JP2009532625A - 電磁弁の操作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射装置のハードウェアにおける変更を必要とすることなく、低い部分負荷範囲またはアイドリングにおいて正確な燃料配量を可能にし、内燃機関の改善された回転およびより低いエミッションを可能にする方法を提供する。
【解決手段】操作の開始時には電磁弁に以後の操作よりも高い電圧が印加され、操作の終了時には電磁弁に保持電流(I)が供給される、内燃機関内への燃料の噴射を制御するために使用される少なくとも1つの電磁弁の操作方法において、操作の終了時(t−t)に電磁弁に供給されるエネルギーおよび出力の少なくともいずれかを調節する少なくとも1つの操作変数(I)が、内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数の関数として予め設定可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも1つの電磁弁の操作方法に関するものである。
ドイツ特許公開第19833830号から、内燃機関内への燃料の噴射を制御するために使用される少なくとも1つの電磁弁の操作方法が既知である。この場合、操作の開始時には、電磁弁に以後の操作よりも高いブースタ電圧が印加される。この高いブースタ電圧は電磁弁のより急速な開放を提供する。第2の過程において、電磁弁は、電磁弁を確実に開放させるように働く引上電流で操作される。電磁弁が開放されたとき直ちに、電磁弁がそれにより操作される電流は低減されてもよい。第3の過程において流れるこの電流は保持電流と呼ばれる。
電磁弁の操作の回路技術的態様は、ドイツ特許公開第19833830号に詳細に記載されている。本発明による方法は、ドイツ特許公開第19833830号に記載の電磁弁の操作に対してハードウェア技術的な変更を全く必要としないので、ドイツ特許公開第19833830号のハードウェアに関する記載が参照される。
大量生産された同じ構造の電磁弁およびインジェクタの各製品は、その作動特性においてばらつきを有し、このばらつきが、特に低負荷範囲およびアイドリングにおいて、内燃機関の種々のシリンダ内に異なる燃料量が噴射される結果をもたらす。これにより、内燃機関の回転および有害物質エミッションが不利な影響を受ける。
低い部分負荷範囲またはアイドリングにおいて燃料配量における高い精度がその結果として内燃機関の改善された回転およびより低いエミッションを可能にする方法を提供することが本発明の課題である。
この課題は、操作の開始時には電磁弁に以後の操作よりも高い電圧が印加され、また操作の終了時には電磁弁に保持電流が供給される、内燃機関内への燃料の噴射を制御するために使用される少なくとも1つの電磁弁の操作方法において、操作の終了時に電磁弁に供給されるエネルギーおよび/または出力を調節する少なくとも1つの操作変数が、内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数の関数として予め設定可能であることにより解決される。
本発明は、特に、低い部分負荷範囲内およびアイドリング運転においてはコモンレール内の圧力が比較的低いことを利用している。この結果、例えば保持電流は低減可能であるので、開放された電磁弁内に少ないエネルギーが蓄積される。これにより、電磁弁の閉止時間、したがって電磁弁により操作されるインジェクタの閉止時間もまた低減されるので、噴射過程の終了がより高い精度で行われる。本発明の方法により、噴射期間が電磁弁およびインジェクタの大量生産によるばらつきから受ける影響が、通常の方法においてよりも小さくなる。この結果、同じ操作における、大量生産された多数の電磁弁ないしはインジェクタの噴射量のばらつきがより小さくなり、且つ希望の燃料量が噴射される精度が上昇する。
本発明による方法の他の利点は、電磁弁を操作するために必要な電力が低下可能であるので、制御装置の負荷および制御装置内に存在する最終段の負荷が軽減されることにみられる。
さらに、本発明による方法の重要な利点は、制御装置のハードウェアにおいてのみならず、内燃機関のインジェクタないしはインジェクタ内の電磁弁においてもまた変更が必要ではないことにみられる。本発明による方法は、制御装置内において実行されるコンピュータ・プログラムの変更によってコスト的に有利に実行可能である。これにより、予め大量生産された制御装置において、制御装置内において実行されるコンピュータ・プログラムの変更により本発明による方法の適用もまた可能である。
内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第1の限界値を下回っているとき、操作の終了時における電磁弁の操作変数が、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転における出力値よりも低減された値に低下されるときに特に有利であることがわかった。
さらに、内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第2の限界値を超えているとき、操作の終了時における電磁弁の操作変数が、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転における出力値に上昇されるときに有利であることがわかった。操作変数の低下のための限界値と、それに続く、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転に対して設定された値への操作変数の上昇のための限界値とが異なることにより、いわゆるヒステリシスが形成され、このヒステリシスは、操作変数が2つの異なる値、即ち正常値と低下値との間を往復してジャンプすることを確実に阻止している。
本発明の他の有利な補足態様において、内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第1の限界値を下回っているとき、電磁弁の操作の開始時における高い操作電圧が、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転における出力値よりも上昇されるか、またはより長く高いレベルに留まるように設計されている。これにより、操作の開始時に、より高い、および/またはより長い時間作用するいわゆるブースタ電流が電磁弁内を流れ、このブースタ電流は、さらにより急速且つより確実に電磁弁を開放させる。アイドリング運転においては内燃機関の回転速度は当然小さいので、ブースタ・コンデンサを高い操作電圧/ブースタ電圧に充電するために、制御装置、ブースタ・コンデンサまたは燃料噴射装置の他の部品を過負荷にすることなく、異なる噴射間において十分な時間が利用可能である。
高いブースタ電流に基づく電磁弁の高い開放速度は、噴射の開始がより正確に決定され、且つブースタ電圧の印加とインジェクタの開放との間に設定される遅れのばらつきは、大量生産されたインジェクタの各製品間でより小さくなる。この結果、電磁弁の操作の開始時に高いブースタ電流が流れることは、燃料配量の精度をさらに上昇させる。
内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第2の限界値を超えているとき、電磁弁の操作開始時における高い操作電流/ブースタ電流が、部分負荷運転または全負荷運転における出力値に低下されるときにさらに有利であることがわかった。これにより、電磁弁の操作の開始時における高い操作電流が、内燃機関の特定の運転条件が存在したときにのみ供給されるので、燃料噴射装置の個々の部品を過負荷にすることはない。
内燃機関の回転速度および/またはコモンレール内圧力が、内燃機関の電磁弁を操作するための運転特性変数として使用されるときに、特に有利であることがわかった。これにより、例えば、内燃機関の回転速度が予め設定可能な第1の限界値を下回っているとき直ちに、電磁弁の操作の終了時における操作電流を低下させることが可能である。同様に、アイドリングにおいては、コモンレール内圧力が内燃機関の部分負荷運転ないしは全負荷運転においてよりも低い値をとるので、1つの運転方式から他の運転方式への切換を開始させるために、コモンレール内圧力が使用されてもよい。
操作の終了時に電磁弁に供給されるエネルギーまたは出力が、保持電流の二位置制御により制御可能であることが有利である。従来技術から既知の他の出力制御ないしは電力制御もまた使用可能であることは明らかである。
内燃機関の低い部分負荷範囲またはアイドリング運転においては、コモンレール内圧力、したがってインジェクタ内圧力もまた、比較的低く且つ噴射時間はきわめて短いので、ブースタ電流を有する電磁弁の操作に直接、保持電流による電磁弁の操作が続くときに有利であることがわかった。これは引上電流による電磁弁の操作が省略可能であることを意味する。これにより、制御装置の負荷が軽減される。内燃機関のアイドリング運転においては、コモンレール内圧力ないしはインジェクタ内圧力が比較的低いので、電磁弁の開放を確実に達成するために、ブースタ電圧による電磁弁の操作だけで十分である。
これは明らかにより高いコモンレール圧力を有する内燃機関の全負荷運転または部分負荷運転における場合ではなく、このような内燃機関の全負荷運転または部分負荷運転においては、ブースタ電圧による電磁弁の操作後に、電磁弁が保持電流より大きい引上電流で操作される引上過程が必要である。
本発明の他の利点および有利な形態が、以下の図面、その説明および特許請求の範囲から明らかである。図面、その説明および特許請求の範囲内に記載の全ての利点は、個々においてのみならず相互の任意の組み合わせにおいてもまた進歩性を有するものである。
本発明による方法のその他の利点は、インジェクタないしは電磁弁における構造上の変更なしに、より少ない噴射量が噴射可能であることにある。
図1に、ドイツ特許公開第19833830号から既知のような電磁弁の操作方法が示されている。この操作の回路技術的態様は、上記文献に詳細に記載されている。本発明による方法は、ドイツ特許公開第19833830号に記載の電磁弁の操作に対してハードウェア技術的な変更を必要としないので、ドイツ特許公開第19833830号内のハードウェアの説明が参照される。
電磁弁の操作は時点tに開始する。時点tに開始してから時点tに至るまで、電磁弁にブースタ電圧UBoostが印加される。内燃機関の中位の部分負荷運転または全負荷運転におけるブースタ電圧UBoostは、典型的には65Vの値を有していてもよい。その結果、きわめて高い電流IBoost,Volllastが流れ、このことは電磁弁内に磁界を急速に形成させる。時点tにおけるブースタ過程の終了時において、電磁弁が既に開放されていることは保証されていない。
この理由から、部分負荷運転または全負荷運転において、ブースタ過程と呼ばれるこの第1の過程ののちに、電磁弁に引上電流Iが供給される。引上電流Iは、最高レール圧力においても電磁弁が完全に開放され、したがって噴射過程が開始されるような大きさに決定されている。
電磁弁の開放が保証されている時点tにおいて、電磁弁を操作する電流は、保持電流Iに低減可能である。時点tに開始し且つ時点tに終了する保持過程において、保持電流IH,Volllastは二位置制御により希望の値に制御される。噴射が終了されるべきとき、保持電流IH,Volllastは遮断され且つ電磁弁内の磁界は消滅する。時点tにおいて電磁弁は閉鎖されている。電磁弁の操作の終了と電磁弁の閉止との間の期間が、図1においてΔtで示されている。
図2には、低い部分負荷運転またはアイドリング運転における電磁弁の本発明による操作方法が示されている。ここでは、Y軸は図1のY軸と同じ尺度で示されている。
時点tに開始し、アイドリング運転において電磁弁は同様にブースタ電圧UBoostで操作され、この場合、高いブースタ電流IBoost,Leerlaufが達成されるまで、電磁弁にブースタ電圧UBoostがより長く印加される。内燃機関のアイドリング運転においては、ブースタ過程が延長されるために、図2のブースタ過程の終了時(t=t′)においては、部分負荷運転または全負荷運転における操作のときの時点t=tにおける電磁弁の供給電流(図1参照)と比較してより高い供給電流が流れる。
図2に示されている実施例においては、t=tとt=tとの間の時間間隔内に、電磁弁にブースタ電圧UBoostが新たに印加される。ブースタ電圧UBoostの第2の印加はオプションである。多くの使用例においては、ブースタ電圧UBoostの1回の印加で十分である。
電磁弁におけるブースタ電圧UBoostの1回または複数回の印加により、第1に、電磁弁のきわめて急速な開放が達成され、第2に、ブースタ過程の終了時における電磁弁の全開が保証されている。
時点tにおいて、遅くとも時点tにおいて、電磁弁は既に全開されているので、内燃機関のアイドリング運転においては、引上電流Iの供給は省略可能である。時点tにおいて、電磁弁は、全負荷運転よりも低減された保持電流IH,Leerlaufで操作される。この保持電流IH,Leerlaufは保持電流IH,Volllastより小さい。これにより制御装置の負荷は軽減され、より小さい保持電流IH,Leerlaufに基づいて電磁弁の磁界内に蓄積されているエネルギーは少ないので、時点t=tにおいて保持電流IH,Leerlaufを遮断したのちに、電磁弁はより急速に閉止する。これは、時点tとtとの間の時間間隔Δtが時間間隔Δt(図1参照)より小さいことを意味する。
この結果、本発明の方法により、第1に、より急速な開放、したがって噴射過程のより正確な開始が保証されている。第2に、部分負荷運転および全負荷運転よりも低減された保持電流により、電磁弁の閉止時間もまた低減され、このことは噴射過程の終了の精度に有利に働く。
さらに、部分負荷範囲または全負荷範囲において電磁弁に引上電流Iが供給される時点tとtとの間の過程は代替なしに省略可能であるので、制御装置の負荷は軽減される。
図1は、部分負荷範囲または全負荷範囲における電磁弁の操作線図を示す。 図2は、低い部分負荷範囲またはアイドリングにおける本発明の方法による電磁弁の操作線図を示す。

Claims (12)

  1. 操作の開始時には電磁弁に以後の操作よりも高い電圧が印加され、および
    操作の終了時には電磁弁に保持電流(I)が供給される、内燃機関内への燃料の噴射を制御するために使用される少なくとも1つの電磁弁の操作方法において、
    操作の終了時(t−t)に電磁弁に供給されるエネルギーおよび出力の少なくともいずれかを調節する少なくとも1つの操作変数(I)が、内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数の関数として設定可能であることを特徴とする少なくとも1つの電磁弁の操作方法。
  2. 内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第1の限界値を下回っているとき、操作の終了時(t−t)における電磁弁の操作変数(I)が、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転における出力値よりも低減された値(IH,Leerlauf)に低下されることを特徴とする請求項1に記載の操作方法。
  3. 内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第2の限界値を超えているとき、操作の終了時(t−t)における電磁弁の操作変数(I)が、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転における出力値(IH,Volllast)に上昇されることを特徴とする請求項2に記載の操作方法。
  4. 内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第1の限界値を下回っているとき、電磁弁の操作の開始時(t−t′)における操作電圧(UBoost)が、内燃機関の部分負荷運転または全負荷運転における出力状態よりも上昇されること、およびより長く印加されること、の少なくともいずれかが行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の操作方法。
  5. 操作の開始時(t−tおよびt−t)に、電磁弁が、上昇された操作電圧(UBoost)で複数回操作されることを特徴とする請求項4に記載の操作方法。
  6. 内燃機関の少なくとも1つの運転特性変数が予め設定可能な第2の限界値を超えているとき、電磁弁の操作開始時(t−t)におけるより長く印加される操作電圧(UBoost)が、部分負荷運転または全負荷運転におけるブースタ過程の出力期間に低下されることを特徴とする請求項4または5に記載の操作方法。
  7. 内燃機関の回転速度およびコモンレール内圧力の少なくともいずれかが、内燃機関の電磁弁を操作するための運転特性変数として使用されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の操作方法。
  8. 操作の終了時(t−t)に電磁弁に供給されるエネルギーおよび出力の少なくともいずれかが、保持電流(IH,Leerlauf)の二位置制御により制御されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の操作方法。
  9. 以後の操作よりも高い電圧(UBoost)による電磁弁の操作に直接、保持電流(I)による電磁弁の操作が続くことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の操作方法。
  10. コンピュータ・プログラムが制御装置で実行されるとき、請求項1ないし9のいずれかに記載の方法が実行されることを特徴とする、制御装置で実行可能なコンピュータ・プログラム。
  11. 記憶媒体に記憶可能であることを特徴とする請求項10のコンピュータ・プログラム。
  12. 請求項1ないし9のいずれかに記載の方法を実施することを特徴とする内燃機関を制御するための制御装置。
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