JP2009538312A - イミダゾアゼピノン化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式I:[式Iの挿入]の化合物とともに、同一物を含有する医薬組成物ならびに自己免疫疾患を治療するためのそれらの使用方法に関する。

Description

抗原に遭遇すると、ナイーブCD4+Tヘルパー前駆体(Thp)細胞は、別個の2つのサブセットである1型Tヘルパー(Th1)および2型Tヘルパー(Th2)に分化する。これらの分化したTh細胞は、それらの別個の機能的能力および固有のサイトカインプロファイルの両方によって規定される。詳細には、Th1細胞は、マクロファージを活性化し、細胞媒介性免疫および食細胞依存性防御応答に対する責任を負っているインターフェロン−γ、インターロイキン(IL)−2、および腫瘍壊死因子(TNF)−βを産生する。対照的に、Th2細胞は、強力な抗体産生、好酸球活性化、およびいくつかのマクロファージ機能の阻害に対して責任を負っており、したがって食細胞非依存性防御応答を提供するIL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10およびIL−13を産生することが公知である。したがって、Th1およびTh2細胞は異なった免疫病理的応答と関連している。
さらに、各タイプのTh細胞の発達は、異なるサイトカイン経路によって媒介される。詳細には、IL−4はTh2分化を促進し、同時にTh1の発生を遮断することが証明されている。対照的に、IL−12、IL−18およびIFN−γは、Th1細胞の発生に極めて重要なサイトカインである。したがって、サイトカイン自体が、Th分極化を駆動してTh1およびTh2の間の平衡を保持する正および負のフィードバックシステムを形成する。
Th1細胞は様々な臓器特異的自己免疫障害、クローン(Crohn)病、ヘリコバクター・ピロリ菌誘発性消化性潰瘍、急性腎臓同種移植片拒絶反応、および原因不明の反復流産の病因に関与している。対照的に、アレルゲン特異的Th2応答は、遺伝的に高感受性の個人におけるアトピー性疾患に対して責任を負っている。さらに、未知の抗原に対するTh2応答は、オーメン(Omenn)症候群、特発性肺線維症、および進行性全身性硬化症において優勢である。
不均衡なTh1/Th2細胞分化に関連する様々な状態を治療する際に有用である新規な治療的処置を開発するという未だ満たされていない高度の医療的ニーズが残されている。これらの状態の多数にとって、現在利用できる治療選択肢は不適切である。したがって、Th1/Th2パラダイムは、アレルギー性疾患および自己免疫障害を治療するための戦略開発の理論的根拠を提供する。
本明細書で記載するように、本発明は、式I
Figure 2009538312
(式中、
Qは、−C(R)(R)−もしくは−CH=CH−(シスまたはトランス)であり、
およびRは、H、C1−3アルキル、C2−4アルケニルから独立して選択される、または一緒になってC1−6アルキリデンもしくはC2−6アルケニレニデンであり、
、R、R、およびRの各々は、水素およびメチルから独立して選択され、
Xは、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、およびハロから独立して選択される0〜5個の置換基で置換されており、
は、H、メチル、エチル、プロペニル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、またはチエニルであり、このときRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、かつ
、R、およびRの各々は、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、およびフェノキシから独立して選択されるか、または一緒になったRおよびR、ならびに、RおよびRから選択される1つの対は、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−である)の化合物、またはそれらの医薬上許容される塩、C1−6アルキルエステルもしくはアミド、またはC2−6アルケニルエステルもしくはアミドを提供する。
他の実施形態では、本発明は、式Iまたはそのサブセットもしくは実施例の化合物を含む医薬組成物を提供する。所定の実施形態では、本医薬組成物は、自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、乾癬、アテローム硬化症など)のために有用である。
その他の実施形態は、薬剤の製造における、式I、またはそのサブセットもしくは実施例の化合物の使用を提供する。所定の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、乾癬、アテローム硬化症)を治療するための薬剤の製造における、式I、またはそのサブセットもしくは実施例の化合物の使用を提供する。
本明細書では、本発明のその他の態様について開示する。
A.用語の定義
本発明の化合物には、一般に上述した化合物が含まれるが、詳細には本明細書に開示した実施形態、下位実施形態、および種類によって例示する。本明細書で使用するように、他に特に指示されない限り、以下の用語の定義が適用されるものとする。
本明細書で記載するように、本発明の化合物は、任意で1個または複数の置換基、例えば上記で一般に例示されている、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種類によって例示する化合物で任意に置換されてよい。一般に、用語「置換(された)」は、所与の構造内の水素ラジカルと規定置換基のラジカルとの置換を指す。他に特に指示しない限り、置換基は、基の各置換可能な位置で置換基を有する可能性があり、任意の所与の構造内に2つ以上の位置が規定基から選択された2個以上の置換基で置換されてよい場合は、置換基は各位置で同一であっても異なっていてもよい。本発明によって想定された置換基の組み合わせは、好ましくは安定性もしくは化学的に実現可能な化合物の形成を生じさせる組み合わせである。
用語「安定性」は、本明細書で使用するように、それらの製造、検出、ならびに好ましくは本明細書に開示した目的の1つまたは2つ以上のためのそれらの回収、精製、および使用を可能にする条件を受けさせた場合に実質的に変化しない化合物を指す。一部の実施形態では、安定性化合物もしくは化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間に、水分もしくは他の化学的反応条件の不在下で、40℃以下の温度で維持された場合に実質的に変化しない化合物である。
用語「アルキル」もしくは「アルキル基」は、本明細書で使用するように、完全に飽和している直鎖状(即ち、非分枝状)、分枝状、または環状炭化水素鎖を指す。所定の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。他の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、アルキル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。所定の実施形態では、用語「アルキル」もしくは「アルキル基」は、炭素環としても公知であるシクロアルキル基を指す。代表的なC1−3アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびシクロプロピルが含まれる。
用語「アルケニル」もしくは「アルケニル基」は、本明細書で使用するように、1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状(即ち、非分枝状)、分枝状、または環状炭化水素鎖を意味する。所定の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、アルケニル基は、3〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有する。また別の態様によると、用語「アルケニル」は、「ジエン」とも呼ばれる2つの二重結合を有する直鎖状炭化水素を指す。他の実施形態では、用語「アルケニル」もしくは「アルケニル基」は、シクロアルケニル基を指す。代表的なC2−4アルケニル基には、−CH=CH、−CHCH=CH(アリルとも呼ばれる)、−CH=CHCH、−CHCHCH=CH、−CHCH=CHCH、−CH=CHCHCH、−CH=CHCH=CHおよびシクロブテニルが含まれる。
用語「アルコキシ」、もしくは「アルキルチオ」は、本明細書で使用するように、以前に規定されたように酸素(「アルコキシ」)もしくは硫黄(「アルキルチオ」)原子を通して炭素主鎖に結合したアルキル基を意味する。
本明細書で使用するように、用語「メチレン」、「エチレン」、および「プロピレン」は、二価部分である−CH−、−CHCH−および−CHCHCH−を各々指す。
本明細書で使用するように、用語「エテニレン」、「プロペニレン」、および「ブテニレン」は、二価部分である−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CHCH=CH−、−CH=CHCHCH−、−CHCH=CHCH−および−CHCHCH=CH−を指し、各エテニレン、プロペニレンおよびブテニレン基は、シスまたはトランス配列にあってよい。所定の実施形態では、エテニレン、プロペニレンもしくはブテニレン基は、トランス配列にあってよい。
本明細書で使用するように、用語「アルキリデン」は、メチレンのモノもしくはジアルキル置換によって形成される二価炭化水素基を指す。所定の実施形態では、アルキリデン基は、1〜6個の炭素原子を有する。他の実施形態では、アルキリデン基は、2〜6個、1〜5個、2〜4個または1〜3個の炭素原子を有する。そのような基には、プロピリデン(CHCHCH=)、エチリデン(CHCH=)およびイソプロピリデン(CH(CH)CH=)などが含まれる。
本明細書で使用するように、用語「アルケニリデン」は、メチレンのモノもしくはジアルケニル置換によって形成される1つまたは2つ以上の二重結合を有する二価炭化水素基を指す。所定の実施形態では、アルケニリデン基は、2〜6個の炭素原子を有する。他の実施形態では、アルケニリデン基は、2〜6個、2〜5個、2〜4個または2〜3個の炭素原子を有する。1つの態様によると、アルケニリデンは、2つの二重結合を有する。代表的なアルケニリデン基には、CH=CH=C、CH=CHCH=、CH=CHCHCH=およびCH=CHCHCH=CHCH=が含まれる。
本明細書で使用するように、用語「C1−6アルキルエステルもしくはアミド」は、C1−6アルキルエステルもしくはC1−6アルキルアミドを指すが、このとき各C1−6アルキル基は上記に規定したとおりである。そのようなC1−6アルキルエステル基は、式(C1−6アルキル)OC(=O)もしくは(C1−6アルキル)C(=O)O−の基である。そのようなC1−6アルキルアミド基は、式(C1−6アルキル)NHC(=O)−もしくは(C1−6アルキル)C(=O)NH−の基である。
本明細書で使用するように、用語「C2−6アルケニルエステルもしくはアミド」は、各C2−6アルケニル基が上記に規定したとおりであるC2−6アルケニルエステルもしくはC2−6アルケニルアミドを指す。そのようなC2−6アルケニルエステル基は、式(C2−6アルケニル)OC(=O)−もしくは(C2−6アルケニル)C(=O)O−の基である。そのようなC2−6アルケニルアミド基は、式(C2−6アルケニル)NHC(=O)−もしくは(C2−6アルケニル)C(=O)NH−の基である。
他に特に指示しない限り、本明細書で使用する化学基もしくは部分を記載するために使用される術語は、名称を左から右に読み、分子の残余への結合点が名称の右側にあるという慣例に従う。例えば、基「(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル」は、アルキル末端で分子の残余に結合している。その他の例には、結合点がエチル末端にあるメトキシエチル、および結合点がアミン末端にあるメチルアミノが含まれる。
他に特に指示しない限り、二価基が、「−」によって指示される2つの末端結合成分を含む化学式によって記載される場合は、結合が左から右へ読まれることは理解される。例として、Xが−CHCH=CH−である場合は、Xは左側のメチレンではヒダントインコアの窒素に結合し、Xは右側のメチレンでRに結合している。
他に規定しない限り、本明細書に示した構造は、その構造のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何学的(もしくは立体配座的))形態;各不斉中心に対するRおよびS立体配座、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体配座異性体を含むこともまた意図されている。所定の実施形態では、式IのQ基が二重結合を含む場合は、その二重結合はシス(E)またはトランス(Z)立体配座にあってよい。このため、本発明の化合物の単一立体化学異性体ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座的)混合物は、本発明の範囲内に含まれる。他に特に規定しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体は、本発明の範囲内に含まれる。さらに、他に特に規定しない限り、本明細書に示した構造は、1個または2個以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含むこともまた意図されている。例えば、ジューテリウムもしくはトリチウムによる酸素の置換、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換を除く本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内に含まれる。そのような化合物は、例えば、生物学的分析における分析用ツールもしくはプローブとして有用である。
本明細書で使用するように、用語「治療」、「治療する」および「治療する工程」は、本明細書に記載した疾患もしくは障害を逆転させる、緩和する、発生を遅延する、進行を阻害する、または予防することを意味する。一部の実施形態では、治療は、1つまたは2つ以上の症状が発生した後に施すことができる。他の実施形態では、治療は、症状の不在下で施すことができる。例えば、治療は、症状が発生する前に(例えば、症状の履歴を考慮して、および/または、遺伝的もしくは他の感受性因子を考慮して)高感受性の個人に施すことができる。治療は、例えば、それらの再発を予防または遅延させるために、症状が消散した後に継続することもできる。
B.化合物
1つの実施形態では、本発明は、式I
Figure 2009538312
(式中、
Qは、−C(R)(R)−もしくは−CH=CH−(シスまたはトランス)であり、
およびRは、H、C1−3アルキル、C2−4アルケニルから独立して選択される、または一緒になってC1−6アルキリデンもしくはC2−6アルケニレニデンであり、
、R、R、および、Rの各々は、水素およびメチルから独立して選択され、
Xは、メチレン、エチレン、もしくは、プロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、および、ハロから独立して選択される0〜5個の置換基で置換されており、
は、H、メチル、エチル、プロペニル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、および、チエニルであって、このときRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、および、シクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、かつ
、R、および、Rの各々は、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、および、フェノキシから独立して選択され、
または一緒になったRおよびR、ならびに、RおよびRから選択される1つの対は、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−である)の化合物、またはそれらの医薬上許容される塩、C1−6アルキルエステルもしくはアミド、または、C2−6アルケニルエステルもしくはアミドを提供する。
所定の実施形態では、Qは、−C(R)(R)−であり、このときRおよびRは、H、メチル、エチルから独立して選択される、または一緒になってCH=、アリリデン、プロピリデン、プロペニリデン、もしくは、エチリデンである。他の実施形態では、RおよびRは、Hおよびメチルから独立して選択される、または一緒になってCH=である。別の実施形態によると、RおよびRは、H、メチル、エチルから独立して選択される、または一緒になってプロピリデン、アリリデン、もしくは、CH=である。所定の実施形態では、RおよびRの各々は、H、メチル、および、エチルから独立して選択される。他の実施形態では、RおよびRの一方はHであり、他方はメチルもしくはエチルである。さらに他の実施形態では、RおよびRの一方はメチルであり、他方はHである。さらに別の態様は、式I(式中、RおよびRは、Hである)の化合物を提供する。さらに別の実施形態によると、RおよびRは、一緒になってプロピリデン、ビニリデン、もしくは、CH=である。
上記で概して規定したように、Xは、メチレン、エチレン、もしくは、プロペニレンである。所定の実施形態では、Xは、メチレンもしくはエチレンである。他の実施形態では、Xは、トランス配列にある−CHCH=CH−である。
所定の実施形態では、R、R、R、および、Rの各々は、水素である。
1つの実施形態によると、Rは、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、もしくは、ナフチルであり、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、ブロモ、フルオロ、および、クロロから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されている。別の実施形態によると、Rは、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、もしくは、ナフチルであり、水素、フルオロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、および、ブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されている。所定の実施形態では、Rは、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、もしくは、ナフチルであり、メチル、メトキシ、フルオロ、および、ブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されている。他の実施形態では、Rは、フェニル、4−キノリニル、5−キノリニル、8−キノリニル、5−イソキノリニル、3−インドリル、N−メチル−3−インドリル、5−キノキサリニル、1−ナフチル、もしくは、2−ナフチルであり、メチル、メトキシ、および、ブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換もしくはさらに置換されている。さらに他の実施形態では、Rは、以下の置換基、2位でフルオロ、メチルもしくはヒドロキシル;3位で水素、メチルもしくはメトキシ;および、5位で水素、メチル、もしくは、メトキシを有するフェニルである。他の態様によると、Rは、2−フルオロ−3,5−ジメチルフェニル、2−フルオロ−3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル、2,3−ジメチル、もしくは、2−メチル−3,5−ジメトキシフェニルである。
1つの実施形態によると、Rは、H、メチル、エチル、メトキシエチル、メチルチオエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、もしくは任意で置換されたフェニルである。別の実施形態によると、Rは、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、もしくは、フェニルであり、このときフェニルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されている。所定の実施形態では、Rは、ベンジル、フェニル、(ピロリル)フェニル、もしくは、(ピラゾリル)フェニルである。他の実施形態では、Rは、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、もしくは、メトキシエチルである。さらに他の実施形態では、Rは、メチル、エチル、メトキシ、エチル、または、ヒドロキシエチルである。
所定の実施形態では、R、R、および、Rの各々は、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、および、クロロから独立して選択される。他の実施形態では、R、R、および、Rの各々は、水素、メトキシ、および、フルオロから独立して選択される。さらに他の実施形態では、Rは、メトキシもしくはフルオロである。別の実施形態によると、RおよびRは、メトキシもしくはフルオロである。
また別の態様によると、本発明は、式I(式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRは、H、メチル、エチルから独立して選択される、または一緒になってCH=、アリリデン、プロピリデン、プロペニリデン、もしくはエチリデンであり、
、R、R、およびRの各々は、水素であり、
Xは、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、もしくはナフチルであり、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、ブロモ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
は、H、メチル、エチル、メトキシエチル、メチルチオエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、もしくは(第0030段落に記載されたように)任意で置換されたフェニルであり、および
、R、およびRの各々は、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される)の化合物を提供する。
また別の態様によると、本発明は、式I(式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRは、Hおよびメチルから独立して選択される、または一緒になってCH=であり、
、R、R、およびRの各々は、水素であり、
Xは、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、もしくはナフチルであり、水素、フルオロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、およびブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
は、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、もしくはフェニルであり、このときフェニルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されており、かつ
、R、およびRの各々は、水素、メトキシ、およびフルオロから独立して選択される)の化合物を提供する。
本発明のさらに別の態様は、式I(式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRは、H、メチル、エチルから独立して選択される、または一緒になってプロピリデン、アリリデン、もしくはCH=であり、
、R、R、およびRの各々は、水素であり、
Xは、メチレンもしくはエチレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、もしくはナフチルであり、メチル、メトキシ、フルオロ、およびブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、かつ
は、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、もしくはフェニルであり、このときフェニルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されている)の化合物を提供する。
所定の実施形態では、本発明は、式I(式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRの一方はHであり、他方はメチルもしくはエチルであり、
、R、R、およびRの各々は、水素であり、
は、以下の置換基、2位でフルオロ、メチルもしくはヒドロキシル;3位で水素、メチルもしくはメトキシ;および5位で水素、メチル、もしくはメトキシを有するフェニルであり、および
は、メチル、エチル、メトキシ、エチル、もしくはヒドロキシエチルである)の化合物を提供する。
上述したすべての実施形態、クラスおよびサブクラスは単独および組み合わせの両方が企図されていることは理解される。
式Iの代表的な化合物は、実施例のセクションおよび以下の表1〜2に記載されている。そこで本発明の化合物の特定の実施例には、
Figure 2009538312
およびそれらの医薬上許容される塩が含まれるがそれらに限定されない。
C.用途、調製物および投与
医薬上許容される組成物。本明細書に記載した化合物および組成物は、一般にTh1細胞の形成を阻害するために有用である。特別には、これらの化合物、およびそれらの組成物は、T−betシグナリング経路の直接的または間接的阻害剤として有用である。そこで、本発明の化合物および組成物は、このためにTh1細胞および/またはT−betシグナリング経路によって媒介される疾患および疾患の症状を治療するためにも特に適合する。
1つの特定の実施形態では、本発明の化合物および組成物は、T−betシグナリング経路の直接的または間接的阻害剤であり、そこで本化合物および組成物は、T−betシグナリング経路と関連する疾患または疾患の症状を治療する、またはそれらの重症度を軽減するために特に有用である。
用語「患者」または「被検体」は、本明細書で使用するように、動物の、好ましくは哺乳動物の、および最も好ましくはヒトの患者または被検体を意味する。
所定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物を含む組成物を提供する。他の実施形態では、本発明は、表1および2に記載した化合物のいずれかを含む組成物を提供する。別の態様によると、本発明は、ER−819724、ER−819755、ER−819750、ER−819749、ER−819735から選択される化合物を含む組成物を提供する。さらに別の態様によると、本発明は、ER−819543、ER−819549、ER−819543、ER−819701、ER−819544、ER−819594、ER−819647、ER−819657、ER−819659、およびER−819592から選択される化合物を含む組成物を提供する。他の実施形態では、本発明は、ER−819595、ER−819597、ER−819641、ER−819673、ER−819651、ER−819583、ER−819604、ER−819593、ER−819658、およびER−819648から選択される化合物を含む組成物を提供する。さらに他の実施形態では、本発明は、ER−819602、ER−819689、ER−819646、ER−819655、ER−819703、ER−819667、ER−819601、ER−819605、ER−819652、ER−819688、ER−819603、ER−819642、およびER−819628から選択される化合物を含む組成物を提供する。さらに別の実施形態は、ER819−891、ER−ER−819772、ER−819771、ER−819770、ER−819769、ER−819768、およびER−819767から選択される化合物を含む組成物を提供する。所定の実施形態では、本発明は、ER−819556、ER−819557、ER−819558、およびER−819752から選択される化合物を含む組成物を提供する。さらに別の実施形態は、ER−819877、ER−819878、ER−819879、ER−819882、およびER−819763から選択される化合物を含む組成物を提供する。
用語「医薬上許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」は、それと一緒に調製される化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本発明の組成物中に使用できる医薬上許容される担体、アジュバントもしくはビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、カリウム溶媒和物、飽和植物性脂肪酸、水、塩もしくは電解質の部分グリセリド混合液、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとする物質、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルローズナトリウム塩、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
本発明の化合物の医薬上許容される塩には、医薬上許容される無機および有機の酸および塩基に由来する塩が含まれる。適切な酸性塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ブチル酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、硫酸ドデシル、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。その他の酸、例えばシュウ酸は、それ自体は医薬上許容されないが、本発明の化合物およびそれらの医薬上許容される酸付加塩を入手する際の中間物として有用な塩の調製においては使用できる。
適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN+(C1−4アルキル)塩が含まれる。本発明は、本明細書に開示した化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化もまた想定している。そのような四級化によって、水溶性または脂溶性または分散性生成物を入手できる。
本発明の組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所的、経直腸、経鼻孔、経口腔、経膣または埋込みリザーバーによって投与できる。本明細書で使用する用語「非経口」には、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、クモ膜下、肝内、病巣内および頭蓋内注射もしくは注入技術が含まれる。好ましくは、本組成物は、経口、腹腔内または静脈内投与される。本発明の組成物の無菌注射剤型は、水性または油性懸濁剤であってよい。これらの懸濁剤は、適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を用いて、当分野において公知の技術にしたがって調製できる。無菌注射可能製剤は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤もしくは溶剤、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての無菌注射可能溶液もしくは懸濁剤であってもよい。使用できる、特に適合するビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液であってよい。さらに、無菌の固定油は、慣習的に溶媒もしくは懸濁媒として使用される。
このためには、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の銘柄の固定油を使用できる。オレイン酸などの脂肪酸およびそれらのグリセリド誘導体は注射可能物質の調製において有用であり、天然の医薬上許容される油、例えば、特にポリオキシエチル化形にあるオリーブ油もしくはヒマシ油も同様である。これらの油溶液もしくは懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースまたはエマルジョンもしくは懸濁剤を含む医薬上許容される剤形の調製物において一般に使用される同様の分散剤をさらに含有していてよい。その他の一般に使用される界面活性剤、例えばTween類、Span類およびその他の乳化剤もしくは医薬上許容される固体、液体、または他の剤形の製造において一般に使用されるバイオアベイラビリティ増強剤もまた調製の目的に使用できる。
本発明の医薬上許容される組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤もしくは液剤を含むがそれらに限定されない任意の経口用の許容される剤形において経口投与することができる。経口使用するための錠剤の場合には、一般に使用される担体には、ラクトースおよびコーンスターチが含まれる。潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムもまた、典型的に加えられる。カプセル形で経口投与するためには、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液が経口使用するために必要とされる場合は、有効成分は乳化剤および懸濁剤と結合される。所望であれば、所定の甘味料、フレーバー剤もしくは着色剤もまた添加できる。
または、本発明の医薬上許容される組成物は、直腸投与するための坐剤の形態で投与されてよい。これらは、作用物質を室温では固体であるが直腸温度では液体であり、このため直腸内で融解して薬物を遊離する適切な非刺激性賦形剤と混合する工程によって調製できる。そのような物質には、カカオ脂、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の医薬上許容される組成物は、特に治療標的が眼、皮膚、または下部消化管の疾患を含む局所適用によって容易に接近可能な領域もしくは器官が含まれる場合には局所投与することもできる。適切な局所用調製物は、これらの領域もしくは器官各々について容易に調製される。
下部消化管のための局所適用は、直腸坐剤調製物(上記を参照)または適切な浣腸製剤において実行できる。局所的経皮パッチもまた使用できる。
局所適用のためには、医薬上許容される組成物は、1つまたは2つ以上の担体中に懸濁もしくは溶解させた活性成分を含有する適切な軟膏に調製できる。本発明の化合物を局所投与するための担体には、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が含まれるがそれらに限定されない。または、医薬上許容される組成物は、1つまたは2つ以上の医薬上許容される担体中に懸濁もしくは溶解させた活性成分を含有する適切なローションもしくはクリームで調製できる。適切な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるがそれらに限定されない。
眼科使用のためには、医薬上許容される組成物は、等張性のpH調整無菌食塩液中の微粉末化懸濁剤として、または、好ましくは保存料、例えば塩化ベンジルアルコニウムを含めて、もしくは含めずに等張性のpH調整無菌食塩液中の溶液として調製することができる。または、眼科使用するためには、医薬上許容される組成物は、例えば流動パラフィンなどの軟膏に調製することができる。
本発明の医薬上許容される組成物は、鼻エアロゾルもしくは吸入によって投与することもできる。そのような組成物は、医薬調製の分野において周知の技術にしたがって調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存料、バイオアベイラビリティを増強するための吸収プロモーター、フルオロカーボン、および/またはその他の従来型可溶化剤もしくは分散剤を使用して、食塩液中の液剤として調製できる。
最も好ましくは、本発明の医薬上許容される組成物は、経口投与用に調製される。
単回投与形にある組成物を生成するために担体材料と結合できる本発明の化合物の量は、治療される宿主、および特定の投与様式に依存して変動する。好ましくは、本組成物は、これらの組成物を受領する患者に0.01〜100mg/kg(体重)/日の阻害剤の用量を投与できるように調製すべきである。所定の実施形態では、本発明の組成物は、0.01mg〜50mgの用量を提供する。他の実施形態では、0.1〜25mgまたは5mg〜40mgの用量が提供される。
任意の特定の患者のための特定の用量および治療レジメンは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康、性別、食生活、投与時間、排出速度、複合薬、ならびに担当医の判断および治療される特定疾患の重症度を含む様々な因子に依存することもまた理解すべきである。組成物中の本発明の化合物の量もまた、組成物中の特定の化合物に依存する。
C.化合物および医薬上許容される組成物の用途
T−bet(T細胞中で発現したT−box)は、Th1/Th2バランスの重要な調節因子(regulator)であるTh1特異的転写因子である。例えば、S.J.Szabo et al.、Cell;100:655−669(2000)を参照されたい。T−betはTh1細胞中で選択的に誘導され、インターフェロン−γ遺伝子を転写活性化し、インターフェロン−γ産生を誘導し、分極したTh2細胞をTh1経路内へ再方向付けすることができる。T−betは、CD8+T細胞中、ならびに先天性免疫系、例えばNK細胞および樹状細胞の細胞中でのIFN−γ産生もまた制御する。したがって、T−betシグナリング経路の直接的もしくは間接的阻害剤(T−bet発現を阻害する化合物を含む)は、過剰活性Th1応答を平衡させる際に治療上有用であり、このためTh1−媒介性疾患、例えば関節リウマチおよび多発性硬化症などを治療する際に価値がある。
1つの実施形態によると、本発明は、生物学的サンプル中のT−bet細胞の形成を阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを本発明の化合物と、または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を含む方法に関する。
また別の実施形態によると、本発明は、生物学的サンプル中のTh1シグナリング経路の活性を直接的もしくは間接的に阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを本発明の化合物と、または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を含む方法に関する。
用語「生物学的サンプル」には、本明細書で使用するように、制限なく、細胞培養もしくはそれらの抽出物、哺乳動物から入手された生検材料もしくはその抽出物、および血液、唾液、尿、大便、精液、涙、もしくは他の体液またはそれらの抽出物が含まれる。
本発明の活性化合物は,種々の状態を治療するために患者もしくは被験者へ、詳細には、
(a)全身性エリテマトーデス(例えば、T−bet regulates IgG class switching and pathogenic auto Ab production,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99(8):5545−50(2002);Imbalance of Th1/Th2 transcription factors in patients with lupus nephritis,Rheumatology(Oxford)45(8):951−7(2006)を参照されたい);
(b)1型糖尿病(例えば、Identification of a novel type 1 diabetes susceptibility gene,T−bet,Human Genetics 111(3):177−84(2004);T−bet controls autoaggressive CD8 lymphocyte response in type I diabetes,J.Exp.Med.199(8):1153−62(2004)を参照されたい);
(c)乾癬(例えば、J.Mol.Med 81(8): 471−80(2003)を参照されたい);および
(d)アテローム硬化症(例えば、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102(5):1596−601(2005)を参照されたい)
に罹患している患者もしくは被験者に投与することができる。
本明細書に記載した本発明をより十分に理解できるように、以下の実施例を説明する。これらの実施例は例示することだけを目的とし、決して本発明を限定するものと見なすべきではないと理解されたい。例えば、添付の特許請求の範囲では、化合物は番号「ER−xxxxxx」と同定されている場合、化合物は、たとえ化合物が以下の実施例において「塩無含有」もしくは特定の塩であると規定されている場合でさえ、遊離塩基(もしくは塩無含有)およびそれらの任意の医薬上許容される塩(例えば、上記の用語の定義に同定されている)を含むことが意図されている。さらに、化合物の構造が本明細書において番号「ER−xxxxxx」と結び付けて表示されている、およびその構造が正弦波形もしくは「波形」線によって描出されるメチル基を含有する場合は、その化合物はラセミ形およびエナンチオマー的に純粋な化合物の両方としてその化合物を含むことが意図されている。
[実施例1〜32]
化学的化合物
マイクロ波援用反応は、Biotage Corporation社によって供給されたEmrys Liberator機器を用いて実施した。溶媒除去は、Buechi社製ロータリーエバポレーターまたはGenevac社製遠心式エバポレーターのいずれかを用いて実施した。分析的および分取的クロマトグラフィーは、酸性、中性、もしくは塩基性いずれかの条件下で逆相HPLCカラムを用いてWaters社製Autopurification機器を使用して実施した。化合物は、ELSDクロマトグラムの面積%によって決定されるように>90%純粋であると推定された。NMRスペクトルは、Varian 300MHz分光計を用いて記録した。
本発明の化合物を調製するための一般的方法および実験装置については以下に記載する。所定の場合には、例として特定の化合物について記載した。しかし、各場合に本発明の一連の化合物が、以下に記載するスキームおよび実験にしたがって調製されたことは理解される。
Figure 2009538312
スキーム1
ER−811160:上記のスキーム1に示したように、水(50mL)中のシアン化カリウム(22.5g、0.335mol)の溶液を5分間かけて水(90mL)およびメタノール(110mL)中の1−Boc−ピペリドン(32.48g、0.1598mol)および炭酸アンモニウム(33.8g、0.351mol)の溶液に滴下した。添加の完了直後にオフホワイトの沈降物が形成し始めた。反応フラスコを密封し、懸濁液を室温で72時間にわたり攪拌した。生じた浅黄色沈降物を濾過し、ごく少量の水を用いて洗浄すると、無色固体としてER−811160(37.1g、86%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−818039:上記のスキーム2に示したように、アセトン(555mL)中のER−811160(30.0g、0.111mol)、3,5−ジメトキシベンジルブロミド(30.9g、0.134mol)、および炭酸カリウム(18.5g、0.134mol)の懸濁液を還流させながら一晩加熱した。反応溶液を室温へ冷却し、濾過し、真空中で濃縮した。橙色の粗生成物をごく少量のMTBE(250mL)中に溶解させた。少量のヘキサン(50mL)を加え、生成物を沈降させる(2時間)と無色固体が得られたので、これを真空濾過によって単離した。濾過ケーキを少量のMTBEで洗浄し、真空中で乾燥させるとER−818039(39.6g、85%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823143:上記のスキーム3に示したように、ER−818039(2.15g、0.00512mol)を含有する1つ口丸底フラスコへ1,4−ジオキサン中の4N HClの溶液(3.8mL、0.049mol)を緩徐に加えた。出発物質が20分間かけて緩徐に溶解すると、30分後に無色の沈降物が形成された。次にMTBE(3mL)を加えた。2時間後、反応液を濾過し、MTBEを用いて洗浄すると、無色固体としてER−823143(1.81g、99%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−817098:上記のスキーム4に示したように、1,2−ジメトキシエタン(0.5mL、0.004mol)中のER−823143(41.5mg、0.000117mol)および4Åモレキュラーシーブの懸濁液に窒素雰囲気下で3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(21.3mg、0.000128mol)、および次にトリエチルアミン(16.2μL、0.000117mol)を加えた。この反応液を1時間にわたり攪拌した。水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(34.6mg、0.000163mol)を加え、この反応液を一晩攪拌した。溶離剤として酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、無色固体としてER−817098(45.3mg、83%)が産生した。
Figure 2009538312
ER−817116:上記のスキーム5に示したように、N−メチルピロリジノン(1.0mL、0.010mol)中のER−817098−00(50.0mg、0.000106mol)および1−ブロモ−2−メトキシエタン(15.6μL、0.000160mol)の溶液にテトラヒドロフラン(0.16mL)中の1.0Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液を加えた。温度を80℃へ上昇させ、反応混合液を一晩攪拌した。反応混合液を室温へ冷却し、水でクエンチし、次にMTBEを用いて数回抽出した。MTBE抽出物を結合し、水(2×)および食塩液(1×)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。溶離剤として酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、無色油としてER−817116(32.2mg、58%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819543:上記のスキーム6に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(1.8mL、0.022mol)中のER−817116−00(91.6mg、0.000174mol)の溶液にエーテル(0.35mL)中の1.0Mアリルマグネシウムブロミドの溶液を緩徐に加えた。反応混合液を室温へ加温し、一晩攪拌した。質量分光分析は生成物への25%の変換を示した。そこで、反応混合液を−78℃へ再冷却し、さらにエーテル中の1.35mLの1.0Mアリルマグネシウムブロミドを加えた。反応混合液を室温へ加温し、4時間攪拌した。反応混合液を次に0℃へ冷却し、トリフルオロ酢酸(2.00mL、0.0260mol)を滴下して処置し、次に真空中で濃縮した。次にトリエチルアミンを加えて残留TFAを中和した。酢酸エチルを加え、反応粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:100%酢酸エチル)によって精製すると、無色固体としてER−819543(56.8mg、59%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819544:上記のスキーム7に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(1.9mL、0.023mol)中のER−817116−00(100.5mg、0.0001905mol)の溶液にテトラヒドロフラン(800μL)中の2−メチルアリルマグネシウムクロリドの0.5M溶液を緩徐に加えた。反応混合液を室温へ加温し、6時間攪拌した。反応混合液を次に0℃へ冷却し、トリフルオロ酢酸(1.00mL、0.0130mol)を滴下して処置し、次に真空中で濃縮した。トリエチルアミンを加えて残留TFAを中和した。酢酸エチルを加え、溶離剤として酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって反応粗生成物を精製すると、無色固体としてER−819544(66.2mg、61%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−817118:上記のスキーム8に示したように、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中のER−817098(2.85g、0.00607mol)の溶液に水素化ナトリウム(364mg、0.00910mol)および次にヨードエタン(758μL、0.00910mol)を加えた。反応混合液を一晩攪拌した。水を極めて緩徐に加え、反応混合液はMTBEを用いて数回抽出した。MTBE抽出物を結合し、水(2×)および食塩液(1×)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。溶離剤として酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、無色油としてER−817098(2.89g、96%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819651:上記のスキーム9に示したように、テトラヒドロフラン(5.58mL)中の1Mのマグネシウムの攪拌懸濁液に0℃で1−ブロモ−2−ブチン(414μL、0.00459mol)を緩徐に加えた。2時間攪拌した後(反応溶液は黒色のままである)、無水THF(10mL)中のER−817118(228.4mg、0.0004590mol)の溶液を0℃で緩徐に加えた。反応液を室温へ加温し、4時間攪拌した。反応混合液を次に−78℃へ冷却し、トリフルオロ酢酸(0.95mL、0.012mol)を滴下して処置すると、反応液は透明になった。反応混合液を室温へ加温し、1時間攪拌した。反応混合液は、40℃の水浴温度を備えるロータリーエバポレーターを用いて乾燥するまで真空中で濃縮した。残留する淡褐色固体をトリエチルアミン(透明な固体)により塩基性化し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:塩化メチレン中の2% EtOH)によって精製すると、不純ER−819651が得られた。その後にHPTLC(トルエン中の8% EtOH)によって再精製すると、無色固体としてER−819651(128.8mg、53%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819626:上記のスキーム10に示したように、テトラヒドロフラン(4.990mL)中の1Mのマグネシウムの攪拌懸濁液に0℃で1−ブロモ−2−ペンテン(485.6μL、0.004106mol)を緩徐に加えた。2時間攪拌した後(反応溶液は黒色のままである)、無水THF(10mL)中のER−817118(204.3mg、0.0004106mol)の溶液を0℃で緩徐に加えた。反応混合液を室温へ加温し、4時間攪拌した(反応溶液は黒色のままである)。反応液を次に−78℃へ冷却し、トリフルオロ酢酸(0.85mL、0.011mol)を滴下して処置すると、反応混合液は透明になった。反応混合液を室温へ加温し、1時間攪拌した。反応混合液は40℃の水浴温度を備えるロータリーエバポレーターを用いて乾燥するまで真空中で濃縮した。粗生成物(淡褐色固体)をトリエチルアミン(透明な固体)により塩基性化し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:塩化メチレン中の2% EtOH)によって精製すると、白色固体としてER−819626(110.2mg、49%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823988:上記のスキーム11に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(7.6mL、0.094mol)中のER−817116(1.006g、0.0019067mol)の溶液にテトラヒドロフラン(3.8mL)中の1.0M臭化ビニルマグネシウム溶液を緩徐に加えた。反応混合液を室温へ加温し、1時間攪拌した。質量分光分析は、有意な量の残留出発物質を証明した。そこで、反応混合液を0℃へ再冷却し、さらにテトラヒドロフラン中の3.8mLの1.0M臭化ビニルマグネシウム溶液を加えた。反応混合液は2時間攪拌し、次に飽和水酸化アンモニウム水溶液の滴下によってクエンチした。混合液は酢酸エチルを用いて数回抽出した。有機抽出物を結合し、水(2×)および食塩液により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル中の5%エタノール)によって無色固体としてER−823988(0.605g、57%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819673:上記のスキーム12に示したように、ER−823988(163.1mg、0.0002935mol)を室温でトリフルオロ酢酸(2.00mL、0.0260mol)中に溶解させた。反応混合液を40℃へ加温し、2時間攪拌し、次に真空中で濃縮した。残留物を少量のアセトン中に溶解させ、少量の炭酸カリウムを用いて塩基性になるまで処置した。フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル中の2%エタノール)によって無色ガラス状固体としてER−819673(0.101g、64%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823914:上記のスキーム13に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(30.0mL、0.370mol)中のER−823143(5.03g、0.0141mol)の溶液にエーテル(71mL)中の1.0Mアリルマグネシウムブロミドの溶液を緩徐に加えた。反応混合液を室温へ加温し、一晩攪拌した。反応混合液を次に−78℃へ冷却し、トリフルオロ酢酸(21.8mL、0.283mol)を滴下して処置し、次に残留容量が小さくなるまで真空中で濃縮した。トリエチルアミンを加えて残留TFAを中和し、混合液を次に乾燥するまで真空中で濃縮した。残留赤色油をメタノール(138mL、3.41mol)中に溶解させ、ジ−tert−ブチルジカーボネート(3.34g、0.0148mol)、次にトリエチルアミン(2.38mL、0.0169mol)を用いて処置し、室温で一晩攪拌した。反応混合液を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸中の50%ヘキサン)によって精製すると、無色固体としてER−823914(3.25g、52%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823915:N,N−ジメチルホルムアミド(12.4mL、0.160mol)中のER−823914(2.20g、0.00496mol)の溶液に水素化ナトリウム(298mg、0.00744mol)および次にヨードエタン(607μL、0.00744mol)を加えた。反応混合液を一晩攪拌し、次に水でクエンチし、MTBEを用いて数回抽出した。MTBE抽出物を結合し、水および食塩液により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル中の40%ヘキサン)によって無色泡としてER−823915(0.80g、34%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823917:上記のスキーム15に示したように、ER−823915(799.2mg、0.001695mol)を1,4−ジオキサン(10mL)中の塩化水素の4M溶液中に溶解させた。反応混合液を一晩攪拌し、次に真空中で濃縮すると橙色の固体としてER−823917(0.69g、定量的)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819597:上記のスキーム16に示したように、ER−823917(100.0mg、0.0002451mol)、4Åモレキュラーシーブ、および3,5−ジメチルベンズアルデヒド(50.9mg、0.000368mol)は、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL、0.013mol)中に溶解/懸濁させた。30分間攪拌した後、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(76.6mg、0.000343mol)を加えた。反応混合液を一晩攪拌した。白色沈降物が形成されるまで水を加えた。沈降物を濾過によって収集し、水を用いて数回洗浄した。濾液を次に真空中で乾燥させると、無色固体としてER−819597(108.0mg、90%)が得られた。
ER−819689、ER−819688、ER−819604、ER−819595、ER−819594、ER−819593、ER−819592、ER−819582、およびER−819777は、ER−819597と実質的に同様の方法で調製した。一部の場合には、所望の生成物は反応混合液から沈降させることができた。他の場合には、反応混合液は水でクエンチし、次に水と非混合性の適切な溶媒によって抽出し、次にクロマトグラフィー精製した。
Figure 2009538312
上記のスキーム17は、一般的環化法を示している。上記のスキーム17に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(30.0mL)中のER−823143(0.0141mol)の溶液にエーテル(71mL)中の臭化アルケニルマグネシウムの1.0M溶液を緩徐に加えた。反応混合液を室温へ加温し、一晩攪拌した。反応混合液を−78℃へ冷却し、トリフルオロ酢酸(0.283mol)を滴下して処置した。反応溶液を容量が小さくなるまで真空中で濃縮し、次にトリエチルアミンを用いて処置して残留TFAを中和した。粗生成物は、乾燥するまで真空中で濃縮した。生じた残留物を次にメタノール(138mL)中に溶解させ、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.0148mol)、さらにトリエチルアミン(0.0169mol)を用いて処置した。この反応混合液を一晩攪拌し、次に真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
上記のスキーム18は、R基を導入するための一般的方法を示している。上記のスキーム18に示したように、N,N−ジメチルホルムアミド(12.4mL)中の出発物質(0.00496mol)の溶液に水素化ナトリウム(0.00744mol)および次にハロゲン化アルキル(0.00744mol)を加えた。反応混合液を一晩攪拌し、次に水でクエンチし、MTBEを用いて数回抽出した。MTBE抽出物を結合し、水および食塩液により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
上記のスキーム19に示したように、出発物質(0.001695mol)を1,4−ジオキサン(10mL)中の4Mの塩化水素に溶解させた。反応混合液を一晩攪拌し、次に真空中で濃縮すると所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
上記のスキーム20は、−X−R基(式中、Xは、−CH−である)を導入するための一般的方法を示している。上記のスキーム20に示したように、出発物質(0.0002451mol)、4Åモレキュラーシーブ、およびアルデヒド(0.000368mol)はN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)中に溶解/懸濁させた。30分間攪拌した後、水素化ホウ素トアセトキシナトリウム(0.000343mol)を加えた。この反応混合液を一晩攪拌し、次に水でクエンチした。一部の場合には、水で反応をクエンチさせると所望の生成物が沈降するが、この場合には濾過によって単離し、続いてフラッシュクロマトグラフィーによって精製できる。他の場合には、所望の生成物は水と非混合性の適切な有機溶媒を用いて抽出し、続いてフラッシュクロマトグラフィーまたは逆相分取的HPLCのいずれかによって精製できる。
化合物ER−819991およびER−819995は、上記のスキーム18〜20と結び付けて記載した方法と実質的に同様の方法で調製した。
Figure 2009538312
ER−819658:上記のスキーム21に示したように、2mLのマイクロ波反応装置バイアルにER−819623(71.6mg、0.000176mol)、3,5−ジメトキシベンジルクロリド(41.1mg、0.000220mol)、N−メチルピロリジノン(700.0μL)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(60.0μL、0.000401mol)を装填した。この反応混合液を密封し、マイクロ波反応装置で60秒間180℃で加熱した。逆相HPLCによる精製でER−819658(54.9mg、60%)が得られた。
ER−819637およびER−819627は、ER−819658と実質的に同様の方法で調製した。
Figure 2009538312
上記のスキーム22は、−X−R基(式中、Xは、−CH−である)を導入するためのまた別の一般的方法を示している。上記のスキーム22に示したように、2mLのマイクロ波反応装置バイアルに出発物質(0.000176mol)、ハロゲン化アルキル(0.000220mol)、N−メチルピロリジノン(700.0μL)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.000401mol)を装填した。この反応装置バイアルを密封し、マイクロ波反応装置で60秒間180℃で加熱した。逆相HPLCによる精製で所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
ER−819666:上記のスキーム23に示したように、ER−819621(2.30g、0.00503mol)を含有するフラスコに1,4−ジオキサン(15.0mL)中の塩化水素の4M溶液を加えた。この反応混合液を室温で30分間攪拌し、次に真空中で濃縮するとER−819666(1.98g、定量的)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819585:上記のスキーム24に示したように、スターバーを含有する2mLのマイクロ波反応装置バイアルにER−819666(653.4mg、0.001659mol)、3,5−ジメトキシベンジルクロリド(377.6mg、0.002023mol)、N−メチルピロリジノン(5.00mL、0.0518mol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(560.0μL、0.003745mol)を装填した。この反応装置バイアルを密封し、マイクロ波反応装置で60秒間180℃で加熱した。逆相HPLCによる精製でER−819585(52.1mg、68%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819621:上記のスキーム25に示したように、スターバーを装備した2mLのマイクロ波反応装置バイアルにER−819585(70.0mg、0.000138mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(830.0μL、0.01072mol)、臭化ベンジル(40.0μL、0.000336mol)およびテトラヒドロフラン(350.0μL)中のリチウムヘキサメチルジシラジドの1.00M溶液を装填した。この反応装置バイアルを密封し、マイクロ波反応装置で900秒間200℃で加熱した。分取的逆相HPLCによる精製でER−819662(35.14mg、43%)が得られた。
ER−819663、ER−819661、ER−819659、ER−819650、ER−819647、ER−819641は、ER−819662と実質的に同様の方法で調製した。
Figure 2009538312
上記のスキーム26は、−X−R基(式中、Xは、−CH−である)を導入するための一般的方法を示している。上記のスキーム26に示したように、スターバーを含有する2mLのマイクロ波反応装置バイアルにER−819666(0.001659mol)、ハロゲン化アルキル(0.002023mol)、N−メチルピロリジノン(5.00mL)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.003745mol)を装填した。この反応装置バイアルを密封し、マイクロ波反応装置で60秒間180℃で加熱した。分取的逆相HPLCによる精製で所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
上記のスキーム27は、R基を導入するための一般的方法を示している。上記のスキーム27に示したように、スターバーを装備した2mLのマイクロ波反応装置バイアルに出発物質(0.000138mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(830μL)、R−ブロミド(0.000336mol)およびテトラヒドロフラン(350μL)中のリチウムヘキサメチルジシラジドの1.00M溶液を装填した。この反応装置バイアルを密封し、マイクロ波反応装置で2,700秒間200℃で加熱した。分取的逆相HPLCによる精製で所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
ER−819590:上記のスキーム28に示したように、N,N−ジメチルホルムアミド(500μL、0.007mol)中のER−819585(31.6mg、0.0000622mol)および1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−1H−ピロール(18.2mg、0.0000747mol)の溶液に水素化ナトリウム(2.99mg、0.0000747mol)を加えた。反応混合液を一晩攪拌し、次に水(1mL)で慎重にクエンチし、酢酸エチルを用いて数回抽出した。有機抽出物を結合し、水および食塩液で洗浄し、硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル中の50%ヘキサン)によって無色固体としてER−819590(18.8mg、46%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819638:上記のスキーム29に示したように、2mLマイクロ波反応装置バイアルにER−819639(102.3mg、0.0002151mol)、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(80.0μL、0.000530mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1000.0μL)およびテトラヒドロフラン(530.0μL)中の1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液を装填した。この反応装置バイアルを密封し、マイクロ波反応装置で900秒間にわたり200℃で加熱した。この反応は完了しなかった。そこで、追加の2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドキソ−2H−ピラン(80μL、2.5当量)およびテトラヒドロフラン(530μL、2.4当量)中のリチウムヘキサメチルジシラジドの1.00M溶液を加え、バイアルを200℃で900秒間再加熱した。分取的逆相HPLCによる精製でER−819638(57.8mg、44.5%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819660:上記のスキーム30に示したように、エタノール(0.539mL、0.00922mol)中のER−819638(57.8mg、0.0000957mol)の溶液を1M塩酸(0.970mL)により処置し、室温で3時間攪拌した。この反応混合液を1M水酸化ナトリウム水溶液(0.970mL)の滴下によって中和した。分取的逆相HPLCによる精製でER−819660(29.06mg、58.4%)が得られた。
ER−819657およびER−819642は、ER−819660と実質的に同様の方法で調製した。
Figure 2009538312
ER−819139:上記のスキーム31に示したように、2Lの丸底フラスコに4−ピペリドンモノクロリド一水和物(46.5g、0.302mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(600mL)を装填した。生じた懸濁液に炭酸ナトリウム(58.3g、0.550mol)、ヨウ化ナトリウム(28.9g、0.193mol)および3,5−ジメトキシベンジルクロリド(51.4g、0.275mol)を窒素雰囲気下で加えた。生じたベージュ色の懸濁液を次に90℃へ加熱し、窒素雰囲気下で一晩攪拌し続けた。反応混合液は濁って、明るい黄色になった。この反応混合液を濾過し、次に生じた橙色の濾液を高真空ロータバップによって溶媒がごく少量になるまで濃縮した。飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、この混合液をMTBE(250mLの抽出)によって抽出した。結合有機相を乾燥させ(無水NaSO)、濃縮すると赤褐色油のER−823139(推定される定量的収率)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823106:上記のスキーム32に示したように、水(2.8mL)およびメタノール(3.0mL)中のER−823139の懸濁液に2−メトキシエチルアミン(1.36mL、0.0157mol)を加えた。生じた褐色懸濁液に12M塩酸水溶液(1.31mL)を滴下した。反応混合液を40℃へ加熱し、水(2.3mL、0.13mol)中のシアン化カリウム(1.02g、0.0157mol)の溶液を滴下した。有意な量の出発物質はまだ溶解していなかった。そこで、追加のメタノール(3.0mL、0.074mol)および水(2.8mL、0.16mol)を加え、懸濁液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を次に酢酸エチルにより抽出した(2×)。結合有機物を水、食塩液で洗浄し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると黄褐色粗生成物ER−823106(4.70g、99%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819669:上記のスキーム33に示したように、室温で塩化メチレン(2.0mL)中のER−823106(0.48g、0.0014mol)の溶液にイソシアン酸クロロスルホニル(0.125mL、0.001440mol)を緩徐に滴下した。内部温度は30℃へ上昇したので、次に温度を16℃〜25℃に維持するために氷浴を使用した。混合液を室温で1時間攪拌し、次に真空中で濃縮すると淡黄色の泡が得られた。残留物に1M塩酸(4.0mL)を加えた。生じた懸濁液を室温で10分間攪拌し、次に110℃で1時間加熱した。反応混合液を次に0℃へ冷却し、5M水酸化ナトリウム水溶液(約1.2mL)を用いて中和した。淡黄色のミルク様沈降物が形成され、これを酢酸エチルにより(5×からTLCによって最終抽出物中に生成物がほとんど/全くなくなるまで)抽出した。結合有機物を食塩液で洗浄し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、濃縮すると暗黄色油が得られた。DCM/酢酸エチル(1:1)、DCM/酢酸エチル/MeOH(9:9:1)および酢酸エチル/MeOH(9:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによってこの油を精製すると、ER−819669(17mg、31%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819695:上記のスキーム34に示したように、N,N−ジメチルホルムアミド(1.1mL)中のER−819669(110mg、0.00029mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(87.2μL、0.000583mol)および3,4,5−トリメトキシベンジルクロリド(107mg、0.000495mol)の溶液をマイクロ波反応装置内で60秒間180℃で加熱した。分取的逆相HPLCによる精製で無色油としてER−819695(129mg、79%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819700:上記のスキーム35に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(4mL、0.05mol)中のER−819695(118mg、0.000212mol)の溶液に、−50℃未満の内部温度を維持しながら、テトラヒドロフラン(4.232mL)中の0.5Mの2−メチルアリルマグネシウムクロリドを3分間滴下した。冷却浴を取り除き、反応混合液を0℃へ加温させた。0℃で2時間後、TLC(9:1の酢酸エチル/MeOH、ニンヒドリン染色、UV)は、完全な反応を証明した。反応混合液を0℃でトリフルオロ酢酸(0.978mL、0.0127mol)の緩徐で慎重な添加によってクエンチすると、黄色溶液が得られた。反応混合液を次に室温へ加温し、10分間攪拌し、次に30℃の水浴温度を用いてロータリーエバポレーターを使用して真空中で濃縮した。生じた黄色残留物を酢酸エチル中に溶解させ、過剰な飽和重炭酸ナトリウム水溶液を用いて慎重に処置した。ガスの発生が停止するまで二相性混合液を攪拌した。有機層を分離し、酢酸エチルを用いて水層を再抽出した。結合有機抽出物をNaSOの上方に通して乾燥させ、真空中で濃縮した。分取的TLC酢酸エチル/MeOH(9:1)による精製によってER−819700(85mg、67%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819701:上記のスキーム36に示したように、室温で塩化メチレン(2.25mL)中のER−819700(45mg、0.000076mol)の溶液にトリフルオロメタンスルホン酸(20μL、0.0002mol)を滴下した。40分後、飽和NaHCO(暗黄色からほぼ無色へ変色した)を用いて反応をクエンチし、室温で20分間強力に攪拌し、塩化メチレン(3×)を用いて抽出した。結合抽出物をNaSOの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。100%酢酸エチル、次に酢酸エチル/メタノール(19:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによる精製でER−819701(26mg、58%)が得られた。
ER−819655、ER−819672、ER−819698、ER−819704は、ER−819701と実質的に同様の方法で調製した。
Figure 2009538312
上記のスキーム37は、様々なR、R、およびR基を導入するための一般的方法を示している。上記のスキーム37に示したように、N,N−ジメチルホルムアミド(1.1mL)中のER−819669(0.00029mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(87.2μL、0.000583mol)およびハロゲン化アルキル(0.000495mol)の溶液をマイクロ波反応装置内で60秒間180℃で加熱した。分取的逆相HPLCによる精製で所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
上記のスキーム38に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(4mL)中の出発物質(0.000212mol)の溶液に、−50℃未満の内部温度を維持しながら、テトラヒドロフラン(4.232mL)中の0.5Mの2−メチルアリルマグネシウムクロリドを3分間滴下した。冷却浴を取り除き、反応混合液を0℃へ加温させた。2時間0℃で攪拌した後、反応混合液はトリフルオロ酢酸(0.978mL、0.0127mol)の緩徐な慎重な添加によってクエンチした。反応混合液を次に室温へ加温し、10分間攪拌し、次に30℃の水浴温度を用いてロータリーエバポレーターを使用して真空中で濃縮した。生じた残留物を酢酸エチル中に溶解させ、過剰な飽和重炭酸ナトリウム水溶液を慎重に加えた。ガスの発生が停止するまで二相性混合液を攪拌した。有機層を分離した。酢酸エチルを用いて水層を抽出した。結合有機抽出物をNaSOの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。酢酸エチル/メタノール(9:1)を用いる分取的TLCによる精製によって所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
上記のスキーム39に示したように、室温で塩化メチレン(2.25mL)中の出発物質(0.000076mol)の溶液にトリフルオロメタンスルホン酸(20μL、0.0002mol)を滴下した。40分後、反応は過剰な飽和重炭酸ナトリウム水溶液によりクエンチし、室温で20分間強力に攪拌し、塩化メチレン(3×)を用いて抽出した。結合抽出物をNaSOの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。100%酢酸エチル、次に酢酸エチル/メタノール(19:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによる精製で所望の生成物が得られた。
Figure 2009538312
ER−819676:上記のスキーム40に示したように、−78℃でテトラヒドロフラン(2mL、0.03mol)中のER−819675(80.0mg、0.000171mol)の溶液に、−60℃未満の内部温度を維持しながら、テトラヒドロフラン(3.422mL)中の2−メチルアリルマグネシウムクロリドの0.5M溶液を3分間滴下した。この反応混合液を緩徐に−35℃へ(約1.5時間)加温させた。反応液は飽和塩化アンモニウム水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(2×)を用いて抽出した。結合抽出物をNaSOの上方に通して乾燥させ、真空中で濃縮した。酢酸エチル/メタノール(19:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィー溶出によって粗生成物を精製すると、ER−819676(85mg、95%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819677:上記のスキーム41に示したように、室温で塩化メチレン(5,000μL)中のER−819676(56mg、0.00011mol)の溶液にトリフルオロメタンスルホン酸(90μL、0.001mol)を滴下すると黄色溶液が得られた。3時間後、反応液は飽和重炭酸ナトリウム水溶液によりクエンチし、室温で20分間強力に攪拌し、塩化メチレン(3×)を用いて抽出した。結合抽出物をNaSOの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/MeOH(9:1)を用いる分取的TLCによる精製によって、ER−819677(22mg、40%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823141:上記のスキーム42に示したように、ER−820757(1.62g、6.556mmol)を塩化メチレン(80mL)中に溶解させた。トリフェニルホスフィン(3.44g、13.1mmol)および四臭化炭素(4.35g、13.1mmol)を加え、混合液を室温で一晩攪拌した。真空中での濃縮、その後の溶離剤としての酢酸エチル/ヘプタン(1:9)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、薄灰色の固体としてER−823141(1.93g、95%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823142:上記のスキーム43に示したように、マグネチックスターバーを装備した5mLのマイクロ波反応装置バイアルにER−823140(200.0mg、0.6263mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)、ER−823141(388mg、1.25mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(211μL、1.41mmol)を装填すると淡黄色溶液が得られた。この反応混合液をマイクロ波反応装置で90秒間180℃で加熱した。酢酸エチル(5.0mL)、次に飽和塩化アンモニウム水溶液(2.5mL)および水(2.5mL)を加えた。有機層を分離し、酢酸エチル(5.0mL)を用いて水層を抽出した(2×)。結合有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(5.0mL)により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜2.5%メタノール/酢酸エチル)によって精製すると、無色固体としてのER−823142(218mg、63%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823163:上記のスキーム44に示したように、マグネチックスターバーを装備した5mLのマイクロ波反応装置バイアルにER−823142(100.0mg、0.1823mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.00mL)、テトラヒドロフラン(0.43mL)中の1Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液、および臭化エチル(0.032mL、0.438mmol)を装填した。この混合液をマイクロ波反応装置で150秒間170℃で加熱した。反応混合液を室温へ冷却し、MTBE(2mL)を用いて処置した。飽和塩化アンモニウム水溶液(1mL)を加え、この混合液を10分間攪拌した。有機層を単離し、MTBE(2×2mL)を用いて水層を逆抽出した。結合有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2mL)により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製すると、淡黄色固体としてER−823163(83mg、79%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−823166:上記のスキーム45に示したように、ER−823163(153.0mg、0.2654mmol)を無水テトラヒドロフラン(1.5mL)中に溶解させ、この溶液を0℃へ冷却した。エーテル(1.327mL)中の1.0Mアリルマグネシウムブロミド溶液を加え、混合液を1.5時間0℃で攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(1.5mL)を加え、この混合液を10分間攪拌した。混合液をMTBE(7mL)を用いて抽出した(2×)。結合有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3mL)により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると粗ER−823166(160mg)が得られたので、これを精製せずに直ちに使用した。
Figure 2009538312
ER−819703:上記のスキーム46に示したように、5mLマイクロ波反応装置バイアル内の窒素雰囲気下にあるアセトニトリル(2.5mL)中のER−823166(110.0mg、0.1778mmol)の溶液に酢酸パラジウム(20.0mg、0.0889mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(27.6mg、0.0907mmol)およびトリエチルアミン(99.1μL、0.711mmol)を加えた。この混合液をマイクロ波反応装置で60秒間120℃で加熱した。この反応混合液をセライトおよびシリカゲルのショートパッドに通して濾過し、このパッドを次に酢酸エチル/メタノール(9:1)を用いて洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。生じた残留物の分取的逆相HPLCによる精製によってER−819703(10mg、12%)が得られた。
Figure 2009538312
ER−819679:上記のスキーム47に示したように、マグネチックスターバーを装備した5mLのマイクロ波反応装置バイアル内にER−823140(505.0mg、0.001581mol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3.5mL)を装填した。この混合液を数分間攪拌して全固体を溶解させると、透明な、かすかに黄色の溶液が得られた。3,4−ジベンジルオキシベンジルクロリド(910.8mg、0.002688mol)を加え、この溶液を溶解させるために攪拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(475μL、0.00318mol)を次にシリンジによって添加した。溶液は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンを加えた後に迅速にわずかに緑色がかった色合いとなったが、その色はそれ以上暗色化しなかった。透明溶液を混合するために攪拌し、試験管を隔膜キャップで密封し、反応装置バイアルを180℃のマイクロ波反応装置内で90秒間加熱し、次に室温で一晩放置した。TLCおよび質量分光分析は、少量のER−823140が残留していることを示した。そこで、反応装置バイアルを180℃で90秒間再度マイクロ波反応装置内で加熱した。透明な琥珀色溶液を酢酸エチル(80mL)で希釈し、水(2×30mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)、および飽和食塩液(30mL)を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると淡褐色の固体としてER−819679(1.02g、104%)が得られた。H NMR(CDCl)は、さらなる精製をせずに次の工程において使用するための十分な純度を示した。
Figure 2009538312
ER−819681:上記のスキーム48に示したように、ER−819679(0.6204g、0.0009979mol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL、0.064mol)中に溶解させ、この溶液を窒素雰囲気下の氷水浴中で冷却した。水素化ナトリウム(47.9mg、0.00120mol)を一度に全部加え、混合液を40分間攪拌した。ヨードエタン(100μL、0.001250mol)をシリンジによって加えた。生じた濁った溶液を2.3時間にわたり氷水浴冷却を用いて攪拌し、次に浴を取り除いた。室温で一晩攪拌し続けた。反応溶液は酢酸エチル(80mL)および水(25mL)を用いて希釈し、相を分離した。酢酸エチル相を水(2×25mL)および飽和食塩液(30mL)によって洗浄し、無水硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮するとオフホワイトのフィルムが得られた。このフィルムをヘプタン(3×約2mL)ですすぎ洗いし、ヘプタンをピペットによってデカンテーションした。固体を真空下で再乾燥させると、半固体フォームとしてER−819681(648.0mg、100%)が得られ、これは加温すると融解した。
Figure 2009538312
ER−819718:上記のスキーム49に示したように、ER−819681(200.3mg、0.0003083mol)は窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(3.0mL)中に溶解させ、溶液を乾燥氷/アセトン浴中で−78℃へ冷却した。テトラヒドロフラン(2.0mL)中の2−メチルアリルマグネシウムクロリドの0.5M溶液をシリンジを介して約3分間にわたり加え、溶液を5分間にわたり−78℃で攪拌し続け、次に浴を除去し、この溶液を室温で2.5分間にわたり攪拌した。この溶液を−78℃へ再冷却し、0.1mLのトリフルオロ酢酸を用いてクエンチした。この溶液を次に真空中で濃縮すると黄色の泡が得られた。このフラスコを乾燥氷/アセトン浴中で−78℃に冷却し、3.0mLのトリフルオロ酢酸を加えた。トリフルオロ酢酸が固化したので、フラスコを浴から除去し、室温へ加温させた。3時間後、固体を溶解させるのに役立つように1mLの塩化メチレンを加えた。室温で計約7時間後、赤色溶液は、ほぼ40℃へ設定した水浴温度を備えるロータリーエバポレーターを用いて真空中で濃縮した。残留赤褐色油を数mLの酢酸エチル中に(超音波処理を用いて)溶解させ、計約80mLの酢酸エチルを用いて希釈した。この溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液(40mL)、水(40mL)、および飽和食塩液(40mL)で洗浄した。有機抽出物を次に無水硫酸マグネシウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると黄褐色油(200.4mg)が得られた。分取的逆相HPLCによる精製でER−819717(1.0mg、1.8%)およびER−819718(1.2mg、2.2%)が得られた。
本発明の化合物を本明細書に記載した方法および当業者に公知の方法に従って調製した。そのような化合物には、以下に表示した表1に列挙した化合物が含まれる。表1は、本発明の典型的な化合物についてのH NMRデータを含む分析データを提供している。
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
[実施例33〜106]
生物活性
HEKT−bet−lucアッセイ:本アッセイでは、ルシフェラーゼレポーターを駆動するヒトT−betおよびT−box応答性素子を発現する遺伝子組換えHEK細胞中のT−bet依存性レポーター(ルシフェラーゼ)活性を測定した。HEKT−bet細胞は、96ウエルプレート内で2×10/ウエルでプレーティングし、化合物を24時間にわたり細胞培養中へ添加した。ルシフェラーゼ活性は、50μLのSteady−Glo試薬(Promega社)を加えることによって測定し、サンプルをVictor Vリーダー(PerkinElmer社)で読み取った。化合物の活性は、化合物処置サンプルを非化合物処置ビヒクルコントロールと比較することによって決定した。IC50値は、試験化合物の不在下でのルシフェラーゼの量に対応する最高値および最高阻害時に入手される試験化合物値に対応する最小値を利用して計算した。
標準化HEKT−bet IC50値の決定:化合物をマイクロタイタープレート内でアッセイした。各プレートは、ER−819544であった参照化合物を含んだ。特定化合物についての非標準化IC50値を、同一マイクロタイタープレート内で参照化合物について決定されたIC50値で割って相対効力値を得た。相対効力値に次に参照化合物の確立された効力を掛けて標準化HEKT−bet IC50値を得た。このアッセイでは、ER−819544について確立された効力は0.035μMであった。本明細書に提供したIC50値は、この標準化法を用いて入手した。
本発明の代表的な化合物は、上記に記載したHEKT−bet−lucアッセイに記載された方法にしたがってアッセイした。以下の表2は、上記に記載した標準化HEKT−bet−lucアッセイによって決定された5.0μMまでのIC50を有する本発明の代表的化合物を記載している。
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
Figure 2009538312
予測実施例106
インビボ生物活性
CIAにおける関節炎発生の抑制。DBA1/Jマウスを第0日にbCII/CFAで免疫し、次にbCII/IFAを用いて第21日に追加免疫する。関節炎の発生を全試験経過に渡って監視する。関節炎スコアは以下の通りである。0=正常な手。スコア1=1〜2本の手が炎症性。スコア2=3本の指または1〜2本の指+手首もしくは足首が炎症性。スコア3=手+2本を超える指が炎症性。およびスコア4=多数の指(3〜4本)+重要な手首もしくは足首が炎症性。
(A)活性化合物の部分的治療評価:上記に記載した活性化合物を、コラーゲンIIに対する抗体の誘導20日後であるが疾患の発生前に所望の用量で1日1回の経口投与によって与える。(A)活性化合物の完全治療評価:上記に記載した活性化合物を、疾患発生(第2免疫の7日後以降)後に与える。(C)完全治療的CIA試験からのマウス足についてのX線分析。X線スコアは、骨減少症、骨浸食および新規骨形成の組み合わせの測定値の指数である。(D)代表的なX線写真。
予測実施例107
インビボ生物活性
CAIAにおける関節炎発生の抑制。BALB/cマウスに、第0日に抗II型コラーゲン抗体1mgを静脈内注射し、3日後に25μgのLPSを腹腔内注射する。次に活性化合物およびメトトレキセート(MTX)を第0日〜第7日に1日1回経口投与する。関節炎スコアおよび体重を全試験経過に渡って監視する。
その他の実施形態。本発明者らは本発明の多数の実施形態について記載してきたが、本発明者らの基本的実施例は、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために変更を加えることができる。このため、本発明の範囲は、例として提示されている特定の実施形態によって規定すべきではなく添付の特許請求の範囲によって規定すべきであることは理解される。

Claims (12)

  1. 必要とする被験者において自己免疫疾患を治療する方法であって、前記被験者に治療有効量の化合物を投与する工程を含み、
    前記自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、乾癬、およびアテローム硬化症から選択され、
    前記化合物は、式I
    Figure 2009538312
    (式中、
    Qは、−C(R)(R)−もしくは−CH=CH−(シスまたはトランス)であり、
    およびRは、H、C1−3アルキル、C2−4アルケニルから独立して選択されるか、または一緒になってC1−6アルキリデンもしくはC2−6アルケニレニデンであり、
    、R、R、およびRの各々は、水素およびメチルから独立して選択され、
    Xは、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
    は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、およびハロから独立して選択される0〜5個の置換基で置換されており、
    は、H、メチル、エチル、プロペニル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであって、このときRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、 かつ
    、R、およびRの各々は、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、およびフェノキシから独立して選択されるかまたは一緒になったRおよびR、ならびにRおよびRから選択される1つの対は、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−である)の化合物、またはそれらの医薬上許容される塩、C1−6アルキルエステルもしくはアミド、またはC2−6アルケニルエステルもしくはアミドである方法。
  2. 前記化合物が、
    Qが、−C(R)(R)−もしくは−CH=CH−(シスまたはトランス)であり、
    およびRが、H、メチル、エチルもしくはプロピルから独立して選択されるか、または一緒になってCH=、アリリデン、プロピリデン、プロペニリデン、もしくはエチリデンであり、
    、R、R、およびRの各々が、水素であり、
    Xが、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、メチル、メトキシ、エチル、ヒドロキシル、ブロモ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
    が、H、メチル、エチル、プロペニル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、もしくはベンジルであり、このときRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、l、C1−3ヒドロキシアルキル、ベンジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
    またはRおよびRが、一緒になって−O−(CH)−O−であるか、
    、R、およびRの各々が、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物が、
    およびRが、Hおよびメチルから独立して選択される、または一緒になってCH=であり、
    Xが、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、フルオロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、およびブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
    が、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、もしくはベンジルであって、このときベンジルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されており、かつ
    、R、およびRの各々が、水素、メトキシ、およびフルオロから独立して選択される化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項2に記載の方法。
  4. 前記化合物が、
    およびRが、H、メチル、エチルから独立して選択される、または一緒になってプロピリデン、アリリデン、もしくはCH=であり、
    Xが、メチレンもしくはエチレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、メチル、メトキシ、フルオロ、およびブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、かつ
    が、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、もしくはベンジルであって、このときベンジルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されている化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項2に記載の方法。
  5. 前記化合物が、式
    Figure 2009538312
    の化合物、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項1に記載の方法。
  6. 前記化合物が、式
    Figure 2009538312
    の化合物、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項1に記載の方法。
  7. 必要とする被験者において自己免疫疾患を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用であって、
    前記自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、乾癬、およびアテローム硬化症から選択され、
    前記化合物は、式I
    Figure 2009538312
    (式中、
    Qが、−C(R)(R)−もしくは−CH=CH−(シスまたはトランス)であり、
    およびRが、H、C1−3アルキル、C2−4アルケニルから独立して選択されるか、または一緒になってC1−6アルキリデンもしくはC2−6アルケニレニデンであり、
    、R、R、およびRの各々が、水素およびメチルから独立して選択され、
    Xが、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、およびハロから独立して選択される0〜5個の置換基で置換されており、
    が、H、メチル、エチル、プロペニル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであって、このときRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、かつ
    、RならびにRの各々が、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノおよびフェノキシから独立して選択され、または一緒になったRおよびR、ならびにRおよびRから選択される1つの対が、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−である)の化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩、C1−6アルキルエステルもしくはアミド、またはC2−6アルケニルエステルもしくはアミドである使用。
  8. 前記化合物は、
    Qが、−C(R)(R)−もしくは−CH=CH−(シスまたはトランス)であり、
    およびRが、H、メチル、エチルもしくはプロピルから独立して選択されるか、または一緒になってCH=、アリリデン、プロピリデン、プロペニリデン、もしくはエチリデンであり、
    、R、R、およびRの各々が、水素であり、
    Xが、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、メチル、メトキシ、エチル、ヒドロキシル、ブロモ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
    が、H、メチル、エチル、プロペニル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、もしくはベンジルであり、このときRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、l、C1−3ヒドロキシアルキル、ベンジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
    またはRおよびRが、一緒になって−O−(CH)−O−であるか
    、R、およびRの各々が、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項7に記載の使用。
  9. 前記化合物は、
    およびRが、Hおよびメチルから独立して選択されるか、または一緒になってCH=であり、
    Xが、メチレン、エチレン、もしくはプロペニレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、フルオロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、およびブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、
    が、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、もしくはベンジルであり、このときベンジルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されており、および
    、R、およびRの各々が、水素、メトキシ、およびフルオロから独立して選択される化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項8に記載の使用。
  10. 前記化合物は、
    およびRが、H、メチル、エチルから独立して選択される、または一緒になってプロピリデン、アリリデン、もしくはCH=であり、
    Xが、メチレンもしくはエチレンであり、
    が、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、もしくはピロリルであり、メチル、メトキシ、フルオロ、およびブロモから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されており、かつ
    が、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、もしくはベンジルであり、このときベンジルは、ピロリルもしくはピラゾリルで任意で置換されている化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項8に記載の使用。
  11. 前記化合物は、式
    Figure 2009538312
    の化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項7に記載の使用。
  12. 前記化合物は、式
    Figure 2009538312
    の化合物か、またはそれらの医薬上許容される塩である請求項7に記載の使用。
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