JP2009533125A - 低比率散乱放射線を含むx線画像の生成 - Google Patents

低比率散乱放射線を含むx線画像の生成 Download PDF

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Abstract

本発明は、低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成する、方法、この方法を行うためのX線装置、及びこの装置のために用いられる検出装置に関する。X線は、この場合、2つのX線検出器を有する検出装置により検出され、第1のX線検出器には、第2のX線検出器が個別の検出素子により散乱放射線及び主放射線を検出することができるようにした介在の開口部が設けられる。第2のX線検出器により与えられる信号は、第1のX線検出器により生成される画像に含まれる散乱放射線の割合を判定し、当該割合の散乱放射線の第1の画像をほぼ排除するために用いられる。

Description

本発明は、低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成する方法、この方法を行うためのX線装置、及びこのようなX線装置のために用いられる検出装置に関する。
検査されつつある被検体において生じた散乱放射線は、当該検査されつつある被検体から撮影されるX線画像の品質に対して悪影響を及ぼすことが知られている。したがつて、多くの検査処理においては、X線を吸収する材料により形成される複数のストリップを有するバッキーグリッド(Bucky grids)が当該検査されつつある被検体の後方に配される。これらストリップは、X線のソースの焦点に位置合わせされ、これにより、当該ソースにより放出され当該検査されつつある被検体により散乱されていないX線(主放射線)は、ストリップ間を前進し受信又は記録媒体例えばフィルムに通じるようにすることができる。一方、当該検査対象の被検体において生じた散乱放射線のうち、より大きい又はより小さいサイズの割合は、当該ストリップにより吸収され、これは、結果として得られるX線画像は、バッキーグリッドなしで得られるX線画像と比較して低比率の散乱放射線しか含まないことを意味する。
しかしながら、この利点を相殺するよう、ストリップの面において伝搬する主放射線の割合も抑制されるという不利な点がある。この結果、患者の放射線への露出をバッキーグリッドにより生じた線量の損失を補償するように増加させなければならず、或いは低い信号対雑音比を受け入れなければならない。したがって、様々な用途において、例えばマンモグラフィにおいて、バッキーグリッドの利点は異議の唱えられるものとなっている。
米国特許第6,134,297号から知られるのは、X線画像におけるノイズの比率がバッキーグリッドの使用を伴うことなく低下させられる解決策である。この方法において、受信媒体として用いられるものは、X線が伝達する方向において縦に並べられた2つの(ディジタル)X線検出器を有する検出装置である。第1の検出器の下流に配される適切な手段の使用によって、この場合、第2のX線検出器における或る特定の検出素子には、ほぼ主放射線だけが又はほぼ散乱した放射線だけが突き当たることができるように配置される。これら2つの代替例のうちの1つにおいて、X線のソースの焦点と位置合わせされる空間的に均等に分散させられた孔が設けられたコリメータが、2つのX線検出器の間に配置される。したがって、第2のX線検出器は、当該孔の領域において主放射線によってのみ突き当たることが可能であり、これは、第2の検出器では、当該放射線が突き当たる検出素子からの信号から生成されるものは、主放射線の低解像度画像であることを意味している。
この画像から、第1の検出器の主放射線の低解像度画像を計算することができ、この画像は、第1のX線検出器からのX線画像から得られる低解像度X線画像から減算される。第1のX線検出器から得られる画像は主放射線及び散乱放射線により決まるのに対し、第2のX線検出器から得られる画像は主放射線によってのみ影響を受けるので、このようにして形成される差は、第1の画像における散乱放射線にほぼ一致する。散乱放射線のこの画像は、第1の検出器により伝送される高解像度画像から減算され、これがX線画像になることになる意図は、散乱した放射線の低減割合を含む。
第2のX線検出器から得られる主放射線の低解像度画像の第1のX線検出器の主放射線の低解像度画像への変換において、検査されつつある被検体による主放射線の吸収は、地理学的な位置で変化するものであり、考慮に入れなければならないものであり、このことは、粗い推定値だけが、第1の検出器における散乱放射線及び主放射線の割合により形成可能であることを意味している。
本発明の目的は、低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成する改良した方法を規定することである。
この目的は、本発明により、低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成する方法であって、
a.第1の画像の生成のために第1のX線検出器によりX線放射線の検出をなすステップと、
b.前記第1のX線検出器から距離を置いて配される第2のX線検出器により前記第1のX線検出器における開口部を通じるX線の検出をなすステップと、
c.当該2つのX線検出器からの信号を合成して、前記第1の画像と比べて低減された散乱放射線の割合を含むX線画像を生成するステップと、
を有する方法によって達成される。
本発明の場合、入力線量が少ない場合、X線検出器は、専ら、できる限り完全にX線を吸収するときに低い割合のノイズを含むX線画像を提供することができるという事実を見越すものである。したがって第1のX線検出器において本発明により設けられる開口部が行うものは、X線が、これら開口部の領域において実質的に減衰しないで第2のX線検出器に到達することを可能にすることである。2つのX線検出器の間の距離が開口部の直径よりも数倍大きい場合、これら開口部は、主及び散乱放射線を第2の検出器が配されるポイントで分離させる。直線によりX線の焦点に当該開口を通じて接続されているそれら検出素子は、主放射線を受信するのに対し、それらの周りにある検出素子は、散乱放射線が突き当たる。実質的に減衰のない形態のX線の検出と主放射線及び散乱放射線の分離によって、非常に簡単に散乱放射線を減らす。
本発明について「X線検出器」と呼ばれるものは、地理的な位置及び強度に依存した電気信号を供給することができる手段であり、概して、各々がX線の特定の強度に依存した電気信号を生成するマトリクス状に配された複数のセル又は検出素子を有する。この場合における「開口部」なる文言は、X線検出器において、X線量を光又は電気信号に変換(そしてこれによりX線を吸収すなわち減衰)する検出層が開口部の領域を遮ることを意味する。但し、この遮りには、材料が充填されるようにしてもよい。必須なのは、この材料によるX線の減衰が当該検出層によるX線に対して生じる減衰と比較して小さいものとしなければならないことだけである。
原則として、第1及び第2のX線検出器からの主放射線の低解像度画像の間に差を見出す米国特許第6,134,297号に記述されているものと同様の方法により、散乱放射線が判定されることが可能となると思われる。但し、より信頼性の高いものは、(別個に)測定された散乱放射線を用いる請求項2に記載の実施例である。
第1のX線検出器における開口部は、当該検出器により生成されたX線画像におけるギャップを生成する。当該画像におけるこれらギャップは、原則として、開口部の近辺における検出素子からの画像信号からの補間により充填されることができる。但し、このギャップは、請求項3に記載されている方法の実施例により、より有利な態様で充填可能である。
請求項1に記載の方法を実行するX線装置は、
a.X線源と、
b.前記X線源により放出されたX線を検出する検出装置であって、互いに距離を置いて配される第1及び第2のX線検出器を有し、前記第1のX線検出器には、前記第2のX線検出器の個々の検出素子にX線が突き当たる際に介在する開口部が設けられるようにしている検出器と、
c.前記X線検出器により供給される信号を合成して低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成するための手段と、
を具備する。
原則として、X線検出器は、これに入射するX線の全部を吸収しないが、その大部分だけは吸収する。これにより、第2のX線検出器の検出素子が、第1のX線検出器により減衰されたX線により突き当てられることになる可能性がある。これは、2つのX線検出器からの信号を組み合わせることにより生成されるX線画像の品質に有害な作用を及ぼす可能性がある。この有害作用は、請求項5に記載の実施例によって多くが回避される。
開口部が円筒状ならば、或いはそれらの長手方向において一定の断面のものであれば、開口部の上部又は底部エッジは、散乱放射線を特に減衰する可能性がある。一方、請求項6に記載の実施例の場合、散乱放射線は、殆どが減衰しないで開口部を通過することができる。
X線検出器は、(いわゆるタイル張りで)複数の小さめの副検出器から組み立てられるようにしてもよいことは知られている。これら副検出器は、そうして組み立てられる放射線感応検出領域においてギャップがないようにして配置されなければならないものであり、実用的に達成するのは難しいものである。但し、請求項7に記載の本発明の実施例の場合、この種のギャップが許容され、第1のX線検出器により生成される画像は、第2のX線検出器において主放射線が突き当たる検出素子からの信号によって、スリットの形態で開口部の領域において補足される。
一方、このようにして生じるスリット形態の開口部は、それらの下に位置する第2のX線検出器に属する検出素子が、主放射線だけでなく、X線のソースの焦点及びスリット形態における開口部を含む面において移りゆく散乱放射線によっても突き当てられるようにする。但し、請求項8に記載の実施例の場合、この散乱放射線が抑制される。
請求項9は、本発明によるX線装置に適した検出装置を記述する。開口部の近辺の検出素子の検出作用は、この場合における開口部によって機能することができる。X線を検出するためにシンチレーション結晶の層を有するX線検出器の場合、開口部により殆ど影響の受けない検出作用は、請求項10に記載の態様により得ることができる。この場合に当該開口部に設けられる光伝導物質は、当該開口部を通過するX線のうち殆ど全く吸収しない。
請求項11〜13は、第1のX線検出器と比較して、第2のX線検出器(又はその検出素子)の有利な実施例に関係する。
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、以下に説明する実施例を参照して明瞭に説明する。
図1において、参照数字1は、テーブルプレート3により象徴的に表わされる患者披露テーブル上に横たわる患者10を通過する線束2を放出するX線源を指している。テーブルプレート3の下には、地理的な位置の関数として入射したX線を電気信号に変換する検出装置が位置づけられる。検出装置4により生成された信号は、制御ユニット5によりディジタル化され、ワークステーション6に供給され、ここで一方では画像処理が行われ、他方ではX線源1が接続されるX線発生器7において制御も行われる。ワークステーションは、X線画像が再生されることのできるモニタ8と共働動作する。また、ユーザが制御コマンドを入力することができるようにした入力ユニット9も設けられる。
図2は、検出装置4の詳細を示す断面図であり、被検体10の一部も、方向が分かり易いように示されている。検出装置4は、互いに距離を置いて配される2つのX線検出器41及び42を有する。X線検出器41は、X線源1及び検査されつつある被検体10の近くに位置づけられるものであり、X線がそれを通じて第2のX線検出器42に達することができるように介在する複数の開口部410を具備する。開口部410は、水平方向において、かつ図2が描かれる平面に直角にして、互いに等しい距離の間隔が開けられるのが好ましい。
被検体10からは、図2に示される詳細図において直角に走る主放射線と、被検体内で散乱過程に起因して生じかつ概して当該直角に対して角度をもって走る散乱放射線が発現する。第1のX線検出器の各検出素子には、主放射線及び散乱放射線の双方が突き当たることができる。他方において第2のX線検出器42の検出素子のうち、主放射線が突き当たるのはほぼ検出素子421だけであり、散乱放射線が突き当たるのはほぼ検出素子422だけである。X線源1の焦点と検出素子421とを結ぶ直線は、開口部410を通るのに対して、検出素子422とX線源の焦点とを結ぶ直線は、開口部の外側に延び、X線検出器41と交差する。
第1のX線検出器41は、X線の吸収性の高い材料(例えば鉛など)の層412がその後部側に設けられる。この態様で達成されるものは、X線が開口部410を通じてのみ第2のX線検出器42に達することができ、主放射線及び散乱放射線のそれぞれにつき検出素子421及び422により与えられる測定値が第1のX線検出器自体を通じることにより第2のX線検出器に突き当たるX線放射線によっては変化しないことである。第2のX線検出器の後部側にも、既述の種類の層423が設けられるようにしてもよい。
層412が開口部410の領域においても水平に延びるならば、散乱放射線の幾分かは、当該層の底部エッジにより減衰又は吸収される。これが生じるのを回避するため、層412は、開口部の領域において斜角が形成(面取り)され、これにより、その領域において、第2のX線検出器42に向かって開けられる円錐状拡大部411を作ることは有益である。基本的に、X線に感応性がありX線源の近くに位置する層も、このようにして斜角が形成される場合がある(X線源に向かって面する円錐状拡大部を作ることになる)が、これは、当該拡大部の領域における検出素子の感度に悪い影響を及ぼしうるものである。
散乱放射線及び主放射線が第2のX線検出器42の入射の面において互いに良好に分離されるため、開口部と第2の検出器との間の距離は、開口部のサイドからサイドの寸法と比較して大きくするのが良く、例えば5ないし10倍のものとされるのが良い。後者の寸法と比較して当該距離が大きくなるほど、主放射線と散乱放射線との空間上の分離が良好なものとなる。但し、散乱放射線の円錐の光線束が第2のX線検出器の入射の面において重なってはならないという事実により第2の検出器と開口部の面との間の距離に上限が設定される。
開口部の寸法は、第2の検出器へ前進することができるように当該検出器の面に対して斜めに走る相当散乱した放射線に対しては十分に大きくするのが良い。検出器が概して1mmの厚さである場合、この条件は、0.5ないし1mmの開口寸法により充足する。放射線透過写真術又は蛍光透視法のためのX線検出器の場合、これは、単一の検出素子の寸法の倍数に等しい。当該用途がコンピュータ断層撮影法であり、そのために本発明が同様に適切である場合、これは、検出素子の寸法に概ね等しいものとなる。
図1が示すように、いわゆる中心光線だけがX線検出器の入射の面に直角に延びる。さらに外部に向けて位置づけられる光線ビーム2における光線は、こうして開口部410を斜めに通過する。これが意味するものは、例えば、これが生じる領域において、開口部の下に直角に位置づけられ第2の検出器のそれら検出素子が主放射線をもはや検出せず散乱放射線を検出することになり、主放射線は、外側にさらに向かって位置づけられる1つ又は複数の検出素子により検出されることである。様々な態様でこうした点を考慮することができる。
第2のX線検出器の検出素子の有効面積が、第2のX線検出器とX線源の焦点との距離が第1の検出器の場合において対応の距離よりも大きい場合と同じ量だけ、第1のX線検出器の検出素子の領域よりも大きい場合、開口部(すなわち開口部の領域において欠けている検出素子)と、主放射線を受信する第2のX線検出器における検出素子との間に1:1の関係が得られる。
他方、第2の検出器における検出素子は、第1の検出器における検出素子と同じ寸法のものとすることができ、或いは当該検出素子よりも小さいものとすることもできる。受信の幾何学的形状配置は既知なので、個々の開口部毎に、どの検出素子が主放射線により突き当てられるか、そしてどの検出素子が散乱放射線により突き当てられるかを指定することができ、一部のみが主放射線により突き当てられる個々の検出素子からの信号は、必要に応じて、適切な重み係数により処理される。
第2のX線検出器における検出素子の幾つかは主放射線にも散乱放射線にも突き当てられない。したがって、これら検出素子は、余分なものとなり、省くことができる。故に、第2のX線検出器が、開口部の後方においてX線により突き当てられた各領域において検出素子の集団を有していれば、十分である。
開口部410は、X線を吸収しそれを光又は電荷に変換する検出層が開口部のために用いられる領域の外側でのみ形成可能にすることを、適切な手段で、製造過程の一部として確実することによって形成可能であるが、基本的には、検出層も、遡ってこれら領域から除去されることもできる。既に述べたように、開口部の領域におけるX線の吸収が第1の検出器によるX線の吸収と比べて無視することができることが保証されているならば、開口部を物質のない状態にする必要はない。したがって、シンチレータにより形成される検出層を有するX線検出器の場合、開口部は、光伝導性物質により充填されることができ、これが、開口部を、これに隣接する検出素子の特性を殆ど影響の受けないものとすることを導くものとなる。
原則として、各検出素子は、それぞれ導電体を制御し読み込むことによって駆動され読み取られることの可能な光学素子(例えばフォトダイオード)、TFTスイッチ及び必要に応じて他の構成部を有する。こうして、これら導電体が開口部の周りを走る必要がないので、開口部の領域における適所に残されるよう関係づけられる構成部及び導電体にとって有益なものとなりうる。これら導電体及び構成部は、それほどX線を減衰させないように構成されるようにしてもよい。
以下では、図3に示される概略的フローチャートを参照して、散乱放射線の殆ど無いものとされたX線画像を2つのX線検出器を用いてどのようにして生成することができるかについて明らかにされる。このため、ステップ100において開始した後、X線源1は、ステップ101においてオンオフ切り換えられ、X線検出器41及び42により生成された画像信号は、ユニット5によりディジタル化され、ディジタル画像値の形式でワークステーション6に記憶される。これら画像値は、2つのX線検出器の各々において異なる感度の補償をなすように既知の手法で補正される。必要とされる補正は、適所において被検体なしで及び/又は適所において厳密に既知の吸収曲線を有するキャリブレーティングボディにより、以前のキャリブレーティング測定により決定することができる。
このようにして補正された画像値からは、第1のX線検出器41により生成された画像I1がその上に重なる放射線を散乱させ、この画像も開口部410の領域においてギャップを含む、という条件で、第1の画像I1及び第2の画像I2を得ることができる。また、第2のX線検出器42からの画像値から得られる画像I2は、開口部410の領域においてX線の強度のみを表す。
検出素子422から得られる画像値は、開口部410の位置に合致するようにして入射の面にわたり均等に分布する基準ポイントにおいて第1のX線検出器の入射の面において生成される散乱放射線の画像を表す。これから、ステップ102において、画像I22は、低い空間解像度で、第1のX線検出器の入射の面における散乱放射線の分布を表すものとして復元される。このため、ゼロの画像値に設定されるライン及び列は、例えば、挿入され、これにより、適切な低域通過カーネルによる畳み込みの後に、画像I1のものと合致する画素グリッドを有する低空間解像度の画像I22を生成するようにすることができる。散乱放射線の割合のさらにもっと改善された判定も可能であり、その理由は、検出422が散乱放射線の量だけでなく、開口部410に関係したそれぞれの位置による、その方向をも検出するからである。
散乱放射線の分布が検査されつつある被検体10の下流の空間において少しだけ変化するので、画像I22の低い空間解像度は、開口部410の間の距離を適切に選べば十分である。この距離は、個々の検出素子の寸法より10〜100倍も大きいものとすることができる。検出器が例えば2000×2000の検出素子を有する場合、20×20の均等に分散した開口部410で十分である。
ステップ103において、散乱放射線の画像I22は、そこでは第1のX線検出器により与えられた画像I1から画素毎に減算され、その差を、開口部410により画像I1において欠落している画素に対してゼロに設定している。そして、結果として得られる画像I10は、散乱放射線の割合をほぼ皆無とした後に第1の検出器からの画像、すなわちほぼ主放射線だけで決定される画像を表す。
開口部410により生じるこの画像のギャップは、第2の検出器の検出素子421から生じるとともに開口部410を通過する主放射線に対応する画像値I21により、ステップ104において充填される。結果として得られる画像Iは、大幅に低減された割合の散乱放射線を含む高空間解像度のX線画像である。この後、本方法は、終了となる(ブロック105)。
本発明による方法は、複数の副検出器から組み立てられるX線検出器の場合にも有利に用いることができる。これら副検出器は、この場合、X線に感応性のある入射の面においてギャップが現れないように配置しなければならない。これは、実用上問題であるが、隣接の副検出器間において1つ又は複数の検出素子に対して幅の等しいギャップを許容することによって深刻さを緩和することができる。そして、図2に示される図は、この種の検出器にも当てはまるが、開口部410は、円形又は四角ではなく、図2が描かれるところの平面に直角なスリットの形態とされる。これらスリットの領域における第1のX線検出器からの画像に現れるギャップは、当該スリットの下に位置づけられ主放射線が突き当たる第2のX線検出器の検出素子からの信号により再度充填されるようにしてもよい。
但し、これらスリットの領域において、検出素子は、当該スリットを含む平面において走る散乱放射線が突き当たるようにしてもよい。散乱放射線のこの割合は、慣例的な手法において生成されるX線画像と比較していずれにしても既に減少させられたものであるが、分裂形態で開口部に直角に延びるバッキー型ストリップによりさらに一層、低減させることができる。ここでのストリップは、X線検出器の焦点に交差する平面において延びるものとされる。
本発明は、個々の(レントゲン写真の)X線画像を生成する手段としてのX線装置の部材、特にマンモグラフィに適用可能である。但し、本発明は、コンピュータ断層撮影法、特にマルチラインコンピュータ断層撮影法にも用いることができるものであり、その場合、各個々の視界、すなわち所定の角度位置において放射線源及び検出装置を有するシステムにより個々の検出素子により撮影される各X線画像は、図1ないし図3について説明した態様で処理される。本発明は、空間のボリュームを表す3次元画像を生成することを可能にする他のX線システムにも適用可能であり、最終的にはダイナミックX線検出器を用いて透過照射又は蛍光透視法のためのX線装置にも適用することができる。
本発明によるX線装置を示す図。 このX線装置に用いられる検出装置を示す図。 本発明による方法のフローチャート。

Claims (13)

  1. 低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成する方法であって、
    a.第1の画像の生成のために第1のX線検出器によりX線放射線の検出をなすステップと、
    b.前記第1のX線検出器から距離を置いて配される第2のX線検出器により前記第1のX線検出器における開口部を通じるX線の検出をなすステップと、
    c.当該2つのX線検出器からの信号を合成して、前記第1の画像と比べて低減された散乱放射線の割合を含むX線画像を生成するステップと、
    を有する方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記開口部を通じて散乱放射線が突き当たるものの主放射線は突き当たらない前記第2のX線検出器における検出素子からの信号は、前記第1の画像に含まれる前記散乱放射線を判定するために用いられる、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記開口部を通じて主放射線が突き当たる検出素子からの信号は、前記第1のX線検出器における前記開口部により生じる画像のギャップを充填するために用いられる、方法。
  4. 請求項1に記載の方法を実行するX線装置であって、
    a.X線源と、
    b.前記X線源により放出されたX線を検出する検出装置であって、互いに距離を置いて配される第1及び第2のX線検出器を有し、前記第1のX線検出器には、前記第2のX線検出器の個々の検出素子にX線が突き当たる際に介在する開口部が設けられるようにしている検出器と、
    c.前記X線検出器により供給される信号を合成して低比率の散乱放射線を含むX線画像を生成するための手段と、
    を有する装置。
  5. 請求項4に記載のX線装置であって、前記第2のX線検出器に隣接する側において、前記開口部の領域を除き、前記第1のX線検出器は、X線の吸収性のある材料の層を具備する、装置。
  6. 請求項4に記載のX線装置であって、前記第1のX線検出器は、円錐形状に前記開口部の周りを斜角形成され、これにより、前記散乱放射線がほぼ影響を受けずに前記開口部を通過することを可能にする、装置。
  7. 請求項4に記載のX線装置であって、少なくとも前記第1のX線検出器は、スリット形態の開口部により互いに分離されている複数の副検出器から構成され、主放射線が突き当たる前記第2のX線検出器の検出素子からの信号は、前記第1のX線検出器により検出されたX線画像を補足するために用いられる、装置。
  8. 請求項7に記載のX線装置であって、前記開口部の長手方向において散乱させられる散乱放射線を抑制するためのバッキー型ストリップを有し、これらストリップは、当該2つのX線検出器の間に配され前記開口部に直角に延びる、装置。
  9. 請求項4に記載のX線装置のための検出装置であって、互いに距離を置いて配される2つのX線検出器を有し、これらのうちの一方は、空間的に均等に分散させられた開口部を具備する、装置。
  10. 請求項9に記載の検出装置であって、開口部の設けられた少なくとも前記X線検出器は、シンチレーション結晶層を有し、前記開口部は、前記X線に対して透過性のある光伝導性物質が充填される、装置。
  11. 請求項9に記載の検出装置であって、当該2つの検出器の検出素子は、同じ寸法のものである、装置。
  12. 請求項9に記載のX線検出装置であって、開口部の設けられた前記第1のX線検出器の検出素子の寸法は、前記第2のX線検出器の検出素子の寸法よりも若干小さく、X線装置における使用時に、前記第2のX線検出器の検出素子の寸法は、前記第2のX線検出器と前記X線源の焦点との間距離が前記第1の検出器の場合における対応の距離よりも大きい場合と少なくとも実質的に同じ量だけ、前記第1のX線検出器の検出素子の寸法よりも大きいものとした、検出装置。
  13. 請求項9に記載の検出装置であって、前記第2のX線検出器は、前記第1の検出器において前記開口部を通じてX線が突き当たることのできる領域においてのみ検出素子を有する、装置。
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