撹拌混合物を120分間かけて同時に反応器に測り入れた。供給終了後、反応混合物を更に30分間重合した。次いで、バッチの脱臭のために、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを10%水溶液として加え、反応混合物を85℃で更に15分間撹拌した。脱臭の終了後、混合物を室温まで冷却した。分散液の固体含有量は26.5%であった。その後、分散液を室温まで冷却し、分散液を500μmのフィルターでろ過し、次いで、125μmのフィルターでろ過し、凝塊を除去した。分離された凝塊の量は10gであった。分散粒子の平均粒径は514nmであった。
実施例3
(i)分散−ステアリルジケテン分散液B
ステアリルジケテン300g、脱塩水700g、10のエトキシル化度を有するC13−オキソアルコール18.2g、及びナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)21.4gを混合し、85℃まで加熱した。この温度に達したらすぐに、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化した。次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,600バール)を用いて80℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径分布167nm、及び固体含有量31.9%を有するステアリルジケテンの微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
酢酸カルシウム水和物(水中で25%)0.67g、カチオン化ジャガイモデンプン(DS値=0.048、固体含有量=90%)52.96g、及びα−アミラーゼ(水中で1%)0.21gを、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器中で、脱塩水108.36gと混合した。混合物を撹拌しながら85℃に加熱し、更にα−アミラーゼ1.89gを加えた。30分後、氷酢酸2.8gを加えて酵素分解を停止し、硫酸鉄(II)七水和物0.56g及び(i)で記載したステアリルジケテン分散液B 326gを加えた。
18%過酸化水素水溶液26.13g、及び脱塩水33.12g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.10g、スチレン70.56g及びn−ブチルアクリレート30.24gの混合物を2個の別個のフィードにより120分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を85℃で90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温(20℃)まで冷却後、平均粒径分布143nm、及び固体含有量26.5%を有する微粒子分散液を得た。
実施例4
(i)分散−ステアリルジケテン分散液C
ステアリルジケテン200g、脱塩水800g、オレイルアミンエトキシレート(Lipamin(登録商標)OK、固体含有量40%)60.4g及びマルトデキストリンデンプン(平均モル質量Mw約10000Da)68.5gを混合し、85℃まで加熱した。この温度に達した後、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,600バール)を用いて80℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径185nm、及び固体含有量24.1%を有するステアリルジケテンの微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
酢酸カルシウム水和物(水中で25%)0.67g、カチオン化コーンスターチ(DS値=0.045、固体含有量=78%)52.96g、及びα−アミラーゼ(水中で1%)0.21gを、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器中で、脱塩水108.36gと混合した。混合物を撹拌しながら85℃に加熱し、更にα−アミラーゼ1.89gを加えた。30分後、氷酢酸2.8gを加えて酵素分解を停止し、硫酸鉄(II)七水和物0.56g及びステアリルジケテン分散液C 195gを加えた。その後、18%過酸化水素溶液26.13gを120分間かけて測り入れた。同時に、脱塩水33.1g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.32g、tert−ドデシルメルカプタン1.0g、スチレン63g、2−エチルヘキシルアクリレート12.6g、及びtert−ブチルアクリレート25.2gを含むモノマーの供給を開始し、同様に120分間かけて測り入れた。混合物を30分間後重合し、次いで、50℃に冷却した。その後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(10%)7.6gを加え、反応混合物を室温まで冷却した。固体含有量33.2%を有する微粒子ポリマー分散液を得た。平均粒径は154nmであった。
(iii)乳化重合
ステアリルジケテン分散液C 240gを、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器中に最初に入れ、85℃に加熱し、硫酸鉄(II)七水和物の10%溶液0.75gを加えた。この温度で、18%過酸化水素水溶液34.53gと、脱塩水33.93g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.14g、スチレン93.24g及びn−ブチルアクリレート39.96gの混合物167.26gを2個の別個のフィードにより120分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を85℃で90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温(20℃)まで冷却後、平均粒径分布201nm、及び固体含有量28.1%を有する微粒子分散液を得た。
実施例5
(i)分散−ステアリルジケテン分散液D
ステアリルジケテン300g、脱塩水700g、オレイルアミンエトキシレート(固体含有量=40%、Lipamin(登録商標)OK)75gの及び部分的に疎水化された架橋ポリエチレンイミン(固体含有量=25%、欧州特許第0811091号、実施例7を参照)28gを混合し、85℃まで加熱した。この温度に達した後、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,600バール)を用いて80℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径135nm、及び固体含有量31.3%を有するステアリルジケテンの微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
カチオン化ジャガイモデンプン(DS値=0.048、固体含有量=90%)31.9gを、最初に、平面ジョイントを有し、撹拌機及び内部温度計を備えた2Lのフラスコに入れた。脱塩水180g、α−アミラーゼ(水中で1%)1.52g、及び酢酸カルシウム水和物(25%)0.8gを撹拌しながら加えた。混合物を85℃まで加熱し、更にα−アミラーゼ(水中で1%)8gを加え、この温度で撹拌を23分間続けた。その後、氷酢酸4.0g及び硫酸鉄(II)七水和物(10%)0.8gを加え、次いで、18%過酸化水素水溶液4.0gを12分間かけて加えた。
脱塩水120g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.15g、アクリロニトリル71.4g及びn−ブチルアクリレート58.1g及びステアリルジケテン分散液D 144gを含むモノマーの供給を開始した。モノマーの供給時間は165分であった。同時に、5%過酸化水素水溶液16gの供給を36分間かけて開始し、その終了後、180分間かけて5%過酸化水素水溶液28gを供給した。85℃で撹拌を更に60分間実施し、次いで、更に5%過酸化水素水溶液4gを10分間かけて加え、反応混合物を30℃に冷却した。Rongalit(登録商標)C(40%)0.31g及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(10%)5.73gを加え、反応混合物を更に30分間撹拌した。固体含有量29.2%、及び平均粒径195nmを有する微粒子ポリマー分散液を得た。
(iii)乳化重合
氷酢酸90g及びアクリル酸4gを、平面ジョイントを有し、撹拌機及び内部温度計を備えた2Lのフラスコに入れた。105℃の温度で、a)イソプロパノール14.54gに溶解したtert−ブチルペルオクタノエート7.06gを含む開始剤混合物を、60分間かけて測り入れ、b)スチレン124g及びジメチルアミノエチルアクリレート52gを含むモノマー混合物を、撹拌しながら(270rpm)、105℃の温度で、2個の別個のフィードにより、45分間かけて測り入れた。供給の終了後、撹拌を105℃で更に1時間時実施し、混合物を95℃に冷却した。この温度で、熱脱塩水(約85℃)620gを加え、混合物を85℃に冷却した。
その後、硫酸鉄(II)七水和物(10%)1.2g及びRongalit(登録商標)C(40%)2gを加え、5%過酸化水素溶液16gを30分間かけて加えた。その後、まずスチレン44g及びtert−ブチルアクリレート176gを含むモノマー供給、次にステアリルジケテン分散液D 400gを含む供給を、各場合120分の供給時間で開始した。同時に、150分間の5%過酸化水素溶液64gの供給を開始した。この供給後、混合物を60分間後重合し、次いで50℃まで冷却した。その後、Rongalit(登録商標)C(40%)2gを加え撹拌を30分間実施し、更にRongalit(登録商標)C(40%)2gを加え、次いで、30℃まで冷却した。固体含有量30.7%、及びLT値(0.1%)50%を有する微粒子ポリマー分散液を得た。平均粒径は122nmであった。
(iv)乳化重合
氷酢酸91g及びアクリル酸4.5gを、最初に、平面ジョイントを有し、撹拌機及び内部温度計を備えた2Lのフラスコに入れた。105℃で、a)イソプロパノール16.36gに溶解したtert−ブチルペルオクタノエート7.94gを含む開始剤混合物を、60分間かけて測り入れ、b)スチレン140g及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミド60gを含むモノマー混合物を、105℃で、撹拌しながら(270rpm)2個の別個のフィードにより45分間かけて測り入れた。供給の終了後、撹拌を105℃で更に1時間実施し、混合物を95℃に冷却した。この温度で熱脱塩水(約85℃)、860gを加え、混合物を85℃に冷却した。この温度で、ステアリジルケテン分散液D 300gを加えた。
その後、硫酸鉄(II)七水和物(10%)1.35g及びRongalit(登録商標)C(40%)2.2gを加え、5%過酸化水素溶液18gを30分間かけて加えた。その後、スチレン50g及びtert−ブチルアクリレート197gを含むモノマー供給を、120分の供給時間で開始した。同時に、150分間の5%過酸化水素溶液72gの供給を開始した。供給の終了後、混合物を60分間後重合し、次いで50℃に冷却した。その後、Rongalit(登録商標)C(40%)2.2gを加え撹拌を30分間実施し、更にRongalit(登録商標)C(40%)2.2gを加え、次いで、30℃まで冷却した。固体含有量30.8%、及びLT値(0.1%)43%を有する微粒子ポリマー分散液を得た。平均粒径は139nmであった。
実施例6
(i)分散−イソステアリルジケテン分散液E
イソステアリルジケテン120g、脱塩水871.3g、ドデシルスルホン酸ナトリウム8g、及びナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)7.6gを混合し、55℃まで加熱した。この温度に達したらすぐに、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,300バール)を用いて80℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径分布198nm、及び固体含有量12.4%を有するイソステアリルジケテンの微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
酸化ジャガイモデンプン(固体含有量=78%)50.3g、を、最初に平面ジョイントを有し、撹拌機及び内部温度計を備えた2Lのフラスコに入れた。脱塩水360g及び酢酸カルシウム水和物(25%)0.9gを撹拌しながら加えた。混合物を85℃まで加熱し、α−アミラーゼ(1%)1.6gを加え、この温度で撹拌を18分間実施した。その後、氷酢酸8.0g及び硫酸鉄(II)七水和物(10%)2.3gを加え、次いで、5%過酸化水素水溶液4gを10分間かけて加えた。イソステアリルジケテンエマルションE 143.3gを加えた。
その後、脱塩水33g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.18g、スチレン58.4g、n−ブチルアクリレート29.2g及びtert−ブチルアクリレート29.2gを含むモノマー供給を開始した。供給時間は90分であった。同時に、5%過酸化水素溶液40gの120分間の供給を開始した。
混合物を30分間後重合し、次いで、65℃に冷却した。その後、後重合のためにtert−ブチルヒドロペルオキシド(10%)4gを加え、反応混合物を40分間撹拌し、次いで、30℃に冷却した。固体含有量21.2%を有する微粒子ポリマー分散液を得た。平均粒径は174nmであった。
実施例7
(i)分散−アルケニルコハク酸分散液F
アルケニルコハク酸無水物80g、脱塩水871.3g、ドデシルスルホン酸ナトリウム8g、及びナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)7.6gを混合し、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,300バール)を用いて3回乳化した。平均粒径分布301nm、及び固体含有量8.4%を有するアルケニルコハク酸無水物の微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
酢酸カルシウム水和物(水中で25%)0.67g、カチオン化ジャガイモデンプン(DS値=0.048、固体含有量=90%)52.96g、及びα−アミラーゼ(水中で1%)0.21gを、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器中で、脱塩水108.36gと混合した。混合物を撹拌しながら85℃に加熱し、更にα−アミラーゼ1.89gを加えた。30分後、氷酢酸2.8gを加えて酵素分解を停止し、硫酸鉄(II)七水和物0.56g及び(i)で記載したアルケニルコハク酸無水物分散液F 326gを加えた。
18%過酸化水素水溶液26.13g、及び脱塩水33.12g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.10g、スチレン70.56g及びn−ブチルアクリレート30.24gの混合物134.02gを2個の別個のフィードにより120分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を75℃で90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温(20℃)まで冷却後、平均粒径分布131nm、及び固体含有量24.5%を有する微粒子分散液を得た。
実施例8
(i)分散−オレイルジケテン分散液G
オレイルジケテン120g、脱塩水871.3g、ドデシルスルホン酸ナトリウム8g、及びナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)7.6gを混合し、55℃まで加熱した。この温度に達したらすぐに、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,300バール)を用いて80℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径分布231nm、及び固体含有量12.4%を有するオレイルジケテンの微粒子水性分散液を得た。
(ii)乳化重合
酢酸カルシウム水和物(水中で25%)0.67g、カチオン化ジャガイモデンプン(DS値=0.048、固体含有量=90%)52.96g、及びα−アミラーゼ(水中で1%)0.21gを、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器中で、脱塩水108.36gと混合した。混合物を撹拌しながら85℃に加熱し、更にα−アミラーゼ1.89gを加えた。30分後、氷酢酸2.8gを加えて酵素分解を停止し、硫酸鉄(II)七水和物0.56g及び(i)で記載したオレイルジケテン分散液G 326gを加えた。
18%過酸化水素水溶液26.13g、及び脱塩水33.12g、乳化剤K30(C15の平均鎖長を有するアルカンスルホン酸のナトリウム塩の混合物の40%水溶液)0.10g、スチレン70.56g及びn−ブチルアクリレート30.24gの混合物134.02gを2個の別個のフィードにより120分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を85℃で90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温(20℃)まで冷却後、平均粒径分布138nm、及び固体含有量26.5%を有する微粒子分散液を得た。
実施例9
(i)分散−ワックス分散液H
モンタン酸ワックス及びモンタン酸エステル(融点68〜78℃、Luwax(登録商標)LG)を含むワックス混合液120g、脱塩水871.3g、ドデシルスルホン酸ナトリウム16g、及びナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)12.4gを混合し、85℃まで加熱した。この温度に達したらすぐに、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,300バール)を用いて90℃で3回乳化し、室温まで急冷した。平均粒径分布296nm、及び固体含有量11.9%を有する微粒子水性ワックス分散液を得た。
(ii)乳化重合
ワックス分散液H 430gを、最初に、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器に入れ、85℃に加熱した。この温度で、7%ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液23.2g、及び脱塩水33g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(15%)2.6g及びスチレン133gの混合物を2個の別個のフィードにより150分間かけて反応器に測り入れた。その後、混合物を85℃で90分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温まで冷却後、平均粒径分布340nm、及び固体含有量29.7%を有する分散液を得た。
実施例10
(i)分散−ワックス分散液I
47〜51℃の融解範囲を有するポリエーテルワックス(Luwax(登録商標)V)120g、脱塩水871.3g、ドデシルスルホン酸ナトリウム16g、及びのナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(Tamol(登録商標)NNP)12.4gを混合し、65℃まで加熱した。この温度に達したらすぐに、Ultra Turrax(登録商標)装置を用いて6000rpmで5分間混合物を予備乳化し、次いで、ホモジナイザー(APV Gaulin LAB40,300バール)を用いて85℃で乳化し、室温まで急冷した。平均粒径分布265nm、及び固体含有量12.1%を有する微粒子水性ワックス分散液を得た。
(ii)乳化重合
ワックス分散液I 300gを、最初に、不活性ガス雰囲気下で、アンカー型撹拌機及び作業用装置を備えた2Lの反応器に入れ、90℃に加熱した。この温度で、7%ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液23.2gを150分間かけ、脱塩水30g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(15%)2.5g、及びのメチルメタクリレート120gの混合物を120分間かけて、2個の別個のフィードにより反応器に測り入れた。その後、混合物を90℃で更に60分間撹拌し、50℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド9.25gを加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。室温まで冷却後、平均粒径分布340nm、及び固体含有量31.0%を有する分散液を得た。
試験方法
サイジング度の測定は、DIN EN 20 535によるCobb60により実施した。HST値は、Tappi標準T530によるHercules Sizing Testにより測定した。浸透試験は、青色紙試験用インクを使用し、DIN 53 126により実施した。トナーの付着は、EN 12 283法によるIGT試験装置を用いて実施した。
表面サイズ剤としてのパフォーマンス性能の試験
アニオン的に修飾したジャガイモデンプンを溶液に入れ、30分間で95℃に加熱した。その後、試験されるポリマー分散液をこのデンプン溶液に加え、最終混合物中に8%のデンプン濃度が存在するように溶液を水で希釈した。次いで、デンプン溶液及びポリマー分散液の混合物を、55℃で、80g/m2の坪量を有する、木材を含まないサイジングされていない紙に、サイズ圧縮機を用いて塗布した。吸収した製造品の量は50〜60%であった。その後、このように処理された紙を、90℃で接触乾燥し、50%の相対湿度に24時間状態維持し、次いで、前記試験に供した。
先行技術との比較として、スチレン/ブチルアクリレートをベースとする市販の水性サイズ剤分散液(Basoplast(登録商標)400DS)を更に試験した(比較例1)。分散液の固体含有量は24.9%であり、粒径分布は101nmであった。
試験において得られた結果を表に示す。
Figure 2009541505

Claims (16)

  1. 少なくとも1種の親油性作用物質の存在下における、水性媒体中でのエチレン性不飽和モノマーの乳化重合による、少なくとも1種の親油性作用物質を含む水性ポリマー分散液の製造方法であって、
    (i)5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)、及び130℃未満の融点を有する、少なくとも1種の親油性作用物質を、少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で乳化し、1000nm以下の平均粒径を有する作用物質の水性分散液を形成し、そして
    (ii)少なくとも80質量%の中性の、水中で乳化可能なモノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー組成物を、(i)により得られる作用物質の水性分散液中で乳化重合することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    (i)5g/L以下の水溶解度(25℃及び1013ミリバールにおいて測定)、及び100℃未満の融点を有する、少なくとも1種の親油性作用物質を、少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で乳化し、500nm以下の平均粒径を有する作用物質の水性分散液を形成し、
    (ii)少なくとも80質量%の中性の、水中で乳化可能なモノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー組成物を、(i)により得られる作用物質の水性分散液中で乳化重合することを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、工程(i)において、少なくとも1種の親油性作用物質の溶融物を少なくとも1種の分散安定剤を含む水溶液中で乳化することを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法であって、アルキルジケテン、アルケニルコハク酸無水物、ロジンサイズ剤、UV吸収剤、帯電防止剤、抗酸化剤、かぶり防止剤、潤滑剤、着色剤、粘着付与剤、ろう、材料保護剤及び作物保護剤が、親油性作用物質として用いられることを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1種のカチオン性、アニオン性又は非イオン性界面活性剤、保護コロイド及び/又は分散剤が、分散安定剤として用いられることを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法であって、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、両親媒性ポリマー及び/又は有機ポリマー及び無機化合物のナノ粒子が、分散安定剤として用いられることを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法であって、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアルキレングリコール、一方又は両方の末端に、アルキル、カルボキシル又はアミノ基で末端封鎖されたポリアルキレングリコール、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、水溶性デンプン、水溶性デンプン誘導体及び/又は水溶性タンパク質からなる群からの少なくとも1種の保護コロイドが、分散安定剤として用いられることを特徴とする方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法であって、界面活性剤と、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物及び/又は少なくとも1種の保護コロイドとを含む少なくとも1種の分散剤との混合物が、分散安定剤として用いられることを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法であって、アニオン性界面活性剤と、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又は少なくとも1種の保護コロイドを含む少なくとも1種の分散剤との混合物が、分散安定剤として用いられることを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法であって、分解デンプンが、分散安定剤として用いられることを特徴とする方法。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法であって、前記分散安定剤が、分散液の質量に対して0.01〜20質量%の量で用いられることを特徴とする方法。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法であって、前記作用物質が、分散液の質量に対して1〜60質量%の量で用いられることを特徴とする方法。
  13. 紙、板紙及び厚紙のためのサイズ剤としての、熱可塑性ポリマーの処理のため及び安定化のための、材料保護のため及び作物保護のための請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法により得られる分散液の使用。
  14. 作用物質として少なくとも1種のアルキルジケテン、少なくとも1種のアルケニルコハク酸無水物及び/又は少なくとも1種のロジンサイズ剤を含む分散液が、紙、板紙及び厚紙のためのエンジンサイズ剤及び表面サイズ剤として用いられる、請求項13に記載の使用。
  15. 作用物質として少なくとも1種のアルキルジケテンを含む分散液が、紙、板紙及び厚紙のための表面サイズ剤として用いられる、請求項14に記載の使用。
  16. 作用物質として少なくとも1種のUV吸収剤、又は噴霧乾燥により水性分散液から得られるポリマー粉末を含む分散液が、UV線の作用に対する熱可塑性ポリマーの安定化のために用いられる、請求項13に記載の使用。
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