JP2009537420A - 乗客コンベヤの照明 - Google Patents
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Abstract
無端乗客輸送バンド(4)と、無端移動手すり(6)と、輸送バンド(4)および/または無端移動手すり(6)の速度を求める装置と、輸送バンド(4)に沿って延在するとともに複数の光源(51)を含む照明手段(50,52)と、光源(51)に接続された照明制御装置(28)と、を備える乗客コンベヤ(2)であって、照明制御装置は、輸送バンド(4)および/または移動手すり(6)の速度に従って個々の光源(51)を点灯するように設けられている。
Description
本発明は、無端乗客輸送バンドと、無端移動手すりと、輸送バンドに沿って延在するとともに複数の光源を含む照明手段と、を備える乗客コンベヤに関する。
このような型式の乗客コンベヤは、ドイツ特許出願公開第19957680号により知られている。乗客コンベヤは、特にエスカレータまたは動く歩道とすることができる。よって、無端輸送バンドは、無端の循環輸送バンドを構成するように順に配列された複数の個別の踏段もしくはパレットを含みうる。また、弾性のある無端ベルトによって輸送バンドを構成することもできる。移動手すりは、無端乗客輸送バンドと同時に動くように、輸送バンドと共に移動可能に設けられていることが好ましい。
種々の理由により、エスカレータの少なくとも一部を照明することが好ましい。従って、安全上の理由から、特に輸送バンドの入口領域および出口領域に隣接する箇所を照明することが好ましい。このような照明手段は、輸送バンドを側方に境界づける内側デッキ、内側デッキから上向きに延在する欄干の内部ならびに移動手すりを支持および案内する欄干の頂部に位置するプロファイルの内部に設けることができる。
この形式の乗客コンベヤでは、ガラス製の欄干がますます一般的になってきている。本出願では、“ガラス製欄干”とは必ずしもガラスでない透明または半透明の材料によって形成される欄干を意味する。照明手段は、ガラス製欄干の内部に放射されるように、欄干の側面や長手方向端部に沿って設けることもできる。
このような照明手段の難点は、静的であること、すなわち乗客コンベヤの特に重要な位置などに注意を引かないことである。
よって、本発明の目的は、乗客コンベヤの全体または部分に特に注意を引くように設けられた照明手段を有する乗客コンベヤを提供することである。
本発明によれば、上述の目的は、無端乗客輸送バンドと、無端移動手すりと、輸送バンドおよび/または無端移動手すりの速度を求める装置と、輸送バンドに沿って延在するとともに複数の光源を含む照明手段と、光源に接続された照明制御装置と、を備える乗客コンベヤであって、照明制御装置が、輸送バンドおよび/または移動手すりの速度に従って個々の光源を点灯するように設けられている乗客コンベヤによって達成される。
このような形式の照明手段を有する乗客コンベヤでは、輸送バンドおよび輸送バンドとほぼ同じ速度で移動する移動手すりと同じ速度で、または輸送バンドの速度と特定の関係を有する速度で輸送ハンドの動きに従う照明が得られる。よって、照明の移動速度を輸送バンドの速度の2倍、3倍または他の予め選択された速度関係とすることができる。本発明では、照明手段は、必ずしも輸送バンドの全長に沿って延在しない。また、照明手段は、例えば乗降口の入口領域内へと輸送バンドの全長を超えて延在してもよい。
輸送バンドの速度に応じた個々の光源の点灯による照明は、必ずしも照明手段の全長に沿って移動する必要はなく、その特定部分のみに限定することができる。さらに、この照明が照明手段および輸送バンドのそれぞれに沿って実際に移動する必要はない。例えば、輸送バンドの速度によって決まる特定のリズムに合わせた輝度の変化やオンオフなどの他の光学的な効果を有してもよい。従って、乗降口において、踏段もしくはパレットがコムプレートの下で動き始めるとき、またはコムプレートの下から現れ始めるときに、照明手段を点滅させて、移動するパレットもしくは踏段から静止した乗降口への移動またはこの逆の移動を容易にするリズムをユーザに提供することができる。
“照明のギャップ”すなわち照明の切れ目が照明手段に沿って輸送バンドと共に移動するように、照明制御装置が個々の光源を点灯するように設けることができる。“照明のギャップ”は、暗いギャップすなわち個々の光源が点灯せずに暗くなっている照明手段の領域でありうる。このようなギャップは、輸送バンドと同じ速度、輸送バンドの2倍の速度、輸送バンドの何分の1かの速度、または輸送バンドの速度に関連する他の速度で移動可能である。“照明のギャップ”の代わりに、反対に“照明された点”が輸送バンドと共に移動してもよい。
乗客コンベヤは、さらに照明制御装置に接続された乗客検出装置を含むことができ、照明手段の照明された部分すなわち“照明された点”が乗客とともに移動するように、照明制御装置が個々の光源を点灯させるように設けることができる。対応する乗客検出装置は、乗客コンベヤの入口で乗客を検出するだけでよい。また、乗客検出装置は、乗客コンベヤの長さに沿って延在して踏段上の乗客の実際の位置を検出するものとすることもできる。乗客の検出が入口のみで行われる場合には、照明された点は乗客コンベヤ上を歩く乗客の平均距離よりも長い距離だけ乗客の前方に延びる。
乗客コンベヤは、個々の光源を照明制御装置に接続するバスシステムを含むことができる。このバスシステムは、アドレスバス、データライン、および個々の光源に電力を供給する電力線を含みうる。好ましくは、照明制御装置は、個々の光源への給電系統を含む。照明制御装置は、乗客コンベヤの動作を制御する従来の制御装置と接続可能である。この従来の制御装置は、照明制御装置に移動手すり速度または輸送バンド速度に関する情報を提供しうる。輸送バンドおよび/または移動手すりの速度を求める装置は、照明制御装置に接続可能であり、これらの駆動シャフトに接続されたエンコーダまたは輸送バンドの速度を求めるように輸送バンド(または移動手すりのそれぞれ)に直接あるいはこれらの駆動装置もしくは駆動モータに設けられたセンサとすることができる。また、この装置は、乗客コンベヤの駆動モータを制御する制御装置とし、モータの回転速度およびモータに与えられる制御指令にそれぞれ基づいて速度を提供してもよい。照明制御装置は、輸送バンド速度基準を提供するコンベヤバンド速度メモリを含みうる。このメモリは、速度を求める装置に接続され、所定の間隔で更新することができる。また、メモリをプログラム化して工場および/または保守時に手動で調整してもよい。
光源は、少なくとも1つのLED(発光ダイオード)を含みうる。光源は、白色LED、(例えばオーチスブルーなどの)特定色のLEDまたは赤色、緑色および青色のLEDの組合せ(RGB−LED)とすることができる。後者は、ほぼ全色の発光を可能とする。
LEDは、ホース状のフレキシブルな照明を構成するように鎖状に順に配置することができる。LEDは、バスケーブルによって接続かつ支持するだけでもよく、なんらかの支持材料によって支持することもできる。照明手段は、照明キャビティまたは照明チャネル内に配置可能である。照明手段は、従来の照明チューブで用いられるものと同様のスナップ留め要素やクリップなどの締結具により固定可能である。
照明キャビティは、ガラスまたは他の透明材料によって覆うことができ、好ましくは、拡散器、例えば拡散面の光を均一に分布させるつや消し面を(好ましくは照明手段に面した面に)有する平らな透明材料によって覆われる。
照明手段は、輸送バンドを照明するために内側デッキの照明キャビティ内に配置可能である。照明キャビティは、内側デッキに沿ったどの位置に設けてもよく、このような位置にはスカートパネルに隣接する内側デッキの垂直部分も含まれる。照明手段は、移動手すりを支持するプロファイル内に配置することもできる。さらに、照明手段は、ガラス製欄干内に放射するように設けてもよい。照明手段は、必ずしも乗客コンベヤの輸送側を照明する必要はなく、乗客コンベヤの外側を照明してもよい。よって、照明手段は、移動するギャップまたは移動する点によって乗客コンベヤの移動方向などの使用状況を知らせるために使用できる。
照明手段は、乗客コンベヤの内側または外側デッキに取付可能な別個の照明プロファイル内に設けることもできる。このような照明プロファイルは、ねじのような締結具や接着剤などで既存の乗客コンベヤに容易に後付け可能である。照明プロファイルは、デッキおよび欄干の少なくとも一方に取り付けられる。
好ましくは、欄干は透明であり、照明プロファイルの照明キャビティおよびその内部の照明手段は、使用時に照明手段が欄干内およびこれを通って放射するように配置される。ガラス製欄干の内部へと欄干の表面に対してほぼ垂直に放射することが可能である。また、ガラス製欄干に対して、0°〜90°、好ましくは10°〜80°、最も好ましくは30°〜60°の角度で放射するように照明手段を設けることもできる。好ましくは、光の方向は、デッキから上向き、すなわち一般的にガラス製欄干の頂部に配置される移動手すりの方向である。
好ましくは、照明キャビティおよび照明プロファイルの照明手段は、使用時に照明手段が乗客コンベヤの輸送バンドに向かって放射するように配置される。上述したように、安全上の理由から特に入口領域および出口領域における輸送バンドの照明が好ましいが、輸送バンドの全長または入口領域と出口領域の間の部分の照明も好ましい。照明の輝度を高めるために、照明キャビティ内に鏡手段を使用することができ、光を集束させるレンズ手段を使用することもできる。
好ましくは、照明プロファイルは2つの取付面を含み、これらの取付面は、デッキと欄干、特に内側デッキと欄干にそれぞれ取り付けられるように設けられる。欄干とデッキとの間の角部には、照明プロファイルを収容する十分な空間が存在する。さらに、照明プロファイルは、この角部にぴったり嵌るので、照明プロファイルを故意に分離させることは容易でない。ねじ、ボルト、リベットなどの固定手段または接着材料を用いてデッキにプロファイルを固定することが好ましく、照明プロファイルをガラス製欄干に固定せずにデッキのみに固定すれば十分でありうる。欄干がガラスとは異なる材料で形成され、特に透明または半透明の欄干でない場合には、欄干にもねじ、ボルトおよびリベットなどで取り付けてもよい。照明プロファイルをガラス製欄干にも固定する場合には、接着材料が好ましい。好ましくは、照明プロファイルと欄干との間にシーリングが設けられる。照明プロファイルは、欄干と照明プロファイルとの間にシーリングが付勢されるように取り付けられることが好ましい。これにより、照明プロファイルと欄干との間の間隙にほこりや汚れが入り込むことが防止される。
好ましくは、照明プロファイルは押出材料から形成される。押出成形されたプロファイルのコストが比較的低いため、照明プロファイルの押出成形が好ましい。照明プロファイルに他の材料を使用してもよい。よって、透明または半透明の材料を使用することができる。また、照明プロファイルにアルミニウムやアルミニウム合金などの金属も使用可能である。アルミニウム材料は、比較的軽量であるとともに十分な剛性を有し、アルミニウム材料によって形成された照明プロファイルは容易に壊れないため好ましい。照明手段によって発生する熱の放散を高めるために、金属、そして特に上述したアルミニウム材料のような熱伝導率の高い材料を使用することが好ましい。
好ましくは、照明キャビティは、使用時にガラス製欄干と接触する取付面に向かって開口する。よって、照明キャビティは、欄干の取付面に沿って延びる照明チャネルを構成し、照明手段を覆うカバーは必要ない。
一連のLEDを機械的手段によって照明キャビティ内に固定する代わりに、LEDを照明キャビティ内に取り付けるためにポッティング材料を使用することができる。好ましくは、ポッティング材料は硬化されたプラスチック材料である。また、ポッティング材料で充填されたLEDを照明プロファイル内へ容易に設置でき、LEDが設置された状態で照明プロファイルの曲げを容易にするフレキシブルな材料であってもよい。例えば、エポキシ樹脂を使用することができる。一般に、ポッティング材料の利点は、LEDを照明キャビティ内にしっかりと固定することであり、LEDをしっかりと固定することは組立を容易にする。さらに、ポッティング材料を使用することで、LEDは定位置に固定されてその照明方向が保たれる。照明プロファイルの本体の外側でLEDにポッティング材料を充填し、その後で充填された帯状の照明を本体に組み付けることができる。この場合は、フレキシブルなポッティング材料が特に好ましい。LEDおよびポッティング材料を支持する、金属、アルミニウム、プラスチック材料などによって形成されたU字型チャネルなどの支持部を提供することもでき、この支持部はLEDとポッティング材料とともに帯状の照明を構成する。このような帯状の照明は、照明プロファイルの内部に取り付けることができる。しかし、多くの場合、最初にLEDを照明プロファイル本体の照明キャビティ内に配置してから、ポッティング材料をLEDの周囲に充填してポッティング材料を硬化させることが好ましい。後者の方法では、ポッティング材料と照明プロファイルの本体の材料との間で良好な結合状態が確実に得られ、異なる熱膨張係数によって照明手段が照明キャビティから容易に分離しない。好ましくは、ポッティング材料は透明または半透明である。透明または半透明のポッティング材料を使用することによって、ポッティング材料でLEDを完全に囲むことができる。また、ポッティング材料でLEDを完全に囲まずに、LEDの照明側がポッティング材料の外に延在するようにすることも好ましい。この場合、透明のポッティング材料を使用する必要がない。
好ましくは、ポッティング材料は、良好な熱伝導率を有する。このようなポッティング材料は、LEDもしくは他の照明手段によって生じる熱が、照明キャビティから離れるようにプロファイル材料内へ良好に放散されることを確実にする。
好ましくは、LEDの少なくとも一部が共通のプリント回路基板上に支持される。プリント回路基板は、プリント回路基板を湾曲したプロファイルと一致させることができるように、また組み付けが容易となるようにフレキシブルであることが好ましい。特に、LEDおよびその他の部品を表面実装技術によってプリント回路基板の表面に取り付けることができる。プリント回路基板は、LEDに電力供給する電線、バスシステムのデータバスなどのデータライン、および個々のLEDもしくは個々のLEDの群のそれぞれに関してバスシステムと共に使用される論理素子を含みうる。このような論理素子もフレキシブルプリント回路基板に表面実装することができる。ポッティング材料は、フレキシブル回路基板およびこれに実装された要素を保護するために、回路基板および要素に充填されてもよい。
照明プロファイルは、照明される乗客コンベヤの全長に沿って延在するか、プロファイルの長手方向に互いに隣接し、好ましくは互いを電気的に接続するために長手方向端部に電気コネクタを有する複数の個別の照明プロファイルセグメントから構成することができる。個々のプロファイルセグメントの完全性を高めるために、1つのプロファイルの外側面に設けられ、隣接するプロファイルの対応するリセスに重なる重複部を設けることができる。これに加えてまたは選択的に、さねはぎ手段または同様の係合手段を照明プロファイルセグメントの隣接する端部に設けてもよい。好ましくは、1つのプロファイルセグメントのLEDは、共通のプリント回路基板に実装される。
好ましくは、照明プロファイルは、熱の放散を増加させるためにフィンまたはリブを含む。このようなフィンまたはリブは、プロファイルの外側、すなわち環境に面する面に設けることができる。また、LEDからプロファイル材料への熱の放散を増加させるために照明キャビティ内に設けてもよい。熱伝導性のポッティング材料が使用される場合でも、ポッティング材料からプロファイル材料への熱伝達を高めるため、およびポッティング材料とプロファイル材料との係合を高めるために、このような内部のフィンまたはリブを設けることができる。
ガラス製欄干に係合するとともに照明キャビティを有するプロファイルに照明手段が設けられる場合には、照明手段がガラス製欄干の端部または面を通って透明な材料の内部に放射されるように、プロファイルは欄干の上面への接続のためのU字型チャネルを含み、照明キャビティはU字型チャネルの延長部とすることができる。
また、プロファイルを透明または半透明の材料によって構成し、照明キャビティをガラス製欄干と係合するU字型チャネルとは別に設けることができる。しかし、照明キャビティがU字型チャネルの延長部であり、LEDがガラス製欄干と直接光学的に接触する場合には、プロファイルは、例えば金属材料、そして好ましくはアルミニウムまたはアルミニウム合金である良好な熱伝導性を有する材料から形成可能である。LEDは少量の熱しか発生しないが、それでも発生する熱を放散させる必要がある。上述した透明のプロファイルは、一般に熱伝導性が良好でない樹脂材料から形成される。このような樹脂性プロファイルの照明キャビティでLEDが使用され、熱エネルギーを放散させる手段が提供されない場合には、LEDは高温で動作しなければならず、これによりLEDの早期故障が生じるおそれがある。LEDを良好な熱伝導性を有する材料から形成されたプロファイルと組み合わせて使用することで、良好な熱の放散およびLEDに適した動作温度が確実に得られる。
上述したように、照明キャビティの内部にLEDを取り付けるためにポッティング材料を使用することができる。好ましくは、U字型チャネルは、開いた開口部からU字の底辺に向かう方向でU字型チャネルの側壁に平行に定義される深さ方向を有し、照明キャビティは深さ方向におけるU字型チャネルの延長部である。このようなプロファイル形状を使用することにより、LEDは、照明側がガラス製欄干の外側前面と対向して位置するようにプロファイル内に配置および充填することができる。さらに、LEDはこのように拡大されたチャネル内に容易に取付可能なので、このような照明の製造は非常に単純である。
好ましくは、U字型チャネルは、開いた開口部からU字の底辺に向かう方向でU字型チャネルの側壁に平行に定義される深さ方向を有し、照明キャビティはその一方の側壁内でかつ深さ方向に対して垂直な方向におけるU字型チャネルの延長部である。この構成により、LEDの照明側がガラスパネルの1つの側面に対して対向する配置となる。LEDがガラスパネルの平面に対し0°〜90°、好ましくは10°〜80°、最も好ましくは30°〜60°でガラスパネル内に放射するように、U字型チャネルの深さ方向およびガラス製欄干の平面に対してLEDのみ、あるいは照明キャビティも一緒に角度づけることができる。
好ましくは、弾性のある中間層がプロファイルとガラス製欄干との間にU字型のチャネルの側壁に沿って設けられ、このような中間層は照明キャビティの壁とLEDとの間にも設けられることが好ましい。このような構成を採用することにより、このような弾性のある中間層をプロファイル内に固定するために、照明キャビティ内へのLEDの取り付け、特に照明キャビティ内へのLEDのポッティングが使用できる。透明または半透明の弾性のある中間層が使用可能である。照明キャビティの壁とLEDとの間にこのような中間層を設ける必要はないが、LEDとガラス製欄干との間に設けてもよい。
好ましくは、プロファイルは、複数のねじによってガラス製プロファイルにねじ留めされる。既存の構成では、プロファイルは、プロファイルを固定するためにガラス製欄干に対して付勢されるばね手段によって欄干に固定される。ばね手段の製造および設置は容易ではない。一般に、このようなばね手段は特定の用途に従って変更しなければならないので比較的高価な部品である。ねじは在庫品を使用できるので、このようなばね手段に比べて安価である。
好ましくは、プロファイルはガラス製欄干の頂部に取り付けられ、移動手すりの案内支持部を構成する。
好ましくは、プロファイルは、乗客コンベヤの基部構造体に取り付けられ、ガラス製欄干を支持する。ガラス製欄干および移動手すりの支持に本発明によるプロファイルを使用することで、非常に輝度が高く、かつガラス製欄干にわたる等しい輝度分布を有する照明を実現するようにガラス製欄干の照明が頂部および底部から提供できる。
好ましくは、移動手すりの静電気接地手段が設けられる。移動手すりは、一般に帯電する弾性材料から形成される。実際には、LEDを壊すおそれがある非常に高い電圧が発生しうる。LEDの長い寿命を確保するために、LED照明では静電気接地を行うことが好ましい。
好ましくは、LEDの少なくとも一部が共通のプリント回路基板に支持される。プリント回路基板は、フレキシブルであることが好ましい。特に、LEDはプリント回路基板に表面実装できる。プリント回路基板は、LEDに電力を供給する電線を含みうる。また、例えばバスシステムのデータバスなどのデータラインを含むことができ、さらにバスシステムとともに個々のLEDもしくは個々のLEDの群に関して使用可能な論理要素を含みうる。
好ましくは、乗客コンベヤのプロファイルは、複数のプロファイルセグメントから構成され、これらのプロファイルセグメントは、プロファイルの長手方向で互いに連結されるとともに、プロファイルセグメントを互いに電気接続するために長手方向端部に設けられた電気コネクタを有する。好ましくは、1つのプロファイルセグメントのLEDは、共通のプリント回路基板に実装される。
好ましくは、プロファイルおよびプロファイルセグメントは、熱の放散を増加させるためにフィンまたはリブをそれぞれ含む。このようなフィンまたはリブは、プロファイルの外側面すなわち環境に面する面に設けることができる。これらは、LEDからプロファイルの材料への熱の放散を増加させるように照明チャネル内に設けてもよい。熱伝導性のポッティング材料が使用される場合でも、ポッティング材料からプロファイル材料への熱伝達を高めるために、このような内部のフィンやリブを設けてもよい。
図1は、本発明の実施例に係る乗客コンベヤ2を示している。図1の乗客コンベヤ2は、エスカレータであるが、本発明は動く歩道などでも実現可能である。エスカレータに関して説明する特徴部は、その他の乗客コンベヤの照明システムにも含むことができる。
乗客コンベヤ2は、順に配列された複数の踏段から構成される無端乗客輸送バンド4を有する。乗客コンベヤ2は、さらに乗客輸送バンド4と平行に移動する無端移動手すり6を含む移動手すり装置34を有する。ガラス製欄干8が、輸送バンド4の側方に設けられており、移動手すりを支持する。移動手すり6は、特にガラス製欄干8の頂部に取り付けられた移動手すり支持プロファイル10によって支持される。移動手すり支持プロファイル10と同様に、乗客コンベヤ2の基部構造体14によって支持され、ガラス製欄干8を下から支持する欄干支持プロファイル12が設けられている。
以下で詳細に説明するように、ガラス製欄干8および/または乗客輸送バンド4は、照明手段によって照明することができる。ガラス製欄干8は、乗客コンベヤを照明するかあるいは情報を表示するために、ガラス製欄干8の体積を通って光を散乱させるように構成される。このような構造体は、例えば表示される画像や単語などの形態で特定の領域のみに設けることができる。しかし、ガラス製欄干の両側面全体にこのような構造体を設けてもよい。この構造体は、グリッドブラストやサンドブラストなどのブラスト技術を含む種々技術によって作成可能である。また、このような構造体を表面に印刷してもよい。現時点ではスクリーン印刷、特にセラミック材料のスクリーン印刷が最も好ましい。
図1に示すように、移動手すりは、傾斜領域16、移行領域18、移動手すりがニュアルのボウ部22の周りに案内されるニュアル領域20、そして戻り路24を通る循環路に沿って移動する。戻り路には移動手すり駆動装置26が配置される。照明手段50,52の制御および電力供給のための照明制御装置28が、上方の乗降口の下方の空間30または乗客コンベヤ2の内部もしくは外部でもよい他の場所に配置可能である。照明制御装置28は、照明を制御するマイクロプロセッサなどの制御手段を含んでもよい。照明制御装置20は、給電系統から離れて配置することもできる。移動手すり支持プロファイルは、移動手すり支持プロファイル10の長手方向に互いに隣接する複数のプロファイルセグメント32から形成される。同様に、欄干支持プロファイル12も複数のプロファイルセグメントから形成される。
図2は、乗客コンベヤ2の部分断面図である。図2の断面図は、ガラス製欄干8がガラス製欄干支持プロファイル12によって乗客コンベヤの基部構造体14にどのように支持されているかを示している。乗客コンベヤ2の外側フェアリングは、内側デッキ34、スカートパネル36および外側デッキ38によって構成される。スカートパネル36は、乗客輸送バンド4、特に個々の踏段40に隣接する。照明プロファイル42が、内側デッキ34に取り付けられる。照明手段は、欄干8の近傍で内側デッキの頂部に設けられた照明プロファイルの内部に位置するように示されているが、照明手段は内側デッキに沿ったどの位置に設けてもよく、このような位置にはスカートパネル34に隣接する内側デッキ34の垂直部分も含まれる。また、照明手段は、照明手段と対応する透明または半透明のカバーとがそれぞれ内側デッキ34の表面とほぼ同じ高さとなるように内側デッキ34のチャネル内に設置してもよい。
図3に示すように、照明プロファイル42は、本体44と、2つの照明キャビティ46,48、詳細には欄干照明キャビティ46と輸送バンド照明キャビティ48と、を含む。各々の照明キャビティ46,48内には、それぞれ少なくとも1つの照明手段50,52が設けられる。輸送バンド4と欄干8の両方を照明するために、単一の照明手段ならびに単一の照明キャビティを設けてもよい。
照明手段50,52は、フレキシブルプリント回路基板53に表面実装された複数のLED51を含むことができ、プリント回路基板53はLED51用の配線と、特にLED51をオンとオフの間で個々に切り替えるバスシステムを含む。例えば、バスシステムからのデータに従って個々のLED51またはLEDの群を切り替える制御要素もプリント回路基板53に実装可能である。特に、データデコーダ、電力線および各々のLEDに接続された関連する切換手段が制御要素を構成しうる。LEDを個々にもしくは群として切り替えるために他の回路または電線配置も使用できる。プリント回路基板、LED、およびプリント回路基板53上の構成要素はポッティング材料で充填可能である。ポッティング材料55は、熱伝導性材料であることが好ましく、照明手段50,52によって発生する熱を放散するために照明プロファイルの本体44の材料と密着することが好ましい。LEDは、ドイツの会社であるオスラム(Osram)からLBE67C POWER TOPLEDまたはLT E67Cという商品名で販売されているものが好ましい。
照明プロファイル42の内部で照明によって発生する温度を低下させる他の選択肢として、比較的大きい断面積を有する電線を使用して個々のLED51に電力を供給することができる。lapp canel,oelflid 191,3G 1.5mm/16AWG型の電線が適していることが分かった。LED51への電力供給および照明の(色、輝度などの)制御のために給電系統を設けることができる。例えばビル内で同時に複数のエスカレータの制御が必要であれば、1つの給電系統をマスタコントローラとして構成可能である。マスタコントローラもしくは他の給電系統は、設定値またはコンピュータプログラムによって色を静的または動的に制御することができる。
照明プロファイル42は、内側デッキ34への取り付けのための取付面54を有する。照明プロファイル42の本体44を内側デッキ34に固定するために締結具56が使用される。本実施例では、締結具56は、本体44に螺合するねじである。照明プロファイル42の取り付けを容易にするために、押出成形された照明プロファイル42は照明プロファイル42の押出成型時に形成されるねじ用スリットを含みうる。これにより、締結具56は、照明プロファイル42の長さに沿ってどの位置に設けてもよい。
欄干8に面する取付面60にはシーリング58が設けられる。図示のように、取付面60は欄干8と接触しておらず、シーリング58のみが欄干8と接している。これにより、ガラス製欄干8のガラス面に傷がつくことが防止される。好ましくは、シーリング58はガラス製欄干8に対して弾性的に付勢される。照明キャビティ46は、ガラス製欄干8側にはカバーを有していないので、照明手段50によって発生する光がガラス製欄干8内を最適に通過する。照明キャビティ48は、透明または半透明のカバー60によって覆われている。カバー60は、輸送バンド4に向けて光を集束させるレンズ式のものでもよい。
本体44の取付面54は、本体44から乗客コンベヤの構造体への熱の放散が良好となるように、内側デッキ34の外側面と好ましくは広い表面積にわたって密着する。
個々の移動手すり支持プロファイルセクション32と同様に、複数の照明プロファイルセクションによって照明プロファイル42を構成することができる。給電系統28は、図1のように配置可能であるが、給電系統を照明プロファイル42、特に照明キャビティ46,48に収容してもよい。電気接続は、内側デッキの開口部およびプロファイルのねじスリット、中空の締結具56またはプロファイルおよび/またはデッキに設けられた他の開口部を通して行うことができる。
図4は、ニュアル領域20および戻り路24以外の位置における移動手すり装置34の断面図である。図4に示すように、移動手すり装置34は、従来と同様に弾性ゴム材料から形成される移動手すり6と、プロファイル10によって支持されるスライディングガイド136と、を含む。プロファイル10は、側壁140を有するU字型チャネル138を有する。U字型チャネル138のU字は、図4では下方に開いており、底辺142を有する。
プロファイル12もU字型チャネルを備えており、いくつかの点でプロファイル10と類似している。プロファイル12は、移動手すり6を案内する手段を有する必要はない。プロファイル10,12は、例えば金属などの良好な熱伝導性を有する材料から形成される。好ましくは、プロファイル10,12は、押出成形されたアルミニウムもしくはアルミニウム合金のプロファイルである。U字型のプロファイルの延長部には、照明キャビティ144が設けられる。照明キャビティ144の内部には、複数のLED145が配置される。これらのLEDは、ドイツの会社であるオスラム(Osram)からLBE67C POWER TOPLEDまたはLT E67Cという商品名で販売されているものであることが好ましい。LEDを照明キャビティの内部に取り付けるためにポッティング材料143が使用される。弾性のある中間層146がプロファイル10とガラス製欄干8との間に設けられる。図2で示すように、弾性のある中間層146は、U字型チャネル138の側壁140および照明キャビティの壁に沿っても設けられる。LEDとプロファイル10との間の熱的接触、特にポッティング材料とプロファイル10との間の熱的接触を良好にするために、少なくとも照明キャビティの領域において弾性のある中間層146に開口部を設け、LEDなどによって発生した熱が中間層144を通ってプロファイル10内に確実に放散されるようにすることができる。
照明プロファイル142内の照明によって発生する温度を低下させる他の選択肢として、比較的大きい断面積を有する電線を使用して個々のLED151に電力を供給することができる。LED151への電力供給および照明の(色、輝度などの)制御のために給電系統を設けることができる。例えばビル内で同時に複数のエスカレータの制御が必要であれば、1つの給電系統をマスタコントローラとして構成可能である。マスタコントローラもしくは他の給電系統は、設定値またはコンピュータプログラムによって色を静的または動的に制御することができる。
図4では、LEDによって発生する光は、欄干8の端部すなわち前面148を通って欄干8の体積内に導かれる。
ガラス製欄干の典型的な幅は10mmである。好ましくは、LEDによって形成される照明バンドはガラス製欄干と実質的に同じ幅を有する。
プロファイル10は、ガラス製欄干8にねじ150、好ましくは頭なしのセルフカッティング(self−cutting)ねじにより固定される。ねじ穴はカバー152によって覆うことができる。
図5は図4と同様の断面図であるが、ニュアルのボウ部22の領域のものである。移動手すり6とニュアルのボウ部22との間の摩擦を低減するために、プロファイル10内にローラ154が回転可能に設けられている。特にこのようなローラは、例えば胴などの金属材料から形成可能であり、移動手すりの帯電を防止するために接地することができる。ローラベアリング156は、ローラ154のエンベロープ内で概略的に示されている。
LED145は、照明キャビティ144の長さに沿って延在するフレキシブルプリント回路基板157に実装されることが好ましい。LED145に電力供給を行う電線に加えて、プリント回路基板157上にまたはこれとは別にデータバスを設けてもよい。データバスは、個々のLEDまたはLEDの群を個別に点灯するために、個々のLEDおよび/またはLEDの群と接続可能である。このために、個々のLED145またはLED145の群のそれぞれに対してデータデコーダが設けられる。データデコーダは、プリント回路基板またはLED145と一体に形成可能であるが、プリント回路基板に表面実装してもよく、またはデータバスおよびLED145と個々に接続してもよい。データデコーダに関連して、データバスの情報によりLEDの点灯が必要な場合に、個々のLED145またはLED145の群に電力を切り替える切換手段を設けることができる。LED145を個々にまたは群でオンとオフとの間で切り替えるために、他の回路または電線配置を使用することもできる。
このように個々にまたは群単位でLEDを制御する制御装置を使用することで、ガラス製欄干8の局部的な照明や例えば輸送バンド4上に立つ乗客の移動と一致してガラス製欄干8に沿って移動する照明が可能となる。
他の実施例では、移動手すりを支持するプロファイル10および/または欄干8を支持するプロファイル12の内部に照明手段を設けることができ、これらのプロファイルは、両方ともプロファイル10の長手方向に互いに隣接する複数のプロファイルセグメント32から構成することができる。
Claims (14)
- 無端乗客輸送バンド(4)と、無端移動手すり(6)と、輸送バンド(4)および/または無端移動手すり(6)の速度を求める装置と、輸送バンド(4)に沿って延在するとともに複数の光源(51)を含む照明手段(50,52)と、光源(51)に接続された照明制御装置(28)と、を備える乗客コンベヤ(2)であって、照明制御装置は、輸送バンド(4)および/または移動手すり(6)の速度に従って、個々の光源を点灯するように設けられていることを特徴とする乗客コンベヤ(2)。
- 照明制御装置(28)は、輸送バンド(4)と共に照明手段(50,52)に沿って照明のギャップが移動するように、個々の光源を点灯させるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベヤ(2)。
- 照明制御装置(28)に接続された乗客検出装置をさらに備え、照明制御装置(28)は、照明手段(50,52)の点灯した部分が乗客と共に移動するように、個々の光源(51)を点灯させるように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の乗客コンベヤ(2)。
- 個々の光源(51)と照明制御装置(28)とを接続するバスシステムをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- バスシステムは、個々の光源(51)への給電系統をさらに含むことを特徴とする請求項4記載の乗客コンベヤ(2)。
- 光源は、少なくとも1つのLED(51)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- LED(51)は、ホース状のフレキシブルな照明を構成するように順に鎖状に配置されていることを特徴とする請求項6記載の乗客コンベヤ(2)。
- LED(51)は、異なる色のLED(51)を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の乗客コンベヤ(2)。
- 照明手段(50,52)は、輸送バンド(4)の照明のために内側デッキに設けられた照明キャビティ内に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- 照明手段(50,52)は、デッキ(34,38)に取り付けられた照明プロファイル(42)の内部に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- 照明手段(50,52)は、移動手すり(6)を支持するプロファイルの内部に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- ガラス製欄干(8)をさらに含み、照明手段(50,52)は、ガラス製欄干内に光を放射するように取り付けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- 照明制御装置(28)は、コンベヤバンド速度メモリを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
- 照明制御装置(28)は、速度を求める装置と接続されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の乗客コンベヤ(2)。
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