JP2009538376A - 硬化性親水性組成物 - Google Patents

硬化性親水性組成物 Download PDF

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Abstract

硬化性組成物から誘導されるゲル材料、及びそのような材料を含む医療物品を含む硬化性組成物が記載され、ここで該透明ゲル材料は、重合された1官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマー構成成分及び表面改質ナノ粒子構成成分を含む。

Description

本発明は、硬化性親水性組成物、硬化親水性組成物を含むゲル材料、及びそのような材料を組み込んだ医療物品、特に創傷被覆材として有用な医療物品を目的とする。より詳細には、本発明は、1官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマー及び表面改質ナノ粒子から調製される硬化性親水性組成物を目的とする。
従来、創傷からの滲出は、吸収材料を包含する被覆材を用いてこれを吸収することによって処置されてきた。典型的なそのような被覆材は、接着テープの裏側に接着したパッド状吸収材料を包含する。このパッド状吸収材料は、創傷に適用されて、創傷滲出物を吸収する。このタイプの被覆材の難点は、創傷治癒の際に、パッドの中に、またパッドの一部として瘡蓋が通常形成されることである。従って、被覆材を剥がす時に、瘡蓋が剥がれてしまう。この問題点は、生じた瘡蓋が、吸収材料に接着する可能性を減じるために、吸収材料と創傷の間に多孔質フィルムを提供することによって対処されてきた。
より最近では、褥瘡及び褥瘡性潰瘍(pressure sores and ulcers)用のいわゆる「密封」被覆材の使用が、ますます受け入れられるようになってきている。この種のいくつかの創傷被覆材が市販されている。これら製品のほとんどは、少なくとも内側の皮膚に接触する層及び外側の裏材の層を含むいくつかの層から形成される。被覆材は、皮膚に接着封止する創傷部の周囲に辺縁部(margin)を提供するサイズで糜瀾又は潰瘍用のカバーとして適用される。内側の層は、吸水性材料を含有するので、創傷からの流体は、この層に吸収され、被覆材が、少なくとも数日間、定位置に保たれることが可能になる。そのような密封被覆材は、痂皮を形成しない湿潤状態(moist conditions)の創傷を維持し、また細菌感染に対する障壁として働くことによって、治癒を促進する傾向がある。「湿潤創傷治癒」のためのそのような被覆材は、真皮熱傷、外傷性の皮膚欠損、切創などに特に有用である。
現在使用されている創傷ケア製品は、ヒドロコロイド吸収剤を利用する。そのような材料は典型的に、透明度が不十分であるので、外側からは治療状態を観察できない。また、そのような材料は、創傷流体を吸収すると、その一体性を部分的に失う可能性がある。ヒドロコロイド被覆材の可撓性は、不十分である可能性があり、関節など、体の屈曲部に被覆材を適用するのは困難になる。吸収剤の、創傷と接する部分は、ゲル様材料に変わり、被覆材を剥がす時に、この吸収材料の部分は、創傷に残る可能性があり、診察を可能にするために、且つ/又は別の被覆材を適用する前に取り除かなければならない。
創傷被覆材のような医療用途に有用な既知の親水性ゲル材料は存在するが、それらのうちの多くは、しばしば必要とされる、吸収性と粘着性の適切なバランスを有していない。従って、更なるそのような材料が必要とされる。更に、創傷被覆材や創傷パッキング(packing)材料のような医療物品に使用するための、透明且つ可撓性のある密封材料を提供することが望まれる。
本発明は、硬化性親水性組成物、硬化組成物を含む高分子ゲル材料、並びに好ましくは吸収性、より好ましくは吸収性及び透明である本明細書で使用のゲル材料を含む医療物品を提供する。
該硬化性組成物は、
a)1〜20重量部のエチレン性不飽和基を有する平均粒子サイズが20ナノメートル以下の表面改質ナノ粒子構成成分と、
b)ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する1官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマー、任意にポリ(アルキレンオキシド)部分を有する多官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマー、任意に極性モノマー、及び任意に疎水性モノマーを含む80〜99重量部のモノマー構成成分と、
を含む。
該ポリ(アルキレンオキシド)部分が、次式である、−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O−)n−、(式中、mは0であってよく、nは少なくとも1であり、nのmに対するモル比(n:m)は2:1を超え、好ましくは3:1を超え;及びR1は(C1〜C4)アルキル基である)。−CH(R1)−CH2−O−部分及び−CH2−CH2−O−部分の構造分布は、ランダム又はブロックであってよい。好ましくは、m+nは少なくとも5であり、より好ましくは少なくとも10である。好ましくは、m+nは100未満であり、より好ましくは50未満である。該ポリ(アルキレンオキシド)部分は一般にm及びn単位の様々な量又は個体群の混合物あるので、m及びnが非整数であり得ることは理解されよう。
該表面改質ナノ粒子構成成分の該エチレン性不飽和基は、得られた硬化組成物の物理的特性、特に水で膨張した状態における物理的特性を改善する。該表面改質ナノ粒子は、該硬化組成物の構造的一体性を改善する該モノマー構成成分と共重合する。好ましくは、該表面改質ナノ粒子構成成分は、該エチレン性不飽和基に加えて親水性のポリ(アルキレンオキシド)基を更に含み、透明度(透明性)を保持しながら該ナノ粒子をモノマー構成成分中に容易に分散させる。
該硬化性組成物の該モノマー構成成分は、他の極性モノマー類(1官能性マクロモノマー以外)、多官能性ポリ(アルキレンオキシド)、及び/又はフリーラジカル重合可能なマクロモノマー(2個又はそれ以上のフリーラジカル重合可能な基を有する)並びに/或いは疎水性モノマー類を更に含んでよく、それぞれを本明細書でより詳細に記述する。
本発明は、ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する1官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーのホモポリマー又はコポリマーを含む硬化組成物から誘導されるゲル材料を含む医療物品を提供する。
「ゲル」(又は「ポリマーゲル」又は「高分子ゲル材料」又は「親水性ゲル」)は、水(又は血液、血漿、及び細胞内の流体を含む体液のような水を主成分とする流体、或いは生理食塩水のような体液と同様の流体)と接触すると膨潤する能力があるが、水には溶解しない、硬化組成物から誘導されるゲル材料を意味する。該ゲルは、実質上連続的である、即ち、(気泡(entrapped air bubbles)や割れ(fracture)のような小さな欠陥は存在し得るが)多泡(cellular)又は空隙(void)構造はなく、一般に固体又は半固体形状である。用語「ゲル」は、水和の状態に関わらず用いられる。ゲルは、それが水を吸収する表面(例えば創傷)と接触するまで水を含まないことが好ましい。水(又は他の可塑化剤)が存在しなくとも、本発明のゲル材料の好ましい実施形態は、可撓性であるということが重要な点である。
水膨潤ポリマーゲルの医療実施への用途は、例えば、創傷被覆材、創傷パッキング材(wound packings)、接着剤(特に感圧性接着剤)、コンタクトレンズ、眼内レンズ、生体組織用の接着剤、癒着防止材、血液浄化用の吸着材、薬剤を放出するための基剤などに見られる。歯の成形(molding)又は印象材用の材料は、別の潜在的な医療物品用途である。従って、本明細書では、「医療」用途は、歯科用接着剤、修復材、コーティング材、複合材料、シーラントなどを含めた歯科用途を包含する。水膨潤ポリマーゲルは、生体組織のものと同様の組成物及び力学的特性をもつので、そのようなゲルは、今後、非常に様々な分野に適用され得る。
本発明はまた、表側層(facing layer)(好ましくは流体透過性の表側層)と裏側層(backing layer)(好ましくは水蒸気透過性の裏側層)を、これら2つの層の間に配置されるゲル材料(典型的には層の形状)と共に包含する創傷被覆材も提供する。好ましくは、裏側層は、水蒸気透過性且つ液体不透過性である。この医療物品、例えば創傷被覆材は、この医療物品を皮膚に固定するための感圧性接着剤の層を更に含んでよい。
吸収性及び好ましくは透明である本発明の組成物は、エチレン性不飽和基を有する表面改質ナノ粒子構成成分、及び重合前には、フリーラジカル重合可能であり、1官能性である、少なくとも5個の−CH2−CH2−O−繰り返し単位を有し、−CH(R1)−CH2−O−繰り返し単位を有していてよい重合、1官能性、ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーを含み、該マクロモノマーは合計で少なくとも5個、好ましくは10個の繰り返し単位を有し、−CH2−CH2−O−繰り返し単位の−CH(R1)−CH2−O−繰り返し単位に対する比が少なくとも2:1である。
このゲル材料は、1官能性マクロモノマーのホモポリマーであることができ、又はモノマーの少なくとも1つが、上式の1官能性マクロモノマーであるコポリマー(すなわち、2個又はそれ以上の異なるモノマーを有する)であることができる。この多官能性マクロモノマーと共重合することができる他のモノマーとしては、例えば、多官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマー、極性モノマー、及び疎水性モノマーが挙げられる。
「吸収」とは、材料が、その構造的一体性を保持(すなわち、例えば、吸収性の湿潤創傷治癒被覆材として作用する機能を果たすことができるように十分に一体性を保持する)しながら、好ましくはその透明度を保持しながら、好ましくは流体、特に体液、好ましくは中程度ないし多量の体液を吸収する能力があることを意味する。「透明」とは、好ましい材料が、患者に(例えば創傷部位に)適用される時に、被覆材の下の部分を十分に視覚化することができ、医療従事者による創傷の観察が可能になることを意味する。
「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の両方を表し、(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドを含む。
「硬化組成物」とは、少なくとも1個の重合可能な1官能性マクロモノマー及び無機表面改質ナノ粒子を含むモノマー構成成分を含む全組成物を表す。
用語「ナノ粒子」は、本明細書において、約100nm未満、好ましくは20ナノメートル以下の直径を有する粒子(一次粒子又は非会合(associated)一次粒子)を意味するように定義される。
「表面改質コロイドナノ粒子」とは、ナノ粒子が安定な分散を提供するようにそれぞれ改質表面を有するナノ粒子を表す。
「アグロメレーション」とは、電荷又は極性により保持一体化されている可能性があり且つより小さい構成要素に分解可能である一次粒子間の弱い会合を表す。
本発明は、
a)1〜20重量部のエチレン性不飽和基及び任意の親水性のポリ(アルキレンオキシド)基を有する平均粒子サイズが20ナノメートル以下の表面改質ナノ粒子構成成分と、
b)ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する1官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマー、任意にポリ(アルキレンオキシド)部分を有する多官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマー、任意に極性モノマー、及び任意に疎水性モノマーを含む80〜99重量部のモノマー構成成分と、を含む硬化性組成物を目的とする。
本発明の硬化組成物から誘導されるゲル材料は、医療物品で使用されることができる。ゲル材料は、親水性及び吸収性である。本発明のゲル材料は、好都合には透明であり、下にあるものの視診が可能であることが好ましい。重要な点は、医療物品、特に創傷被覆材では、これによって、創傷被覆材を剥がさずに創傷の視診をすることができるようになることである。ゲル材料が、吸収性であり且つ透明であることがより好ましい。
本発明の、好ましい医療物品、特に創傷被覆材は、好都合には、創傷からの過剰の滲出を取り除くことができ;湿潤創傷環境を保ち;酸素、水蒸気、及び二酸化炭素がこの医療物品を通過できるようにガス交換を可能にし;創傷を体温に保つために断熱性であり;汚染及び感染を最小限にするために液体及び微生物に対して不透過性であり得て;肉芽組織に損傷が起こらないように創傷に対して非接着性であり得て;被覆材材料の創傷を清浄する必要性を最小限にするものである。
硬化組成物は、好ましくは中程度から多量の体液のような流体を吸収することができると同時に、その構造的一体性(及び好ましくはをの透明性)を保持することができる点で、好ましくは吸収性である。好ましくは、本明細書では、「吸収性」とは、室温で24時間後に、少なくとも自重の等張食塩水(脱イオン水に0.9重量%塩化ナトリウムを入れたもの)を吸収する材料を表す。即ち、材料は、少なくとも100%の吸収性を有する。より好ましくは、ゲル材料は、24時間後に室温で、その重量の少なくとも2倍(200%吸収性)、より好ましくはその重量の少なくとも4倍(400%吸収性)、及び最も好ましくはその重量の少なくとも5倍(500%吸収性)の等張食塩水を吸収することができる。好ましくは、本発明のゲル材料は、乾いていても、水溶液(例えば体液)で膨潤しても透明である。好ましくは、本明細書において、透明とは85%を超える全光透過率(ASTM D1003−00による)を有する材料を表す。
好ましい本発明のゲル材料は、比較的可撓性であってよい。可撓性により、ゲル材料を組み込んだ医療物品が、関節などの体の屈曲部に容易に適用できるようになる。可撓性でないゲル材料も、本発明の範囲内である。そのようなゲル材料は、例えば、創傷パッキング材料として使用することができる。
本発明のゲル材料はまた、生体適合性であることも好ましい。本明細書では、「生体適合性がある」とは、材料が、拒絶反応を起こさずに体の組織(流体を含む)と接触できることを意味する。通常、これは、ゲル材料に使用されるポリマーを調製するために用いられる残留モノマーが、ポリマーの総重量に対してそれぞれ約1重量パーセント(重量%)未満で存在する場合に該当する。
好ましくは、本発明のゲル材料に使用されるポリマーは、本質的に静菌性であり、臭いが少ない。或いは、ゲル材料のこうした性質を高めるために、ポリマーに、静菌剤又は脱臭剤を加えることができる。そのような材料は、以下でより詳細に述べる。
本発明の硬化性組成物は、表面改質前の平均粒子サイズが20ナノメートル以下である、エチレン性不飽和基及び任意の親水性のポリ(アルキレンオキシド)基を有する表面改質ナノ粒子構成成分を含む。好ましくは、無機ナノ粒子の多分散性は、表面改質前で2未満である。
本発明に従って表面改質されたナノ粒子は、ナノメートルサイズの、シリカのような無機酸化物粒子;アルミナ、酸化スズ、酸化鉄、ジルコニア、バナジア、及びチタニアのような金属酸化物;並びにこれらの混合等を含む。コロイド状のナノ粒子はシリカのような本質的に単一酸化物を含むことができ、又は別のタイプの酸化物が上に堆積される1つのタイプの酸化物のコア(又は金属酸化物以外の材料のコア)を含むことができる。シリカは、最も好ましいナノ粒子である。コロイド状のナノ粒子は、サイズが比較的均一であり、ナノ粒子の凝集が沈殿、ゲル化、又は粘度の劇的増加をもたらす可能性があるので実質的に非凝集のままであることもまた好ましい。用語「ナノメートルサイズの」とは、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径であることで特徴づけられるが、本発明の硬化性組成物では好ましくは20ナノメートル以下、より好ましくは10ナノメートル以下(表面改質前)である粒子を表す。更に、ナノ粒子が一般に有する表面積は、約150m2/グラムを超え、好ましくは200m2/グラムを超え、及びより好ましくは400m2/グラムを超える。
無機ナノ粒子の平均粒子サイズは、透過電子顕微鏡を使用して測定することができる。本発明の実践において、粒子サイズはいずれの好適な技術を用いて決定してよい。好ましくは、粒子サイズは数平均粒子サイズを表し、透過電子顕微鏡又は走査電子顕微鏡を使用する機器を用いて測定される。粒子サイズを測定する別の方法は、重量平均粒子サイズを測定する動的光散乱である。適していると考えられるそのような機器の1つの例は、カリフォルニア州フラートン(Fullerton, Calif)のベックマン・コールター社(Beckman Coulter Inc.)から入手可能なN4プラスサブミクロン粒子分析器(N4 PLUS SUB-MICRON PARTICLE ANALYZER)である。
非改質ナノ粒子は、粉末としてよりもゾルとして提供される場合がある。好ましいゾルは一般に、液体媒体に分散した約15〜約50重量%のコロイド状の無機酸化物粒子を包含する。コロイド状の粒子に好適な液体媒体の代表的な例としては、水、水性アルコール溶液、低級脂肪族アルコール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好ましい液体媒体は水性であり、例えば水及び任意に1つ以上のアルコールである。コロイド状粒子が水性溶剤中に分散されると、粒子は各粒子の表面上に発生する共通電荷のために安定化する場合がある。同様に荷電した粒子は互いに反発することから、共通電荷はアグロメレーション又は凝集でなく分散を促進する。対照的に、ヒュームドシリカ及びシリカゲルは、溶融粒子の凝集体であるために、硬化性組成物のモノマー構成成分と組み合わせた際に、粒子の均一な分散体を容易に提供しない。従って、本発明の組成物の調製に用いるナノ粒子の特に望ましい部類としては、無機ナノ粒子のゾル(例えば、液体媒体中の無機ナノ粒子のコロイド状分散体)、特に非結晶質シリカのゾルが挙げられる。
水性媒体中の無機シリカゾルは、当該技術分野において周知であり、市販されている。水又は水−アルコール溶液(water-alcohol solutions)中のシリカゾルは、「ルドックス(LUDOX)」(米国デラウェア州ウィルミントン(Wilmington, Del.)のE.I.デュポンデヌムール社(E.I. duPont de Nemours and Co., Inc.)製造)、「ニアコール(NYACOL)」(マサチューセッツ州アシュランド(Ashland, MA)のニアコール社(Nyacol Co.)より入手可能)又は「ナルコ(NALCO)」(米国イリノイ州オークブルック(Oak Brook, Ill)のナルコ・ケミカル社(Nalco Chemical Co.)製造)などの商標名で市販されている。1つの有用なシリカゾルは、平均粒子サイズが5ナノメートル、pH10.5、及び固形分が15重量%のシリカゾルとして入手可能なナルコ2326である。好適なコロイド状シリカの更なる例が、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許番号第5,126,394号に記載されている。
本発明で使用されるゾルは一般に、コロイドの表面電荷を中和する(counter)ために対イオンを含むことがある。用いられるコロイドのpH及び種類に応じて、コロイド上の表面電荷は、負又は正であることが可能である。従って、カチオン又はアニオンのいずれかが、対イオンとして用いられる。負に帯電したコロイドに対する対イオンとして用いるために好適なカチオンの例としては、Na+、K+、Li+、NR4 +(式中、各Rは、あらゆる一価部分であり得るが、好ましくはH又はCH3−のようなより低級のアルキル基及びこれらの組み合わせなどである)のような第四アンモニウムカチオンが挙げられる。正に帯電したコロイドに対する対イオンとして用いるために好適な対アニオンの例としては、ニトレート、アセテート、クロライド等が挙げられる。
ナノ粒子の表面を変性するために利用可能な各種方法としては、例えば、表面改質剤をナノ粒子に添加すること(例えば、粉末、又はコロイド状分散体の形状で)、及び表面改質剤をナノ粒子と反応させることが挙げられる。他の有用な表面改質方法は、例えば、米国特許第2,801,185号(アイラ(Iler))、同第5,648,407号(ゲッツェ(Goetze)ら)及び同第4,522,958号(ダス(Das)ら)に記載されており、それぞれの特許は参照することにより本明細書に組み込まれる。
無機ナノ粒子の表面にエチレン性不飽和基を提供するために使用し得る表面改質剤は、式、Xp−R3−Yq(I)で表わされてよい。
(式中、
Xは、無機ナノ粒子の表面に結合し又は結び付き得る官能基を表し、好ましくはシリル基、ヒドロキシル基、アジド基、メルカプト基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される。)好ましくは、Xは、無機ナノ粒子の表面官能基と共有結合を生成する官能基、例えばシリカナノ粒子の表面上のSi−OH基と共有結合を生成する反応性官能基である。
3は、共有結合又は原子価p+qの多価炭化水素架橋基である。一実施形態において、R3は、約1〜20個の炭素原子の多価炭化水素架橋基であり、アルキレン及びアリーレン並びにそれらの組み合わせを含み、任意に−O−基、−C(O)−基、−S−基、−SO2−基及び−NR2−基(及び−C(O)−O−のようなそれらの組み合わせ)(式中、R2は水素である)、又はC1〜C4のアルキル基から成る群から選択される1〜5個の部分を主鎖内に含む。別の実施形態において、R3は、ポリ(アルキレンオキシド)部分である。好ましくは、R3は、二価のアルキレンである。
Yは、ビニル、アリル、ビニルオキシ、アリルオキシ、及び(メタ)アクリロイルを含むエチレン性不飽和重合性基であり、
p及びqは、独立して1〜4、好ましくは1である。
好ましい表面改質剤は次式のものを含む:
Y−R3−Si−(OR4b(R43-b II
(式中、
3は、共有結合即ち価数がp+qの多価炭化水素架橋基である。一実施形態において、R3は、約1〜20個の炭素原子の多価炭化水素架橋基であり、アルキレン及びアリーレン並びにそれらの組み合わせを含み、任意に−O−基、−C(O)−基、−S−基、−SO2−基及び−NR2−基(及び−C(O)−O−のようなそれらの組み合わせ)(式中、R2は水素である)、又はC1〜C4のアルキル基から成る群から選択される1〜5個の部分を主鎖内に含む。)別の実施形態において、R3が、ポリ(アルキレンオキシド)部分の次式である、−(OCH2CH2−)n(OCH2CH(R1))m−(式中、nは少なくとも5であり、mは0、好ましくは少なくとも1であってもよく、n:mのモル比は少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)である)。
好ましくは、R3は、二価のアルキレンである。
Yは、ビニル、アリル、ビニルオキシ、アリルオキシ、及び(メタ)アクリロイルを含むエチレン性不飽和重合性基であり、
4は、酸素、窒素、及び/又は硫黄原子で利用可能な部位で任意に置換される、独立した1〜8個の炭素原子のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、bは、1〜3である。
ナノ粒子をエチレン性不飽和基で官能化するために用いてられてよい有用な表面改質剤としては、オルガノシラン、例えば、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジエチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、及びそれらの混合物が挙げられる。
エチレン性不飽和表面改質剤は、無機ナノ粒子上の利用可能な官能基の少なくとも10%と反応するのに十分な量で使用される(例えばシリカナノ粒子上の利用可能なSi−OH基の数)。全ての利用可能な反応部位がカップリング剤で官能化されるように、ナノ粒子の多くが過剰量の表面改質剤と反応する場合の官能基の数は、実験的に決定される。次に、その結果から、より低いパーセントの官能化が計算され得る。
表面改質ナノ粒子の多官能性は、ナノ粒子が硬化組成物と化学的に結合するように、重合の際に構成成分のモノマー類との架橋をもたらす。典型的には、官能化の程度が高いほど架橋密度が高く、機械的特性がより良くなる。すなわち、本発明の材料は、エチレン性不飽和表面改質官能基を使用した結果として、コンプライアンス(compliance)(すなわち弾性)及び引っ張り強さ、並びに膨潤した状態の粘着性の好都合なバランスを有する。
本発明のナノ粒子は、複数個の親水性のポリ(アルキレンオキシド)基を粒子に提供するために更に変性されてよい。親水性のポリ(アルキレンオキシド)基が、次の部分を含む:
−Q−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O−)n−R2 III
(式中、nは少なくとも5であり、mは0、好ましくは少なくとも1であってよく、n:mのモル比は少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)であり、
Qは−O−、−S−又は−NR2−であり、R1は直鎖又は分枝鎖であることができる(C1〜C4)アルキル基であり、及びR2はR1又はHである。)
アルキレンオキシド部分の分布は、ランダム(すなわち、少なくとも2つの異なる部分の比較的にランダム型の構造分布が存在する)又はブロックであってよい。
一実施形態において、ナノ粒子は、ポリ(アルキレンオキシド)をナノ粒子に結合することのできる両親媒性(ambiphilic)カップリング剤の方法によって官能化されてよい。
両親媒性カップリング剤は、少なくとも2個の反応性官能基を有する。第1の反応性官能基はナノ粒子の表面に共有結合することができ、第2の反応性官能基はポリ(アルキレンオキシド)化合物に結合することができる。例えば、一方の構成成分(ポリ(アルキレンオキシド)化合物、カップリング剤、又は粒子)上に存在するアミノ基、ヒドロキシル基、メルカプタン基、イソシアネート基のような反応性官能基は、他方の構成成分(カップリング剤又はポリ(アルキレンオキシド)化合物)上に存在するオキシラン基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、アルキル基、アジリジン基、無水物基、又はイソシアナート基のような相補的な反応性官能基と反応することができる。1超過のカップリング剤を用いてよい。
ポリ(アルキレンオキシド)化合物が、次式である、
Z−(CH(R1)−CH2−O−)m−(−CH2−CH2−O−)n−R2 IV
(式中、Zは官能基であり、両親媒性カップリング剤の第2の官能基、例えばヒドロキシル、アミノ、チオ、又はイソシアネートと反応性である。
1は、C1〜C4のアルキル基であり、
2は、R1又はHである)。
好ましくは、R1はメチルであり、m及びnは少なくとも1であり、m+nは少なくとも5であり、n:mは少なくとも2:1である場合に、ポリ(アルキレンオキシド)部分はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)である。ポリ(アルキレンオキシド)基がランダム又はブロックであり得ることは理解されよう。
有用な両親媒性シランカップリング剤は、次式のものを含む:
FG2 a−R3−Si−(OR4b(R43-b (V)
(式中、
FG2は、式IVのポリ(アルキレンオキシド)化合物のZ基の相補的な官能基と反応することのできる両親媒性カップリング剤の第2の反応性官能基である。FG2の例としては、アミノ基;ヒドロキシル基;メルカプタン基;エポキシ基;クロロアルキル基、ヨードアルキル基、及びブロモアルキル基;アジリジン基;環状カルボン酸無水物基;水素基及びイソシアネート基が挙げられる。
3は、共有結合又は原子価p+qの多価炭化水素架橋基である。一実施形態において、R3は、約1〜20個の炭素原子の多価炭化水素架橋基であり、アルキレン及びアリーレン及びそれらの組み合わせを含み、任意に−O−基、−C(O)−基、−S−基、−SO2−基及び−NR2−基(−C(O)−O−のようなそれらの組み合わせ)(式中、R2は水素である)、又はC1〜C4のアルキル基から成る群から選択される1〜5個の部分を主鎖内に含む。別の実施形態において、R3は式−(OCH2CH2−)n(OCH2CH(R1))m−のポリ(アルキレンオキシド)部分である(式中nは少なくとも5であり、mは0、好ましくは少なくとも1であってよく、n:mのモル比は少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)である)。
4は独立して、カテナリー酸素、窒素及び/又はイオウ原子で任意に置換される1〜8個の炭素原子のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、
aは、1又は2であり、
bは1〜3であり、
FG2及びZは一般に、一方が求核性であり、もう一方が求電子性であるように選択される。対の相補的、即ち共反応性の官能基FG2及びZの例としては、ヒドロキシル、アミノ又はメルカプトのような求核官能基を有するイソシアネート基、エポキシ基又は無水物基が挙げられる。或いは、FG2は水素化ケイ素の水素であってよく、Zはビニル基であってよい。)
本発明の組成物中に存在する時、「OR4」基がシラノール又はシラノレートに転化される1以上の場合において、カップリング剤は加水分解し得ることを理解すべきである。
好ましい両親媒性シランカップリング剤は、構造、FG2−R3−Si(OR43を有する(式中、FG2は好ましくはイソシアネート基であり、及びR3及びR4は上記の通りである)。
両官能性(ambifunctional)シランカップリング剤に関する追加情報は、ヴァンオオイジ(Van Ooij)らに発行された米国特許番号第5,204,219号、ストフコ(Stofko)らに発行された同第5,464,900号、及びビルカディ(Bilkadi)に発行された同第5,639,546号及び欧州特許出願第0,372,756(A2)号中に見出し得る。或いは、カップリング剤は、デュポン(DuPont)社から市販されている「タイゾール(Tyzor)(商標)チタン酸塩11」のようなチタン酸塩又はジルコン酸塩化合物であることができる。
或いは、式IVのポリ(アルキレンオキシド)化合物及び両親媒性カップリング剤Vは、無機ナノ粒子の表面改質前に互いに反応する。この場合、反応は、次式のPEG官能化シランをもたらし得る:
2−(OCH2CH2−)n(OCH2CH(R1))m−Q’−R3−Si−(OR4b(R43-b (VI)
(式中、Q’は、式IVのポリ(アルキレンオキシド)化合物の「z」基と式Vの両親媒性シランカップリング剤の「FG2」基との間の反応から生じる二価の連結基である。例えば、FG2がイソシアネートであり、Zがヒドロキシルの場合、Q’はウレタン結合である。
1は、C1〜C4のアルキル基であり、
2は、R1又はHであり、
3は、多価炭化水素架橋基である。一実施形態において、R3は約1〜20個の炭素原子の多価炭化水素架橋基であり、アルキレン及びアリーレン及びそれらの組み合わせを含み、任意に−O−基、−C(O)−基、−S−基、−SO2−及びNR2−基(−C(O)−O−のようなそれらの組み合わせ)(式中、R2は水素である)、又はC1〜C4のアルキル基から成る群から選択される1〜5個の部分を主鎖内に含む。別の実施形態において、R3は、ポリ(アルキレンオキシド)部分である。好ましくは、R3は二価のアルキレンである。
4は、独立して、カテナリー酸素、窒素及び/又はイオウ原子によって任意に置換される1〜8個の炭素原子のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、
nは少なくとも5であり、mは0、好ましくは少なくとも1であってよく、n:mのモル比は少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)であり、
bは1〜3である)。
それほど好ましくはないが、無機ナノ粒子の官能化の効率が減少するので、初めにナノ粒子を式Vの両親媒性カップリング剤と反応させ、続いて式IVのポリ(アルキレンオキシド)化合物と反応させる。
カップリング剤Vそれ自体が使用されるか、ポリ(アルキレンオキシド)カップリング剤(VI)が使用されるかに関わらず、両親媒性カップリング剤は、無機ナノ粒子上の利用可能な表面官能基、即ち式I又はIIのエチレン性不飽和表面改質剤による官能化後に残っている表面官能基の全部又は一部と反応するのに十分な量で使用される。全ての利用可能な反応部位がカップリング剤で官能化されるように、ナノ粒子の多くが過剰量のカップリング剤と反応する場合の官能基の数は、実験的に決定される。次に、その結果から、より低いパーセントの官能化が計算され得る。無機ナノ粒子の官能化は、順次的であっても同時であってもよい。無機ナノ粒子は初めに式I又はIIの表面改質剤で官能化され、続いて式Vの表面改質剤で官能化されるか(式IVの化合物による反応が続く)、式VIの表面改質剤で官能化されてよい。或いは、ナノ粒子の表面が、エチレン性不飽和基及びポリ(アルキレンオキシド)基の両方で同時に変性されてよい。
本硬化性組成物のモノマー構成成分は、ゲル材料を生成するのに使用される硬化組成物の親水性及び吸収性を増加するために、1以上の1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーを含む。モノマーは、1個の末端の重合可能なエチレン性不飽和基(例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基又はアリルオキシ基の1個だけ)、ポリ(アルキレンオキシド)部分(例えば、上記のもの)、及び第2の非重合可能な、末端基、例えばH、(C1〜C4)アルコキシ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、又は(C1〜C4)アルカリルオキシ基を含む。これらの基は、直鎖又は分枝鎖であることができる。
好ましい1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーは、次式である:
6−Q−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O−)n−R2 VII
(式中、
6は、ビニル、アリル、ビニルオキシ、アリルオキシ、及び(メタ)アクリロイルを含むエチレン性不飽和重合性基であり、
1は、(C1〜C4)アルキル基であり、
2は、H又はR1であり、
Qは、−O−、−S−又は−NR2−であり、
nは少なくとも5、mは0、好ましくは少なくとも1であってよく、n+mは、少なくとも5、好ましくは少なくとも10であり、n:mのモル比は少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)。
好ましくは、R6は、次から成る群から選択される。
Figure 2009538376
(式中、R2は、H又はC1〜C4アルキルであり、
5は、芳香族基、脂肪族基、脂環式基、又はそれらの組み合わせであり、
Wは、アルキレン基又はアルキレンオキシド基であり、及びr=2〜10である。好ましくは、R6は(メタ)アクリロイルである。)
好適な1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーの例としては、ポリ(エチレンオキシド)(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレンオキシド)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)(メタ)アクリレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。そのようなモノマーとしては典型的に、非反応性末端基(フリーラジカル重合に対して)、例えば(C1〜C4)アルコキシ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、(C1〜C4)アルカリルオキシ基、アリール(C1〜C4)アルキルオキシ基、又はヒドロキシ基が挙げられる。これらの基は、直鎖又は分枝鎖であることができる。こうしたモノマーは、広範囲の分子量のものであることができ、ペンシルバニア州エクストン(Exton, PA)のサートマーカンパニー(Sartomer Company)、日本、東京の新中村化学工業株式会社(Shinnakamura Chemical Co., Ltd.)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee, WI)のアルドリッチ(Aldrich)、及び日本、大阪の大阪有機化学工業株式会社(Osaka Organic Chemical Ind., Ltd.)のような業者から市販されている。
1官能性マクロモノマーは、例えば、モノヒドロキシ末端アルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマー(通常市販されている)を反応性エチレン性不飽和化合物(例えば、アクリレート)と反応させることによって調製することができる。
それらに限らないが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロライド、(メタ)アクリル酸無水物、及び2−イソシアナトエチルアクリレートを含むアクリレート誘導体のような様々な反応性エチレン性不飽和化合物を、使用することができる。加えて、モノヒドロキシ末端アルキレンオキシドのランダムコポリマーはイソホロンジイソシアネートのようなジイソシアン酸エステルと反応させることができ、いずれかの官能性(メタ)アクリレートと更に反応するイソシアネート末端官能性ランダムコポリマーをもたらす。好ましくは、1官能性マクロモノマーは、ヒドロキシ末端ポリ(アルキレンオキシド)化合物をアクリル酸と反応させることによって調製される。典型的に、化学量論的量のエチレン性不飽和反応物質を、モノヒドロキシ末端アルキレンオキシドランダムコポリマーと組み合わせる場合、単一置換の生成物への100%転換が実現される。
本発明の硬化性組成物は、任意に多官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーを含む。該モノマーは、2個又はそれ以上の末端の重合可能なエチレン性不飽和基(例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基)、及び(上記のような)ポリ(アルキレンオキシド)部分を含む。多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーは、好ましくは少なくとも約2000の重量平均分子量を有する。好ましくは、多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーは、式−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O−)n−のアルキレンオキシド部分を含む(式中、mは0、好ましくは少なくとも1であってよく、nのmに対するモル比(n:m)は2:1を超え、好ましくは3:1を超え、;及びR1は(C1〜C4)のアルキル基である)。
材料の多官能性は、重合時の架橋を引き起こす。典型的に、分子量が大きくなるほど、架橋間の距離が大きくなり(すなわち、架橋密度がより低くなる)、力学的特性が向上する。すなわち、本発明の材料は、多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーの使用の結果として、コンプライアンス(すなわち弾性)及び引っ張り強さ、並びに膨潤した状態の粘着性の好都合なバランスを有する。
多官能性マクロモノマーは、好ましくは少なくとも約2000の重量平均分子量を有してもよい。これより低い分子量のマクロモノマーは、脆性ポリマーを生成する傾向がある。好ましくは、多官能性マクロモノマーは、少なくとも約4000、より好ましくは少なくとも約6000、及び最も好ましくは少なくとも約10,000の重量平均分子量を有する。そのような材料は、有意に大きい分子量もまた有することができる。好ましくは、そのような多官能性マクロモノマーは、室温で流動性があり且つ加工可能であるような分子量を有する。室温で流動性がない高分子量の多官能性マクロモノマーは、希釈剤又は他の添加剤及び/或いはより高温(例えば押出し温度)を用いて加工できる場合に使用することができる。最も好ましくは、有用な多官能性マクロモノマーは、室温で液体である。
本明細書では、多官能性は、マクロモノマーが、フリーラジカル重合可能な2つ以上の反応性基を有することを意味する。好ましくは、2つ又は3つの反応性の高い基、より好ましくは2つの反応性の高い基が存在する。そのような多官能性マクロモノマーは、直鎖又は分枝鎖であることができるが、好ましくは直鎖である。
好ましくは、多官能性マクロモノマーのフリーラジカル重合可能な官能基は、エチレン性不飽和を含む。好適なエチレン性不飽和基の例としては、(メタ)アクリロイル、(メタ)アクリルアミド、アリルオキシ、ビニルなど、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
好ましくは、多官能性マクロモノマーは、二官能性である。特に好ましい二官能性マクロモノマーは、次式(式VIII)である:
6−Q−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O)n−R7 VIII
(式中
6及びR7はそれぞれ独立して、ビニル、アリル、ビニルオキシ、アリルオキシ、及び(メタ)アクリロイルを含むエチレン性不飽和重合性基であり、
1は、(C1〜C4アルキル基であり、
2は、H又はR1であり、
Qは、−O−、−S−又は−NR2−であり、
nは少なくとも5であり、mは0、好ましくは少なくとも1であってよく、m+nは少なくとも5、好ましくは少なくとも10であり、n:mのモル比は少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)である)。
好ましくは、R6及びR7は、それぞれ独立して次から成る群から選択される。
Figure 2009538376
(式中、
1は、C1〜C4のアルキルであり、
2は、H又はR1であり、
5は、芳香族基、脂肪族基、脂環式基、又はそれらの組み合わせであり、
Wは、アルキレン基又はアルキレンオキシド基、及びr=2−10である。好ましくは、R6及びR7は、(メタ)アクリロイルである。
好ましくは、R5基は、ジイソシアン酸エステルから誘導される。より好ましくは、R5は、o=1−18である−(CH2)o−、トリレンからなる群から選択され、
Figure 2009538376
最も好ましくは、R5は、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はH12−MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート)から誘導される。
好ましくは、WはC2〜C20のアルキレン又は一般式−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O−)n−のポリ(アルキレンオキシド)部分である(式中、mは0であってよく、nは少なくとも1であり、nのmに対するモル比(n:m)は2:1を超え、好ましくは3:1を超え;及びR1は(C1〜C4)のアルキル基である)。式VIIのポリ(アルキレンオキシド)部分は、ランダムであってもブロックであってもよい。より好ましくは、これは、ランダム型ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)を含有する多官能性マクロモノマーである。
該多官能性マクロモノマーはまた、三、四、五官能性などのマクロモノマーであることもできる。そのような化合物はまた式Iのポリ(アルキレンオキシド)部分を含む(式中、nは少なくとも5であり、mは0、好ましくは少なくとも1であり、m+nは少なくとも5、好ましくは少なくとも10であり、及びnのmに対する比は少なくとも2:1、好ましくは少なくとも3:1であり;並びにR1はメチル基、及び上記のR6及びR7基の一覧から選択される2個又はそれ以上の末端基である)。そのような末端基が、酸素又は窒素を介して結合し得ることが理解されるべきである。
多官能性マクロモノマーは、分枝鎖状末端基を有する直鎖であることができ、中心原子(central core)を介して分枝されることができる。分枝鎖状マクロモノマーは、例えば、線鎖状ジアミノ又はジヒドロキシ末端アルキレンオキシドランダムコポリマーの化学修飾によって調製し、各鎖末端で複数の反応性末端基を生じることができる。例えば、各鎖末端で2つの重合可能な基を有するマクロモノマーは、直鎖状ジアミノ又はジヒドロキシ末端ポリ(アルキレンオキシド)化合物を、トリメリチル(trimellityl)クロリドと反応させ、続いて2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの反応を行うことによって調製することができる。マクロモノマーにおける分岐点(branch point)はまた、中心原子の組み込みを介して導入することもできる。そのような材料の例としては、それらに限らないが、反応性エチレン性不飽和化合物と更に反応するエトキシ化/プロポキシル化ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、及びトリメチロールプロパンが挙げられる。
多官能性マクロモノマーの各アームは、共重合性ランダムアルキレンオキシド部分を含むが、いかなるマクロモノマー中の各アームも、異なる可能性があることも理解するべきである。また、いかなるアームにおける種々の共重合性ランダムアルキレンオキシド部分の間にも、ウレタン及び/又は尿素基のような、他の基又は結合(inkage)が存在可能である。
該官能性マクロモノマーは、ジアミノ又はジヒドロキシ末端ポリ(アルキレンオキシド)化合物(典型的にはミシガン州ミッドランド(Midland, MI)のダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.)、からUCON−75H−90,000として市販されているポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)のように市販されている)を、反応性エチレン性不飽和化合物(例えばアクリレート)と反応させることによって調製することができる。それらに限らないが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロライド、(メタ)アクリル酸無水物、及び2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートを含むアクリレート誘導体のような様々な反応性エチレン性不飽和化合物を、使用することができる。加えて、ジアミノ又はジヒドロキシ末端ポリ(アルキレンオキシド)化合物は、イソホロンジイソシアネートのようなジイソシアン酸エステルと反応させることができ、いずれかの官能性(メタ)アクリレートと更に反応するイソシアネート末端官能性ランダムコポリマーをもたらす。
好ましくは、該官能性マクロモノマーは、ジアミノ又はジヒドロキシ末端ポリ(アルキレンオキシド)化合物をメタクリル無水物と反応させることによって調製される。典型的に、化学量論的量のエチレン性不飽和反応物質を、ジアミノ又はジヒドロキシ末端ポリ(アルキレンオキシド)化合物と混合する場合、二置換型生成物への100%転換が実現される。しかし、化学量論的量未満が使用される場合、生成物は典型的に、二置換型及び単一置換型生成物、並びに場合によってはいくらかのジアミノ又はジヒドロキシ末端出発物質の混合物である。そのような混合物は、より高い吸収性をもつゲルをもたらす傾向がある。
ゲル材料を生成するのに使用されるポリマーの吸収性を高めるために、本明細書に記載の多官能性マクロモノマーを、1官能性マクロモノマー又は他の親水性モノマーと共重合させることができる。好適な親水性モノマーの例としては、1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマー及び他の極性モノマーが挙げられる。該多官能性マクロモノマー(又はマクロモノマーの組み合わせ)は、ポリマーの吸収性をより上手く調節するために、疎水性モノマーとも共重合させることができる。所望される場合、そのような親水性モノマーと疎水性モノマーとの組み合わせを用いることができる。
ゲル材料を生成するのに使用されるポリマーの吸収性を高めるために、1官能性及び多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマー以外の極性モノマーを使用することも可能である。好ましい極性モノマーはまた、生じるポリマーに、コンプライアンスを提供することもできる。好適な極性モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、モノ−又はジ−N−アルキル置換アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、[2−(メタ)(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド、[2−(メタ)(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好ましい極性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)及びN−ビニルピロリドンが挙げられる。
ゲル材料を生成するのに使用されるポリマーの吸収性を低下させる(及びそれによって、より上手く調節する)、好ましくはポリマーの強度を向上させるために、疎水性モノマーを用いることができる。好適な疎水性モノマーの例としては、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及びアクリル酸イソオクチルのような(メタ)アクリル酸エステル、並びにα−メチルスチレン、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のモノマー構成成分を生成するのに使用されるモノマー類としては、モノマー構成成分の総重量を基準として、好ましくは約80重量%以下の1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーが挙げられる。より好ましくは、1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーは、ポリマーの総重量を基準として少なくとも約30重量%の量で使用される。最も好ましくは、1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーは、ポリマーの総重量を基準として少なくとも約40重量%の量で使用される。
本発明のモノマー構成成分を生成するのに使用されるモノマー類としては、モノマー構成成分の総重量を基準として、少なくとも約0.1重量%の任意の多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーが挙げられてよい。好ましくは、モノマー構成成分は、ポリマーの総重量を基準として、少なくとも約5重量%の多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーを含む。より好ましくは、多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として約20重量%以下の量で使用される。
本発明のモノマー構成成分を生成するのに使用するのに好ましいモノマー類としては、モノマー構成成分の総重量を基準として約40重量%以下の任意の極性モノマーが挙げられる。より好ましくは、極性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として約35重量%以下の量で使用される。最も好ましくは、極性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として約30重量%以下の量で使用される。好ましくは、極性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として少なくとも約5重量%の量で使用される。より好ましくは、極性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として少なくとも約10重量%の量で使用される。
本発明のモノマー構成成分を生成するのに使用するのに好ましいモノマー類としては、モノマー構成成分の総重量を基準として約20重量%以下の任意の疎水性モノマーが挙げられる。より好ましくは、疎水性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として20重量%未満の量で使用される。更により好ましくは、疎水性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として約10重量%以下の量で使用される。最も好ましくは、疎水性モノマーは、モノマー構成成分の総重量を基準として約5重量%以下の量で使用される。
本発明のモノマー構成成分を生成するのに使用するのに好ましいモノマー類は、好ましくは実質的に無酸である。これは、ゲル材料中のポリマーを調製するのに、酸性でないモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸)が使用されることを意味するが、使用される他のモノマー中の混入物質として存在する特定の酸性のモノマーが存在し得る。従って、「実質的に無酸」とは、ポリマーを調製するために使用されるモノマーの約2重量%未満が、酸性のモノマーであることを意味する。
本発明の硬化性組成物は、表面改質無機ナノ粒子構成成分とモノマー構成成分とを混合することにより調製されてよい。構成成分モノマー及び表面改質ナノ粒子構成成分を含む構成成分は、任意の順序で混合されてよい。一般に、無機ナノ粒子をその場で変性するのではなく、無機ナノ粒子は表面改質され、次にモノマー構成成分と混合される。
モノマー構成成分と混合する前に、無機ナノ粒子をポリ(アルキレンオキシド)基(エチレン性不飽和基に加えて)で変性することにより、硬化性組成物及びゲルの適合性及び得られた透明性が向上することが見出された。無機ナノ粒子の表面上にポリ(アルキレンオキシド)表面改質基がない場合は、1官能性マクロモノマー及び多官能性マクロモノマーを加える前に、表面改質ナノ粒子構成成分と極性モノマーとを混合することが好ましい。初めに、表面改質ナノ粒子構成成分と1官能性マクロモノマーとを混合した結果、混濁及び減少した透明性をもたらす場合があるので、これは好ましくない。
ゲル、即ち硬化組成物は、従来の重合方法により上記組成物(即ち、表面改質ナノ粒子構成成分及びモノマー構成成分)を重合することによって生成され得る。使用することが可能な典型的な重合法としては、熱重合及び/又は光化学重合、並びに塊状重合及び溶液重合が挙げられる。
典型的な溶液重合方法では、モノマー構成成分及び表面改質ナノ粒子構成成分は、溶媒及び重合開始剤の存在下で撹拌しながら加熱される。溶媒の例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、及びエチレングリコールアルキルエーテルである。これらの溶媒は、単独で、又はそれらの混合物として使用されることができる。重合開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、及びアゾビスイソブチロニトリルである。これらの重合開始剤は、単独で、又はそれらの混合物として使用されることができる。
典型的な光重合方法では、モノマー構成成分と表面改質ナノ粒子構成成分との混合物は、光重合開始剤(即ち、光開始剤)の存在下で紫外線で照射される。好ましい光重合開始剤は、ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown, NY)のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Speciality Chemical Corp.)から商品名「イルガキュア(IRGACURE)」として入手可能であり、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(イルガキュア1173)が挙げられる。特に好ましい光重合開始剤は、イルガキュア819及び2959である。
特に好ましい硬化組成物の生成方法が、米国特許第6,960,275号(ベスリー(Vesley)ら)に記載されている。
好ましくは、該方法は「シロップポリマー(syrup polymer)」技術を含み、これにより1官能性マクロモノマー及び表面改質ナノ粒子構成成分を構成成分モノマー類に溶解又は分散し、これが反応してポリマー主鎖となり、更に分子量が増加する。分子量は、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸イソオクチル、及びα−メチルスチレンなどのアルキルメルカプタンのような、当技術分野で既知の連鎖移動剤及び連鎖遅延剤(chain transfer agent)の使用を介して調節されてよい。
従って、本発明はまた、シロップポリマー混合物及びその重合された生成物も提供する。シロップポリマー混合物は、30〜約80重量%の1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマー、0〜約40重量%の極性モノマー(該1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマーとは異なる)、0〜約20重量%の疎水性モノマー、約0重量%〜20重量%の多官能性ポリ(アルキレンオキシド)マクロモノマーを含む、1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の表面改質ナノ粒子構成成分及び80〜99重量部、好ましくは90〜99重量部のモノマー混合物を含む。そのようなシロップは好ましくは、コーティング可能な組成物(典型的に、粘度が約0.3Pa.s(約300センチポアズ)〜約20Pa.s(約20,000センチポアズ)である)を生成するために、部分的に重合され(典型的に、約10〜15%の転換率)、次に、例えば裏側又は剥離ライナーにコーティングされ、その後、更に重合されてゲルを生成される。該シロップポリマー混合物は好ましくは、光重合開始剤を含有する。シロップポリマー混合物からゲルを生成する工程は好ましくは、放射線(赤外線、紫外線、可視光線、電子ビームなど、好ましくは紫外線)、熱エネルギー、又はそれらの組み合わせ(好ましくは連続して)の適用することを含む。
本発明の硬化組成物から誘導されるゲル材料は、1以上の活性物質、例えば薬理学的活性物質を含むことができる。例としては、それらに限らないが、成長因子(例えば、TGF、FGF、PDGF、EGFなど)、抗細菌剤(例えば、ペニシリン、硫酸ネオマイシン、スルホンアミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、トリメトプリム、及び他の抗生物質、並びにポピドンヨード、ヨード、銀、塩化銀、及びクロルヘキシジン)、抗真菌剤(例えば、グリセオフルビン、塩酸クロルミダゾール(chlormidazolehydrochloride)、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン(nistatin)、及びトルナフテート)、消毒薬及び防腐剤(antiseptic)(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化セタルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、エタノール、ヨード、メチルベンゼトニウム、ポピドンヨード、イソプロパノール、銀、酸化銀、乳酸銀及び塩化銀など銀の塩、トリクロサン)、局所麻酔薬(例えば、テトラカイン、ベンゾカイン、プリロカイン、プロカイン)、創傷清拭剤(debridingagent)、抗炎症剤(例えばインドメタシン、ケトプロフェン、ジクロフェナク(dichlofenac)、イブプロフェンなど)、収れん剤、酵素、栄養分(例えばビタミン、ミネラル、酸素など)、パップ用の薬(例えば、メントール、カンファー、ペパーミント、トウガラシ抽出物、カプサイシンなど)、並びに脱臭剤(例えば、ゼオライト、ケイ酸塩、キトサン、シクロデキストリンなど)が挙げられる。好ましい活性な薬剤は、ポピドンヨード、ヨード、銀、塩化銀、及びクロルヘキシジンなどの抗細菌剤である。活性な薬剤は、単独で、或いはそれらの混合物として使用されることができる。これらは、ポリマーの重合を妨げない場合に限り、本発明の反応生成物が、硬化される前又は後に加えられることができる。好ましくは、これらは、出来上がったゲル材料の機能又は透明度を妨げない量又は方法で加えられる。
任意に、ゲル材料は、ヒドロコロイドを、典型的に粒子の形で含むことができるが、これらは、ゲル材料の透明度を低下させる可能性があるので、必ずしも好ましくはない。ヒドロコロイドの例としては、それらに限らないが、植物出液水(exudate)(アラビアゴム、ガッティ(ghatti)ゴム、カラヤゴム、及びトラガカントゴム);植物の種子ゴム(ガーゴム、ローカストビーンガム、及びアカシアゴム)、海藻抽出物(寒天、アルギン、アルギン酸塩、及びカラゲニン)、穀類ガム(デンプン及び改質されたデンプン)、発酵又は微生物ガム(デキストラン及びキサンタンガム)、改質されたセルロース(ヒドロキシメチルセルロース、微結晶セルロース、及びカルボキシメチルセルロース)、ペクチン、ゼラチン、カゼインなどの天然ゴム、並びに合成ゴム(ポリビニルピロリドン、低級の(low)メトキシルペクチン、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルローカストビーンガム、及びカルボキシメチルグアーガム)、並びに水で膨潤可能又は水和可能なヒドロコロイドのようなものが挙げられる。ヒドロコロイドという用語は、水和の状態に関わらず使用される。本発明のゲル材料は好ましくは、その材料が透明である(好ましくは、ASTM D1003−00による全光線透過率が、85%超である)ような量のヒドロコロイドを含む。典型的に、ヒドロコロイドの量は、使用される場合、ゲル材料の総重量を基準として約5重量%未満である。
硬化組成物に組み込むことができる他の添加剤としては、粘度変性剤(例えば、ニュージャージー州ウェイン(Wayne, NJ)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から商品名「ガントレズ(GANTREZ)」樹脂で市販のような高分子増粘剤);連鎖移動剤又は遅延剤(例えば、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸イソオクチル、及びα−メチルスチレンなどのアルキルメルカプタン、これらのうち最後のものは、上述のように疎水性モノマーであることも可能である);着色料;指示剤;粘着付与剤;可塑剤(例えば、水、グリセリン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びBASF社(BASF Co.)から商品名「プルロニクス(PLURONICS)」で市販のものなどのそれらの混合物、並びにポリマーを可塑化する能力がある種々の低分子量化合物);酸化防止剤などが挙げられる。こうした添加剤は、当業者に知られている技術を用いて重合の前又は後のどちらかに加えることができる。好ましくは、使用される場合、これらを、ゲル材料の機能又は透明度を妨げない量及び方法で加えることができる。
好ましくは、硬化組成物は、水を含む可塑剤を実質的に含有していない。これは、少なくとも特別な包装が必要とされないので、好都合である。
更に、可塑剤は、被覆材の他の部分に移動する可能性があり、例えば、これは、被覆材の一体性に、或いは被覆材が配置される患者の体に有害である可能性がある。
任意に、硬化組成物から誘導されるゲル材料は、その少なくとも1つの主要表面上にパターン付き表面を有してよい。このパターン付き表面が、創傷面に向けられた場合、創傷と直接又は間接的に接触する吸収表面積は減少するが、創傷滲出物の吸収のための表面積を、より大きくすることができる。より重要なことは、このパターン付き表面は、吸収層が膨潤して創傷を押す傾向を減じ、膨れ上がり(mushrooming)(すなわち多孔質フィルムを通したゲル層の膨張)を防止し、更に皮膚からの接着剤層の早すぎる分離を防止することである。
ゲル材料の層の表面に付与される任意のパターンは、任意の好適なあらかじめ設定された立体的なパターンであってよい。好ましくは、このパターンは、吸収に有効な表面積を増加し、創傷への膨潤を低減し、膨れ上がりを遅らせ、及び/又は水和後の材料の一体性を高めるものである。このパターンとしては、それだけには限らないが、隆起、チャネル(channels)、山、峰、半球、角錐、円柱、円錐、ブロック、及び切頭型変形並びにそれらの組み合わせを含む数々のパターン要素を挙げることができる。このパターンは、吸収層の厚さを通して延伸する既定の形状及び大きさを有する孔を更に含み得る。
具体的なパターン要素は、好都合には、創傷、又は存在する場合表側フィルムと接する最小の表面積を呈するように選択される。最小の表面積は、ゲル材料が、創傷に向けて膨潤する、膨れ上がる、又は創傷部位に接着する傾向を更に遅れさせる。特に有用な要素としては、角錐、円錐、及びそれらの切頭型、並びに断面図で三角形である隆起が挙げられる。該要素は、x方向、y方向、又は両方向においてランダムであってもランダムでなくてもよい。製造を容易にするために、パターンは、ゲルの表面上に配置されたランダムでない一連の要素を含むことが好ましい。
所望される場合、パターンはまた、ゲル層の外側の面(すなわち、創傷面から離れたゲル層の主面)に付与されていてもよい。そのようなパターンを付与することによって、ゲル層の表面積が増加され、ゲル材料からの流体のより多くの蒸発を助長する場合がある。パターンは、ゲル材料の表側表面上のパターンと同じでも異なってもよく、パターン要素の大きさも同様であることができる。更に、ゲル材料のどちらの表面上の各要素が、表面から延伸する隆起であってよいし、表面の窪みであってよい。
所望される場合、ゲル材料は、創傷及び/又は皮膚表面と直接的に接していてよい。しかし、直接的接触を、他の好適なヒドロコロイド及びヒドロゲル吸収材料によって提供することができる。
好ましい医療物品では、ゲル材料は、総厚が一般に約250マイクロメートル(すなわちミクロン)〜約5000マイクロメートルである層を形成する。
任意に、本発明の創傷被覆材は、少なくとも2つの吸収性層(第1の吸収性層及び第2の吸収性層)を含んでよい。第1の吸収層は典型的に、第2の吸収層よりも吸収性があり、第2の吸収層よりも体積の大きな体液を保持することができる。第2の吸収層は、第1の吸収層と創傷との間に位置するように配置される。この第2の吸収層は、創傷被覆材に一体性を与え、第1の吸収層の創傷への移動を防止する。
第1の吸収層は典型的に、多官能性マクロモノマーから調製される上述のポリマーを含有する。第2の吸収層は典型的に、第1の吸収層と接して配置され、典型的に、第1の吸収層よりも体液の吸収性が低い。第2の吸収層は、4〜14個の炭素原子を有する第三級でないアルコールのアクリル酸エステルの反応生成物;親水性のエチレン性不飽和モノマー;及び極性のエチレン性不飽和モノマーを含有することができるが、第2の吸収層には他の組成物が使用することができる。一般に、第2の吸収層は、第1の吸収層(滲出が不均等に、急速に吸収される場合に、又はこれが約500%より多くを吸収する場合に、部分的に「崩壊」する場合がある)と創傷との間の「障壁」として機能する。好ましくは、第2の吸収層は、接着特性をもち(或いは感圧性接着剤であり)、創傷被覆材の全体的な一体性を高めるために機能する。これに関しては、第2の吸収層は、第1の吸収層を、創傷−表側層に(又は創傷自体に)結びつける。接着特性をもつことにより、この第2の吸収層は、滲出の吸収の調節に役立つだけでなく、被覆材の他の構成要素を物理的につなぎ合せわる。
上記の通り、第1の吸収層は典型的に、第2の吸収層よりも吸収性がかなり高く、好ましくは第2の吸収層の吸収性よりも少なくとも100パーセント高い吸収性をもつ。第1の吸収層は、室温で24時間等張食塩水に浸した後、自重の少なくとも400パーセントを吸収することが好ましい。
創傷部位とゲル層との間に流体透過性の障壁を提供するために、本発明の典型的な創傷被覆材は好ましくは、多孔性又は無孔の表側層を含む。表側層は、創傷からゲル層への水分(すなわち流体及び蒸気)の移動を可能にし、被覆材の他の構成要素から創傷を単離することがある。表側層は好ましくは、柔軟であり、可撓性であり、適合可能であり、非刺激性であり、また非感作性である。ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド又はポリエステル材料を含む、多様なポリマーのいずれかを使用してよい。更に、表側層は、水蒸気透過性フィルム、穿孔フィルム、織布−、不織布又はニットウェブ或いはスクリムの形態であってよい。好ましい表側層は、ポリウレタンフィルムを含む。
ある有用な実施形態では、表側層は、(ヒトを含めて)動物の解剖学的表面(anatomical surface)に適合可能であり、水蒸気透過度(MVTR)(チェン(Chen)、米国特許番号第5,733,570号の方法による)が、40℃で、相対湿度差(differential)80%で、少なくとも300グラム/m2/24時間であり、実質上無孔の部分全体を通して液体水に対して不透過性であり、表側層を介して創傷滲出物を通過させるための穿孔手段を包含する。これは、この場所で、滲出を貯留部に通過させるために積極的に穿孔された表側層以外は、表側層は、通常の創傷治療条件で、液体水を通さないことを意味する。
表側層の好ましい水蒸気透過率は、40℃で、相対湿度差80%で、少なくとも600グラム/m2/24時間である。表側層は感圧性接着剤層を更に含んでよい。接着剤コーティングされた表側層は好ましくは、先述のMVTRを有する。従って、表側層が、穿孔手段以外は液体水に対して不透過性である場合、接着剤は液体水に透過性であることができ、逆もまた同様である。穿孔のポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテル−アミド、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー(テキサス州ヒューストン(Houston,TX)のシェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)からのクラトン(KRATON)ブランドの熱可塑性ゴム)、及びポリ(塩化ビニル)、並びに液体水に透過性でない感圧性接着剤で覆われる米国特許番号第3,121,021号(コープランド(Copeland))に記載されるもののような多孔質又は無孔の表側層を、表側層に使用できる。任意に、これらのフィルムは、穿孔可能である。追加的多孔質材料としては、織布及び不織布基材が挙げられる。
表側層が、(1)創傷被覆材下での皮膚の浸軟が起こらないように、(2)表側層の下で蓄積される水分によって、表側層、したがって創傷被覆材が、皮膚から剥がれないように、また(3)創傷縁部の隣接を向上させるために、上述の水蒸気又は液体透過性をもつことが好ましい。好ましい表側層は、組み合わせにおいて上述の特性を有する、感圧性接着剤で任意にコーティングされた薄いポリマーフィルムである。
表側層における穿孔手段は、創傷被覆材の吸収性層中への創傷からの液体水又は創傷滲出物の通過をさせる、孔又はスリット或いは他の穿孔である。表面フィルム前面(創傷に面する表面)が、感圧性接着剤層でコーティングされている場合、該穿孔が接着剤層を通って更に延伸してよい。
裏側層は、本発明の全ての実施形態において存在してよい。好ましくは裏側層は動物解剖学的表面に適合可能で、液体水に対して不透過性であり、40℃で、相対湿度差分80%で少なくとも600グラム/m2/24時間の水蒸気透過率を有する。裏側層は、それに創傷からの滲出が通過して入る、ゲル層を取り囲む貯留部(例えばポーチ(pouch)又はエンベロープ(envelope))を形成するように、表側層との組み合わせで構築されてよい。この貯留部は、液体水又は滲出をそこから通過して出させない。代わりに、ゲル層は滲出を吸収し、滲出中の水分は、裏側層を蒸気形態で通過して大気中へと通り抜ける。該貯留部の被覆材は、創傷滲出物を、創傷部位から素早く除去させることができ、創傷部位を汚染する被覆材の外部からの液体又は細菌を防ぐ。
水蒸気を除去するために、裏側層の水蒸気透過率は少なくとも上述の通りであり、好ましくは40℃で、相対湿度差分80%で少なくとも1200グラム/m2/24時間である。
表側層及び裏側層の好ましい実施形態は、薄い適合可能なポリマーフィルムである。概してフィルムは、厚さ約12ミクロン〜約50ミクロン、好ましくは厚さ約12ミクロン〜約25ミクロンである。適合性は厚さにある程度依存するので、フィルムが薄いほど、該フィルムはより適合可能となる。ここで動物解剖学的表面に適合可能である本発明の医療用物品(例えば創傷被覆材)で利用されるフィルムについて本明細書において言及してきた。これは、本発明のフィルムが動物解剖学的表面に適用された時、表面が動く場合でも、それらが表面に適合することを意味する。好ましいフィルムは、動物解剖学的関節に適合可能である。関節が屈曲した後に非屈曲位置に戻る場合、フィルムは、伸びて関節の屈曲に対応するが、関節が非屈曲状態に戻ると関節へ適合し続けるのに十分な弾力性がある。
表側層又は裏側層として本出願人の発明に有用なフィルムの例としては、オハイオ州クリーブランド(Cleveland, OH)のB.F.グッドリッチ(B.F. Goodrich)から商品名「エスタン(ESTANE)」で入手可能なもののようなポリウレタン、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington, DE)のE.I.デュポン・デ・ネマウアーズ・アンド・カンパニー(E.I. duPont deNemours & Co.)から商品名「ハイトレル(HYTREL)」で入手で入手可能なもののようなポリエステルエラストマー(elastomeric polyester)、ポリウレタンとポリエステルのブレンド、ポリ塩化ビニル、及びエルフ−アトケム(Elf-Atochem)から商品名「ペバックス(PEBAX)」として入手可能なもののようなポリエーテル−アミドブロックコポリマーが挙げられる。本発明で使用するのに特に好ましいフィルムは、ポリウレタン及びエラストマーポリエステルフィルムである。ポリウレタン及びエラストマーポリエステルフィルムは、フィルムが良好な適合性を有するのを可能にする弾性特性を示す。特に有用なフィルムとしては、示差分水蒸気透過率(differential moisture vapor transmission rate)(MVTR)を有する「スピロソルベント(spyrosorbent)」フィルムが挙げられる。スピロソルベントフィルムを組み込む被覆材は、吸収によって創傷滲出を管理するだけでなく、滲出の量に応えて水蒸気透過特性を調節する能力を有する。そのようなスピロソルベントフィルムは、親水性であり、水蒸気透過性であり、比較的高いMVTR(湿潤)を有し、1を超える、好ましくは3:1を超える示差MVTR比(湿潤から乾燥)を有する。乾燥MVTRは約2600g/m2/24時間を超え、好ましくは約3000〜4000g/m2/24間である。裏側層として有用な、特に好ましいスピロソルベントフィルムは、ポリテトラメチレングリコール及びポリエチレングリコールポリオールを主成分とするセグメント化ポリエーテルポリウレタン尿素(segmented polyether polyurethane urea)のようなセグメント化ポリウレタンである。そのようなスピロソルベントフィルムは、米国特許番号第5,653,699号及び同第4,849,458号(リード(Reed)ら)に記載されている。
別の好適な裏側層は、液体の方向制御ができるようにするチャネルがある少なくとも1つの微細構造保有表面を有する流体制御フィルムである。このフィルムは、流体を離れた部位に移動させるのに使用して、それによって流体(例えば創傷滲出)の吐き出しを容易にできる。そのようなフィルムは、PCT国際公開特許番号第00/42958号に開示されている。
表側層、ゲル層、及び裏側層を有する多くの異なる構造の創傷被覆材が、可能である。一実施形態では、表側層及び裏側層の面積が、ゲル層よりも大きく、表側層が裏側層に結合され、それによって2層の間に配置されるゲル層を有するポーチが形成される。別の実施形態では、表側層又は裏側層のうちの1つが、ゲル層と実質的に同じ面積であり、もう1つがより大きな面積であってよい。表側層又は裏側層のうちのより大きな面積は、接着剤層及び剥離ライナーが接着し得る外縁部を形成する。更に、表側層及び/又は裏側層が、ゲル層の隣接する表面に接着又は結合して隣接層構造体を形成してよい(その中で裏側層及び表側層が、ゲル層と同一又はそれよりも大きい面積であってよい)ことを理解されたい。或いは、裏側層と表側層を互いに結合してよく、ゲル層に結合していてもしていなくてもよい。これらの最後の構造体では、ゲル層は、表側層及び裏側層の相互の接着によって作られたポーチ内に閉じ込められる。これらの層は、接着剤、ヒートシーリング(heat sealing)、又は他の結合手段などの任意の従来の手段によって互いに結合され得る。
本発明の医療物品の表側層及び裏側層は、これらが適用される創傷部位を、医療物品を通してして見ることができるように、少なくとも半透明、より好ましくは十分に透明であることが好ましい。創傷部位を不必要に手で触れることや、創傷の外部環境への曝露を避けるために、創傷被覆材の除去なしに、創傷及びその治癒を見て評価することが好都合であり、それは汚染の可能性を低下させ、被覆材が除去された場合の創傷を清浄する必要性をなくする。創傷の色、滲出、及び創傷周囲の皮膚もまた評価できるように、被覆材は透明且つ無色であることが好ましい。創傷部位の視診を可能にする表側層及び裏側層として使用するための好ましい透明フィルムとしては、オハイオ州クリーブランドのB.F.グッドリッチから商品名「エスタン」として入手可能なもののようなポリウレタンフィルム;デラウェア州ウィルミントンのE.I.デュポン・デ・ネマウアーズ・アンド・カンパニーから商品名「ハイトレル」として入手可能なもののようなポリエステルエラストマー;及びペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia, PA)のエルフ・アトケム・ノースアメリカ(Elf Altochem North America)から商品名「ペバックス」として入手可能なもののようなポリエーテルブロックアミドが挙げられる。他の有用なフィルムは、米国特許番号第4,499,896号(ハイネッケ(Heinecke))、同第4,598,004号(ハイネッケ)、及び同第5,849,325号(ハイネッケら)に記載のものである。
表側層は、その表面の感圧性接着剤以外の手段によって、創傷に接着することも可能であるが、このような接着剤を使用する方が好ましい。表側層の接着剤の存在は、通常は表側層の水蒸気透過性を低下させる。従って、表側層は、コーティングされた後にその層に多数の穿孔を加えた接着剤であることが好ましい。その結果、創傷滲出物は、穿孔の接着剤コーティングされた表側層を容易に通過することができる。好ましくは表側層及び裏側層の両方が接着剤層でプレコーティングされて、裏側層を表側層に結合し(ポーチを形成し)、表側フィルムを創傷部位に結合するのを容易にする。
表側層は、連続的でもパターンでコーティングされることができる接着剤によって、創傷部位に通常接着される。本発明の創傷被覆材で使用することができる好ましい接着剤は、米国再発行特許番号第24,906号(ウルリッチ(Ulrich))に記載されているもの、特に、アクリル酸イソオクチル単位96%とアクリルアミド単位4%のコポリマー、及びアクリル酸イソオクチル単位94%とアクリル酸単位6%のコポリマー、のような皮膚に適用される通常の接着剤である。他の有用な接着剤は、一般的な配置−A−B−A−(それぞれのAは、室温を上回る(即ち、約20℃を上回る)ガラス転移温度を有し、約5000〜125,000の間の平均分子量を有する熱可塑性ポリマーブロックであり、Bは、約15,000〜250,000の間の平均分子量を有する共役ジエンのポリマーブロックである)を有する3個以上のポリマーブロック構造を有するブロックコポリマー含む、米国特許番号第3,389,827号に記載されているものである。有用な接着剤の更なる例は、イソ−オクチルアクリレート/N−ビニルピロリドンコポリマー接着剤のようなアクリル接着剤、及び例えば米国特許番号第4,112,213号(ウォルドマン(Waldman))に記載されるもののような架橋アクリレート接着剤である。接着剤に薬剤を含めることは、創傷治癒を高めるために有用であり、ヨードなどの抗菌剤を含めることは、感染を予防するために有用である。
接着剤は、任意に米国特許番号第5,614,310号(デルガド(Delgado)ら)に記載のような低外傷特性のミクロスフェア接着剤;同第6,171,985(B1)号(ジョセフ(Joseph)ら)に記載のような低外傷特性の繊維接着剤;又は同第6,198,016(B1)号(ルカスト(Lucast)ら)、PCT国際公開特許番号第WO99/13866号、及び同第WO99/13865号に記載の接着剤のような湿潤な皮膚に対して特に良好な接着性を有するもの;米国特許出願公開第2001/0051178(A1)号(ブラッチフォード(Blatchford)ら)に開示のような多層接着剤であってよい。特に好ましい接着剤は、米国特許番号第5,849,325号(ハイネッケら)の実施例1に従って調製された、アクリル酸15重量%、アクリル酸メトキシポリエチレンオキシド400 15重量%、アクリル酸イソオクチル70重量%を含有する。
接着剤は、水又は創傷滲出物に対して透過性であるように選択してよく、或いは、接着剤は、ゲル層への滲出の流れを妨げないように、創傷被覆材の前面(すなわち創傷部位に接する面、表側層と裏側層のどちらの前面であるかに関わらず)をコーティングされたパターンであってよく、すなわち、接着剤は、創傷被覆材の外縁部でコーティングされていてよい。或いは、接着剤層が、滲出物に流体の通り道を与えるために、表側フィルムについて述べたのと同様に、穿孔されていてよい。取り扱いを容易にするために、剥離ライナーが接着剤層に接着されてよい。剥離ライナーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びフルオロカーボンからできた又はそれでコーティングされたライナー、並びにシリコーンコーティングされた剥離紙又はポリエステルフィルムである。シリコーンコーティングされた剥離紙の例は、イリノイ州シカゴ(Chicago, IL)のH.P.スミスカンパニー(H.P. Smith Co.)によって提供されるポリスリク(POLYSLIK)S−8004、135.4g/m2(83ポンド)の漂白シリコーン剥離紙、及びイリノイ州ディクソン(Dixon, IL)のドーベルト・ケミカル・カンパニー(Daubert Chemical Co.)によって提供される130.5g/m2(80ポンド)の両面(two-sided)漂白シリコーンコーティングされた紙(2−80−BKG−157)である。
本発明の創傷被覆材はまた、被覆材を創傷へより容易に適用できるようにするフレームを含んでよい。該フレームは、取り扱い及び創傷部位への適用中に被覆材の形状を保持する、比較的硬質の材料からできている。該フレームは、一般に裏側フィルムの裏面に剥離可能なように接着され、創傷被覆材の適用後に除去される。好適なフレームは、米国特許番号第5,531,855号(ハイネッケら)及び同第5,738,642号(ハイネッケら)に記載されている。
従来の成形技術によって、ゲル材料に、任意のパターン付き表面を付与し得る。或いは、エンボス技術を用いて所望のパターンを付与し得る。そのような技術の例は、PCT国際公開特許番号第WO01/60296(A1)号に記載されている。
本発明の理解を助けるために、以下の実施例を提供するが、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。別段の指定がない限り、部及び百分率は全て、重量によるものである。
これらの実施例は例示のみを目的としたものであり、添付の請求項の範囲を制限することを意味するものではない。特に記載のない限り、実施例及びこれ以降の明細書に記載される部、百分率、比率等は全て、重量による。使用される溶媒及びその他の試薬は、特に記載のない限り、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)のシグマ−アルドリッチ・ケミカル社(Sigma-Aldrich Chemical Company)から入手した。
Figure 2009538376
試験方法
吸収性
例示の組成物それぞれの吸収性を、厚さ約1.1ミリメートルの2×2平方センチメートルの硬化組成物の重量を量り、それを「乾燥重量」として記録することにより決定した。次に、サンプルを、約200ミリリットルの水性NaCl0.9重量%に24時間浸漬し、溶液から取り出して、1分間過剰な液体を垂らさせた。サンプルの重量を再度量り、この重量を「湿潤重量」として記録した。次式に従って、それぞれのサンプルの吸収性をサンプル重量の増加として計算し、乾燥重量のパーセンテージとして示した。
[(湿潤重量−乾燥重量)/乾燥重量]*100=吸収性
熱重量分析
TAインスツルメンツ社(TA Instruments)のTGA2950を用い、アルミニウム製のパンの中で窒素パージ下で10℃/分の割合でサンプルを550℃に加熱し、熱重量分析(TGA)を行った。次に、重量%シリカを、加熱後の残留質量に基づき測定した。
圧縮試験
TAインスツルメンツ社のDMA Q800を用いて膨潤フィルムの圧縮試験を行った。フィルムを、約200ミリリットルの水性NaCl0.9重量%に24時間浸漬し、溶液から取り出して、迅速に試験した。試験したサンプルの直径は、8ミリメートル、厚さは、約1ミリメートルであった。サンプルC5及び21〜23の厚さは、3ミリメートルであった。5%/分の速度で、サンプルが破壊するまでひずみを与えた。破壊されなかったサンプルは全て、機器の負荷制限に達した時に停止した。この応力をサンプルに対する対応するひずみで除すことによって、0.08MPaでの割線係数を算出した。
分取実施例1:PEO/PPO−シラン1の調製
ガラスの反応槽内のジェファーミンXJT−506(50.32グラム)を40℃に加熱し、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(10.33グラム)を加えた。10分間振盪した後、PEO/PPO−シランのろう状固体に徐々に結晶化する黄色溶液が生成された。
分取実施例2:PEO/PPO−シラン2の調製
ガラスの反応槽内に、ジェファーミンM−2070(100.00グラム)及び3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(12.37グラム)を加えた。30分間振盪した後、PEO/PPO−シラン2の黄色溶液が生成された。
分取実施例3:PEG−メタクリレート−シランの調製
ガラスの反応槽内に、ポリ(エチレングリコール(400)モノメタクリレート(ポリサイエンス社(Polysciences))(50.00グラム)、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(19.51グラム)、トリエチルアミン(9.60グラム)、及びブチル化ヒドロキシトルエン(0.01グラム)を加えた。該内容物を、45℃で3時間加熱した。残留トリエチルアミンを、真空下で除去して生成物を得た。
(実施例1):
PEO/PPO−シラン1(21.6グラム、0.018モル)、シルケストA−174(4.48グラム、0.018モル)及び1−メトキシ−2−プロパノール(150グラム)の溶液を、ナルコ2326(100.00グラム)に、15分かけて徐々に加えた。24時間機械的撹拌しながら混合物を80℃に加熱した。冷却後、M−PEG400A(30.00グラム)を加え、混合物を真空下に定置して溶媒を除去した。澄んで透明な溶液を得た(68.91グラム)。
(実施例2):
シルケストA−174(13.43グラム、0.054モル)及び1−メトキシ−2−プロパノール(175グラム)の溶液を、ナルコ2326(150.00グラム)に、15分かけて徐々に加えた。24時間機械的撹拌しながら混合物を80℃に加熱した。冷却後、HEMA(34.6グラム)を加え、混合物を真空下に定置して溶媒を除去した。澄んで透明な溶液を得た(87.5グラム)。
(実施例3):
PEO/PPO−シラン2(30.00グラム、0.015モル)、シルケストA−174(2.46グラム、0.010モル)及び1−メトキシ−2−プロパノール(150グラム)の溶液を、ナルコ2327(100.00グラム)に、15分かけて徐々に加えた。24時間機械的撹拌しながら混合物を80℃に加熱した。冷却後、M−PEG300MA(80.0グラム)を加え、混合物を真空下に定置して溶媒を除去した。澄んで透明な溶液を得た(154.2グラム)。
(実施例4):
PEO/PPO−シラン2(15.00グラム、0.007モル)、シルケストA−174(1.23グラム、0.005モル)及び1−メトキシ−2−プロパノール(75グラム)の溶液を、ナルコ2327(50.00グラム)に、15分かけて徐々に加えた。24時間機械的撹拌しながら混合物を80℃に加熱した。冷却後、M−PEG A400(40.0グラム)を加え、混合物を真空下に定置して溶媒を除去した。澄んで透明な溶液を得た(79.1グラム)。
(実施例5):
ナルコ2326(50.00グラム)に、PEG−メタクリレート−シラン(14.33グラム、0.007モル)及び1−メトキシ−2−プロパノール(75グラム)の溶液を10分かけて徐々に加えた。24時間機械的撹拌しながら混合物を95℃に加熱した。冷却後、上記溶液30グラム及びM−PEG A400(7.5グラム)を混合し、混合物を真空下に定置して全ての溶媒を除去した。澄んで透明な溶液を得た。
実施例6〜22及び比較実施例C1〜C5:
実施例6〜23及び比較実施例C1〜C4では、表1の構成成分をバイアル瓶の中で混合することによって一連のフィルムを調製した。混合物を窒素で10分間パージし、次に、正方形のテフロン(登録商標)(TEFLON(登録商標))金型(39×39×1.5ミリメートル)に流し込んだ。次に、PETフィルムの層をフィルムの上に定置した。この作成物を、シルバニア(Sylvania)F40/350BLランプ(マサチューセッツ州ダンバーズ(Danvers, MA)のオスラム・シルバニア社(OSRAM SYLVANIA)から入手可能)を用い、該サンプルをランプから約2.5センチメートル離して30分感照射した。それぞれの例示の組成物の吸収性を、上記に掲載した吸収性試験方法(Absorbency test method)を用いて測定した。吸収性試験及びそのデータは、表8に記載されている。更に、上記に掲載したTGA分析及び圧縮試験法に従ってサンプルを試験し、そのデータを表8に記載した。
Figure 2009538376
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Claims (22)

  1. 硬化性組成物であって、
    a)1〜20重量部のエチレン性不飽和基を有する平均粒子サイズが20ナノメートル以下の表面改質ナノ粒子構成成分と、
    b)ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する1官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーを含む80〜99重量部のモノマー構成成分と、を含む硬化性組成物。
  2. 前記1官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーが、次式、
    6−Q−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O−)n−R2
    (式中、
    6は、エチレン性不飽和重合性基であり、
    1は、(C1〜C4)アルキル基であり、
    2は、H又はR1であり、
    Qは、−O−、−S−又は−NR2−であり、
    nは少なくとも5であり、mは0であってよく、n+mは少なくとも5であり、n:mのモル比は少なくとも2:1である。)による、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. mが少なくとも1であり、mに対するnのモル比(n:m)が2:1を超える、請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 6が、
    Figure 2009538376
    (式中、R1は、C1〜C4のアルキルであり、
    2は、H又はR1であり、
    5は、芳香族基、脂肪族基、脂環式基、又はそれらの組み合わせであり、
    Wは、アルキレン基又はポリ(アルキレンオキシド)基であり、r=2−10である。)から選択される、請求項2に記載の硬化性組成物。
  5. 前記モノマー構成成分が、ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する多官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーを更に含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記多官能性マクロマーが、次式、
    6−Q−(CH(R1)−CH2−O−)m−(CH2−CH2−O)n−R7
    (式中、
    6及びR7は、それぞれ独立してエチレン性不飽和重合性基であり、
    1は、(C1〜C4)アルキル基であり、
    2は、H又はR1であり、
    Qは、−O−、−S−又は−NR2−であり、
    nは少なくとも5であり、mは0であってよく、n+mは少なくとも5であり、n:mのモル比は少なくとも2:1である。)による、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記モノマー構成成分が、
    a)ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する30〜80重量%の1官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーと、
    b)5〜40重量%の極性モノマーと、
    c)0〜20重量%の疎水性モノマーと、
    d)0〜20重量%の、ポリ(アルキレンオキシド)部分を有する多官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーと、を含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 0.1〜20重量%の前記多官能性ポリ(アルキレンオキシド)フリーラジカル重合可能なマクロモノマーを含む、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記表面改質ナノ粒子が、親水性のポリ(アルキレンオキシド)基を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記表面改質ナノ粒子が、エチレン性不飽和基を有する第1の表面改質剤及びポリ(アルキレンオキシド)基を有する第2の表面改質剤で変性される無機ナノ粒子を含む、請求項9に記載の硬化性組成物。
  11. 前記ナノ粒子が、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化鉄、ジルコニア、バナジア、及びチタニアから選択されるか、それらの混合である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  12. 表面改質前の前記ナノ粒子相の前記粒子の平均粒子サイズが、10ナノメートル未満である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  13. 前記第1の表面改質剤が、次式、Y−R3−Si−(OR4b(R43-b(式中、
    3は、共有結合又は多価炭化水素架橋基であり、
    Yは、エチレン性不飽和重合性基であり、
    4は独立して、酸素、窒素、及び/又は硫黄原子で利用可能な部位で任意に置換される1〜8個の炭素原子のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、bは1〜3である。)による、請求項10に記載の硬化性組成物。
  14. 3が、ポリ(アルキレンオキシド)基である、請求項13に記載の硬化性組成物。
  15. 前記第2の表面改質剤が、次式、R2−(OCH2CH2−)n(OCH2CH(R1m−Q’−R3−Si−(OR4b(R43-b(式中
    Q’は、二価の連結基であり、
    1は、C1〜C4アルキル基であり、
    2は、R1又はHであり、
    3は、共有結合又は二価の炭化水素架橋基であり、
    4は独立して、カテナリー酸素、窒素及び/又はイオウ原子で任意に置換される1〜8個の炭素原子のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、
    nは少なくとも5であり、mは0であってよく、及びn:mのモル比は少なくとも2:1であり、
    bは1〜3である。)による、請求項10に記載の硬化性組成物。
  16. 親水性のポリ(アルキレンオキシド)基の前記無機ナノ粒子の表面上のエチレン性不飽和基に対する割合が、1:10〜10:1である、請求項10に記載の硬化性組成物。
  17. 前記第1の表面改質剤が、前記無機ナノ粒子の表面上の利用可能な官能基の10〜90%と反応するのに十分な量で使用される、請求項10に記載の硬化性組成物。
  18. 前記極性モノマーが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、モノ−又はジ−N−アルキル置換型アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、[2−(メタ)(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド、[2−(メタ)(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項7に記載の硬化性組成物。
  19. 多官能性マクロモノマー、極性モノマー、1官能性ポリ(アルキレンオキシド)モノマー、及び疎水性モノマーのコポリマーを含む、請求項7に記載の硬化性組成物。
  20. 請求項1に記載の硬化組成物。
  21. 少なくとも100%の吸収性を有する、請求項1に記載の硬化組成物。
  22. ASTM D1003−00による85%を超える光透過率を有する、請求項22に記載の硬化組成物。
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