JP2009531612A - 内燃機関用の複数部分から成るピストン - Google Patents

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Abstract

本発明は、内燃機関用の複数部分から成るピストン(1)であって、ピストン上側部分(11)とピストン下側部分(12)とが設けられており、ピストン下側部分(12)がピストン上側部分(11)に向けられた側に、支持皿(32)を有している形式のものに関する。このような形式のピストンにおいて本発明の構成では、ピストン上側部分(11)がピストン下側部分(12)に向けられた側にねじ山付孔(31)を有しており、支持皿(32)がピストン上側部分(11)とは反対の側に、半径方向の接触面(34)を有していて、該接触面(34)に、ねじ(35)に形成されていて対応する半径方向の接触面(36)が接触しており、ねじ(35)がねじ山付孔(31)にねじ込まれている。

Description

本発明は、内燃機関用の複数部分から成るピストンであって、ピストン上側部分とピストン下側部分とが設けられており、ピストン下側部分がピストン上側部分に向けられた側に、支持皿を有している形式のものに関する。
複数部分から成るピストンには、ピストン上側部分とピストン下側部分とを互いに異なった材料から構成することができる、という大きな利点がある。ピストン上側部分は通常、特に耐摩耗性で、特に耐熱性の、しかしながら重い材料から製造されており、これに対してピストン下側部分は通常重量を低減するために、耐摩耗性の低い軽金属材料から製造されている。この場合ピストン上側部分とピストン下側部分とは、例えばEP1483493B1に開示されているように、互いに螺合によって結合されている。
冒頭に述べた形式のピストンは、DE10257022A1に記載されている。この公知のピストンは、ピストン上側部分に設けられたねじ山付ヘッドと、ピストン下側部分に設けられた支持皿とを有しており、この支持皿は、ねじ山付ヘッドに対応するねじ山体を備えていて、ねじ山付ヘッドと支持皿とは組立て時に互いに螺合させられる。この際にねじ山体を備えた支持皿はこの場合皿ばね状に湾曲させられ、その結果ねじ山付ヘッドには引張り応力が加えられ、この引張り応力によって、ピストン上側部分とピストン下側部分との間における持続的な組立て結合が生ぜしめられる。
この公知の構成における問題点は、引張り応力が、ピストン上側部分とピストン下側部分との螺合時にねじ山付孔を鉛直方向上側に向かって作用する引張り力によって拡大させてしまうほど大きくなるおそれがあるということである。これによって螺合結合部は最終的に不安定になる。これによってさらに、支持皿が変形又は破損したり、又は螺合結合部が互いに切り離されてしまうことがある。
本発明の課題は、冒頭に述べた形式のピストンを改良して、ピストン上側部分とピストン下側部分とが螺合結合部によって互いに安定的に結合され、しかも螺合結合部が損傷されないようにすることである。
この課題を解決するために本発明の構成では、請求項1の特徴部記載のように、すなわちピストン上側部分がピストン下側部分に向けられた側にねじ山付孔を有しており、支持皿がピストン上側部分とは反対の側に、半径方向の接触面を有していて、該接触面に、ねじに形成されていて対応する半径方向の接触面が接触しており、ねじがねじ山付孔にねじ込まれているようにした。
本発明の構成は、ピストン上側部分とピストン下側部分とが別体のねじによって互いにねじ結合されており、ねじが係合するねじ山付孔がピストン上側部分に設けられていることによって、傑出している。同時に、ねじに形成された接触面は、支持皿の下側に形成された対応する接触面に接触している。ねじはつまり「下から」、すなわちピストン下側部分から、ピストン上側部分にねじ込まれる。ピストン上側部分はつまりねじ結合部を用いて生じる力によって、「下に向かって」、つまりピストン下側部分に向かって引っ張られ、この際にねじは支持皿の下側に支持されている。ねじは僅かに伸長される。そして力は、ねじから支持皿を介してピストン下側部分に直に導入される。従ってピストン上側部分におけるねじ結合部は、安定的なままであり、発生する力によって損なわれること、特に弛むことはない。
本発明の別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
本発明の有利な構成では、支持皿が弾性的に形成されている。ピストン上側部分及びピストン下側部分の弾性的な応力は、最適化される。支持皿の弾性度とねじ結合動作時におけるねじの伸長とによって、螺合部は付加的に強化される。
ねじ山付孔が盲孔として形成されていると、ピストン頂部を閉鎖状態に保つことができるので、有利である。
本発明の別の有利な構成では、ピストン下側部分が環状の内側の支持エレメントを有していて、支持皿が該内側の支持エレメントと結合されている。このように構成されていると、ピストンは外側及び内側の環状の冷却通路を備えることができる。
またピストン上側部分とピストン下側部分とが組み立てられた状態において互いに支持し合うようにするためには、ピストン上側部分及びピストン下側部分がそれぞれ、内側の接触面を備えた内側の環状の支持エレメントと、外側の接触面を備えた外側の環状の支持エレメントとを有していて、組み立てられた状態においてそれぞれ内側の接触面と外側の接触面とが互いに接触していると、有利である。
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1には、本発明によるピストン10が断面図で示されている。このピストン10はピストン上側部分11とピストン下側部分12とから成っている。ピストン上側部分11はピストン頂部13と、環状の火炎ウェブ(Feuersteg)と環状のリング部分15とを備えた側壁とを有している。ピストン下側部分12はピストンスカート16と、ピストンピン(図示せず)を受容するためのボス17とボス支持部18とを有しており、これらのボス支持部18はピストンスカート16と結合されている。ピストン上側部分11及びピストン下側部分12は、環状の外側の冷却通路19と環状の内側の冷却通路20とを形成している。
ピストン上側部分11は、環状の内側の接触面22を備えた環状の内側の支持エレメント21と、環状の外側の接触面24を備えた環状の外側の支持エレメント23とを有している。ピストン下側部分12もまた同様に、環状の内側の接触面26を備えた環状の内側の支持エレメント25と、環状の外側の接触面28を備えた環状の外側の支持エレメント27とを有している。
組み立てられた状態においてピストン上側部分11とピストン下側部分12とは互いに次のように、すなわちピストン上側部分11の内側の支持エレメント21内側の接触面22とピストン下側部分12の内側の支持エレメント25の内側の接触面26とが互いに接触し合うように、方向付けられている。同様に、ピストン上側部分11の外側の支持エレメント23の外側の接触面24と、ピストン下側部分12の外側の支持エレメント27の外側の接触面28とも互いに接触している。
ピストン上側部分11のリング部分15及び該リング部分15に接続された外側の支持エレメント23並びに内側の支持エレメント21と、ピストン下側部分12の外側の支持エレメント27及び内側の支持エレメント25とは、ピストン10の環状の外側の冷却通路19を形成しかつ画成している。
ピストン上側部分11の、ピストン下側部分12に向けられた下側には、図示の実施例ではねじ山付孔31がピストン長手方向軸線A上において中心に設けられている。このねじ山付孔31は雌ねじ山を備えている。
ピストン下側部分12はピストン上側部分11に向けられた上側に、支持皿32を備えている。この支持皿32は、ピストン下側部分12の内側の支持エレメント25の内側と結合されていて、ピストン長手方向軸線Aに配置された孔33を有している。支持皿32の下側には、半径方向の接触面34が設けられている。またねじ35が孔33に導入されていて、ねじ山付孔31にねじ込まれている。ねじ35はねじ頭36を有しており、このねじ頭36は半径方向の接触面37を備えている。ねじ頭36はその半径方向の接触面37で、支持皿32の下側における接触面34に接触している。ピストン上側部分11とピストン下側部分12とは、これによって生ぜしめられた螺合部によって互いに堅く結合されており、そしてピストン上側部分11とピストン下側部分12とはそれぞれ対応する接触面22,26;24,28において互いに支持し合う。この場合ピストン上側部分11はピストン下側部分12に向かって引っ張られる。図示の実施例において、選択された材料及び/又は構造デザイン、特に厚さによって決定される、弾性的な支持皿32は、ピストン上側部分11に向かって引っ張られる。ねじ35は、僅かに長くなり、支持皿32の下側に支持される。これによって、ねじ結合部において生じる引張り力は吸収され、支持皿32を介してピストン下側部分12に直に導入される。これによって生じるピストン上側部分11及びピストン下側部分12の応力により、ピストン10の高負荷された運転においても確実なねじ結合部が生ぜしめられる。
内側の支持エレメント21;25、支持皿32及びねじ35は、環状の内側の冷却通路20を形成し、かつ画成している。
本発明によるピストンを示す断面図である。

Claims (5)

  1. 内燃機関用の複数部分から成るピストン(1)であって、ピストン上側部分(11)とピストン下側部分(12)とが設けられており、ピストン下側部分(12)がピストン上側部分(11)に向けられた側に、支持皿(32)を有している形式のものにおいて、ピストン上側部分(11)がピストン下側部分(12)に向けられた側にねじ山付孔(31)を有しており、支持皿(32)がピストン上側部分(11)とは反対の側に、半径方向の接触面(34)を有していて、該接触面(34)に、ねじ(35)に形成されていて対応する半径方向の接触面(36)が接触しており、ねじ(35)がねじ山付孔(31)にねじ込まれていることを特徴とする、内燃機関用の複数部分から成るピストン。
  2. 支持皿(32)が弾性的に形成されている、請求項1記載のピストン。
  3. ねじ山付孔(31)が盲孔として形成されている、請求項1又は2記載のピストン。
  4. ピストン下側部分(12)が環状の内側の支持エレメント(25)を有していて、支持皿(32)が該内側の支持エレメント(25)と結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のピストン。
  5. ピストン上側部分(11)及びピストン下側部分(12)がそれぞれ、内側の接触面(22,26)を備えた内側の環状の支持エレメント(21,25)と、外側の接触面(24,28)を備えた外側の環状の支持エレメント(23,27)とを有していて、組み立てられた状態においてそれぞれ内側の接触面(22,26)と外側の接触面(24,28)とが互いに接触している、請求項1から4までのいずれか1項記載のピストン。
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